IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジボダン エス エーの特許一覧

特許7027404フレグランス成分としての6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキセン-1-オール化合物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】フレグランス成分としての6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキセン-1-オール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 35/18 20060101AFI20220221BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220221BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20220221BHJP
   C07C 29/159 20060101ALI20220221BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
C07C35/18 CSP
A61K8/34
A61Q13/00 101
C07C29/159
C11B9/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019503942
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2017068999
(87)【国際公開番号】W WO2018019935
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】1613013.0
(32)【優先日】2016-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィック,マルティン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゼレナイ,ヴェロニカ
【審査官】二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-500666(JP,A)
【文献】特開昭58-144334(JP,A)
【文献】国際公開第2010/015965(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 35/18
C11B 9/00
A61K 8/34
A61Q 13/00
C07C 29/159
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

式中、炭素-炭素結合と一緒にC-3~C-4の間の点線が単結合を形成し、炭素-炭素結合と一緒にC-4~C-5の間の点線が二重結合を形成する;または
炭素-炭素結合と一緒にC-3~C-4の間の点線が二重結合を形成し、炭素結合と一緒にC-4~C-5の間の点線が単結合を形成する、
で表される化合物。
【請求項2】
6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール、および6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-4-エン-1-オールから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)
【化2】

式中、炭素-炭素結合と一緒にC-3~C-4の間の点線が単結合を形成し、炭素-炭素結合と一緒にC-4~C-5の間の点線が二重結合を形成する;または
炭素-炭素結合と一緒にC-3~C-4の間の点線が二重結合を形成し、炭素-炭素結合と一緒にC-4~C-5の間の点線が単結合を形成する、
で表される化合物のフレグランスとしての使用。
【請求項4】
請求項1に定義されるとおりの式(I)で表される化合物ならびに2,4,7-トリメチルオクタ-6-エン-1-オール、2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、2,4,7-トリメチルオクタ-3,6-ジエン-1-オール、2,4,7-トリメチルオクタン-1-オール、およびビス((3-メチルブタ-2-エン-1-イル)オキシ)メタンからなる群から選択される少なくとも1つの他の化合物を含む、フレグランス組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリーンな、非常に影響力のある匂いノートを有する、6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキセン-1-オール誘導体、ならびにそれらのフレーバーおよびフレグランス成分としての使用、ならびにそれらを含む組成物および製品に関する。さらにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グリーン匂い特性は、香水における重要な香りである。グリーンの匂いノートを保有する広範囲の化合物が公知であるが、匂いノートを増強し、修正し、または改善する新規化合物の一定の需要がある。特定の6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキセン-1-オール誘導体が非常に影響力のあるグリーン匂いノートを保有することが今見出された。
【発明の概要】
【0003】
したがって、第1の態様において、式(I)
【化1】
式中、C-3~C-4の間の結合が点線と一緒に単結合を表し、C-4~C-5の間の結合が点線と一緒に二重結合を表す;またはC-3~C-4の間の結合が点線と一緒に二重結合を表し、C-4~C-5の間の結合が点線と一緒に単結合を表す、
で表される化合物のフレーバーまたはフレグランスとしての使用を提供する。
【0004】
上で定義されたとおりの式(I)で表される化合物は、3つの立体中心を含有し、かかるように立体異性体の混合物として存在する。それらは立体異性体の混合物として用いることができ、またはジアステレオマー的におよび/またはエナンチオマー的に純粋な形態に分割することができる。立体異性体を分割することはこれらの化合物の製造および精製の複雑さを増大し、したがって、単なる経済的理由のためにそれらの立体異性体の混合物として化合物を使用するのが好ましい。しかしながら、個々の立体異性体を調製することが望ましい場合には、これは技術分野において公知の方法、例えば分取HPLCおよびGCまたは立体選択的合成により達成され得る。
