IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -安全意識評価システム 図1
  • -安全意識評価システム 図2
  • -安全意識評価システム 図3
  • -安全意識評価システム 図4
  • -安全意識評価システム 図5
  • -安全意識評価システム 図6
  • -安全意識評価システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】安全意識評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20220221BHJP
   E04G 21/00 20060101ALI20220221BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20220221BHJP
   E04G 21/32 20060101ALN20220221BHJP
【FI】
G06Q50/08
E04G21/00
G10L15/10 200W
E04G21/32 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019102422
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020197811
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000162593
【氏名又は名称】エクシオグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】篠原 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】白潟 実
(72)【発明者】
【氏名】藤本 孝
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 裕
(72)【発明者】
【氏名】村辻 成登
(72)【発明者】
【氏名】古橋 健
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-74993(JP,A)
【文献】特開2018-36868(JP,A)
【文献】特開2014-238654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
E04G 21/00
G10L 15/10
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各作業現場で用いられる現場端末と、前記現場端末から送信されたデータを記録可能なサーバとを有し、
前記現場端末は、少なくとも音声データを記録する録音機能と、記録された前記音声データを送信可能な送信機能とを備え、
前記サーバは、予め定めた安全意識評価のためのキーワードを記録した第1データベースと、前記音声データをテキストデータに変換する音声/テキスト変換機能と、前記テキストデータから前記キーワードを検出し、検出された前記キーワードの数に基づいて安全意識評価の判定を行う機能を備えていることを特徴とする安全意識評価システム。
【請求項2】
前記サーバには、前記音声データと、前記テキストデータとを関連付けて記録する第2データベースが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の安全意識評価システム。
【請求項3】
安全評価の観点に基づいて予め複数の項目を定め、
前記サーバは、前記キーワードの検出を行う際に、前記項目毎にキーワードの検出数をカウントすることを特徴とする請求項1または2に記載の安全意識評価システム。
【請求項4】
前記サーバは、
複数の前記項目毎に検出された前記キーワードの検出数について、検出の有無に応じて数値の概略化を図る項目と、
前記キーワードの検出数に対して予め定めた閾値を与え、該当する閾値に対応付けた概略値を与える項目と、を定め、
概略化された数値の合計に応じて、安全意識評価のランク分けを行うことを特徴とする請求項3に記載の安全評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場等における安全意識の多寡に関する評価システムに係り、特に、作業開始前のミーティング時における音声データに基づく安全意識評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業開始前のミーティング時における音声データを保存し、この音声データを特定のサーバに送ることで、安全部門の管理者が確認、評価することができるようにしていた。しかしながら、作業現場は多岐にわたり、各作業現場から送られてくる音声データを逐次確認、評価することは、時間的にも労力的にも効率が悪く、全件確認、評価を行う事は、実質的に困難な状態であった。また、評価に関しても、管理者の裁量により判定が変わるため、画一化し辛いという実情があった。
【0003】
こうした工事現場等における評価技術としては、特許文献1に開示されているような施工評価システムが提案されている。特許文献1に開示されているシステムは、サーバと現場端末がネットワークにより接続されており、現場端末から入力された評価情報がサーバに送信され、データの集計が成されるという事を基本としている。また、現場端末の入力においては、評価対象項目が定められると共に、項目毎に評価基準が示されるように構成され、入力者は、評価基準に則して評価を入力することとなる。
【0004】
このような構成の施工評価システムによれば、管理者や入力者の裁量によって評価に偏りが生じることを防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-97792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術によれば、確かに、管理者や入力者の負担を軽減することができる。また、評価が管理者や入力者の裁量によるものでなくなるため、評価の画一化を図ることができると考えられる。
