(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20220221BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220221BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20220221BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220221BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220221BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20220221BHJP
G02F 1/139 20060101ALN20220221BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 622E
G09G3/20 622L
G09G3/20 622R
G09G3/20 622D
G09G3/20 621D
G09G3/20 621B
G09G3/20 622F
G09G3/34 J
G09G3/20 641E
G02F1/133 550
G02F1/13357
G02F1/1334
G02F1/139
(21)【出願番号】P 2018081405
(22)【出願日】2018-04-20
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 匡史
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-103665(JP,A)
【文献】特開2018-049089(JP,A)
【文献】特開2018-061269(JP,A)
【文献】特開平07-147659(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115441(WO,A1)
【文献】特開平07-230075(JP,A)
【文献】国際公開第2005/124431(WO,A1)
【文献】特開2003-248468(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101978309(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0032231(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G09G 3/34
G02F 1/133
G02F 1/13357
G02F 1/1334
G02F 1/139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲート線と、表示領域に位置した複数の画素電極と、前記表示領域に位置した共通電極と、前記表示領域に位置した表示機能層と、を有する表示パネルと、
前記表示領域の外側の非表示領域に位置し前記表示機能層に光を照射する光源ユニットと、
前記複数のゲート線に接続されたゲートドライバを含み、前記複数のゲート線、前記複数の画素電極、前記共通電極、及び前記光源ユニットのそれぞれの駆動を制御する制御部と、を備え、
前記表示領域の対象領域
にキャラクタを表示する際、前記制御部は、
リセット期間に、前記表示領域を第1透明状態より透明度の高い第2透明状態とし、
前記リセット期間の後の書換え期間に、前記対象領域
に前記キャラクタを表示し、前記対象領域が位置する行の全域を含む書換え領域のうち前記対象領域以外の非対象領域を前記第1透明状態とし、前記表示領域のうち前記書換え領域以外の非書換え領域を前記第2透明状態に保持し、
前記ゲートドライバは、
順序回路を有し、前記書換え期間
に、第1駆動周波数で前記複数のゲート線のうち前記書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第1ゲート線を駆
動し、前記第1駆動周波数より高い第2駆動周波数で前記複数のゲート線のうち前記非書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第2ゲート線を駆動し
、
前記複数の画素電極は、前記対象領域に位置する第1画素電極と、前記非対象領域に位置する第2画素電極と、前記非書換え領域に位置する第3画素電極と、を有し、
前記表示機能層は、
前記対象領域に位置し、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第1表示機能層と、
前記非対象領域に位置し、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第2表示機能層と、
前記非書換え領域に位置し、前記第3画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第3表示機能層と、を有し、
前記制御部は、
前記リセット期間に、前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層に第2透明電圧を印加し、
前記書換え期間に、前記第1表示機能層に散乱電圧を印加し、前記第2表示機能層に第1透明電圧を印加し、前記第3表示機能層に前記第2透明電圧が印加されている状態に保持し、
前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層は、リバース型高分子分散液晶を利用した液晶層であり、
前記第2透明電圧は0Vであり、
前記制御部は、前記第1駆動周波数及び前記第2駆動周波数を持つゲートクロック信号を前記ゲートドライバに与え、
前記ゲートドライバは、前記ゲートクロック信号に基づいて、前記書換え領域と前記非書換え領域とを異なる駆動周波数で走査し、
前記非書換え領域に位置する各々の前記画素電極の駆動周波数は、前記書換え領域に位置する各々の前記画素電極の駆動周波数より高く、
前記光源ユニットは、前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層に第1色の光を照射する第1発光素子と、前記表示機能層に第2色の光を照射する第2発光素子と、前記表示機能層に第3色の光を照射する第3発光素子と、を有し、
各々の1フレーム期間は、前記第1発光素子が前記第1色の光を照射する第1サブフレーム期間と、前記第2発光素子が前記第2色の光を照射する第2サブフレーム期間と、前記第3発光素子が前記第3色の光を照射する第3サブフレーム期間と、を有し、
前記制御部は、
前記リセット期間と各々の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、
前記リセット期間と複数の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、
前記リセット期間を前記1フレーム期間毎に1回設け、又は、
前記リセット期間を複数のフレーム期間毎に1回設ける、
表示装置。
【請求項2】
前記散乱電圧は、正極性の散乱電圧と、負極性の散乱電圧と、を有し、
前記対象領域
に前記キャラクタを表示する際、前記制御部は、
1フレーム期間毎に、正極性の前記散乱電圧と負極性の前記散乱電圧とを前記第1表示機能層に交互に印加する、
請求
項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記書換え期間において、
前記第1表示機能層は入射される光を散乱させ、前記第2表示機能層及び前記第3表示機能層は入射される光の平行度を維持し、
前記第3表示機能層にて維持する光の平行度は、前記第2表示機能層にて維持する光の平行度より高い、
請求
項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ゲートドライバは、前記順序回路と、制御配線と、複数の論理和回路と、を有し
、
前記表示パネルは
、前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第1スイッチング素子と
、前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第2スイッチング素子と
、前記複数の第2ゲート線のうち対応する1本の第2ゲート線に接続された第3スイッチング素子と、を含む複数のスイッチング素子をさらに有し、
前記複数の画素電極は
、前記第1スイッチング素子に接続され
た前記第1画素電極と
、前記第2スイッチング素子に接続され
た前記第2画素電極と
、前記第3スイッチング素子に接続され
た前記第3画素電極と、を有し、
各々の前記論理和回路は、前記順序回路に接続された第1入力端子と、前記制御配線に接続された第2入力端子と、対応する1本のゲート線に接続された出力端子と、を含み、
前記複数の論理和回路は、複数の第1論理和回路と、複数の第2論理和回路と、を含み、各々の前記第1論理和回路は前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続され、各々の前記第2論理和回路は前記複数の第2ゲート線のうち対応する1本の第2ゲート線に接続され、
前記制御部は、
前記リセット期間に、前記制御配線にハイレベルの第2入力信号を与え、全てのゲート線に第1レベルのゲート信号を出力し、全てのスイッチング素子をオンし、
前記書換え期間に、前記制御配線にロウレベルの前記第2入力信号を与え、全ての第1論理和回路の前記第1入力端子にハイレベルの第1入力信号を順に与え、全ての第1ゲート線に前記第1レベルの前記ゲート信号を順に出力し、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオンし、全ての第2論理和回路の前記第1入力端子にロウレベルの前記第1入力信号を順に与え、全ての第2ゲート線に第2レベルの前記ゲート信号を順に出力し、前記第3スイッチング素子をオフする、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透過状態とを切り替え可能な高分子分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)パネルを含み、画像を表示するとともに背景を透かして視認することが可能な表示装置が提案されている。このような表示装置においては、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有し、サブフレーム期間毎に表示色を切り替えながら画像を表示することで多色表示が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-18125号公報
【文献】特開2010-78902号公報
【文献】特開2003-122314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、背景の視認性及び表示品位を向上することが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
複数のゲート線と、表示領域に位置した複数の画素電極と、前記表示領域に位置した共通電極と、前記表示領域に位置した表示機能層と、を有する表示パネルと、前記表示領域の外側の非表示領域に位置し前記表示機能層に光を照射する光源ユニットと、前記複数のゲート線に接続されたゲートドライバを含み、前記複数のゲート線、前記複数の画素電極、前記共通電極、及び前記光源ユニットのそれぞれの駆動を制御する制御部と、を備え、前記表示領域の対象領域にキャラクタを表示する際、前記制御部は、リセット期間に、前記表示領域を第1透明状態より透明度の高い第2透明状態とし、前記リセット期間の後の書換え期間に、前記対象領域に前記キャラクタを表示し、前記対象領域が位置する行の全域を含む書換え領域のうち前記対象領域以外の非対象領域を前記第1透明状態とし、前記表示領域のうち前記書換え領域以外の非書換え領域を前記第2透明状態に保持し、前記ゲートドライバは、順序回路を有し、前記書換え期間に、第1駆動周波数で前記複数のゲート線のうち前記書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第1ゲート線を駆動し、前記第1駆動周波数より高い第2駆動周波数で前記複数のゲート線のうち前記非書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第2ゲート線を駆動し、前記複数の画素電極は、前記対象領域に位置する第1画素電極と、前記非対象領域に位置する第2画素電極と、前記非書換え領域に位置する第3画素電極と、を有し、前記表示機能層は、前記対象領域に位置し、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第1表示機能層と、前記非対象領域に位置し、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第2表示機能層と、前記非書換え領域に位置し、前記第3画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第3表示機能層と、を有し、前記制御部は、前記リセット期間に、前