(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】収容設備管理装置及び収容設備管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 5/06 20060101AFI20220221BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220221BHJP
G08G 5/04 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
G08G5/06 A
G08G1/09 F
G08G5/04 A
(21)【出願番号】P 2021081903
(22)【出願日】2021-05-13
(62)【分割の表示】P 2018062970の分割
【原出願日】2018-03-28
【審査請求日】2021-05-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】立岩 正之
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/006421(WO,A1)
【文献】特表2017-527493(JP,A)
【文献】特開2017-037368(JP,A)
【文献】特開2013-119328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/06
G08G 1/09
G08G 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容庫に収納された飛行装置を離陸させる時刻を含む指示情報を取得する受信制御部と、
前記指示情報に含まれる前記時刻になる前に、前記収容庫の周辺状況を示す周辺情報を取得する情報取得部と、
前記周辺情報が示す前記周辺状況に基づいて、前記指示情報が示す時刻において前記飛行装置が離陸できるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記飛行装置が離陸できると判定された場合、前記収容庫を制御する収容庫制御装置に前記収容庫の扉を開く開扉指示を送信する送信制御部と、
を備え
、
前記受信制御部は、前記開扉指示に応じて前記収容庫の扉が開いたことを示す開扉完了情報を前記収容庫制御装置から受信し、
前記送信制御部は、前記受信制御部が前記開扉完了情報を受信すると、前記飛行装置に離陸指示を送信する収容設備管理装置。
【請求項2】
前記送信制御部は、前記収容庫の周辺に設置された撮像装置が前記収容庫の周辺を撮像した撮像画像に基づいて前記飛行装置の離陸が完了したと判定された場合に前記収容庫制御装置に前記収容庫の扉を閉じる閉扉指示を送信する、
請求項1に記載の収容設備管理装置。
【請求項3】
前記収容庫を識別する収容庫識別情報と、当該収容庫に着陸した前記飛行装置を識別する飛行装置識別情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備える、
請求項1
又は2に記載の収容設備管理装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記収容庫の周辺の気象に関する気象情報、又は前記収容庫の周辺に存在する障害物を示す障害物情報を含む前記周辺情報を取得する、
請求項1
から3のいずれか一項に記載の収容設備管理装置。
【請求項5】
前記受信制御部は、前記収容庫制御装置から前記飛行装置の離陸が完了したことを示す動作完了情報を受信し、
前記送信制御部は、前記受信制御部が前記動作完了情報を受信すると、前記収容庫制御装置に前記収容庫の扉を閉じる閉扉指示を送信する、
請求項
1から4のいずれか一項に記載の収容設備管理装置。
【請求項6】
前記受信制御部は、前記収容庫を制御する前記収容庫制御装置から前記飛行装置が離陸するときの画像を受信し、
前記送信制御部は、前記受信制御部が受信した前記画像を、前記飛行装置に離陸指示を送信することにより前記飛行装置を離陸させる飛行管理装置に送信する、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載の収容設備管理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記受信制御部が受信した第1の前記指示情報に含まれる第1時刻と、前記受信制御部が第1の前記指示情報を受信した後に受信した第2の前記指示情報に含まれる第2時刻との時間差が所定時間以下の場合、前記第2の指示情報に関連付けられた前記飛行装置が離陸できないと判定し、前記時間差が前記所定時間より長い場合、前記第2の指示情報に関連付けられた前記飛行装置が離陸できると判定する、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の収容設備管理装置。
【請求項8】
前記受信制御部は、前記飛行装置を識別する飛行装置識別情報及び前記飛行装置を離陸させる時刻を含む前記指示情報を受信し、
前記情報取得部は、前記飛行装置識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記収容庫識別情報が示す前記収容庫の周辺状況を示す前記周辺情報を取得する、
請求項
3に記載の収容設備管理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
収容庫に収納された飛行装置を離陸させる時刻を含む指示情報を取得するステップと、
前記指示情報に含まれる前記時刻になる前に、前記収容庫の周辺状況を示す周辺情報を取得するステップと、
前記周辺情報が示す前記周辺状況に基づいて、前記指示情報が示す時刻において前記飛行装置が離陸できるか否かを判定するステップと、
前記飛行装置が離陸できると判定された場合、前記収容庫を制御する収容庫制御装置に前記収容庫の扉を開く開扉指示を送信するステップと、
前記開扉指示に応じて前記収容庫の扉が開いたことを示す開扉完了情報を前記収容庫制御装置から受信するステップと、
前記開扉完了情報を受信すると、前記飛行装置に離陸指示を送信するステップと、
