(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】液体レンズ、これを含む液体レンズモジュール、これを含むカメラモジュール、これを含む光学機器及び液体レンズの制御方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20220221BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220221BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220221BHJP
G02B 3/14 20060101ALI20220221BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20220221BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220221BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
G02B7/04 Z
G02B7/02 F
G02B7/02 Z
G03B5/00 J
G02B3/14
G02B13/00
H04N5/225 400
H04N5/225 700
H04N5/225 430
H04N5/232 480
(21)【出願番号】P 2019560618
(86)(22)【出願日】2018-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2018001086
(87)【国際公開番号】W WO2018139859
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2017-0011346
(32)【優先日】2017-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0047064
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ヒュンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヨンソプ
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262246(JP,A)
【文献】特開2007-121846(JP,A)
【文献】特開2005-062632(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0166426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
G03B 5/00
G02B 3/14
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレート、
前記第1プレート上に配置される第1電極、
前記第1プレートの下に配置される第2電極、
前記第1電極上に配置される第2プレート、及び
前記第2電極の下に配置される第3プレートを含む液体レンズと、
前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、
前記センサー基板上に配置され、前記第1電極及び前記第2電極に印加される電圧を制御する制御部と、
前記第1電極又は前記第2電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部と、
前記連結部に配置される温度センサーとを含み、
前記レンズホルダーは前記温度センサーが配置される溝を含
み、
前記連結部は、
前記液体レンズに連結される第1端子部と、
前記センサー基板に連結される第2端子部とを含み、
前記第2端子部は、前記液体レンズに電気的に連結される電圧供給端子及び前記温度センサーに電気的に連結される第1センサー端子を含み、
前記センサー基板は、前記電圧供給端子に連結される第2センサー端子及び前記温度センサーに連結される第3センサー端子を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記液体レンズは、前記伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるレンズ領域と前記レンズ領域を取り囲むリブ領域とを含み、
前記温度センサーは前記リブ領域の上部又は下部に配置される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第2電極は複数の個別電極を含み、
前記連結部は、
前記複数の個別電極のそれぞれに電圧を伝達するための第1フレキシブルプリント回路基板と、
前記第1電極をグラウンド電圧に連結するための第2フレキシブルプリント回路基板とを含み、
前記第1フレキシブルプリント回路基板と前記第2フレキシブルプリント回路基板は前記レンズ領域の両側に位置する、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記連結部は前記温度センサーから出力された前記液体レンズの温度変化を前記制御部に伝達し、前記温度センサーを駆動させる駆動電圧及び前記温度センサーを活性化させる活性化信号を前記温度センサーに伝達する、請求項
3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記温度センサーは前記液体レンズの温度変化を12ビットデジタル信号として出力する、請求項1~
4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第2電極は複数の個別電極を含み、
前記制御部は、オプティカルイメージスタビライゼーション(OIS)のための補償のために、前記複数の個別電極に印加される電圧を前記複数の個別電極ごとに違って決定することができる、請求項1~
5のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記カメラモジュールの動きを感知し、前記動きに対応する感知信号を出力するジャイロ(Gyro)センサーをさらに含み、
前記制御部は前記感知信号と前記液体レンズの温度変化に対応して前記第1及び第2電極に印加される電圧のレベルを決定する、請求項1~
6のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記液体レンズの温度変化によるジオプター(dioptre、diopter)の変化量を記憶する記憶部をさらに含み、
前記制御部は前記記憶部に記憶されたデータによって前記液体レンズの温度変化に対応する前記ジオプター(dioptre、diopter)の変化量を認知する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
2種の液体が形成する界面を調整するために1個の共通電極及び4個の個別電極を含む液体レンズを含むカメラモジュールであって、
前記液体レンズの温度変化を感知する段階と、
前記温度変化に対応するジオプター(dioptre、diopter)の変化量を決定する段階と、
前記ジオプターの変化量に対応して前記4個の個別電極に供給される電圧を調整する段階とを含む、液体レンズの制御方法。
【請求項10】
液体レンズと、
前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、
前記センサー基板上に配置され、共通電極及び複数の個別電極に印加される電圧を制御する制御部と、
前記複数の個別電極又は前記共通電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部とを含み、
前記液体レンズは、
伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレートと、
前記第1プレート上に配置される前記共通電極と、
前記第1プレートの下に配置される前記複数の個別電極と、
前記共通電極上に配置される第2プレートと、
前記複数の個別電極の下に配置される第3プレートとを含み、
前記制御部は前記液体レンズの前記共通電極の抵抗変化を感知して前記共通電極と前記複数の個別電極の間に供給される駆動電圧を制御する、カメラモジュール。
【請求項11】
前記連結部は、前記共通電極と電気的に連結される少なくとも二つの端子を含み、
前記少なくとも二つの端子の一つは前記共通電極との複数のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は前記共通電極との少なくとも一つのコンタク
ト領域を有し、
前記共通電極の抵抗変化が前記少なくとも二つの端子を介して感知される、請求項
10に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記制御部は、前記液体レンズの温度が常温から特定の温度だけ上がったとき、前記駆動電圧を減少させる、請求項
10又は
11に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記制御部は、
前記駆動電圧が前記共通電極に印加されないようにした状態で、前記共通電極の前記抵抗変化を測定して前記共通電極の抵抗変化を感知する、請求項
11又は
12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記抵抗変化は0より大きくて10より小さいマイクロオーム(μΩ)又は0より大きくて10より小さいミリオーム(mΩ)の範囲で発生し、前記抵抗変化を感知するための電圧は3~5V以下のレベルを有する、請求項
12又は
13に記載のカメラモジュール。
【請求項15】
前記一つの端子は、前記共通電極との3個のコンタク
ト領域を有し、
前記他の一つの端子は前記共通電極との1個のコンタク
ト領域を有する、請求項
11~
14のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項16】
前記共通電極は、前記他の一つの端子の前記1個のコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含み、
前記スリットパターンは、前記一つの端子の前記複数のコンタクト領域の一つのコンタクト領域に隣接して配置される、請求項
11~
14のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項17】
共通電極及び複数の個別電極を含む液体レンズと、
前記共通電極との複数のコンタクト領域を形成する第1端子と、
前記共通電極との1個のコンタクト領域を形成する第2端子とを含み、
前記共通電極は、前記第2端子とコンタクトする前記1個のコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含む、液体レンズモジュール。
【請求項18】
前記共通電極は、前記複数のコンタクト領域の二つのコンタクト領域に隣接して配置されるスリット(溝)パターンを含む、請求項
17に記載の液体レンズモジュール。
【請求項19】
液体レンズと、
前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、
前記センサー基板上に配置され、第1電力及び第2電極に印加される電圧を制御する制御部と、