【0005】
式(I)の化合物の具体的な例として、4組のエナンチオマー
すなわち、
rel-(1R,2S,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール;
rel-(1R,2S,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール;
rel-(1R,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール;および
rel-(1R,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール、それらのいずれかは発明の一部を形成する、
において存在する、6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールを引用できる。
【0006】
6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールの全てのジアステレオマーは、グリーン、根のような、土のような、ピラジン様の匂いノートを保有するのに対し、特にrel-(1R,2S,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールは、非常に影響力のある匂いプロファイルを保有する。
【0007】
式(I)で表される化合物は単独で、立体異性体混合物として、またはベース材料と組み合わせて用いることができる。本明細書で用いられるように、「ベース材料」は、エッセンシャルオイル、アルコール類、アルデヒド類およびケトン類、エーテル類およびアセタール類、エステル類およびラクトン類、マクロ環類およびヘテロ環類などの現在利用することができる広範囲にわたる天然物、および合成分子から選択され、および/または1種以上の成分または例えば、担体材料、および技術分野において共通に用いられる他の助剤であるフレグランス組成物における匂い物質と合わせて慣用的に用いられる賦形剤との混合剤における、全ての公知の匂い分子を含む。
【0008】
用語「助剤」は、当該組成物の嗅覚性能に具体的に関与しない理由のためのフレグランス組成物において用いられ得る成分をいう。例えば、助剤はフレグランス成分もしくは成分、または当該成分を含む組成物を処理する補助として働く成分になり得、あるいはフレグランス成分またはフレグランス成分を含有する組成物の取り扱いまたは貯蔵を改善することができる。それはまた色やテクスチャを添えるなどのさらなる利点を提供する成分であり得る。それはまたフレグランス組成物に含有される1種以上の成分に耐光性または化学安定性を添える成分であり得る。フレグランス成分を含有するフレグランス組成物において共通に用いられるアジュバントの性質および型の詳細な説明は包括的になり得ないが、当該成分は当業者に公知であるということが言及されるべきである。
【0009】
本明細書において用いられるとおり、「フレグランス組成物」は式(I)で表される化合物およびベース材料、例えば、ジエチルフタラート(DEP)、ジプロピレングリコール(DPG)、イソプロピルミリスタート(IPM)、トリエチルシタラート(TEC)およびアルコール(例えばエタノール)などの匂い物質と合わせて慣用的に用いられる希釈剤、を含む任意の組成物を意味する。任意に、組成物は抗酸化アジュバントを含んでもよい。当該抗酸化物質は、Tinogard(登録商標)TT(BASF)、Tinogard(登録商標)Q (BASF)、トコフェロール(その異性体を含む、CAS59-02-9;364-49-8;18920-62-2;121854-78-2)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(BHT、CAS128-37-0)および関連したフェノール類、ヒドロキノン類(CAS121-31-9)から選択されてもよい。
【0010】
以下のリストは公知の匂い分子の例を含み、本発明の化合物と合わせてもよい。
-エッセンシャルオイル類および抽出物類、例えば、海狸香、コスタス根オイル、オークモスアブソリュート、ゲラニウムオイル、トリーモスアブソリュート、バジルオイル、ベルガモットオイルおよびマンダリンオイルなどのフルーツオイル、マートルオイル、パルマローザオイル(palmarose oil)、パチョリオイル、プチグレンオイル、ジャスミンオイル、ローズオイル、サンダルウッドオイル、ヨモギオイル、ラベンダーオイルおよび/またはイランイランオイル;
【0011】
-アルコール類、例えばシンナミックアルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);シス-3-ヘキセノール((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール); Ebanol(商標)((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール);エチルリナロール((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ファルネソール((2E,6Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール);ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);Super Muguet(商標)((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール); ネロール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール);フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール);RhodinolTM (3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);Sandalore(商標)(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);テルピネオール(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);またはTimberol(商標)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、および/または[1-メチル-2(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル]-メタノール;
