(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】エフェクタ、機械アーム及びロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20220222BHJP
F16H 48/10 20120101ALI20220222BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
B25J17/00 E
F16H48/10
H02K7/116
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019030517
(22)【出願日】2019-02-22
【審査請求日】2019-02-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】201810161540.6
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910053150.1
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521102638
【氏名又は名称】達闥机器人有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】崔昊天
(72)【発明者】
【氏名】▲イェン▼巡戈
【合議体】
【審判長】見目 省二
【審判官】松原 陽介
【審判官】大山 健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0213087(US,A1)
【文献】特開平10-94014(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0140553(US,A1)
【文献】特開2013-99191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、モータステータ及びモータロータを含み、前記モータステータが前記ハウジングに固定され、前記モータロータが前記ハウジングに回動接続され、前記モータステータが前記モータロータに覆われるモータと、
前記モータロータに固定される位置エンコーダと、
前記モータロータに接続され、前記モータロータから出力される動力を受けて前記動力の回転数を減速処理してから出力する減速機と、
前記ハウジングに固定され、前記モータに電気的に接続されるモータドライバと、
を備え、
前記減速機は一段の内歯リングギア、一段の太陽歯車、一段の遊星歯車、一段の出力旋回輪、第1のリング、第2のリング及び幾つかの第1のビーズを含み、
前記第2のリングの内壁には第1の環溝が設けられ、前記一段の出力旋回輪の外壁には第2の環溝が設けられ、前記第1の環溝と第2の環溝は共に合わせて第1の環形通路を形成し、前記第1のビーズは前記第1の環形通路内に収容されると共に、前記第1の環形通路に回動可能であることを特徴とするエフェクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、フロントケースとリアカバーを含み、
前記フロントケースには回動溝と駆動溝が設けられ、前記モータステータとモータロータはいずれも前記回動溝内に位置し、前記モータドライバは前記駆動溝内に位置し、前記リアカバーは、前記駆動溝を閉じるために、前記駆動溝の溝口を覆って設けられることを特徴とする請求項1に記載のエフェクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは前記回動溝の溝底から前記回動溝内へスリーブ接続部が延在され、前記モータステータはスリーブとして前記スリーブ接続部に接続され、前記モータロータは前記スリーブ接続部に回動接続されると共に、前記モータステータを覆うことを特徴とする請求項2に記載のエフェクタ。
【請求項4】
前記モータステータは骨格と巻線を含み、前記骨格にはスリーブ接続口及びスリーブ接続口を取り囲む幾つかの歯溝が設けられ、前記巻線は幾つかの歯溝に巻き設けられ、前記スリーブ接続部は前記スリーブ接続口内に挿入して接続されることを特徴とする請求項3に記載のエフェクタ。
【請求項5】
前記巻線はエナメル線による耐高温コイルであることを特徴とする請求項4に記載のエフェクタ。
【請求項6】
前記モータドライバは外接インタフェース、外接インタフェース板、及び駆動板を含み、前記駆動板は外接インタフェース板に重ね、外接インタフェースに電気的に接続されると共に、前記モータステータに電気的に接続され、前記外接インタフェースは前記外接インタフェース板における前記駆動板から乖離される面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエフェクタ。
【請求項7】
前記一段の遊星歯車は前記一段の出力旋回輪の一方の面に設けられると共に、前記一段の出力旋回輪に対して回動可能であり、前記一段の内歯リングギアは一段の太陽歯車と一段の遊星歯車を内に取り囲み、前記一段の遊星歯車はそれぞれ前記一段の太陽歯車と一段の内歯リングギアに噛み合い、前記一段の太陽歯車には一段の駆動軸が延在され、前記一段の駆動軸は前記モータロータに固定されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のエフェクタ。
【請求項8】
前記第1のリングは前記一段の内歯リングギアに固定され、前記第2のリングは前記第1のリングに固定され、前記第1のリングと第2のリングはいずれも前記一段の出力旋回輪を取り囲むことを特徴とする請求項7に記載のエフェクタ。
【請求項9】
前記第1の環形通路はその断面形状が菱形であり、前記第1のビーズは前記第1の環形通路の内面の4つの点に接することを特徴とする請求項1に記載のエフェクタ。
【請求項10】
前記減速機は二段の内歯リングギア、二段の太陽歯車、二段の遊星歯車、及び二段の出力旋回輪を含み、