を有する収容設備管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置を収容する収容庫を管理する収容設備管理装置及び収容設備管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飛行装置への動作指示を行う為の指示情報を受け取り、予め登録された複数の飛行装置の性能情報及び、それぞれの飛行装置の現在の状態に関する状態情報に基づいてジョブを登録し、ジョブに基づいて1以上の飛行装置に対する動作指示を行う飛行管理装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ジョブの開始時刻になったならばジョブの開始位置に飛行装置を移動させ、ジョブ単位に含まれる全ての動作が終了したならばジョブの終了位置に飛行装置を移動させる飛行管理装置が開示されている。特許文献1に記載の飛行管理装置は、ジョブの開始時刻に所定の動作を実行するため、飛行装置が離陸できないにもかかわらず飛行装置を離陸させる動作指示を行ってしまうことが懸念される。そのため、飛行管理装置は、飛行装置の離陸時の安全性に課題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行装置の離陸時の安全性を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、収容庫に収納された飛行装置を離陸させる時刻を含む指示情報を取得する受信制御部と、前記指示情報に含まれる前記時刻になる前に、前記収容庫の周辺状況を示す周辺情報を取得する情報取得部と、前記周辺情報が示す前記周辺状況に基づいて、前記指示情報が示す時刻において前記飛行装置が離陸できるか否かを判定する判定部と、を備える収容設備管理装置を提供する。
【0007】
前記収容設備管理装置は、前記収容庫を識別する収容庫識別情報と、当該収容庫に着陸した前記飛行装置を識別する飛行装置識別情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備えてもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記収容庫の周辺の気象に関する気象情報、又は前記収容庫の周辺に存在する障害物を示す障害物情報を含む前記周辺情報を取得してもよい。
【0009】
前記収容設備管理装置は、前記判定部により前記飛行装置が離陸できると判定された場合、前記収容庫を制御する収容庫制御装置に前記収容庫の扉を開く開扉指示を送信する送信制御部をさらに備えてもよい。
【0010】
前記受信制御部は、前記収容庫制御装置から前記収容庫の扉が開いたことを示す開扉完了情報を受信し、前記送信制御部は、前記受信制御部が前記開扉完了情報を受信すると、前記開扉完了情報を、前記飛行装置に離陸指示を送信することにより前記飛行装置を離陸させる飛行管理装置に送信してもよい。
【0011】
前記受信制御部は、前記収容庫制御装置から前記飛行装置の離陸が完了したことを示す動作完了情報を受信し、前記送信制御部は、前記受信制御部が前記動作完了情報を受信すると、前記収容庫制御装置に前記収容庫の扉を閉じる閉扉指示を送信してもよい。
【0012】
前記受信制御部は、前記収容庫を制御する前記収容庫制御装置から前記飛行装置が離陸するときの画像を受信し、前記送信制御部は、前記受信制御部が受信した前記画像を、前記飛行装置に離陸指示を送信することにより前記飛行装置を離陸させる飛行管理装置に送信してもよい。
【0013】
前記判定部は、前記受信制御部が受信した第1の前記指示情報に含まれる第1時刻と、前記受信制御部が第1の前記指示情報を受信した後に受信した第2の前記指示情報に含まれる第2時刻との時間差が所定時間以下の場合、前記第2の指示情報に関連付けられた前記飛行装置が離陸できないと判定し、前記時間差が前記所定時間より長い場合、前記第2の指示情報に関連付けられた前記飛行装置が離陸できると判定してもよい。
【0014】
前記受信制御部は、前記飛行装置を識別する飛行装置識別情報及び前記飛行装置を離陸させる時刻を含む前記指示情報を受信し、前記情報取得部は、前記飛行装置識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記収容庫識別情報が示す前記収容庫の周辺状況を示す前記周辺情報を取得してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様は、コンピュータが実行する、収容庫に収納された飛行装置を離陸させる時刻を含む指示情報を取得するステップと、前記指示情報に含まれる前記時刻になる前に、前記収容庫の周辺状況を示す周辺情報を取得するステップと、前記周辺情報が示す前記周辺状況に基づいて、前記指示情報が示す時刻において前記飛行装置が離陸できるか否かを判定するステップと、を有する収容設備管理方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、飛行装置の離陸時の安全性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係る運航管理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】実施の形態に係る運航管理システムのシーケンス図である。
【
図3】収容設備管理装置の機能構成を示す図である。
【
図4】収容庫識別情報と飛行装置識別情報とを関連付けたデータテーブルを模式的に示す図である。
【
図5】飛行装置の離着陸の可否を判定する処理のフローチャートである。
【
図6】他の飛行装置が離着陸する時刻に基づいて飛行装置の離着陸の可否を判定する処理のフローチャートである。
【
図8】収容庫の扉を開く処理のシーケンス図である。
【
図9】収容庫の扉を閉じる処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態に係る運航管理システムSの概要]
図1は、実施の形態に係る運航管理システムSの概要を説明するための図である。運航管理システムSは、予め定められた飛行ルートに従って飛行する複数の飛行装置6の運航を管理するシステムである。運航管理システムSは、収容設備管理装置1と、飛行管理装置2と、複数の収容庫制御装置3(3a、3b、及び3c)と、複数の収容庫4(4a、4b、4c、及び4d)と、基地局5と、飛行装置6とを備える。収容設備管理装置1、飛行管理装置2、収容庫制御装置3、基地局5、及び飛行装置6は、ネットワークに接続されている。ネットワークは、例えばインターネットである。
【0019】
破線で示すポートP1は、飛行装置6を収容する収容庫4a、収容庫4b、及び収容庫制御装置3aを備える飛行装置収容設備である。ポートP2及びポートP3は、ポートP1と同様の飛行装置収容設備である。以下、特に区別の必要がない限り、区別せずにポートPと記載する。
【0020】
収容庫制御装置3は、収容庫4を備えるポートPの周辺状況を示す周辺情報を取得する。収容庫制御装置3は、例えば、ポートPの周辺状況を撮像するデジタルカメラを備え、デジタルカメラが撮像した撮像画像を収容庫4の周辺状況を示す周辺情報として取得する。また、収容庫制御装置3は、温湿度計、気圧計、風量風向計、雨量計、又は光センサなどのセンサを備えていてもよく、センサが出力した信号値を、収容庫4を備えるポートPの周辺状況を示す周辺情報として取得してもよい。
