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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】照明器具の取り付け
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20220221BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20220221BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20220221BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220221BHJP
【FI】
F21S8/08 112
F21V21/00 100
F21V21/30
F21Y115:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021515170
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019074451
(87)【国際公開番号】W WO2020058110
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/106572
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】18205857.8
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ワン クァングォ
(72)【発明者】
【氏名】リゥ ユーハン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】ティアン フェン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3159652(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103625349(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103629549(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 21/00
F21V 21/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のギアホイール部分を担持する凹部を有する取付部を有する照明器具であって、第2のギアホイール部分を担持する少なくとも1つの突出部が、前記凹部の横に位置する、照明器具と、
前記取付部と係合するための取付体であって、
前記第1のギアホイール部分と係合するための第1のさらなるギアホイール部分を担持する突出端部部分と、
前記端部部分の横に位置し、前記第1のさらなるギアホイール部分が前記第1のギアホイール部分と係合する場合に同時に前記第2のギアホイール部分と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール部分を担持する少なくとも1つの凹側部分と、
を有する、取付体と、
を含む、照明器具取付キットであって、
前記第1のギアホイール部分は凹状に形成され、前記第1のさらなるギアホイール部分は凸状に形成され、各第2のギアホイール部分は凸状に形成され、各第2のさらなるギアホイール部分は凹状に形成される、照明器具取付キット。
【請求項2】
前記取付部は、前記凹部の両側に位置し、各々第2のギアホイール部分を有する一対の突出部を有し、
前記取付体は、前記突出端部部分の両側に位置し、各々前記第1のさらなるギアホイール部分が前記第1のギアホイール部分と係合する場合に同時にそれぞれの第2のギアホイール部分と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール部分を有する一対の凹側部分を有する、請求項1に記載の照明器具取付キット。
【請求項3】
前記凹側部分は、前記取付体の本体から延びている、請求項1又は2に記載の照明器具取付キット。
【請求項4】
当該照明器具取付キットは、少なくとも1つのガイドピンを含み、
各突出部は、前記少なくとも1つのガイドピンを受け入れるための取付穴及びチャネルのうちの一方を有し、前記取付体の各側は、前記取付穴及び前記チャネルのうちの他方を有し、前記チャネルは、前記取付部の前記第1のギアホイール部分及び前記第2のギアホイール部分が、前記取付体のそれぞれの前記第1のさらなるギアホイール部分及び前記第2のさらなるギアホイール部分と係合される第1のコンフィギュレーションと、前記取付部の前記第1のギアホイール部分及び前記第2のギアホイール部分が、前記取付体のそれぞれの前記第1のさらなるギアホイール部分及び前記第2のさらなるギアホイール部分から係合解除される第2のコンフィギュレーションとの間で、前記照明器具の前記取付部に対する前記取付体の変位を可能にする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項5】
