(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】回路基板及び導体パターン構造
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
H05K1/02 P
(21)【出願番号】P 2016134256
(22)【出願日】2016-07-06
【審査請求日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】10-2015-0140502
(32)【優先日】2015-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、セオン ヘー
(72)【発明者】
【氏名】パーク、ダエ ヒュン
【審査官】赤穂 州一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-061126(JP,A)
【文献】特開2013-157308(JP,A)
【文献】米国特許第02963535(US,A)
【文献】特開2003-124586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0152854(US,A1)
【文献】特開2008-198651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層を挟んで配置された第1及び第2の導体層を含み、
前記第1及び第2の導体層はそれぞれ信号ラインと接地ラインを含み、
前記接地ラインは外郭領域及びこれと連結された内部領域を含み、
前記内部領域のエッジ部分には開曲線形状の単位パターンが配置され、前記エッジ部分に配置された開曲線形状の単位パターンの間には前記信号ラインに対して斜めに傾いた形状の単位パターンが配置され、
前記外郭領域は前記接地ラインの外郭に沿って配置され、前記信号ラインに対して垂直なラインを含み、
前記内部領域は前記外郭領域によって囲まれた形態であり、
前記信号ラインに対して斜めに傾いた形状の単位パターンを連結する複数の連結パターンのうちの一部は、前記信号ラインに平行であり、他の一部は前記信号ラインに垂直である、回路基板。
【請求項2】
前記開曲線形状の単位パターンと前記斜めに傾いた形状の単位パターンが互いに連結されて前記信号ラインのリターン経路を形成する、請求項
1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記斜めに傾いた形状の単位パターンは幅が一定である、請求項
1又は
2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記斜めに傾いた形状の単位パターンはこれらの間の間隔が一定である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項5】
前記斜めに傾いた形状の単位パターンは一定の方向に斜めに傾いた形状である、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項6】
前記斜めに傾いた形状の単位パターンはジグザグ状に斜めに傾いた形状である、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2の導体層はダミーパターンをさらに含み、
前記ダミーパターンは前記開曲線形状の単位パターンと前記斜めに傾いた形状の単位パターンの間に配置される、請求項
1~
6のいずれか一項に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及び導体パターン構造に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板は、伝送線路の種類及びそれによる電磁場(Electromagnetic field)を基準とすると、大きく、マイクロストリップライン(microstrip line)とストリップライン(strip line)に分類されることができる。マイクロストリップラインとストリップラインの両方とも信号ライン(signal line)がグランドと電場を形成する。このときに形成される電場が特性インピーダンスに影響を及ぼすようになる。
【0003】
一方、マイクロストリップラインとストリップラインにおいてインピーダンス特性は、通常、信号ラインの線幅と厚さ、信号ラインと接地の間の高さ、及び絶縁層を構成する媒質の誘電率などによって決定される。しかしながら、最近、製品の薄型化の傾向に伴い、それに含まれる回路基板を設計するにあたり絶縁層の厚さを減らしており、その結果、インピーダンスが所望の設計数値より低くなるという問題がある。
【0004】
これを補償するための方法として信号ラインの線幅や厚さを調節することが提案されたことがある。しかしながら、信号ラインの線幅や厚さを調節する場合、インピーダンスを所望の設計数値に整合することはできるが、伝送損失をもたらし、また、回路素子の配置に相当な制約を受けるようになるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許公開第2012-0050175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の問題点を解決するために、信号ラインではなく接地の設計を変更してインピーダンスを整合することが考えられる。但し、この場合には、特性インピーダンスを一定に維持させることができる具体的な方案が必要である。
【0007】