【0021】
収容設備管理装置1は、複数のポートPの状態を管理するサーバである。例えば、収容設備管理装置1は、複数のポートPそれぞれに設置された収容庫制御装置3から収容庫4の周辺状況を示す周辺情報を取得する。
【0022】
飛行管理装置2は、飛行装置6に飛行指示を送信することにより飛行装置6を飛行させる。飛行装置6を飛行させたいユーザは、ユーザが使用する通信端末を介して飛行装置6の飛行ルートを飛行管理装置2に入力できる。飛行管理装置2は、ユーザから飛行装置6の飛行ルートを受け付けると、飛行ルートに沿って飛行するように飛行装置6を制御する。また、ユーザは、飛行装置6の状態を取得する指示を飛行管理装置2に入力できる。飛行管理装置2は、状態を取得する指示を受け付けると、飛行装置6の状態を示す情報を取得し、取得した状態を示す情報をユーザが使用する通信端末に出力する。なお、本実施の形態においては、運航管理システムSが1台の飛行管理装置2を備えるものとして説明するが、運航管理システムSが複数の飛行管理装置2を備えていてもよい。
【0023】
飛行装置6は、例えば、複数の回転翼を備える回転翼機である。飛行装置6は、基地局5を介して飛行管理装置2から受信した飛行ルートに従って飛行する。具体的には、飛行装置6は、飛行ルートを受信すると、飛行装置6が収容された収容庫4から離陸し、飛行ルートに従って飛行した後、収容庫4に着陸する。
【0024】
飛行装置6は、収容庫4から離陸する場合又は収容庫4に着陸する場合、収容庫4の周辺状況によって、正常に離陸又は着陸できないことがある。例えば、収容庫4の周辺に強い風が吹いている場合、飛行装置6が風に流されるなどして飛行ルートに沿った飛行ができないので、飛行装置6を離着陸させるべきではない。
【0025】
しかしながら、飛行管理装置2は、収容庫4を備えるポートPの周辺状況を把握していない。そのため、飛行管理装置2は、飛行装置6が離陸できないにもかかわらず飛行装置6を離陸させる離陸指示を送信することや、着陸できないにもかかわらず着陸させる着陸指示を送信する恐れがある。
【0026】
そこで、運航管理システムSは、収容庫4の周辺状況に基づいて、飛行装置6が離着陸できるか否かを判定し、判定結果に基づいて飛行装置6に離陸指示又は着陸指示を送信する。以下、運航管理システムSが実行する処理の概要を説明する。
【0027】
[実施の形態に係る運航管理システムSの処理の概要]
図2は、実施の形態に係る運航管理システムSのシーケンス図である。まず、飛行管理装置2は、収容設備管理装置1に、飛行装置6を離陸させる時刻、又は着陸させる時刻を含む指示情報を送信する(ステップS1)。収容設備管理装置1は、飛行管理装置2から指示情報を受信する(ステップS2)。
【0028】
収容設備管理装置1は、指示情報に含まれる時刻になる前に、収容庫4を備えるポートPの周辺状況を示す周辺情報を取得する取得指示を収容庫制御装置3に送信する(ステップS3)。収容庫制御装置3は、取得指示を受信すると、収容庫4の周辺状況を示す周辺情報を取得し、収容庫4を備えるポートPの周辺情報を収容設備管理装置1に送信する(ステップS4)。
【0029】
収容設備管理装置1は、収容庫制御装置3から周辺情報を受信する(ステップS5)。収容設備管理装置1は、ポートPの周辺情報が示す周辺状況に基づいて、飛行装置6が離陸又は着陸できるか否かを判定する(ステップS6)。そして、収容設備管理装置1は、判定結果を飛行管理装置2に送信する。
【0030】
飛行管理装置2は、収容設備管理装置1から判定結果を受信する(ステップS7)。飛行管理装置2は、判定結果に基づいて、飛行装置6に収容庫4から離陸させる離陸指示、又は収容庫4に着陸させる着陸指示を送信する(ステップS8)。
【0031】
このようにすることで、運航管理システムSは、飛行装置6が離陸できない場合に飛行装置を離陸させる離陸指示を行ってしまったり、着陸できない場合に着陸させる着陸指示を行ってしまったりすることを抑制できる。そのため、運航管理システムSは、飛行装置6の離着陸時の安全性を向上できる。
【0032】
[収容設備管理装置1の機能構成]
図3は、収容設備管理装置1の機能構成を示す図である。収容設備管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、他の装置と情報を送受信する通信モジュールである。通信部11は、例えば、LAN(Local Area Network)モジュールである。
【0033】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、収容庫4を識別する収容庫識別情報と、当該収容庫4に着陸した飛行装置6を識別する飛行装置識別情報とを関連付けて記憶する。具体的には、記憶部12は、収容庫識別情報と飛行装置識別情報とを関連付けたデータテーブルを記憶する。
【0034】
図4は、収容庫識別情報と飛行装置識別情報とを関連付けたデータテーブルを模式的に示す図である。
図4(a)は、収容庫識別情報(収容庫No)と、当該収容庫4に収容中の飛行装置6の飛行装置識別情報とを関連付けて記憶したデータテーブルを模式的に示す図である。
【0035】
記憶部12は、
図4(a)に示すように、収容庫識別情報と収容庫4が設置されたポートPを識別するポートIDとを関連付けて記憶してもよく、ポートIDに飛行装置識別情報を関連付けて記憶させてもよい。また、記憶部12は、収容庫4に飛行装置6が収容されている場合、収容庫4に収容された飛行装置6が離陸する予定の時刻を示す離陸予定時刻を記憶する。記憶部12は、収容庫4に飛行装置6が収容されていない場合、収容庫識別情報が示す収容庫4に飛行装置6が収容されていないことを示す情報を記憶する。このように、記憶部12が収容庫4の使用状況を記憶することで、収容設備管理装置1の管理者は、収容庫4の使用状況を把握しやすくなる。
【0036】
また、記憶部12は、複数の収容庫識別情報それぞれに、飛行装置識別情報、飛行装置6が収容庫4に着陸する予定の時刻を示す着陸時刻、及び飛行装置6が収容庫4から離陸する予定の時刻を示す離陸時刻を関連付けて記憶してもよい。
図4(b)は、記憶部12に記憶された、複数の収容庫識別情報それぞれに、飛行装置識別情報(ドローンID)、着陸時刻、及び離陸時刻を関連付けたデータテーブルを模式的に示す図である。このようにすることで、収容設備管理装置1の管理者は、収容庫4における飛行装置6の離着陸状況を管理しやすくなる。
【0037】
なお、記憶部12は、ポートIDに関連付けて、ポートIDの位置を示す位置情報を記憶してもよい。ポートIDの位置を示す位置情報は、例えば、経度を示す経度情報及び緯度を示す緯度情報を含む地理座標であるが、これに限定するものではない。また、位置情報は、経度情報及び緯度情報に加え、位置情報が示す位置に存在する建物の高さ又は標高を含んでいてもよい。
