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  • 特許-固定治具を備えた位置決め装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】固定治具を備えた位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 5/52 20060101AFI20220221BHJP
   F16C 29/04 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
B23Q5/52 A
F16C29/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018122153
(22)【出願日】2018-06-27
(65)【公開番号】P2020002983
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】坂井 哲也
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-118014(JP,A)
【文献】特開平11-2242(JP,A)
【文献】特開平10-89357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 5/52
F16C 29/00-29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド,前記ベッドに直動案内ユニットを介して相対移動するテーブル,並びに前記ベッドと前記テーブルのいずれか一方に取り付けられ且つ前記テーブルに予め決められた所定の移動距離に隔置して設定された一対のエンドストッパ,及び他方に取り付けられ且つ前記エンドストッパ間に位置して前記エンドストッパに当接して前記テーブルの前記相対移動を停止させる中間ストッパから成る位置決め装置において,
前記位置決め装置の輸送や保管等の非作動時に,前記ベッドと前記テーブルとの前記相対移動を阻止するため,前記中間ストッパの両側であって前記中間ストッパと前記エンドストッパとの間の両隙間にそれぞれ取付け取外し可能に配設可能な固定治具を備えていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記固定治具は,前記エンドストッパと前記中間ストッパとの前記両隙間に同時にそれぞれ挿入可能な一対の挿入部を有する形状に屈曲された一体構造の帯状板部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記固定治具を形成する前記帯状板部材は,前記挿入部を連係し且つ前記中間ストッパに当接する当接部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記固定治具を形成する前記帯状板部材の両端部には,前記挿入部を前記中間ストッパと前記エンドストッパとの間の前記両隙間に着脱するためのレバー部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記固定治具を形成する前記帯状板部材は,金属部材又は樹脂部材から成る弾性部材であることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記テーブルには前記直動案内ユニットを構成するスライダが取り付けられ,前記ベッドには前記直動案内ユニットを構成する軌道レールが取り付けられ,前記スライダは転動体を介して前記軌道レールに対して相対移動することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記位置決め装置は,前記テーブルに取り付けられた複数のマグネットから成る界磁マグネットと前記ベッドに取り付けられた複数の電機子コイルから成る電機子組立体とから構成されるリニアモータで作動されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,ベッド上を直動案内ユニットを介して往復移動するテーブルを備え,ベッド上でのテーブルの相対移動を一時的に阻止するための固定治具を備えている位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,工作機械や精密機器の高精度化により,ベッド上のテーブルを高精度に位置決めすることが要望されており,そのための位置決め装置について,その製造コストを低減することが常に要請されるところである。ところで,従来,位置決め装置として,例えば,図8に示すように,位置決め装置の保管や輸送の非作動時に,位置決め装置の損傷を防ぐため,ステージを構成するテーブル3をベッド2に対して固定する固定治具を設けたものが知られている。上記固定治具は,テーブル3の側面28及びベッド2の側面27にねじ穴を形成し,固定治具の固定板23をテーブル3とベッド2にねじ24でねじ止めして,テーブル3をベッド2に固定し,ベッド2に対するテーブル3の相対移動を防止したものである。
【0003】