当該照明器具取付キットは、一対の前記ガイドピンを有し、
各突出部は、前記一方の前記ガイドピンを受け入れるための前記取付穴を有し、前記取付体の各側は、前記チャネルを有する、請求項4に記載の照明器具取付キット。
【請求項6】
前記取付体の前記第1のさらなるギアホイール部分及び前記第2のさらなるギアホイール部分と、前記取付部の前記第1のギアホイール部分及び前記第2のギアホイール部分とが、前記照明器具と前記取付体の間の固定角度が-20°~20°の範囲内で調整されることができるように寸法決めされる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項7】
各第2のギアホイール部分は、一対のストップ部分の間に位置し、前記ストップ部分は、前記第2のギアホイール部分に対する各第2のさらなるギアホイール部分の変位範囲を制限する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項8】
当該照明器具取付キットは、前記取付体を前記照明器具の前記取付部に締結するための一対の締結ねじを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項9】
前記側部分の各々は、前記締結ねじのうちの1つを受け入れるためのスロットを画定し、
各突出部は、前記締結ねじのうちの1つを固定するためのねじ穴を有する、請求項8に記載の照明器具取付キット。
【請求項10】
前記照明器具は街路灯である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項11】
前記取付体は、前記照明器具を取付ポストに取り付けるためのスピゴットである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具取付キット。
【請求項12】
請求項11に記載の照明器具取付キットと取付ポストとを含む、照明器具アセンブリ。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明器具取付キットを取付面に取り付ける方法であって、
前記取付体を前記取付面に取り付けることと、
前記取付体を前記取付部に入れることと、
前記照明器具を前記取付体に対して所望の向きに位置決めすることと、
前記照明器具を前記取付体に固定することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記照明器具を前記取付体に対して所望の向きに位置決めすることは、
前記取付部の前記第1のギアホイール部分及び前記第2のギアホイール部分を、前記取付体のそれぞれの前記第1のさらなるギアホイール部分及び前記第2のさらなるギアホイール部分から係合解除することと、
前記所望の向きを得るために前記取付体に対する前記照明器具の向き角度を調整することと、
前記取付部の前記第1のギアホイール部分及び前記第2のギアホイール部分を、前記取付体のそれぞれの前記第1のさらなるギアホイール部分及び前記第2のさらなるギアホイール部分と係合させることと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のギアホイール部分を有する取付部を有する照明器具と、取付部と係合するための取付体とを含む照明器具取付キットであって、取付体は、第1のギアホイール部分と係合するための第1のさらなるギアホイール部分を有する、照明器具取付キットに関する。
【0002】
本発明はさらに、このような照明器具取付キットを含む照明器具アセンブリに関する。
【0003】
本発明はさらに、このような照明器具キットを取付面に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0004】
道路照明等の一部の照明アプリケーション分野では、設置時に、取付面に対する照明器具の向きが、照らされることが意図されたターゲット領域に照明器具の光出力を方向付けるために調整されることができるように、照明器具は、取付面に調整可能に取り付けられるべきである。このような設置は、照明器具の重量と、設置者が頭上で作業して照明器具をそのターゲット取付面(例えば街路照明の場合は取付ポスト)に取り付ける必要があることとが相まって、面倒であり得る。
【0005】
