(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】画像取得システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20220221BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20220221BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
A61B6/00 370
A61B6/00 350D
G01T1/161 E
A61B5/055 390
(21)【出願番号】P 2019544961
(86)(22)【出願日】2017-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2017107373
(87)【国際公開番号】W WO2018077141
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】201610937258.3
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514190349
【氏名又は名称】シャンハイ・ユナイテッド・イメージング・ヘルスケア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイピン・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】シャオユエ・グ
(72)【発明者】
【氏名】シタオ・リュウ
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-183968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0119630(US,A1)
【文献】特開2009-098131(JP,A)
【文献】特開2012-026840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0105699(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0078339(US,A1)
【文献】特開2005-283421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G01T 1/161-1/166
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと記憶媒体とを備えたコンピューティングデバイス
の作動方法であって、
第1の種類のスキャンである被験体の第1のスキャンに関連する、前記被験体の第1の画像データを取得することと、
前記第1の画像データに基づいて前記被験体の第1の画像を再構成することと、
前記第1の画像に基づいて、第2の種類のスキャンである第2のスキャンの線量計画を生成することと、
前記線量計画に従って実行される前記被験体の前記第2のスキャンに関連する、前記被験体の第2の画像データを取得することと、
を備え、
前記第1の画像に基づいて前記第2のスキャンの前記線量計画を生成することは、
前記第1の画像内の
、少なくとも1つの病変を囲む少なくとも1つの候補ROIを決定することと、
軸方向に沿って前記少なくとも1つの候補ROIの座標範囲を決定することであって、前記被験体が前記軸方向に沿って、前記第1のスキャンまたは前記第2のスキャンを実施するスキャン装置の検出トンネルに入ったり出たりするように移動させられる、決定することと、
前記軸方向に沿った前記少なくとも1つの候補ROIの前記座標範囲に基づいて、前記第1の画像内の前記少なくとも1つのROIを決定することと、
前記少なくとも1つのROIに基づいて、前記ROIに対応する第1の線量と前記ROIの外側の領域に対応する第2の線量とを含む前記第2のスキャンの前記線量計画を決定することであって、前記第1の線量は前記第2の線量より高い、決定することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の種類のスキャンは、陽電子放出断層撮影スキャン、単一光子放出型コンピュータ断層撮影スキャン、又は磁気共鳴スキャンのうちの少なくとも1つであり、前記第2の種類のスキャンは、コンピュータ断層撮影スキャンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の画像データに基づいて前記被験体の第2の画像を再構成することと、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正して補正された第1の画像を生成することと、
をさらに備える請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正することは、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像に対して減弱補正を実行すること、を備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の画像データに基づいて前記被験体の第2の画像を再構成することと、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正することと、
前記補正された第1の画像と前記第2の画像とを融合することによって、前記補正された第1の画像及び前記第2の画像に基づいて第4の画像を生成することと、
をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスキャンは、第1のスキャン持続時間を有し、前記方法はさらに、
前記第1の種類のスキャンであり、かつ前記第1のスキャン持続時間よりも長い第2のスキャン持続時間を有する前記被験体の第3のスキャンに関連する、前記被験体の第3の画像データを取得することと、
前記第3の画像データに基づいて第3の画像を再構成することと、
前記第3の画像及び前記第2の画像データに基づいて第4の画像を生成することと、
を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の種類のスキャンは、コンピュータ断層撮影スキャンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
命令セットを記憶する少なくとも1つの記憶装置と、
前記少なくとも1つの記憶装置と通信する少なくとも1つのプロセッサと、を備えるシステムであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令セットを実行するとき、前記システムに、
第1の種類のスキャンである被験体の第1のスキャンに関連する、前記被験体の第1の画像データを取得することと、
前記第1の画像データに基づいて前記被験体の第1の画像を再構成することと、
前記第1の画像に基づいて、第2の種類のスキャンである第2のスキャンの線量計画を生成することと、
前記線量計画に従って実行される前記被験体の前記第2のスキャンに関連する、前記被験体の第2の画像データを取得することと、
を行わせるように構成され、
前記第1の画像に基づいて、第2の種類のスキャンである第2のスキャンの線量計画を生成することは、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記システムに、
少なくとも1つの病変に基づいて、前記第1の画像内の、前記少なくとも1つの病変を囲む少なくとも1つの候補ROIを決定することと、
軸方向に沿って前記少なくとも1つの候補ROIの座標範囲を決定することであって、前記被験体が前記軸方向に沿って、前記第1のスキャンまたは前記第2のスキャンを実施するスキャン装置の検出トンネルに入ったり出たりするように移動させられる、決定することと、
前記軸方向に沿った前記少なくとも1つの候補ROIの前記座標範囲に基づいて、前記第1の画像内の前記少なくとも1つのROIを決定することと、
ことと、
前記少なくとも1つのROIに基づいて、前記ROIに対応する第1の線量と前記ROIの外側の領域に対応する第2の線量とを含む前記第2のスキャンの前記線量計画を決定することであって、前記第1の線量は前記第2の線量より高い、決定することと、
を行わせるように構成される、システム。
【請求項9】
前記第1の種類のスキャンは、陽電子放出断層撮影スキャン、単一光子放出型コンピュータ断層撮影スキャン、又は磁気共鳴スキャンのうちの少なくとも1つである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の種類のスキャンは、コンピュータ断層撮影スキャンである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記システムに、
前記第2の画像データに基づいて前記被験体の第2の画像を再構成することと、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正して補正された第1の画像を生成することと、を行わせるように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正することは、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像に対して減弱補正を実行すること、を備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記システムに、
前記第2の画像データに基づいて前記被験体の第2の画像を再構成することと、
前記第2の画像に基づいて前記第1の画像を補正することと、
前記補正された第1の画像と前記第2の画像とを融合することによって、前記補正された第1の画像及び前記第2の画像に基づいて第4の画像を生成することと、
を行わせるように構成される、請求項8から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のスキャンは第1のスキャン持続時間を有し、前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記システムに、
前記第1の種類のスキャンであり、かつ前記第1のスキャン持続時間よりも長い第2のスキャン持続時間を有する前記被験体の第3のスキャンに関連する、前記被験体の第3の画像データを取得することと、
前記第3の画像データに基づいて第3の画像を再構成することと、
前記第3の画像及び前記第2の画像データに基づいて第4の画像を生成することと、
を行わせるように構成される、請求項8から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
実行可能命令を備える非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記実行可能命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、
第1の種類のスキャンである被験体の第1のスキャンに関連する、前記被験体の第1の画像データを取得することと、
前記第1の画像データに基づいて前記被験体の第1の画像を再構成することと、
前記第1の画像に基づいて、第2の種類のスキャンである第2のスキャンの線量計画を生成することと、
前記線量計画に従って実行される前記被験体の前記第2のスキャンに関連する、前記被験体の第2の画像データを取得することと、
を備え、
前記第1の画像に基づいて前記第2のスキャンの前記線量計画を生成することは、
前記第1の画像内の
、少なくとも1つの病変を囲む少なくとも1つの候補ROIを決定することと、
軸方向に沿って前記少なくとも1つの候補ROIの座標範囲を決定することであって、前記被験体が前記軸方向に沿って、前記第1のスキャンまたは前記第2のスキャンを実施するスキャン装置の検出トンネルに入ったり出たりするように移動させられる、決定することと、
前記軸方向に沿った前記少なくとも1つの候補ROIの前記座標範囲に基づいて、前記第1の画像内の前記少なくとも1つのROIを決定することと、
前記少なくとも1つのROIに基づいて、前記ROIに対応する第1の線量と前記ROIの外側の領域に対応する第2の線量とを含む前記第2のスキャンの前記線量計画を決定することであって、前記第1の線量は前記第2の線量より高い、決定することと、