【0012】
-アルデヒド類およびケトン類、例えばアニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド);アルファアミル桂皮アルデヒド(2-ベンジリデンヘプタナール);Georgywood(商標)(1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Hydroxycitronellal(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);Iso E Super(登録商標)(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Isoraldeine(登録商標)((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);Hedione(登録商標)(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール;マルトーツ;メチルセドリルケトン;メチルイオノン;ベルべノン;および/またはバニリン;
【0013】
-エーテルおよびアセタール類、例えば、Ambrox(登録商標)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);ゲラニルメチルエーテル((2E)-1-メトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ビス((3-メチルブタ-2-エン-1-イル)オキシ)メタンおよび/またはSpirambrene(登録商標)(2’,2’,3,7,7-ペンタメチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2,5’-[1,3]ジオキサン]);
-エステル類およびラクトン類、例えば、ベンジルアセタート;セドリルアセタート((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);γ-デカラクトン(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);Helvetolide(登録商標)(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルプロピオナート);γ-ウンデカラクトン(5-ヘプチルオキソラン-2-オン);および/またはベチベリルアセタート((4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート);
【0014】
-マクロ環類、例えばアンブレットリド((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);エチレンブラシラート(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン);および/またはExaltolide(登録商標)(16-オキサシクロヘキサデカン-1-オン);ならびに
-複素環類、例えば、イソブチルキノリン(2-イソブチルキノリン)。
【0015】
さらに2,4,7-トリメチルオクタ-6-エン-1-オールと合わせることができる公知のフレグランス成分のさらなる例は、6-メトキシ-2,6-ジメチルヘプタン-1-アール(メトキシメロナール);5,9-ジメチル-4,8-デカジエナール(ゲラルデヒド);オクタヒドロ-8,8-ジメチルナフタレン-2-カルボアルデヒド(シクロミラール);5-メチル-2-(1-メチルブチル)-5-プロピル-1,3-ジオキサン(トロエナン);3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール(任意に異性体の混合物として)(ネロリドール);2-メチル-4-フェニルブタン-2-オール(ジメチルフェニルエチルカルビノール);1-(1-ヒドロキシエチル)-4-(1-メチルエチル)シクロヘキサン(任意にジアステレオ異性体の混合物として)(ムゲタノール);(4-メチル-3-ペンテニル)シクロヘキセンカルボアルデヒド(シトラサール);3-(p-(2-メチルプロピル)フェニル)-2-メチルプロピオンアルデヒド(シルビアル(Silvial));3-p-クメニル-2-メチルプロピオンアルデヒド(シクラメンアルデヒド);ならびにシス-テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチルピラン-4-オールおよびトランス-テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチルピラン-4-オール:の混合物を含む。
【0016】
公知のフレグランス成分のなおさらなる例は、
サリチル酸アミル(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート); Aurantiol(登録商標) ((E)-メチル2-((7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチリデン)アミノ)ベンゾアート);サリチル酸ベンジル(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);シス-3-サリチル酸ヘキセニル((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);シトロネリルオキシアセトアルデヒド(2-((3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イル)オキシ)アセトアルデヒド);シクレマクス(Cyclemax)(3-(4-プロパン-2-イルフェニル)プロパナール);サリチル酸シクロヘキシル(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);Cyclomyral(登録商標)(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルボアルデヒド);シクロペントール(2-ペンチルシクロペンタン-1-オール);シマール(Cymal)(4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)シクロヘキサ-3-エンカルボアルデヒド);デュピカール(Dupical)((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);Floral