このような設置を容易にするために、照明器具の向きが調整されることを可能にする、インターフェース又は取付体が、照明器具と取付面の間に使用されることがある。例えば、中国特許出願CN10515307Aには、回転機構及び回転機構を用いた街路灯が開示されている。回転機構は、ランプ台座のランプヘッドを取り付けるためのフレームと、ランプキャップ固定要素と、押え板とを有する。ランプヘッドベースは、回転軸の溝及び円弧状の溝が設けられた内壁を有する回転キャビティを有する。回転キャビティの上部には、押え板と係合するための固定規制歯を有する固定部が設けられている。ランプキャップ固定要素は、ランプロッドを連結固定するためのランプロッドジョイントを有する。ランプロッドジョイントの上部には、ランプヘッドベースと係合する可動調整可能ギアが設けられており、ランプロッドジョイント及び押え板が、街路灯をその所望の向きに固定するために使用される。
【0006】
このような設計の不利な点は、このようなランプ又は照明器具の設置がかなり面倒であること、及び、ギア機構が応力に弱く、取付機構の早期故障につながる可能性があることである。したがって、これらの不利な点の少なくとも一部が解決された、代替的な照明器具取付キットを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、取付面への照明器具の直接的な設置(straightforward installation)を容易にする及び/又は取付機構にかかる応力に対して堅牢である照明器具取付キットを提供しようとするものである。
【0008】
本発明はさらに、このような照明器具取付キットを含む照明器具アセンブリを提供しようとするものである。
【0009】
本発明はさらに、このような照明器具キットを取付面に取り付ける方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によれば、第1のギアホイール部分を担持する凹部(recessed section)を有する取付部(mounting section)を有する照明器具であって、第2のギアホイール部分を担持する少なくとも1つの突出部(protruding section)が、凹部の横に位置する(flank)、照明器具と、取付部と係合するための取付体(mounting body)であって、第1のギアホイール部分と係合するための第1のさらなるギアホイール部分を担持する突出端部部分(protruding end portion)と、端部部分の横に位置し、第1のさらなるギアホイール部分が第1のギアホイール部分と係合する場合に同時に第2のギアホイール部分と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール部分を担持する少なくとも1つの凹側部分(recessed side portion)とを有する、取付体とを含む、照明器具取付キット(luminaire mounting kit)が提供される。
【0011】
照明器具及びその取付インターフェース、すなわち、取付体の両方が、互いに対して段差のある複数のギアホイールを有する取付機構を提供することにより、照明器具と取付体の間の結合部にかかる応力(力)がより広いエリアに分散されるので、照明器具は、取付面に取り付けられた場合に、部品の故障に対してより堅牢になり、それにより、取付機構の早期故障のリスクが低減される。この点で、本願の文脈において、ギアホイールは、複数の歯(tooth)又はコグ(cog)を有する整合した弧状表面部(matching arcuate surface segment)とインターフェースするための複数の歯又はコグを有する弧状表面部を対象とすることが意図されていることに留意されたい。前述から理解されるように、「ホイール部分(wheel portion)」という用語は、以下でさらに詳細に説明されるように、必ずしも閉じた構造(closed structure)を示すものではなく、必ずしも軸等の周りを回転できる構造を示すものでもない。
【0012】
照明器具取付部及び取付体の各々におけるホイールギア部分は、取付面に取り付けられた場合に取付部と取付体の間で取付力をさらに分散させるために相対する弧状形状を有してもよい。例えば、第1のギアホイール部分は凹状に形成されてもよく、第1のさらなるギアホイール部分は凸状に形成されてもよく、各第2のギアホイール部分は凸状に形成されてもよく、各第2のさらなるギアホイール部分は凹状に形成されてもよい。
【0013】
一実施形態では、取付部は、凹部の両側に位置し、各々第2のギアホイール部分を有する一対の突出部を有し、取付体は、突出端部部分の両側に位置し、各々第1のさらなるギアホイール部分が第1のギアホイール部分と係合する場合に同時にそれぞれの第2のギアホイール部分と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール部分を有する一対の凹側部分を有する。この構成は、取付機構の堅牢性をさらに向上させ、取付面への照明器具の取り付けを容易にする。
【0014】
凹側部分は、例えば、取付体の簡単且つ費用対効果の高い製造を可能にするために、取付体の本体(main body)から延びてもよい。
【0015】