前記第1電極又は第2電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部と、
前記液体レンズに配置される温度センサーとを含み、
前記液体レンズは、
伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレートと、
前記第1プレート上に配置される前記第1電極と、
前記第1プレートの下に配置される前記第2電極と、
前記第1電極上に配置される第2プレートと、
前記第2電極の下に配置される第3プレートとを含み、
前記液体レンズは、前記伝導性液体及び前記非伝導性液体が配置されるレンズ領域及び前記レンズ領域を取り囲むリブ領域を含み、
前記温度センサーは前記リブ領域に配置され
、
前記連結部は、
前記液体レンズに連結される第1端子部と、
前記センサー基板に連結される第2端子部とを含み、
前記第2端子部は、前記液体レンズに電気的に連結される電圧供給端子及び前記温度センサーに電気的に連結される第1センサー端子を含み、
前記センサー基板は、前記電圧供給端子に連結される第2センサー端子及び前記温度センサーに連結される第3センサー端子を含む、光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体レンズ、これを含む液体レンズモジュール、これを含むカメラモジュール、これを含む光学機器及び液体レンズの制御方法に関する。より具体的に、本発明は電気エネルギーを用いて焦点距離を調整することができる液体レンズ及びこれを含むカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用装置の使用者は、高解像度を有しながらも大きさが小さくて多様な撮影機能(光学ズーム機能(zoom-in/zoom-out)、オートフォーカシング(Auto-Focusing、AF)機能、手ぶれ補正又はオプティカルイメージスタビライゼーション(Optical Image Stabilizer、OIS)機能など)を有する光学機器を望んでいる。このような撮影機能は複数のレンズを組み合わせて直接レンズを動かす方法によって具現することができるが、レンズの数を増加させる場合、光学機器の大きさが大きくなることがある。オートフォーカスと手ぶれ補正の機能は、レンズホルダーに固定されて光軸が整列された複数のレンズモジュールが、光軸方向又は光軸の直角方向に移動するかチルティング(Tilting)することによってなされ、レンズモジュールを駆動させるために別途のレンズ駆動装置を使う。しかし、レンズ駆動装置は電力消耗が高く、これを保護するために、カメラモジュールとは別にカバーガラスを付け加えなければならないから、総厚さが厚くなる。したがって、両液体間の界面の曲率を電気的に調節してオートフォーカスと手ぶれ補正の機能を行う液体レンズに対する研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は電気エネルギーによって2種の液体の間に位置する界面の位置を調整することができるレンズを含むカメラモジュールにおいてレンズに含まれた2種の液体をハウジングすることができる構造物の温度によって発生する界面の変形によるジオプター(dioptre、diopter)の変化を補償することができるレンズの駆動回路及びレンズ制御方法を提供することができる。
【0004】
また、本発明は供給電圧によってレンズに含まれた2種の液体が形成する界面の曲率及び偏りの程度などが調整される液体レンズが温度変化による熱膨張率によってレンズの解像力(resolution)の低くなる点を克服することができる液体レンズを含むレンズアセンブリー及びカメラモジュールを提供することができる。
【0005】
また、本発明は液体レンズの2種の液体が含まれた中空に隣接した領域に温度センサーを含む液体レンズ及び液体レンズを含むレンズアセンブリー及びカメラモジュールを提供することができる。
【0006】
また、本発明は液体レンズの2種の液体の温度変化を感知し、温度によるジオプターの変化を補償することができる電極の構造を含む液体レンズ及び液体レンズを含むレンズアセンブリー及びカメラモジュールを提供することができる。
【0007】
また、本発明はカメラモジュールの液体レンズ又は液体レンズを含むレンズアセンブリーからフィードバックされる温度変化によって補償しなければならないジオプター(dioptre、diopter)の変化に対応することができる駆動電圧を出力する制御回路又は駆動回路を提供することができる。
【0008】
また、本発明はカメラモジュールの液体レンズの内部に含まれた液体の温度変化を直接感知することができる電極の構造に対応して温度変化によって補償しなければならないジオプター(dioptre、diopter)の変化をより正確に認知することができる駆動電圧を出力することができるカメラモジュールを提供することができる。
【0009】
本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及しなかった他の技術的課題は下記の記載から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例によるカメラモジュールは、伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレート、前記第1プレート上に配置される共通電極、前記第1プレートの下に配置される個別電極、前記第1電極上に配置される第2プレート、及び前記第2電極の下に配置される第3プレートを含む液体レンズと、前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、前記センサー基板上に配置され、前記共通電極及び個別電極に印加される電圧を制御する制御部と、前記個別電極又は共通電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部と、前記連結部に配置される温度センサーとを含み、前記レンズホルダーは前記温度センサーが配置される溝を含むことができる。
【0011】
また、前記液体レンズは、前記伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるレンズ領域と前記レンズ領域を取り囲むリブ領域とを含み、前記温度センサーは前記リブ領域の上部又は下部に配置されることができる。
【0012】
また、前記連結部は、前記液体レンズに連結される第1端子部と、前記センサー基板に連結される第2端子部とを含み、前記第2端子部は、前記液体レンズに電気的に連結される電圧供給端子及び前記温度センサーに電気的に連結されるセンサー端子を含み、前記センサー基板は、前記電圧供給端子に連結される第1センサー端子及び前記温度センサーに連結される第2センサー端子を含むことができる。
【0013】
また、前記連結部は、前記複数の個別電極のそれぞれに駆動電圧を伝達するための第1フレキシブルプリント回路基板と、前記共通電極をグラウンド電圧に連結するための第2フレキシブルプリント回路基板とを含み、前記第1フレキシブルプリント回路基板と前記第2フレキシブルプリント回路基板は前記レンズ領域の両側に位置することができる。
【0014】
また、前記連結部は前記温度センサーから出力された前記温度変化を伝達し、前記温度センサーの駆動電圧及び活性化信号を伝達することができる。
【0015】
また、前記温度センサーは前記温度変化を12ビットデジタル信号として出力することができる。
【0016】
また、前記制御部は、オプティカルイメージスタビライゼーション(OIS)のための補償のために、前記駆動電圧を前記複数の個別電極ごとに違って決定することができる。
【0017】
また、カメラモジュールは、前記カメラモジュールの動きを感知し、前記動きに対応する感知信号を出力するジャイロ(Gyro)センサーをさらに含み、前記制御部は前記感知信号と前記温度変化に対応して前記駆動電圧のレベルを決定することができる。
【0018】
また、カメラモジュールは、前記温度変化によるジオプター(dioptre、diopter)の変化量を記憶する記憶部をさらに含み、前記制御部は前記記憶部から前記温度変化に対応する前記ジオプター(dioptre、diopter)の変化量を認知することができる。
【0019】
本発明の他の実施例による液体レンズの制御方法は、2種の液体が形成する界面を調整するために1個の共通電極及び4個の個別電極を含む液体レンズを含むカメラモジュールであって、前記液体レンズの温度変化を感知する段階と、前記温度変化に対応するジオプター(dioptre、diopter)の変化量を決定する段階と、前記ジオプターの変化量に対応して前記4個の個別電極に供給される駆動電圧を調整する段階とを含むことができる。
【0020】
本発明の他の実施例による光学機器は、ハウジングと、前記ハウジングに配置され、映像を出力することができるディスプレイ部と、前記ハウジングに配置され、映像を撮像することができるカメラモジュールとを含み、前記カメラモジュールは、伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレート、前記第1プレート上に配置される共通電極、前記第1プレートの下に配置される個別電極、前記第1電極上に配置される第2プレート及び前記第2電極の下に配置される第3プレートを含む液体レンズと、前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、前記センサー基板上に配置され、前記共通電極及び個別電極に印加される電圧を制御する制御部と、前記個別電極又は共通電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部と、前記連結部に配置される温度センサーとを含み、前記レンズホルダーは前記温度センサーが配置される溝を含むことができる。
【0021】
本発明の他の実施例によるカメラモジュールは、伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレート、前記第1プレート上に配置される共通電極、前記第1プレートの下に配置される個別電極、前記共通電極上に配置される第2プレート及び前記個別電極の下に配置される第3プレートを含む液体レンズと、前記液体レンズ及び固体レンズを収容するレンズホルダーと、前記レンズホルダーの下に配置され、イメージセンサーが配置されるセンサー基板と、前記センサー基板上に配置され、前記共通電極及び複数の個別電極に印加される電圧を制御する制御部と、前記個別電極又は共通電極と前記センサー基板を電気的に連結する連結部とを含み、前記制御部は前記液体レンズの前記共通電極の抵抗変化を感知し、前記共通電極と複数の個別電極の間に供給される駆動電圧を制御することができる。
【0022】
また、前記連結部は前記共通電極に電気的に連結される少なくとも二つの端子を含み、前記少なくとも二つの端子の一つは前記共通電極との複数のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は前記共通電極との少なくとも1個のコンタクト領域を有し、前記共通電極の抵抗変化は前記少なくとも二つの端子を介して感知することができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記液体レンズの温度が常温から特定の温度だけ上がったとき、前記駆動電圧を減少させることができる。
【0024】