前記一段の太陽歯車における一段の駆動軸は前記二段の出力旋回輪の一方の面に固定され、前記二段の遊星歯車は前記二段の出力旋回輪のもう一方の面に設けられると共に、前記二段の出力旋回輪に対して回動可能であり、前記二段の内歯リングギアは二段の太陽歯車と二段の遊星歯車を内に取り囲み、前記二段の遊星歯車はそれぞれ前記二段の太陽歯車と二段の内歯リングギアに噛み合い、前記二段の太陽歯車には更に二段の駆動軸が延在され、二段の駆動軸は前記モータロータに固定されることを特徴とする請求項8に記載のエフェクタ。
【請求項11】
前記減速機は更に、第3のリングを含み、
前記第3のリングは前記二段の内歯リングギアに固定されると共に、二段の内歯リングギアと一段の内歯リングギアとの間に位置し、前記二段の出力旋回輪を取り囲むことを特徴とする請求項10に記載のエフェクタ。
【請求項12】
前記減速機は更に幾つかの第2のビーズを含み、
前記第3のリングの内壁には第3の環溝が設けられ、前記二段の出力旋回輪の外壁には第4の環溝が設けられ、前記第3の環溝と第4の環溝は共に合わせて第2の環形通路を形成し、前記第2のビーズは前記第2の環形通路内に収容されると共に、前記第2の環形通路に回動可能であることを特徴とする請求項11に記載のエフェクタ。
【請求項13】
前記第2の環形通路はその断面形状が菱形であり、前記第2のビーズは前記第2の環形通路の内面の4つの点に接することを特徴とする請求項12に記載のエフェクタ。
【請求項14】
前記減速機は階調波減速機であることを特徴とする請求項7に記載のエフェクタ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のエフェクタを備えることを特徴とする機械アーム。
【請求項16】
請求項15に記載の機械アームを含むことを特徴とするロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボット技術分野に関し、特にエフェクタ、機械アーム及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは人、犬などの生体の動作を模倣することによって、掴みや搬送などの煩雑な操作を実現する機械設備である。ロボットは、人などの他の生体のような筋肉疲労という現象を有しないため、長期間に高強度で働くことができ、工業生産に非常に好適である。
【0003】
工業生産において、工業生産の働き場所はそのスペースが通常は比較的大きいため、ロボットの体積に対する要求は極めて低いが、それより、ロボット機能の実現がもっと重視される。商業適用分野において、例えば、レストランサービス、病院サービスなどでは、商業場所のスペースは極めて珍しいため、体積が大き過ぎるロボットは多過ぎる面積を占めるようになる。ロボットにおいて、機械アームはその働きの重要な部材であるが、また、機械アームにおいて、エフェクタはその鍵になる部材である。そして、エフェクタはモータ、モータドライバ、減速機などを含むが、工業生産に適用されるロボットのエフェクタについては、そのモータ、モータドライバ、減速機はいずれも分けて設計され、また、モータとしてはインナーステータモータが採用され、エフェクタの軸方向における長さが非常に大きいため、モータの軸方向における長さはとても長くなり、更にロボット全体の小型化に影響し、商業適用技術分野に好適でないようになる。そのため、商業適用技術分野に対応するようにエフェクタを改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の上記した欠点に対して、本発明の実施例の主な目的はエフェクタ、機械アーム及びロボットを提供し、エフェクタ一体化デザインを実現し、また、エフェクタの軸方向における長さがとても小さくなり、扁平化して体積がもっと小さくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記した技術課題を解決するために、採用される技術手段の一つとしては、ハウジング、モータステータ及びモータロータを含み、上記モータステータが上記ハウジングに固定され、上記モータロータが上記ハウジングに回動接続され、上記モータステータが上記モータロータに覆われるモータと、上記モータロータに固定される位置エンコーダと、上記モータロータに接続され、上記モータロータから出力される動力を受けて上記動力の回転数を減速処理してから出力する減速機と、上記ハウジングに固定され、上記モータに電気的に接続されるモータドライバとを備えるエフェクタを提供した。
【0006】
好ましくは、上記ハウジングはフロントケースとリアカバーを含み、上記フロントケースには回動溝と駆動溝が設けられ、上記モータステータとモータロータはいずれも上記回動溝内に位置し、上記モータドライバは上記駆動溝内に位置し、上記リアカバーは上記駆動溝を閉じるために、上記駆動溝の溝口を覆いて設けられる。
【0007】
好ましくは、上記ハウジングは上記回動溝の溝底から上記回動溝内へスリーブ接続部が延在され、上記モータステータはスリーブとして上記スリーブ接続部に接続され、上記モータロータは上記スリーブ接続部に回動接続されると共に、上記モータステータを覆う。
【0008】
好ましくは、上記モータステータは骨格と巻線を含み、上記骨格にはスリーブ接続口及びスリーブ接続口を取り囲む幾つかの歯溝が設けられ、上記巻線は幾つかの歯溝に巻き設けられ、上記スリーブ接続部は上記スリーブ接続口内に挿入して接続される。
【0009】
好ましくは、上記巻線はエナメル線による耐高温コイルである。
【0010】
好ましくは、上記モータドライバは外接インタフェース、外接インタフェース板、及び駆動板を含み、上記駆動板は外接インタフェース板に重なり、外接インタフェースに電気的に接続されると共に、上記モータステータに電気的に接続され、上記外接インタフェースは上記外接インタフェース板における上記駆動板から乖離される面に設けられる。
【0011】
好ましくは、上記減速機は一段の内歯リングギア、一段の太陽歯車、一段の遊星歯車、及び一段の出力旋回輪を含み、上記一段の遊星歯車は上記一段の出力旋回輪の一方の面に設けられると共に、上記一段の出力旋回輪に対して回動可能であり、上記一段の内歯リングギアは一段の太陽歯車と一段の遊星歯車を内に取り囲み、上記一段の遊星歯車はそれぞれ上記一段の太陽歯車と一段の内歯リングギアに噛み合い、上記一段の太陽歯車には更に一段の駆動軸が延在され、上記一段の駆動軸は上記モータロータに固定される。