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層に第2透明電圧を印加し、前記書換え期間に、前記第1表示機能層に散乱電圧を印加し、前記第2表示機能層に第1透明電圧を印加し、前記第3表示機能層に前記第2透明電圧が印加されている状態に保持し、前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層は、リバース型高分子分散液晶を利用した液晶層であり、前記第2透明電圧は0Vであり、前記制御部は、前記第1駆動周波数及び前記第2駆動周波数を持つゲートクロック信号を前記ゲートドライバに与え、前記ゲートドライバは、前記ゲートクロック信号に基づいて、前記書換え領域と前記非書換え領域とを異なる駆動周波数で走査し、前記非書換え領域に位置する各々の前記画素電極の駆動周波数は、前記書換え領域に位置する各々の前記画素電極の駆動周波数より高く、前記光源ユニットは、前記第1表示機能層、前記第2表示機能層、及び前記第3表示機能層を含む前記表示機能層に第1色の光を照射する第1発光素子と、前記表示機能層に第2色の光を照射する第2発光素子と、前記表示機能層に第3色の光を照射する第3発光素子と、を有し、各々の1フレーム期間は、前記第1発光素子が前記第1色の光を照射する第1サブフレーム期間と、前記第2発光素子が前記第2色の光を照射する第2サブフレーム期間と、前記第3発光素子が前記第3色の光を照射する第3サブフレーム期間と、を有し、前記制御部は、前記リセット期間と各々の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、前記リセット期間と複数の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、前記リセット期間を前記1フレーム期間毎に1回設け、又は、前記リセット期間を複数のフレーム期間毎に1回設ける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態における表示装置の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示装置の主要な構成要素を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、透明状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図4B】
図4Bは、散乱状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図5A】
図5Aは、液晶層が透明状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、液晶層が散乱状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【
図6】
図6は、液晶層の散乱特性を示すグラフである。
【
図8】
図8は、表示駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、透明駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、透明駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図3に示したタイミングコントローラの一構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、上記表示装置の使用例を示す図であり、単個の書換え領域内に画像を表示している状態を示す表示パネルの平面図である。
【
図13B】
図13Bは、
図13Aに示した複数の画素電極と、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のスイッチング素子との接続関係を示す等価回路である。
【
図14】
図14は、
図3などに示したゲートドライバの一部と、いくつかのゲート線を示す回路図である。
【
図15】
図15は、上記第1の実施形態の表示装置の表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図16】
図16は、第2入力信号、ゲートスタートパルス信号、ゲートクロック信号、ゲート信号、画素電極の電位を示すタイミングチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態に係る表示装置のゲートドライバの一部と、いくつかのゲート線を示す回路図である。
【
図18】
図18は、上記第2の実施形態の表示装置の表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図19】
図19は、上記第2の実施形態の変形例の表示装置の表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る表示装置の主要な構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
各実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。各実施形態の表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末等の種々の装置に用いることができる。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。
図1に示すように、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。第1方向Xは、行方向に相当し、第2方向Yは、列方向に相当している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、配線基板F1,F2,F4,F5などを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、n本のゲート線G(G1~Gn)、m本のソース線S(S1~Sm)などを備えている。なお、n及びmはいずれも正の整数であり、nがmと等しくてもよいし、nがmとは異なっていてもよい。複数のゲート線Gは、それぞれ第1方向Xに延在し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。言い換えると、複数のゲート線Gは、行方向に延在している。複数のソース線Sは、それぞれ第2方向Yに延在し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。表示パネルPNLは、第1方向Xに沿った端部E1及びE2と、第2方向Yに沿った端部E3及びE4とを有している。
【0011】
配線基板F1は、ゲートドライバGDを備えている。ゲートドライバGDには複数のゲート線Gが接続されている。配線基板F2は、ソースドライバSDを備えている。ソースドライバSDには複数のソース線Sが接続されている。配線基板F1及びF2は、それぞれ表示パネルPNL及び配線基板F4に接続されている。配線基板F5は、タイミングコントローラTCや電源回路PCなどを備えている。配線基板F4は、配線基板F5のコネクタCTに接続されている。なお、配線基板F1及びF2は、単一の配線基板に置換されてもよい。また、配線基板F1,F2,F4は、単一の配線基板に置換されてもよい。上述したゲートドライバGD、ソースドライバSD、及びタイミングコントローラTCは本実施形態の制御部CONを構成し、上記制御部CONは、複数のゲート線G、複数のソース線S、後述する複数の画素電極、後述する共通電極、及び後述する光源ユニットのそれぞれの駆動を制御するように構成されている。
【0012】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの断面図である。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。
【0013】
図2に示すように、表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、表示機能層としての液晶層30などを備えている。第1基板SUB1は、透明基板10、画素電極11、配向膜12などを備えている。第2基板SUB2は、透明基板20、共通電極21、配向膜22などを備えている。画素電極11及び共通電極21は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。液晶層30は、少なくとも表示領域DAに位置している。液晶層30は、高分子分散液晶を含み、配向膜12と配向膜22との間に位置している。本実施形態の液晶層30は、リバース型高分子分散液晶(R-PDLC:reverse mode polymer dispersed liquid crystal)を利用している。上記の液晶層30は、印加される電圧が低い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が高い場合に入射される光を散乱させる。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール材40によって接着されている。第1基板SUB1は、透明基板20の端部E5よりも第2方向Yに延出した延出部EXを有している。
【0014】
配線基板F1及びF2は、第1基板SUB1の延出部EXに接続されている。
光源ユニットLUは、表示領域DAの外側の非表示領域NDAに位置している。光源ユニットLUは、発光素子LS、配線基板F6などを備えている。発光素子LSは、配線基板F6に接続され、延出部EXの上に位置している。発光素子LSは、端部E5と対向する発光部(発光面)EMを有している。発光部EMから出射された照明光は、後述するように、端部E5に入射し、表示パネルPNLを伝播する。
【0015】
図3は、
図1に示した表示装置DSPの主要な構成要素を示す図である。
図3に示すように、表示装置DSPは、図中に破線で示すコントローラCNTを備えている。コントローラCNTは、タイミングコントローラTC、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、Vcom回路VC、光源ドライバLSDなどを含んでいる。
タイミングコントローラTCは、外部から入力された画像データや同期信号などに基づいて各種信号を生成する。一例では、タイミングコントローラTCは、画像データに基づき、所定の信号処理を行って生成した映像信号をソースドライバSDに出力する。また、タイミングコントローラTCは、同期信号に基づいて生成した制御信号を、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、Vcom回路VC、光源ドライバLSDにそれぞれ出力する。タイミングコントローラTCの詳細については後述する。
【0016】
図中に二点鎖線で示す表示領域DAは、複数の画素PXを備えている。各画素PXは、スイッチング素子SW及び画素電極11を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタで形成されている。スイッチング素子SWは、ゲート線G及びソース線Sと電気的に接続されている。複数の画素電極11は、表示領域DAに位置し、マトリクス状に設けられている。このため、例えば、複数の画素電極11は、複数行に設けられている。画素電極11は、スイッチング素子SWを介してソース線Sに接続されている。共通電極21は表示領域DAに位置している。共通電極21は、複数の画素電極11と対向している。なお、本実施形態と異なり、共通電極21は、少なくとも1つの画素PX毎に区切られ、各々共通線に接続され、共通のコモン電圧が印加される構成でもよい。
【0017】
ゲート線Gの各々には、ゲートドライバGDからゲート信号が供給される。ソース線Sの各々には、ソースドライバSDから映像信号(画像信号)が供給される。共通電極21には、Vcom回路VCからコモン電圧Vcomが供給される。ソース線Sに供給された映像信号は、ゲート線Gに供給されたゲート信号に基づいてスイッチング素子SWが導通状態となった期間に、当該スイッチング素子SWに接続された画素電極11に印加される。以下の説明においては、画素電極11に映像信号を与えて画素電極11と共通電極21との間に電位差を形成することを、当該画素電極11を備える画素PXに映像信号を書き込む(或いは電圧を印加する)と記載することがある。
【0018】
光源ユニットLUは、液晶層30に光を照射するように構成されている。本実施形態において、光源ユニットLUは、液晶層30に無彩色以外の色の光を照射するように構成されている。光源ユニットLUは、複数色の発光素子LSを備えている。例えば、光源ユニットLUは、液晶層30に第1色の光を照射する発光素子(第1発光素子)LSRと、液晶層30に第2色の光を照射する発光素子(第2発光素子)LSGと、液晶層30に第3色の光を照射する発光素子(第3発光素子)LSBと、を備えている。上記の第1色、第2色、及び第3色が、互いに異なる色であることは言うまでもない。本実施形態において、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。
【0019】