【0038】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信制御部131、情報取得部132、判定部133、及び送信制御部134としての機能を実現する。
【0039】
(飛行装置6が収容庫4から離陸する場合の処理)
まず、飛行装置6が収容庫4から離陸する場合の処理について説明する。この場合、受信制御部131は、飛行管理装置2から飛行装置6を離陸させる時刻を含む指示情報(以下、離陸指示という)を受信する。具体的には、受信制御部131は、収容庫4から離陸させる飛行装置6を識別する飛行装置識別情報、及び飛行装置識別情報が示す飛行装置6を離陸させる指示を含む離陸指示を受信する。
【0040】
情報取得部132は、受信制御部131が受信した指示情報に含まれる時刻になる所定時間前に、収容庫制御装置3から飛行装置6を収容する収容庫4を備えるポートPの周辺状況を示す周辺情報を取得する。例えば、情報取得部132は、周辺情報を取得したときの周辺状況が指示情報に含まれる時刻になるまで維持されるとみなせる時間前に周辺情報を取得する。このようにすることで、収容設備管理装置1は、飛行装置6が離陸する時刻において離陸できるか否かを判定する精度を高めることができる。
【0041】
情報取得部132は、離陸指示が示す飛行装置6を識別する飛行装置識別情報に関連付けて記憶部12に記憶された収容庫識別情報が示す収容庫4を備えるポートPの周辺情報を取得する。例えば、情報取得部132は、ポートPの周辺状況を示す周辺情報として、収容庫4を備えるポートPの周辺の気象に関する気象情報を取得する。収容庫4を備えるポートPの周辺の気象に関する気象情報は、例えば、晴れや雨などの天候、降雨量、風速、風向、気圧などであるが、これに限らない。また、情報取得部132は、収容庫4の周辺に存在する障害物を示す障害物情報を含む周辺情報を取得してもよい。障害となる物体は、例えば、ポートPの収容庫4の出入口に存在する物体、収容庫4の出入口近傍に存在する人又は動物などである。情報取得部132は、例えば、ポートPに設置されたデジタルカメラが収容庫4の近傍をリアルタイムで撮像した画像(映像)を周辺情報として取得し、取得した画像(映像)に基づいて、収容庫4の出入口近傍に障害物が存在するか否かを判定する。
【0042】
そして、判定部133は、情報取得部132が取得した周辺情報が示す周辺状況に基づいて、飛行装置6が離陸できるか否かを判定する。判定部133が実行する周辺状況に基づいて飛行装置6が離陸できるか否かを判定する処理の詳細は後述する。
【0043】
(飛行装置6が収容庫4に着陸する場合の処理)
次に、飛行装置6が収容庫4に着陸する場合の処理について説明する。この場合、運航管理システムSは、飛行装置6が飛行を開始する前に、飛行装置6が飛行した後に着陸する収容庫4を予約する。具体的には、まず、飛行管理装置2は、飛行装置6を飛行させる前に、飛行装置6を着陸させるポートPを識別するポートIDと、飛行装置6を着陸させる着陸時刻とを、着陸させる飛行装置6を識別する飛行装置識別情報に関連付けて収容設備管理装置1に送信する。
【0044】
収容設備管理装置1は、飛行管理装置2から飛行装置識別情報に関連付けられたポートID及び着陸時刻を受信すると、ポートIDが示すポートPが備える収容庫4に飛行装置識別情報が示す飛行装置6を収容できるか否かを判定する。具体的には、まず、情報取得部132は、受信制御部131が受信した飛行装置識別情報が示す飛行装置6の機体情報を取得する。機体情報は、飛行装置6の性能又は仕様を示す情報である。飛行装置6の性能又は仕様は、例えば、飛行装置6の全高、全長、モータ軸間距離、機体重量、飛行可能時間、最大ペイロード、最高速度、防水性の有無などであるが、これに限定するものではない。
【0045】
次に、判定部133は、機体情報が示す飛行装置6の全高又は全長が収容庫4の収容可能サイズより大きい場合、着陸できないと判定し、全高及び全長が収容庫4の収容可能サイズ以下である場合、着陸できると判定する。収容設備管理装置1は、飛行装置6を収容できると判定すると、飛行装置6を収容できる収容庫4を識別する収容庫識別情報に、飛行装置識別情報と着陸時刻とを関連付けて記憶する。このようにすることで、運航管理システムSは、飛行装置6が着陸する収容庫4の予約を行う。
【0046】
続いて、運航管理システムSが、飛行ルートに沿った飛行を終えた飛行装置6を着陸させる場合の処理について説明する。飛行管理装置2は、ユーザから飛行装置6を着陸させる着陸指示を受信した場合、又は飛行装置6が飛行ルートに沿った飛行を終えた場合、収容設備管理装置1に飛行装置6を着陸させる時刻を含む指示情報(以下、着陸指示という)を送信する。
【0047】
収容設備管理装置1の受信制御部131は、飛行管理装置2から飛行装置6を着陸させる着陸指示を受信する。具体的には、受信制御部131は、収容庫4に着陸させる飛行装置6を識別する飛行装置識別情報、及び飛行装置識別情報が示す飛行装置6を着陸させる指示を含む着陸指示を受信する。
【0048】
情報取得部132は、受信制御部131が飛行装置6を着陸させる着陸指示を受信した場合、飛行装置6を識別する飛行装置識別情報に関連付けられたポートIDが示すポートPの収容庫制御装置3から周辺状況を示す周辺情報を取得する。そして、判定部133は、情報取得部132が取得した周辺情報が示す周辺状況に基づいて、飛行装置6が着陸できるか否かを判定する。なお、判定部133が実行する周辺状況に基づいて飛行装置6が着陸できるか否かを判定する処理の詳細は後述する。
【0049】
なお、天候が変化した又は飛行装置6の状態が変化したことなどにより、予約した収容庫4と異なる収容庫4に飛行装置6を着陸させたい場合がある。この場合、飛行管理装置2は、着陸指示とともにポートIDを送信する。また、飛行管理装置2は、着陸指示とともに、飛行装置6の位置を示す位置情報、又は飛行装置6を着陸させる位置を示す位置情報を送信してもよい。例えば、飛行管理装置2は、位置情報に、位置情報が示す位置から飛行装置6が飛行できる範囲を示す飛行可能範囲を関連付けて送信する。
【0050】
情報取得部132は、受信制御部131が着陸指示とともにポートIDを受信すると、ポートIDが示すポートPの収容庫制御装置3から周辺状況を示す周辺情報を取得する。また、情報取得部132は、受信制御部131が位置情報と、位置情報に関連付けられた飛行可能範囲とを受信した場合、位置情報が示す位置を含む飛行可能範囲内に存在するポートPの周辺情報を取得する。そして、判定部133は、ポートIDが示すポートP又は位置情報が示す位置を含む飛行可能範囲内に存在するポートPの周辺情報に基づいて、飛行装置6が着陸できるか否かを判定する。