本発明の様々な目的の一つは、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる新たな接地パターン構造及びこれを適用した回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明で提案する様々な解決手段の一つは、信号ラインの位置にかかわらず特性インピーダンスの値を一定に維持することができるように接地をパターン化することである。例えば、接地をオブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化することが挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な効果のうち一つの効果は、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる新たな接地パターン構造及びこれを適用した回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】電子部品に適用された回路基板の例を概略的に示す。
【
図3a】回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図3b】回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4a】回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4b】回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図5】接地ラインを有する導体層の一例を概略的に示す平面図である。
【
図6】
図5の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された場合を概略的に示す平面図である。
【
図7】
図5の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された他の場合を概略的に示す平面図である。
【
図8】接地ラインを有する導体層の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図9】
図8の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された場合を概略的に示す平面図である。
【
図10】
図8の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された他の場合を概略的に示す平面図である。
【
図11】接地ラインを有する導体層のさらに他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図12】
図11の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された場合を概略的に示す平面図である。
【
図13】
図11の接地ラインを有する導体層にダミーパターンが適用された他の場合を概略的に示す平面図である。
【
図14】オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインの信号リターン経路を概略的に示す。
【
図15】フィル(Fill)形状にパターン化された接地面の信号リターン経路を概略的に示す。
【
図16】ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの信号リターン経路を概略的に示す。
【
図17】オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインとハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの信号ラインの位置別対応関係を概略的に示す。
【
図18】オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインとハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの信号ラインの位置別特性インピーダンスのシミュレーション結果を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0012】
電子部品
図1は、電子部品に適用された回路基板300の例を概略的に示す。
図1の電子部品はカメラモジュールであり、図示のように、カメラモジュール用回路基板300は、レンズアセンブリ1、VCMアセンブリ2、IRフィルタ3、センサー4の下に位置し、また、ISPモジュール5の上部に位置する。但し、他の種類のカメラモジュールでは、これと異なる形で構成要素が配置されてもよく、他の構成要素がさらに付加されたり他の構成要素に置換されてもよい。
【0013】
カメラモジュール用回路基板300は信号伝送部320及び接地部330を含むことができる。信号伝送部320は、VCMアセンブリ2、センサー4、ISPモジュール5などに制御信号を提供するためのものであり、少なくとも一つの信号ライン321を含むことができる。信号ライン321は、MIPIインターフェースを支援するためのものであり、4対のレーン(lane)と一つのクロックラインで構成されることができるが、これに限定されるものではなく、例えば、一つの信号ラインのみでも構成されることができる。接地部330は、信号伝送部320の信号ライン321に接地を提供するためのものであり、複数の導体パターン331、332、333を含むことができる。
【0014】
図2は、