好ましい実施形態では、照明器具取付キットは、少なくとも1つのガイドピンを含み、各突出部は、少なくとも1つのガイドピンを受け入れるための取付穴(mounting hole)及びチャネルのうちの一方を有し、取付体の各側は、取付穴及びチャネルのうちの他方を有し、チャネルは、取付部の第1のギアホイール部分及び第2のギアホイール部分が、取付体のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分及び第2のさらなるギアホイール部分と係合される第1のコンフィギュレーション(configuration)と、取付部の第1のギアホイール部分及び第2のギアホイール部分が、取付体のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分及び第2のさらなるギアホイール部分から係合解除(disengage)される第2のコンフィギュレーションとの間で、照明器具の取付部に対する取付体の変位を可能にする。したがって、少なくとも1つのガイドピンと取付体又は照明器具取付部におけるチャネルとの組み合わせは、取付体が、照明器具取付部との係合した関係から係合解除された関係に可逆的に変位されることを可能にし、それにより、照明器具のその取付面に対する向きの調整を、斯かる面に取り付けている場合に容易に行えるようにする。
【0016】
例えば、照明器具取付キットは、一対のガイドピンを有し、各突出部は、前記一方のガイドピンを受け入れるための取付穴を有し、取付体の各側は、チャネルを有してもよい。一対のこのようなガイドピンを提供することにより、各ガイドピンにかかる力が低減されるので、単一のガイドピンが取付機構を貫通する実施形態と比較してより小さな径のピンが使用されてもよい。
【0017】
例示的な実施形態では、取付体の第1のさらなるギアホイール部分及び第2のさらなるギアホイール部分と、取付部の第1のギアホイール部分及び第2のギアホイール部分とが、照明器具と取付体の間の固定角度が、-20°~20°の範囲内で調整されることができるように寸法決めされる。本願の文脈において、「固定角度(fixation angle)」という用語は、照明器具取付部のギアホイールに対する取付体のギアホイールの変位を指してもよい。したがって、この固定角度は、取付体が水平面に中心付けられる場合の該水平面に対する照明器具の取付角度(mounting angle)を定義してもよい。
【0018】
各第2のギアホイール部分は、第2のギアホイール部分に対する各第2のさらなるギアホイール部分の変位範囲を制限する一対のストップ部分(stop portion)の間に位置してもよい。したがって、このようなストップ部分は、所望の又は設計された範囲外の固定角度の下で照明器具が設置されることを防止し、それにより、照明器具の許容可能な固定角度の観点から、設置者が照明器具を正しく設置することを支援する。
【0019】
照明器具取付キットはさらに、取付体を照明器具の取付部に締結するための一対の締結ねじを含んでもよく、締結ねじは、所望の固定角度の下で照明器具を位置決めする際に、取付体を照明器具に固定するために使用されることができ、それにより、この固定角度の不用意な調整(accidental adjustment)が防止される。このために、側部分の各々は、締結ねじのうちの1つを受け入れるためのスロットを画定してもよく、各突出部は、締結ねじのうちの1つを固定するためのねじ穴を有してもよい。
【0020】
選択された実施形態では、照明器具は、街路灯であってもよく、及び/又は、取付体は、照明器具を取付ポスト(mounting post)に取り付けるためのスピゴット(spigot)であってもよい。
【0021】
別の態様によれば、取付体が照明器具を取付ポストに取り付けるためのスピゴットである実施形態等、本明細書で述べられる任意の実施形態の照明器具取付キットと、取付ポストとを含む、照明器具アセンブリが提供される。このような照明器具アセンブリは、直接的に(in a straightforward manner)照明器具を取付ポストに取り付けるための堅牢な取付機構を提供し、それにより、設置者にとって照明器具の設置を容易にする。
【0022】
さらに別の態様によれば、本明細書で述べられる任意の実施形態の照明器具取付キットを取付面(mounting surface)に取り付ける方法であって、取付体を取付面に取り付けることと、取付体を取付部に入れる(slot)ことと、照明器具を取付体に対して所望の向きに位置決めすることと、照明器具を取付体に固定することとを含む、方法が提供される。このようにして、照明器具は、堅牢且つ直接的に取付ポスト等の取付面に設置されることができる。
【0023】
好ましくは、照明器具のその所望の向きでの設置を容易にするために、照明器具を取付体に対して所望の向きに位置決めすることは、取付部の第1のギアホイール部分及び第2のギアホイール部分を、取付体のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分及び第2のさらなるギアホイール部分から係合解除することと、所望の向きを得るために取付体に対する照明器具の向き角度(orientation angle)を調整することと、取付部の第1のギアホイール部分及び第2のギアホイール部分を、取付体のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分及び第2のさらなるギアホイール部分と係合させることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に、非限定的な例として述べられる。