を備える方法を行わせるように構成されている、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年10月25日に出願された中国出願第201610937258.3号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は主に画像取得に関し、より具体的には、画像取得において放射線量を低減する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ断層撮影(CT)画像のような解剖学的画像は、臨床診断及び医学研究において一般的に使用されている。被験体の解剖学的画像は、被験体の解剖学的データを提供し、かつ被験体の機能的画像(例えば、陽電子放出断層撮影(PET)画像)の減弱補正に適用することができる。しかしながら、CTスキャンにおいて、高線量の放射線が被験体(例えば、患者又はその一部)に送達される可能性があり、これは被験体にとってある程度有害である可能性がある。したがって、CT画像取得において放射線量を低減するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、方法を提供する。方法は、被験体の第1のスキャンに関連する被験体の第1の画像データを取得することを含んでもよい。第1のスキャンは第1の種類のスキャンであってもよい。方法はさらに、第1の画像データに基づいて被験体の第1の画像を再構成することと、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を生成することとを含んでもよい。第2のスキャンは第2の種類のスキャンであってもよい。方法はさらに、被験体の第2のスキャンに関連する被験体の第2の画像データを取得することを含んでもよい。第2のスキャンは、線量計画に従って実行されてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1の種類のスキャンは、陽電子放出断層撮影(PET)スキャン、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPETC)スキャン、又は磁気共鳴(MR)スキャンのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、第2の種類のスキャンは、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンであってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を決定することは、第1の画像内の少なくとも1つの病変を決定することを含んでもよい。第2のスキャンの線量計画を決定することはさらに、少なくとも1つの病変に基づいて第1の画像内の少なくとも1つの関心領域(ROI)を決定することを含んでもよい。少なくとも1つのROIは、少なくとも1つの病変を囲んでもよい。第2のスキャンの線量計画を決定することはさらに、少なくとも1つのROIに基づいて第2のスキャンの線量計画を決定することを含んでもよい。線量計画は、ROIに対応する第1の線量及びROIの外側の領域に対応する第2の線量を含んでもよく、第1の線量は、第2の線量よりも高くてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の画像内の少なくとも1つのROIを決定することは、少なくとも1つの病変に基づいて第1の画像内の少なくとも1つの候補ROIを決定することを含んでもよい。少なくとも1つの候補ROIは、少なくとも1つの病変を囲んでもよい。第1の画像内の少なくとも1つのROIを決定することはさらに、軸方向に沿って少なくとも1つの候補ROIの座標範囲を決定することと、軸方向に沿った少なくとも1つの候補ROIの座標範囲に基づいて、第1の画像内の少なくとも1つのROIを決定することと、を含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第2の画像データに基づいて被験体の第2の画像を再構成することと、ために第2の画像に基づいて第1の画像を補正して補正された第1の画像を生成することと、を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2の画像に基づいて第1の画像を補正することは、第2の画像に基づいて第1の画像に対して減弱補正を実行することを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第2の画像データに基づいて被験体の第2の画像を再構成することと、第2の画像に基づいて第1の画像を補正することと、補正された第1の画像と第2の画像とを融合することによって、補正された第1の画像及び第2の画像に基づいて第4の画像を生成することと、を含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のスキャンは、第1のスキャン持続時間を有してもよい。方法はさらに、被験体の第3のスキャンに関連する被験体の第3の画像データを取得することを含んでもよい。第3のスキャンは、第1の種類のスキャンであり、第2のスキャン持続時間を有してもよい。第2のスキャン持続時間は、第1のスキャン持続時間より長くてもよい。方法はさらに、第3の画像データに基づいて第3の画像を再構成することと、第3の画像及び第2の画像データに基づいて第4の画像を生成することと、を含んでもよい。
【0013】
本開示の他の態様は、システムを提供する。システムは、命令セットを記憶する少なくとも1つの記憶装置と、少なくとも1つの記憶装置と通信する少なくとも1つのプロセッサとを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサが命令セットを実行するとき、少なくとも1つのプロセッサは、システムに被験体の第1のスキャンに関連する被験体の第1の画像データを取得させるように構成されてもよい。第1のスキャンは第1の種類のスキャンであってもよい。少なくとも1つのプロセッサはさらに、システムに、第1の画像データに基づいて被験体の第1の画像を再構成させ、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を生成させるように構成されてもよい。第2のスキャンは第2の種類のスキャンであってもよい。少なくとも1つのプロセッサはさらに、システムに被験体の第2のスキャンに関連する被験体の第2の画像データを取得させるように構成されてもよい。第2のスキャンは、線量計画に従って実行されてもよい。
【0014】
本開示の別の態様は、実行可能な命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。実行可能な命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、非一時的なコンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させてもよい。方法は、被験体の第1のスキャンに関連する被験体の第1の画像データを取得することを含んでもよい。第1のスキャンは第1の種類のスキャンであってもよい。方法はさらに、第1の画像データに基づいて被験体の第1の画像を再構成することと、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を生成することとを含んでもよい。第2のスキャンは第2の種類のスキャンであってもよい。方法はさらに、被験体の第2のスキャンに関連する被験体の第2の画像データを取得することを含んでもよい。第2のスキャンは、線量計画に従って実行されてもよい。
【0015】
さらなる特徴は、以下の説明に部分的に記載され、当業者であれば、以下の図面及び添付の図面を検討することにより部分的に明らかになるか、又は実施例の製造又は動作によって学習してもよい。本開示の特徴は、以下に説明する詳細な実施例に示される方法論、手段及び組み合わせの様々な態様を実施又は使用することによって実現及び達成されてもよい。
【0016】
例示的な実施形態により、本開示をさらに説明する。図面を参照して、これらの例示的な実施形態を詳細に説明する。これらの実施形態は非限定的かつ例示的な実施形態であり、図面の各図に渡って同様の参照番号が類似の構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的な撮像システムを示す概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に係る、コンピューティングデバイスの例示的なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を示す概略図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る、モバイルデバイスの例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを示す概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的な処理エンジンを示すブロック図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態に係る、線量計画を決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態に係る、融合画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図11A】本開示のいくつかの実施形態に係る、PET画像の最大値投影(MIP)における例示的なROIを示す。
【
図11B】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な線量計画を示す。
【
図11C】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な線量計画を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明では、関連する開示の完全な理解を提供するために、例を挙げて複数の具体的な詳細を記述する。しかし、当業者であれば、本開示がこのような詳細なしに実践し得ることが理解されよう。他の例では、本開示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、システム、構成要素、及び/又は回路は、詳細なしに比較的大まかに記載されている。開示される実施形態に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、他の実施形態及び用途に適用されてもよい。したがって、本開示は、示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0019】
本明細書で用いられる用語は、具体的な例示的実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定することを意図しない。本明細書で用いられる場合には、「a」、「an」の単数形及び「the」は、文脈上明確に別途示されない限り、同様に複数形も包含することを意図するものとする。「comprise(備える)」、「comprises」、及び/又は「comprising」、「include(含む)」、「includes」、及び/又は「including」などの用語は、本明細書において用いられる場合、記述される特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を明示しているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0020】
本明細書で用いられる「システム」、「エンジン」、「ユニット」、「モジュール」及び/又は「ブロック」という用語は、異なるレベルの異なる構成部品、要素、部品、セクション又はアセンブリを昇順で区別する1つの方法であることが理解される。しかし、それらの用語は、同じ目的を達成する場合、他の表現によって置き換えられてよい。
【0021】
一般に、本明細書で用いられる「モジュール」、「ユニット」、又は「ブロック」という用語は、ハードウェア又はファームウェアに組み込まれた論理、あるいはソフトウェア命令の集合を指す。本明細書で記載されるモジュール、ユニット、又はブロックは、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして実装されてもよく、任意の種類の非一時的なコンピュータ可読媒体又は他の記憶装置に記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックは、コンパイルされ、実行可能なプログラムにリンクされてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュール/ユニット/ブロックから、又はそれら自体から呼び出すことができ、及び/又は検出されたイベント又は割り込みに応じて呼び出すことができることを理解されたい。コンピューティングデバイス(例えば、