また、前記共通電極の抵抗変化の感知は、前記駆動電圧が前記共通電極に印加されないようにした状態で、前記共通電極の抵抗変化を測定することができる。
【0025】
また、前記抵抗変化は0より大きくて10より小さいマイクロオーム(μΩ)又は0より大きくて10より小さいミリオーム(mΩ)の範囲で発生し、前記抵抗変化を感知するための電圧は3~5V以下のレベルであってもよい。
【0026】
また、前記一つの端子は前記共通電極との3個のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は前記共通電極との1個のコンタクト領域を有することができる。
【0027】
また、前記共通電極は前記他の一つの端子の前記1個のコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含み、前記スリットパターンは前記一つの端子の前記複数のコンタクト領域の1個のコンタクト領域に隣接して配置できる。
【0028】
本発明の他の実施例による液体レンズは、共通電極及び複数の個別電極を含む液体レンズであって、前記共通電極上には、前記共通電極との複数のコンタクト領域を形成する第1端子と、前記共通電極との1個のコンタクト領域を形成する第2端子とを含み、前記共通電極は、前記第2端子とコンタクトする前記1個のコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含むことができる。
【0029】
また、前記共通電極は、前記複数のコンタクト領域の二つのコンタクト領域に隣接して配置されるスリット(溝)パターンを含むことができる。
【0030】
前記本発明の様態は本発明の好適な実施例の一部に過ぎず、本発明の技術的特徴が反映された多様な実施例が当該技術分野の通常的な知識を有する者によって以下で詳述する本発明の詳細な説明に基づいて導出されて理解されることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による装置による効果について説明すれば次のようである。
【0032】
本発明はカメラモジュール内の液体レンズの温度変化を感知することができる別途の温度センサーを備えなくても、液体レンズの温度変化によるジオプター変化を補償することができる制御回路及び制御方法を提供することができる。
【0033】
また、本発明は相異なる2種の液体が形成した界面によって焦点距離を調整することができる液体レンズにおいて温度によって変形可能な界面の曲率と形状を補償して液体レンズを含む複数のレンズから構成されたレンズアセンブリーにおいて温度による歪み係数を減らすことができ、歪み補正(distortion correction)に対する負担を減らすことができるカメラモジュールを提供することができる。
【0034】
また、本発明は液体レンズを含む複数のレンズから構成されたレンズアセンブリーにおいて温度による歪み係数を減らすことができるので、カメラモジュールの自動焦点(Auto Focus、AF)及びオプティカルイメージスタビライゼーション(Optical Image Stabilizer、OIS)の性能を向上させることができる。
【0035】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は以下の記載から本発明が属する分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】液体レンズを含むレンズアセンブリーを説明する。
【
図5a】温度変化によって液体レンズにおいてジオプター(dioptre、diopter)が変わる理由を説明する。
【
図5b】温度変化によって液体レンズにおいてジオプター(dioptre、diopter)が変わる理由を説明する。
【
図6a】温度変化による液体レンズのジオプター(dioptre、diopter)変化量を説明する。
【
図6b】温度変化による液体レンズのジオプター(dioptre、diopter)変化量を説明する。
【
図7a】温度変化による液体レンズの空間周波数応答の変化を測定する方法を説明する。
【
図7b】温度変化による液体レンズの空間周波数応答の変化を測定する方法を説明する。
【
図8a】温度変化による液体レンズの空間周波数応答の変化を説明する。
【
図8b】温度変化による液体レンズの空間周波数応答の変化を説明する。
【
図9】温度変化による液体レンズの補償値決定を説明する。
【
図10】温度変化によるジオプターの変化を補償するカメラモジュールを説明する。
【
図12】液体レンズに配置された温度センサーの第1例を説明する。
【
図13】
図12で説明した温度センサーと連動する制御回路を説明する。
【
図15a】液体レンズ内の温度を測定するカメラモジュール内の温度センサーの第2例を説明する。
【
図15b】液体レンズ内の温度を測定するカメラモジュール内の温度センサーの第2例を説明する。
【
図15c】液体レンズ内の温度を測定するカメラモジュール内の温度センサーの第2例を説明する。
【
図16a】液体レンズモジュールの第1例を説明する。
【
図16b】液体レンズモジュールの第1例を説明する。
【
図16c】液体レンズモジュールの第1例を説明する。
【
図17a】液体レンズモジュールの第2例を説明する。
【
図17b】液体レンズモジュールの第2例を説明する。
【
図17c】液体レンズモジュールの第2例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳細に説明する。実施例は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示し本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、実施例の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものに理解されなければならない。
【0038】
“第1”、“第2”などの用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。また、実施例の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は実施例を説明するためのものであるだけ、実施例の範囲を限定するものではない。
【0039】
実施例の説明において、各要素(element)の“上又は下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上又は下(on or under)は二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するかあるいは一つ以上の他の要素(element)が前記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものを全て含む。また“上又は下(on or under)”と表現される場合、1個の要素(element)を基準に上方だけでなく下方の意味も含むことができる。
【0040】
また、以下に使われる“上/上部/上の”及び“下/下部/下の”などの関係的用語は、そのような実体又は要素間のある物理的又は論理的関係又は手順を必ず要求するか内包しなく、ある1個の実体又は要素を他の実体又は要素と区別するために用いることもできる。
【0041】
図1はカメラ装置
(又はカメラモジュール)の例を説明する。
【0042】
図示のように、カメラモジュールは、レンズアセンブリー22及びイメージセンサー26を含むことができる。レンズアセンブリー22は印加される電圧に対応して焦点距離が調整される液体レンズを含むことができる。カメラモジュールは、共通端子と複数の個別端子の間に印加される駆動電圧に対応して焦点距離が調整される第1レンズを含めた複数のレンズを含むレンズアセンブリー22、第1レンズに駆動電圧を供給するための制御回路24、及びレンズアセンブリー22に整列され、レンズアセンブリー22を介して伝達される光を電気信号に変換するイメージセンサー26を含むことができる。
【0043】
図1を参照すると、カメラモジュールは、単一プリント基板(PCB)上に形成された複数の回路24、26と複数のレンズを含むレンズアセンブリー22を含むことができるが、これは一例に過ぎないだけ、発明の範囲を限定しない。制御回路24の構成はカメラモジュールに要求される仕様によって違うように設計されることができる。特に、液体レンズアセンブリー28に印加される電圧の大きさを減らす場合、制御回路24は単一チップ(single chip)から具現することができる。これにより、携帯用装置に搭載されるカメラモジュールの大きさをもっと減らすことができる。
図2はカメラモジュールに含まれたレンズアセンブリー22の例を説明する。
【0044】
図2を参照すると、図示のように、レンズアセンブリー22は、第1レンズ部100、第2レンズ部200、液体レンズ部300、レンズホルダー400及び連結部500を含むことができる。連結部500はイメージセンサーと液体レンズを電気的に連結し、後述する基板、ワイヤ又は電線などを含むことができる。図示のレンズアセンブリー22の構造は一例に過ぎず、カメラモジュールに要求される仕様によってレンズアセンブリー22の構造は変わることができる。例えば、図示の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100と第2レンズ部100の間に位置しているが、他の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100より上部(前面)に位置することもでき、第1レンズ部100又は第2レンズ部200の一つは省略されることもできる。制御回路24の構成はカメラ
モジュールに要求される仕様によって違って設計できる。特に、レンズアセンブリー22に印加される動作電圧の大きさを減らす場合、制御回路24は単一チップ(single chip)で具現することができる。これにより、携帯用装置に搭載されるカメラ装置の大きさをもっと減らすことができる。
【0046】
図示のように、レンズアセンブリー22は、第1レンズ部100、第2レンズ部200、液体レンズ部300、レンズホルダー400及び連結部500を含むことができる。連結部500はイメージセンサーと液体レンズを電気的に連結し、後述する基板、ワイヤ又は電線などを含むことができる。図示のレンズアセンブリー22の構造は一例に過ぎず、カメラモジュールに要求される仕様によってレンズアセンブリー22の構造は変わることができる。例えば、図示の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100と第2レンズ部200の間に位置しているが、他の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100より上部(前面)に位置することもでき、第1レンズ部100又は第2レンズ部200の一つは省略されることもできる。
【0047】
図2を参照すると、第1レンズ部100はレンズアセンブリー22の前方に配置され、レンズアセンブリーの外部から光が入射する部位である。第1レンズ部100は少なくとも1個のレンズから備えられることができ、あるいは2個以上の複数のレンズが中心軸PLを基準に整列されて光学系を形成することもできる。
【0048】