【0051】
(飛行装置6が離着陸できるか否かを判定する処理)
判定部133は、情報取得部132が取得した周辺情報が示すポートPの周辺状況に基づいて、離着陸できるか否かを判定する。具体的には、判定部133は、受信制御部131が飛行装置6を離陸させる離陸指示を受信した場合、飛行装置6が収容された収容庫4を備えるポートPの周辺状況に基づいて飛行装置6が離陸できるか否かを判定する。また、判定部133は、受信制御部131が飛行装置6を着陸させる着陸指示とともにポートIDを受信した場合、ポートIDが示すポートPの周辺状況に基づいて飛行装置6が着陸できるか否かを判定する。
【0052】
なお、飛行装置6は、ポートPの上空を飛行することができない場合、ポートPの収容庫4から離陸することも、ポートPの収容庫4に着陸することもできない。そこで、判定部133は、ポートPの周辺状況に基づいて飛行装置6がポートPの上空を飛行できると判定した場合、飛行装置6がポートPに離着陸できると判定する。また、判定部133は、飛行装置6がポートPの上空を飛行できないと判定した場合、飛行装置6がポートPに離着陸できないと判定する。
【0053】
例えば、判定部133は、情報取得部132が取得した気象情報が示す天候が晴れである場合、飛行装置6がポートPの上空を飛行できると判定する。また、判定部133は、情報取得部132が取得した気象情報が示す天候が雨である場合、飛行装置6がポートPの上空を飛行できないと判定する。
【0054】
判定部133は、気象情報が示す天候が雨である場合であっても、機体情報に防水性があることが示されているとき、飛行装置6がポートPの上空を飛行できると判定してもよい。例えば、判定部133は、ポートPの気象情報と飛行装置6の機体情報とに基づいて、ポートPの上空を飛行できるか否かを判定する。具体的には、判定部133は、機体情報に防水性があることが示されている場合、気象情報が示す降雨量が所定の降雨量以下のとき上空を飛行できると判定し、気象情報が示す降雨量が所定の降雨量より多いとき上空を飛行できないと判定する。
【0055】
所定の降雨量は、運航管理システムSを管理する管理者が適宜設定すればよいが、判定部133が、飛行装置6の機体情報に基づいて、飛行装置6の所定の降雨量を特定してもよい。例えば、判定部133は、機体情報に防水性があることを示す情報として、飛行装置6の防水性能を示す情報が示されている場合、防水性能を示す情報に基づいて飛行装置6が飛行可能な降雨量を特定する。具体的には、判定部133は、飛行装置6の防水性能が高いほど、飛行可能な降雨量を多くする。
【0056】
判定部133は、情報取得部132が取得した気象情報が示す風速に基づいて、飛行装置6がポートPの上空を飛行できるか否かを判定してもよい。例えば、判定部133は、情報取得部132が取得した風速が、所定の風速未満である場合、飛行装置6がポートPの上空を飛行できると判定し、取得した風速が所定の風速以上である場合、飛行装置6がポートPの上空を飛行できないと判定する。また、判定部133は、複数の飛行装置6それぞれで所定の風速を変更してもよい。例えば、判定部133は、飛行装置6の機体情報が示す最高速度に基づいて、飛行装置6が飛行可能な風速を特定する。具体的には、判定部133は、飛行装置6の最高速度が高いほど、飛行可能な風速を高くする。
【0057】
また、判定部133は、情報取得部132が障害物情報を含む周辺情報を取得した場合、飛行装置6がポートPに離着陸できないと判定する。具体的には、判定部133は、ポートPの収容庫4の出入口に物体が存在する場合、又は収容庫4の出入口近傍に人又は動物が存在する場合、飛行装置6がポートPに離着陸できないと判定する。そして、判定部133は、離陸できるか否か、又は着陸できるか否かを判定した判定結果を送信制御部134に通知する。
【0058】
送信制御部134は、判定部133から判定結果の通知を受けると、判定部133の判定結果を飛行管理装置2に送信する。具体的には、送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が離着陸できないと判定された場合、飛行管理装置2に飛行装置6が離着陸できないことを示す情報を送信する。また、送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が離着陸できると判定された場合、飛行管理装置2に飛行装置6が離着陸できることを示す情報を送信する。このようにすることで、飛行管理装置2は、収容庫4の周辺状況が、飛行装置6が離着陸できない状況であるのにもかかわらず、飛行装置6を離着陸させてしまうことを抑制できる。
【0059】
例えば、送信制御部134は、判定部133がポートPの気象情報と飛行装置6の機体情報に基づいて飛行装置6がポートPの上空を飛行できると判定した判定結果を飛行管理装置2に送信する。このようにすることで、飛行管理装置2は、例えば、雨が降っている場合や風が吹いている場合であっても、ポートPの上空を飛行可能な飛行装置6を離着陸させることができる。具体的には、飛行管理装置2は、飛行装置6の飛行ルートの終点付近のポートPの収容庫4に飛行装置6を着陸させることや、予定した飛行装置6をポートPの収容庫4から離陸させることができる。そのため、運航管理システムSは、飛行装置6の飛行ルートの変更などの予定外の飛行指示を低減できるので、飛行装置6の運航の安全性を向上できる。
【0060】
以下、収容設備管理装置1の制御部13が実行する処理の流れについて説明する。
【0061】
[飛行装置6の離着陸の可否を判定する処理の概要]
図5は、飛行装置6の離着陸の可否を判定する処理のフローチャートである。まず、受信制御部131は、飛行管理装置2から飛行装置6を離陸させる時刻又は着陸させる時刻を含む指示情報を取得する(ステップS11)。
【0062】
次に、情報取得部132は、指示情報に含まれる時刻になる前に、飛行装置6を収容する収容庫4を備えるポートPの周辺状況を示す周辺情報を取得する(ステップS12)。続いて、判定部133は、ポートPの周辺情報が示す周辺状況に基づいて飛行装置6が離着陸できるか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、判定部133は、上記で説明した周辺状況に基づいて飛行装置6がポートPに離着陸できるか否かを判定する方法により、飛行装置6が離着陸できるか否かを判定する。
【0063】
判定部133は、飛行装置6が離着陸できないと判定すると(ステップS13でNo)、飛行装置6が離着陸できないと判定した判定結果を送信制御部134に通知する(ステップS14)。判定部133は、飛行装置6が離着陸できると判定した場合(ステップS13でYes)、受信制御部131が受信した指示情報が示す指示が離陸指示か着陸指示かを判定する(ステップS15)。
