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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220221BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220221BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 201
G03G21/00 370
H04N1/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017185988
(22)【出願日】2017-09-27
(65)【公開番号】P2019059136
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】濱本 清志郎
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185158(JP,A)
【文献】特開2005-246795(JP,A)
【文献】特開2007-299182(JP,A)
【文献】特開2007-028019(JP,A)
【文献】特開2001-290622(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0023246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
B41J 5/00 - 5/52
B41J 21/00 - 21/18
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置を含むグループに共有されるジョブパラメータを記憶する記憶部と、
前記ジョブパラメータが自機の能力で実行できる場合、前記ジョブパラメータを自動では補正せず、前記ジョブパラメータが自機の能力では実行できない場合、前記ジョブパラメータの各項目の設定値を、前記グループに属する前記複数の画像形成装置の各項目の能力において、最も低い能力である共通最大限能力で実行できる値に自動で補正する制御部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、ディスプレイに、補正後の前記ジョブパラメータを表示し、かつ前記ジョブパラメータの各項目の設定値の変更を受け付ける画面を表示し、前記画面を介して前記設定値の変更を受け付ける画像形成装置。
【請求項3】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記グループに属する画像形成装置の変更があると、前記共通最大限能力を再計算する画像形成装置。
【請求項4】
請求項または請求項に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記グループ内のいずれかの前記画像形成装置が能力の変更を行う場合、前記共通最大限能力を再計算する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、ジョブパラメータの共有技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置が知られる(例えば特許文献1)。画像形成装置において、ジョブの履歴から選択されたジョブのジョブパラメータを登録できるものがある。この画像形成装置では、所定の画面にて登録済みのジョブパラメータの選択を受け付けることで、該ジョブパラメータを呼び出すことができる。画像形成装置が該登録済みのジョブパラメータのファイルを共有ボックス内に入れることで、ネットワーク内のどの画像形成装置からも該ジョブパラメータを呼び出して、ジョブの実行に利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-287216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ネットワーク内の各画像形成装置はそれぞれ能力が異なる。そのため、従来技術では、ネットワーク内の画像形成装置の能力によっては、共有したジョブパラメータを用いると、正常にはジョブを実行できないおそれがある。例えば、共有したジョブパラメータがステープルを行うものである場合、ステープル機能が無い画像形成装置では、共有したジョブパラメータを用いると、正常にはジョブを実行できないおそれがある。
【0005】
この明細書は、共有したジョブパラメータを正常に利用するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、本実施形態の画像形成装置は、記憶部と、制御部とを備える。記憶部は、複数の画像形成装置を含むグループに共有されるジョブパラメータを記憶する。制御部は、ジョブパラメータが自機の能力では実行できない場合、ジョブパラメータを自機の能力で実行できるジョブパラメータに補正する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】MFPを示す図である。
図2】ジョブパラメータを共有するための画面を示す図である。
図3】ジョブパラメータを表示する画面を示す図である。
図4】共有ジョブパラメータを利用する際のMFPの処理を示すフローチャートである。
図5】共有ジョブパラメータリストを表示する画面を示す図である。
図6】共通最大限能力の算出方法を説明するための図である。
図7】共有ジョブパラメータの自動補正を通知する画面を示す図である。