第1レンズ部100及び第2レンズ部200はレンズホルダー400に装着されることができる。ここで、レンズホルダー400には貫通孔が形成され、貫通孔に第1レンズ部100及び第2レンズ部200が配置できる。また、レンズホルダー400に配置される第1レンズ部100と第2レンズ部200間の空間には液体レンズ部300が挿入されることができる。
【0049】
一方、第1レンズ部100は固体レンズ110を含むことができる。固体レンズ110はレンズホルダー400の外部に突出して外部に露出されることができる。固体レンズが露出される場合、外部に露出されることによってレンズの表面が損傷することができる。仮に、レンズ表面が損傷する場合、カメラモジュールで撮影されるイメージの画質が低下することがある。固体レンズ110の表面損傷を防止又は抑制するために、カバーガラスを配置させるかコーティング層を形成するか固体レンズ110を表面損傷を防止するための耐磨耗性素材から構成する方法などを適用することができる。
【0050】
第2レンズ部200は第1レンズ部100及び液体レンズ部300の後方に配置され、外部から第1レンズ部100に入射する光は液体レンズ部300を透過して第2レンズ部200に入射することができる。第2レンズ部200は第1レンズ部100から離隔してレンズホルダー400に形成される貫通孔に配置できる。
【0051】
一方、第2レンズ部200は少なくとも1個のレンズで備えられることができ、2個以上の複数のレンズを含む場合、中心軸PLを基準に整列されて光学系を形成することもできる。
【0052】
液体レンズ部300は第1レンズ部100と第2レンズ部200の間に配置され、ホルダー400の挿入口410に挿入されることができる。挿入口410はホルダーの側面の一部領域が開放して形成されることができる。すなわち、液体レンズはホルダーの側面の挿入口410を通して挿入されて配置されることができる。液体レンズ部300も第1レンズ部100及び第2レンズ部2000と同様に中心軸PLを基準に整列されることができる。
【0053】
液体レンズ部300にはレンズ領域310を含むことができる。レンズ領域310は第1レンズ部100を通過した光が透過する部位であり、少なくとも一部に液体を含むことができる。例えば、レンズ領域310には2種、すなわち導電性液体と非導電性液体がともに含まれることができ、導電性液体と非導電性液体は互いに混じらずに境界面を成すことができる。連結部500を介して印加される駆動電圧によって導電性液体と非導電性液体間の境界面が変形されて液体レンズ300の界面の曲率又は液体レンズの焦点距離が変更されることができる。このような境界面の変形、曲率の変更が制御されれば、液体レンズ部300とこれを含むカメラモジュールはオートフォーカシング機能、手ぶれ補正機能などを遂行することができる。
【0054】
図3は駆動電圧に対応して焦点距離が調整される液体レンズを説明する。具体的に、
図3aはレンズアセンブリー22(
図2参照)に含まれた第1レンズ28を説明し、
図3bはレンズ28の等価回路を説明する。
【0055】
まず
図3aを参照すると、駆動電圧に対応して焦点距離が調整されるレンズ28は、同じ角距離を有し、4個の相異なる方向に配置された個別端子L1、L2、L3、L4を介して電圧を印加されることができる。個別端子は液体レンズの中心軸を基準に同じ角距離で配置されることができ、4個の個別端子を含むことができる。4個の個別端子は液体レンズの4個のコーナーにそれぞれ配置できる。個別端子L1、L2、L3、L4を介して電圧が印加されれば、印加された電圧は後述する共通端子C0に印加される電圧との相互作用によって形成される駆動電圧によってレンズ領域310に配置された導電性液体と非導電性液体の境界面が変形できる。
【0056】
また、
図3bを参照すると、レンズ28の一側は相異なる個別端子L1、L2、L3、L4から動作電圧が印加され、他側は共通端子C0に連結された複数のキャパシター30と説明することができる。ここで、等価回路に含まれた複数のキャパシター30は約数十~200ピコファラット(pF)以下の小さなキャパシタンスを有することができる。液体レンズの上述した液体レンズの端子はこの明細書で電極セクター又はサブ電極と呼ばれることもできる。
【0057】
【0058】
図示のように、液体レンズ28は、液体、第1プレート及び電極を含むことができる。液体レンズ28に含まれる液体122、124は伝導性液体及び非伝導性液体を含むことができる。第1プレートは伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティ(cavity)150又はホールを含むことができる。キャビティ150は傾斜面を含むことができる。電極132、134は第1プレート114上に配置でき、第1プレート114の上部又は第1プレート114の下部に配置できる。液体レンズ28は、電極132、134の上部(下部)に配置可能な第2プレート112をさらに含むことができる。また、液体レンズ28は、電極132、134の下部(上部)に配置可能な第3プレート116をさらに含むことができる。図示のように、液体レンズ28の一実施例は相異なる2種の液体122、124が形成する界面130を含むことができる。また、液体レンズ28に電圧を供給する少なくとも1個の基板142、144を含むことができる。液体レンズ28の角部(コーナー)は液体レンズ28の中心部より厚さが薄くなることができる。液体レンズの上面に第2プレートが配置され、液体レンズの下面に第3プレートが配置されることができるが、液体レンズのコーナーの上面又は下面の一部には第2プレート又は第3プレートが配置されないから、液体レンズのコーナーの厚さが中心部より薄くなることができる。液体レンズのコーナーの上面又は下面には電極が露出されることができる。
【0059】
液体レンズ28は相異なる2種の液体、例えば伝導性液体122と非伝導性液体124を含み、2種の液体が形成する界面130の曲率や形状は液体レンズ28に供給される駆動電圧によって調整可能である。液体レンズ28に供給される駆動電圧は連結部500を介して伝達されることができる。連結部は第1基板142及び第2基板144の少なくとも一つを含むことができる。連結部が第1基板142及び第2基板144を含む場合、第2基板144は複数の個別端子のそれぞれに電圧を伝達することができ、第1基板142は共通端子に電圧を伝達することができる。複数の個別端子は4個であってもよく、第2基板144は4個の個別端子のそれぞれに電圧を伝達することができる。第2基板144と第1基板142を介して供給される電圧は液体レンズ28の各角部に配置又は露出される複数の電極134、132に印加できる。連結部は共通電極に電気的に連結される少なくとも二つの端子を含み、少なくとも二つの端子の一つは共通電極との複数のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は共通電極との少なくとも1個のコンタクト領域を有し、共通電極の抵抗変化は前記少なくとも二つの端子を介して感知することができる。
【0060】
一つの端子は共通電極との3個のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は共通電極との1個のコンタクト領域を有することができる。
【0061】
また、液体レンズ28は、透明な素材を含む第3プレート116及び第2プレート112、第3プレート116及び第2プレート112の間に位置し、既設定の傾斜面を有する開口領域を含む第1プレート114を含むことができる。
【0062】
また、液体レンズ28は、第3プレート116、第2プレート112及び第1プレート114の開口領域によって決定されるキャビティ150を含むことができる。ここで、キャビティ150は互いに異なる性質(例えば、伝導性液体及び非伝導性液体)の2種の液体122、124が充填されることができ、互いに異なる性質の2種の液体122、124の間には界面130が形成されることができる。
【0063】
また、液体レンズ28に含まれる2種の液体122、124の少なくとも一つは伝導性を有し、液体レンズ28は第1プレート114の上部及び下部に配置される二つの電極132、134を含むことができる。第1プレート114は傾斜面を含み、傾斜面に配置される絶縁層118をさらに含むことができる。伝導性を有する液体は絶縁層に接触することができる。ここで、絶縁層118は二つの電極132、134の1個の電極(例えば、第2電極134)を覆い、他の1個の電極(例えば、第1電極132)の一部を覆うかあるいは露出させることにより、伝導性液体(例えば、122)に電気エネルギーが印加されるようにすることができる。ここで、第1電極132は少なくとも一つ以上の電極セクター(例えば、C0)を含み、第2電極134は二つ以上の電極セクター(例えば、
図4のL1、L2、L3、L4)を含むことができる。例えば、第2電極134は光軸を中心に時計方向に順次配置される複数の電極セクターを含むことができる。電極セクターはサブ電極又は液体レンズの端子と呼ばれることができる。
【0064】
液体レンズ28に含まれた二つの電極132、134に電圧を伝達するための一つ又は二つ以上の基板142、144が連結できる。駆動電圧に対応して液体レンズ28内に形成される界面130の曲率、屈曲又は傾斜度などが変わって液体レンズ28の焦点距離が調整できる。
【0065】
図5a及び
図5bは温度変化によって液体レンズにおいてジオプター(dioptre、diopter)が変わる理由を説明する。具体的に、
図5aは常温での液体レンズを説明し、
図5bは高温での液体レンズを説明する。
【0066】
前述したように、第1層12、中問層14及び第2層16によって決定されるキャビティには互いに異なる性質の2種の液体が充填されている。中問層14は第1プレートと、第1層12は第2プレートと、そして第2層16は第3プレートと呼ぶことができる。中問層14は伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティを含むことができる。液体レンズに充填される液体は温度が高まると膨張する性質を有する(例えば、熱膨張、thermal expansion)。
【0067】
キャビティに充填される2種の液体は電解質(又は伝導性)液体と非電解質(又は非伝導性)液体を含むことができる。液体の熱膨張は固体より大きくてもよい。物質の温度が高くなれば分子の運動が活発になって分子と分子間の間隔が大きくなり、これによって体積が増加することができる。特に、液体を構成する分子が固体を構成する分子より自由に動けるから、温度が変わる程度が同一である場合、液体が固体より熱膨張程度が大きくなることができる。液体レンズに使われる電解質(伝導性)液体に代表的な例として水(H
2
O)を挙げることができる。水の場合、4℃以上では温度が上がれば体積が膨張するが、4℃以下では温度が上がれば体積が減る特徴を持っている。水の熱膨張係数は約1.8(単位:10-5/℃)程度であると知られている。
【0068】
図5aを参照すると、常温でキャビティに充填された2種の液体の体積変化がなければ、第1層12を通して入射した光はキャビティ内の2種の液体が形成する界面30による屈折に影響されて第2層16を通過することができる。この場合、液体レンズに電気エネルギーを印加して界面30の曲率を変更する方法で液体レンズを所望の方向に制御することができる。
【0069】
図5bを参照すると、高温でキャビティに充填された2種の液体の体積変化によって第1層12又は第2層16のふくれ上がる形状が発生することがある。第1層