図1】一実施形態による取付体と係合した照明器具を概略的に示す。
図2】一実施形態による照明器具及び取付体を含む照明器具キットの斜視図を概略的に示す。
図3】一実施形態による照明器具及び取付体を含む照明器具キットの側面図を概略的に示す。
図4】一実施形態による照明器具キットの取付体の側面図を概略的に示す。
図5】一実施形態による照明器具キットの照明器具と取付体との間の取付機構の第1の態様の側面図を概略的に示す。
図6】一実施形態による照明器具キットの照明器具と取付体との間の取付機構のさらなる態様の側面図を概略的に示す。
図7】一実施形態による照明器具キットの照明器具と取付体との間の取付機構の第1の態様の別の側面図を概略的に示す。
図8】一実施形態による照明器具キットの照明器具と取付体との間の取付機構のさらなる態様の別の側面図を概略的に示す。
図9】一実施形態による照明器具キットの照明器具と取付体との間の取付機構の例示的な端部位置の側面図を概略的に示す。
図10】係合したコンフィギュレーションにおける一実施形態による照明器具キットの照明器具及び取付体の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。同じ参照番号は、図面全体にわたって同じ又は類似の部分を示すために用いられることも理解されたい。
【0026】
図1は、例示的な実施形態例による照明器具取付キット10を示している。照明器具取付キット10は、照明器具100と、照明器具100を取付面に取り付けるための取付体200とを含む。例えば、照明器具100は、街路灯であってもよく、取付体200は、街路灯を取付ポスト又は他の適切な取付面に取り付けるためのスピゴット等であってもよい。照明器具100は、任意の適切な形状をとってもよく、任意の適切な数の照明デバイスを備えてもよい。特定の実施形態では、照明器具100は、LED等の1つ以上の固体照明素子を有するが、もちろん、他の適切なタイプの照明デバイスも同様に企図され得る。
【0027】
照明器具100は、照明器具100の下方の特定のエリアを照らす目的で取付面に取り付けられてもよい。例えば、照明器具100が街路灯である場合、照明器具100は、街路、道路、歩道、駐車場、又はオープンスペースにわたる特定の照明プロファイルが望ましい他のタイプの公的にアクセス可能なオープンスペースの特定のエリアを照らすために設置されてもよい。このようなシナリオでよく発生する問題は、照明器具100が設置されるのに利用可能な場所が限られていることである。それゆえ、これは、照明器具100と取付体200との間の係合が、照明器具100の方向性のある発光出力(directional luminous output)が照らされるべきターゲットエリアに方向付けられ得るように調整可能であることを必要とする。しかしながら、照明器具100と取付体200との間に調整可能な機構を設けることは、この係合の構造的完全性を妥協し、この結合機構の寿命を減少させる可能性がある。このために、本発明の少なくとも一部の実施形態は、取付体200に対する照明器具100の相対的な向きが直接的に調整されることを可能にする、照明器具100と取付体200との間の堅牢な調整可能な結合機構が設けられる照明器具取付キット10を提供する。
【0028】
図2は、照明器具100及び取付体200の一部が見える、このような照明器具取付キット10の斜視図を概略的に示し、図3は、その側面図を概略的に示している。とりわけ、本発明の実施形態によれば、照明器具100は、典型的には、取付ポスト等の取付面に取り付けられるべき照明器具100の末端部分に位置する、取付部110を有する。取付部110は、以下では第1のギアホイール部分121と称される、規則的なパターンの歯又はコグを担持する凹状の弧状表面部(recessed arcuate surface section)を有する。以下では第2のギアホイール部分131と称される、別の規則的なパターンの歯又はコグを担持する弧状の前向きの表面部(arcuate forward facing surface section)を含む少なくとも1つの突出部130が、取付部110の凹部における第1のギアホイール部分121の横に位置する。
【0029】