図2に示すようなプロセッサ210)上で実行するように構成されたソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックは、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュドライブ、磁気ディスク、又は任意の他の有形の媒体などのコンピュータ可読媒体上に提供されるか、又は、デジタルダウンロードとされてもよい(実行前にインストール、解凍、又は復号化を必要とする圧縮又はインストール可能なフォーマットで元々記憶することができる)。そのようなソフトウェアコードは、コンピューティングデバイスによる実行のために、実行中のコンピューティングデバイスの記憶装置に部分的に又は完全に記憶されてもよい。ソフトウェア命令は、EPROMなどのファームウェアに組み込むことができる。ハードウェアモジュール/ユニット/ブロックは、ゲート及びフリップフロップなどの接続された論理構成部品に含まれてもよく、及び/又はプログラマブルゲートアレイ又はプロセッサなどのプログラマブルユニットを含んでもよいことがさらに理解されたい。本明細書に記載されたモジュール/ユニット/ブロック又はコンピューティングデバイス機能は、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックとして実装されてもよいが、ハードウェア又はファームウェアで表されてもよい。一般に、本明細書に記載されたモジュール/ユニット/ブロックは、それらの物理的編成又は記憶にもかかわらず、他のモジュール/ユニット/ブロックと組み合わせられるか、又はサブモジュール/サブユニット/サブブロックに分割される論理モジュール/ユニット/ブロックを指す。説明は、システム、エンジン、又はその一部に適用しもよい。
【0022】
文脈上に別途指示されていない限り、ユニット、エンジン、モジュール又はブロックが別のユニット、エンジン、モジュール又はブロックの「上にある」、「接続されている」又は「結合されている」と記述されている場合、他のユニット、エンジン、モジュール、又はブロックに直接的にあるか、接続されているか、又は結合されているか、又は通信されているか、あるいは、介在するユニット、エンジン、モジュール又はブロックが存在してもよい。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及びすべての組み合わせを含む。
【0023】
本開示の上記及び上記以外の特徴及び性質、ならびに関連する構成要素及び各部分の組み合わせの動作方法と機能、及び製造の経済性については、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して検討することにより、さらに明らかになり、これらはいずれも本明細書の一部を構成する。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではないことは、明確に理解されるべきである。図面は、縮尺通りではないと理解される。
【0024】
本明細書では、疾患診断又は研究目的などの非侵襲的イメージングのためのシステム及び構成要素を提供する。いくつかの実施形態では、撮像システムは、コンピュータ断層撮影(CT)システム、核磁気共鳴イメージング(MRI)システム、陽電子放出断層撮影(PET)システム、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、撮像システムは、PET/CTシステム、SPECT/CTシステム、PET/MRIシステム、SPECT/MRIシステムなどのマルチモダリティ撮像システムであってもよい。
【0025】
本開示で使用される用語「画像」は、2D画像、3D画像、4D画像、及び/又は任意の関連画像データ(例えば、画像データ、画像データに対応する投影データ)を指してもよい。本開示で使用される用語「関心領域(ROI)」は、被験体の画像内の領域を指してもよい。ROIは、被験体の身体の一部(例えば、組織、器官)に対応してもよい。これは本開示の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本開示の指示下で、ある程度の変形、変更、及び/又は修正を行うことができる。それらの変形、変更、及び/又は修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0026】
本開示は、画像取得において放射線量を低減するシステム及び方法に関する。システムは、被験体の第1の画像データを取得し、その第1の画像データに基づいて第1の画像を再構成してもよい。第1の画像データ及び第1の画像は、被験体の機能的データを含んでもよい。例えば、第1の画像データはPETデータを含んでもよく、第1の画像は被験体のPET画像であってもよい。システムは、第1の画像に基づいて第2のスキャン(例えばCTスキャン)の線量計画を生成してもよい。第1の画像は被験体の異なる部分の状態を示してもよく、線量計画は被験体の異なる部分に対応する様々な線量を含んでもよい。例えば、線量は、被験体の正常部分に対応する低線量と、異常部分(例えば、病変又は潜在的な病変を含む部分)に対応する高線量とを含んでもよい。このように、被験体の正常な部分は不要な放射線を受けるのを防止できる。システムは、さらに線量計画に従って実行された第2のスキャンに基づいて第2の画像データ(例えば、CT画像データ)を取得し、第2の画像データに基づいて第2の画像(例えば、CT画像)を再構成してもよい。第2の画像は、被験体の解剖学的データを含み、第1の画像の減弱補正に適用されてもよい。
【0027】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的な撮像システム100を示す概略図である。図に示すように、撮像システム100は、スキャン装置110、ネットワーク120、1つ以上の端末130、処理エンジン140、及び記憶装置150を含んでもよい。
【0028】
スキャン装置110は、被験体をスキャンして被験体に関するデータを取得するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スキャン装置110は、被験体の機能的データを取得するように構成されてもよい。例えば、スキャン装置110は、PET装置、SPETCT、又はMRI装置であってもよい。いくつかの実施形態では、スキャン装置110は、被験体の解剖学的データを取得するように構成されてもよい。例えば、スキャン装置110は、CT装置であってもよい。いくつかの実施形態では、スキャン装置110は、被験体の機能的データ及び解剖学的データを取得するように構成されてもよい。例えば、スキャン装置110は、PET/CT装置、MRI/CT装置、又はSPECT/CT装置などの複合スキャン装置であってもよい。
【0029】
単に例として、スキャン装置110は、PET/CT装置であってもよい。スキャン装置110は、ガントリ111、検出器112、検出領域113、テーブル114、及び放射性スキャン源115を含んでもよい。ガントリ111は、検出器112及び放射性スキャン源115を支持することができる。スキャンのために被験体をテーブル114上に置くことができる。
図1に示すように、テーブル114は、Z軸(軸方向とも呼ばれる)に沿ってスキャン装置110の検出トンネル内に移動されてもよい。被験体は、テーブル114を調整することによって、CTスキャン及びPETスキャンのための異なる位置に配置されてもよい。放射線スキャン源115は、被験体に放射線を放出してもよい。検出器112は、PET検出器及びCT検出器を含んでもよい。PET検出器は、検出領域113から放出された放射線事象(例えば、ガンマ光子)を検出してもよい。CT検出器は、放射性スキャン源115から放出された放射線を検出してもよい。いくつかの実施形態では、検出器112は、1つ以上の検出器ユニットを含んでもよい。検出器ユニットは、シンチレーション検出器(例えば、ヨウ化セシウム検出器)、ガス検出器などを含んでもよい。検出器ユニットは、単列検出器及び/又は多列検出器であってもよく、及び/又はそれを含んでもよい。
【0030】
ネットワーク120は、撮像システム100に関する情報及び/又はデータの交換を容易にすることができる任意の適切なネットワークを含んでもよい。いくつかの実施形態では、撮像システム100の1つ以上の構成要素(例えば、スキャン装置110、端末130、処理エンジン140、記憶装置150など)は、ネットワーク120を介して、撮像システム100の1つ以上の他の構成要素と情報及び/又はデータを通信してもよい。例えば、処理エンジン140は、ネットワーク120を介してスキャン装置110から画像データを取得してもよい。別の例として、処理エンジン140は、ネットワーク120を介して端末130からユーザの命令を取得してもよい。ネットワーク120は、公衆ネットワーク(例えば、インターネット)、プライベートネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)など)、有線ネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク、Wi-Fiネットワークなど)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、フレームリレーネットワーク、仮想プライベートネットワーク(「VPN」)、衛星ネットワーク、電話ネットワーク、ルータ、ハブ、ウィッチ、サーバコンピュータ、及び/又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、及び/又はそれらを含んでもよい。単に例として、ネットワーク120は、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、テレコミュニケーションネットワーク、イントラネット、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、公衆電話交換網(PSTN)、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、ZigBee(登録商標)ネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワークなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク120は、1つ以上のネットワークアクセスポイントを含んでもよい。例えば、ネットワーク120は、基地局及び/又はインターネット交換ポイントなどのような有線及び/又は無線のネットワークアクセスポイントを含んでもよく、それらを介して撮像システム100の1つ以上の構成要素がネットワーク120に接続されてデータ及び/又は情報を交換してもよい。
【0031】
端末130は、モバイルデバイス130-1、タブレット型コンピュータ130-2、ラップトップ型コンピュータ130-3など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス130-1は、スマートホームデバイス、ウエアラブルデバイス、モバイルデバイス、バーチャルリアリティ装置、拡張現実感装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、スマートホームデバイスは、スマート照明装置、インテリジェント電気機器の制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートビデオカメラ、インターフォンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ウエアラブルデバイスは、ブレスレット、フットギア、眼鏡、ヘルメット、ウォッチ、クロージング、バックパック、スマートアクセサリーなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ゲーミングデバイス、ナビゲーション装置、販売時点情報管理(POS)装置、ラップトップ、タブレット型コンピュータ、デスクトップなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実グラス、仮想現実パッチ、拡張現実ヘルメット、拡張現実グラス、拡張現実パッチなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、グーグルグラスTM、オキュラスリフトTM、ホロレンズTM、ギヤVRTMなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、端末130は、処理エンジン140の一部であってもよい。