Super((4E)-4,8-ジメチルデカ-4,9-ジエナール);Florhydral(登録商標)(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);Florol(登録商標)(2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール);ジラン(Gyrane)(2-ブチル-4,6-ジメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン);サリチル酸ヘキシル(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);ヘリオナール(Helional)(3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);Lyral(登録商標)(4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)シクロヘキサ-3-エンカルボアルデヒド);Majantol(登録商標)(2,2-ジメチル-3-(m-トリル)プロパン-1-オール);Mayol(登録商標)((4-イソプロピルシクロヘキシル)-メタノール);Melafleur(8,8-ジメチル-2,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-1H-ナフタレン-2-カルボアルデヒド);メロナール(2,6-ジメチルヘプタ-5-エナール);Muguesia(3-メチル-4-フェニルブタン-2-オール);ミュゲアルコール(3-シクロヘキシル-2,2-ジメチルプロパン-1-オール);バーダンチオール((E)-メチル2-((3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンゾアート);ペオニル(Peonile)(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);Phenoxanol(登録商標)(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);Rossitol(登録商標)(3-イソブチル-1-メチルシクロヘキサノール);
【0017】
スザラール(Suzaral)(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);Muguol(登録商標)(3,7-ジメチルオクタ-4,6-ジエン-3-オール);テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);アカレア(Acalea)((2E)-2-[(4-メチルフェニル)メチリデン]-ヘプタナール);ジヒドロイソジャスモナート(メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタン-1-カルボキシラート);ヘキシルシンナミックアルデヒド((E)-2-ベンジリデンオクタナール);アセトイン(3-ヒドロキシブタン-2-オン);アドキサール(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);Aldolone(登録商標)(7-プロピル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン);Ambrocenide(登録商標)((4aR,5R,7aS,9R)-オクタヒドロ-2,2,5,8,8,9a-ヘキサメチル-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d]-1,3-ジオキソール);アンブロキサン(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);Bacdanol(登録商標)((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);Calone 1951(登録商標)(7-メチル-2H-ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン-3(4H)-オン);Cetalox(登録商標)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);シンナミックアルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);シトラール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);シクラブテ(Cyclabute)((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート);Cyclacet(商標)((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);シクラプロパ(Cyclaprop)((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート);シクロヘキサデカノリド;シクロヘキサデセノン;
【0018】