【0012】
好ましくは、上記減速機は更に第1のリングと第2のリングを含み、上記第1のリングは上記一段の内歯リングギアに固定され、上記第2のリングは上記第1のリングに固定され、上記第1のリングと第2のリングはいずれも上記一段の出力旋回輪を取り囲む。
【0013】
好ましくは、上記減速機は更に幾つかの第1のビーズを含み、上記第2のリングの内壁には第1の環溝が設けられ、上記一段の出力旋回輪の外壁には第2の環溝が設けられ、上記第1の環溝と第2の環溝は共に合わせて第1の環形通路を形成し、上記第1のビーズは上記第1の環形通路内に収容されると共に、上記第1の環形通路に回動可能である。
【0014】
好ましくは、上記第1の環形通路はその断面形状が菱形であり、上記第1のビーズは上記第1の環形通路の内面の4つの点に接する。
【0015】
好ましくは、上記減速機は二段の内歯リングギア、二段の太陽歯車、二段の遊星歯車、及び二段の出力旋回輪を含み、上記一段の太陽歯車における一段の駆動軸は上記二段の出力旋回輪の一方の面に固定され、上記二段の遊星歯車は上記二段の出力旋回輪のもう一方の面に設けられると共に、上記二段の出力旋回輪に対して回動可能であり、上記二段の内歯リングギアは内に二段の太陽歯車と二段の遊星歯車を取り囲み、上記二段の遊星歯車はそれぞれ上記二段の太陽歯車と二段の内歯リングギアに噛み合い、上記二段の太陽歯車には更に二段の駆動軸が延在され、二段の駆動軸は上記モータロータに固定される。
【0016】
好ましくは、上記減速機は更に第3のリングを含み、上記第3のリングは上記二段の内歯リングギアに固定されると共に、二段の内歯リングギアと一段の内歯リングギアとの間に位置し、上記二段の出力旋回輪を取り囲む。
【0017】
好ましくは、上記減速機は更に幾つかの第2のビーズを含み、上記第3のリングの内壁には第3の環溝が設けられ、上記二段の出力旋回輪の外壁には第4の環溝が設けられ、上記第3の環溝と第4の環溝は共に合わせて第2の環形通路を形成し、上記第2のビーズは上記第2の環形通路内に収容されると共に、上記第2の環形通路に回動可能である。
【0018】
好ましくは、上記第2の環形通路はその断面形状が菱形であり、上記第2のビーズは上記第2の環形通路の内面の4つの点に接する。
【0019】
好ましくは、上記減速機は駆動歯車、デュアル伝動歯車、従動歯車、ベース、及び三段の出力旋回輪を含み、上記ベースの一方の面には収容穴が設けられ、上記駆動歯車は上記収容穴内に収容されると共に、上記収容穴に対して回動可能であり、上記デュアル伝動歯車、従動歯車はいずれも上記ベースのもう一方の面に設けられると共に、いずれも上記ベースに対して回動可能であり、上記デュアル伝動歯車は同軸に固定される第1の伝動歯車と第2の伝動歯車を含み、上記第1の伝動歯車は上記駆動歯車に噛み合い、上記第2の伝動歯車は上記従動歯車に噛み合い、上記従動歯車は上記三段の出力旋回輪が回動するように駆動するために、上記三段の出力旋回輪に接続される。
【0020】
好ましくは、上記三段の出力旋回輪の一方の面には歯溝が設けられ、上記従動歯車はデュアル歯車であり、上記デュアル歯車の一方の歯車は上記第2の伝動歯車に噛み合い、もう一方の歯車は上記歯溝に収容されると共に、上記歯溝に噛み合う。
【0021】
好ましくは、上記減速機は階調波減速機である。
【0022】
本発明の実施例は上記した技術課題を解決するために、採用される技術手段の一つとしては、上記したエフェクタを備える機械アームを提供した。
【0023】
本発明の実施例は上記した技術課題を解決するために、採用される技術手段の一つとしては、上記した機械アームを備えるロボットを提供した。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は従来技術の場合に比べ、以下の有利な効果がある。本発明の実施例では、エフェクタはモータと、位置エンコーダと、減速機と、モータドライバとを備え、モータがハウジング、モータステータ、及びモータロータを含み、モータステータがハウジングに固定され、モータロータがハウジングに回動接続され、上記モータステータがモータロータに覆われることによって、モータロータの外部化を実現し、モータの軸方向における長さの低減に寄与し、モータの偏平化デザインを実現する。モータドライバが上記ハウジングに固定されると共に、モータに電気的に接続され、位置エンコーダがモータロータに固定され、減速機がモータロータに接続されることによって、エフェクタの一体化デザインが実現され、また、構造がコンパクトで体積が小さく、トルク密度が大きくて出力トルクが大きく、速度が適宜で、取り付けが簡単で制御し易く、制御精度が高く、エンコーダと感力を組み合わせることによって負荷に対する知能検知を実現し、衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本発明の具体的な実施例又は従来技術における技術手段を更に明らかに説明するために、具体的な実施例又は従来技術の記載に利用必要である添付図面を簡単に紹介する。全ての添付図面において、一般的に類似な添付図面の符号で類似な素子又は部分を表す。添付図面において、各の素子又は部分は必ずしも実際なスケールに従って描くことができるわけではない。
【0026】
図1は本発明に係るエフェクタの実施例の1つの分解図である。
図2は本発明に係るエフェクタの実施例のもう1つの分解図である。
図3は本発明に係るエフェクタの実施例の斜視図である。
図4は
図3におけるD-D方向の断面図である。
図5は本発明エフェクタの実施例において減速機に第1のビーズが設けられる模式図である。
図6は本発明に係るエフェクタの実施例におけるダブル遊星減速機の分解図である。
図7は本発明に係るエフェクタの実施例におけるスパーギア減速機の斜視図である。
図8は本発明に係るエフェクタの実施例におけるスパーギア減速機の1つの視覚での分解図である。
図9は本発明に係るエフェクタの実施例におけるスパーギア減速機のもう1つの視覚での分解図である。