とりわけ図2から理解されるように、第1のギアホイール部分121と少なくとも1つの第2のギアホイール部分131は、同じ方向に向いており、すなわち、同じ仮想平面に面している。言い換えれば、取付部110は、凹状の弧状表面部に第1のギアホイール部分121を含み、少なくとも1つの突出部130の前向きの弧状表面部に第2のギアホイール部分131を含む段状のプロファイル(stepped profile)を有し、凹表面部と突出表面部とは、第1のギアホイール部分121を担持する凹表面部に面した突出部130の側面132を介して接続されている。各突出部130はさらに、側面132に対向するさらなる側面134を有し、前向きの弧状表面部が、対向する側面132、134の間に延びてもよい。このような段状の構成は、照明器具100の取付部110と取付体200との間の応力が、照明器具100が取付体200と係合した場合に、取付部110の広いエリアに分散されることを確実にし、それにより、このような係合中に部品が故障するリスクが低減される。なお、図2及び図3では、取付部110は、第1のギアホイール部分121を担持する凹表面部の対向する側を挟む一対の突出部130を有するように示されているが、これは非限定的な例に過ぎず、例えば、本発明の教示から逸脱することなく、2つの突出部130のうちの一方を省略することも同様に実現可能であることに留意されたい。
【0030】
取付部110と係合することができるために、取付体200は、相互的な段状の構成(reciprocal stepped arrangement)を有する。より具体的には、取付体200は、第1のギアホイール121と係合するための第1のさらなるギアホイール221を担持する弧状表面部分を有する突出端部部分220を有する本体210と、端部部分220の横に位置する少なくとも1つの凹状の弧状側部分(recessed arcuate side portion)230とを有する。取付体200の詳細な側面図が、図4に概略的に示されている。各凹側部分230は、第1のさらなるギアホイール部分221が第1のギアホイール部分121と係合する場合に同時に第2のギアホイール部分131と同時と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール部分231を担持する、すなわち、取付体200と照明器具100の取付部110との係合中、すべてのそれぞれのギアホイール部分が同時に互いと係合して、前述のように照明器具100と取付体200との間の結合部にかかる応力を再分配する。
【0031】
特定の実施形態では、1つ以上の凹状の弧状側部分230は、本体210から延びており、例えば、任意の適切な方法でそれに取り付けられるが、これは非限定的な例に過ぎず、1つ以上の凹状の弧状側部分230は、本体210の一体的な部分を形成することももちろん同様に実現可能であり、その場合、本体210は、段状のプロファイルを有することを理解されたい。しかしながら、1つ以上の凹状の弧状側部分230を本体210に取り付けることの利点は、本体210がより規則的な形状を有し、より費用対効果の高い方法で製造され得ることである。本体210は、中空であってもよく、すなわち、照明器具100が取り付けられるべき取付面の取付部分と係合し得る、キャビティ201を画定してもよい。これは、当業者にとってそれ自体よく知られているため、簡潔さのみを考慮して、さらに詳細には説明されない。
【0032】
図2及び図3に示されるように、第1のギアホイール121及び第2のギアホイール(複数可)131は、互いに相対する曲率を有してもよく、例えば、第1のギアホイール121を担持する弧状表面部は、凹状の曲率を有し、少なくとも1つの突出側部130の第2のギアホイール131を担持する表面部は、凸状の曲率を有してもよい。前述から理解されるように、結果として、第1のさらなるギアホイール221を担持する取付体200の端部部分220は、凸状の曲率を有し、第2のさらなるギアホイール231を担持する少なくとも1つの側部分230は、凹状の曲率を有する。このような互いに相対する曲率は、照明器具100の取付部110と取付体200との間のグリップを向上させ、それにより、この係合の堅牢性をさらに向上させるという利点を有する。もちろん、上述の曲率は非限定的な例に過ぎず、他の互いに相対する曲率、例えば、第1のギアホイール121を担持する弧状表面部が、凸状の曲率を有し、少なくとも1つの突出側部130の第2のギアホイール131を担持する表面部が、凹状の曲率を有することも同様に企図され得ることを理解されたい。さらに、疑義を避けるために、代替的な実施形態では、取付部110のギアホイール121、131がすべて同じ曲率を有してもよく、さらなるギアホイール221、231がすべて取付部110のギアホイール121、131に対して同じ相補的又は相対する曲率を有してもよいことに留意されたい。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、取付体200に対する照明器具100の向きの調整は、照明器具100と取付体200との間の係合が照明器具100を取付体200から物理的に分離することなく解除され得、これにより、取付体200に対する照明器具100の向きが、取付体200が照明器具100から物理的に離脱されるリスクなく照明器具100の設置者が直接的に照明器具100の向きを調整することができるような、係合解除されたコンフィギュレーション(disengaged configuration)において調整され得る、コンフィギュラブルな構成(configurable arrangement)を照明器具100と取付体200との間に設けることにより達成され、それにより、先に述べたように、照明器具100を取付ポスト等の取付面に設置することが容易になる。