光源ドライバLSDは、これらの発光素子LSR、LSG、LSBの点灯期間を制御する。後に詳述するが、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有する駆動方式においては、各サブフレームにおいて3つの発光素子LSR、LSG、LSBのうちの少なくとも1つが点灯し、サブフレーム毎に照明光の色が切り替えられる。
【0020】
以下に、高分子分散液晶層である液晶層30を備えた表示装置の一構成例について説明する。
図4Aは、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図4Aに示すように、液晶層30は、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32を含んでいる。液晶性ポリマ31は、例えば、液晶性モノマが配向膜12及び22の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で高分子化されることによって得られる。液晶性分子32は、液晶性モノマ内に分散されており、液晶性モノマが高分子化された際に、液晶性モノマの配向方向に依存して所定の方向に配向される。なお、配向膜12及び22は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に沿って液晶性モノマ及び液晶性分子32を配向させる水平配向膜であってもよいし、第3方向Zに沿って液晶性モノマ及び液晶性分子32を配向させる垂直配向膜であってもよい。
【0021】
液晶性分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型であってもよい。液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は、それぞれ同等の光学異方性を有している。あるいは、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は、それぞれ略同等の屈折率異方性を有している。つまり、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32の各々は、常光屈折率及び異常光屈折率が互いに略同等である。なお、常光屈折率及び異常光屈折率のいずれについても、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32のそれぞれの値が完全に一致していなくてもよく、製造誤差などに起因したずれは許容される。また、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。すなわち、液晶性ポリマ31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。
【0022】
図4Aに示した例は、例えば、液晶層30に電圧が印加されていない状態(画素電極11と共通電極21との間の電位差がゼロである状態)、あるいは、液晶層30に後述する第2透明電圧が印加された状態に相当する。
【0023】
図4Aに示すように、液晶性ポリマ31の光軸Ax1及び液晶性分子32の光軸Ax2は、互いに平行となる。図示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第3方向Zに平行である。ここでの光軸とは、偏光方向によらず屈折率が1つの値になるような光線の進行方向と平行な線に相当する。
【0024】
上記の通り、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は略同等の屈折率異方性を有しており、しかも、光軸Ax1及びAx2は互いに平行であるため、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマ31と液晶性分子32との間にほとんど屈折率差がない。このため、第3方向Zにて液晶層30に入射した光L1は、液晶層30内で実質的に散乱されることなく透過する。液晶層30は、光L1の平行度を維持することができる。同様に、第3方向Zに対して傾斜した斜め方向に入射した光L2及びL3についても、液晶層30内でほとんど散乱されることはない。このため、高い透明性が得られる。
図4Aに示した状態を『透明状態』と称する。
【0025】
図4Bは、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図4Bに示すように、上記の通り、液晶性ポリマ31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。このため、液晶層30に上記の第2透明電圧及び後述する第1透明電圧の各々より高い電圧(後述の散乱電圧)が印加された状態では、液晶性ポリマ31の配向方向がほとんど変化しないのに対して、液晶性分子32の配向方向は電界に応じて変化する。つまり、図示したように、光軸Ax1は第3方向Zとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第3方向Zに対して傾斜している。このため、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマ31と液晶性分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。これにより、液晶層30に入射した光L1乃至L3は、液晶層30内で散乱される。
図4Bに示した状態を『散乱状態』と称する。
制御部は、液晶層30を透明状態及び散乱状態の少なくとも一方に切替える。
【0026】
図5Aは、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図5Aに示すように、発光素子LSから出射された照明光L11は、端部E5から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。液晶層30が透明状態である場合、照明光L11は、液晶層30でほとんど散乱されないため、透明基板10の下面10B及び透明基板20の上面20Tからほとんど漏れ出すことはない。
【0027】
表示パネルPNLに入射する外部光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した外部光は上面20Tに透過され、上面20Tから入射した外部光は下面10Bに透過される。このため、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することができる。
【0028】
図5Bは、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
図5Bに示すように、発光素子LSから出射された照明光L21は、端部E5から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。図示した例では、画素電極11αと共通電極21との間の液晶層30(画素電極11αと共通電極21との間に印加される電圧が印加される液晶層)は透明状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極11αと対向する領域でほとんど散乱されない。一方、画素電極11βと共通電極21との間の液晶層30(画素電極11βと共通電極21との間に印加される電圧が印加される液晶層)は散乱状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極11βと対向する領域で散乱される。照明光L21のうち、一部の散乱光L211は上面20Tから外部に放出され、また、一部の散乱光L212は下面10Bから外部に放出される。
【0029】
画素電極11αと重なる位置では、表示パネルPNLに入射する外部光L22は、
図5Aに示した外部光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。画素電極11βと重なる位置では、下面10Bから入射した外部光L23は、その一部の光L231が液晶層30で散乱された後に上面20Tから透過される。また、上面20Tから入射した外部光L24は、その一部の光L241が液晶層30で散乱された後に下面10Bから透過される。
【0030】
このため、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、画素電極11βと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L231が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、画素電極11βと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L241が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することもできる。なお、画素電極11αと重なる位置では、液晶層30が透明状態であるため、照明光L21の色はほとんど視認されず、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0031】
図6は、液晶層30の散乱特性を示すグラフであり、液晶層30に印加される電圧VLCと輝度との関係を表している。ここでの輝度は、例えば
図5Bに示したように、発光素子LSから出射された照明光L21が液晶層30にて散乱した際に得られる散乱光L211の輝度に相当する。他の観点から言えば、この輝度は、液晶層30の散乱度を表している。
【0032】
図6に示すように、電圧VLCを0Vから上昇させていくと、輝度は8V程度から急峻に上昇し、20V程度で飽和する。なお、電圧VLCが0Vから8Vの間においても、輝度は僅かに上昇する。本実施形態では、2点鎖線で囲った領域、すなわち8Vから16Vの範囲の電圧を各画素PXの階調表現(例えば256階調)に用いる。以下、8V<VLC≦16Vの電圧を『散乱電圧』と呼ぶ。また、本実施形態では、一点鎖線で囲った領域、すなわち0V≦VLC≦8Vの電圧を『透明電圧』と呼ぶ。透明電圧VAは、上述した第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2を含んでいる。なお、散乱電圧VB及び透明電圧VAの下限値及び上限値はこの例に限られず、液晶層30の散乱特性に応じて適宜に定め得る。
【0033】
ここで、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。ここでは、16Vの散乱電圧VBを液晶層30に印加した際の散乱度を100%としている。例えば、透明電圧VAは、散乱度(輝度)が10%未満となる電圧VLCの範囲と定義することができる。あるいは、透明電圧VAは、最低階調に対応する電圧(
図6の例では8V)以下の電圧VLCと定義することもできる。
また、透明電圧VA(第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2)は、
図6に示した例と異なっていてもよい。例えば、上記第1透明電圧VA1は、散乱度が10%以上50%以下の範囲となる電圧であってもよい。また、上記第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満の範囲となる電圧であってもよい。
【0034】
なお、
図6に示したグラフは、液晶層30に印加する電圧の極性が正極性(+)の場合と、負極性(-)の場合とに適用可能である。後者の場合、電圧VLCは、負極性の電圧の絶対値である。
【0035】
表示装置DSPには、液晶層30に印加する電圧の極性を反転する極性反転駆動を適用することができる。
図7A、
図7B、及び
図7Cは、極性反転駆動の概要を示す図である。
図7Aは、1本のゲート線Gに接続された一群の画素PX(1ライン)ごとに、液晶層30に印加する電圧(画素PXに書き込む電圧)を正極性(+)と負極性(-)とで反転する1ライン反転駆動を表している。このような駆動方法においては、例えば、ゲートドライバGDがゲート線Gにゲート信号を供給する水平期間ごとに、共通電極21に供給されるコモン電圧の極性と、ソースドライバSDからソース線Sに供給される映像信号の極性(ソース線電圧の極性)とが反転される。同じ水平期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。
【0036】
図7Bは、2ラインごとに液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転する2ライン反転駆動を表している。
図7A及び
図7Bの例に限られず、3つ以上のラインごとに極性を反転してもよい。
【0037】
図7Cは、1つの画像データに応じた画像を表示するフレーム期間ごとに液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転するフレーム反転駆動を表している。このような駆動方法においては、例えば、1フレーム期間ごとに、コモン電圧の極性と、映像信号の極性とが反転される。同じフレーム期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。
【0038】
図8は、