【0032】
処理エンジン140は、スキャン装置110、端末130、及び/又は記憶装置150から取得されたデータ及び/又は情報を処理してもよい。例えば、処理エンジン140は、PET画像に基づいてCTスキャンのための線量計画を生成してもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、単一のサーバ又はサーバグループであってもよい。サーバグループは、集中型であっても分散型であってもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、ローカルであってもリモートであってもよい。例えば、処理エンジン140は、ネットワーク120を介して、スキャン装置110、端末130、及び/又は記憶装置150に記憶された情報及び/又はデータにアクセスしてもよい。別の例として、処理エンジン140は、記憶された情報及び/又はデータにアクセスするために、スキャン装置110、端末130及び/又は記憶装置150に直接接続されてもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、クラウドプラットフォーム上に実装されてもよい。単に例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、
図2に示すような1つ以上の構成要素を有するコンピューティングデバイス200により実装されてもよい。
【0033】
記憶装置150は、データ、命令、及び/又は他の任意の情報を記憶してもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は、端末130及び/又は処理エンジン140から取得されたデータを記憶してもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は、処理エンジン140が本開示で説明される例示的な方法を実施するために実行するか又は使用するデータ及び/又は命令を記憶してもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は、マスストレージ、リムーバブルストレージ、揮発性読み書きメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的なマスストレージは、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブなどを含んでもよい。例示的なリムーバブルストレージは、フラッシュドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、メモリーカード、ジップディスク、磁気テープなどを含んでもよい。例示的な揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。例示的なRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)、ゼロキャパシタRAM(Z-RAM)などを含んでもよい。例示的なROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)及びデジタルバーサタイルディスクROMなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置160は、クラウドプラットフォーム上に実装されてもよい。単に例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、記憶装置150は、撮像システム100内の1つ以上の他の構成要素(例えば、処理エンジン140、端末130など)と通信するために、ネットワーク120に接続されてもよい。撮像システム100内の1つ以上の構成要素は、ネットワーク120を介して、記憶装置150に記憶されたデータ又は命令にアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は、撮像システム100内の1つ以上の他の構成要素(例えば、処理エンジン140、端末130など)に直接接続されるか又はそれらと通信することができる。いくつかの実施形態では、記憶装置150は、処理エンジン140の一部であってもよい。
【0035】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る、処理エンジン140が実装されてもよい例示的なコンピューティングデバイス200の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を示す概略図である。
図2に示すように、コンピューティングデバイス200は、プロセッサ210、ストレージ220、入出力(I/O)230、及び通信ポート240を含んでもよい。
【0036】
プロセッサ210は、本明細書で説明される技術に従って、コンピュータ命令(例えば、プログラムコード)を実行し、処理エンジン140の機能を実行してもよい。コンピュータ命令は、例えば、本明細書に説明される特定の機能を実行するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造、手順、モジュール、及び機能を含んでもよい。例えば、プロセッサ210は、スキャン装置110、端末130、記憶装置150、及び/又は撮像システム100の他の任意の構成要素から取得された画像データを処理してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ210は、1つ以上のハードウェアプロセッサ、例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向けプロセッサ(ASIP)、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、物理処理ユニット(PPU)、マイクロコントローラユニット、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アドバンストRISCマシン(ARM)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、1つ以上の機能を実行することができる任意の回路又はプロセッサなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
単なる例示を目的とし、1つのプロセッサのみをコンピューティングデバイス300内に記載する。しかしながら、本開示におけるコンピューティングデバイス200は、複数のプロセッサを含んでもよいため、本開示で説明されるように、1つのプロセッサによって実施される動作及び/又は方法ステップも、複数のプロセッサによって共同で又は別々に実施されてもよい。例えば、本開示において、コンピューティングデバイス200のプロセッサがステップA及びステップBの両方を実行する場合、ステップA及びステップBは、コンピューティングデバイス200において2つ以上の異なるプロセッサによって共同で、又は、別々に実施されてもよい(例えば、第1のプロセッサがステップAを実行し、第2のプロセッサがステップBを実行するか、又は第1のプロセッサと第2のプロセッサがステップA及びステップBを共同で実行する)と理解されるべきである。
【0038】
ストレージ220は、スキャン装置110、端末130、記憶装置150、及び/又は撮像システム100の他の任意の構成要素から取得されたデータ/情報を記憶してもよい。いくつかの実施形態では、ストレージ220は、マスストレージ、リムーバブルストレージ、揮発性読み書きメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、マスストレージは、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブなどを含んでもよい。リムーバブルストレージは、フラッシュドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、メモリーカード、ジップディスク、磁気テープなどを含んでもよい。揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。RAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)、ゼロキャパシタRAM(Z-RAM)などを含んでもよい。ROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)及びデジタルバーサタイルディスクROMなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ストレージ220は、本開示に説明される例示的な方法を実行するために1つ以上のプログラム及び/又は命令を記憶してもよい。例えば、ストレージ220は、正則化項を決定する処理エンジン140用のプログラムを記憶してもよい。
【0039】
I/O 230は、信号、データ、情報などを入力及び/又は出力してもよい。いくつかの実施形態では、I/O 230は、処理エンジン140とのユーザ対話を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、I/O 230は、入力装置と出力装置を含んでもよい。入力装置の例としては、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロホンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。出力装置の例としては、表示装置、スピーカ、プリンタ、プロジェクタなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。表示装置の例としては、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)系ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、曲面スクリーン、テレビジョン装置、ブラウン管(CRT)、タッチスクリーンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
通信ポート240は、データ通信を容易にするために、ネットワーク(例えば、ネットワーク120)に接続されてもよい。通信ポート240は、処理エンジン140とスキャン装置110、端末130、及び/又は記憶装置150との間の接続を確立してもよい。接続は、有線接続、無線接続、データ送信及び/又は受信を可能にすることができる他の任意の通信接続、及び/又はこれらの接続の任意の組み合わせであってもよい。有線接続は、例えば、電気ケーブル、光ケーブル、電話線など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。無線接続は、例えば、Bluetooth(登録商標)リンク、Wi-Fiリンク、WiMax(登録商標)リンク、WLANリンク、ZigBee(登録商標)リンク、モバイルネットワークリンク(例えば、3G、4G、5Gなど)など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信ポート240は、RS232、RS485などの標準化された通信ポートであってもよく、及び/又はそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信ポート240は、特別に設計された通信ポートであってもよい。例えば、通信ポート240は、医療におけるデジタル画像化及び通信(DICOM)プロトコルに従って設計されてもよい。
【0041】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る、端末130が実装されてもよいモバイルデバイス300の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を示す概略図である。
