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特許7027397プラスチック射出成形により製造された卵パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】プラスチック射出成形により製造された卵パック
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/32 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
B65D85/32 101
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019500321
(86)(22)【出願日】2017-07-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2017066629
(87)【国際公開番号】W WO2018007381
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-10
(31)【優先権主張番号】00873/16
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】515253164
【氏名又は名称】フォスタッグ、フォルメンボー、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】FOSTAG, FORMENBAU AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ、ミュールマン
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0028034(US,A1)
【文献】特開2003-128106(JP,A)
【文献】特開2001-146287(JP,A)
【文献】実開昭51-098278(JP,U)
【文献】実開昭61-045375(JP,U)
【文献】中国実用新案第204078487(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部(I)に複数の卵ホルダ(10)を有する下部(1)と、ヒンジストリップ(3)を介して一体的に成形されるカバー(2)であって、少なくとも部分的に平面状のカバー壁を有するカバー(2)とを備える、プラスチック射出成形により製造された一体型の卵パック(0)であって、
前記カバー(2)は、前記下部(1)を覆うように前記ヒンジストリップ(3)によって折り曲げ可能であるように構成され、前記下部(1)に対する前記カバー(2)の解除可能な閉鎖姿勢が、カバー締結手段(24)の下部締結手段(12)内への係合と、カバー縁部(25)に係合する下部縁部(11)とによって達成可能であり、
少なくとも1つの係止手段(22)が、前記少なくとも部分的に平面状のカバー壁のカバー内面(21)に成形され、前記係止手段(22)は、カバー平面(D)の方向に突出し、少なくとも1つの開口中空スタブ(102)が、前記下部(1)において隣接する卵ホルダ(10)の間に成形され、前記開口中空スタブ(102)は、スタブ開口縁部(1020)とともに前記卵ホルダ(10)及び下部平面(U)から前記内部(I)の外へ突出し、これにより、前記カバー(2)の前記閉鎖姿勢において、前記少なくとも1つの開口中空スタブ(102)が、前記内部(I)から、前記少なくとも部分的に平面状のカバー壁の前記カバー内面(21)まで突出し、
前記スタブ開口縁部(1020)は、前記係止手段(22)及びカバー内面(21)と作動可能に接続されることができ、前記スタブ開口縁部(1020)が前記係止手段(22)及びカバー内面(21)と接続されることにより、前記中空スタブ(102)の係止の案内及び局所的固定が達成され得る、
卵パック。
【請求項2】
前記係止手段(22)は、前記カバー内面(21)から前記カバー平面(D)の方向に突出する少なくとも1つのセンタリング・ウェブ(221)を備え、前記係止手段は、前記開口中空スタブ(102)の前記スタブ開口縁部(1020)の内周に係合する、
請求項1に記載の卵パック。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンタリング・ウェブ(221)の側縁部は、面取りされるように構成される、
請求項2に記載の卵パック。
【請求項4】
前記係止手段(22)は、2つのセンタリング・ウェブ(221)を備えるセンタリング・クロス(222)を備える、
請求項2又は3に記載の卵パック。