シクロペンタデカノン;デルタダマスコン((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);エリンタールフォルテ(Elintaal Forte)(3-(1-エトキシエトキシ)-3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン);エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);エキサルテノン(Exaltenone)((4Z)-シクロペンタデカ-4-エン-1-オン);フローラルオゾン(Floralozone)(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);フルクタラート(ジエチルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシラート);ハバノリド((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);ガラキソリド(Galaxolide)(4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-シクロペンタ[g]イソクロメン);Hydroxyambran(登録商標)(2-シクロドデシルプロパン-1-オール);ミラルデン(Myraldene)(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルボアルデヒド);ジャスマール(Jasmal)(3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);
【0019】
Javanol(登録商標)((1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール);ラウリルアルデヒド(ドデカナール);メフラナール(Mefranal)(3-メチル-5-フェニルペンタナール);ムセノン(Muscenone)((Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン);Tonalid(登録商標)(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Nectaryl(登録商標)(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);ノリンバノール(Norlimbanol)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);ピノアセトアルデヒド(3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)プロパナール);Romandolide(登録商標)(酢酸(1-オキソプロポキシ)-,1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルエステル);Sanjinol((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);および/またはVelvione(登録商標)((Z)-シクロヘキサデカ-5-エノン)を含んでもよい。
【0020】
フレグランス組成物は上にリストされたフレグランス成分に限定される必要はない。香水に共通して用いられる他のフレグランス成分が用いられてもよく、例えば、「Perfume and Flavour Chemicals」S. Arctander, Allured Publishing Corporation, 1994, IL, USAに記載される成分、天然物などから得られるエッセンシャルオイル、植物抽出物、アブソリュート、レジノイド、匂い物質を含む任意のものであり、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
特定の態様において、上記で定義された通りの式(I)で表される化合物、例えば、6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールは、(E)/(Z)-2,4,7-トリメチルオクタ-6-エン-1-オール、(E)/(Z)-2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、(E)/(Z)-2,4,7-トリメチルオクタ-3,6-ジエン-1オール、2,4,7-トリメチルオクタン-1-オール(匂いの記述:フローラル、グリーン、バラの)、ジヒドロミルセノール、リナロール、およびエチルリナロール、ならびにそれらの混合物などの他のアルコールと組み合わせてもよい。
さらなる態様において、式(I)の化合物の他のアルコールとのこの組み合わせは、ビス((3-メチルブタ-2-エン-1-イル)オキシ)メタンなどのグリーンの匂い特性を保有する他の成分とさらに合わせてもよい。
【0022】
式(I)による化合物は、広範囲のフレグランス品において、例えば、香料Eau de Parfum, Eau de Cologne, Eau de Toilette、空気ケア製品、家庭用製品、洗濯および衣類ケア製品、ボディケア製品および化粧品などの、上質で機能的な香水の任意の分野において、用いられてもよい。化合物は特定の適用に依存してならびに他のフレグランス成分の性質および量に依存して、広い変化量において用いられ得る。その割合は、典型的に0.00001~30(例えば、0.001、0.001、0.01、0.1、0.5、0.75、1、2、5、10、15、20、25を含む)重量%の品である。ある態様において、本発明の化合物は、0.0001~0.3重量%の量における衣類用柔軟剤において用いられてもよい。もう1つの態様において、本発明の化合物は、0.001~30重量%の量における洗練された香水において用いられてもよい(例えば、約10重量%までまたは20重量%まで)、より好ましくは、0.01~5重量%の間である。しかしながら、熟練したパヒューマーはまた効果を達成するかまたはより低いもしくはより高い濃度を有する新規な面を作り出してもよいので、それらの値は、例の方法によってのみ与えられる。
【0023】
上に記載された通りの式(I)で表される化合物を、式(I)で表される化合物、またはフレグランス組成物を消費者製品ベースと直接的に混合することにより単純に消費者製品ベースに用いることができ、あるいはそれを、より速い段階において、捕獲材料、例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、膜形成要素、炭素またはゼオライトなどの吸収剤、環状オリゴ糖およびそれらの混合物、で捕えることができ、あるいは、基質に化学的に結合、それは外部刺激、例えば光、酵素、酸素など、の適用でフレグランス分子をリリースするように適応する、としてもよく、その後消費者製品ベースと混合してもよい。
【0024】
