(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/64 20100101AFI20220221BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20220221BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20220221BHJP
【FI】
H01L33/64
H01L33/62
H01L33/60
(21)【出願番号】P 2017216699
(22)【出願日】2017-11-09
【審査請求日】2020-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100161089
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】今井 貞人
(72)【発明者】
【氏名】石井 廣彦
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-094122(JP,A)
【文献】特開2015-207743(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0181480(US,A1)
【文献】特開2011-151112(JP,A)
【文献】特開2008-147203(JP,A)
【文献】国際公開第2004/082034(WO,A1)
【文献】特開2003-168829(JP,A)
【文献】特開2013-157441(JP,A)
【文献】特開2009-218371(JP,A)
【文献】特開2014-033027(JP,A)
【文献】特開2015-095643(JP,A)
【文献】特開2006-339224(JP,A)
【文献】特開平01-196132(JP,A)
【文献】特開2017-050344(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102185090(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部を有する回路基板と、
前記回路基板の裏面側に配置されて前記複数の開口部の底を塞ぐ複数の基台部と、
前記回路基板の裏面側における前記複数の基台部同士の間に配置されたスペーサと、
前記複数の開口部に形成された複数の発光部であって、各開口部の前記基台部の上面に実装されたLED素子および当該開口部内に充填されて前記LED素子を封止する封止樹脂をそれぞれが有する複数の発光部と、を有し、
前記複数の基台部は、銀を含む増反射膜が前記上面に設けられたアルミニウム製の部材
であり、
前記複数の発光部のそれぞれにおいて、前記LED素子はボンディングワイヤを介して前記回路基板の上面の配線パターンと電気的に接続され、
前記複数の基台部のそれぞれは、前記回路基板の裏面側において、前記回路基板上の前記ボンディングワイヤの接続位置の直下を覆うように配置されている、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の基台部のそれぞれは、当該基台部の前記LED素子の直下から当該LED素子の中心を通る鉛直線に対して斜め45度の方向に広がる円錐状の領域の全体を当該基台部の厚さ方向の全域で含むように、前記回路基板の裏面側において側方に広がって配置されている、請求項
1に記載の発光装置。
【請求項3】
複数の開口部を有する回路基板と、
前記回路基板の裏面側に配置されて前記複数の開口部の底を塞ぐ複数の基台部と、
前記回路基板の裏面側における前記複数の基台部同士の間に配置されたスペーサと、
前記複数の開口部に形成された複数の発光部であって、各開口部の前記基台部の上面に実装されたLED素子および当該開口部内に充填されて前記LED素子を封止する封止樹脂をそれぞれが有する複数の発光部と、を有し、
前記複数の基台部は、銀を含む増反射膜が前記上面に設けられたアルミニウム製の部材であり、
前記スペーサは、前記複数の開口部にそれぞれ対応する第2の複数の開口部を有し、絶縁材料で構成された板状部材であり、
前記複数の基台部は、前記第2の複数の開口部内にそれぞれ収納されている、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
複数の開口部を有する回路基板と、
前記回路基板の裏面側に配置されて前記複数の開口部の底を塞ぐ複数の基台部と、
前記回路基板の裏面側における前記複数の基台部同士の間に配置されたスペーサと、