【請求項5】
前記卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ(21)の前面が、前記カバー内面(21)に対して平行に平坦な態様で延びるように構成される、
請求項2乃至4の一項に記載の卵パック。
【請求項6】
前記卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ(21)の前面が、前記カバー内面から屈曲されるとともに、半円を概して描くような形状とされる、
請求項2乃至4の一項に記載の卵パック。
【請求項7】
前記卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ(221)の前面が、前記カバー内面から屈曲されるとともに非対称的に形成され、当該前面は、前記ヒンジストリップ側(223)において、前記ヒンジストリップ(3)から遠い側より小さい傾斜を有する、
請求項2乃至4の一項に記載の卵パック。
【請求項8】
前記係止手段(22)はセンタリング・リング(220)であり、その内部に前記開口中空スタブ(102)の前記スタブ開口縁部(1020)の外周が係合する、
請求項1に記載の卵パック。
【請求項9】
前記係止手段(22)はセンタリング・リング(220)であり、その内部に前記開口中空スタブ(102)の前記スタブ開口縁部(1020)の外周が係合し、前記センタリング・ウェブ(221)又は前記センタリング・クロス(222)は前記センタリング・リング(220)の内側で延びる、
請求項2乃至7の一項に記載の卵パック。
【請求項10】
ホルダ保持リング(100)が各卵ホルダ(10)に形成され、卵保持クラウン(23)が前記カバーの前記閉鎖姿勢において前記カバー内面の対向する位置に形成され、前記卵保持クラウンは、前記カバー内面(21)から前記カバー平面(D)の方向に突出する、
請求項1乃至9の一項に記載の卵パック。
【請求項11】
前記ホルダ保持リング(100)及び前記卵保持クラウン(23)の壁は、材料の節約を目的として変化する壁高さを有する波形状に構成される、
請求項10に記載の卵パック。
【請求項12】
前記中空スタブ(102)は、前記スタブ開口縁部(1020)の方向における前記下部平面(U)からのコースにおいてテーパするように構成される、
請求項1乃至11の一項に記載の卵パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック射出成形により製造された一体型の卵パックを記載する。卵パックは、内部に複数の卵ホルダを有する下部と、ヒンジストリップを介して一体的に装着されたカバーであって、少なくとも部分的に平坦なカバー壁を有するカバーとを備える。カバーは、ヒンジストリップによって下部を覆うように折り曲げ可能であるように構成される。下部に対するカバーの解放可能な閉鎖状態が、カバー締結手段の下部締結手段内への係合と、カバー縁部に係合する下部縁部とによって達成可能である。
【背景技術】
【0002】
卵パック、又は卵ボックス、又は卵容器が長期に亘って公知であり、種々の多くの卵ホルダを有して市販されている。卵パックの製造には、以前はパルプや古紙から構成される再生可能な原材料が主に使用されていたが、今日ではプラスチックが広く使用されている。衛生上、及び場合により法律上の理由から、卵パックを再利用することは禁止されている場合がある。
【0003】
最近では、卵パックは、プラスチック射出成形によって製造されることが多くなっている。この場合、可能な限り、下部とヒンジストリップにより接続されたカバーとを有する一体型の卵パックが射出成形される。複数の卵ホルダが、卵が格納され得るカップ又は中空形状の凹部として下部に形成される。本例において、下部の内部と卵ホルダは、卵が互いに接触することなく中空形状の卵ホルダに位置するような形状とされる。カバーは、枢動によって下部に対して閉鎖状態とされ得る。この時、卵は、カバーによって下部の内部で部分的に固定された状態で保持される。通常、下部に配置された下部締結手段に作動可能に接続可能であるカバー締結手段がカバーに配置される。安定のために、カバーの周縁部と下部の周縁部は、これらの縁部が閉鎖状態において安定した接続をなすような形状とされる。
【0004】
資源を節約しつつ可能な限り有利に製造するように、卵パックは可能な最薄の壁を有するように射出成形により製造されるが、卵パックの寸法的安定性は悪化する。薄壁プラスチック材料から構成される寸法的に安定した卵パックがCH705770号に開示されている。本文献に記載される構造は、可能な限り最適化された射出成形プロセスに適合するものであり、これに応じて高価で複雑である。本件では、卵ホルダが下部及びカバーに配置されるため、また補強リブの配置等の手段により、寸法的安定性及びねじり剛性は増加され得る。