したがって、本発明はさらに化合物を直接消費者製品ベースに混合することによるかまたは慣用的な技術および方法を用いてその後に消費者製品ベースに混ぜてもよい、式(I)で表される化合物を含むフレグランス組成物を混合することによる、フレグランス成分として式(I)で表される化合物の組み込みを含む、フレグランス品を製造する方法を提供する。上記の通りの嗅覚的に許容な量の本発明の化合物の添加を通じて、消費者製品ベースの匂いノートは、改善され、増強され、または修正されるだろう。
したがって、本発明はさらに嗅覚的に許容な量の式(I)で表される化合物のそれらへの添加により消費者製品ベースを改善し、増強しまたは修正するための方法を提供する。
【0025】
本発明はまた
a) 匂い物質として式(I)で表される化合物、またはそれらの混合物;および
b) 消費者製品ベース:
を含むフレグランス品を提供する。
【0026】
本明細書において用いられるとおり、「消費者製品ベース」は、クリーニング、軟化および介護などの特定の作用を満たす消費者製品としての使用のための組成物を意味する。かかる製品の例は、上質な香水、例えば香料およびオードトワレ;化粧品、洗濯ケア洗剤、リンスコンディショナー、パーソナルクレンジング組成物、食器洗い機のための洗剤、表面クリーナーなどの、衣類ケア、家庭用品ならびにパーソナルケア製品;洗濯製品、例えば、柔軟剤、ブリーチ、洗剤;ボディ-ケア製品、例えば、シャンプー、シャワージェル;空気ケア製品(好ましくは揮発性であり、非常に少量でさえ不快な匂いをマスクする通常心地よい匂いがする化合物を含有する製品を含む)。生活空間のための芳香剤は、特に、松葉油、シトラスオイル、ユーカリオイル、ラベンダーオイルなどの天然および合成のエッセンシャルオイルを、例えば50重量%までの量で含有する。エアロゾルとして、それらはより少ない量のかかるエッセンシャルオイルを含有する傾向があり、例の方法により、5重量%未満または2重量%未満だが、さらにアセトアルデヒド(特に、<0.5重量%)、イソプロピルアルコール(特に、<5重量%)、ミネラルオイル(特に<5重量%)、および推進剤などの化合物を含む。
【0027】
化粧品は、
(a)化粧スキンケア製品、特に浴用製品、肌洗浄およびクレンジング製品、スキンケア製品、アイメークアップ、リップケア製品、ネイルケア製品、および私的な(intimate)ケア製品、フットケア製品;
(b)特定の効果を有する化粧品、特に日焼け止め、日焼け製品、脱色製品、脱臭剤、制汗剤、脱毛剤、および髭剃り製品;
(c)化粧デンタルケア製品、特にデンタルおよびオーラルケア製品、歯のケア製品、入れ歯のためのクリーナー、入れ歯のための接着剤;ならびに
(d)化粧ヘアケア製品、特にヘアシャンプー、ヘアケア製品、ヘアセッティング製品、ヘアアレンジ製品およびヘアカラーリング製品:
を含む。
製品のこのリストは説明の手段として与えれるものであって、如何なる方法においても限定的にみなされるべきではない。
本発明は、今、さらに以下の非限定的な例を参照して記載される。これらの例は説明の目的のためだけであり、多様化および修飾が当業者によってなされ得ると理解される。
【0028】
例1:6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オン
1a)エチル6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボキシラートの調製
エチル(Z)-4-メチルペンタ-2-エノアート(28.4g、0.2mol)および(E)-2-メチルペンタ-1,3-ジエン(24.6g、0.3mol)をオートクレーブに配置した。反応容器を密封し、200℃に20時間加熱し、反応の過程で圧力が4.5barに達した。反応混合物を10cm Widmer columnで蒸留し、エチル6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボキシラート(13.47g、30%収率)を無色オイルとして得た。Bp 78℃、0.08mbar。
1b)(6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)メタノールの調製
エチル6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボキシラート(6g、26.7mmol)30mlヘキサンに溶解し、-78℃まで冷却した。ジイソブチルアルミニウムヒドリド(1M、26.7mmol)を、-65℃以下の温度に保ち、30分かけて滴加した。混合物をHCl 2Mに注ぎ、エーテルで抽出し(6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)メタノール(4.5g,95%収率)を無色液体として得た。
【0029】
1c)6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボアルデヒドの調製
クロロクロム酸ピリジニウム(8.66g、40.2mmol)およびモレキュラーシーブ粉末4A(25g)をジクロロメタン(150ml)に懸濁し、氷浴で10℃まで冷却した。粗生成物(6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)メタノール(4.5g)を冷却した懸濁液に添加し、その後混合物を室温で3時間撹拌した。懸濁液をヘキサン(250ml)で希釈し、固体を濾過し、溶液を真空で濃縮した。残渣をバルブトゥーバルブで蒸留(120℃、0.5mbar)し、6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボアルデヒド(4g、83%収率)を無色液体として得た。
【0030】
1d)(E/Z)-4-((6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イリデン)メチル)モルホリンの調製
6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルボアルデヒド(2.2g、12.2mmol)を蒸留フラスコに配置し、トルエン(20ml)を添加した。モルホリン(1.3g、14.6mmol)およびパラ-トルエンスルホン酸一水和物(23mg、0.12mmol)を添加し、混合物をDean-Stark水分離器上で2時間還流した。混合物を濃縮し残渣をヘキサン/MtBE95:5を溶離剤として用いた酸化アルミニウム上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な(E/Z)-4-((6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イリデン)メチル)モルホリン(1.8g,59%収率)を無色液体として得た。