図1の回路基板の接地部330をより詳細に示す。より具体的には、接地部330の複数の導体パターン331、332、333をより詳細に示す。図示のように、接地部330の第1の導体パターン331は、信号ライン321がVCMアセンブリ2と接する部位に形成されることができる。また、接地部330の第2の導体パターン332は、信号ライン321の中間地点の下に形成されることができる。また、接地部330の第3の導体パターン333は、信号ライン321が後述のセンサー実装部310の制御信号ライン313と連結される部分に形成されることができる。
【0015】
カメラモジュール用回路基板300は、センサー4を実装するためのセンサー実装部310をさらに含むことができる。センサー実装部310は、センサー実装部位311、第4の導体パターン312、及び制御信号ライン313を含むことができる。また、カメラモジュール用回路基板300はコネクタ部340をさらに含むこともできる。コネクタ部340は、外部とのコネクティングを提供するためのものであり、リジッド(rigid)に形成されることができる。
【0016】
カメラモジュール用回路基板300は、センサー実装部310、信号伝送部320、接地部330などが上述のように配置されることによりインピーダンス整合が可能となる。このとき、センサー実装部310及び/又は接地部330に含まれる導体パターンの形状を後述の接地パターン形状に実現する場合、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号伝送部320の信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる。これについては後述する。
【0017】
図1及び
図2では電子部品としてカメラモジュールを例に挙げて説明したが、本発明で説明する回路基板は必ずしもカメラモジュールにのみ適用されるものではなく、回路基板を含む全ての電子部品に適用されることができ、ひいては、より上位の概念に範囲を広げる場合には回路基板を含む全ての電子機器にも適用されることができる。
【0018】
回路基板を含む電子部品としては、例えば、アダプタ(adapter)、アンテナ(antenna)、セルラーFEM(cellular FEM)、デジタルチューナ(digital tuner)、LED照明電源(LED lighting power)、サーバー電源(server power)、TV電源(TV power)、バイブレーション(vibration)、無線LAN(wireless LAN)、無線パワートランスファー(wireless power transfer)などが挙げられるが、これに限定されるものではなく、回路基板が適用されるその他の他の電子部品でもよい。
【0019】
回路基板を含む電子機器としては、例えば、スマートフォン(smart phone)、個人情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)などが挙げられるが、これに限定されるものではなく、回路基板が適用されるその他の他の電子機器でもよい。
【0020】
回路基板
図3a及びbは、回路基板100Aの一例を概略的に示す断面図である。図面を参照すると、一例による回路基板100Aは、第1の絶縁層110を挟んで第1の導体層120と第2の導体層130が配置される。一例による回路基板100Aは、第1の絶縁層110を挟んで第1の導体層120と第2の導体層130が配置されることができる構造であればいずれの構造でもよい。このような一例による回路基板100Aは、いわゆるマイクロストリップライン(microstrip line)が適用された回路基板として分類されることができる。
【0021】
第1の絶縁層110は、誘電率を有する媒質を含み、適用される製品のサイズによって所定の高さhを有する。第1の絶縁層110の材料としては、絶縁材料であれば特別な制限なく使用が可能であり、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。第1の絶縁層110は、剛性及び熱伝導度に優れた金属(metal)がその内部に配置されることもできる。このとき、上記金属としては、Fe-Ni系合金が用いられることができ、Fe-Ni系合金の表面にCuメッキを形成することもできる。他にも、その他のガラス(glass)、セラミック(ceramic)、プラスチック(plastic)などがその内部に配置されることもできる。
【0022】
第1の導体層120は信号ライン121、122を含む。即ち、第1の導体層120は信号伝送部の役割を行うことができる。信号ライン121、122は、各種信号、例えば、制御信号などを伝送するためのものであり、
図3aに示されたように所定の幅Wを有すると共に所定の間隔Sで配置される一対の信号ライン121、122で構成されることができる。このような一対の信号ライン121、122は、例えば、MIPIインターフェース(MIPI:Mobile Industry Processor Interface)を支援する2レーン(lane)であり得るが、これに限定されるものではない。信号ライン121、122は、それ以上の信号ラインで構成されることもでき、
図3bに示されたように一つの信号ライン121のみで構成されることもできる。信号ライン121、122は、伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。信号ライン121、122は、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
第2の導体層130は接地ライン131を含む。即ち、第2の導体層130は接地部の役割を行うことができる。接地ライン131は、信号ライン121、122の各種信号の接地(ground)を提供すると共に、これらの各種信号のリターン経路(return path)を提供するためのものであり、接地ライン131の具体的な形態については後述する。接地ライン131は、信号ライン121、122と同様に伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。接地ライン131も、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