図3に示すように、モバイルデバイス300は、通信プラットフォーム310、ディスプレイ320、グラフィック処理ユニット(GPU)330、中央処理装置(CPU)340、I/O 350、メモリ360、及びストレージ390を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムバス又はコントローラ(図示せず)を含むが、これらに限定されない任意の他の適切な構成要素も、モバイルデバイス300に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、モバイルオペレーティングシステム370(例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows Phone(登録商標)など)及び1つ以上のアプリケーション380は、CPU340によって実行されるために、ストレージ390からメモリ360にロードされてもよい。アプリケーション380は、画像処理に関連する情報又は処理エンジン140からの他の情報を受信してレンダリングするブラウザ又は他の任意の適切なモバイルアプリケーションを含んでもよい。情報ストリームとのユーザ対話は、I/O 350を介して達成され、ネットワーク120を介して、撮像システム100の処理エンジン140及び/又は他の構成要素に提供されてもよい。
【0042】
本開示に説明される様々なモジュール、ユニット及びそれらの機能を実装するために、コンピュータハードウェアプラットフォームは、本明細書に説明される要素のうちの1つ以上のためのハードウェアプラットフォームとして使用されてもよい。ユーザインタフェース要素を備えたコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、又は他の任意のタイプのワークステーション若しくは端末装置を実装するために使用されてもよい。コンピュータは、適切にプログラムされると、サーバとしても動作してもよい。
【0043】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的な処理エンジン140を示すブロック図である。処理エンジン140は、取得モジュール410、再構成モジュール420、線量計画モジュール430、及び画像融合モジュール440を含んでもよい。
【0044】
取得モジュール410は、画像データを取得するように構成されてもよい。画像データは、PETデータ、CTデータ、MRIデータ、SPECTデータなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、取得モジュール410は、外部ソース及び/又は撮像システム100の1つ以上の構成要素(例えば、記憶装置150、検出器112)から画像データを取得してもよい。
【0045】
再構成モジュール420は、PET画像、CT画像、MRI画像など、又はそれらの任意の組み合わせなどの画像を再構成するように構成されてもよい。再構成モジュール420は、再構成アルゴリズムに従って画像を再構成してもよい。例示的な再構成アルゴリズムは、分析的再構成アルゴリズム、反復的再構成アルゴリズム、又はフーリエベースの再構成アルゴリズムを含んでもよい。例示的な分析的再構成アルゴリズムは、フィルタバックプロジェクション(FBP)アルゴリズム、バックプロジェクションフィルタ(BFP)アルゴリズム、ρ-フィルタリングレイヤグラムなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な反復的再構成アルゴリズムは、最尤推定期待値最大化法(ML-EM)、サブセット化による期待値最大化法(OSEM)、行アクション最尤推定アルゴリズム(RAMLA)、動的行アクション最尤推定アルゴリズム(DRAMA)など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的なフーリエベースの再構成アルゴリズムは、古典的な直接フーリエアルゴリズム、不均一高速フーリエ変換(NUFFT)アルゴリズムなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、再構成モジュール420は、画像又は画像データを補正してもよい。例えば、再構成モジュール420は、減弱及び活動の最尤再構成(MLAA)アルゴリズムに基づいて、PET画像データに対して減弱補正及び/又は散乱補正を実行してもよい。別の例として、再構成モジュール420は、CT画像に基づいてPET画像の減弱補正を実行してもよい。
【0047】
線量計画モジュール430は、スキャン(例えばCTスキャン)の線量計画を生成するように構成されてもよい。線量計画は、スキャン中に放射線が被験体にどのように送達されるかに関する情報を含んでもよい。例えば、線量計画は、放射線量分布、放射線持続時間、放射されるべき標的部分の位置などの1つ以上のパラメータ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、線量モジュール430は、被験体の機能的データに基づいて被験体のCTスキャンの線量計画を生成してもよい。例えば、線量計画モジュール430は、被験体のPET画像、SPET画像、又はMRI画像に基づいて線量計画を生成してもよい。
【0048】
画像融合モジュール440は、複数の画像を融合するように構成されてもよい。例えば、画像融合モジュール440は、機能的画像(例えばPET画像、SPET画像、MRI画像)と解剖学的画像(例えばCT画像)とを融合してもよい。融合画像は、被験体の解剖学的データと機能的データの両方を含んでもよく、疾患診断のためのより詳細な情報を提供してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図4に示される1つ以上のモジュールは、
図1に示されるように、例示的な撮像システムの少なくとも一部において実装されてもよい。例えば、取得モジュール410、再構成モジュール420、線量計画モジュール430、及び/又は画像融合モジュール440は、コンソール(図示せず)に統合されてもよい。コンソールを介して、ユーザは、対象物をスキャンするための、撮像プロセスを制御するための、画像の再構成のためのパラメータを制御するための、再構成された画像を見るためのパラメータなどを設定してもよい。いくつかの実施形態では、コンソールは、処理エンジン140及び/又は端末130を介して実装されてもよい。
【0050】
なお、上記説明は、説明のみを目的とするものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、1つ以上の追加モジュールを含んでもよい。例えば、処理エンジン140はさらに、制御モジュールを含んでもよい。制御モジュールは、(例えば、1つ以上の制御パラメータを生成することによって)取得モジュール410、再構成モジュール420、線量計画モジュール430、及び/又は画像融合モジュール440の動作を制御してもよい。いくつかの実施形態では、上記処理エンジン140の1つ以上のモジュールは省略されてもよい。例えば、画像融合モジュール440は省略されてもよい。
【0051】
図5は、本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス500の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス500の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス500は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。
【0052】
510において、取得モジュール410は、被験体の第1のスキャンに関連する被験体の第1の画像データを取得してもよい。第1のスキャンは第1の種類のスキャンであってもよい。被験体は、ファントム、患者、スキャンされる患者の器官、組織、又は任意の身体部分(例えば、頭、首、胸、又は腹部)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像データは、被験体の機能的データ(例えば代謝データ)を含んでもよい。第1の種類のスキャンは、被験体の機能的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。例えば、第1の画像データは、PETデータ、SPECTデータ、MRIデータなどを含んでもよいが、これらに限定されない。第1の種類のスキャンは、PETスキャン、SPECTスキャン、MRIスキャンなどを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、取得モジュール410は、外部ソース及び/又は撮像システム100内の1つ以上の構成要素(例えば、記憶装置150、検出器112)から第1の画像データを取得してもよい。
【0053】
520において、再構成モジュール420は、第1の画像データに基づいて被験体の第1の画像を再構成してもよい。第1の画像は、PET画像、SPECT画像、MRI画像、又は被験体の機能的データを含む任意の画像であってもよい。再構成モジュール420は、再構成アルゴリズムに従って第1の画像を再構成してもよい。例示的な再構成アルゴリズムは、分析的再構成アルゴリズム、反復的再構成アルゴリズム、又はフーリエベースの再構成アルゴリズムを含んでもよい。例示的な分析的再構成アルゴリズムは、フィルタバックプロジェクション(FBP)アルゴリズム、バックプロジェクションフィルタ(BFP)アルゴリズム、ρ-フィルタリングレイヤグラムなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な反復的再構成アルゴリズムは、最尤推定期待値最大化法(ML-EM)、サブセット化による期待値最大化法(OSEM)、行アクション最尤推定アルゴリズム(RAMLA)、動的行アクション最尤推定アルゴリズム(DRAMA)など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的なフーリエベースの再構成アルゴリズムは、古典的な直接フーリエアルゴリズム、不均一高速フーリエ変換(NUFFT)アルゴリズムなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、再構成モジュール420は、第1の画像を再構成する前に第1の画像データを補正してもよい。第1の画像データの補正は、減弱補正、散乱補正、正規化補正など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、再構成モジュール420は、減弱及び活動の最尤再構成(MLAA)アルゴリズムに基づいて、第1の画像データに対して減弱補正及び散乱補正を実行してもよい。
【0055】
530において、線量計画モジュール430は、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を生成してもよい。第2のスキャンは第2の種類のスキャンであってもよい。第2の種類のスキャンは、解剖学的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。例えば、第2の種類のスキャンは、CTスキャンであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のスキャンによって収集された解剖学的データは、第1の画像(又は第1の画像データ)の減弱補正に適用されてもよい。
【0056】
線量計画は、第2のスキャン中に放射線が被験体にどのように送達されるかに関する情報を含んでもよい。例えば、線量計画は、放射線量分布、放射線持続時間、放射されるべき標的部分の位置などの1つ以上のパラメータ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、線量計画モジュール430は、第2のスキャン中に被験体の異なる部分に送達されるべき放射線量を決定するために、第1の画像を分析してもよい。例えば、線量計画モジュール430は、第1の画像内の1つ以上の病変(又は潜在的病変)を囲む少なくとも1つの関心領域(ROI)を決定してもよい。線量計画モジュール430はまた、少なくとも1つのROIに基づいて線量計画を決定してもよい。線量計画は、少なくとも1つのROI及び少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する様々な線量を含んでもよい。画像内の領域(例えば、ROI)に対応する線量は、画像内の領域に対応する(又は実質的に対応する)被験体の部分に送達される予定の放射線の線量を指してもよい。
【0057】