【0031】
1e)(2R*,6S*)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オンおよび(2S*,6S*)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オンの調製
(E/Z)-4-((6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イリデン)メチル)モルホリン(1.47g、5.9mmol)を反応容器に配置し、アセトニトリル(15ml)を添加した。Cu(I)Cl(58mg、0.59mmol)を添加し、室温で6時間撹拌した混合物を通して酸素をバブリングした。反応混合物をエーテルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機溶液を濃縮し、残渣をヘキサン/MtBEを溶離剤として用いたSiO上のカラムクロマトグラフィーにより分離しrel-(2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オン(100mg、10%収率)およびrel-(2S,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オン(300mg、31%収率)を単一ジアステレオマーとして得た。
【0032】
例2: 6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール
2.1 rel-(1R,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールおよびrel-(1S,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-dジメチルヘキサ-3-エン-1-オールの調製
水素化アルミニウム(46mg、1.2mmol)をTHF(5ml)で懸濁し、混合物を-20℃に冷却した。化合物rel-(2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オン(90mg、0.5mmol)を少しずつ加え、混合物を室温に到達するまで放置した。反応混合物を2MのHClで処理し、エーテルで抽出した。有機層を合わせ、洗浄し、濃縮してrel-(1R,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1オールおよびrel-(1S,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(80mg、79%収率)を無色液体として得た。
【0033】
1H-NMR rel-(1R,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(600 MHz, C6D6): 5.22-5.21 (m, 1 H); 3.64-3.69 (m, 1 H); 2.25-2.20 (m, 1 H); 1.99-1.94 (m, 1H); 1.81 (dd, J = 16.9, 4.9, 1 H); 1.71-1.63 (m, 1H); 1.66-1.61 (m, 1 H); 1.59 (bs, 3H); 1.00 (d, J = 7.2, 3H); 0.85 (d, J = 7.2, 3H); 0.84 (d, J = 6.8, 3H). 13C-NMR rel-(1R,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(150 MHz, C6D6): 132.1 (s), 125.4 (d), 70.8 (d), 40.7 (d), 35.2 (d), 29.4 (t), 26.4 (d), 23.5 (q), 20.6 (q), 17.2 (q), 16.4 (q). ). MS (EI, tR 9.92 min.): m/z (相対強度) 168 (5, [M]+・), 107 (60), 106 (26), 91 (15), 83 (73), 82 (100), 71 (28), 67 (48), 55 (16), 43 (20), 41 (25)
1H-NMR rel-(1S,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(600 MHz, C6D6): 5.20-5.18 (m, 1 H); 3.66 (bs, 1 H); 2.11-2.06 (m, 1 H); 1.79-1.74 (m, 2H); 1.74-1.70 (m, 1H); 1.59 (bs, 3H); 1.16-1.11 (m, 1 H); 0.98 (d, J = 6.4, 3H); 0.90 (d, J = 6.8, 3H); 0.85 (d, J = 7.2, 3H). 13C-NMR rel-(1S,2R,6S)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(150 MHz, C6D6): 132.8 (s), 123.6 (d), 70.7 (d), 46.7 (d), 39.2 (d), 30.4 (t), 29.1 (d), 23.7 (q), 20.9 (2q), 19.7 (q).
【0034】
2.2 rel-(1S,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールおよびrel-(1R,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールの調製
水素化アルミニウム(80mg、2.1mmol)をTHF(5ml)で懸濁し、混合物を-20℃に冷却した。化合物(2S*,6S*)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オン(320mg、1.9mmol)を少しずつ加え、混合物を室温に到達するまで放置した。反応混合物を2MのHClで処理し、エーテルで抽出した。有機層を合わせ、洗浄し、濃縮してrel-(1S,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールおよびrel-(1R,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(280mg、79%収率)を無色液体として得た。