一例による回路基板100Aでは、第1の導体層120の信号ライン121、122と第2の導体層130の接地ライン131の間でE-Field及びH-Fieldが形成されることができ、このときに形成されるE-Field及びH-Fieldによって特性インピーダンスが影響を受けるようになる。
【0025】
図4a及びbは、回路基板100Bの他の一例を概略的に示す断面図である。図面を参照すると、他の一例による回路基板100Bは、第1の絶縁層110を挟んで第1の導体層120と第2の導体層130が配置される。また、第2の絶縁層140を挟んで第1の導体層120と第3の導体層150が配置される。他の一例による回路基板100Bは、第1の絶縁層110を挟んで第1の導体層120と第2の導体層130が配置され、第2の絶縁層140を挟んで第1の導体層120と第3の導体層150が配置されることができる構造であればいずれの構造でもよい。このような他の一例による回路基板100Bは、いわゆるストリップライン(strip line)が適用された回路基板として分類されることができる。
【0026】
第1の絶縁層110は、上述のように誘電率を有する媒質を含み、適用される製品のサイズによって所定の高さh1を有する。第1の絶縁層110の材料としては、絶縁材料であれば特別な制限なく使用が可能であり、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。第1の絶縁層110は、剛性及び熱伝導度に優れた金属(metal)がその内部に配置されることもできる。このとき、上記金属としては、Fe-Ni系合金が用いられることができ、Fe-Ni系合金の表面にCuメッキを形成することもできる。他にも、その他のガラス(glass)、セラミック(ceramic)、プラスチック(plastic)などがその内部に配置されることもできる。
【0027】
第2の絶縁層140は、第1の絶縁層110と同様に誘電率を有する媒質を含み、適用される製品のサイズによって所定の高さh2を有する。第2の絶縁層140の材料も、絶縁材料であれば特別な制限なく使用が可能であり、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。第2の絶縁層140は、剛性及び熱伝導度に優れた金属(metal)がその内部に配置されることもできる。このとき、上記金属としては、Fe-Ni系合金が用いられることができ、Fe-Ni系合金の表面にCuメッキを形成することもできる。他にも、その他のガラス(glass)、セラミック(ceramic)、プラスチック(plastic)などがその内部に配置されることもできる。
【0028】
第1の導体層120は上述のように信号ライン121、122を含む。即ち、第1の導体層120は信号伝送部の役割を行うことができる。信号ライン121、122は、各種信号、例えば、制御信号などを伝送するためのものであり、
図4aに示されたように所定の幅Wを有すると共に所定の間隔Sで配置される一対の信号ライン121、122で構成されることができる。このような一対の信号ライン121、122は、例えば、MIPIインターフェース(MIPI:Mobile Industry Processor Interface)を支援する2レーン(lane)であり得るが、これに限定されるものではない。信号ライン121、122は、それ以上の信号ラインで構成されることもでき、
図4bに示されたように一つの信号ライン121のみで構成されることもできる。信号ライン121、122は、伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。信号ライン121、122は、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
第2の導体層130は上述のように接地ライン131を含む。即ち、第2の導体層130は接地部の役割を行うことができる。接地ライン131は、信号ライン121、122の各種信号の接地(ground)を提供すると共に、これらの各種信号のリターン経路(return path)を提供するためのものであり、接地ライン131の具体的な形態については後述する。接地ライン131は、信号ライン121、122と同様に伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。接地ライン131も、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0030】
第3の導体層150は第2の導体層130と同様に接地ラインを含む。即ち、第3の導体層150も接地部の役割を行うことができる。接地ラインは、信号ライン121、122の各種信号の接地(ground)を提供すると共に、これらの各種信号のリターン経路(return path)を提供するためのものであり、接地ラインの具体的な形態については後述する。接地ラインは、信号ライン121、122と同様に伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。接地ラインも、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0031】
他の一例による回路基板100Bでは、第1の導体層120の信号ライン121、122と第2の導体層130の接地ラインの間、及び第1の導体層120の信号ライン121、122と第3の導体層150の接地ラインの間でE-Field及びH-Fieldが形成されることができ、このときに形成されるE-Field及びH-Fieldによって特性インピーダンスが影響を受けるようになる。