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているようなシステムでは、入力者が画面指示に沿って評価データを入力するように構成されている。また、管理者は、ネットワークを介して送信された膨大な数のデータを逐次確認することとなるため、管理側の労力負担は依然として大きなものとなる可能性がある。
【0008】
そこで本出願では、上記課題を解決し、従来行われている作業開始前のミーティング時における音声データの取得、送信を利用し、送信データに基づいて自動で安全意識評価を行い、管理者等の負担を軽減することのできる安全意識評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る安全意識評価システムは、各作業現場で用いられる現場端末と、前記現場端末から送信されたデータを記録可能なサーバとを有し、前記現場端末は、少なくとも音声データを記録する録音機能と、記録された前記音声データを送信可能な送信機能とを備え、前記サーバは、予め定めた安全意識評価のためのキーワードを記録した第1データベースと、前記音声データをテキストデータに変換する音声/テキスト変換機能と、前記テキストデータから前記キーワードを検出し、検出された前記キーワードの数に基づいて安全意識評価の判定を行う機能を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、上記のような特徴を有する安全意識評価システムにおいて前記サーバには、前記音声データと、前記テキストデータとを関連付けて記録する第2データベースが備えられるようにすると良い。このような特徴を有することによれば、作業現場単位の音声データと、音声データに基づいて変換されたテキストデータを対として記録することが可能となる。
【0011】
また、上記のような特徴を有する安全意識評価システムでは、安全評価の観点に基づいて予め複数の項目を定め、前記サーバは、前記キーワードの検出を行う際に、前記項目毎にキーワードの検出数をカウントするようにしても良い。このような特徴を有することによれば、単純にキーワードの検出数ではなく、項目単位で必要とされるキーワードの発生の有無に基づいて安全意識の評価を行うことが可能となる。
【0012】
また、上記のような特徴を有する安全意識評価システムにおいて前記サーバは、複数の前記項目毎に検出された前記キーワードの検出数について、検出の有無に応じて数値の概略化を図る項目と、前記キーワードの検出数に対して予め定めた閾値を与え、該当する閾値に対応付けた概略値を与える項目と、を定め、概略化された数値の合計に応じて、安全意識評価のランク分けを行うことを特徴とする。このような特徴を有することによれば、キーワードのカウント数が多くなる場合であっても、概略化された簡単な数値に基づいて安全意識評価を行うことが可能となる。よって、表やグラフにまとめた際の視認性が向上し、感覚的に評価の良し悪しを把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
上記のような特徴を有する安全意識評価システムによれば、従来行われている作業開始前のミーティング時における音声データの取得、送信を利用し、送信データに基づいて自動で安全意識評価を行うことが可能となる。これにより、管理者等の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る安全意識評価システムの構成を示す概略図である。
図2】現場端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3】サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図4】施工班単位で安全意識評価と始動対応をまとめた表の例である。
図5】ある日の作業開始前ミーティング時における施工班単位のキーワードカウント数をまとめた表である。
図6図5に示す表を、1をMaxとした概略値に変換して示した表である。
図7】概略値の平均をレーダーチャートにまとめ、安全意識評価レベルに分けた場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の安全意識評価システムに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[システム構成]
本実施形態に係る安全意識評価システム10は、図1に示すように、現場端末12(12a~12e)と、サーバ28とを基本として構成されている。現場端末12は、作業現場や工事現場(図1においては破線で囲った現場A~現場E)毎に確保される端末であり、現場監督等が保持する高機能型携帯電話や、タブレット型端末の他、事務所等に設置されるパーソナルコンピュータ等、音声データの記録、および記録データの送信が可能な要素であれば良い。
【0017】
[現場端末]
現場端末12としては、少なくとも録音機能と送信機能を備えるものであれば良い。なお、録音機能に関しては、直接であるか間接であるかを問うものでは無い。すなわち、現場端末12により直接音声データを取得(録音)するものであっても良いし、ICレコーダ等を介して取得した音声データを現場端末12に記録するものであっても良く、これらの機能を満たす要素の組み合わせにより現場端末12を構成しても良い。
【0018】