図8】ジョブパラメータを表示する画面を示す図である。
図9】手動補正を行うための画面を示す図である。
図10】共通最大限能力の再計算を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、MFP1A,1B(画像形成装置)を示す図である。
MFP1A,1B(Multi-Function Peripheral)は、プリント処理、コピー処理、スキャナ処理、FAX処理等の複数の処理機能を実行できる。MFP1A,1Bは、イントラネット上にあり、複数台のMFP1A,1Bを含むグループGに属する。MFP1A,1Bは、互いに有線または無線により通信可能に接続する。グループGでは、MFP1A,1Bは、実行したジョブのジョブパラメータを共有できる。グループGにおけるジョブパラメータの共有機能に関し、MFP1Aが上位のマスターとなり、他のMFP1BがMFP1Aの下位のスレーブとなる。
【0009】
MFP1Aには、グループGを構成する他のMFP1BのIPアドレスが予め設定されており、MFP1Aは、他のMFP1Bに自機がマスターである旨および自機のIPアドレスを通知する。これにより、MFP1Aを介してグループGのMFP1A,1Bは、後述するステータスリスト142や共有ジョブパラメータリスト144の同期が可能となる。イントラネットは、MFP1A,1Bの他、不図示のPC(Personal Computer) を含む。
【0010】
MFP1A,1Bは、画像形成部11、読取部12、制御部13、記憶部14、通信I/F15(Interface)、ディスプレイ16、および入力部17を備える。
【0011】
画像形成部11は、シートに画像を形成する。画像形成部11は、レーザにて感光体に潜像を形成し、潜像をトナーにより現像して感光体にトナー像を形成する。画像形成部11は、感光体のトナー像をシートに転写し、シートを定着器により加熱してトナー像をシートに定着させる。画像形成部11は、ヘッドからインクを吐出してシートに画像を形成してもよい。MFP1A,1Bは、画像形成部11により、イントラネット内のPCから受信する画像データに基づいてシートに画像を形成するプリント処理を行うことができる。
【0012】
読取部12は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備える。MFP1A,1Bは、読取部12により、原稿台上のシートを読み取り画像データを生成するスキャン処理を行うことができる。MFP1A,1Bは、読み取った画像データをFAX送信するFAX処理や、読み取った画像データに基づいてシートに画像を形成するコピー処理を行うことができる。
【0013】
制御部13は、プロセッサであり、MFP1A,1B全体を制御する。制御部13は、記憶部14内のプログラムを読み込み、各種の処理を実行する。
【0014】
記憶部14は、メモリであり、各種の閾値やプログラムを記憶する。記憶部14は、ステータス141、ステータスリスト142、ジョブ履歴143、および共有ジョブパラメータリスト144を記憶する。ステータス141は、プリンタ名やIPアドレス、MACアドレス等の自機の識別情報、および自機の能力を含む。自機の能力とは、カラーモードの種類(複数色によるプリントが可能なフルカラーモードおよび黒のみのプリントが可能な白黒モード)、解像度の範囲、両面モードの種類(両面プリントモード、片面プリントモード)、ステープル処理やパンチ処理の可否、各カセットの用紙サイズ等である。
【0015】
ステータスリスト142は、グループGに属するMFP1A,1Bのステータスのリストである(図6(A)参照)。ステータスリスト142は、定期的に、あるいはグループGを構成するMFP1A,1Bが変更するタイミングで、あるいはいずれかのMFP1A,1Bの能力が変更するタイミングで、MFP1A,1B間で同期され、更新する。
【0016】
ジョブ履歴143は、コピー処理、プリント処理、スキャン処理、FAX処理等、該MFP1A,1Bが行ったジョブの履歴である。ジョブ履歴143中の各ジョブは、MFP1A,1Bの識別情報、ジョブの実行日時、およびジョブパラメータと対応付けて記憶される。
【0017】
ジョブパラメータの設定値の項目は、図3に参照されるように、例えばジョブがスキャン処理の場合、カラーモード、解像度、原稿モード(文字モード、文字/写真モード、写真モード)、両面モード(両面プリントモード、片面プリントモード)、画像回転(画像データの編集における回転角度)、原稿サイズ(処理するシートの指定サイズまたは処理するシートサイズの自動判定)、ファイル形式(保存する画像データのファイル形式)、ファイル名(保存する画像データのファイル名)となる。
【0018】
共有ジョブパラメータリスト144は、グループGのMFP1A,1Bで共有する共有ジョブパラメータのリストである。
【0019】
通信I/F15は、MFP1A,1Bが外部端末と通信するためのインターフェースである。
【0020】
ディスプレイ16は、タッチパネル等であり、MFP1A,1Bの設定情報や動作ステータス、ログ情報、ユーザへの通知を表示する。
【0021】
入力部17は、タッチパネルや物理キー等であり、ユーザの入力を受け付ける。入力部17は、プリント処理の指示等、MFP1A,1Bの機能動作の指示や、設定の入力を受け付ける。
【0022】
図2は、ジョブパラメータを共有するための画面91を示す図である。以下、スレーブのMFP1Bによってジョブパラメータを共有する際のMFP1A,1Bの処理を説明する。