【0005】
このような卵パックは、安定性を増加させる手段を理由として製造がますます複雑なものとなっているが、使い易さはよくなっていない。ユーザが卵パック、すなわち個々の卵ホルダに卵を充填した場合、カバーを簡単にヒンジストリップによって下部を覆うように折り曲げることができないことが多い。これにより、卵ホルダがカバー及び下部に配置されている場合、個々の卵ホルダが互いに対して傾き得る。こうして、カバーを下部を覆うように簡単に折り曲げることができないか、又は下部に対して斜めになり得る。ヒンジストリップも可能な限り薄い壁を有するべきであるため、閉鎖状態に向けた折り曲げ動作の案内が困難となる。全ての卵ホルダが卵で充填されている場合、折り曲げは更に単純化される。なぜならば、卵ホルダ内の卵の表面によって、カバーが下部を覆うように折り曲がるように支持的な態様で案内されセンタリングされるからである。プラスチック射出成形により製造された最軽量の一体型卵パックであって、寸法的に十分に安定しているとともにカバーの閉鎖が簡単な卵パックのジレンマは、これまでのところ解決されていない。卵パックがいったん閉鎖されても、薄壁を有する性質のために、カバーが下部に対して不所望な量だけ移動してしまうことをなくすことが不可能であった。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、可能な限り薄い壁を有する単純な構成の卵パックであって、そのカバーが下部の上に再現可能な態様で簡単に折り曲げられ得るとともに、卵パックが完全に充填されていなくてもそのようにすることができる卵パックを提供することである。
【0007】
卵パックの充填状態とは無関係に、誰もが閉鎖中にカバーを閉める部分的にガイドされた特別な折り曲げ封鎖をできるようにすべきである。閉鎖の安定性にもかかわらず、射出成形を利用した卵パックの製造は、可能な限り材料を節約するものであらねばならず、且つ卵パックは一体型でなくてはならない。
【0008】
これらの目的は、カバーの部分的に案内された折り曲げ封鎖が達成される、請求項1による卵パックにより満足される。
【0009】
更なる有利な実施形態が、従属請求項に見出される。従属請求項において、係止手段の異なる形状が可能であり、また、卵の安定した収納のために、ホルダ保持リングが卵ホルダに配設され、卵保持クラウンがカバー内面に配設される。したがって、輸送中のバネ負荷による穏やかな載置保持が実現される。
【0010】
本発明の主題に関する好ましい例示的な形態が、添付の図面と関係して後に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】展開状態にある卵パックの斜視図。
図2】閉鎖姿勢にある卵パックの断面図であって、中空スタブと係止手段とが作動可能に接続している図。
図3】係止手段に作動可能に接続した中空タブの詳細な断面図。
図4a】センタリング・リングの形状にある係止手段を有するカバーの内面の詳細な斜視図。
図4b】異なる態様で構成されたセンタリング・クロスの形状にある係止手段を有するカバーの内面の詳細な斜視図。
図4c】異なる態様で構成されたセンタリング・ウェブの形状にある係止手段を有するカバーの内面の詳細な斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
プラスチック射出成形により製造された卵パック0が開示される。この卵パックは、一体型に構成されるとともに、下部1と、カバー2と、ヒンジストリップ3とを備える。卵パック0は、好適にはポリプロピレンが使用されるプラスチック射出成形プロセスにおいて製造される。パック重量を抑えるとともに製造コストを最小とするように、卵パック0は、可能な限り薄い壁を有するものとして構成される。
【0013】
下部1は、複数の卵ホルダ10、本例において12個の卵ホルダ10を備える。卵ホルダ10は、カップ又は中空形状とされ、その内部に複数の卵が対応して収容され得る。下部1は、内部Iを形成するとともに、下部平面Uを画成する周方向下部縁部11を有する。下部平面Uは、点線によって表示された平面によって特徴付けられる。卵を卵ホルダ10に配置すると、卵の一部が中空形状の卵ホルダ10に下部平面Uの下方において載置されるとともに、卵の他の部分が下部平面Uを超えて突出する。下部縁部11の途中に、下部締結手段12が成形される。本例において、下部締結手段12は、カバーのカバー締結手段24に作動可能に接続され得る。本例において、下部締結手段12は凹部の形状を有し、この凹部に舌の形状にあるカバー締結手段24が係合可能である。この結果、カバー2が、係止可能な態様において、下部1に閉鎖姿勢で保持され得る。