【0032】
図5は、第2の導体層130の一例を概略的に示す平面図である。図面を参照すると、第2の導体層130は、複数の導体パターンが互いに連結された形態の導体経路である接地ライン131を含む。接地ライン131は、信号ライン121に対応する領域Aを有する。一例では、対応領域Aにおいて信号ライン121ではなく接地ライン131のパターン設計によりインピーダンスを整合する。なお、図面には、便宜上、接地ライン131に対応する信号ライン121を一つのみ示したが、これに限定されるものではなく、信号ラインは複数個でもよい。
【0033】
接地ライン131のエッジ部分Bには開曲線形状の単位パターンが配置され、このようなエッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間には斜めに傾いた形状の単位パターンが配置される。このような単位パターンが連結され、信号ライン121を介して移動する各種信号のリターン経路(return path)を形成する。即ち、一例による接地ライン131は、例えば、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化されることができ、これにより、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる。
【0034】
具体的には、上述のように、回路基板におけるインピーダンス特性は、通常、信号ライン121の線幅と厚さ、信号ライン121と接地ライン131の間の高さ、及び絶縁層110を構成する媒質の誘電率などによって決定される。しかしながら、最近、薄型化の傾向に伴い、回路を設計するにあたり絶縁層110の厚さTを減らしているため、インピーダンスが所望の設計数値より低くなる可能性がある。これを補償するために信号ライン121の線幅Wや厚さTを調節することが考えられるが、信号ライン121の線幅や厚さを調節する場合には、伝送損失をもたらし、回路素子の配置に相当な制約を受けるようになるという問題がある。
【0035】
よって、一例では、インピーダンスを整合する方法として、信号ライン121ではなく接地ライン131の設計を変更することを考え、このとき、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化する方案として、接地ライン131を、例えば、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化した。このようなオブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状は、接地ライン131のリターン経路(return path)を信号ライン121の経路(path)より長くするため、高いインピーダンス特性を有するようにする。また、対応領域Aにおいて信号ライン121の位置にかかわらず対応する接地ライン131のパターン形状を一定に維持させるため、信号ライン121の位置による特性インピーダンスの差異を最小化させる。したがって、インピーダンス不整合がほとんど発生しない。
【0036】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンは、その間に配置される単位パターンを連結させる役割を行う。一例では、開曲線形状の単位パターンが図面を基準に接地ライン131の全ての枠(上、下、左、右)部分に配置されるため、その間に配置される斜めに傾いた形状の単位パターンの空間活用度が高くなり、その結果、接地ライン131がより長い経路を有することができるようになる。開曲線形状の単位パターンの具体的な形状は特に限定されず、エッジ部分Bに配置され、その間に配置される単位パターンを斜めに傾いた形で連結させることができるものであればよい。
【0037】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間に配置される斜めに傾いた形状の単位パターンは、空間活用度が高いことから、接地ライン131の経路をより長く設計することができるようにするため、基本的に高いインピーダンス特性を実現することができるようにする。斜めに傾いた形状の単位パターンは、線幅Wが一定であり、また、その間の間隔Lが一定である。そして、一定の方向に、また、一定の角度に斜めに傾いている。このように実質的に信号ライン121に対応する斜めに傾いた形状の単位パターンのパターン形状が信号ライン121の位置にかかわらず一定に維持されるため、信号ラインの位置別インピーダンスの差異を最小化することができる。
【0038】
斜めに傾いた形状の単位パターンの線幅Wや間隔Lの具体的な数値は特に限定されず、インピーダンス設計事項に合わせて設計することができる。例えば、必要に応じて、線幅Wを厚くしてインピーダンスを低くしてもよい。同様に、斜めに傾いた形状の単位パターンの傾きも具体的な数値は特に限定されず、一定に斜めに傾いているだけでよい。
【0039】
図6及び
図7は、一例による第2の導体層130に多様な形態のダミーパターン132が適用された場合を概略的に示す平面図である。一般に、接地ライン131の間隔を広げる場合、インピーダンスは上昇することができるが、広い間隔によってEMI(Electro Magnetic Interference)放射が発生する可能性があり、その結果、他の信号ラインに干渉を起こす可能性がある。このとき、接地ライン131と連結されない複数のダミーパターン132を接地ライン131の間隔の間に配置させる場合、インピーダンスを維持しながらEMI(Electro Magnetic Interference)放射を遮蔽することができる。また、複数のダミーパターン132によって第2の導体層130の導体の比率を調節することができるため、反りも制御することができる。