図7Aに示した1ライン反転駆動を適用した表示駆動において、共通電極21に供給されるコモン電圧Vcomと、ソース線S(あるいは画素電極11)に供給されるソース線電圧Vsigとの一例を示す図である。
【0039】
図8に示すように、ソース線電圧Vsigに関しては、階調の最大値(max)に相当する波形と、階調の最小値(min)に相当する波形とを示している。ここでは、ソース線電圧Vsig(min)の波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示し、ソース線電圧Vsig(max)の波形を破線で示している。この図の例において、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsig(最大値の波形を参照)は、一フレーム期間Pfごとに極性反転している。基準電圧Vsig-cは、例えば8Vである。コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigの各々において、下限値は0Vであり、上限値は16Vである。
但し、フレーム期間Pfが複数のサブフレーム期間を含んでいる場合、コモン電圧Vcomの極性と、ソース線電圧Vsigの極性とを、一フレーム期間Pf毎に反転してもよいが、一フィールド期間毎に反転してもよい。
【0040】
図8に示す例に限らず、後述する
図9の例を含めた極性反転駆動に注目すると、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が正極性である場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は正の電圧値となる。一方、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が負極性である場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は負の電圧値となる。
【0041】
図8に示す極性反転駆動に注目すると、画素PXに正極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは0Vとなり、ソース線電圧Vsigは8V以上かつ16V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。一方、画素PXに負極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは16Vとなり、ソース線電圧Vsigは0V以上かつ8V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。すなわち、いずれの場合でも、共通電極21と画素電極11との間には、8V以上かつ16V以下の電圧が印加される。
【0042】
図6に示したように、液晶層30に印加される電圧VLCが8Vであっても、言い換えると液晶層30に第1透明電圧VA1が印加されても、液晶層30は0~10%程度の散乱度を有している。したがって、ソース線電圧Vsigを階調の最小値とした場合であっても、表示パネルPNLに入射する外部光は僅かに散乱され、表示パネルPNLの背景の視認性が低下し得る場合がある。
このため、後述するが、画素電極11と共通電極21との間の電圧を例えば階調の下限値よりも小さくする透明駆動(後述するリセット期間における駆動)を画像表示のシーケンスに取り入れることで、表示パネルPNLの背景の視認性を向上させることができる。
【0043】
ここで、ソースドライバSDの出力と、コモン電圧Vcomとの関係について説明する。
ソースドライバSDの耐電圧が低い場合、液晶印加電圧を高くするためにコモン電圧Vcomを反転駆動させる。この時ソースドライバSDは、同時に、正極性のソース線電圧Vsig(例えば基準電圧Vsig-c~16V)、及び負極性のソース線電圧Vsig(例えば0V~基準電圧Vsig-c)の何れか一方しか、出力することができない。また、コモン電圧Vcomの極性は、ソースドライバSDの出力と反対の極性である。
【0044】
但し、高耐電圧のソースドライバSDを使用する場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの関係は、上述した関係であってもよいが、次の関係であってもよい。すなわち、コモン電圧Vcomは0Vに固定され、ソースドライバSDが出力するソース線電圧Vsigは、正極性時に0~+16Vとなり、負極性時に-16~0Vとなる。
【0045】
図9は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomとソース線電圧Vsigの一例を示す図である。ここでは、ソース線電圧Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図9に示すように、
図8の例と同じく、コモン電圧Vcomは、一フレーム期間Pfごとに0Vと16Vとに交互に切替っている。透明駆動においては、フレーム期間Pfごとに、ソース線電圧Vsigの電圧値は、コモン電圧Vcomと一致している(Vsig=Vcom=0V又はVsig=Vcom=16V)。なお、
図9においては、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomの図示の関係上、両者を僅かにずらして表している。このため、液晶層30には0Vが印加される。言い換えると、液晶層30には第2透明電圧VA2が印加される。
【0046】
但し、透明駆動におけるソース線電圧Vsigは、
図9に示した例に限定されるものではない。例えば、コモン電圧Vcomが0Vとなる期間、ソース線電圧Vsigは0Vを超え8V未満となってもよい(0V<Vsig<8V)。コモン電圧Vcomが16Vとなる期間、ソース線電圧Vsigは8Vを超え16V未満となってもよい(8V<Vsig<16V)。何れにおいても、透明駆動によれば、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差の絶対値が8V未満となり、液晶層30を透過する光の平行度が増す。言い換えると、第2透明電圧VA2は0Vに限らず、第2透明電圧VA2の絶対値は8V未満であってもよい。
【0047】
なお、透明駆動では、液晶層30に印加される電圧が階調の下限値(例えば8V)未満となればよく、ソース線電圧Vsigはコモン電圧Vcomと完全に一致しなくてもよい。上記のように、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。例えば、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
【0048】
図10は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomとソース線電圧Vsigの他の例を示す図である。ここでは、ソース線電圧Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図10に示すように、この例では、透明駆動において、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigの極性反転が停止されている。さらに、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigが8V(上述の基準電圧Vsig-c)で一致している。なお、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigは、0Vなど、基準電圧Vsig-c以外の電圧で一致してもよい。また、
図9に示した場合と同様に、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
以上、1ライン反転駆動を例に透明駆動を説明したが、2ライン以上のライン反転駆動やフレーム反転駆動にも同様の透明駆動を適用できる。
【0049】
続いて、透明駆動を取り入れた表示装置DSPの制御例につき、
図11乃至
図15を参照して説明する。なお、ここでは、1フレーム期間が複数のサブフレーム(フィールド)期間を有する駆動方式を表示装置DSPに適用する。このような駆動方式は、例えばフィールドシーケンシャル方式と呼ばれる。各サブフレーム期間においては、赤色、緑色、及び青色の画像がそれぞれ表示される。このように時分割で表示された各色の画像が合わさって、多色表示の画像としてユーザに視認される。
【0050】
図11は、
図3に示したタイミングコントローラTCの一構成例を示す図である。
図11に示すように、タイミングコントローラTCは、タイミング生成部50、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、光源制御部54、アドレス検出部である検出部55などを備えている。
【0051】
フレームメモリ51は、外部から入力される1フレーム分の画像データを記憶する。ラインメモリ52R、52G、52Bは、それぞれ赤色、緑色、及び青色のサブフレームデータを記憶する。各サブフレームデータは、各画素PXに時分割で表示させる赤色、緑色、青色の画像(例えば各画素PXの階調値)を表す。ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータは、フレームメモリ51が記憶する画像データの1つ前のフレームに相当する。データ変換部53は、ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータに対してガンマ補正などの各種のデータ変換処理を施して映像信号を生成し、上述のソースドライバSDに出力する。なお、フレームメモリ51にてRGBのデータに振り分けてデータ変換部53にRGBのデータを送るようにタイミングコントローラTCが構成されていてもよい。この場合、ラインメモリ52R、52G、52B無しに、タイミングコントローラTCを構成することも可能である。
【0052】
光源制御部54は、光源制御信号を上述の光源ドライバLSDに出力する。光源ドライバLSDは、光源制御信号に基づいて、発光素子LSR、LSG、LSBを駆動する。発光素子LSR、LSG、LSBは、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御により駆動することができる。すなわち、光源ドライバLSDは、発光素子LSR、LSG、LSBに出力する信号のデューティ比によって、発光素子LSR、LSG、LSBの各々の輝度を調整することができる。
【0053】
タイミング生成部50は、外部から入力される垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに同期して、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、及び光源制御部54の動作タイミングを制御する。また、タイミング生成部50は、ソースドライバ制御信号を出力するによりソースドライバSDを制御するとともに、ゲートドライバ制御信号を出力することによりゲートドライバGDを制御し、Vcom制御信号を出力する。
【0054】
検出部55は、外部から入力される1フレーム分の画像データに画像のデータが含まれている場合、画像のデータのアドレスを検出するように構成されている。上記画像としては、表示領域DAの一部に表示されるキャラクタである。上記キャラクタとしては、文字を含む記号、図、アイコンなどが挙げられる。また、画像データにキャラクタのデータが含まれている場合とは、ディジタルデータの全てのビットの少なくとも1個所に0以外のデータを含んでいる場合である。画像のデータのアドレス情報は、データ変換部53に与えられる。このため、タイミングコントローラTCは、外部から入力される画像データに画像のデータが含まれている場合、画像を表示する領域以外の領域の散乱度(透明度)を調整するため、加工した映像信号を生成し、ソースドライバSDに出力することができる。加工した映像信号を生成する際は、データ変換部53による演算にて行ったり、タイミングコントローラTCのテーブル56に格納されたデータを利用して行ったり、することができる。
【0055】
ここで、画像(キャラクタ)を表示する領域以外の領域の散乱度(透明度)を調整する例について説明する。
図12に示すように、ユーザは、背景のうちF山を表示装置DSP越しにみているものとする。この場合、表示領域DAに「Mount F」の文字列の画像CHを単に表示した場合、画像CHが背景のF山に重なり、ユーザは画像CHを視認(識別)し難くなる恐れがある。そこで、本実施形態では、画像CHが背景のF山に重なる場合においても、ユーザが画像CHを視認し易くなる技術を提供するものである。又は、背景の影響をユーザが受け難くなる技術を提供するものである。
【0056】