【0014】
隣接する卵ホルダ10の間に、ホルダ接続ウェブ101が成形される。ホルダ接続ウェブ101は、おおよそ下部平面Uで延びるとともに、卵ホルダ10同士を離間させるように使用される。少なくとも1つの中空スタブ102が下部1に配設される。中空スタブ102は、卵ホルダ10の単数又は複数の底面及び下部平面Uから、内部Iに向かって、この下部から離れるように突出する。本例において、隣接する卵ホルダ10の間に、合計5個の中空スタブ102が成形されている。中空スタブ102は、下部平面Uの高さ付近から延在して、卵ホルダ10から円錐状にテーパしている。中空スタブ102の壁厚も、可能な限り薄く構成される。下部1から離間した中空スタブ102の端部における中空スタブ102の末端は、スタブ開口縁部1020によって形成される。中空スタブ102は開口するように構成され、中空スタブ102の内部へのアクセス、又は下部1の外側へのアクセスが、スタブ開口縁部1020を介して存在する。中空スタブ102は、下部1の中央ラインに沿って成形され、それらのスタブ開口縁部102とともに卵ホルダ10又は下部平面Uから離れる方向を向く。当然ながら、卵ホルダ10、ホルダ接続ウェブ101、及び中空スタブ102の壁は、挿入されるべき卵が互いに距離を置いて収納され得るように湾曲して構成されるべきである。
【0015】
例えばフィルムヒンジであるヒンジストリップ3、及び間接的にカバー2は、一体型に製造された下部1に成形される。フィルムヒンジ3及びカバー2の壁厚も、可能な限り小さく設計される。
【0016】
カバー2は、少なくとも部分的に平面的なカバー壁であって、カバー2の湾曲縁領域に通じるカバー壁を備える。係合凹部29を有するカバー縁部25が、本例では周方向に成形される。カバー平面Dはカバー縁部25の高さにおいて広がり、点線で示されている。カバー縁部25は、カバー2の閉鎖姿勢において下部縁部11と協働する。したがって、カバー2は、旋回軸を中心として、下部1上で延びるヒンジストリップ3の内側に旋回可能である。枢動の範囲が矢印によって示されている。カバー縁部25には、対応する下部締結手段12と協働するカバー締結手段24が成形される。カバー縁部25には、開放タブ26も成形される。開放タブ26は、カバー縁部25を超えて、したがってカバー2の閉鎖姿勢において下部縁部11も超えて突出する。これにより、ユーザはより容易に卵パック0を開放することができる。
【0017】
カバー2は、係止手段22が配設されるカバー内面21を有する。当該手段は、カバー内面21からカバー平面Dの方向に突出する。本例では、カバー内面21は平面状であるように設計される。係止手段22は、カバー2が閉鎖姿勢になるように折り曲げられたとき、中空スタブ102、又はそれらのスタブ開口縁部1020が係止手段22と作動可能に接続され得るように配置される。本例において、係止手段22は、カバー内面21に沿った中央ラインに沿って配置されている。
【0018】
同様に、平面状のカバー内面7に沿って、カバー内面21からカバー平面Dの方向に突出する卵保持クラウン23が配設される。これらの卵保持クラウン23は環状壁を有する。その壁高さは波形状に変化する。これらの卵保持クラウン23も成形され、環状壁は可能な限り薄く設計される。
【0019】
薄い壁を有するカバー2の安定性を向上させるように、本例において安定化リブ27がカバー内面21に成形される。これらのリブは、湾曲したカバー領域において平面状のカバー内面21に部分的に延びる。カバー2、すなわち卵パック0の長手方向に沿って、安定化リブ27は係止手段22の高さに、したがって、スタブ開口縁部1020の高さに配設される。
【0020】
図2において、カバー2は、ヒンジストリップ3によって、カバー2が下部1を閉鎖する閉鎖姿勢に折り曲げられている。下部1の内部Iにおいて、卵は卵ホルダ10に配置されて下部平面U及びカバー平面Dを通過して突出する。好適には、ホルダ保持リング100が、下部平面Uの下方において各卵ホルダ10の底部に配設される。卵が卵ホルダ10に挿入されると、卵はホルダ保持リング100上に、又は卵ホルダ10の底壁から距離を置いたホルダ保持リング100の壁に載置される。プラスチック材料であるため、ホルダ保持リング100は、卵のバネの効いた載置保持を保証する。好適には、ホルダ保持リング100の壁は、変化する壁高さを有する波形状に構成され、これにより、製造において材料が節約される。
【0021】