前記複数の開口部に形成された複数の発光部であって、各開口部の前記基台部の上面に実装されたLED素子および当該開口部内に充填されて前記LED素子を封止する封止樹脂をそれぞれが有する複数の発光部と、を有し、
前記複数の基台部は、銀を含む増反射膜が前記上面に設けられたアルミニウム製の部材であり、
増反射膜が設けられておらず前記回路基板の裏面側に配置されたアルミニウム製の金属基板をさらに有し、
前記複数の基台部は前記回路基板と前記金属基板の間に配置され、
前記スペーサは、前記回路基板と前記金属基板の間において前記複数の基台部同士の間に配置された樹脂製の部材である、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
前記スペーサは、増反射膜が設けられていないアルミニウム製の部材である、
請求項
1又は2に発光装置。
【請求項6】
前記スペーサは、前記複数の開口部にそれぞれ対応する複数の凹部が形成された板状部材であり、
前記複数の基台部は、前記スペーサ上の前記複数の凹部内にそれぞれ収納されている、請求項
5に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板と、基板上に配置された複数の発光部と、複数の発光部のそれぞれに対応して設けられその発光部からの出射光を集光する複数のレンズを含み複数の発光部の上に配置されたレンズアレイとを有し、互いに直並列接続され基板上に格子状に実装された複数の発光素子を各発光部が有する発光装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、ユニット基板に搭載されるパッケージ光源であって、基板と、この基板上に配置されるRGB毎に対を成すLED(発光ダイオード)素子と、このLED素子を封止する透明樹脂とを有し、LED素子を配線上に実装するダイボンディング材にサブミクロンの白色粒子を含有させて拡散反射率を高く設定するとともに、発光分布における上方向の強度を大きくして放射角分布を制御したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/038209号
【文献】特開2009-38302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高い出射光量を得るためには、それぞれがLED素子を含む複数の発光部が共通の回路基板に形成された発光装置が求められる。こうした発光部では、発光時にLED素子が発熱するので、その熱を装置外部に効率よく排出する必要があり、また、発光部からの光取出し効率を向上させるために、LED素子の実装面における光の損失の発生を防ぐ必要もある。
【0006】
そこで、本発明は、製造コストの上昇を抑えつつ、発光部の放熱性と光取出し効率を向上させた発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数の開口部を有する回路基板と、回路基板の裏面側に配置されて複数の開口部の底を塞ぐ複数の基台部と、回路基板の裏面側における複数の基台部同士の間に配置されたスペーサと、複数の開口部に形成された複数の発光部であって、各開口部の基台部の上面に実装されたLED素子およびその開口部内に充填されてLED素子を封止する封止樹脂をそれぞれが有する複数の発光部とを有し、複数の基台部は、銀を含む増反射膜が上面に設けられたアルミニウム製の部材であることを特徴とする発光装置が提供される。
【0008】
複数の発光部のそれぞれにおいて、LED素子はボンディングワイヤを介して回路基板の上面の配線パターンと電気的に接続され、複数の基台部のそれぞれは、回路基板の裏面側において、回路基板上のボンディングワイヤの接続位置の直下を覆うように配置されていることが好ましい。
【0009】
複数の基台部のそれぞれは、その基台部のLED素子の直下からそのLED素子の中心を通る鉛直線に対して斜め45度の方向に広がる円錐状の領域の全体をその基台部の厚さ方向の全域で含むように、回路基板の裏面側において側方に広がって配置されていることが好ましい。
【0010】
スペーサは、複数の開口部にそれぞれ対応する第2の複数の開口部を有し、絶縁材料で構成された板状部材であり、複数の基台部は、第2の複数の開口部内にそれぞれ収納されていることが好ましい。
【0011】
上記の発光装置は、増反射膜が設けられておらず回路基板の裏面側に配置されたアルミニウム製の金属基板をさらに有し、複数の基台部は回路基板と金属基板の間に配置され、スペーサは、回路基板と金属基板の間において複数の基台部同士の間に配置された樹脂製の部材であることが好ましい。
【0012】