図10は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタが腰回しエフェクタとしての模式図である。
図11は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタが屈みエフェクタとしての模式図である。
図12は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタが首振りエフェクタとしての模式図である。
図13は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタが腕エフェクタとしての模式図である。
図14は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタが肘エフェクタとしての模式図である。
図15は本発明に係るエフェクタの実施例においてエフェクタがキャスターホイールエフェクタとしての模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明の技術手段の実施例を詳細に記載する。以下の実施例は、ただ本発明の技術手段を更に明らかに説明するためのものであるため、例としてのものだけであり、これによって本発明の保護範囲を制限することはできない。
【0028】
注意されるべきであるように、特に説明しない限り、本願に用いられる技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常な意味である。
【0029】
図1を参照し、エフェクタ20はモータ21と、位置エンコーダ22と、減速機23と、モータドライバ24とを備え、モータドライバ24はモータ21に接続され、モータ21が回動するように駆動するためのものであり、位置エンコーダ22はモータ21に設けられ、モータ21の
モータロータの位置を検出するためのものであり、減速機23は、上記モータ21の
モータロータに接続され、
モータロータから出力される動力を受けて動力の回転数を減速処理してから出力するためのものである。
【0030】
上記モータドライバ24については、
図2~
図4に示すように、モータドライバ24は外接インタフェース241、外接インタフェース板242、及び駆動板243を含み、駆動板243は外接インタフェース板242に重なり、外接インタフェース241に電気的に接続されると共に、
モータステータと位置エンコーダ22に接続され、簡単に言えば、駆動板243は位置エンコーダ22とモータ21に接続されて駆動するPCB板である。外接インタフェース241は、外接インタフェース板242における駆動板243から乖離される面に接続され、外部から入力される電源と制御信号を受け、制御信号に基づいてモータ21へ電源を伝送し、モータ21が回動するように駆動するためのものである。一部の実施例において、外接インタフェース241の数は2つであってもよく、その1つにより電源と制御信号を受け、もう1つにより外へ電源と制御信号を伝送し、このようにして、複数のエフェクタ20がある場合、直接的に複数のエフェクタ20を直列接続することができ、特に、ロボットのアームと足部において、アームと足部の関節はいずれもエフェクタ20からなり、同一のアーム又は足部の関節が直列に配布され、同一のアーム又は足部にあるエフェクタ20を直接的に直列接続することによって、エフェクタ20の並列接続によるワイヤリング手間を大幅に低減できる。複数のエフェクタ20の直列接続によれば、複数のエフェクタ20による共通バスも実現され、1つのエフェクタ20に生じたエネルギーを他のエフェクタ20に回収して利用することは実現できる。
【0031】
理解できるように、もう一部の実施例において、外接インタフェース241の数は他の数、例えば3つ、4つ、5つなどであってもよく、エフェクタ20の直列接続を実現するために、外接インタフェース板242は、直列接続プロトコル、例えばコントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)プロトコルをサポートする。なお、外接インタフェース板242と駆動板243は1つの回路板に集積されてもよく、そして、回路板の一方の面には外接インタフェース板242の機能が設けられ、回路板のもう一方の面には駆動板243の機能が設けられる。
【0032】
上記モータ21については、再び
図2~
図4を参照し、モータ21はハウジング211、
モータステータ212、
モータロータ213、及び軸受(図示せず)を含む。ハウジング211はフロントケース2111とリアカバー2112を含み、フロントケース2111には回動溝2113と駆動溝(図示せず)が設けられ、ハウジング211は回動溝2113の溝底から回動溝2113内へスリーブ接続部2114が延在され、スリーブ接続部2114における回動溝2113の溝底から離れる端の端部には軸溝(図示せず)が設けられ、軸受は軸溝内に固定される。一部の実施例において、回動溝2113と駆動溝はそれぞれフロントケース2111の2つの対向する端部、例えばフロントケース2111の前端と後端に、フロントケース2111の左端と右端などに位置し、それらの溝口が反対する方向へ向く。もちろん、もう一部の実施例において、回動溝2113と駆動溝の位置は他の方式で設けられてもよく、例えば、回動溝2113がフロントケース2111の前端、駆動溝がフロントケース2111の側壁に位置し、それらの溝口の向きは垂直である。駆動溝はモータドライバ24を収容するためのものであり、リアカバー2112は駆動溝を覆って設けられ、駆動溝を閉じてモータドライバ24をハウジング211内に閉じ込むためのものである。更に、一部の実施例において、
図3に示すように、駆動溝の側壁には更に駆動ノッチ2115が設けられてもよく、モータドライバ24を駆動溝に収容した場合、外接インタフェース241を駆動ノッチ2115に収容することによって、外接インタフェース241が露呈するように実現し、リアカバー2112でフロントケース2111をカバーした場合、フロントケース2111とリアカバー2112によって共同にして外接インタフェース241を挟持固定するようになる。
【0033】