MFP1B(の制御部13)は、ユーザからジョブ履歴143の表示指示を受け付けると、ジョブ履歴143の各ジョブを一覧表示する画面91をディスプレイ16に表示する。各ジョブは、ジョブの種類およびジョブの実行日時が表示されるとともに、詳細ボタン911が表示される。
【0023】
MFP1Bは、ジョブの選択を受け付けるとともに(図2の例では最下段のスキャンジョブ)、詳細ボタン911の選択を受け付けると、図3に示すように該ジョブのジョブパラメータを表示する。図2に戻り、MFP1Bは、ジョブの選択を受け付けるとともにOKボタン912の選択を受け付けると、グループGのMFP1A,1Bと該ジョブのジョブパラメータを共有する。具体的に、MFP1Bは、マスターのMFP1Aに対し、グループGで共有するジョブのパラメータである共有ジョブパラメータ(該ジョブの種類および実行日時を含む)を送信する。
【0024】
すると、MFP1Aは、共有ジョブパラメータリスト144を更新し、共有ジョブパラメータリスト144に新たな共有ジョブパラメータを追加する。MFP1Aは、スレーブのMFP1Bに、共有ジョブパラメータリスト144の更新を通知する。これにより、各MFP1Bは、自機の共有ジョブパラメータリスト144をマスターのMFP1Aの共有ジョブパラメータリスト144に同期させ、自機の共有ジョブパラメータリスト144を更新する。
【0025】
マスターのMFP1Aにて、ジョブ履歴143の中からジョブパラメータを共有するジョブの選択を受け付ける場合、自機の共有ジョブパラメータリスト144を更新した後、該更新をスレーブのMFP1Bに通知する。これにより、各MFP1Bが自機の共有ジョブパラメータリスト144をマスターのMFP1Aの共有ジョブパラメータリスト144に同期させる。
【0026】
以下、共有ジョブパラメータを利用する際のMFP1A,1Bの処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
MFP1A,1Bは、ユーザから共有ジョブパラメータリスト144の表示指示を受け付けると、図5に示すように、共有ジョブパラメータリスト144の共有ジョブパラメータを一覧表示する画面93をディスプレイ16に表示する。(Act1)。各共有ジョブパラメータは、該共有ジョブパラメータに係るジョブの種類およびジョブの実行日時が表示されるとともに、詳細ボタン931が表示される。MFP1A,1Bは、詳細ボタン931の選択を受け付けると、前述の図3に示すように、該共有ジョブパラメータの各設定値を表示する。
【0027】
図6は、共通最大限能力の算出方法を説明するための図である。図6(A)は、ステータスリスト142を示す図である。図6(B)は、算出される共通最大限能力の各項目の設定値を示す図である。
MFP1A,1Bは、ステータスリスト142に基づき、グループGに属する画像形成装置1A,1Bの各項目の能力において、最も低い能力である共通最大限能力を算出する(Act2)。グループGのMFP1A,1Bでは、カラーモードの能力が白黒モードのものとフルカラーモードのものとがある。フルカラーモードで画像を形成できるMFP1A,1Bは白黒モードでも画像を形成できるので、フルカラーモードは、白黒モードの上位となる。従って、カラーモードの項目において、グループGで最も低い能力である共通最大限能力は、図6(B)に示すように、白黒モードとなる。グループGのMFP1A,1Bでは、解像度が600dpiもの、400dpiもの、300dpiものがある。従って、解像度の項目にて共通最大限能力は300dpiとなる。
【0028】
図5に戻り、MFP1A,1Bは、利用する共有ジョブパラメータが選択され、OKボタン931が押されることにより、利用する共有ジョブパラメータの選択を受け付ける(Act3)。図5の例では、最下段のスキャンジョブに係る共有ジョブパラメータが選択される。
【0029】
MFP1A,1Bは、選択される共有ジョブパラメータの各項目が、自機の能力で全て実行可能か否かを判定する(Act4)。MFP1A,1Bは、実行可能と判定する場合(Act4:NO)、後述のAct7の処理を行う。
【0030】
MFP1A,1Bは、選択される共有ジョブパラメータの項目において、自機の能力で実行不可能なものがある場合、例えば選択される共有ジョブパラメータのカラーモードがフルカラーモードであり、自機のカラーモードの能力が白黒モードである場合、実行不可能と判定する(Act4:YES)。
【0031】
この場合、MFP1A,1Bは、選択される共有ジョブパラメータのうち、自機の能力で実行不可能な項目の設定値を、自機の能力で実行できるジョブパラメータに補正する、本実施形態の場合、該項目における共通最大限能力に補正する(Act5)。例えば選択される共有ジョブパラメータのカラーモードがフルカラーモードであり、自機のカラーモードの能力が白黒モードである場合には、共有ジョブパラメータのカラーモードであるフルカラーモードは、自機では実行できない。この場合、MFP1A,1Bは、共有ジョブパラメータのカラーモードを、フルカラーモードから共通最大限能力(図6(B)参照)である白黒モードに補正する。
【0032】
例えば選択される共有ジョブパラメータの解像度が900dpiであり、自機の解像度の能力の上限が600dpiである場合には、共有ジョブパラメータの解像度900dpiでは、自機ではスキャンジョブを実行できない。この場合、MFP1A,1Bは、共有ジョブパラメータの解像度を、900dpiから共通最大限能力の300dpi(図6(B)参照)に補正する。
【0033】
ここでは、MFP1A,1Bは、共有ジョブパラメータのカラーモードをフルカラーモードから白黒モードに補正したものとする。