12の中心部と周辺領域は中問層14と接着されていないだけでなく中心部の厚さが薄いから、温度変化によって体積が大きくなる2種の液体に対応して第1層12がしなることができる。例えば、第1層12は約20mmまでふくれ上がることができる。このとき、ジオプター(dioptre、diopter)の変化量は約4.7であり得る。
【0070】
一方、温度変化にも第1層12と第2層16の厚さと液体と接触する面積によって第2層16が第1層12より相対的に少なくふくれ上がるかふくれ上がらないことがある。
【0071】
複数の電極パターンが配置された中問層14を第2層16上に固定した後、絶縁層(図示せず)を形成することにより、複数の電極パターンがキャビティに露出されることを防止することができる。例えば、絶縁層で二つの電極パターンの一つを覆い、他の一つのみを露出させることによってのみキャビティ内に充填された2種の液体の性質が変化することを防止することができるからである。中問層14と第2層16上に形成される絶縁層によって両液体が温度変化に対応して熱膨張しても第2層16が第1層12に比べて相対的にふくれ上がらず、強度の低い第1層12が第2層16に比べて相対的にふくれ上がることができる。
【0072】
第1層12がふくれ上がれば、第1層12を通して入射する光は、電気エネルギーによって曲率が制御される界面30とは別に、第1層12で発生した屈曲率によって屈折されることができる。この場合、第1層12で発生する曲率は液体レンズの設計に反映されていないこともあり、両液体の温度変化による熱膨張率を正確に知っていると言っても第1層12の曲率は均一に発生しない可能性がある。例えば、第1層12と中問層14の接着強度によって強度が最も低い部位からふくれ上がることができる。前述したように、均一に維持されない第1層12によって温度変化によって液体レンズのジオプター変化が発生することがあり、このようなジオプター変化を正確に予想することが難しいことがある。
【0073】
図6a及び
図6bは温度変化による液体レンズのジオプター(dioptre、diopter)
の変化量を説明する。具体的に、
図6a及び
図6bは相異なる動作環境又は動作目的によって既設定の焦点距離を有する液体レンズにおいて温度変化によってジオプターが変化することを追跡した結果である。
【0074】
図6a及び
図6bを参照すると、液体レンズは印加される駆動電圧のレベルによって違うジオプター値を有することができる。ただ、同じ駆動電圧が印加される状況でも温度変化(約25℃から40℃の区間で上昇)によってジオプターの変化量が発生することが分かる。2種の液体レンズの場合から分かるように、通常の温度範囲では温度上昇にジオプター変化量も比例することが分かる。
【0075】
しかし、液体レンズが極低温又は極高温の動作環境でジオプター変化量は温度変化に比例しないこともある。
図5a及び
図5bで説明したように、液体レンズに含まれた2種の液体の熱膨張率に関連することができる。また、液体レンズを構成する透明層の弾性度、結合度などの複合的な要因も温度変化によるジオプターの変化量に影響することができる。よって、温度変化によるジオプターの変化量はレンズキャリブレーション(Lens Calibration)過程によって測定することができ、このようなデータを制御回路に記憶することができる。
【0076】
図7a及び
図7bは温度変化による液体レンズの空間周波数応答変化を測定する方法を説明する。具体的に、
図7aは遠距離焦点で空間周波数応答(Spatial Frequency Response、SFR)を測定するためのチャートを説明し、
図7bは近距離焦点で空間周波数応答(SRF)を測定するためのチャートを説明する。
【0077】
カメラモジュールは光を外部フィルターを通して受け、イメージセンサーを介してRGB形態の映像を獲得する。このようなカメラモジュールのセンサーを用いた映像獲得を周波数の側面で見れば、獲得しようとするイメージの空間周波数(Spatial Frequency)スペクトラムが2次元平面のx軸とy軸で繰り返される形態の空間周波数スペクトラムを有することができる。液体レンズの光学的特徴を測定するために、液体レンズと
図7a又は
図7bで説明するチャート間の距離を既設定の値に合わせ、液体レンズを用いてチャートのイメージを獲得することができる。
【0078】
カメラモジュール又は液体レンズの分解能(resolution)を分析するために、カメラモジュール又は液体レンズの空間周波数応答(Spatial Frequency Response、SFR)を測定することができる。ここで、空間周波数応答は入力空間周波数とデジタルカメラの応答性の関係を示す指標であり、空間周波数の増加による変調伝達関数(Modulation Transfer Function、MTF)の変化として示される。ここで、変調伝達関数(MTF)はコントラスト(Contrast)の再現比を示し、入力コントラスト(Ri)に対する出力コントラスト(Ro)の比(MTF=Ro/Ri)で示されることができる。
【0079】
図7a及び
図7bで説明する解像度チャートの各パターンの空間周波数(Spatial Frequency)は既設定の間隔(例えば、1mm)当たり何個のパターンが繰り返されるかを表示することができる(例えば、単位はcycles/mm)。変調伝達関数(MTF)によって、レンズを通して投射された解像度チャートが元の解像度チャートに比べて原本をどのくらい再現し出したかを数値で表示することができる。このような方式で得られる空間周波数応答(SFR)が0~100の数値範囲を有すると仮定すれば、カメラモジュールで要求するレンズの性能に合わせて液体レンズの空間周波数応答(SFR)が既設定の数値以上になるときにのみ液体レンズがカメラモジュールに適用可能である。
【0080】
しかし、
図5a、
図5b、
図6a及び
図6bで説明したように、液体レンズは温度変化によって空間周波数応答(SFR)が変わるから、液体レンズをカメラモジュールに適用するためには温度変化による補正が必要である。
【0081】
図8a及び
図8bは温度変化による液体レンズの空間周波数応答(SFR)変化を説明する。カメラモジュールに電源が供給されれば、カメラモジュール内に熱を発生させる多くの要素によってカメラモジュールの温度が上昇することができる。ここでは、液体レンズの温度変化が時間が経つにつれて常温(約23度)から高温(約50度)まで上昇することを仮定して空間周波数応答(SFR)の変化を測定した。
【0082】
図8aは液体レンズに供給される駆動電圧を補正せず、液体レンズの温度72が変化するときに液体レンズの空間周波数応答74aが変化することを説明する。時間が経つにつれてカメラモジュール内の温度が上昇することができ、カメラモジュール内の温度上昇は液体レンズの温度を上昇させることができる。図示のように、温度72が上昇するにつれて、液体レンズの空間周波数応答74aは低くなることができる。温度72が上昇する前(時間0秒)に空間周波数応答74aは約60であったが、30分余りが経過した後(温度が上昇すれば)、空間周波数応答74aは約45まで低くなることができる。
【0083】
図8bは液体レンズに供給される駆動電圧を約1.44Vだけ低めて供給した場合、温度変化による液体レンズの空間周波数応答(SFR)の変化を測定した。例えば、温度に対応する12ビットのデータに対応して駆動電圧を制御する
ことができる制御回路で12ビットのデータの32コードを減少させて入力することによって駆動電圧を約1.44V程度低めることができる。図示のように、液体レンズの温度72が常温であるとき、空間周波数応答72bは低かったが、温度が上昇するにつれて空間周波数応答(SFR)が改善していることを示している。温度72が上昇する前(時間0秒)に空間周波数応答74aは約55であったが、30分余りが経過した後(温度が上昇すれば)に空間周波数応答74aは約63まで高くなることができる。
【0084】
図9は温度変化による液体レンズの補償値決定を説明する。
【0085】
図示のように、液体レンズの温度変化によって空間周波数応答(SFR)が低くなることを補償するために、
図8a及び
図8bで説明した二つの場合を結合することができる。すなわち、特定の時点Aを基準に、より良い空間周波数応答(SFR)を提供することができるように駆動電圧を補正しない場合74aと駆動電圧を既設定の分だけ(約1.44V)調整した場合74bを選択して液体レンズを制御することができる。
【0086】
ここで、特定の時点Aは既設定の動作の始点から既設定の時間が経った時点であってもよい。例えば、既設定の時間は約520秒であってもよい。すなわち、駆動電圧を補正しない場合74aと駆動電圧を既設定の分だけ(約1.44V)調整した場合74bの空間周波数応答(SFR)が実質的に同じになる特定の時点Aは初期状態で520秒が経った時点である。一方、特定の時点Aはイメージセンサーの温度が40~45度程度になり、液体レンズの温度がそれに相応する分だけ上昇した時点であってもよい。
【0087】
実施例によって、既設定の動作の始点は前記イメージセンサー又は前記制御部に電源が印加された時点であってもよい。また、他の実施例で、既設定の動作の始点は制御回路がイメージセンサーを介して獲得したイメージ内の特定の物体に焦点を自動で合わせた時点であってもよい。制御部は液体レンズの共通電極の抵抗変化を感知して前記共通電極と複数の個別電極の間に供給される駆動電圧を制御することができる。制御部は、前記液体レンズの温度が常温から特定の温度だけ上がったとき、駆動電圧を減少させることができる。共通電極の抵抗変化の感知は駆動電圧が共通電極に印加されないようにした状態で、共通電極の抵抗変化を測定することができる。測定される抵抗変化は0より大きくて10より小さいマイクロオーム(μΩ)又は0より大きくて10より小さいミリオーム(mΩ)の範囲で発生することができ、抵抗変化を感知するための電圧は3~5V以下のレベルを有することができる。
【0088】
一方、既設定の動作の始点を決定することは液体レンズの温度が上昇し始める時点を意味することができる。これは液体レンズを含むカメラモジュールの構造又は形態によって変わることもできる。
【0089】
特定の時点Aを基準に、液体レンズに供給される駆動電圧を補正する方法によって液体レンズの空間周波数応答(SFR)は温度変化によって既設定の範囲Bを有することができる。例えば、空間周波数応答(SFR)は約57~64の範囲を有することができる。液体レンズの空間周波数応答(SFR)が温度変化によって既設定の範囲B、すなわち小さな変化を有することができるので、液体レンズを含むカメラモジュールは温度変化にも実質的に均一な分解能(resolution)を具現することができる。
【0090】
図10は温度変化によるジオプターの変化を補償するカメラモジュールを説明する。
【0091】
図示のように、カメラモジュールは、複数の個別電極に印加される駆動電圧に対応して相異なる2種の液体が形成する界面30が調節される液体レンズ28、界面30に隣接して配置されて温度変化を感知する温度センサー32、及び温度変化を補償するために駆動電圧のレベルを調整するための制御回路24を含むことができる。
【0092】
液体レンズ28は、界面30が位置するレンズ領域とレンズ領域を保護するリブ領域とを含むことができる。温度変化によるジオプターの変化を補償するためには、液体レンズ28の界面30に隣接した位置に温度センサー32が配置できる。実施例によって、温度センサー32はリブ領域に配置できる。