ここで、表示領域DAのうち、画像CHを表示する領域を対象領域OAとする。本実施形態において、画像CHは間隔を置いて並んだ6文字であるため、対象領域OAは不連続な領域である。表示領域DAのうち、少なくとも対象領域OAが位置する行の全域を含む領域を書換え領域RAとする。本実施形態において、書換え領域RAは、対象領域OAの位置する行の全域だけではなく、対象領域OAより端部E1側のいくつかの行の全域と、対象領域OAより端部E2側のいくつかの行の全域と、を含んでいる。また、書換え領域RAは、この例では表示領域DAの第2方向Yの中央の領域である。書換え領域RAのうち対象領域OA以外の領域を非対象領域NOAとする。対象領域OAは、階調電圧の所定の電圧以上である散乱電圧VBが与えられている画素に対応する領域である。非対象領域NOAは、第1透明電圧VA1が与えられている画素に対応する領域である。なお、上記第1透明電圧VA1は、階調電圧の階調表現が可能になる付近の所定の範囲の電圧である。表示領域DAのうち書換え領域RA以外の領域を非書換え領域NRAとする。
この例では、表示領域DAは、書換え領域RAより端部E1側の非書換え領域NRA1と、書換え領域RAより端部E2側の非書換え領域NRA2と、を有している。上記のように、書換え領域RAの画素には散乱電圧VB又は第1透明電圧VA1が与えられ、非書換え領域NRA1,NRA2の画素には第2透明電圧VA2が与えられる。
【0057】
図13Aには、表示パネルPNLのうち説明に必要な部分のみを示している。また、
図13Aには、光路を示し、光が液晶層30で拡散される様子や、光の平行度が液晶層30で維持される様子も示している。
図13Bには、
図13Aに示した複数の画素電極11と、複数のゲート線Gと、複数のソース線Sと、複数のスイッチング素子SWとの接続関係を示している。
【0058】
図13A及び
図13Bに示すように、複数の画素電極11は、上記対象領域OAに位置する第1画素電極11Cと、上記非対象領域NOAに位置する第2画素電極11Dと、上記非書換え領域NRA2(NRA)に位置する第3画素電極11Eと、を含んでいる。ここで、書換え領域RAに位置する画素PXのためのゲート線Gを第1ゲート線Gaとする。また、非書換え領域NRAに位置する画素PXのためのゲート線Gを第2ゲート線Gbとする。
【0059】
第1画素電極11C及び第2画素電極11Dの各々は、複数の第1ゲート線Gaのうち対応する1本の第1ゲート線Gaに電気的に接続されている。例えば、第1画素電極11Cと第2画素電極11Dとは、同一の1本の第1ゲート線Gaに電気的に接続されている。第3画素電極11Eは、複数の第2ゲート線Gbのうち対応する1本の第2ゲート線Gbに電気的に接続されている。各々のスイッチング素子SWにおいて、ゲート電極は対応する1本のゲート線Gに接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方は対応する1本のソース線Sに接続され、それらの他方は対応する画素電極11に接続されている。
【0060】
液晶層30(表示機能層)は、第1画素電極11Cと共通電極21との間に印加される電圧が印加される第1液晶層30C(第1表示機能層)と、第2画素電極11Dと共通電極21との間に印加される電圧が印加される第2液晶層30D(第2表示機能層)と、第3画素電極11Eと共通電極21との間に印加される電圧が印加される第3液晶層30E(第3表示機能層)と、を含んでいる。本実施形態において、第1液晶層30Cは第1画素電極11Cと共通電極21とに挟まれ、第2液晶層30Dは第2画素電極11Dと共通電極21とに挟まれ、第3液晶層30Eは第3画素電極11Eと共通電極21とに挟まれている。
【0061】
複数の画素PXは、第1画素PXC、第2画素PXD、及び第3画素PXEを含んでいる。第1画素PXCは、第1スイッチング素子SWC、第1スイッチング素子SWCに接続された第1画素電極11C、第1液晶層30Cなどを含んでいる。第2画素PXDは、第2スイッチング素子SWD、第2スイッチング素子SWDに接続された第2画素電極11D、第2液晶層30Dなどを含んでいる。第3画素PXEは、第3スイッチング素子SWE、第3スイッチング素子SWEに接続された第3画素電極11E、第3液晶層30Eなどを含んでいる。
【0062】
液晶層30(第1液晶層30C、第2液晶層30D、及び第3液晶層30E)は、上記散乱電圧VBが印加された場合に入射される光を散乱させ、第1透明電圧VA1が印加された場合に入射される光の平行度を維持し、第2透明電圧VA2が印加された場合に入射される光の平行度を維持する。
【0063】
上記第2透明電圧VA2が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度は、上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度より高い。上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度は、上記散乱電圧VBが印加された場合に液晶層30を透過する光の平行度より高い。
また、上記散乱電圧VBが印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度は、上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度より高い。上記第1透明電圧VA1が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度は、上記第2透明電圧VA2が印加された場合に液晶層30を透過する光の散乱度より高い。
【0064】
図12、
図13A及び
図13Bに示すように、表示領域DAの対象領域OAに画像CHを表示する際、本実施形態の上記制御部CONは、対象領域OAに画像CHを表示し、非対象領域NOAを透明にし、非書換え領域NRAを透明にする。非書換え領域NRAの透明度は、非対象領域NOAの透明度より高い。本実施形態において、液晶層30はリバース型高分子分散液晶を利用しているため、第1透明電圧VA1は第2透明電圧VA2より高くなり、散乱電圧VBは第1透明電圧VA1より高くなる。但し、本実施形態と異なり、液晶層30がノーマル型高分子分散液晶を利用している場合、第1透明電圧VA1は散乱電圧VBより高くなり、第2透明電圧VA2は第1透明電圧VA1より高くなる。
【0065】
このため、上記制御部は、第1液晶層30Cに散乱電圧VBを印加し、第2液晶層30Dに第1透明電圧VA1を印加し、第3液晶層30Eに第2透明電圧VA2を印加する。対象領域OAに画像CHを表示する期間のうちの1フレーム期間に注目すると、上記制御部CONは、光源ユニットLUを駆動して液晶層30に光を照射させ、液晶層30に光が照射される期間に、第1液晶層30Cに散乱電圧VBを印加し、第2液晶層30Dに第1透明電圧VA1を印加し、第3液晶層30Eに第2透明電圧VA2を印加する。
【0066】
画像CHの色(第1領域A1に表示する色)は、光源ユニットLUが発する色に基づくこととなる。このため、上記制御部CONは、画像CHの色を、光源ユニットLUが発する単色としたり、光源ユニットLUが発する複数色の混色としたり、することができる。また、画像CHを全て単色で表示したり、画像CHを部分毎に色を異ならせて表示したり、することも可能である。
【0067】
第1液晶層30Cの光の散乱度は、第2液晶層30D及び第3液晶層30Eのそれぞれの光の散乱度より高い。第1液晶層30Cは散乱状態となる。このため、表示パネルPNL越しに背景をみた場合、対象領域OAにおいて、背景の視認性を最も低下させることができる。
一方、第3液晶層30Eを通る光の平行度は、第1液晶層30C及び第2液晶層30Dのそれぞれを通る光の平行度より高い。第3液晶層30Eは第2透明状態となる。このため、表示パネルPNL越しに背景をみた場合、非書換え領域NRAにおける背景の視認性が最も良好となる。
また、第2液晶層30Dも第1透明状態となる。但し、第2液晶層30Dを透過する光の散乱度は、第3液晶層30Eを透過する光の散乱度より高い。表示パネルPNL越しに背景をみた場合、非対象領域NOAにおいては背景をぼかすことができ、非対象領域NOAにおける背景の視認性を低下させることができるため、ユーザは画像CHを視認し易くなる。
【0068】
次に、本実施形態のゲートドライバGDについて説明する。
図14に示すように、ゲートドライバGDは、順序回路SCと、制御配線WRと、複数の論理和回路(OR回路)OCとを備えている。順序回路SCは、複数のシフトレジスタSRを有している。複数のシフトレジスタSRは、直列に接続されている。
【0069】
論理和回路OCは、シフトレジスタSRに一対一で接続されている。論理和回路OCは、第1入力端子TI1と、第2入力端子TI2と、出力端子TOと、を含んでいる。第1入力端子TI1は、対応するシフトレジスタSRに接続されている。第2入力端子TI2は、制御配線WRに接続されている。出力端子TOは、対応する1本のゲート線Gに接続されている。
【0070】
論理和回路OCは、シフトレジスタSRから第1入力端子TI1にハイレベルの第1入力信号IN1が与えられた場合、制御配線WRから第2入力端子TI2にハイレベルの第2入力信号WALが与えられた場合、出力端子TOからゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを出力する。また、論理和回路OCは、ロウレベルの第1入力信号IN1とロウレベルの第2入力信号WALとが同時に与えられた場合、出力端子TOからゲート線Gに第2レベルのゲート信号VGを出力する。例えば、第1レベルはハイレベルであり、第2レベルはロウレベルである。
【0071】
複数の論理和回路OCは、複数の第1論理和回路OC1と、複数の第2論理和回路OC2と、を含んでいる。各々の第1論理和回路OC1は、複数の第1ゲート線Gaのうち対応する1本の第1ゲート線Gaに接続されている。各々の第2論理和回路OC2は、複数の第2ゲート線Gbのうち対応する1本の第2ゲート線Gbに接続されている。
【0072】
制御部CON(例えば、タイミングコントローラTC)が制御配線WRにハイレベルの第2入力信号WALを与えることで、ゲートドライバGDは全てのゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを同時に出力する。これにより、全てのスイッチング素子SWを一括してオンすることができる。
【0073】
又は、制御部CON(例えば、タイミングコントローラTC)は、制御配線WRにロウレベルの第2入力信号WALを与える。順序回路SCは、全ての第1論理和回路OC1の第1入力端子TI1にハイレベルの第1入力信号IN1を順に与える。ゲートドライバGDは全ての第1ゲート線Gaに第1レベルのゲート信号VGを順に出力し、第1スイッチング素子SWC、第2スイッチング素子SWDなどをオンする。そして、順序回路SCは、全ての第2論理和回路OC2の第1入力端子TI1にロウレベルの第1入力信号IN1を順に与える。ゲートドライバGDは全ての第2ゲート線Gbに第2レベルのゲート信号VGを順に出力し、第3スイッチング素子SWEなどをオフする。
上記の場合、ゲートドライバGDは、複数の第1ゲート線Gaを駆動する第1駆動周波数より高い第2駆動周波数で複数の第2ゲート線Gbを駆動することができる。
本実施形態において、制御部CONは、上記第1駆動周波数及び上記第2駆動周波数を持つゲートクロック信号GCKをゲートドライバGDに与えている。ゲートドライバGDは、ゲートクロック信号GCKに同期して複数のゲート線Gを走査する。上記のことから、ゲートドライバGDは、ゲートクロック信号GCKに基づいて、書換え領域RAと非書換え領域NRAとを異なる駆動周波数で走査することができる。
【0074】
図15は、第1の実施形態の表示装置DSPの表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
図15に示すように、1フレームの開始時に、垂直同期信号Vsyncが立ち下がる。すなわち、この例では、垂直同期信号Vsyncが立ち下がってから、再び立ち下がるまでの時間がフレーム期間(1フレーム期間)Pfに相当する。例えば60Hzで表示装置DSPを駆動する場合、フレーム期間Pfは約16.7msである。
【0075】
フレーム期間Pfは、上述の透明駆動を実行するリセット期間Prと、第1サブフレーム期間PsfRと、第2サブフレーム期間PsfGと、第3サブフレーム期間PsfBと、を含んでいる。各サブフレーム期間Psfは、上述の表示駆動を実行する期間に相当する。この例では、リセット期間Prがフレーム期間Pfの先頭の期間である。リセット期間Pr、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBは、この順に続いている。但し、この例とは異なり、リセット期間Prがフレーム期間Pfの先頭の期間ではなく、フレーム期間Pfの最後尾の期間であってもよい。
【0076】
リセット期間Prにおいては、タイミングコントローラTCの制御の下で透明駆動が実行される。すなわち、ゲートドライバGDが各ゲート線G1~Gnに第1レベルのゲート信号VGを同時に与える。例えば、制御配線WRにハイレベルの第2入力信号WALを与えることで実施することができる。さらに、このゲート信号VGを与える間、ソースドライバSDが各ソース線S1~Smに、例えばコモン電圧Vcomと同じ値のソース線電圧Vsigを与える。このような動作により、全ての画素PXの画素電極11と共通電極21との間に第2透明電圧VA2が書き込まれる。各画素PXの画素電極11は、対応するゲート線Gにゲート信号VGが与えられた後は、次に当該ゲート線Gにゲート信号VGが与えられるまで電気的にフローティング状態となる。したがって、第2透明電圧VA2が書き込まれた画素PXにおいては、対応するゲート線Gに対して次のゲート信号VGが供給されるまで、第2透明電圧VA2が保持される。