【0064】
判定部133は、指示情報が示す指示が離陸指示である場合(ステップS15の離陸指示)、飛行装置6が離陸できると判定し、離陸できると判定した判定結果を送信制御部134に通知する(ステップS16)。判定部133は、指示情報が示す指示が着陸指示である場合(ステップS15の着陸指示)、飛行装置6の着陸の可否を判定する着陸可否判定処理を実行する(ステップS17)。着陸可否判定処理の具体的な説明は後述する。判定部133は、着陸可否判定処理を実行し、飛行装置6が着陸できるか否かを判定した判定結果を送信制御部134に通知する。そして、送信制御部134は、飛行管理装置2に飛行装置6が離着陸できるか否かを判定した判定結果を送信する(ステップS18)。
【0065】
[他の飛行装置6が離着陸する時刻に基づいて飛行装置6の離着陸の可否を判定する処理]
図1に示したポートP1のように、ポートPは、複数の収容庫4を備える場合がある。この場合、同じ時間帯において複数の飛行装置6が近接する複数の収容庫4それぞれで離着陸しようとすると、複数の飛行装置6それぞれは、他の飛行装置6と接近する。飛行装置6が他の飛行装置6と接近すると、飛行装置6が他の飛行装置6と接触してしまうことが懸念される。
【0066】
そこで、判定部133は、受信制御部131が飛行装置6を離着陸させる指示情報を受信した場合、他の飛行装置6が離着陸する時刻に基づいて、飛行装置6が離着陸できるか否かを判定する。以下、
図6を参照しながら、他の飛行装置6が離着陸する時刻に基づいて飛行装置6の離着陸の可否を判定する処理の流れについて説明する。
【0067】
図6は、他の飛行装置6が離着陸する時刻に基づいて飛行装置6の離着陸の可否を判定する処理のフローチャートである。
図6のフローチャートにおいては、飛行装置6を離陸又は着陸させる第1の指示情報を受信し、周辺状況に基づいて飛行装置6が離陸又は着陸できると判定されているものとする。また、記憶部12は、飛行装置6が離陸又は着陸できると判定された第1の指示情報に含まれる第1時刻を記憶する。
【0068】
まず、受信制御部131は、第1の指示情報を受信した後に、飛行管理装置2から第2の指示情報を受信する(ステップS21)。次に、判定部133は、第1の指示情報に含まれる第1時刻と、第2の指示情報に含まれる第2時刻との時間差を特定する(ステップS22)。そして、判定部133は、第1時刻と第2時刻との時間差が、所定時間より長いか否かを判定する(ステップS23)。所定時間は、例えば、飛行装置6が離陸又は着陸に必要とする時間に、不規則又は偶発的に発生する遅れを想定した時間を加えた時間である。
【0069】
判定部133は、第1時刻と第2時刻との時間差が所定時間より長い場合(ステップS23でYes)、第2の指示情報に関連付けられた飛行装置6が離陸又は着陸できると判定し、ステップS24に移行する。判定部133は、第1時刻と第2時刻との時間差が所定時間以下の場合(ステップS23でNo)、第2の指示情報に関連付けられた飛行装置6が離陸又は着陸できないと判定し、ステップS26に移行する。ステップS24からステップS30までの処理は、
図5のフローチャートのステップS12からステップS18までの処理と同様なので説明を省略する。
【0070】
このように、判定部133は、新たな指示情報を受信すると、新たな指示情報に含まれる時刻が、記憶部12に記憶された時刻と所定時間より長いか否かに基づいて、新たな指示情報が示す飛行装置6が離着陸できるか否かを判定する。そのため、収容設備管理装置1は、同一のポートPにおいて離着陸しようとする複数の飛行装置6を、一定の時間間隔をあけて離着陸させるので、飛行装置6が他の飛行装置6と接触してしまうことを抑制できる。
【0071】
以上の説明において、判定部133は、第1時刻と第2時刻との時刻差に基づいて、飛行装置6が離着陸できるか否かを判定した。これに限らず、判定部133は、第2の指示情報に含まれる第2時刻の所定時間前から第2時刻の所定時間後までの間に、第1時刻が含まれるか否かに基づいて第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できるか否かを判定してもよい。具体的には、判定部133は、第2時刻の所定時間前から第2時刻の所定時間後までの間に、第1時刻が含まれる場合、第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できないと判定する。また、判定部133は、第2時刻の所定時間前から第2時刻の所定時間後までの間に、第1時刻が含まれない場合、第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できると判定する。
【0072】
なお、判定部133は、第2時刻が第1時刻を含む所定の期間に含まれるか否かに基づいて、第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できるか否かを判定してもよい。具体的には、判定部133は、第2時刻が第1時刻を含む所定の期間に含まれる場合、第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できないと判定する。また、判定部133は、第2時刻が第1時刻を含む所定の期間に含まれない場合、第2の指示情報が示す飛行装置6が離着陸できると判定する。第1時刻を含む所定の期間は、第1時刻の所定時間前から第1時刻の所定時間後までの期間である。
【0073】
[着陸可否判定処理]
判定部133は、受信制御部131が着陸指示を受信して、周辺状況に基づいて飛行装置6が着陸できると判定した場合、飛行装置6が収容庫4に着陸できるか否かを判定する着陸可否判定処理を実行する。例えば、判定部133は、受信制御部131が着陸指示とともにポートIDを受信した場合、ポートIDが示すポートPを特定し、特定したポートPの収容庫4に着陸できるか否かを判定する。また、判定部133は、受信制御部131が着陸指示とともに位置情報及び所定の範囲を受信した場合、位置情報が示す位置から所定の範囲内にあるポートPを特定し、特定したポートPの収容庫4に着陸できるか否かを判定する。
【0074】
図7は、着陸可否判定処理のフローチャートである。判定部133は、特定したポートPに飛行装置6を収容していない空き収容庫4があるか否かを判定する(ステップS31)。判定部133は、空き収容庫4がある場合(ステップS31でYes)、ステップS32に移行する。判定部133は、飛行装置6の大きさが空き収容庫4に収容可能な大きさか否かを判定する(ステップS32)。判定部133は、飛行装置6の大きさが空き収容庫4に収容可能な大きさである場合(ステップS32でYes)、着陸できると判定してステップS33に移行する。