【0093】
温度センサー32は界面30に隣接した位置に配置されて温度変化を測定し、12ビットの温度データ信号を制御回路24に出力することができる。ここで、制御回路24はオプティカルイメージスタビライゼーション(Optical Image Stabilizer、OIS)のための補償のために駆動電圧を前記複数の個別電極ごとに違って決定することができる。ここで、制御回路24は温度センサー32から伝達された温度変化に対応して駆動電圧のレベルを調整することができる。
【0094】
また、制御回路24には、カメラモジュールの動きを感知し、動きに対応する感知信号を出力するジャイロ(Gyro)センサー52をさらに含むことができる。オプティカルイメージスタビライゼーション(OIS)のための補償のために、制御回路24は感知信号と温度変化の両者に対応して駆動電圧のレベルを決定することができる。
【0095】
図示されていないが、カメラモジュールは、液体レンズ28と制御回路24を連結して駆動電圧を伝達する連結部(図示せず)をさらに含むことができる。連結部はフレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board、FPCB)を用いることができる。フレキシブルプリント回路基板(FPCB)は駆動電圧を伝達する少なくとも1個の配線だけではなく簡単な回路を含むこともできる。実施例によって、温度センサー32は連結部に配置できる。
【0096】
また、制御回路24には、温度変化によるジオプター(dioptre、diopter)の変化量を記憶する記憶部(図示せず)をさらに含むことができる。制御回路24は記憶部から温度変化に対応するジオプターの変化量を認知することができる。ここで、記憶部は非揮発性メモリ装置であって、制御回路24内に含まれるか、制御回路24と連動する独立的な装置として具現できる。記憶部に記憶される温度変化によるジオプターの変化量はレンズキャリブレーション(Lens Calibration)によって決定できる。
【0097】
カメラモジュールは、液体レンズ28及び液体レンズ28と中心部が整列された少なくとも1個の固体レンズを含むレンズアセンブリー22、及びレンズアセンブリー22を介して伝達された光信号を電気信号に変換するイメージセンサー26をさらに含むことができる。
【0098】
イメージセンサー26がイメージデータを出力することができ、イメージセンサー26からイメージデータに基づいてプロセッシングシステム又はコンピューティング装置40は、イメージ処理、補正、明るさ調整などの作業を遂行することができる。ここで、プロセッシングシステム又はコンピューティング装置40は補正制御のための制御信号又は補正値を制御回路24に伝達することができる。ここで、プロセッシングシステム又はコンピューティング装置40はカメラモジュールを含むか、あるいはカメラモジュールと連動する携帯用装置、コンピュータ、車両、サーバーなどに含まれることができる。制御回路24は補正制御に対応する駆動電圧を生成することができる。
【0099】
【0100】
図示のように、カメラモジュールは、複数の個別電極に印加される駆動電圧に対応して相異なる2種の液体が形成する界面30(
図3参照)が調節される液体レンズ28、液体レンズ28内の温度変化を感知する温度センサー32、及び温度変化を補償するために駆動電圧のレベルを調整するための制御回路24を含むことができる。制御回路24は制御部であってもよい。
【0101】
温度センサー32は液体レンズ28の温度変化を測定し、12ビットの温度データ信号を制御回路24に出力することができる。ここで、制御回路24はオプティカルイメージスタビライゼーション(Optical Image Stabilizer、OIS)のための補償のために、駆動電圧を前記複数の個別電極ごとに違って決定することができる。ここで、制御回路24は温度センサー32から伝達された温度変化に対応して駆動電圧のレベルを調整することができる。
【0102】
また、制御回路24は、カメラモジュールの動きを感知して動きに対応する感知信号を出力するジャイロ(Gyro)センサー(図示せず)をさらに含むことができる。オプティカルイメージスタビライゼーション(OIS)のための補償のために、制御回路24は感知信号と温度変化の両者に対応して駆動電圧のレベルを決定することができる。
【0103】
図示されていないが、カメラモジュールは液体レンズ28と制御回路24を連結して駆動電圧を伝達する連結部(図示せず)をさらに含むことができる。連結部はフレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board、FPCB)を用いることができる。フレキシブルプリント回路基板(FPCB)は、駆動電圧を伝達する少なくとも1個の配線だけではなく簡単な回路を含むこともできる。実施例によって、温度センサー32は連結部に配置できる。
【0104】
また、制御回路24は、温度変化によるジオプター(dioptre、diopter)の変化量、電圧情報又はコード情報を記憶する記憶部(図示せず)をさらに含むことができる。制御回路24は記憶部から温度変化に対応する補償されるべき情報を認知することができる。補償されるべき情報はコード値、電圧又はジオプターについての情報であってもよい。ここで、記憶部は非揮発性メモリ装置であって、制御回路24内に含まれるか、制御回路24と連動する独立的な装置として具現できる。記憶部に記憶される温度変化によって補償されるべきジオプターの変化量、電圧又はコードはレンズキャリブレーション(Lens Calibration)によって決定できる。
【0105】
カメラモジュールは、液体レンズ28及び液体レンズ28と中心部が整列された少なくとも1個の固体レンズを含むレンズアセンブリーを介して伝達された光信号を電気信号に変換するイメージセンサー26をさらに含むことができる。
【0106】
イメージセンサー26がイメージデータを出力することができ、イメージセンサー26からのイメージデータに基づき、プロセッシングシステム又はコンピューティング装置40はイメージ処理、補正、明るさ調整などの作業を遂行することができる。ここで、プロセッシングシステム又はコンピューティング装置40は補正制御のための制御信号又は補正値を制御回路24に伝達することができる。ここで、プロセッシングシステム又はコンピューティング装置40はカメラモジュールを含むか、カメラモジュールと連動する携帯用装置、コンピュータ、車両、サーバーなどに含まれることができる。制御回路24は補正制御に対応する駆動電圧を生成することができる。
【0107】
図11を参照すると、カメラモジュールは、液体レンズ28と液体レンズ28の温度変化を感知するための温度センサー32、液体レンズ28を介して伝達された光信号をイメージデータに変換するためのイメージセンサー26、イメージセンサー26から伝達されたデータを加工するためのプロセッシングシステム40及び液体レンズ28を制御するための制御回路24を含むことができる。ここで、イメージセンサー26とプロセッシングシステム40、プロセッシングシステム40と制御回路24はシリアル通信(Serial communication)を介してデータ及び制御信号を送受信することができる。例えば、シリアル通信のために、同期のためのクロック用線(Serial Clock、SCL)とデータ用線(Serial Data、SDA)などを介して互いに連結できる。
【0108】
制御回路24は、カメラモジュールの動きを感知するためのジャイロセンサー52、液体レンズ28に伝達される駆動電圧を生成する駆動回路54、及びオプティカルイメージスタビライゼーション(OIS)のための補償値を決定し、これを駆動回路54に伝達するオプティカルイメージスタビライゼーション部56を含むことができる。
【0109】
ジャイロセンサー52とオプティカルイメージスタビライゼーション部56は直列周辺機器インターフェースバス(Serial Peripheral Interface Bus、SPIバス)を介して連結できる。ここで、SPIバスはアキテクチャー全二重(full duplex)通信モードで動作するモトローラアキテクチャーから名前を引用した同期化直列データ連結標準であり、装置はマスタースレーブモードで通信し、ここでマスター装置はデータフレームを初期化し、多くのスレーブ装置は個別スレーブセレクト(チップセレクト)ラインとともに動作することができる。SPIバスはクロック信号ピン(SCLK、SCK/CLK)、チップ選択信号ピン(CS、FSS/SS)、データ入力ピン(MOSI)、データ出力ピン(MISO)などを含むことができる。
【0110】
オプティカルイメージスタビライゼーション部56は、12ビットの温度データに基づいて温度によるジオプター変化量を記憶する記憶装置58から補償すべき情報を認知した後、情報に対応する値が反映されるように駆動回路54に伝達することができる。補償すべき情報は電圧、コード又はジオプターであってもよい。ここで、記憶装置58はオプティカルイメージスタビライゼーション部56に含まれることもでき、独立的に構成されてオプティカルイメージスタビライゼーション部56と連動することもできる。
【0111】
図12は液体レンズに配置された温度センサーの第1例を説明する。
【0112】
図示のように、液体レンズ28の前面と後面には複数の電極LL1、LL2、LL3、LL4、COMが露出されており、液体レンズ28の前面に温度センサー32が配置されている。温度センサー32は界面が形成可能な中空310であるレンズ領域に配置されず、レンズ領域を保護する周辺領域上に配置できる。液体レンズ28の4角部に位置する複数の電極LL1、LL2、LL3、LL4、COMを介してレンズの界面を制御するための駆動電圧が印加される反面、液体レンズ28のその外の領域には温度センサー32に電源VDD、GNDを供給し、温度センサーの感知結果である温度データTAOを出力し、温度センサー32をオン/オフさせる制御信号T_ONを伝達するための導電パターンをさらに含むことができる。
【0113】
図示されていないが、実施例によって、温度センサー32は共通電圧COMが印加される液体レンズ28の後面に配置されることもできる。
【0114】
図13は
図12で説明した温度センサーと連動する制御回路を説明する。
【0115】
図示のように、制御回路には、オプティカルイメージスタビライゼーション部56と駆動回路54を含むことができる。オプティカルイメージスタビライゼーション部56は温度センサー32(
図8参照)を活性化させることができる制御信号T_ONを出力することができ、温度センサー32から伝達される温度データTAOを受信することができる。オプティカルイメージスタビライゼーション部56は温度データに対応する補償値を決定して駆動回路54に伝達し、駆動回路54は温度データに対応して駆動電圧LL1、LL2、LL3、LL4、COMを出力することができる。
【0116】
【0117】
図示のように、液体レンズの制御方法は、液体レンズの温度変化を感知する段階62、温度変化に対応するジオプター(dioptre、diopter)の変化量を決定する段階64、及びジオプターの変化量に対応して4個の個別電極に供給される駆動電圧を調整する段階66を含むことができる。
【0118】
ここで、温度変化の感知は液体レンズに隣接した位置に配置された温度センサーによって行われることができ、温度センサーが出力する温度変化は12ビットデジタル信号から構成されたデータ形態として伝達できる。