【0034】
図7は、共有ジョブパラメータの自動補正を通知する画面94を示す図である。
MFP1A,1Bは、選択された共有ジョブパラメータが自機の能力では実行できないため、該共有ジョブパラメータを自動補正した旨を画面94に表示する(Act6)。
【0035】
図8は、ジョブパラメータを表示する画面95を示す図である。
MFP1A,1Bは、図7の画面94にて、選択された共有ジョブパラメータの詳細ボタン941の選択を受け付けると、選択された共有ジョブパラメータの補正後の各項目の設定値を表示する図8の画面95を表示する。また、本例ではカラーモードがフルカラーモードから白黒モードに補正されたことから、画面95では、自動補正した共有ジョブパラメータの項目がカラーモードであることが表示される。
【0036】
図9は、手動補正を行うための画面96を示す図である。
MFP1A,1Bは、図8の画面95にて共有ジョブパラメータの適宜の項目が選択されるとともに、手動補正ボタン951の選択を受け付けると、手動補正を行うための図9の画面96を表示する。ここでは、共有ジョブパラメータの解像度の項目が選択されたものとする。
【0037】
画面96では、共有ジョブパラメータの選択された項目において、自機の能力で実行可能な複数の設定値が表示されるとともに、現在の設定値が表示される。ここでは、現在の設定値が300dpiであり、選択可能な解像度の設定値として、600,400,300,200,150,100(dpi)が表示される。画面96にて、設定値が選択されるとともに、決定ボタン961が選択されると、MFP1A,1Bは、該設定値を、選択された設定値に補正する。
【0038】
そして、MFP1A,1Bは、図8の画面95にて、該手動補正した項目を表示する(Act7:Yes、Act8)。ここでは、画面96にて400dpiが選択されて決定ボタン961が選択されたことにより、MFP1A,1Bが共有ジョブパラメータの解像度の設定値を300dpiから400dpiに補正したものとする。そして、MFP1A,1Bは、図8の画面95にて、該手動補正した項目を解像度と表示したものとする(Act7:Yes、Act8)。なお、手動補正(Act7:NO)を行わない場合、MFP1A,1Bは次のAct9の処理を行う。
【0039】
MFP1A,1Bは、画面95にて戻るボタン952が選択されると、図7の画面94を表示する。MFP1A,1Bは、図7の画面94または図5の画面93にて、共有ジョブパラメータの選択を受け付けるとともに、OKボタン932、942の選択を受け付けると、利用する共有ジョブパラメータの内容を確定させ(Act9:YES)、処理を終了する。これにより、MFP1A,1Bは、選択を受け付けた共有ジョブパラメータの設定値で、ジョブを実行することが可能となる。
【0040】
MFP1A,1Bは、例えば、本例のようにスキャンジョブの共有ジョブパラメータが選択され、OKボタン932、942が選択されると、選択されたスキャンジョブの共有ジョブパラメータでスキャンジョブを実行する。すなわち、MFP1A,1Bは、原稿台上のシートを読取部12により400dpi等の共有ジョブパラメータの設定値に従って読み取り、画像データをpdfで生成し、ファイル名をXxxとする。図7の画面94または図5の画面93にて、OKボタン932、942を選択せずに他の共有ジョブパラメータを選択する場合、MFP1A,1Bは、Act3の処理を再度行う(Act9:NO,Act3)。
【0041】
図10は、共通最大限能力の再計算を行うMFP1Aの処理の流れを示すフローチャートである。
マスターのMFP1Aは、共通最大限能力の計算を、共有ジョブパラメータリスト144の表示指示を受け付けるタイミングで行う必要は必ずしも無く、適宜のタイミングで行い、計算結果を他のMFP1Bに同期させてもよい。すなわち、MFP1Aは、グル―プGに新規のMFP1Bが追加された場合(Act21:Yes)、グル―プGからあるMFP1Bが外れた場合(Act22:Yes)、グル―プGのあるMFP1A,1Bの能力に変更が生じた場合(Act23:Yes)、共通最大限能力を再計算してもよい。そして、MFP1Aは、再計算した共通最大限能力を他のMFP1Bと同期させてもよい(Act24)。グル―プGのMFP1Bの構成に変更が無く(Act21:NO、Act22:NO)、グル―プGのMFP1A,1Bの能力に変更もない場合(Act23:NO)、およびAct24の後、MFP1Aは、処理を終了する。
【0042】
(変形例)
MFP1A,1Bは、共有したジョブパラメータが自機の能力では実行できない場合、ジョブパラメータの設定値を、自機の最大能力で実行できる設定値に補正してもよい。例えば、MFP1A,1Bは、スキャン処理できる解像度の最大が600dpiであり、グループGに属する画像形成装置1A,1Bの解像度の能力のうち最も低い能力である共通最大限能力が300dpiであるとする。この場合において、共有したジョブパラメータの解像度が900dpiである場合、解像度を前記実施形態のように共通最大限能力である300dpiに補正しなくてもよく、自機の解像度の最大能力である600dpiに補正してもよい。
【0043】
以上に詳述したように、この明細書に記載の技術によれば、共有したジョブパラメータを正常に利用するための技術を提供できる。
【符号の説明】
【0044】
1A、1B…画像形成装置、12…記憶部、13…制御部、16…ディスプレイ、95…設定値の変更を受け付ける画面、G…グループ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10