理解できるように、もう一部の実施例において、外接インタフェース板242をリアカバー2112に固定して外接インタフェース板242とリアカバー2112を一体にしてもよい。
【0034】
上記
モータステータ212については、
図2を参照し、
モータステータ212は回動溝2113内に位置し、骨格2121と巻線2122を含む。骨格2121にはスリーブ接続口及びスリーブ接続口を取り囲む
幾つかの歯溝(図示せず)が設けられ、巻線2122は
幾つかの歯溝に巻き設けられ、骨格2121はスリーブ接続口によってスリーブとしてスリーブ接続部2114に接続して固定される。一部の実施例において、骨格2121とハウジング211はいずれも熱伝導性能を有する材料を選択・使用して作製されてもよく、このようにして、巻線2122が働く時に生じる熱量は骨格2121を通してハウジング211に伝え、そしてハウジング211からリアカバー2112へ伝え、ハウジング211とリアカバー2112共同で放熱し、エフェクタ20の放熱効果を向上させる。好ましくは、巻線2122はエナメル線による耐高温コイルであり、骨格2121の材料はシリコンの硬質シートである。
【0035】
一部の実施例において、モータステータ212とスリーブ接続部2114との間の熱伝導の伝導効果を向上させるために、エフェクタ20は更に、上記骨格2121と上記スリーブ接続部2114との間に設けられる熱伝導ゲル(図示せず)を含んでもよく、骨格2121とスリーブ接続部2114との間は熱伝導ゲルによって熱伝導するようになる。もちろん、フロントケース2111に接する、骨格2121以外の部分は、その熱伝導の伝導効果を高めるように、熱伝導ゲルによって熱伝導してもよい。
【0036】
上記モータロータ213については、モータロータ213はロータケース(図示せず)、回動軸(図示せず)、及び磁気素子(図示せず)を含み、ロータケースには開口溝(図示せず)が設けられ、磁気素子は開口溝の側壁に固定され、回動軸は開口溝の底部に固定され、好ましくは、回動軸が開口溝の底部の中心に固定される。回動軸はスリーブとしての軸受内に接続され、モータロータ213とフロントケース2111との間の回動接続を実現し、ロータケースはモータステータ212を覆い、磁気素子はモータステータ212を取り囲み、これで、モータステータ212は磁気素子の磁界にあるようになり、モータ21は扁平のブラシレスアウターステータモータとして形成され、また、モータ21は扁平デザインを呈し、モータ21の軸方向における高さが大幅に低減され、そして、モータロータ213は外にあり、磁気トルク半径が大きいためトルク密度が高い。モータ21の扁平デザインは空軸に好適であり、大外径のためより大きいコードディスクを利用でき、このようにして、位置エンコーダ22の分解能がもっと高く、モータ21のオーバーロード能力がもっと強くなる。
【0037】
上記位置エンコーダ22については、位置エンコーダ22は回動軸に固定される。
【0038】
一部の実施例において、フロントケース2111、リアカバー2112はいずれも熱伝導性能を有する金属材料、例えば銅、鉄、アルミなどを選択・利用して作製されてもよく、ロータケースは金属材料を選択・利用して作製されてもよく、金属材料は電磁シールド機能を有し、モータドライバ24、位置エンコーダ22、モータステータ212、モータロータ213をいずれもリアカバー2112、フロントケース2111とロータケースとの間に形成されるスペース内に閉じ込むことは、モータドライバ24、位置エンコーダ22、モータステータ212、モータロータ213に対する電磁シールドに寄与し、外部電磁干渉が入り込まなくて内部の電磁も出なくないようになり、エフェクタ20の干渉抵抗能が強いようになり、また、外部の電気機器に干渉しない。
【0039】
上記減速機23については、減速機23はモータ21に接続されるため、回動溝2113と駆動溝がそれぞれフロントケース2111の右端と左端にある場合、減速機23とモータドライバ24がそれぞれフロントケース2111の右端と左端に位置するようになり、簡単に言えば、上記ハウジング211の左端と右端には、それぞれモータドライバ24と減速機23が接続される。
【0040】
一部の実施例において、減速機23は遊星減速機であることが好ましい。具体的には、再び
図2と
図3を参照し、遊星減速機は一段の内歯リングギア231、一段の太陽歯車232、一段の遊星歯車233、及び一段の出力旋回輪234を含み、一段の出力旋回輪234の一方の面には一段の回動柱が設けられ、一段の遊星歯車233がもう1つ軸受によってスリーブとして一段の回動柱に接続され、このようにして、一段の遊星歯車233が上記一段の出力旋回輪234の一方の面に設けられると共に、一段の出力旋回輪234に回動可能であるように実現する。また、一段の内歯リングギア231は、環形具と環形具の内側壁に設けられる歯リングからなってもよく、上記一段の内歯リングギア231は一段の太陽歯車232と一段の遊星歯車233を内に取り囲み、また、上記一段の遊星歯車233はそれぞれ上記一段の太陽歯車232と一段の内歯リングギア231に噛み合い、上記一段の太陽歯車232には一段の駆動軸が延在され、上記一段の駆動軸は上記
モータロータ213に固定される。
モータロータ213は一段の太陽歯車232が回動するように駆動し、一段の太陽歯車232は、一段の太陽歯車232と一段の内歯リングギア231との間に一段の遊星歯車233を連れて動かせ、一段の遊星歯車233は一段の太陽歯車232を取り囲んで回動し、一段の出力旋回輪234を連れて回動させるように実現し、一段の出力旋回輪234は、動力に接続する必要がある機械部材に接続され、この機械部材へ動力を出力するように実現し、例えば、機械アームの関節として機械アームの回動を実現する。好ましくは、一段の遊星歯車233の数は3つであってもよく、3つの一段の遊星歯車233は均一の間隔を開けて設けられると共に、それぞれ一段の太陽歯車232と一段の内歯リングギア231に噛み合う。もちろん、他の実施例において、一段の遊星歯車233の数は、他の数、例えば4つ、5つ、6つなどであってもよい。
【0041】