【0077】
第2透明電圧VA2が書き込まれた画素PXにおいては、液晶層30が良好な第2透明状態にあるので、表示パネルPNLの背景の視認性が高まる。本実施形態において、リセット期間Prにおいては、発光素子LSR,LSG,LSBはいずれも消灯している。なお、発光素子LSR,LSG,LSBは、リセット期間Prに消灯している方が望ましいが、リセット期間Prに点灯していてもよい。
リセット期間Prにおいて各ソース線S1~Smに供給するソース線電圧Vsigは、各画素PXに書き込まれる電圧が第2透明電圧VA2となる値であれば、コモン電圧Vcomと同じである必要はない。透明駆動におけるコモン電圧Vcomとソース線電圧Vsigについては、
図9及び
図10を用いて説明した種々の態様を適用し得る。
【0078】
リセット期間Prにおいて全てのゲート線G1~Gnに第1レベルのゲート信号VGを一括して与える期間は、駆動期間Ps1である。例えば、駆動期間Ps1の長さは、5乃至10本のゲート信号VGを走査する期間である。上記のように駆動期間Ps1を一定期間確保することにより、画素電極11の電位及び共通電極21の電位をそれぞれ所望の値に遷移させることができる。また、図示した例では、駆動期間Ps1の直後に第1サブフレーム期間PsfRが到来するため、時間期間に関して、Pr1=Ps1である。リセット期間Prは、駆動期間Ps1の後に、第2透明電圧VA2をさらに保持するための保持期間を含んでもよい。
【0079】
第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBはこの順に続いているが、この例と異なり、これらのサブフレーム期間Psfの順番は異なっていてもよい。各サブフレーム期間Psfにおいては、タイミング生成部50がフレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53をデータ同期信号SSにより制御したり、検出部55及びテーブル56を利用したりして、各色の表示駆動を実行させる。
【0080】
第1サブフレーム期間PsfRは、駆動期間PsRと、保持期間PhRとを含んでいる。駆動期間PsRにおいては、ゲートドライバGDが各ゲート線G1~Gnにゲート信号VGを順に与える。その際、複数の第1ゲート線Gaにはハイレベルのゲート信号VGを順に与え、複数の第1ゲート線Gaを上記第1駆動周波数で駆動する。一方、複数の第2ゲート線Gbにはロウレベルのゲート信号VGを順に与え、複数の第2ゲート線Gbを上記第2駆動周波数で駆動する。
【0081】
さらに、このゲート信号を与える間、ソースドライバSDがラインメモリ52Rに記憶された赤色のサブフレームデータ(R_DATA)に応じたソース線電圧Vsigを各ソース線S1~Smに与える。より具体的には、ゲート信号が供給されたラインの各画素PXに対応する階調のソース線電圧Vsigを一斉に各ソース線S1~Smに与える動作が繰り返される。ソース線電圧Vsigは、選択されたゲート線Gに対応する画素PXの画素電極11にスイッチング素子SWを介して与えられ、その後スイッチング素子SWが非導通状態に切替えられることで、画素電極11の電位が保持される。その後、次の行のゲート線Gが選択され、同様の駆動が順次行われる。但し、非対象領域NOAに位置する第2画素PXDに与えるソース線電圧Vsigは、基準電圧Vsig-cであり、例えば8Vに調整されている(
図8)。
【0082】
このような動作により、各画素PXの画素電極11と共通電極21との間に、赤色のサブフレームデータに応じた電圧が書き込まれる。各サブフレーム期間Psfにおいて、各ソース線S1~Smを介して各画素電極11に供給されるソース線電圧Vsigは、共通電極21のコモン電圧Vcomと極性が異なるか、或いは基準電圧Vsig-cである。したがって、書換え領域RAの各画素PXに書き込まれる電圧の絶対値は、8V以上かつ16V以下である。
【0083】
保持期間PhRは、全ての画素PXへの書き込みが完了してから、第2サブフレーム期間PsfGが到来するまでの期間である。この保持期間PhRにおいて、発光素子LSRが赤色の光を照射する。発光素子LSRを点灯させる際、書換え領域RAの全ての画素PXへの書き込みが完了してからマージン期間Pmをはさんで点灯させている。発光素子LSRを点灯させる際、上記マージン期間Pmをはさまなくともよいが、上記マージン期間Pmをはさんだ方が望ましい。これにより、例えば、液晶の応答期間を確保することができる。これにより、赤色の画像が表示領域DAに表示される。
【0084】
第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBにおける動作は、第1サブフレーム期間PsfRと同様である。すなわち、第2サブフレーム期間PsfGは駆動期間PsGと保持期間PhGを含み、駆動期間PsGにおいて書換え領域RAの画素PXにラインメモリ52Gが記憶する緑色のサブフレームデータ(G_DATA)に応じた電圧が書き込まれる。その際、非書換え領域NRAの画素PXに第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持し、対象領域OAの画素PXに散乱電圧VBを印加し、非対象領域NOAの画素に第1透明電圧VA1を印加する。保持期間PhGにおいて発光素子LSGが緑色の光を照射する。これにより、緑色の画像が表示領域DAに表示される。
【0085】
また、第3サブフレーム期間PsfBは駆動期間PsBと保持期間PhBを含み、駆動期間PsBにおいて書換え領域RAの画素PXにラインメモリ52Bが記憶する青色のサブフレームデータ(B_DATA)に応じた電圧が書き込まれ、保持期間PhBにおいて発光素子LSBが青色の光を照射する。これにより、青色の画像が表示領域DAに表示される。
【0086】
あるフレーム期間Pfにおいて、次のフレーム期間Pfで表示する画像データがフレームメモリ51に書き込まれる。さらに、画素PXへの書き込みが完了したラインメモリ52R、52G、52Bのサブフレームデータが、フレームメモリ51に書き込まれた画像データに対応するサブフレームデータにそれぞれ書き換えられる。
【0087】
第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBにおいて時分割で表示された赤色、緑色、及び青色の画像が混合されることで、多色表示の画像CHとしてユーザに視認される。また、リセット期間Prにおいては、各画素PXの画素電極11と共通電極21との間に、第2透明電圧VA2が印加される。このようなリセット期間Prを1フレーム期間Pf毎に1回設けることで、表示領域DAの透明性が高まり、表示領域DAの背景の視認性が向上する。なお、リセット期間Prを、上述したように、複数フレーム期間Pf毎に1回設けてもよい。又は、リセット期間Prと1サブフレーム期間Psfとを交互に設けてもよい。又は、リセット期間Prと複数のサブフレーム期間Psfとを交互に設けてもよい。画像の焼き付きなどの表示不良を抑制する観点からは、リセットの頻度は高い方がよい。
【0088】
リセット期間Prを調整する際、上述したように画素電極11の電位及び共通電極21の電位が所望の値に遷移するまでの期間だけではなく、表示領域DAの透明性を考慮してもよい。
【0089】
フレーム期間Pfにおいてリセット期間Prが占める割合が大きいほど表示領域DAの透明性が高まるが、画像の視認性が低下し得る。これらを考慮し、リセット期間Prの長さは、例えば1フレーム期間Pfの長さの1/2以下とすることが好ましい。但し、透明性を重視する場合などには、フレーム期間Pfに占めるリセット期間Prの割合をより大きくしてもよい。第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBは、例えば同じ長さとすることができる。第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの比率を異ならせることで、表示画像の色度を調整してもよい。
【0090】
次に、
図15の表示動作を利用して
図12のように画像CHを表示する際の1フレーム期間の表示動作について説明する。
図12、
図13A、
図13B、及び
図15に示すように、上記制御部CONは、リセット期間Prに、第1液晶層30C、第2液晶層30D、及び第3液晶層30Eにそれぞれ第2透明電圧VA2を印加し、光源ユニットLUを液晶層30に光を照射しない消灯状態に切替える。上記制御部CONは、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの全ての期間に、第2液晶層30Dに第1透明電圧VA1を印加し、第3液晶層30Eに第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持する。上記制御部CONは、第1サブフレーム期間PsfR、第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBの一以上のサブフレーム期間に、第1液晶層30Cに散乱電圧VBを印加する。
【0091】
ここで、上記表示動作に極性反転駆動を適用した場合について説明する。
図12、
図13A、
図13B、及び
図15に示すように、散乱電圧VBは、正極性の散乱電圧と、負極性の散乱電圧と、を有している(
図8)。正極性の散乱電圧とは、例えば8~16Vであり、負極性の散乱電圧とは例えば-16~-8Vである。対象領域OAに画像CHを表示する際、上記制御部CONは、1フレーム期間Pf毎に、正極性の散乱電圧VBと負極性の散乱電圧VBとを第1液晶層30Cに交互に印加する。この際、上記制御部CONは、1フレーム期間Pf毎に、正極性の第1透明電圧VA1と負極性の第1透明電圧VA1とを第2液晶層30Dに交互に印加する。この際、上記制御部CONは、各フレーム期間Pfに、第2透明電圧VA2を第2液晶層30Dに印加する。
正極性の第1透明電圧VA1及び負極性の第1透明電圧VA1の絶対値は、それぞれ、正極性の散乱電圧VBの最大値の半分であり、負極性の散乱電圧VBの絶対値の最大値の半分である。例えば
図8に示す例では、正極性の第1透明電圧VA1及び負極性の第1透明電圧VA1の絶対値はそれぞれ8Vであり、正極性の散乱電圧VBの最大値及び負極性の散乱電圧VBの絶対値の最大値は、それぞれ16Vである。例えば、第1透明電圧VA1及び散乱電圧VBが何れの極性であっても、第1透明電圧VA1の絶対値は、散乱電圧VBの絶対値の最大値の半分である。但し、上記の例に限定されるものではなく、正極性及び負極性の第1透明電圧VA1は、散乱度が50%以下の範囲となる電圧であればよい。
【0092】
次に、第2入力信号WAL、ゲートスタートパルス信号GST、ゲートクロック信号GCK、ゲート信号VG1,VG2,VGi,VGi+1,VGi+2,VGn-1,VGn、画素電極11の電位V11(1,j),V11(i,j)の関係について説明する。
【0093】
図16、
図3、及び
図14に示すように、リセット期間Prにおいて、第2入力信号WALのレベルはハイレベルに切り替り、ゲートドライバGDは、全てのゲート線Gに第1レベル(ここでは、ハイレベル)のゲート信号VGを出力する。これにより、全てのスイッチング素子SWはオンする。ソースドライバSDは、全てのソース線Sにコモン電圧Vcomを与える。これにより、全ての画素電極11にコモン電圧Vcomが書き込まれる。そして、遷移期間Pt1が経過することにより、画素電極11の電位V11は、共通電極21の電位と同一となる。例えば、1行目かつj列目の画素電極11(1,j)の電位V11(1,j)や、i行目かつj列目の画素電極11(i,j)の電位V11(i,j)は、遷移期間Pt1が経過することにより確定となる。なお、画素電極11(1,j)は、上記第3画素電極11Eに相当し、画素電極11(i,j)は、上記第1画素電極11C又は上記第2画素電極11Dに相当する。
【0094】
書換え期間Pwは、リセット期間Prに続く期間であり、例えば上記第1サブフレーム期間PsfRである。書換え期間Pwにおいて、ゲートドライバGDに入力されるゲートスタートパルス信号GSTのレベルがハイレベルに切り替る。そして、ゲートスタートパルス信号GSTのレベルがハイレベルとなる期間、ゲートドライバGDは、ゲートクロック信号GCKを取り込みを開始する。
【0095】
ゲートドライバGDの駆動は、ゲートクロック信号GCKの駆動周波数に基づいている。書換え期間Pwにおいて、ゲートドライバGDは、まず、第2駆動周波数f2で非書換え領域NRA1の複数のゲート線Gを駆動し、続いて第1駆動周波数f1で書換え領域RAの複数のゲート線Gを駆動し、その後、第2駆動周波数f2で非書換え領域NRA2の複数のゲート線Gを駆動する。
【0096】
ゲートドライバGDは、非書換え領域NRA1,NRA2の複数のゲート線Gには第2レベルのゲート信号VGを出力する。一方、ゲートドライバGDは、書換え領域RAの複数のゲート線Gに関しては、順に第1レベルのゲート信号VGを出力する。その際、ソースドライバSDは、ソース線Sにソース線電圧Vsigを与える。これにより、書換え領域RAの画素電極11にソース線電圧Vsigが書き込まれる。例えば、画素電極11(i,j)にソース線電圧Vsigを書き込んでから遷移期間Pt2が経過することにより、電位V11(i,j)は確定となる。これにより、書換え領域RAの画素PXの電圧を、第2透明電圧VA2から、散乱電圧VB又は第1透明電圧VA1を書き換えることができる。