【0075】
ステップS33において、判定部133は、送信制御部134に着陸できると判定した判定結果を通知する。また、判定部133は、飛行装置6が着陸できる期間を示す着陸期間情報及び送信制御部134に飛行装置6を着陸させる収容庫4の位置を示す位置情報を特定し、着陸期間情報及び位置情報を通知する。着陸期間情報が示す飛行装置6が着陸できる期間は、判定部133により飛行装置6が着陸できると判定された期間である。着陸できる期間は、具体的には、9時~10時といった時間帯である。
【0076】
収容庫4の位置を示す位置情報は、ポートPにおける収容庫4の位置を示す情報である。ポートPにおける収容庫4の位置を示す情報は、例えば収容庫4を識別する識別情報であり、具体的には飛行装置6が収容庫4に着陸する場合に着陸位置の認識に使用する画像(以下、マーカーという)である。マーカーは、収容庫4に着陸する飛行装置6に応じて変更してもよい。また、マーカーは、複数の収容庫4それぞれで異なっていてもよい。マーカーの表示態様は、収容設備管理装置1を運用する事業者が適宜設定すればよいが、具体的には、丸、四角、二重丸などの記号が使用できる。また、マーカーは、記号に限らず、文字や図形であってもよい。
【0077】
判定部133は、空き収容庫4がない場合(ステップS31でNo)、又は飛行装置6の大きさが空き収容庫4に収容可能な大きさでない場合(ステップS32でNo)、特定したポートPの収容庫4に収容できないと判定する。判定部133は、特定したポートPの収容庫4に収容できないと判定すると、収容庫4に収容できないと判定したポートPからの距離が短いポートPを特定する(ステップS34)。
【0078】
例えば、判定部133は、着陸できないと判定した第1ポートPから所定の距離内にある、第1ポートPと異なる複数のポートPを特定し、特定した複数のポートPのうち、第1ポートPからの距離が他のポートPより短い第2ポートPを特定する。判定部133は、第1ポートPからの距離が他のポートPより短い第2ポートPを特定すると、ステップS31に移行する。判定部133は、飛行装置6が着陸できる収容庫4を備えるポートPを特定するまで上記の処理を繰り返す。
【0079】
なお、判定部133は、複数の第2ポートPを特定してもよい。判定部133は、複数の第2ポートPを特定した場合、複数の第2ポートPそれぞれに、第1ポートPまでの距離が短い順に順序を示す順序情報を関連付けて、送信制御部134に通知する。
【0080】
(飛行装置6が着陸できると判定された場合の送信制御部134の処理)
送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が着陸できると判定された場合、着陸できることを示す判定結果とともに、飛行管理装置2に収容庫4の位置を示す位置情報、及び飛行装置6が着陸できる期間を示す着陸期間情報を送信する。着陸期間情報が示す飛行装置6が着陸できる期間は、判定部133により飛行装置6が着陸できると判定された期間である。着陸できる期間は、具体的には、9時~10時といった時間帯である。このようにすることで、飛行管理装置2の管理者は、例えば、飛行装置6の飛行ルートを変更する必要が生じた場合であっても、収容庫4に着陸できる期間内に飛行装置6が収容庫4に到達できるように、飛行ルートを変更することができる。
【0081】
送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が第1ポートPに着陸できないと判定された場合、飛行装置6が着陸できないと判定された第1収容庫4を備える第1ポートPと異なる第2ポートPにおいて着陸できる第2収容庫4の位置を示す位置情報を送信する。このようにすることで、飛行管理装置2は、収容できないと判定された収容庫4からの距離が短い収容庫4の位置、及び距離が短い収容庫4に着陸させることができる期間を取得することができる。そのため、飛行管理装置2は、例えば電池の残量が低下して充電の必要がある飛行装置6を、飛行装置6が飛行できる時間内に着陸可能な収容庫4に着陸させることが容易になる。
【0082】
(飛行装置6が収容庫4に着陸する場合の運航管理システムSの処理の流れ)
以下、飛行装置6が収容庫4に着陸する場合の運航管理システムSの処理の流れについて説明する。まず、送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が着陸できると判定されると、着陸できると判定された判定結果とともに、収容庫4に関連付けられたマーカー画像を飛行管理装置2に送信する。また、送信制御部134は、飛行装置6が着陸する収容庫4を備えるポートPの収容庫制御装置3にマーカー画像を送信する。
【0083】
収容庫制御装置3は、収容庫4に設置された画像表示装置にマーカー画像を表示させる。本実施の形態において、画像表示装置は、液晶ディスプレイであることを想定している。なお、画像表示装置は、液晶プロジェクタであってもよく、マーカー画像を表示できるものであればよい。
【0084】
飛行管理装置2は、着陸できると判定されたポートPの収容庫4に着陸させる着陸指示とともに、飛行装置6にマーカー画像を送信する。飛行装置6は、受信したマーカー画像に対応するマーカー画像を表示する収容庫4に着陸する。例えば、飛行装置6は、収容庫4の画像表示装置が表示するマーカー画像を撮像するカメラを備え、撮像した画像に含まれる画像表示装置に表示されたマーカー画像と、受信したマーカー画像とが一致するか否かを判定する。具体的には、飛行装置6は、受信したマーカー画像と、収容庫4の画像表示装置が表示するマーカー画像とが一致すると判定した場合、当該収容庫4に着陸する。また、飛行装置6は、受信したマーカー画像と、収容庫4の画像表示装置が表示するマーカー画像とが一致しないと判定した場合、当該収容庫4に着陸しない。このようにすることで、飛行装置6は、収容設備管理装置1が指定した収容庫4に着陸することができる。
【0085】
なお、運航管理システムSは、現在の時刻を取得し、現在の時刻が着陸可能時間に含まれる場合にのみ収容庫4の画像表示装置にマーカー画像を表示させてもよい。このようにすることで、飛行装置6は、着陸可能時間において着陸することができ、着陸可能時間でないときに着陸できない。そのため、運航管理システムSは、着陸可能時間でない時間に、飛行装置6を収容庫4に着陸させてしまうことを低減できる。
【0086】