【0034】
このために、照明器具取付キット10は、照明器具取付キット10の取付体200に照明器具100の取付部110を結合する少なくとも1つのガイドピン20を備える。単一のガイドピン20の場合、このようなガイドピンは、典型的には、取付部110の全幅にわたって延び、当業者によって容易に理解されるように、ガイドピン20は、固定ピン、ボルト等で固定されてもよい。代替的に、照明器具取付キット10は、各々が任意の適切な方法で取付体200上に固定される一対のガイドピン20を備えてもよい。各ガイドピン20は、取付部110の少なくとも一部を通って延びる場合にガイドピンの滑りを防止するスペーサリング22を備えてもよい。
【0035】
例えば、取付部110の少なくとも1つの突出部130の側面132、134は、ガイドピン20を受け入れるためのスルーホール又は開口133を有し、取付体200の本体210の側面は、ガイドピン20を受け入れるためのスリット又はチャネル233を有してもよい。代替的に、スリット又はチャネル233は、取付部110に位置してもよく、スルーホール又は開口133は、取付体200の本体210に位置してもよい。チャネル233の寸法は、取付体200が照明器具100との係合解除されたコンフィギュレーションから係合したコンフィギュレーションへと、及びその逆へと横方向に変位され得るように選択される。これは、第1のギアホイール121及び第1のさらなるギアホイール221の係合解除されたコンフィギュレーションを示す図5及び係合したコンフィギュレーションを示す図6、並びに、第2のギアホイール131及び対向する第2のさらなるギアホイール231の係合解除されたコンフィギュレーションを示す図7及び係合したコンフィギュレーションを示す図8に概略的に示されている。照明器具100の取付部110及び取付体200を通ったガイドピン20の延在の断面図が、図10に概略的に示されている。
【0036】
係合解除されたコンフィギュレーションでは、例えば、取付体200が取付ポスト等の取付面に取り付けられている場合に、照明器具100が取付体200に対して(又はその逆に)回転されてもよい。これは、照明器具100がその(方向性のある)発光出力を出す方向の調整を可能にする。例えば、照明器具100の向きは、照明器具100が、第1の極限位置(extreme position)における図9に概略的に示されるような取付体200に対して+20°の角度から、第2の極限位置における取付体200に対して-20°の角度までの下で位置決めされることができるように調整可能であってもよい。極限位置は、照明器具100が取付体200に対して位置決めされ得る角度の範囲を定義する。前述したように、この角度は、照明器具100の中心線と取付体200の中心線との間の角度として定義されてもよく、取付体200の中心線が水平面と一致する場合、例えば、取付体200が取付面に水平に取り付けられる場合、照明器具100の中心線とこの水平面との角度として定義される。所与の例では、この角度の正の値は、この平面より下の照明器具100の向きを示し、この角度の負の値は、この平面より上の照明器具100の向きを示す。しかしながら、これは任意の慣例であり、代わりに任意の適切な代替慣例が使用されてもよいことを理解されたい。
【0037】
照明器具100の設置者が正しい(例えば所定の)取付角度の下で照明器具を設置することを支援するために、照明器具100及び取付体200は、照明器具100が取付体200と係合される正しい角度を設置者が設定することを支援する視覚補助(visual aid)を有してもよい。例えば、突出部130の外側面134は、照明器具100が取付体200に対して位置決めされ得る角度の範囲を定義する分度器部等の目盛り138を表示してもよく、対向する凹側部分230の側面は、目盛り138上の所望の角度値とのインジケータ238の位置合わせが達成されるまで係合解除されたコンフィギュレーションにおいて照明器具100を取付体200に対して(又はその逆に)回転させることにより目盛り138上の所望の角度値でのインジケータ238の位置合わせを可能にする矢じり等のインジケータ238を表示してもよい。このために、インジケータ238は、好ましくは、取付体200の中心線上に位置付けられ、目盛り138は、好ましくは、照明器具100の(取付部110)の中心線上に中心付けられる。このような位置合わせをさらに容易にするために、インジケータ238は、好ましくは、第2のさらなるギアホイール231の近くに位置し、目盛り138は、好ましくは、第2のギアホイール131の近くに位置する。