例えば、線量計画は、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する低線量と、少なくとも1つのROIに対応する高線量とを含んでもよい。少なくとも1つのROIに対応する被験体の部分は、第2のスキャン中に少なくとも1つのROIの外側の領域よりも高い線量を必要とするので、少なくとも1つのROIは、病変に関連するより詳細な解剖学的データを提供するために、第2のスキャンに基づいて再構成された画像においてより高い解像度を有してもよい。少なくとも1つのROIと比較して、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する被験体の部分は、比較的低い線量を必要としてもよい。このように、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する被験体の部分は、不要な放射線を受けるのを防止できる。線量計画の生成に関するより詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図6及びその関連する説明を参照)で見出される。
【0058】
540において、取得モジュール410は、被験体の第2のスキャンに関連する被験体の第2の画像データを取得してもよい。第2の画像データは、被験体の解剖学的データを含んでもよい。第2のスキャン(例えばCTスキャン)は、線量計画に従って実行されてもよい。例えば、530に関連して説明したように、線量計画は、放射線量分布、放射線持続時間、照射されるべき標的領域の位置などのような1つ以上のパラメータを含んでもよい。スキャン装置110は、1つ以上のパラメータに従って第2のスキャンを実行してもよい。いくつかの実施形態では、線量計画は、少なくとも1つのROIに対応する高線量と、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する低線量とを含んでもよい。スキャン装置110は、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する部分よりも、少なくとも1つのROIに対応する被験体の部分に、より高い線量の放射線を送達してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのROIに対応する高線量は診断用CTに適した線量であってもよく、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する低線量は解剖学的データを取得するのに適した線量であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、取得モジュール410は、外部ソース及び/又は撮像システム100内の1つ以上の構成要素(例えば、記憶装置150、検出器112)から第2の画像データを取得してもよい。
【0060】
550において、第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて第4の画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、第4の画像は、第2の画像データに基づいて生成された補正された第1の画像であってもよい。例えば、再構成モジュール420は、第2の画像データ(例えばCTデータ)に基づいて第2の画像(例えばCT画像)を再構成し、かつ第2の画像に基づいて第1の画像(例えばPET画像)を補正してもよい。或いは、画像融合モジュール440はさらに、補正された第1の画像及び第2の画像に基づいて融合画像を生成してもよい。融合画像は、再構成モジュール420又は画像融合モジュール440によって第4の画像として指定されてもよい。補正された第1の画像及び/又は融合画像の生成に関するより詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図7及びその関連する説明を参照)において見出される。
【0061】
なお、プロセス500の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作550は省略されてもよい。
【0062】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係る、線量計画を決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス600の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス600の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス600は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。
【0063】
610において、線量計画モジュール430は、第1の画像内の1つ以上の病変を決定してもよい。病変は、被験体の組織における異常な損傷(又は潜在的な異常な損傷)又は変化(又は潜在的な変化)を指してもよい。線量計画モジュール430は、第1の画像又は第1の画像の最大値投影(MIP)に基づいて1つ以上の病変を決定してもよい。例えば、線量計画モジュール430は、病変識別技術に基づいて、第1の画像(又は第1の画像のMIP)内の1つ以上の病変を自動的に識別及び/又はマークしてもよい。例示的な病変識別技術は、画像分割に基づく病変識別技術、データクラスタリングに基づく病変識別技術、近傍データ分析に基づく病変識別技術など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。追加又は代替として、
図3に示すように、1つ以上の病変は、例えば、端末130又はモバイルデバイス300上に実装されたユーザインタフェースを介してユーザ(例えば、看護師、放射線科医、医師)によって識別及び/又はマークされてもよい。例えば、ユーザは、端末130を介して第1の画像(又は第1の画像のMIP)上に1つ以上の病変をマークしてもよい。いくつかの実施形態では、線量計画モジュール430は、第1の画像(又は第1の画像のMIP)において1つ以上の病変を自動的にマークしてもよい。マークされた第1の画像(又は第1の画像のMIP)は、例えば端末130を介してユーザに表示されてもよい。ユーザは、例えば端末130を介して、マークされた第1の画像(又は第1の画像のMIP)をチェックして修正(例えば、1つ以上の病変のマークを削除又は追加)してもよい。
【0064】
620において、線量計画モジュール430は、識別された1つ以上の病変に基づいて第1の画像内の少なくとも1つのROIを決定してもよい。ROIは、少なくとも1つの病変を囲む領域であってもよい。異なるROIは、同じ又は異なる数の病変を含んでもよい。ROIは、任意の規則的な形状(例えば、長方形、楕円形、又は円形)又は不規則な形状を有してもよい。ROIは、任意のサイズを有してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、線量計画モジュール430は、識別された1つ以上の病変に基づいて第1の画像内の1つ以上の候補ROIを決定してもよい。候補ROIは、少なくとも1つの病変を囲む領域であってもよい。線量計画モジュール430は、候補ROIに基づいて1つ以上のROIを決定してもよい。例えば、線量計画モジュール430は、複数の候補ROIを囲む領域を決定してもよく、その領域はさらにROIとして指定されてもよい。別の例として、線量計画モジュール430は、特定の方向(例えば、
図1に示すようなX軸、Y軸、又はZ軸)に沿って候補ROI内のボクセル(又はピクセル)の座標範囲を決定してもよい。次いで、線量計画モジュール430は、座標範囲に基づいて第1の画像内のROIを決定してもよい。ROIは、その方向に沿った座標が特定の方向に沿った候補ROI内のボクセル(又はピクセル)の座標範囲内にある全てのボクセル(又はピクセル)を含んでもよい。単に例として、線量計画モジュール430は、候補ROI内のボクセル(又はピクセル)の軸座標の範囲を決定してもよい。次いで、線量計画モジュール430は、その軸座標が候補ROIの軸座標の範囲内にある全てのボクセル(又はピクセル)を含む領域を決定してもよい。領域はさらに、線量計画モジュール430によってROIとして指定されてもよい。
【0066】
630において、線量計画モジュール430は、第1の画像内の少なくとも1つのROIに基づいて第2のスキャンの線量計画を決定してもよい。線量計画は、第2のスキャン中に放射線が被験体にどのように送達されるかに関する情報を含んでもよい。例えば、線量計画は、少なくとも1つのROIに対応する1つ以上の放射線量を含んでもよい。例えば、線量計画は、少なくとも1つのROIに対応する第1の線量と、ROIの外側の領域に対応する第2の線量とを含んでもよい。第1の線量は、第2の線量よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、第2のスキャンはCTスキャンであってもよく、第1の線量は診断用CTに適した線量であってもよく、少なくとも1つのROIの外側の領域に対応する第2の線量は解剖学的データを取得するのに適した線量であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、線量計画モジュール430は、620において複数のROIを決定してもよい。線量計画モジュール430は、ROIに対応する複数の第1の線量と、ROIの外側の領域に対応する第2の線量とを決定してもよい。第2の線量は、複数の第1の線量のいずれかよりも低くてもよい。異なるROIに対応する第1の線量は同じであっても異なってもよい。追加又は代替として、線量計画モジュール430は、ROIの外側の領域内の異なるサブ領域に対応する複数の第2の線量を決定してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、線量計画モジュール430は、記憶装置(例えば記憶装置150)に記憶されたデフォルト設定、又は端末130を介してユーザによって入力されたパラメータに基づいて線量計画(例えば第1の線量及び第2の線量)を決定してもよい。追加又は代替として、線量計画モジュール430は、データ分析に基づいて線量計画を決定してもよい。例えば、線量計画モジュール430は、被験体内のROIの位置、ROIのサイズ、ROI内の病変の状態など、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて、ROIに対応する第1の線量を決定してもよい。
【0069】
なお、プロセス600の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、610及び620は、1つの動作に組み合わされてもよい。
【0070】
図7は、本開示のいくつかの実施形態に係る、融合画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス700の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス700の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス700は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス700は、動作550を達成するために実行されてもよい。
【0071】
710において、再構成モジュール420は、第2の画像データに基づいて被験体の第2の画像を再構成してもよい。第2の画像データは、動作540に関連して説明したように、被験体の解剖学的データを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の画像データはCTデータであってもよく、第2の画像はCT画像であってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、再構成モジュール420は、再構成アルゴリズムに基づいて第2の画像を再構成してもよい。例示的な再構成アルゴリズムは、反復的再構成アルゴリズム(例えば、統計的再構成アルゴリズム)、フーリエスライス定理アルゴリズム、フィルタ補正逆投影(FBP)アルゴリズム、ファンビーム再構成アルゴリズム、分析的再構成アルゴリズムなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0073】
720において、再構成モジュール420は、第2の画像に基づいて第1の画像を補正してもよい。第1の画像は、