【0097】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置DSPによれば、ユーザは画像(キャラクタ)CHを視認し易くなる。又は、ユーザは画像CHを視認する際に背景の影響を受け難くなる。これにより、背景の視認性及び表示品位を向上することが可能な表示装置DSPを得ることができる。
【0098】
第3画素PXE(第3液晶層30E)などの非書換え領域NRAに位置する画素PXに対して、リセット期間Prに第2透明電圧VA2が印加される。リセット期間Pr以降、非書換え領域NRAの画素PXは第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持される。そのため、非書換え領域NRAの画素PXに第1透明電圧VA1が印加される場合と比較して、非書換え領域NRAにおいて高い透明性を得ることができる。
【0099】
ゲートドライバGDは、リセット期間Prに全てのゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを一括して出力することができる。そのため、リセット期間Prにゲート線Gを順に走査する場合と比較して、リセット期間Prの時間期間を短縮することができる。
ゲートドライバGDは、順序回路SCなどを有している。サブフレーム期間Psfなどの書換え期間Pwにおいて、ゲートドライバGDは、複数の第1ゲート線Gaを駆動する第1駆動周波数f1より高い第2駆動周波数f2で複数の第2ゲート線Gbを駆動することができる。そのため、複数の第2ゲート線Gbの走査期間を短縮することができる。
また、書換え期間Pwに全てのゲート線Gを第1駆動周波数f1で走査する場合と比較して、フレームレートを高くすることができる。これにより、カラーブレークの発生を抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態の構成であれば、表示装置DSPを低耐電圧のソースドライバSDで駆動することができる。この効果につき、
図6及び
図8を参照しながら説明する。
コモン電圧Vcomを直流電圧とし、当該コモン電圧Vcomを中心にソース線電圧Vsigのみ極性反転させる比較例を想定する。この場合、ソース線電圧Vsigをコモン電圧Vcomと同じ電圧にすることで、通常の表示駆動においても各画素領域の液晶層30に0Vの電圧(第2透明電圧VA2)を印加することができる。但しこの比較例において、
図6の散乱電圧を階調表現に用いるためには、ソース線電圧Vsigは、コモン電圧Vcomに対して-16V~+16Vの範囲で可変でなければならない。すなわち、ソースドライバSD等の回路が32Vの耐電圧を有する必要がある。
【0101】
これに対し、本実施形態の構成であれば、
図8に示したようにソース線電圧Vsig及びコモン電圧Vcomが例えば16Vの範囲で可変であればよい。すなわち、ソースドライバSD等の回路が16Vの耐電圧を有すれば足りる。このように、回路の耐電圧を低く抑えることで、回路サイズや製造コストを低減することが可能となる。
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0102】
(第2の実施形態)
第2実施形態においては、主に第1実施形態との相違点に着目し、第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
図17に示すように、ゲートドライバGDは、少なくともデコーダDEを有している。デコーダDEは、k本の入力配線WI1~WIkを有し、入力配線WI1~WIkには制御信号IS1~ISkがそれぞれ入力される。デコーダDEは、複数の出力端子TDを有している。例えば、複数の出力端子TDは、n個の出力端子TD1、TD2…、TDi…、TDnであり、ゲート線Gと同数である。出力端子TD1、TD2…、TDi…からは、出力信号OS1、OS2…、OSi…をそれぞれ出力する。各々の制御信号IS1~ISkのレベル(ハイレベル又はロウレベル)に応じて、デコーダDEは、単個の出力端子TDからハイレベルの出力信号OSを出力し、残りの出力端子TDからロウレベルの出力信号OSを出力する。
【0103】
上記のように、ゲートドライバGDがデコーダDEを有する場合、ゲートドライバGDは、リセット期間Prに、全てのゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを順に与え、全てのゲート線Gを順に駆動することができる。
ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、複数の第1ゲート線Gaに第1レベルのゲート信号VGを順に与え、複数の第1ゲート線Gaを順に駆動する。また、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、複数の第2ゲート線Gbに対しては第2レベルのゲート信号VGを与える。ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、複数の第2ゲート線Gbに対しては第1レベルのゲート信号VGを与えることはないため、複数の第2ゲート線Gbについては駆動しない。上記のことから、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、複数の第1ゲート線Gaを選択的に駆動することができる。書換え期間Pwに、複数の第2ゲート線Gbのための駆動期間を確保しなくともよい。これにより、例えば、フレームレートを高くすることができる。
【0104】
本実施形態において、ゲートドライバGDは、デコーダDEだけではなく、複数のゲート線GとデコーダDEとの間に接続された論理回路LCをさらに有している。論理回路LCは、複数の出力端子TLを有している。例えば、複数の出力端子TLは、n個の出力端子TL1、TL2…、TLi…、TLnであり、ゲート線Gと同数である。出力端子TL1、TL2…、TLi…からは、ゲート信号VG1、VG2…、VGi…をそれぞれ出力する。ゲートドライバGDが論理回路LCを利用することにより、ゲートドライバGDは、同時に1本のゲート線Gのみに第1レベルのゲート信号VGを与えたり、同時に複数本のゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを与えたり、することができる。
【0105】
上記のことから、ゲートドライバGDは、リセット期間Prに、全てのゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを出力し、全てのスイッチング素子SWをオンする。例えば、ゲートドライバGDは、リセット期間Prに、全てのゲート線Gに第1レベルのゲート信号VGを同時に出力することができる。
【0106】
ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、全ての第1ゲート線Gaに第1レベルのゲート信号VGを出力し、上記第1スイッチング素子SWC及び第2スイッチング素子SWDなどの書換え領域RAの複数のスイッチング素子SWをオンする。例えば、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、全ての第1ゲート線Gaに第1レベルのゲート信号VGを順に出力する。又は、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、全ての第1ゲート線Gaのうちのいくつかの第1ゲート線Gaに第1レベルのゲート信号VGを同時に出力することもできる。例えば、書換え領域RAのうち、非対象領域NOAのみが属する複数行に対応する複数の第1ゲート線Gaに、第1レベルのゲート信号VGを同時に出力することができる。その場合、非対象領域NOAのみが属する複数行に対応する複数の画素PXに第1透明電圧VA1を同時に書き込むことができる。
【0107】
一方、第2ゲート線Gbに関し、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、全ての第2ゲート線Gbに第2レベルのゲート信号VGを出力し、第3スイッチング素子SWEなどの非書換え領域NRAの複数のスイッチング素子SWをオフする。例えば、ゲートドライバGDは、書換え期間Pwに、全ての第2ゲート線Gbに第2レベルのゲート信号VGを出力した状態を保持する。
【0108】
図18は、第2の実施形態の表示装置DSPの表示動作の一例を示すタイミングチャートである。
図18に示すように、フレーム期間Pfは、リセット期間Prと、第1サブフレーム期間PsfRと、第2サブフレーム期間PsfGと、第3サブフレーム期間PsfBと、を含んでいる。この例では、リセット期間Prがフレーム期間Pfの先頭の期間である。但し、リセット期間Prを設定する時期や、リセット期間Prの頻度は、上記第1の実施形態と同様、種々変形可能である。
【0109】
リセット期間Prにおいて、ゲートドライバGDは全てのゲート線G1~Gnに第1レベルのゲート信号VGを同時に与え、ソースドライバSDは全てのソース線S1~Smにコモン電圧Vcomと同じ値のソース線電圧Vsigを与える。これにより、全ての画素PXに第2透明電圧VA2が書き込まれる。
【0110】
第1サブフレーム期間PsfRの駆動期間PsRにおいては、ゲートドライバGDは、複数の第1ゲート線Gaにはハイレベルのゲート信号VGを与え、複数の第1ゲート線Gaを駆動する。ソースドライバSDは、ソース線電圧Vsigを各ソース線S1~Smに与える。ソース線電圧Vsigは、選択された第1ゲート線Gaに対応する画素PXの画素電極11にスイッチング素子SWを介して与えられ、その後スイッチング素子SWがオフすることで、画素電極11の電位が保持される。
【0111】
駆動期間PsRに、ゲートドライバGDは複数の第2ゲート線Gbを駆動しない。言い換えると、ゲートドライバGDは、駆動期間PsRに、複数の第2ゲート線Gbに第2レベルのゲート信号VGを与え続ける。第2ゲート線Gbに接続されたスイッチング素子SWはオフ状態に保持される。
【0112】
このような動作により、第1画素PXCなどの対象領域OAの画素PXに赤色のサブフレームデータに応じた電圧(散乱電圧VB)が書き込まれ、第2画素PXDなどの非対象領域NOAの画素PXに第1透明電圧VA1が書き込まれ、第3画素PXEなどの非書込み領域NRAの画素PXは第2透明電圧VA2が印加されている状態に保持される。
そして、保持期間PhRに、発光素子LSRが点灯する。これにより、対象領域OAに表示する画像CHの少なくとも一部を赤色に着色することができる。
【0113】
第2サブフレーム期間PsfG、及び第3サブフレーム期間PsfBにおける動作は、第1サブフレーム期間PsfRと同様である。
【0114】
上記のように構成された第2の実施形態において、ゲートドライバGDはデコーダDEを備えている。書換え期間Pwにおいて、ゲートドライバGDは、複数の第2ゲート線Gbを駆動するための専用の期間を必要としない。本実施形態では、上記第1の実施形態と比較して、書換え期間Pwにおけるゲート線Gの駆動期間を短縮することができる。一層、フレームレートを高くすることができ、カラーブレークの発生を抑制することができる。
以上の他にも、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0115】
(第2の実施形態の変形例)
次に、上記第2の実施形態の変形例について説明する。一フレーム期間Pfに、表示装置DSPは、フレームデータを使用して2回以上駆動されてもよい。言い換えると、本変形例の一フレーム期間Pfは、同一のフレームデータを使用して駆動する期間である。本変形例の技術は、上述した第1の実施形態に適用することも可能である。
【0116】
図19に示すように、一フレーム期間Pfに、表示装置DSPは、フレームデータを使用して例えば2回駆動されてもよい。フレーム期間Pfは、1回のリセット期間Prと、2回の第1サブフレーム期間PsfRと、2回の第2サブフレーム期間PsfGと、2回の第3サブフレーム期間PsfBと、を含んでいる。
【0117】
上述した第2の実施形態のように、各々のサブフレーム期間Psfに、第1ゲート線Gaを選択的に駆動することで駆動期間を短縮することができる。そのため、発光素子LSR、LSG、LSBの点灯期間を細分化することができ、カラーブレークの発生を抑制することができる。
なお、本変形例においても、リセット期間Prを設定する時期や、リセット期間Prの頻度は、種々変形可能である。
【0118】
(第3の実施形態)
第3の実施形態においては、主に第1実施形態との相違点に着目し、第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
図20は、本実施形態に係る表示装置DSPの主要な構成要素を示す図である。
図20に示すように、表示装置DSPは、コントローラCNTがレベル変換回路(レベルシフト回路)LSC及びVcom引き込み回路LICを備える点で、