【0119】
また、ジオプター変化量を決定する段階は、温度変化に対応する信号が伝達されれば、該当温度変化に対応するジオプター変化量を記憶部で検索する段階を含むことができる。記憶部に記憶されたジオプター変化量はレンズキャリブレーションによって測定及び認知された後、不揮発性メモリ装置に記録できる。
【0120】
一方、実施例によって、記憶部及びジオプター変化量を決定する過程の少なくとも一部はコンピューティング装置で実行されるプログラム形態又はバッチファイル(batch file)形態に具現されることもでき、ジオプター変化量はテーブル、リスト形態のコード又はデータとして具現されることもできる。
【0121】
図15a~
図15cは液体レンズ内の温度を測定するカメラモジュール内の温度センサーの第2例を説明する。
【0122】
図15aは駆動回路54、液体レンズ28及び温度センサー32間の連結を説明する。
【0123】
図15aを参照すると、液体レンズ28は駆動電圧を供給する駆動回路54と温度センサー32に電気的に連結されている。駆動回路54は液体レンズ28の4個の個別電極と4個の共通電極に駆動電圧を供給することができる。4個の個別電極には互いに異なる電圧が印加できるが、4個の共通電極には同じ電圧が印加される。
【0124】
液体レンズ28の4個の共通電極の一部と温度センサー32が電気的に連結できる。温度センサー32は、液体レンズ28の内部温度を測定するための方法として、液体レンズ28の共通電極に形成される抵抗値を用いることができる。
【0125】
図15bは液体レンズ28の温度を測定する方法を説明する等価回路について説明する。
【0126】
図15bを参照すると、液体レンズ28の共通電極に形成される抵抗値を1個の可変抵抗R-lenと仮定する。液体レンズ28の内部温度が変われば、液体レンズ28の内部に含まれた液体の温度が変わる。液体の温度が変われば、液体と接触している共通電極の温度も変わることができる。
図4を参照すると、共通電極として使われる第1電極132は両液体の一つである伝導性液体122に露出されている。共通電極の温度が変われば、共通電極間の抵抗値に変化が発生する。例えば、液体レンズ28の共通電極C0は薄膜から構成され、数十オーム(Ω)の面抵抗(sheet resistance)を有することができる。共通電極C0に温度変化が発生すれば、温度変化による抵抗(R)の変化は次のように説明することができる。
【0127】
R=R0(1+at)
【0128】
ここで、R0は初期面抵抗、aは抵抗の温度係数(単位は℃-1)、tは温度(単位は℃)である。
【0129】
したがって、共通電極間の抵抗値を1個の可変抵抗R-lenとしてモデリングし、温度センサー32の基準抵抗R-oに対する可変抵抗の比の変化を認知する方法(例えば、電圧分配方式)で液体レンズ28の温度を知ることができる。また、液体レンズの駆動電圧に比べて非常に小さな電圧(約3~5V以下)で1個の可変抵抗R-lenとしてモデリングされる共通電極の抵抗値を測定することができる。
【0130】
実施例によって、温度センサー32内の回路的構成は変わることができる。例えば、液体レンズ28の微細な温度変化を感知するために温度センサー32内の電圧分配器の誤差を克服するために、温度センサー32は複数の抵抗とスイッチ素子をさらに含むことができる。
【0131】
図15cは液体レンズ28の温度変化を感知するためのタイミングを説明する。
【0132】
図15cを参照すると、液体レンズ28の温度変化を感知することは、共通電極C0(
図3参照)に駆動電圧が印加され、個別電極L1~L4(
図3参照)にはグラウンド電圧が印加された時点で行われることができる。また、共通電極C0間の抵抗を感知するために、共通電極C0に印加される駆動電圧をフローティング(floating)させることができる。
【0133】
共通電極C0と個別電極L1~L4に印加される駆動電圧はパルス形態を有することができ、同じ時点又は相異なる時点に提供されることができる。温度変化を感知するためには、
図15bで説明したように、液体レンズ28内の共通電極間の抵抗R-lenを測定するために、共通電極C0に印加される駆動電圧をフローティング(floating)させ、既設定の共通電極C0の一側(他側は温度センサー32に連結され)で抵抗R-lenを感知するための電圧を供給することができる。
【0134】
液体レンズ28の共通電極C0に電圧が印加される途中、短時間の間にフローティング(floating)させて温度を測定するための電圧を供給すれば、温度測定のための動作が液体レンズ28の界面30(
図4参照)に及ぶ影響を最小化することができる。
【0135】
図16a~
図16cは液体レンズモジュールの第1例を説明する。
【0136】
図16aは液体レンズ28の共通電極132を説明する。共通電極132は液体レンズ28の中心に位置するレンズ領域310の外側に形成されている。共通電極132は薄膜形態に具現されることができ、既設定のパターンを有することもできる。
【0137】
図3及び
図16aを参照すると、共通電極132は4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dを介して駆動電圧を受けることができる。個別電極と違い、共通電極132の4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dには同じ駆動電圧が同一時点に印加できる。
【0138】
図16bは液体レンズ28の共通電極132、4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dを介して駆動電圧を伝達する連結部82を説明する。連結部82はフレキシブルプリント回路基板(FPCB)として具現でき、液体レンズ28の4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dと共通電圧端子C0が連結されていることが特徴である。また、連結部82には、共通電極132の抵抗を測定するための別途の端子TM1、TM2が含まれることができる。
【0139】
図16cは液体レンズ28の共通電極132の抵抗R-len(
図15b参照)を構成する要素を含む等価回路を説明する。具体的に、第3コンタクトC0cと第4コンタクトC0d間の抵抗の変化を中心に、共通電極132の抵抗R-lenを構成する例を挙げて説明する。一方、等価回路の構成は、実施例によって、すなわち抵抗R-lenを測定する互いに異なる二つのコンタクトをどのように選択するかによって変わることができる。
【0140】
図16cを参照すると、共通電極132の4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの間には、薄膜形態に具現された共通電極132の面抵抗と共通電極132と接触している伝導性液体の抵抗R-liqがある。共通電極132の面抵抗は隣接した二つのコンタクト間の抵抗、例えば第1コンタクトC0aと第2コンタクトC0b間の抵抗R-ab、第2コンタクトC0bと第3コンタクトC0c間の抵抗R-bc、第3コンタクトC0cと第4コンタクトC0d間の抵抗R-cd、第4コンタクトC0dと第1コンタクトC0a間の抵抗R-daが含まれることができる。また、共通電極132の面抵抗は対角線方向の抵抗(すなわち、第2コンタクトC0bと第4コンタクトC0d間の抵抗)が存在することができる。最後に、共通電極132の抵抗R-lenとして伝導性液体は塩のような電解質成分が含まれているから、電流が流れることができ、これにより伝導性液体の抵抗R-liqも含まれることができる。
【0141】
共通電極132の抵抗R-lenに含まれるそれぞれの抵抗成分の連結関係(直列、並列連結)は
図16cのように理解することができる。それぞれの抵抗成分は温度変化によって抵抗値が変わり、これを
図15bで説明したような電圧分配器の形態である温度センサー32を介して測定することができる。
【0142】
伝導性液体による抵抗成分R-liqはコンタクトの間に形成される他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daより非常に大きな値である。例えば、伝導性液体による抵抗成分R-liqは約150Ω(オーム)程度の抵抗値を有することができる。一方、伝導性薄膜から具現される共通電極132のコンタクト間に形成される抵抗成分は数オーム~数ミリオーム又は数マイクロオームまでの小さな抵抗値を有することができる。伝導性液体による抵抗成分R-liqは他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daに比べて抵抗値の大きさが非常に大きい反面、伝導性液体による抵抗成分R-liqと他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daは実質的に並列で連結されていると理解することができる。二つの抵抗が並列で連結されていれば、二つの抵抗値の和(R)は各抵抗値(R1、R2)の逆数をそれぞれ合わせた値の逆数と同一である(例えば、1/R=1/R1+1/R2)。よって、温度によって共通電極132の抵抗R-lenの変化が発生しても伝導性液体による抵抗成分R-liqの抵抗値の変化よりは他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daの抵抗値の変化がもっと大きな影響を及ぼす。
【0143】
近似値(approximation)を介して接近して伝導性液体による抵抗成分R-liqの抵抗値変化を無視するとしても、
図16aで説明した共通電極132、C0の4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの間に存在する抵抗成分は比較的複雑である。よって、温度変化による抵抗値の変化を感知するのに難しさがあり得る。したがって、電極132、C0の4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの間に存在する抵抗成分の数を減らせば、温度変化による抵抗値の変化を感知することがより容易になることができる。
【0144】
図16b及び
図16cを参照すると、液体レンズ28を動作させる場合、共通電圧端子C0を介して供給される駆動電圧は4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの全てに伝達される。しかし、液体レンズ28の温度を測定するうちには共通電圧端子C0を介して供給される駆動電圧がフローティング(floating)されることができる。ここで、
図16cのように、4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの中で第1~第3コンタクトC0a、C0b、C0cは第1温度端子TM1に連結され、第4コンタクトC0dは第2温度端子TM2に連結されることができる。このような選択的連結ができるようにするためには、連結部82内の共通電圧端子C0と第4コンタクトC0dの間にスイッチ(図示せず)が含まれなければならない。これは、駆動電圧がフローティング(floating)されるときにともにオフ(OFF)になって共通電圧端子C0と第4コンタクトC0d間の電気的連結を遮断する必要がある。
【0145】
図17a~
図17cは液体レンズモジュールの第2例を説明する。