図5に関連して説明したように、PET画像、SPECT画像、MRI画像、又は被験体の機能的データを含む任意の画像であってもよい。第2の画像は、第1の画像の減弱補正に適用されてもよい。例えば、第1の画像は被験体のPET画像であってもよく、第2の画像は被験体のCT画像であってもよい。再構成モジュール420は、CT画像に基づいて被験体の異なる部分(例えば、異なる器官、異なる組織)に対応する組織減弱係数を決定してもよい。再構成モジュール420は、組織減弱係数に基づいて511KeVの光子線(例えば、γ線)に対応する減弱マップを生成してもよい。次いで、再構成モジュール420は、減弱マップに基づいてPET画像を補正してもよい。いくつかの実施形態では、動作550に関連して説明したように、補正された第1の画像は、第4の画像として指定されてもよい。
【0074】
730において、画像融合モジュール440は、補正された第1の画像を第2の画像と融合することによって、補正された第1の画像及び第2の画像に基づいて融合画像を生成してもよい。例えば、第1の画像はPET画像であってもよく、第2の画像はCT画像であってもよい。融合画像は、補正されたPET画像とCT画像とを融合することによって生成されてもよい。融合画像は、被験体の解剖学的データと減弱補正された機能的データの両方を含んでもよく、それによって疾患診断のためのより詳細な情報を提供することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の画像と第2の画像は、2つの単一のスキャン装置(例えば、PET装置とCT装置)によってそれぞれ取得されてもよい。画像融合モジュール440は、2つの画像を融合する前に、補正された第1の画像と第2の画像とを前処理してもよい(例えば、2つの画像を位置合わせする)。或いは、第1の画像及び第2の画像は、複合スキャン装置(例えば、PET/CT装置)によって取得されてもよい。画像融合モジュール440は、2つの画像を前処理しない場合で融合画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、動作550に関連して説明したように、融合画像は、第4の画像として指定されてもよい。
【0076】
なお、プロセス700の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作730を省略して、プロセス700を実行して補正された第1の画像(例えば補正されたPET画像)を生成してもよい。
【0077】
図8は、本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス800の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス800の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス800は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス800は、プロセス500の一実施形態であってもよい。
【0078】
810において、取得モジュール410は、被験体の第1のスキャンに関連する被験体の第1の画像データを取得してもよい。第1のスキャンは、第1の種類のスキャンであってもよく、第1のスキャン持続時間を有してもよい。第1の画像データは、機能的データを含んでもよく、第1のスキャンは、被験体の機能的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1の画像は、第1の画像データに基づいて再構成されてもよい。
図5に関連して説明したように、第1の画像は、第2のスキャンのための線量計画を生成するために使用されてもよい。疾患診断に使用される画像と比較して、線量計画を生成するために使用される第1の画像は、(例えば、画像解像度、信号対雑音比、又は画像コントラストによって測定された)比較的低い画質を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像の画質は、第1のスキャンの第1のスキャン持続時間と関連してもよい。線量計画のために使用される第1の画像を提供するために、第1のスキャンは、診断のための通常の第1のスキャンよりも短い期間かかってもよい。いくつかの実施形態では、診断のための通常の第1のスキャンのスキャン持続時間は、被験体の身体的状態(例えば、年齢、体重)、スキャン装置110のハードウェア状態、スキャンに関連するパラメータ設定など、又はそれらの任意の組み合わせに関連してもよい。単に例として、第1のスキャンは、全身PETスキャンである。診断のための通常の第1のスキャンは45秒かかってもよく、第1のスキャンの第1のスキャン持続時間は15秒から30秒の範囲にあってもよい。
【0080】
820において、再構成モジュール420は、第1の画像データに基づいて被験体の第1の画像を再構成してもよい。830において、線量計画モジュール430は、第1の画像に基づいて第2のスキャンの線量計画を生成してもよい。第2のスキャンは、被験体の解剖学的データを取得するように構成された第2の種類のスキャンであってもよい。840において、取得モジュール410は、被験体の第2のスキャンに関連する被験体の第2の画像データを取得してもよい。第2のスキャンは、線量計画に従って実行されてもよい。動作820~840は、それぞれ動作520~540と同様の方法で実行されてもよく、それらの説明はここでは繰り返されない。
【0081】
850において、取得モジュール410は、被験体の第3のスキャンに関連する被験体の第3の画像データを取得してもよい。第3のスキャンは、第1のスキャンと同じ種類のスキャン、すなわち被験体の機能的データを取得するために使用される第1の種類のスキャンであってもよい。第3のスキャンの第2のスキャン持続時間は、第1のスキャン持続時間よりも長くてもよいため、第3の画像データは、診断のためにより高い品質の画像を生成するように再構成されてもよい。
【0082】
860において、再構成モジュール420は、第3の画像データに基づいて第3の画像を再構成してもよい。動作860は、動作820と同様の方法で実行されてもよく、その説明はここでは繰り返されない。
【0083】
870において、第4の画像は、第3の画像及び第2の画像データに基づいて生成されてもよい。いくつかの実施形態では、第4の画像は、補正された第3の画像又は融合画像であってもよい。動作550及び
図7に関連して説明したように、第3の画像及び第2の画像データに基づく第4の画像の生成は、第1の画像及び第2の画像データに基づくものと同様であってもよく、それらについての説明を繰り返さない。
【0084】
なお、プロセス800の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作870は省略されてもよい。
【0085】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス900の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス900の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス900は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス900は、プロセス500の一実施形態であってもよい。
【0086】
910において、被験体の第1の画像データを取得するために、スキャン装置110は、被験体に対して第1の種類のスキャンを実行してもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像データは、取得モジュール410によって取得されてもよい。第1の画像データは、被験体の機能的データを含んでもよく、第1の種類のスキャンは、被験体の機能的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。
【0087】
920において、再構成モジュール420は、第1のデータに基づいて第1の画像を再構成してもよい。第1の画像は、PET画像、SPECT画像、MRI画像、又は被験体の機能的データを含む任意の画像であってもよい。930において、線量計画モジュール430は、第1の画像に基づいて第2の種類のスキャンの線量計画を決定してもよい。第2の種類のスキャンは、被験体の解剖学的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。例えば、第2の種類のスキャンは、CTスキャンであってもよい。940において、被験体の第2の画像データを取得するために、スキャン装置110は、線量計画に従って被験体に対して第2の種類のスキャンを実行してもよい。いくつかの実施形態では、第2の画像データは、取得モジュール410によって取得されてもよい。第2の画像データは、被験体の解剖学的データを含んでもよい。例えば、第2の画像データは、CT画像データであってもよい。動作920~940は、それぞれ動作520~540と同様の方法で実行されてもよく、それらの説明はここでは繰り返されない。
【0088】
950において、再構成モジュール420は、第2の画像に基づいて第1の画像を補正してもよい。再構成モジュール420は、第2の画像データに基づいて第2の画像を再構成し、かつ第2の画像に基づいて第1の画像を補正してもよい。第2の画像の再構成及び第1の画像の補正に関するより詳細な説明は、本開示の他の箇所において見出される。例えば、
図7及びその関連する説明を参照する。
【0089】
960において、画像融合モジュール440は、補正された第1の画像を第2の画像と融合することによって、補正された第1の画像及び第2の画像に基づいて融合画像を生成してもよい。融合画像は、被験体の解剖学的データと減弱補正された機能的データの両方を含んでもよく、それによって疾患診断のためのより詳細な情報を提供することができる。
【0090】
なお、プロセス900の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作960は省略されてもよい。
【0091】
図10は、本開示のいくつかの実施形態に係る、画像を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス1000の少なくとも一部は、
図2に示すコンピューティングデバイス200又は
図3に示すモバイルデバイス300上で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス1000の1つ以上の動作は、
図1に示す撮像システム100において実装されてもよい。例えば、プロセス1000は、命令の形態で記憶装置150に記憶され、(コンピューティングデバイス200のプロセッサ210などに実装された)処理エンジン140によって呼び出されるか、及び/又は実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス1000は、プロセス800の一実施形態であってもよい。
【0092】
1010において、被験体の第1の画像データを取得するために、スキャン装置110は、被験体に対して第1の種類のスキャンを実行してもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像データは、取得モジュール410によって取得されてもよい。第1の画像データは、被験体の機能的データを含んでもよく、第1の種類のスキャンは、被験体の機能的データを収集するために使用することができる任意の種類のスキャンであってもよい。動作1010は、動作810と同様の方法で実行されてもよく、スキャン装置110は、診断のための通常の第1のスキャンよりも短いスキャン持続時間で被験体に対して第1の種類のスキャンを実行してもよい。
【0093】
1020において、再構成モジュール420は、第1のデータに基づいて第1の画像を再構成してもよい。1030において、線量計画モジュール430は、第1の画像に基づいて第2の種類のスキャンの線量計画を決定してもよい。1040において、スキャン装置110は、線量計画に従って被験体に対して第2の種類のスキャンを実行することによって被験体の第2の画像データを取得してもよい。動作1020~1040は、それぞれ動作920~940と同様の方法で実行されてもよく、それらの説明はここでは繰り返されない。
【0094】