スペーサは、増反射膜が設けられていないアルミニウム製の部材であることが好ましい。スペーサは、複数の開口部にそれぞれ対応する複数の凹部が形成された板状部材であり、複数の基台部は、スペーサ上の複数の凹部内にそれぞれ収納されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記の発光装置によれば、製造コストの上昇が抑えられるとともに、発光部の放熱性と光取出し効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】発光装置1の拡大断面図および発光部10の上面図である。
【
図4】別の発光装置1A,1Bの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、発光装置について説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
【0016】
図1(A)は発光装置1の上面図であり、
図1(B)は、
図1(A)のIB-IB線に沿った発光装置1の断面図である。発光装置1は、回路基板2、スペーサ3、高反射アルミ板4、放熱基板6、レンズアレイ7および発光部10を有する。発光装置1では、放熱基板6の上にスペーサ3および高反射アルミ板4が配置され、さらにその上に回路基板2および8個の発光部10が配置され、さらにその上に、発光部10にそれぞれ対応する8個のレンズ71を有するレンズアレイ7が配置されている。この8個という個数は一例であり、発光部10とレンズ71の個数は8個より多くても少なくてもよく、1個であってもよい。発光装置1とレンズアレイ7との組合せが、例えば、投光器、高天井照明、スタジアム照明またはイルミネーションなどのLED光源として使用される。
【0017】
図2は、発光装置1の分解斜視図である。
図3(A)は、
図1(A)のIIIA-IIIA線に沿った発光装置1の拡大断面図である。
図2では、回路基板2、スペーサ3および高反射アルミ板4を示している。
図2以降の各図では、説明に必要がないため、レンズアレイ7の図示を省略している。
【0018】
回路基板2(配線基板、マザーボード)は、例えばガラスエポキシ基板などで構成された矩形の絶縁基板である。回路基板2は、ほぼ等間隔に配置された8個の矩形の開口部21を有し、発光部10は、開口部21内にそれぞれ形成される。
図2および
図3(A)に示すように、回路基板2の上面には、発光部10の駆動用の回路として、発光部10を外部電源に電気的に接続するための配線パターン23a,23bおよび接続電極24a,24bが形成されている。回路基板2の上面における開口部21および接続電極24a,24b以外の領域は、レジスト25で覆われている。接続電極24a,24bが外部電源に接続されて電圧が印加されることにより、各発光部10は発光する。
【0019】
スペーサ3は、絶縁材料で構成された板状部材であり、回路基板2の開口部21にそれぞれ対応するように形成された8個の矩形の開口部31を有する。
図3(A)に示すように、スペーサ3は、接着層27を介して、回路基板2の下面に固定されている。開口部31の位置は、開口部21の位置と重なっているが、開口部31の方が開口部21よりも一回り大きい。スペーサ3は、例えば、ガラスエポキシ基板またはセラミック基板などでもよく、あるいは、樹脂で成形されたものであってもよい。
【0020】
高反射アルミ板4は、複数の基台部の一例であり、回路基板2の裏面側におけるスペーサ3の開口部31内にそれぞれ収納されて、回路基板2の開口部21の底を塞ぐ。発光装置1は、開口部21および開口部31の個数と同じ8枚の高反射アルミ板4を有する。高反射アルミ板4が開口部31内に配置されることで、スペーサ3は、回路基板2の裏面側における高反射アルミ板4同士の間に配置されている。
図3(A)に示した例では、スペーサ3と高反射アルミ板4の間に隙間が空いているが、この隙間はなくてもよく、スペーサ3と高反射アルミ板4の側面同士が接触していてもよい。
【0021】
高反射アルミ板4は、銀(Ag)を含む増反射膜が上面に設けられたアルミニウム製の矩形の板状部材である。「高反射アルミ」とは、一般的には、その表面における光反射率が95%以上のものを指す。アルミニウムだけの金属基板では光反射率は高々80%程度であるが、高反射アルミは、表面処理により増反射膜が表面に設けられることで、95%以上の光反射率を有する。高反射アルミ板4としては、MIRO-SILVER(ミロシルバー)およびVLBなどの商品名で市販されているものが用いられる。発光部10からの光取出し効率を向上させるためには、高反射アルミ板4として、特に、光反射率99%以上のものを用いることが好ましい。