説明するべきであるように、上記した減速機23はモータ21と同軸にして設けられるため、低減速比の同軸減速機と称されてもよい。一段の出力旋回輪234は更にフランジ構造が設けられてもよいため、遊星減速機フランジと称されてもよい。なお、エフェクタ20では、モータ21、モータドライバ24と減速機23が一緒として集積され、このエフェクタ20は、全直駆フレキシブルロータリープラス低減速比同軸減速機という仕組みを採用する、一体化準直駆感力フレキシブル回転駆動エフェクタ20に相当する。具体的に利用する場合、本発明の実施例は、全直駆フレキシブルロータリープラス低減速比同軸減速機という仕組みを採用する、一体化準直駆感力フレキシブル回転駆動エフェクタ20であり、低減速比同軸減速機には、3つの一段の遊星歯車233が1つの一段の太陽歯車232を取り囲んで回転する。低コストでフレキシブル制御を実現することは、質量と摩擦による動的影響を低減することによってエフェクタ20エンドとエフェクタ20との間の「透明度」を高めることによる。透明度によって、モータから印加された力がエンドエフェクタ20の力にマッチングすることは許容され、非同位に配置されるセンサを要しない。このようなエフェクタ20によれば、肢体エンドの力センサの代わりに、印加されたエフェクタ20トルクとモータエンコーダにより計測された関節スペースの位置シフトに基づいて肢体から出力される力を特定することができる。このような方法によれば、アクチュエータとマッチングされないセンサとの間にモデリングされないモデルによる不安定性を大幅に緩和した。
【0042】
一段の出力旋回輪234は一段の内歯リングギア231から突出するため、エフェクタ20の美観性向上と一段の出力旋回輪234の保護という目的で、減速機23は更に第1のリング235と第2のリング236を含んでもよく、第1のリング235は一段の内歯リングギア231に固定され、第2のリング236は第1のリング235に固定され、第1のリング235と第2のリング236はいずれも一段の出力旋回輪234を取り囲む。一部の実施例において、第2のリング236における第1のリング235から離れる一方の面は、一段の出力旋回輪234の一方の面と面一である。もちろん、第1のリング235と第2のリング236は、一段の出力旋回輪234の回動を影響しないように、いずれも一段の出力旋回輪234との間に隙間がある。
【0043】
更に、一段の出力旋回輪234に対する位置制限を実現し、一段の出力旋回輪234が第1のリング235と第2のリング236へ湾曲することを回避するために、
図5に示すように、減速機23は更に
幾つかの第1のビーズ237を含んでもよく、第2のリング236の内壁には第1の環溝(示せず)が設けられ、一段の出力旋回輪234の外壁には第2の環溝(示せず)が設けられ、上記第1の環溝と第2の環溝は共に合わせて第1の環形通路を形成し、上記第1のビーズ237は上記第1の環形通路内に収容されると共に、上記第1の環形通路に回動可能である。第2のリング236と一段の出力旋回輪234との間に第1のビーズ237を直接的に設置することによって、第2のリング236による一段の出力旋回輪234の位置制限を実現し、減速機23に軸受を追加する必要がなく、元の減速機23の構造を改良だけで一段の出力旋回輪234に対する位置制限を実現し、減速機23の軸方向における長さを大幅に低減させ、減速機23の偏平化デザインの確保に寄与する。一段の出力旋回輪234と第2のリング236との間の摩擦力を低減するために、第1のビーズ237の形状はボール形であることが好ましく、一段の出力旋回輪234の第2のリング236に対する回動に寄与する。
【0044】
一部の実施例において、減速機23は同軸ダブル遊星減速機であってもよく、
図6に示すように、減速機23は、上記に記載された一段の遊星構造以外、更に二段の遊星構造を含み、具体的には、当該二段の遊星構造は更に、二段の内歯リングギア238、二段の太陽歯車239、二段の遊星歯車240、及び二段の出力旋回輪901を含む。一段の太陽歯車232における一段の駆動軸は、上記二段の出力旋回輪901の一方の面に固定され、上記二段の遊星歯車240は上記二段の出力旋回輪901のもう一方の面に設けられると共に、上記二段の出力旋回輪901に対して回動可能であり、二段の内歯リングギア238は、二段の太陽歯車239と二段の遊星歯車240を内に取り囲み、上記二段の遊星歯車240はそれぞれ上記二段の太陽歯車239と二段の内歯リングギア238に噛み合い、上記二段の太陽歯車239には二段の駆動軸が延在され、二段の駆動軸は上記
モータロータ213に固定される。
モータロータ213は二段の駆動軸を連れて回動させ、二段の太陽歯車239は、二段の遊星歯車240が二段の太陽歯車239と二段の内歯リングギア238との間に二段の太陽歯車239を取り囲んで回動するように駆動し、これで一段の駆動軸を連れで回動させ、一段の駆動軸は一段の太陽歯車232が回動するように駆動し、一段の太陽歯車232は、一段の遊星歯車233が一段の太陽歯車232と一段の内歯リングギア231との間に一段の太陽歯車232を取り囲んで回動するように一段の遊星歯車233を連れ、これで一段の遊星歯車233が一段の出力旋回輪234を連れて回動させるように実現する。好ましくは、二段の遊星歯車240の数は3つであってもよく、3つの二段の遊星歯車240は均一の間隔を開けて設けられると共に、それぞれ二段の太陽歯車239と二段の内歯リングギア238に噛み合う。もちろん、他の実施例において、二段の遊星歯車240の数は他の数、例えば4つ、5つ、6つなどであってもよい。
【0045】
説明すべきであるように、同軸ダブル遊星減速機において、一段の太陽歯車における一段の駆動軸は直接的にモータロータ213に接続されなく、二段の太陽歯車、二段の遊星歯車240、二段の出力旋回輪901によってモータロータ213に間接的に接続される。
【0046】
更に、減速機23は更に第3のリング903を含んでもよく、第3のリング903は、二段の出力旋回輪901を保護すると共に、減速機23の美観性を向上させ、減速機23に窪みが現れるという欠点を回避するために、二段の内歯リングギア238に固定されると共に、二段の内歯リングギア238と一段の内歯リングギア231との間に位置し、二段の出力旋回輪901を取り囲む。