1H-NMR rel-(1S,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(600 MHz, C6D6): 5.07 (s, 1 H); 3.03 (td, J = 10.2, 5.3 Hz, 1 H); 2.25-2.19 (m, 1 H); 2.07-2.01 (m, 1 H); 1.70-1.68 (m, 2 H); 1.57 (bs, 3H); 1.57-1.53 (m, 1 H); 1.06 (d, J = 6.8 Hz, 3 H); 0.88 (d, J = 7.2 Hz, 3H); 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 3H). 13C-NMR rel-(1S,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(150 MHz, C6D6): 132.5 (s), 126.0, 75.5, 45.6, 40.5 (4d), 29.7 (t), 25.7 (d), 23.3, 20.7, 19.1, 15.5 (4q). MS (EI, tR 9.92 min.): m/z (相対強度) 168 (6, [M]+・), 125 (17), 107 (42), 83 (74), 82 (100), 71 (32), 67 (51), 55 (18), 43 (34), 41 (40), 39 (18)
1H-NMR rel-(1R,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(600 MHz, C6D6): 4.96 (s, 1 H); 3.72 (bd, J = 4.5, 1 H); 2.13-2.07 (m, 1 H); 1.83 (dd, J = 17.7, 6.2, 1 H); 1.72-1.65 (m, 1H); 1.68-1.64 (m, 1 H); 1.57 (bs, 3H); 1.07-1.03 (m, 1 H); 1.00 (d, J = 7.2, 3H); 0.97 (d, J = 6.4 Hz, 3 H); 0.88 (d, J = 7.2 Hz, 3H). 13C-NMR rel-(1R,2R,6R)-6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール(150 MHz, C6D6): 133.4 (s), 123.8 (d), 69.1 (d), 46.4 (d), 37.0 (d), 30.4 (t), 29.5 (d), 23.2 (q), 20.8 (q), 20.7 (q), 17.4 (q). MS (EI, tR 9.92 min.): m/z (相対強度) 168 (8, [M]+・), 125 (22), 107 (52), 106 (18), 83 (73), 82 (100), 71 (28), 67 (48), 55 (16), 43 (21), 41 (27)
【0035】
例3:2,4,7-トリメチルオクタン-1-オールの調製
オートクレーブに2,4,7-トリメチルオクタ-6-エン-1-オール(15.0g、88mmol)および20%パラジウム炭素(150mg,1%[w])を加えた。オートクレーブを窒素で吹き付け、その後水素で40barに加圧した。水素化を150℃で20時間行った。室温に冷却後、ろ過により触媒を除去し、生成物をフラッシュ蒸留(b.p.85℃、0.23mbar)で精製し、2(11.5g、76%収率)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)ジアステレオ比1/1.3の混合物: 3.59 - 3.34 (m, 4H); 1.61 - 1.81 (m, 4H); 1.56 - 1.39 (m, 4H); 1.33 - 1.04 (m, 10 H); 0.97 - 0.80 (m, 26 H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3)ジアステレオマー比 1/1.3の混合物: 69.0, 68.0, 41.1, 40.7, 36.3, 36.2, 35.7, 34.3 (8t); 33.2, 33.1, 30.3, 30.2, 28.3 (6d); 22.9, 22.8, 22.6, 22.5, 20.4, 19.4, 17.3, 16.3.
【0036】
例4:ビス((3-メチルブタ-2-エン-1-イル)オキシ)メタンの調製
Dean-Stark水分離器を備えた、三口フラスコに3-メチルブタ-2-エン-1-オール(40.0g、464mmol)、ホルムアルデヒド(17.43g、232mmol、水中40%)、トリエチルアミン塩酸塩(1.5g、11mmol)およびトルエン(100ml)を加えた。混合物を20時間還流した。反応混合物を室温まで冷却しメチルtert-ブチルエーテル(100ml)で希釈した。有機溶液を水(50ml)で2回およびブライン(50ml)で洗浄し、その後MgSO上で乾燥し濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーおよびバルブトゥーバルブ蒸留により精製し、ビス((3-メチルブタ-2-エン-1-イル)オキシ)メタン(I)(6.0g、33mmol、14%収率)を与えた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 5.44 - 5.31 (m, 2H); 4.69 (s, 2H); 4.07 (br d, J = 6.99 Hz, 4 H); 1.76 (s, 6 H); 1.70 (s, 6 H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3): 137.4 (2s); 120.6 (2d), 93.7 (t); 63.7 (2t); 25.7 (2q); 17.9 (2q).
【0037】
【表1】
【0038】
上記の面は澄んだ乳白色面を有するイチジク上の、みずみずしさを説明する乳白色なフルーティーな面である。10重量部の6-イソプロピル-2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オールの添加は、天然のイチジクの葉面と共に、より上昇する面をもたらす。