このような機能を満たす現場端末12の一例としては、図2に示すように、少なくとも記憶部14と集音部16、演算部18、送信部20、表示部22、及び電源部24を有するものとすることができる。記憶部14は、集音部16により集音された音声データをファイルとして記憶する要素であり、メモリやハードディスク等により構成すれば良い。集音部16は、音声に基づいて得られる電圧情報をデジタル情報に変換して集音するための要素であれば良く、例えばマイクなどであれば良い。演算部18は、集音部16により得られた情報を電子データに変換し、記憶部14に記録可能とするための要素であれば良い。具体的にはCPUなどであれば良い。送信部20は、記憶部14に記録されている音声データをネットワーク26を介して送信するための要素である。また、表示部22は、記憶部14に記録された情報を視認可能に表示するための要素であり、必要に応じて操作部としての機能を持たせるようにしても良い。このような構成とすることで、各種情報の表示、並びに操作を行う事が可能となるからである。また、電源部24は、各要素に電力を供給するための要素であり、バッテリーなどであれば良い。
【0019】
[サーバ]
サーバ28は、現場端末12を介して録音された音声データ等を含む各種データの管理や、安全意識評価の判定等を行うための要素であり、技術センタ等、現場情報の統括管理を行う部署に配置されていると良い。サーバ28には、必要に応じて表示手段30や、図示しない操作手段を付帯させ、各種情報の視認化や、操作を可能な構成とすると良い。また、図3に示すように、サーバ28は、少なくとも受信手段32と記憶手段34、及び
演算手段36を備えるものであれば良い。ここで、受信手段32とは、ネットワーク26を介して現場端末12から送信された音声データを受信するための機能を備える要素である。また、記憶手段34は、受信した音声データの他、安全意識評価に必要とされる各種データやソフトを記録するための機能を備える要素である。さらに、演算手段36は、記憶手段34を介して記録されたデータやソフトを介して安全評価を算出するための機能を備える要素である。
【0020】
受信手段32は、有線であるか無線であるかを問わず、現場端末12を介して送信された音声データを記録可能な形式で取得することができれば良い。なお、アンテナ等を介して無線により音声データを取得する場合、送信波に重畳された音声データを復調するための要素として、インターフェース38等を介在させるようにすると良い。なお、インターフェース38は、サーバ28に対するデータの入出力のためのデータ変換器としての役割を担うものとする。
【0021】
記憶手段34は、ハードディスク等の大容量記憶装置により構成すれば良い。記憶手段34には、少なくとも、第1データベース34aや第2データベース34b、および各種ソフトウェアや報告書ベースなどが記録されている記憶部34cが構築されている。第1データベース34aは、安全意識評価のためのキーワードが記録されているデータベースである。
【0022】
また、第2データベース34bは、受信手段32を介して取得した音声データの他、この音声データを文字データに変換したテキストデータ、および各テキストデータに対応した安全意識評価をそれぞれ関連付けて記録しているデータベースである。
【0023】
また、各種ソフトウェアとは、音声データをテキストデータに変換するためのソフトウェアや、テキストデータから安全意識評価のためのキーワードを検出するためのソフトウェア、テキストデータから検出されたキーワードの数等に応じて安全意識評価を行うためのソフトウェアおよびテキストデータの一部を報告書ベースに記載するためのソフトウェア等である。
【0024】
なお、報告書ベースとは、作業指示書兼実施報告書のベースである。記載項目中のリスクアセスメントの箇所に、作業開始前のミーティングの内容の一部を入力することで、工事長等記入者の負荷を軽減することが可能となる。
【0025】
演算手段36は、記憶手段34に記録されている各種データを引き出すと共に、各種ソフトウェアを展開し、データ処理を行う役割を担う要素である。演算手段36は、CPU(Central Processing Unit)などであれば良い。
【0026】
[安全意識評価:作業現場]
次に、本発明に係る安全意識評価システム10を用いた安全意識評価について説明する。まず、各現場(図1に示す例では、現場A~現場E)において、現場端末12を介して作業前ミーティングの内容を録音する。ここで、現場端末12としては、作業現場における作業班の班長や、工事長が保有する高機能型携帯電話などであれば良い。
【0027】
音声データの取得、送信には、現場端末12に専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトの画面表示に従い録音や、ミーティング内容を表示する。
【0028】
次に、録音した音声データをサーバ28に送信する。なお、サーバ28への送信は、手動により行われても良いし、録音確定後、自動で送信されるようにしても良い。なお、音声データを送信する際には、音声データに作業現場情報、あるいは識別情報を付帯させるようにすると良い。音声データの送信を作業現場情報等の付帯情報と共に行うようにすることで、サーバ28側において、受信データの振り分けを行うことが可能となるからである。
【0029】
[安全意識評価:サーバ]
サーバ28では、各現場端末12から送信された音声データを受信し、第2データベース34bに記録する。音声データの記録は、録音された日付毎に、作業現場情報に関連付けて記録される。なお、作業現場情報とは、作業現場の名称(現場A~現場Eなど)や、作業日時などであれば良い。
【0030】
サーバ28は、記憶部34cに記録されている音声/テキスト変換ソフトを起動し、第2データベース34bに記録された音声データからテキストデータを作成する。作成されたテキストデータは、対応する音声データと関連づけられた上で、第2データベース34bに記録される。
【0031】
音声データに基づくテキストデータが作成された後、サーバ28は、記憶部34cに記録されているキーワード抽出ソフトを起動し、第2データベース34bに記録されているテキストデータと、第1データベース34aに記録されている安全意識評価のためのキーワードとを比較し、テキストデータに含まれているキーワードと、その数を検出する。
【0032】