また,直動転がり案内ユニットにおけるトラックレールについて,その端部に取り付けられたストッパーが知られている。該ストッパーは,弾性材料で正面形状を略M字形に形成されている。該ストッパには,その両側脚部の下端に内側へ向かう凸弧状の軌道溝嵌合部を設けられ,ストッパー頂面のV字状凹陥部の底部下面の略中央域に,下方へ突出した係止部が設けられている。また,該ストッパは,前記底部下面と軌道溝嵌合部の上面との高さ方向の間隔を,トラックレールの頂面と軌道溝の天井面との高さ方向の間隔より小としたものである(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,リニアブレーキとして,バネ力によりクランプを行い,バネ力に抗した外力を付加することによりクランプ状態を解除するノーマルクローズドタイプのものが知られている。該リニアブレーキは,リニアガイドを跨ぐハウジングの両側壁部に,リニアガイドを両側から挟むガイド拘束部材を回動可能に取り付けている。該リニアブレーキは,両側のガイド拘束部材を板バネにて連結すると共に,その板バネによりガイド拘束方向へ回動付勢する。また,該リニアブレーキは,ハウジングの天板部と板バネの間に,板バネによる付勢力に抗して両側のガイド拘束部材をガイド解放方向へ強制回動させるべく,板バネを変形されるアクチュエータを設けたものである(例えば,特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-366015号公報。
【文献】特開2013-232526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示すような位置決め装置の固定治具では,テーブル3とベッド2との側面28,27にねじ穴をそれぞれ形成する必要があり,ねじ穴を加工する工数,固定治具の固定板23をねじ穴にねじ24をねじ止めする工数,位置決め装置の作動時にねじ24をドライバーでベッド2とテーブル3から取り外す工数が必要となっていた。更に,上記位置決め装置では,ベッド2やテーブル3にねじ穴を形成しなければならず,製造コストがかかるものであった。
【0007】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,金属部材又は樹脂部材から成る帯状板部材を折り曲げて作製した固定治具を位置決め装置を構成するステージとなるテーブルとベッドとに本来からそれぞれ設けられているメカストッパの間に,差し込むことによって,テーブルとベッドとの相対移動を一時的に固定し,位置決め装置のガタによる損傷を防止する位置決め装置を提供することである。また,固定治具自体は,帯状板部材を折り曲げ加工で形成することができるので,構造が簡単で,取り扱いが容易で安価に作製することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は,ベッド,前記ベッドに直動案内ユニットを介して相対移動するテーブル,並びに前記ベッドと前記テーブルのいずれか一方に取り付けられ且つ前記テーブルに予め決められた所定の移動距離に隔置して設定された一対のエンドストッパ,及び他方に取り付けられ且つ前記エンドストッパ間に位置して前記エンドストッパに当接して前記テーブルの前記相対移動を停止させる中間ストッパから成る位置決め装置において,
前記位置決め装置の輸送や保管等の非作動時に,前記ベッドと前記テーブルとの前記相対移動を阻止するため,前記中間ストッパの両側であって前記中間ストッパと前記エンドストッパとの間の両隙間にそれぞれ取付け取外し可能に配設可能な固定治具を備えていることを特徴とする位置決め装置に関する。
【0009】
また,前記固定治具は,前記エンドストッパと前記中間ストッパとの前記両隙間に同時にそれぞれ挿入可能な一対の挿入部を有する形状に屈曲された一体構造の帯状板部材から構成されているものである。更に,前記固定治具を形成する前記帯状板部材は,前記挿入部を連係し且つ前記中間ストッパに当接する当接部を備えているものである。また,前記固定治具は,前記帯状板部材の両端部には,前記挿入部を前記中間ストッパと前記エンドストッパとの間の前記両隙間に着脱するためのレバー部が形成されているものである。
【0010】
更に,前記固定治具を形成する前記帯状板部材は,金属部材又は樹脂部材から成る弾性部材である。
【0011】
また,この位置決め装置は,前記テーブルには前記直動案内ユニットを構成するスライダが取り付けられ,前記ベッドには前記直動案内ユニットを構成する軌道レールが取り付けられ,前記スライダは転動体を介して前記軌道レールに対して相対移動するものである。
【0012】
また,前記位置決め装置は,前記テーブルに取り付けられた複数のマグネットから成る界磁マグネットと前記ベッドに取り付けられた複数の電機子コイルから成る電機子組立体とから構成されるリニアモータで作動されるものである。
【発明の効果】
【0013】