カバー2が閉鎖姿勢にされると、卵保持クラウン23は卵ホルダ10の上方に位置するようになり、これにより卵の頂部が部分的に卵保持クラウン23の内部に入り込む。
【0022】
卵ホルダ10の充填状態と無関係に、カバー2が下部1の上に再現可能な態様で簡単に折り曲げることができるように、下部1の中空スタブ102が、カバー内面21の係止手段22に係合する。少なくとも1つのセンタリング・リング220が係止手段22として設けられ、その環状壁はカバー内面21から突出する。スタブ開口縁部1020がセンタリング・リング220の内径に入った状態で、中空スタブ102の先端が係合する。図3において、これをより詳細に拡大して示す。中空スタブ102の先端はセンタリング・リング220に係合し、スタブ開口縁部1020はカバー内面21まで突出し得る。このようにして、カバー2の閉鎖姿勢において、中空スタブ102の安定した装着が実現される。複数の中空スタブ102及び係止手段22が、下部1と複数の卵ホルダ10を有する下部1におけるカバー2とに沿って成形されるので、安定した閉鎖が可能とされる。
【0023】
好適には、センタリング・リング220の他に、係止手段22は、カバー内面21から突出するウェブ壁を備える少なくとも1つのセンタリング・ウェブ221を有する。
【0024】
特に好適には、複数のセンタリング・ウェブ221、221’を備えるセンタリング・クロス222が、係止手段22として選択される。このような設計により、スタブ開口縁部1020が位置するようになるカバー内面21の領域が更に安定する。
【0025】
図4aによる係止手段22の実施形態において、カバー内面21から突出するセンタリング・クロス222がセンタリング・リング220の内部に成形され、センタリング・リング220の方向を向く側縁部が面取りされている。この面取りにより、中空スタブ102の先端、すなわちスタブ開口縁部1020は、このスタブ開口縁部1020がセンタリング・ウェブ221、221’の側縁部とセンタリング・リング220の環状壁との間に案内されるように設計される。図4aによる変形例において、卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ221の前面が、同様にカバー内面21に対して平行に平坦に延びるように構成される。図4bによる変形例において、卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ221の前面がカバー内面から屈曲して半円を概して描くように形成される。図4cに示す更なる変形例において、卵パックの長手方向に対して横方向に配設されたセンタリング・ウェブ221の前面は、カバー内面から非対称的に屈曲した態様で形成され得る。卵パックの閉鎖に際して中空スタブ102へのより良好な案内を得るように、この前面は、ヒンジストリップ3から遠い側より小さい傾斜を有している。図4a乃至4cからの変形例は、スタブ開口縁部1020の引っ掛かりが防止され得るという利点を示す。
【0026】
図示のように、カバー壁を貫通する通気孔28が設けられ得る。しかしながら、これらの孔がカバー2の安定性に更に影響を与えることはない。
【0027】
卵パック0、又は下部1の卵ホルダ10に卵が充填された場合、カバー2は簡単に折り曲げられて閉鎖され得る。中空スタブ1020の先端、すなわちスタブ開口縁部1020は、係止手段22によって作動可能に接続案内され得る。スタブ開口縁部1020は、センタリング・リング220に導入される。少なくとも1つのセンタリング・ウェブ221又はセンタリング・クロス222によって、中空スタブ102の壁はカバー内面21まで案内されるとともに、スタブ開口縁部1020の外周がセンタリング・リング220の内周に係合する。これにより、中空スタブ102の局所的な固定が達成され得る。
【符号の説明】
【0028】
0 卵パック(一体型、射出成形)
1 下部壁を有する下部
10 外縁部
100 ホルダ保持リング
101 ホルダ接続ウェブ
102 中空スタブ
1020 スタブ開口縁部
11 外縁部(周縁部)
12 下部締結手段
U 下部平面
I 内部
2 カバー
平面状のカバー壁
21 カバー内面
22 係止手段
220 センタリング・リング
221 センタリング・ウェブ
222 センタリング・クロス
223 前面(ヒンジストリップ側)
23 卵保持クラウン
24 カバー締結手段(係合タブ)
25 カバー縁部(周縁部)
26 開放タブ
27 安定化リブ(スタブの高さで)(図示せず)
28 通気孔
29 係合凹部
D カバー平面
3 ヒンジストリップ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c