収容設備管理装置1は、飛行装置6が収容庫4に着陸したか否かを判定する。例えば、収容設備管理装置1は、着陸可能時間内に、収容庫制御装置3から収容庫4内に飛行装置6が収容された状態を撮像した撮像画像を取得した場合、飛行装置6が収容庫4に着陸したと判定する。また、収容設備管理装置1は、着陸予定時刻から着陸可能時間が経過した後に、収容庫4内に飛行装置6が存在しない状態を撮像した撮像画像を取得した場合、飛行装置6が収容庫4に着陸していないと判定する。そして、収容設備管理装置1は、飛行装置6が着陸していないと判定すると、飛行管理装置2に飛行装置6が収容庫4に着陸していないことを示す情報を通知する。このようにすることで、運航管理システムSは、飛行装置6を飛行させたいユーザに飛行装置6が収容庫4に着陸できたか否か、通知することができる。そのため、飛行管理装置2を介して飛行装置6を飛行させたいユーザは、飛行装置6の状態を把握しやすくなる。
【0087】
[収容庫4の扉を開く処理]
収容庫4は、飛行装置6を風雨から保護するために扉が設けられている場合がある。この場合、扉が開いていない状態で飛行装置6を離着陸させると、飛行装置6が扉と接触してしまうことが懸念される。そこで、収容設備管理装置1は、飛行装置6を離着陸させる時刻になる前に、収容庫4の扉を開く開扉指示を収容庫制御装置3に送信する。このようにすることで、収容設備管理装置1は、飛行装置6が離着陸する場合、収容庫4の扉を開くことができるので、飛行装置6が扉と接触してしまうことを抑制できる。以下、収容庫4の扉を開く処理の流れについて説明する。
【0088】
図8は、収容庫4の扉を開く処理のシーケンス図である。まず、送信制御部134は、判定部133により飛行装置6が離陸又は着陸できると判定された場合、指示情報に含まれる時刻になる前に、収容庫制御装置3に収容庫4の扉を開く開扉指示を送信する(ステップS41)。収容庫制御装置3は、開扉指示を受信すると、開扉指示が示す収容庫4を制御して、収容庫4の扉を開く。そして、収容庫制御装置3は、収容庫4の扉を開くと、収容庫4の扉が開いたことを示す開扉完了情報を送信する(ステップS42)。
【0089】
受信制御部131は、収容庫制御装置3から収容庫4の扉が開いたことを示す開扉完了情報を受信する。そして、送信制御部134は、受信制御部131が開扉完了情報を受信すると、開扉完了情報を飛行管理装置2に送信する(ステップS43)。
【0090】
飛行管理装置2は、収容設備管理装置1から開扉完了情報を受信する(ステップS44)。飛行管理装置2は、開扉完了情報を受信すると、飛行装置6が離陸又は着陸できると判定し、飛行装置6に収容庫4から離陸させる飛行指示、又は収容庫4に着陸させる飛行指示を送信する(ステップS45)。
【0091】
[収容庫4の扉を閉じる処理]
収容庫4に飛行装置6を風雨から保護するために扉が設けられている場合があることはすでに説明したが、飛行装置6が収容庫4から離陸又は収容庫4に着陸した後、収容庫4の扉が開いた状態では、飛行装置6又は収容庫4の内部を風雨から保護できない。そこで、収容設備管理装置1は、飛行装置6の離陸又は着陸が完了すると、収容庫4の扉を閉じる閉扉指示を収容庫制御装置3に送信する。このようにすることで、収容設備管理装置1は、飛行装置6の動作が完了した後に、収容庫4の扉を閉じることができるので、飛行装置6又は収容庫4内を風雨から保護できる。以下、収容庫4の扉を閉じる処理の流れについて説明する。
【0092】
図9は、収容庫4の扉を閉じる処理のシーケンス図である。まず、収容庫制御装置3は、飛行装置6の離陸又は着陸が完了すると、飛行装置6の離陸又は着陸が完了したことを示す動作完了情報を収容設備管理装置1に送信する(ステップS51)。収容庫制御装置3は、収容庫4に設置されたカメラが収容庫4を撮像した撮像画像、又は収容庫4に設置されたセンサなどに基づいて、飛行装置6が収容庫4から離陸した又は収容庫4に着陸したか否かを判定する。なお、飛行装置6が収容庫4から離陸した又は収容庫4に着陸したか否かの判定は、収容庫制御装置3から撮像画像又はセンサの信号値を取得した収容設備管理装置1が行ってもよい。
【0093】
受信制御部131は、収容庫制御装置3から飛行装置6の離陸又は着陸が完了したことを示す動作完了情報を受信する(ステップS52)。送信制御部134は、受信制御部131が動作完了情報を受信すると、収容庫制御装置3に収容庫4の扉を閉じる閉扉指示を送信する(ステップS53)。収容庫制御装置3は、収容設備管理装置1から閉扉指示を受信すると、収容庫4の扉を閉じる(ステップS54)。このようにすることで、収容設備管理装置1は、飛行装置6の動作が完了した後に、収容庫4の扉を閉じることができるので、収容庫4に着陸した飛行装置6又は飛行装置6が離陸して空になった収容庫4内を風雨から保護できる。
【0094】
収容設備管理装置1は、閉扉指示を送信した後、収容庫制御装置3に飛行装置6が離陸するときの画像、又は飛行装置6が着陸するときの画像を取得する指示を送信する(ステップS55)。収容庫制御装置3は、画像を取得する指示を受信すると、飛行装置6が離陸するときの画像、又は飛行装置6が着陸するときの画像を収容設備管理装置1に送信する(ステップS56)。
【0095】
受信制御部131は、収容庫制御装置3から飛行装置6が離陸するときの画像、又は飛行装置6が着陸するときの画像を受信する(ステップS57)。続いて、送信制御部134は、受信制御部131が受信した動作完了情報、及び飛行装置6が離陸するときの画像、又は飛行装置6が着陸するときの画像を飛行管理装置2に送信する(ステップS58)。そして、飛行管理装置2は、収容設備管理装置1から動作完了情報、及び飛行装置6が離陸するときの画像、又は飛行装置6が着陸するときの画像を受信する(ステップS59)。このようにすることで、飛行管理装置2を管理する事業者は、飛行装置6が収容庫4から離陸したときの状態又は収容庫4に着陸したときの状態を画像で確認することができる。そのため、飛行管理装置2を管理する事業者は、飛行装置6の状態を管理しやすくなる。
【0096】
[実施の形態に係る収容設備管理装置1の効果]
以上説明したとおり、収容設備管理装置1は、飛行管理装置2から飛行装置6を離陸又は着陸させる時刻を含む指示情報を受信し、指示情報に含まれる時刻になる前に、収容庫4の周辺状況を示す周辺情報を取得する。そして、収容設備管理装置1は、周辺情報に基づいて、飛行装置6が離陸又は着陸できるか否かを判定し、判定結果を飛行管理装置2に送信する。このようにすることで、収容設備管理装置1は、飛行装置6の離着陸時の安全性を向上することができる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0098】
1 収容設備管理装置
2 飛行管理装置
3 収容庫制御装置
4 収容庫
5 基地局
6 飛行装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受信制御部
132 情報取得部
133 判定部
134 送信制御部
P ポート
S 運航管理システム