図3に示した構成と相違している。
【0119】
Vcom回路VCから供給されるコモン電圧(Vcom)は、共通電極21に供給されるとともに、Vcom引き込み回路LICにも供給される。Vcom引き込み回路LICは、ソースドライバSDと各ソース線Sとの間に介在している。Vcom引き込み回路LICは、ソースドライバSDから出力される映像信号を各ソース線Sに供給する。また、Vcom引き込み回路LICは、Vcom回路VCからのコモン電圧を各ソース線Sに供給することもできる。
【0120】
図21は、Vcom引き込み回路LICの一構成例を示す図である。Vcom引き込み回路LICは、スイッチング素子SW1~SWmを備えている。スイッチング素子SW1~SWmは、例えば表示パネルPNLの第1基板SUB1に配置されている。スイッチング素子SW1~SWmの入力端(ソース)には配線LN1が接続され、出力端(ドレイン)には各ソース線S1~Smがそれぞれ接続され、制御端(ゲート)には配線LN2が接続されている。
【0121】
図20に示したVcom回路VCは、配線LN1にコモン電圧Vcomを供給する。なお、この動作は、非書換え領域NRAの画素PXに第2透明電圧VA2を書込む際の駆動に適用したり、リセット期間Prの駆動に適用したり、非書換え領域NRAの画素PXに第2透明電圧VA2を書込む際の駆動とリセット期間Prの駆動の両方に適用したりすることができる。また、タイミングコントローラTCは、透明駆動を実行する際に、制御信号CSをレベル変換回路LSCに出力する。レベル変換回路LSCは、この制御信号CSを所定レベルの電圧に変換して配線LN2に供給する。配線LN2に制御信号CSが供給されると、配線LN1と各ソース線S1~Smとが導通し、配線LN1のコモン電圧Vcomが各ソース線S1~Smに供給される。
【0122】
このようにコモン電圧Vcomが各ソース線S1~Smに供給された状態で、各ゲート線G1~Gnにゲート信号が供給されると、各画素電極11に各ソース線S1~Smのコモン電圧Vcomが供給される。すなわち、各画素電極11と共通電極21との電位差が0V(第2透明電圧VA2)となる。
【0123】
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の透明駆動を実行することが可能である。透明駆動は、第1実施形態と同様のタイミングで実行することができる。本実施形態の構成であれば、ソースドライバSDに透明駆動のための電圧(例えばコモン電圧Vcom)を供給するための回路等を設ける必要が無い。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、実施形態及び変形例を組合せることも可能である。
【0125】
ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各サブフレームデータは、第1色の画像を表す第1サブフレームデータ、第2色の画像を表す第2サブフレームデータ、第3色の画像を表す第3サブフレームデータの一例である。
第1色、第2色、及び第3色は、それぞれ赤色、緑色、青色に限られない。また、光源ユニットLUは、2種類以下の色の発光素子LSを備えてもよいし、4種類以上の色の発光素子LSを備えてもよい。又は、光源ユニットLUは、白色の発光素子LSを備えていてもよい。発光素子LSの種類数(色数)に応じて、ラインメモリ、サブフレームデータ、サブフレーム期間の数を増減させればよい。
【0126】
液晶層30は、ノーマル型高分子分散液晶を利用してもよい。上記の液晶層30は、印
加される電圧が高い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が低い場合に
入射される光を散乱させる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]複数のゲート線と、表示領域に位置した複数の画素電極と、前記表示領域に位置した共通電極と、前記表示領域に位置した表示機能層と、を有する表示パネルと、
前記表示領域の外側の非表示領域に位置し前記表示機能層に光を照射する光源ユニットと、
前記複数のゲート線に接続されたゲートドライバを含み、前記複数のゲート線、前記複数の画素電極、前記共通電極、及び前記光源ユニットのそれぞれの駆動を制御する制御部と、を備え、
前記表示領域の対象領域に画像を表示する際、前記制御部は、
リセット期間に、前記表示領域を第1透明状態より透明度の高い第2透明状態とし、
前記リセット期間の後の書換え期間に、前記対象領域に画像を表示し、前記対象領域が位置する行の全域を含む書換え領域のうち前記対象領域以外の非対象領域を前記第1透明状態とし、前記表示領域のうち前記書換え領域以外の非書換え領域を前記第2透明状態に保持し、
前記ゲートドライバは、
順序回路を有し、前記書換え期間に前記複数のゲート線のうち前記書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第1ゲート線を駆動する第1駆動周波数より高い第2駆動周波数で前記複数のゲート線のうち前記非書換え領域に位置する複数の画素電極に電気的に接続された複数の第2ゲート線を駆動し、又は、
デコーダを有し、前記書換え期間に前記複数の第1ゲート線を選択的に駆動する、
表示装置。
[2]前記表示機能層は、リバース型高分子分散液晶を利用した液晶層である、
[1]に記載の表示装置。
[3]前記複数の画素電極は、前記対象領域に位置する第1画素電極と、前記非対象領域に位置する第2画素電極と、前記非書換え領域に位置する第3画素電極と、を有し、
前記表示機能層は、
前記対象領域に位置し、前記第1画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第1表示機能層と、
前記非対象領域に位置し、前記第2画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第2表示機能層と、
前記非書換え領域に位置し、前記第3画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧が印加される第3表示機能層と、を有し、
前記制御部は、
前記リセット期間に、前記表示機能層に第2透明電圧を印加し、
前記書換え期間に、前記第1表示機能層に散乱電圧を印加し、前記第2表示機能層に第1透明電圧を印加し、前記第3表示機能層に前記第2透明電圧が印加されている状態に保持する、
[1]に記載の表示装置。
[4]前記表示機能層は、リバース型高分子分散液晶を利用した液晶層であり、
前記第2透明電圧は0Vである、
[3]に記載の表示装置。
[5]前記散乱電圧は、正極性の散乱電圧と、負極性の散乱電圧と、を有し、
前記対象領域に画像を表示する際、前記制御部は、
1フレーム期間毎に、正極性の前記散乱電圧と負極性の前記散乱電圧とを前記第1表示機能層に交互に印加する、
[4]に記載の表示装置。
[6]前記書換え期間において、
前記第1表示機能層は入射される光を散乱させ、前記第2表示機能層及び前記第3表示機能層は入射される光の平行度を維持し、
前記第3表示機能層にて維持する光の平行度は、前記第2表示機能層にて維持する光の平行度より高い、
[3]に記載の表示装置。
[7]前記ゲートドライバは、前記順序回路と、制御配線と、複数の論理和回路と、を有し、
前記複数のゲート線は、複数の第1ゲート線と、複数の第2ゲート線と、を含み、
前記表示パネルは、複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第1スイッチング素子と、複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第2スイッチング素子と、複数の第2ゲート線のうち対応する1本の第2ゲート線に接続された第3スイッチング素子と、を含む複数のスイッチング素子をさらに有し、
前記複数の画素電極は、前記対象領域に位置し前記第1スイッチング素子に接続された第1画素電極と、前記非対象領域に位置し前記第2スイッチング素子に接続された第2画素電極と、前記非書換え領域に位置し前記第3スイッチング素子に接続された第3画素電極と、を有し、
各々の前記論理和回路は、前記順序回路に接続された第1入力端子と、前記制御配線に接続された第2入力端子と、対応する1本のゲート線に接続された出力端子と、を含み、
前記複数の論理和回路は、複数の第1論理和回路と、複数の第2論理和回路と、を含み、各々の前記第1論理和回路は前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続され、各々の前記第2論理和回路は前記複数の第2ゲート線のうち対応する1本の第2ゲート線に接続され、
前記制御部は、
前記リセット期間に、前記制御配線にハイレベルの第2入力信号を与え、全てのゲート線に第1レベルのゲート信号を出力し、全てのスイッチング素子をオンし、
前記書換え期間に、前記制御配線にロウレベルの前記第2入力信号を与え、全ての第1論理和回路の前記第1入力端子にハイレベルの第1入力信号を順に与え、全ての第1ゲート線に前記第1レベルの前記ゲート信号を順に出力し、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオンし、全ての第2論理和回路の前記第1入力端子にロウレベルの前記第1入力信号を順に与え、全ての第2ゲート線に第2レベルの前記ゲート信号を順に出力し、前記第3スイッチング素子をオフする、
[1]に記載の表示装置。
[8]前記ゲートドライバは、順序回路を有し、
前記制御部は、前記第1駆動周波数及び前記第2駆動周波数を持つゲートクロック信号を前記ゲートドライバに与え、
前記ゲートドライバは、前記ゲートクロック信号に基づいて、前記書換え領域と前記非書換え領域とを異なる駆動周波数で走査する、
[1]に記載の表示装置。
[9]前記ゲートドライバは、前記デコーダと、前記複数のゲート線と前記デコーダとの間に接続された論理回路と、を有し、
前記複数のゲート線は、複数の第1ゲート線と、複数の第2ゲート線と、を含み、
前記表示パネルは、前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第1スイッチング素子と、前記複数の第1ゲート線のうち対応する1本の第1ゲート線に接続された第2スイッチング素子と、前記複数の第2ゲート線のうち対応する1本の第2ゲート線に接続された第3スイッチング素子と、を含む複数のスイッチング素子をさらに有し、
前記複数の画素電極は、前記対象領域に位置し前記第1スイッチング素子に接続された第1画素電極と、前記非対象領域に位置し前記第2スイッチング素子に接続された第2画素電極と、前記非書換え領域に位置し前記第3スイッチング素子に接続された第3画素電極と、を有し、
前記制御部は、
前記リセット期間に、全てのゲート線に第1レベルのゲート信号を出力し、全てのスイッチング素子をオンし、
前記書換え期間に、全ての第1ゲート線に前記第1レベルの前記ゲート信号を出力し、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオンし、全ての第2ゲート線に第2レベルの前記ゲート信号を出力し、前記第3スイッチング素子をオフする、
[1]に記載の表示装置。
[10]前記光源ユニットは、前記表示機能層に第1色の光を照射する第1発光素子と、前記表示機能層に第2色の光を照射する第2発光素子と、前記表示機能層に第3色の光を照射する第3発光素子と、を有し、
各々の1フレーム期間は、前記第1発光素子が前記第1色の光を照射する第1サブフレーム期間と、前記第2発光素子が前記第2色の光を照射する第2サブフレーム期間と、前記第3発光素子が前記第3色の光を照射する第3サブフレーム期間と、を有し、
前記制御部は、
前記リセット期間と各々の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、
前記リセット期間と複数の前記サブフレーム期間とを交互に設け、又は、
前記リセット期間を前記1フレーム期間毎に1回設け、又は、
前記リセット期間を複数のフレーム期間毎に1回設ける、
[1]に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0127】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、30,30C,30D,30E…液晶層、
PX…画素、SW…スイッチング素子、G…ゲート線、S…ソース線、11…画素電極、
21…共通電極、GD…ゲートドライバ、SC…順序回路、WR…制御配線、
OC…論理和回路、TI1…第1入力端子、TI2…第2入力端子、TO…出力端子
DE…デコーダ、LC…論理回路、CON…制御部、CNT…コントローラ、
TC…タイミングコントローラ、50…タイミング生成部、51…フレームメモリ、
52R,52G,52B…ラインメモリ、LU…光源ユニット、
LSR,LSG,LSB…発光素子、DA…表示領域、RA…書換え領域、
NRA…非書換え領域、OA…対象領域、NOA…非対象領域、CH…画像)、
Pf…フレーム期間、Pr…リセット期間、Pw…書換え期間、
Psf…サブフレーム期間IN1…第1入力信号、WAL…第2入力信号、
VB…散乱電圧、VA1…第1透明電圧、VA2…第2透明電圧。