【0047】
二段の出力旋回輪901に対する位置制限を実現するために、減速機23は更に幾つかの第2のビーズ902を含み、第3のリング903の内壁には第3の環溝(図示せず)が設けられ、上記二段の出力旋回輪901の外壁には第4の環溝(図示せず)が設けられ、上記第3の環溝と第4の環溝は共に合わせて第2の環形通路を形成し、上記第2のビーズ902は上記第2の環形通路内に収容されると共に、上記第2の環形通路に回動可能である。減速機23の元の構造を改良することによって二段の出力旋回輪901に対する制限を実現し、減速機23に軸受を追加する必要がなく、減速機23の軸方向における長さを大幅に低減させ、減速機23の偏平化デザインの確保に寄与する。好ましくは、第2のビーズ902の形状がボール形である。一部の実施例において、上記第2の環形通路はその断面形状が菱形であり、上記第2のビーズ902は上記第2の環形通路の内面の4つの点に接する。第1の環形通路はその断面形状が菱形であり、上記第1のビーズ237は上記第1の環形通路の内面の4つの点に接する。
【0048】
更に、減速機は更に油脂隔離ガスケット904を含んでもよく、上記油脂隔離ガスケット904は、上記二段の太陽歯車239と上記二段の内歯リングギア238との間の周方向隙間内に設けられ、油脂が減速機内部に入り込むことを防止するためのものである。
【0049】
一部の実施例において、減速機23はスパーギア減速機であることが好ましい。
図7~
図9に示すように、減速機23は駆動歯車41、デュアル伝動歯車42、従動歯車43、ベース44、及び三段の出力旋回輪45を含む。ベース44の一方の面には収容穴441が設けられ、上記駆動歯車41は上記収容穴441内に収容されると共に、上記収容穴441に対して回動可能であり、上記デュアル伝動歯車42、従動歯車43はいずれも上記ベース44のもう一方の面に設けられると共に、いずれも上記ベース44に対して回動可能であり、上記デュアル伝動歯車42は同軸に固定される第1の伝動歯車421と第2の伝動歯車422を含み、上記第1の伝動歯車421は上記駆動歯車41に噛み合い、上記第2の伝動歯車422は上記従動歯車43に噛み合い、上記従動歯車43は上記三段の出力旋回輪45に接続され、上記三段の出力旋回輪45が回動するように駆動し、駆動歯車41における第1の伝動歯車から離れる端は
モータロータ213に接続され、
モータロータ213は駆動歯車41を連れて回動させ、駆動歯車41は第1の伝動歯車421を連れて回動させ、第1の伝動歯車421は第2の伝動歯車422を連れて回動させ、第2の伝動歯車422は従動歯車43を連れて回動させ、従動歯車43は三段の出力旋回輪45を連れて回動させる。好ましくは、デュアル伝動歯車42を調整することによって減速機23の減速比を調整することを実現するように、上記第1の伝動歯車421と第2の伝動歯車422の面積は互いに異なってもよい。
【0050】
従動歯車43と三段の出力旋回輪45との間の接続の接続方式は噛合接続であってもよく、例えば、三段の出力旋回輪45の一方の面には歯溝451が設けられ、上記従動歯車43はデュアル歯車であり、上記デュアル歯車の一方の歯車は上記第2の伝動歯車422に噛み合い、もう一方の歯車は上記歯溝451に収容されると共に、上記歯溝451に噛み合うことによって、三段の出力旋回輪45と従動歯車43との接続が実現される。もちろん、従動歯車43と三段の出力旋回輪45との間は上記に記載された接続方式に制限されなく、他の接続方式、例えば、従動歯車43と三段の出力旋回輪45との間の溶接固定、係合固定、ネジ固定などであってもよい。
【0051】
一部の実施例において、上記減速機23は階調波減速機である。
【0052】
説明するべきであるように、減速機23は上記に記載されたいくつかの減速機に制限されなく、他の構造の減速機であってもよく、ここでは余計に記述しない。
【0053】
説明するべきであるように、エフェクタ20の具体的な外形構造は、エフェクタ20の具体的な適用環境に応じて適応的に調整されてもよく、例えば、以下の通りである。
【0054】
図10に示すように、エフェクタ20は腰回しエフェクタであり、ロボットの腰関節に適用されて腰回し動作を実行し、エフェクタ20の減速機23としては階調波減速機が採用されてもよく、エフェクタ20のフロントケース2111は円形を呈し、リアカバー2112に近づく側から離れる側にかけて次第に縮小してもよい。
【0055】
図11に示すように、エフェクタ20は腰屈みエフェクタであり、ロボットの腰関節に適用されて腰屈み動作を実行し、エフェクタ20の減速機23としては階調波減速機が採用されてもよく、また、階調波減速の一段の出力旋回輪234には、他のエフェクタ又はロボットの骨格に接続されるための突出台2341が設けられる。なお、エフェクタ20のフロントケース2111は二階式のデザインを成し、そして、リアカバー2112に近づく階は扁平状を呈し、リアカバー2112から離れる階は円環形を呈する。
【0056】
図12に示すように、エフェクタ20は首振りエフェクタとして、ロボットの頭関節に適用されて首振り動作を実行し、エフェクタ20の減速機23としては遊星減速機が採用されてもよく、遊星減速機のハウジングは円弧部と角形部からなる。モータドライバ24の回路板は2つに分けてもよく、それぞれは第1の回路板24aと第2の回路板24bであり、そして、第1の回路板24aはフロントケース2111とリアカバー2112との間に設けられ、第2の回路板24bはフロントケース2111とリアカバー2112の側壁に設けられ、フロントケース2111とリアカバー2112との間のスペースを十分に利用し、フロントケース2111のもう一方の側には更に孤形溝2111aが設けられ、エフェクタ20の、ロボットの円形部材へ固定が便利になる。
【0057】
図13に示すように、エフェクタ20は腕エフェクタであり、ロボットの腕関節に適用されて腕回し動作を実行し、エフェクタ20の減速機23としてはバイポーラ遊星減速機が採用されてもよく、バイポーラ遊星減速機のハウジングは円弧部と角形部からなる。モータドライバ24の回路板は2つに分けてもよく、それぞれは第3の回路板24cと第4の回路板24dであり、そして、第3の回路板24cはフロントケース2111とリアカバー2112との間に設けられ、第4の回路板24dはフロントケース2111とリアカバー2112の側壁に設けられ、フロントケース2111とリアカバー2112との間のスペースを十分に利用する。