【0022】
放熱基板6は、スペーサ3および高反射アルミ板4の裏面側に配置された矩形の金属基板である。放熱基板6は、各発光部10で発生した熱を装置外部に放出させるヒートシンクとして機能するため、例えば、耐熱性および放熱性に優れたアルミニウムまたは銅で構成される。ただし、放熱基板6の材質は、耐熱性と放熱性に優れたものであれば、アルミニウムおよび銅以外のものであってもよい。
【0023】
レンズアレイ7は、発光部10の個数と同じ8個のレンズ71が一体に形成されたレンズの集合体である。各レンズ71は、発光部10と同じピッチで配置されており、互いに同じ形状および大きさを有する。
図1(B)に示すように、各レンズ71の光軸Zは、回路基板2の法線方向に一致している。各レンズ71は、対応する発光部10からの出射光を集光して、発光装置1から充分に離れた位置で各発光部10からの出射光が重なって照射されるように設計されている。
【0024】
図3(B)は発光部10の上面図である。
図3(A)および
図3(B)に示すように、各発光部10は、LED素子11、樹脂枠12および封止樹脂13を有する。
図3(B)では、樹脂枠12を破線で示し、封止樹脂13の図示を省略している。
【0025】
LED素子11は、例えば、窒化ガリウム系化合物半導体などで構成された、発光波長帯域が450~460nm程度の青色光を出射する青色LEDである。ただし、LED素子11の発光波長帯域は特に限定されず、LED素子11は、例えば、緑色光を出射する緑色LEDまたは赤色光を出射する赤色LEDであってもよい。また、例えば、ある発光部10のLED素子11は青色LEDであり、他の発光部10のLED素子11は緑色LEDであるというように、発光部10ごとにLED素子11の発光波長帯域が異なっていてもよい。
【0026】
LED素子11は、回路基板2の開口部21内で露出した高反射アルミ板4の上面に、例えば透明な絶縁性の接着剤などで固定されている。LED素子11は、上面に1対の素子電極を有し、隣接するLED素子11の素子電極は、ワイヤ(ボンディングワイヤ)15を介して相互に電気的に接続されている。
図3(B)に示すように、発光部10では、16個のLED素子11が、縦横4個ずつの正方格子状に配列して実装されており、直列数4個、並列数4個で、配線パターン23aと配線パターン23bの間に直並列接続されている。これにより、各LED素子11には、ワイヤ15を介して電流が供給される。上記したLED素子11の個数、配置および接続関係は一例であり、これらは図示したものとは異なっていてもよい。
【0027】
樹脂枠12は、回路基板2の開口部21の大きさに合わせて例えば白色の樹脂で構成された矩形の枠体であり、開口部21を縁取るように回路基板2の上面に固定されている。樹脂枠12は、封止樹脂13の流出を防止するためのダム材であり、LED素子11から側方に出射された光を発光部10の上方(回路基板2の上面側)に向けて反射させる。開口部21の形状は矩形に限らず、例えば円形であってもよく、この場合には、樹脂枠12もその開口部に合わせて円形の形状を有してもよい。
【0028】
封止樹脂13は、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などの無色かつ透明な熱硬化性樹脂で構成され、樹脂枠12および開口部21により囲まれた高反射アルミ板4上の空間に充填されて、LED素子11およびワイヤ15を一体に被覆し保護(封止)する。封止樹脂13は、例えば、青色LEDであるLED素子11によって励起されるYAG(Yttrium Aluminum Garnet)などの黄色蛍光体を含有する。この場合、発光部10は、LED素子11からの青色光と、それによって黄色蛍光体を励起させて得られる黄色光とを混合させることで得られる白色光を出射する。封止樹脂13は、例えば、黄色蛍光体と赤色蛍光体などの2種類以上の蛍光体を含有してもよいし、発光部10ごとに異なる種類の蛍光体を含有してもよい。
【0029】
図3(A)に示すように、各発光部10の高反射アルミ板4は、回路基板2の一方の配線パターン23aへのワイヤ15の接続位置から、開口部21を挟んで反対側における他方の配線パターン23bへのワイヤ15の接続位置までの幅w1よりも長い横幅を有する。これにより、高反射アルミ板4は、回路基板2の裏面側において、回路基板2上のワイヤ15の接続位置の直下を覆うように配置されている。発光装置1の製造時にワイヤボンディングが行われる際、回路基板2には上方から力が加えられるので、それに対する回路基板2の強度を確保するために、ワイヤ15の接続位置の直下に高反射アルミ板4が配置されていることが好ましい。