キーワードの検出は、種々の形態を採る事ができ、作業現場や季節、時代によって変化する安全基準に基づいて種々変化させることができる。一例としては、例えば図4に示すように、関連キーワード単位で複数の項目を作成し、各項目毎に、第1データベース34aに記録されている安全意識評価のためのキーワードとの一致数を検出すると良い。
【0033】
予め定められた項目毎にキーワードの検出を行った後、サーバ28は、記憶部34cに記録されている安全意識評価ソフトを起動し、図4に示すような施工班毎の安全意識評価と、その指導対応案を作成する。
【0034】
図4は、Voice-KY(危険予知の音声保存)を行っている施工班毎の安全意識評価と、評価結果に対する安全指導対応の一例をまとめた表(以下、安全意識評価対策表と称す)である。図4の表に安全意識評価の項目として挙げている項目は、「1.月日・天候」、「2.健康チェック」、「3.工事内容」、「4.危険工程」、「5.環境」、「6.ワンポイント」、「7.相互会話(2Way)」といったものである。
【0035】
ここで、例えば技術センタにおける安全管理部門では、「月日・天候」に関しては、作業年月日や、天候に関する発声があるかなどの観点から安全意識の評価が成される。また、「健康チェック」に関しては、作業者の健康状態のチェックに関する発声の他、作業者の所属(会社名や班名)に関する発声の有無などに基づく評価が成される。また「工事内容」に関しては、現場で行われる工事内容についての具体的な説明、工程などに関する発声の有無などに基づいて評価が成される。また、「危険工程」に関しては、作業者に対する作業指示や作業分担指示の説明、危険工程や重要工程の指摘ができているかなどが評価される。また、「環境」に関しては、交通量や道幅等、作業現場の実質的な作業環境に応じた指摘ができているかに関して評価がなされる。また、「ワンポイント」については、作業を実施するにあたり、特に気をつける点について、ワンポイントの指摘ができているか等によって評価が成される。さらに「相互会話」については、例えば班長と班員との相互会話ができているかといった観点に基づいて評価が成される。
【0036】
このように、1から7に分けた各項目は、それぞれ安全管理部門による安全意識評価の判定に関して基準となる項目である。よって、これらの項目に対するキーワードの数を検出することで、安全意識についての多寡を評価することが可能となる。
【0037】
ここで、キーワードの検出に関しては、具体的な数値であっても良いし、予め定めた閾値を基準とし、閾値と検出値の比較に基づいて、「0」または「1」といった有無を表す評価や、「少ない」、「普通」、「多い」といった段階的な評価としても良い。
【0038】
安全意識評価を行うにあたっては単純に、各項目単位におけるキーワードの多寡により、初級、中級、上級などの評価を定めるようにしても良いが、項目毎に重み付けを行うようにしても良い。すなわち、上位(数字が大きい)の項目ほど高度な安全意識評価を示すものとして位置付けし、下位(数字が小さい)の項目におけるキーワードの検出数が多くても、上位の項目におけるキーワードの検出が無い場合には、総合的な評価は低くするといったものである。このような評価基準を付加することで、同じ言葉を繰り返す事でキーワードの検出数が多い場合などは、高い評価を得ることができないようになり、より正確な安全意識評価を得られるようになる。
【0039】
なお、図4に示す「安全指導対応(例)」の項目は、各施工班の安全意識を高めるのに有効と考えられる対応策の一例であり、各施工班に対する指導案については、必要に応じた内容を適宜入力すれば良い。また、「安全指導対応(例)」の項目自体も、安全意識評価対策表を作成する上での付加項目の一例であることより、他の項目であったり、さらに他の負荷項目を増やすようにしても良い。
【0040】
図5に示す表は、ある週における上記7項目に対するキーワードの検出数(カウント数)を作業班毎にまとめた平均値を表すものである。図5においては、危険工程に関する項目について重み付けを行うようにし、カウント数が0から5未満の場合には“0.0”、5から10未満の場合に“0.5”、10以上の場合に“1.0”として数値変換するように定めた。また、危険工程に関する項目以外の項目については、検出数の多寡に関わらず、検出の有無に対応して“0”または“1”として数値変換するようにした。
【0041】
図5に示す検キーワードカウント数表について数値変換した表(安全意識評価ベース)を図6に示す。このように、項目単位におけるキーワードのカウント数を概略化した数値で示すことにより、検出項目に対する重み付けと均等化を図ることができ、Maxを1とした場合の検出割合を示すことが可能となる。
【0042】
図7は、図6に示した安全意識評価ベースの視認性を向上させるために、レーダーチャートとして示したものである。なお、レーダーチャートへの変換は、安全意識評価を行う上で必ずしも必要な要素では無いが、評価の状態を感覚的に把握することが可能となるというメリットがある。
【0043】
本実施形態では、安全意識評価ベースの数値合計がP、0≦P<3.5の場合には「初級」、3.5≦P<6.0の場合には「中級」、6.0≦Pの場合に「上級」の評価を行うようにランク分けしている。
【0044】
このように、安全意識評価ソフトを介して作成された安全意識評価対策表や、安全意識評価判定は、表示手段30を介して視認可能に表示され、必要に応じて図示しない出力手段を介して出力することもできる。
【符号の説明】
【0045】
10………安全意識評価システム、12(12a~12e)………現場端末、14………記憶部、16………集音部、18………演算部、20………送信部、22………表示部、24………電源部、26………ネットワーク、28………サーバ、30………表示手段、32………受信手段、34………記憶手段、34a………第1データベース、34b………第2データベース、34c………記憶部、36………演算手段、38………インターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7