この固定治具を備えた位置決め装置は,上記のように構成されているので,例えば,テーブルにねじ穴を設けて取付け用板を取り付けてテーブルをベッドに固定することなく,帯状板部材から成る固定治具をテーブルとベッドとの隙間に挿入するだけで,ベッドにテーブルを固定してテーブルの相対移動を防ぐことができる。具体的には,固定治具は,屈曲された弾性材の帯状板部材から形成されており,位置決め装置は,その保管や移動の非作動時に,テーブル及びベッドのいずれか一方に設けたエンドストッパと他方に設けた中間ストッパとの間の隙間に,固定治具を装着するだけであるので,位置決め装置への固定治具の取付け取外しが容易である。また,固定治具は,適正な弾性と強度が有する金属材又は合成樹脂材で作製でき,金属材であればその帯状板部材を折り曲げ加工し,又は合成樹脂材であればその帯状板部材を成形加工して作製できるので,容易に製造でき,構造が簡単である。固定治具は,それをエンドストッパと中間ストッパとの間の隙間の挿入するだけで,テーブルのベッドに対する相対移動を確実に容易に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明による固定治具を備えた位置決め装置を示す斜視図である
図2図1の位置決め装置からテーブルの本体を取り外してテーブルに取り付けたスライダとエンドストッパとを示したベッドを示す斜視図である。
図3図1の位置決め装置を構成するテーブルをベッドから取り外し,ベッドに対向するテーブルの下面を示しており,ベッド1に取り付けた中間ストッパ6を示し,テーブルの下面にはエンドストッパを取り付け,エンドストッパと中間ストッパに対して固定治具を配置した状態を示す斜視図である。
図4図2に示すベッドから固定治具を取り外し,ベッドに対向して固定治具を配置した状態を示す斜視図である。
図5】ここの位置決め装置におけるベッドに対して,矢印で示すように固定治具を取り外した状態又は固定治具を取り付ける直前の状態を示す平面図である。
図6】この発明による位置決め装置に着脱する固定治具を示す斜視図である。
図7図6の固定治具を示し,(A)は平面図,(B)は正面図,(C)は(A)の右側面図,及び(D)は(A)の左側面図である。
図8】従来の固定治具を構成する固定板を位置決め装置にねじ止めした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を参照して,この発明による固定治具を備えた位置決め装置一実施例を説明する。この発明による固定治具1を備えた位置決め装置は,ベッド2,及び該ベッド2に直動案内ユニット4を介して相対移動するテーブル3から構成されている。本実施例では,この位置決め装置は,その作動時に,ベッド2に対するテーブル3のオーバストロークによって,ベッド2及びテーブル3等の部品が損傷するのを防ぐために、ベッド2の固定部及びテーブル3の可動部には,互いに干渉してテーブル3のベッド2に対するストロークを規制するため,例えば,テーブル3にはメカストッパであるエンドストッパ5が取り付けられ,ベッド2にはメカストッパである中間ストッパ6が取り付けられている。この位置決め装置では,中間ストッパ6は,ねじ19によってベッド2に固定されており,エンドストッパ5は,ねじ21によってテーブル3の下面29に固定されている。エンドストッパ5は,テーブル3に一対の取り付けられ,テーブル3の往復移動に相当する予め決められた所定の移動距離に隔置して設定されている。この位置決め装置は,作動時にはテーブル3がベッド2に取り付けた軌道レール1の長手方向に予め決められた所定の距離だけ往復移動するものであり,例えば,テーブル3のベッド2に対する往復移動は,テーブル3に固定したエンドストッパ5がベッド2に固定した中間ストッパ6に当接することによってテーブル3の相対移動が停止即ち規制され,次いで,テーブル3は逆方向に相対移動することが可能になる。
【0016】
この位置決め装置は,特に,位置決め装置の輸送や保管等の非作動時に,ベッド2に対するテーブル3の相対移動を防止するため,中間ストッパ6の両側であって中間ストッパ6とエンドストッパ5との間の両隙間7にそれぞれ取付け取外し可能即ち着脱可能に配設される固定治具1を備えていることを特徴としている。ここで,隙間7は,テーブル3のベッド2に対する相対移動距離に相当し,ベッド2の設けた中間ストッパ6とテーブル3に設けたエンドストッパ5との間の隔置した設定距離に相当している。固定治具1は,エンドストッパ5と中間ストッパ6との両隙間7に同時にそれぞれ挿入可能な一対の挿入部8を有する形状に屈曲即ち折り曲げられた一体構造の帯状板部材9から構成されている。固定治具1を形成する帯状板部材9は,金属部材又は樹脂部材から成る弾性部材で形成することが好ましい。更に,固定治具1を形成する帯状板部材9は,挿入部8の間に,両者の挿入部8を連係して中間ストッパ6に当接する当接部10を備えている。この実施例では,帯状板部材9は,略M字状に折り曲げ加工されており,固定治具1のM字の中央の谷部は、中間ストッパ6が嵌入する幅に形成されて中間ストッパ6に当接し,M字の一対の山部は挿入部8を形成しており,挿入部8の外側端面26間の長さは,中間ストッパ6とエンドストッパ5の間の隙間7の距離と等しいか,隙間7に弾性的に嵌入するようにわずかに大きくなるような寸法に設定されている。また,固定治具1が当接部10を備えていることにより,固定治具1を位置決め装置のベッド2とテーブル3との間の隙間7に挿入した際に,当接部10が中間ストッパ6に当接して,固定治具1がそれ以上奥へ入ることがなく,位置決め装置の部品と干渉することがなく,固定治具1を位置決め装置に適正に装填できる。また,固定治具1は,リニアモータ等が組み込まれている位置決め装置に適用する場合には,ステンレス等の非磁性の金属或いは合成樹脂で作製することがよいが,位置決め装置が磁気の影響を受けてもよい場合には,磁性材で作製することもできる。