【0058】
図14に示すように、エフェクタは肘エフェクタであり、ロボットの肘関節に適用されて肘回し動作を実行し、エフェクタ20の減速機23としてはバイポーラ遊星減速機が採用されてもよく、バイポーラ遊星減速機のハウジングは円弧部と角形部からなる。モータドライバ24の回路板は二つに分けてもよく、それぞれは第5の回路板24eと第6の回路板24fであり、そして、第5の回路板24eはフロントケース2111とリアカバー2112との間に設けられ、第6の回路板24fはフロントケース2111とリアカバー2112の側壁に設けられ、フロントケース2111とリアカバー2112との間のスペースを十分に利用する。リアカバー2112は2つの部分からなってもよく、それぞれは第1のリアカバー2112aと第2のリアカバー2112bであり、第1のリアカバー2112aと第2のリアカバー2112bは互いに固定される。
【0059】
図15に示すように、エフェクタ20はキャスターホイールエフェクタであり、ロボットのキャスターホイールが回動するように駆動し、エフェクタ20の減速機としてはバイポーラ遊星減速機が採用されてもよく、バイポーラ遊星減速機の外形はいずれも円形であり、エフェクタのフロントケース2111の形状も円形である。
【0060】
本発明の実施例において、エフェクタ20はモータ21と、位置エンコーダ22と、減速機23、モータドライバ24とを備え、モータ21がハウジング211、モータステータ212、及びモータロータ213を含み、モータステータ212がハウジング211に固定され、モータロータ213がハウジング211に回動接続され、上記モータステータ212がモータロータ213に覆われることによって、モータロータ213の外部化を実現し、モータ21の軸方向における長さの低減に寄与し、モータ21の偏平化デザインを実現する。また、モータドライバ24が上記ハウジング211に固定されると共に、モータ21に電気的に接続され、位置エンコーダ22がモータロータ213に固定され、減速機23がモータロータ213に接続されることによって、エフェクタ20の一体化デザインを実現し、構造がコンパクトで体積が小さく、トルク密度が大きくて出力トルクが大きく、速度が適宜で、取り付けが簡単で制御し易く、制御精度が高く、エンコーダと感力の組み合わせによって負荷に対する知能検知を実現し、衝撃を緩和することができる。
【0061】
以下、本発明をより一層理解し易いように、再び本発明の有利な効果を挙げて説明する。
1)準直駆フレキシブル回転エフェクタ20と低減速比同軸減速機を採用してフレキシブル制御を実現し、コストが低い。
2)モータドライバ24、位置エンコーダ22、モータ21と減速機23が一緒として集積され、全体の体積が小さく、取り付け・使用が便利で、スペースに対する要求がより厳しい場合にも適応できる。
3)フレキシブル機構によってロボットの環境に対する適応性を高めてロボットの適用分野を広げることができ、フレキシブル機構の歪み量を計測することによってリアルタイムのトルクを取得し、このようにして、フレキシブル制御などの高級制御アルゴリズムが可能になり、従来のロボット関節、オートメーション設備における回転テーブル、回転シリンダー、ステップモータ、サーボモータ、直駆モータなどの回転実行機構をより良く取って代わることができる。
4)モータロータ213はアウターであり、磁気トルク半径が大きいためトルク密度が高い。扁平のデザインは空軸に好適であり、大外径のためより大きいコードディスクを利用でき、このようにして、エンコーダ分解能がもっと高く、モータオーバーロード能力が強くなる。
5)本発明のエフェクタ20は、他のエフェクタ20とバスを共有し、1つのエフェクタ20に生じたエネルギーを他のエフェクタ20に回収して利用することができる。
6)本発明のモータ、モータドライバ24と位置エンコーダ22はいずれもハウジング211内に集積されるが、ハウジング211としては金属ハウジングを選択・利用し、金属ハウジングによって全被覆して電磁シールド層を形成し、外部電磁干渉が入り込まなくて内部電磁も出なくないようになる。そのため、干渉抵抗能力が強くて、外部の電気機器に干渉しない。
7)本発明は、インパクト能力が強く、割れ易い伝動部材の使用寿命を改良し、かさばって重い構造デザインを低減し、動的計算の煩雑な程度を緩和し、物理的ネジばね、剛性調節機構と力・トルクセンサに対する需要を解消し、接触力をフィードバックしなくて高バンドワイズ力制御を実現する。
8)本発明のモータは扁平化デザインを採用し、軸方向・径方向のネジ力に対する抵抗が強い。
9)本発明のエフェクタ20はその精度が高くて速度が速い。
【0062】
また、本発明は、上記したエフェクタ20を備える機械アームの実施例を提供し、エフェクタ20の具体的な構造と機能については、上記実施例を参照でき、ここでは余計に記述しない。
【0063】
また、本発明は、上記した機械アームを備えるロボットの実施例を提供し、機械アームの具体的な構造と機能については、上記実施例を参照でき、ここでは余計に記述しない。
【0064】
最後に説明するが、以上の各実施例はただ本発明の技術手段を説明するためのものであり、これを制限することはない。上記した各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては理解するべきであるように、依然として上記した各実施例に記載される技術手段を変更し、又はその一部或いは全部の部技術特徴を同等に置き換えることができる。これらの変更又は置き換えは、対応する技術手段の本質を本発明の各実施例の技術手段の範囲から離脱させることなく、いずれも本発明の請求項と明細書の範囲に含まれる。特に、各実施例に言及された各項の技術特徴は、いずれも構造が矛盾しない限り、いずれの方式で組み合わせてもよい。本発明は、上記に開示された所定の実施例に制限されなく、請求の範囲に収める全ての技術手段を含む。