【0038】
一実施形態では、取付部110はさらに、係合解除されたコンフィギュレーションにおいて取付体200に対する照明器具100の過回転(over-rotation)を防止する対向するストップ部分137、139を有してもよい。このような過回転、すなわち、最大許容角度を超える角度の下での取付体200に対する照明器具100の位置決めは、対向するギアホイール121、221及び131、231のわずかな部分しか互いに係合しないことにつながり、照明器具100と取付体200との間の結合の構造的完全性を損なう可能性がある。対向するストップ部分137、139は、典型的には、照明器具100と取付体200との間の各最大許容角度において、第2のギアホイール131と係合するように構成される第2のさらなるギアホイール231の端部部分が、照明器具100と取付体200との間の係合解除されたコンフィギュレーションにおいてストップ部分137、139の1つに接触して、このような過回転を防止するように、各第2のギアホイール131の対向する端部に配置される。
【0039】
取付体200に対する照明器具100の所望の位置決めの後、取付体200及び/又は照明器具100は、照明器具100のそれぞれのギアホイール121、131を取付体200のそれぞれのさらなるギアホイール221、231と係合させるためにガイドピン20に沿って横方向に変位されて、照明器具100をその所望の向きで「ロック」してもよい。取付体200との所望の向きでの照明器具100の係合が誤って元へ戻されることができないように取付体200を照明器具100にロックするために、照明器具取付キット10はさらに、取付体200を照明器具100の取付部110に締結するための一対の締結ねじ30(又はそれ以上)を含んでもよい。このような締結ねじ30は、典型的には、取付体200の一部を通って延び、照明器具100の取付部110上に固定される。例えば、取付体200の側部分230の各々は、このような締結ねじ30を受け入れるためのスロット又はチャネル235を画定してもよく、一方、対向する突出部130の各々は、締結ねじ30を固定するためのねじ穴135を有してもよく、それによって、照明器具100のそれぞれのギアホイール121、131とそれぞれのさらなるギアホイール221、231との間の係合を固定してもよい。各締結ねじ30は、当業者にはそれ自体よく知られているように、例えば締結ねじ30の滑りを防止するために、1つ以上のスペーサリング32、34を備えてもよい。疑義を避けるために、「締結ねじ(fastening screw)」という用語は狭く解釈されるべきではなく、この用語は、係合したコンフィギュレーションにおいて取付体200を照明器具100に固定するために使用され得る任意の固定部材を対象とすることが意図されていることに留意されたい。
【0040】
したがって、要約すると、本発明の実施形態による照明器具取付キット10は、非限定的な例として取付ポスト等の取付面への照明器具100の直接的な設置方法を可能にする。この設置方法では、設置者は、単純に、任意の適切な方法で、例えば非限定的な例としてネジ40及びナット42を用いて、取付体200をこの取付面に取り付け、取付体200を取付部110に入れ(slot)、照明器具100を取付体200に対して所望の向きに位置決めし、例えば締結ねじ30を用いて、照明器具100を取付体に固定してもよい。以上述べたように、照明器具100を取付体200に対して所望の向きに位置決めすることは、取付部110の第1のギアホイール部分121及び第2のギアホイール部分131を、取付体200のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分221及び第2のさらなるギアホイール部分231から係合解除すること(を維持すること)と、所望の向きを得るために取付体200に対する照明器具100の向き角度を調整することと、取付部110の第1のギアホイール部分121及び第2のギアホイール部分131を、取付体200のそれぞれの第1のさらなるギアホイール部分221及び第2のさらなるギアホイール部分231と係合させることとを含んでもよい。
【0041】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprising)」という語は、請求項に列挙された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、複数の個別の要素を有するハードウェアにより実現されることができる。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、同一のハードウェアのアイテムにより具体化されることができる。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
図1
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