【0030】
また、
図3(A)に矢印で示すように、LED素子11からの熱は、LED素子11の下方に斜め45度で広がる領域内を伝わっていくので、高反射アルミ板4は、これらの矢印で示される領域をすべて含むだけの十分な横幅を有することが好ましい。
図3(A)において、左端のLED素子11の左側側面から右端のLED素子11の右側側面までの幅をw0とし、高反射アルミ板4の厚さをdとすると、
図3(A)の矢印で示される領域は、高反射アルミ板4の下端において、w2=w0+2dの幅を有する。このため、高反射アルミ板4は、少なくともこの幅w2よりも長い横幅を有することが好ましい。言い換えると、各高反射アルミ板4は、LED素子11の直下からそのLED素子11の中心を通る鉛直線Lに対して斜め45度の方向に広がる円錐状(正確には、円錐台)の領域の全体を、厚さ方向の全域で含むことが好ましい。
【0031】
図3(A)の例では幅w1よりも幅w2の方が大きいが、ワイヤ15の接続位置と高反射アルミ板4の厚さdの大きさによっては、幅w1,w2の大小関係は逆になる場合もある。
【0032】
図4(A)は、別の発光装置1Aの部分断面図である。発光装置1Aは、発光装置1のスペーサ3が汎用アルミ板5に置き換えられている点と、発光装置1の放熱基板6に相当するものがない点が発光装置1とは異なり、その他の点では発光装置1と同じ構成を有する。
【0033】
汎用アルミ板5は、増反射膜が設けられていないアルミニウム製の板状部材であり、発光装置1のスペーサ3と同様に、回路基板2の裏面側における高反射アルミ板4同士の間を埋める働きをする。
図4(A)では2個しか示していないが、汎用アルミ板5は、回路基板2の開口部21にそれぞれ対応するように形成された8個の矩形の凹部51を有する。凹部51の高さは高反射アルミ板4の厚さと同じであり、発光装置1Aの高反射アルミ板4は、凹部51内にそれぞれ収納されている。凹部51の横幅は、図示した例では開口部21の横幅と同じであるが、発光装置1の開口部31のように、開口部21の横幅よりも大きくてもよい。
【0034】
図4(B)は、別の発光装置1Bの部分断面図である。発光装置1Bは、発光装置1のスペーサ3がスペーサ3’に、放熱基板6が汎用アルミ板5’にそれぞれ置き換えられている点が発光装置1とは異なり、その他の点では発光装置1と同じ構成を有する。汎用アルミ板5’は、汎用アルミ板5と同様に増反射膜が設けられておらず、回路基板2の裏面側に配置されたアルミニウム製の金属基板である。発光装置1Bでは、高反射アルミ板4は回路基板2と汎用アルミ板5’の間に配置され、スペーサ3’は、回路基板2と汎用アルミ板5’の間に配置されている。スペーサ3’は、例えば、回路基板2、高反射アルミ板4および汎用アルミ板5’の間にある隙間を埋めるように樹脂を充填することで構成される。この場合、樹脂の充填量に応じて、汎用アルミ板5’に対する回路基板2の高さを調整することが可能である。
【0035】
発光装置1Aのように、発光装置1のスペーサ3および放熱基板6の位置に、それらの形状に合わせて形成された汎用アルミ板5が配置されていてもよいし、発光装置1Bのように、回路基板2と汎用アルミ板5’の間には樹脂が充填されていてもよい。発光装置1A,1Bでは、汎用アルミ板5,5’が放熱基板6と同様にヒートシンクとして機能するため、発光装置1の放熱基板6を省略してもよい。また、図示した例とは異なり、発光装置1A,1Bでも、高反射アルミ板4は開口部21の幅よりも側方に広がって配置されていてもよい。
【0036】
発光装置1,1A,1Bでは、LED素子11が実装される各発光部10の直下のみに高反射アルミ板4が配置され、発光部10以外の部分における回路基板2の下面には、スペーサ3,3’または汎用アルミ板5が配置されている。一般に、高反射アルミ板は高反射でない汎用のアルミ板と比べて高価であるため、回路基板2の裏面側の全域に高反射アルミ板を配置した場合と比べて、発光装置1,1A,1Bでは製造コストが削減される。また、発光装置1,1A,1Bでは、高反射アルミ板4の周囲にスペーサ3,3’または汎用アルミ板5が配置されているので、これらがない場合と比べて、回路基板2が変形しにくくなる。特に、発光装置1では、スペーサ3が絶縁材料で構成されているので、スペーサ3により絶縁耐性も確保される。
【符号の説明】
【0037】
1,1A,1B 発光装置
2 回路基板
3,3’ スペーサ
4 高反射アルミ板
5,5’ 汎用アルミ板
6 放熱基板
7 レンズアレイ
10 発光部
11 LED素子
12 樹脂枠
13 封止樹脂