【0017】
この位置決め装置は,固定治具1を適用した実施例として,ベッド2を下側に,テーブル3を上側に構成したタイプを示しているが,それに限らず,ベッド2とテーブル3とを上下方向でなく,斜め方向や横並びに立方向に配設したタイプでも適用できるものである。エンドストッパ5及び中間ストッパ6は,それらを形成する材料が限定されるものではないが,例えば,中間ストッパ6は,ウレタン等の合成樹脂で作製することができ,エンドストッパ5は,ステンレススチールや防錆処理したS50Cで作製することができる。勿論,この位置決め装置では,テーブル3に中間ストッパ6を取り付け,ベッド2にエンドストッパ5を取り付けても良いものである。一般に,一対のエンドストッパ5の間の距離は,ベッド2に対するテーブル3の最大移動量の距離に設定されている。
【0018】
また,この位置決め装置は,固定治具1を形成する帯状板部材9の両端部12には,挿入部8を中間ストッパ6とエンドストッパ5との間の両隙間7に着脱するのに適用できるレバー部11が設けられている。レバー部11には,孔25が形成されている。該孔25は,固定治具1をベッド2とテーブル3との対向面間の隙間7に対して挿入又は引き出し即ち着脱するのが容易にできるように器具,指等を引っ掛けるために利用することができるし,或いは固定治具1を収納する際に,フック等に掛けるのに利用できる。固定治具1は,レバー部11を設けておけば,位置決め装置への取付け取外しを容易にするが,梱包等でレバー部11が位置決め装置からはみ出すことを嫌う場合には,レバー部11を取り除いて,挿入部8と当接部10で形成することもできる。
【0019】
また,この位置決め装置は,テーブル3には直動案内ユニット4を構成するスライダ13が取り付けられ,ベッド2には直動案内ユニット4を構成する軌道レール14が取り付けられている。スライダ13は,転動体(図示せず)を介して軌道レール14に対して相対移動するものである。スライダ13は,テーブル3の下面29にテーブル3に形成された取付け用孔に挿通したねじ20によって固定されている。また,軌道レール14は,その長手方向に隔置して形成された取付け用孔に挿通したねじ30によってベッド2に固定されている。
【0020】
また,この位置決め装置は,テーブル3に取り付けられた複数のマグネット17から構成された界磁マグネット15と,ベッド2に取り付けられた複数の電機子コイル18から構成された電機子組立体16とから成るリニアモータで作動されるものである。また,ベッド2には,テーブル3の往復移動範囲を設定するためのセンサーが設けられており,例えば,この位置決め装置では,リミットスイッチ22として近接スイッチが用いられている。ベッド2には,リミットスイッチ22のケーブルを固定するためのケーブルクランプ31,リミットスイッチ22の検知用板としてのドグ32が設けられている。この位置決め装置は,リニアモータによる駆動機構を取り入れているため,非作動時に,ベッド2に対してテーブル3が容易に相対移動する構造に構成されているので,固定治具1で,テーブル3をベッド2に対して固定させておくことが好ましいものである。
【0021】
この発明による位置決め装置に使用される固定治具1は,円弧の曲状に折り曲げられた挿入部8の弾性変形により、中間ストッパ6と左右のエンドストッパ5とによってそれぞれ反対方向に付勢されることによって、隙間7に係止され,テーブル3のベッド2に対する相対移動を防ぐことができる。また,固定治具1は,中央の谷部に当接部10を備えているので,当接部10が中間ストッパ6を抱き込むように固定されることによって,固定治具1がテーブル3の内側方向に入り込み過ぎることがなく、位置決め装置の各種の内部機構と干渉する恐れがなく,ベッド2に対するテーブル3の相対移動を防止する機能を発揮できる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明による位置決め装置は,搬送や保管等の非作動時に固定治具を取り付けて,ベッドに対するテーブルの移動を防止して位置決め装置の損傷を防止することができるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 固定治具
2 ベッド
3 テーブル
4 直動案内ユニット
5 エンドストッパ
6 中間ストッパ
7 隙間
8 挿入部
9 帯状板部材
10 当接部
11 レバー部
12 端部
13 スライダ
14 軌道レール
15 界磁マグネット
16 電機子組立体
17 マグネット
18 電機子コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8