1050では、被験体の第3の画像データを取得するために、スキャン装置110は、被験体に対して第1の種類のスキャンを再び実行してもよい。動作1010と比較して、診断に適した高品質の画像データを取得するために、スキャン装置110は、より長いスキャン持続時間にわたって被験体に対して第1の種類のスキャンを実行してもよい。動作1050は、動作850と同様の方法で実行されてもよく、その説明はここでは繰り返されない。
【0095】
1060において、再構成モジュール420は、第2の画像に基づいて第3の画像を補正してもよい。1070において、画像融合モジュール440は、補正された第3の画像と第2の画像とを融合することによって、補正された第3の画像及び第2の画像に基づいて融合画像を生成してもよい。動作1060と1070は、動作950と960と同様の方法で実行されてもよく、その説明はここでは繰り返されない。
【0096】
なお、プロセス1000の上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、動作1070は省略されてもよい。
【0097】
図11Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、PET画像のMIPにおける例示的なROIを示す。
図11Aに示すように、PET画像のMIPは、ROI1とROI2とを含む。ROI1及びROI2の両方は、MIP内の暗点によって示される1つ以上の病変(又は潜在的病変)を囲む。線量計画モジュール430は、MIP内のROI1及びROI2に基づいて線量計画を生成してもよい。例えば、線量計画は、ROI1及びROI2に対応する高線量と、ROI1及びROI2の外側の領域に対応する低線量とを含んでもよい。
【0098】
図11Bと11Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的な線量計画を示す。
図11Bは、線量計画Aを示し、
図11Cは、線量計画Bを示す。横軸は、Z軸(即ち、軸方向)を表し、縦座標は、放射線量を表す。線量計画A及び線量計画Bは、
図11Aに示されるROI1及びROI2に基づいて線量計画モジュール430によって決定されてもよい。ROI1とROI2は、動作620に関連して説明したように、2つの候補ROIと見なされてもよい。線量計画モジュール430は、ROI1に基づいて第1のROIを決定し、ROI2に基づいて第2のROIを決定してもよい。第1のROIは、その軸座標がROI内のボクセル(又はピクセル)の軸座標の範囲内にあるボクセル(又はピクセル)を含んでもよく、第2のROIは、その軸座標がROI2内のボクセル(又はピクセル)の軸座標の範囲内にあるボクセル(又はピクセル)を含んでもよい。線量計画は、第1のROI及び第2のROIに基づいて生成されてもよい。例えば、
図11Bに示すように、第1のROI及び第2のROIに対応する放射線量は、第1のROI及び第2のROIの外側の領域に対応する放射線量よりも高い。或いは、線量計画モジュール430はさらに、第1のROI及び第2のROIを囲む第3のROIを決定してもよい。線量計画は、第3のROIに基づいて生成されてもよい。例えば、
図11Cに示すように、第3のROIに対応する放射線量は、第3のROIの外側の領域に対応する放射線量よりも高い。
【0099】
なお、
図11A~
図11Cに示される例は、説明のみを目的とするものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本開示の教示下で複数の変形又は修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、線量計画モジュール430は、PET画像内の任意の数のROI又はPET画像のMIPを決定してもよい。別の例として、線量計画モジュール430は、ROI1及びROI2に基づいて線量計画A及び線量計画Bと異なる線量計画を決定してもよい。
【0100】
以上のように基本概念を説明してきたが、この詳細な開示を読んだ当業者には、上記の詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、限定的ではないことは明らかである。本明細書には明示的に述べられていないが、様々な変更、改良、及び修正が想起され、それらは当業者に意図される。これらの変更、改良及び修正は、本開示によって示唆されることが意図されており、本開示の例示的な実施形態の精神及び範囲内にある。
【0101】
さらに、所定の用語が、本開示の実施形態を説明するために使用されている。例えば、「一実施形態」、「実施形態」及び/又は「いくつかの実施形態」という用語は、この実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「実施形態」又は「一実施形態」又は「代替実施形態」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではないことを強調し、それを理解するものとする。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、本開示の1つ以上の実施形態において適切に組み合わせられてもよい。
【0102】
さらに、当業者には理解されるように、本開示の態様は、本明細書において、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製造、又は組成物、又はそれらの新規で有用な改善を含む、多くの特許性のある種類又は文脈のいずれかで例示及び説明されてもよい。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェア、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実装により実施されてもよく、実装は、本明細書では、一般に、「ユニット」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。さらに、本開示の態様は、具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を用いてもよい。
【0103】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドに、又は搬送波の一部として組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含んでもよい。このような伝搬信号は、電磁気、光学など、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のいずれかを用いてもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではないが、命令実行システム、機器若しくは装置によって使用されるか又は組み合わせて使用されるためのプログラムを通信、伝搬又は伝送できる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。
【0104】
本開示の態様の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB、NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2103、Perl、COBOL 2102、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にはユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)若しくはクラウドコンピューティング環境で行われるか、又はサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供されてもよい。
【0105】
さらに、処理要素もしくはシーケンス、又はそれに対する数、文字、もしくは他の名称の使用の、列挙された順序は、特許請求の範囲に特定され得るものを除き、請求された処理及び方法を任意の順序に限定することを意図するものではない。上記開示は、現在、本開示の様々な有用な実施形態であると現在考えられる様々な実施例を通して論じているが、そのような詳細は説明を目的としてなされていることに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、開示される実施形態に限定されず、むしろ、開示される実施形態の精神及び範囲内にある変形例及び等価な構成を包含するように意図されることが理解されるべきである。例えば、上述した様々な構成要素の実装は、ハードウェア装置で具体化され得るが、ソフトウェアのみの解決策として、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイス上にインストールとして実装されてもよい。
【0106】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明では、様々な本発明の実施形態の1つ又は複数の理解を助ける開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、又はその説明にまとめられることが理解されるべきである。しかしながら、該開示の方法は、請求された主題が各請求項に明確に記載されたより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の実施形態は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものである。
【0107】
いくつかの実施形態では、本出願の特定の実施形態を記載して主張するために用いられる量又は特性を表す数は、いくつかの実例では用語「約」、「おおよそ」又は「実質的」によって修正されると理解されるべきである。例えば、別途に規定されない限り、「約」、「おおよそ」又は「実質的」は、それらが記載する値の±20%変化量を表すことができる。したがって、いくつかの実施形態では、明細書又は添付した特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、特定の実施形態によって取得されると求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本出願のいくつか実施形態の広範囲を記載している数値の範囲又はパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、実行可能な限り正確に報告されるべきである。
【0108】
特許、特許出願、特許出願の出版物、及び本明細書で参照された記事、本、明細書、出版物、文書、物などの他の資料のそれぞれは、上記ファイルに関連した任意の起訴ファイル履歴、現在の文書と矛盾するか又は抵触する任意のファイル、又は本文書に関連した現在又はその後の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を及ぼすことができる任意のファイルを除いて、すべての目的のためにその全体が参照として本明細書に組み込まれる。一例として、本明細書に組み込まれる任意の材料に関連する用語の説明、定義及び/又は使用と本文書に関連する用語の記載、定義及び/又は使用との間に不一致又は矛盾がある場合、本文書における用語の説明、定義及び/又は使用が優先すべきである。
【0109】
最後に、本明細書に開示された本出願の実施形態は、本出願の実施形態の原理を例示するものであると理解されるべきである。採用される他の修正は、本出願の範囲内であってもよい。したがって、一例として、本出願の実施形態の代替的な構成は、本明細書の内容に応じて利用されてもよい。これにより、本願の実施形態は、図示及び説明されたものに厳密に限定されない。
【符号の説明】
【0110】
100 撮像システム
110 スキャン装置
111 ガントリ
112 検出器
113 検出領域
114 テーブル
115 放射性スキャン源
120 ネットワーク
130 端末
130-1 モバイルデバイス
130-2 タブレット型コンピュータ
130-3 ラップトップ型コンピュータ
140 処理エンジン
150 記憶装置
160 記憶装置
200 コンピューティングデバイス
210 プロセッサ
220 ストレージ
230 入出力(I/O)
240 通信ポート
300 モバイルデバイス
310 通信プラットフォーム
320 ディスプレイ
330 グラフィック処理ユニット(GPU)
340 中央処理装置(CPU)
360 メモリ
370 モバイルオペレーティングシステム
380 アプリケーション
390 ストレージ
410 取得モジュール
420 再構成モジュール
430 線量計画モジュール
440 画像融合モジュール