【0146】
図17aは液体レンズ28の共通電極132aを説明する。共通電極132は液体レンズ28の中心に位置するレンズ領域310の外側に形成されている。共通電極132は薄膜形態に具現されることができ、既設定のパターンを有することもできる。
図16aで説明した共通電極132と
図17aで説明した共通電極132aの違いはボイド(void)パターン86である。
【0147】
図3及び
図17aを参照すると、共通電極132aは4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dを介して駆動電圧を受けることができる。個別電極と違い、共通電極132aの4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dには同じ駆動電圧が同一時点に印加できる。共通電極132aに含まれたボイド又はスリットパターン86は共通電極132aに同じ駆動電圧を印加するのに邪魔にならない。共通電極132aにボイドパターン86が含まれているが、共通電極132aの全領域が電気的に連結されているからである。
【0148】
ただ、ボイドパターン86は第1コンタクトC0aと第4コンタクトC0d間の直接的な電気的連結を遮断することができ、第2コンタクトC0bと第4コンタクトC0d間の直接的な電気的連結を遮断することができる。このために、実施例によって、ボイドパターン86は共通電極132aを電気的連結の遮断された二つの領域に区分することもでき、第4コンタクトC0dからレンズ領域310を通って第3コンタクトC0cの周辺まで確張して位置することができる。
【0149】
ボイドパターン86は、共通電極132aが導電性薄膜の形状を持っていても、第3コンタクトC0c及び第4コンタクトC0dの二つのコンタクトが第1コンタクトC0a及び第2コンタクトC0bの他の二つのコンタクトに電気的に連結されているが、自由な電荷の動きを制限することができる。ボイドパターン86は第3コンタクトC0c及び第4コンタクトC0dに平行に配置され、液体レンズ28のレンズ領域310と第3コンタクトC0c及び第4コンタクトC0d間の領域を物理的に区分することができる。
【0150】
図17bは液体レンズ28の共通電極132a及び4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dを介して駆動電圧を伝達する連結部82を説明する。連結部82はフレキシブルプリント回路基板(FPCB)から具現されることができ、液体レンズ28の4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dと駆動電圧端子C0が連結されていることが特徴である。また、連結部82には共通電極132aの抵抗を測定するための別途の端子TM1、TM2が含まれることができる。
【0151】
図17cは液体レンズ28の共通電極132aの抵抗R-len(
図11b参照)を構成する要素を含む等価回路を説明する。具体的に、第3コンタクトC0cと第4コンタクトC0d間の抵抗の変化を中心に、共通電極132の抵抗R-lenを構成する例を挙げて説明する。一方、等価回路の構成は、実施例によって、すなわち抵抗R-lenを測定する互いに異なる二つのコンタクトをどのように選択するかによって変わることができる。
【0152】
図17cを参照すると、共通電極132aの4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの間には薄膜形態に具現された共通電極132aの面抵抗と共通電極132と接触している伝導性液体の抵抗R-liqがある。ただ、
図16aで説明した共通電極132と違い、
図17aで説明した共通電極132aにはボイドパターン86によって考慮しなければならない抵抗成分が大きく減ることができる。共通電極132の面抵抗は隣接した二つのコンタクト間の抵抗、例えば第1コンタクトC0aと第2コンタクトC0b間の抵抗R-ab、第2コンタクトC0bと第3コンタクトC0c間の抵抗R-bc、第3コンタクトC0cと第4コンタクトC0d間の抵抗R-cdが含まれることができるが、
図16cで説明した第4コンタクトC0dと第1コンタクトC0a間の抵抗R-daは、スリット又はボイドパターン86によって電気的な連結がなくなったので、除去されることができる。連結部は共通電極に電気的に連結される少なくとも二つの端子を含み、一つの端子は前記共通電極と
の3個のコンタクト領域を有し、他の一つの端子は前記共通電極と
の1個のコンタクト領域を有し、共通電極は一つの端子の一つのコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含むことができる。また、スリットパターンは一つの端子の前記複数のコンタクト領域の一つのコンタクト領域に隣接して配置できる。
【0153】
また、共通電極132の面抵抗は対角線方向の抵抗(すなわち、第2コンタクトC0bと第4コンタクトC0d間の抵抗)も、ボイドパターン86によって電気的な連結がなくなったので、除去されることができる。最後に、共通電極132の抵抗R-lenとして伝導性液体は塩のような電解質成分が含まれているので、電流が流れることができ、これにより伝導性液体の抵抗R-liqも含まれることができる。
【0154】
前述したように、伝導性液体による抵抗成分R-liqはコンタクトの間に形成される他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daより非常に大きな値である。例えば、伝導性液体による抵抗成分R-liqは約150Ω(オーム)程度の抵抗値を有することができる。一方、伝導性薄膜から具現される共通電極132のコンタクトの間に形成される抵抗成分は数オーム~数ミリオーム又は数マイクロオームまでの小さな抵抗値を有することができる。伝導性液体による抵抗成分R-liqは他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daに比べて抵抗値の大きさが非常に大きい反面、伝導性液体による抵抗成分R-liqと他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daは実質的に並列で連結されたものと理解することができる。二つの抵抗が並列で連結されていれば、二つの抵抗値の和(R)は各抵抗値(R1、R2)の逆数をそれぞれ合わせた値の逆数と同一である(例えば、1/R=1/R1+1/R2)。したがって、温度によって共通電極132の抵抗R-lenの変化が発生しても、伝導性液体による抵抗成分R-liqの抵抗値変化よりは他の抵抗成分R-ab、R-bc、R-cd、R-bd、R-daの抵抗値変化がもっと大きな影響を及ぼす。
【0155】
近似値(approximation)を介して接近して伝導性液体による抵抗成分R-liqの抵抗値変化を無視することができれば、
図17aで説明した共通電極132a、C0の4角部のコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの間に存在する抵抗成分は二つのコンタクトC0c、C0d間の抵抗R-cdのみ残ることになる。
【0156】
共通電極132の抵抗R-lenに含まれるそれぞれの抵抗成分の連結関係(直列、並列連結)は
図17cのように理解することができる。それぞれの抵抗成分は温度変化によって抵抗値が変わり、これを
図15bで説明したような電圧分配器の形態である温度センサー32を介して測定することができる。
図16cと
図17cを比較すると、
図17aで説明したボイドパターン86によって共通電極132の抵抗R-lenを構成する抵抗成分が減ったことが分かる。共通電極132の抵抗R-lenを構成する抵抗成分が減ったので、より正確な共通電極132の抵抗R-lenを測定することが容易になることができる。
【0157】
一方、
図17b及び
図17cを参照すると、液体レンズ28を動作させる場合、共通電圧端子C0を介して供給される駆動電圧は4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの全てに伝達される。しかし、液体レンズ28の温度を測定するうちには共通電圧端子C0を介して供給される駆動電圧がフローティング(floating)されることができる。ここで、
図16cのように4角部に位置するコンタクトC0a、C0b、C0c、C0dの中で第1~第3コンタクトC0a、C0b、C0cは第1温度端子TM1に連結され、第4コンタクトC0dは第2温度端子TM2に連結されることができる。このような選択的連結ができるようにするためには、連結部82内の共通電圧端子C0と第4コンタクトC0dの間にスイッチ(図示せず)が含まれなければならず、これは、駆動電圧がフローティング(floating)されるときにともにオフ(OFF)されて共通電圧端子C0と第4コンタクトC0d間の電気的連結を遮断する必要がある。
【0158】
前述した液体レンズはカメラモジュールに含まれることができる。カメラモジュールは、ハウジングに実装される液体レンズ及び液体レンズの前面又は後面に配置可能な少なくとも1個の固体レンズを含むレンズアセンブリー、レンズアセンブリーを介して伝達される光信号を電気信号に変換するイメージセンサー、及び液体レンズに駆動電圧を供給するための制御回路を含むことができる。液体レンズは共通電極と複数の個別電極を含み、共通電極上には共通電極との複数のコンタクト領域を形成する第1端子と共通電極との1個のコンタクト領域を形成する第2端子とを含み、共通電極は第2端子とコンタクトする1個のコンタクト領域に隣接して配置されるスリットパターンを含むことができる。ここで、共通電極は複数のコンタクト領域の中で二つのコンタクト領域に隣接して配置されるスリット(溝)パターンを含むことができる。
【0159】
上述した実施例による方法はコンピュータで実行されるためのプログラムに製作されてコンピュータ可読の記録媒体に記録されることができ、コンピュータ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などが含まれる。
【0160】
コンピュータ可読の記録媒体はネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読めるコードが記憶されて実行されることができる。そして、上述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード及びコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論可能である。
【0161】
実施例に関連して、前述したように幾つかのみを記述したが、その外にも多様な形態の実施が可能である。前述した実施例の技術的内容は互いに両立することができない技術ではない限り、多様な形態に組み合わせられることができ、これによって新しい実施形態に具現されることもできる。
【0162】
本発明は本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化することができることは当業者に明らかである。したがって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはならず例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内の全ての変更は本発明の範囲に含まれる。