【0040】
複数のダミーパターン132は、上述の接地ライン131の配置形態に影響を与えるものでなければ、具体的な配置形態や模様、幅、間隔などは特に限定されない。例えば、
図6のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が一つずつ配置されてもよく、
図7のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が複数個配置されてもよい。
【0041】
複数のダミーパターン132は、伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。ダミーパターン132も、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
図8は、第2の導体層130の他の一例を概略的に示す平面図である。他の一例でも、第2の導体層130は、複数の導体パターンが互いに連結された形態の導体経路である接地ライン131を含む。また、接地ライン131は、信号ライン121に対応する領域Aを有する。また、対応領域Aにおいて信号ライン121ではなく接地ライン131のパターン設計によりインピーダンスを整合する。また、図面には、便宜上、接地ライン131に対応する信号ライン121を一つのみ示したが、これに限定されるものではなく、信号ラインは複数個でもよい。
【0043】
接地ライン131のエッジ部分Bには開曲線形状の単位パターンが配置され、このようなエッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間には斜めに傾いた形状の単位パターンが配置される。このような単位パターンが連結され、信号ライン121を介して移動する各種信号のリターン経路(return path)を形成する。即ち、他の一例による接地ライン131もオブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化されることができ、これにより、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる。
【0044】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンは同様に、その間に配置される単位パターンを連結させる一種の連結部の役割を行う。他の一例では、開曲線形状の単位パターンが図面を基準に接地ライン131の一部の枠(左、右)部分にのみ配置される。ここでも、開曲線形状の単位パターンの具体的な形状は特に限定されず、エッジ部分Bに配置され、その間に配置される単位パターンを斜めに傾いた形で連結させることができるものであればよい。
【0045】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間に配置される斜めに傾いた形状の単位パターンは、空間活用度が高いことから、接地ライン131の経路をより長く設計することができるようにするため、基本的に高いインピーダンス特性を実現することができるようにする。他の一例では、斜めに傾いた形状の単位パターンが一定にジグザグ状に斜めに傾いている。このとき、ジグザグ状に斜めに傾いた形状の単位パターンは、線幅Wが一定であり、また、その間の間隔Lが一定である。このように実質的に信号ライン121に対応する斜めに傾いた形状の単位パターンのパターン形状が信号ライン121の位置にかかわらず一定に維持されるため、信号ラインの位置別インピーダンスの差異を最小化することができる。
【0046】
斜めに傾いた形状の単位パターンの線幅Wや間隔Lの具体的な数値は同様に特に限定されず、インピーダンス設計事項に合わせて設計することができる。例えば、線幅Wを厚くしてインピーダンスを低くすることができる。また、斜めに傾いた形状の単位パターンの傾きも具体的な数値は特に限定されず、一定に斜めに傾いているだけでよい。
【0047】
図9及び
図10は、他の一例による第2の導体層130に多様な形態のダミーパターン132が適用された場合を概略的に示す平面図である。他の一例による第2の導体層130でも、接地ライン131と連結されない複数のダミーパターン132を接地ライン131の間隔の間に配置させる場合、インピーダンスを維持しながらEMI(Electro Magnetic Interference)放射を遮蔽することができる。また、複数のダミーパターン132によって第2の導体層130の導体の比率を調節することができるため、反りも制御することができる。
【0048】
同様に、複数のダミーパターン132は、上述の接地ライン131の配置形態に影響を与えるものでなければ、具体的な配置形態や模様、幅、間隔などは特に限定されない。例えば、
図9のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が一つずつ配置されてもよく、
図10のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が複数個配置されてもよい。
【0049】
同様に、複数のダミーパターン132は、伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。ダミーパターン132も、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
図11は、第2の導体層130のさらに他の一例を概略的に示す平面図である。さらに他の一例でも、第2の導体層130は、複数の導体パターンが互いに連結された形態の導体経路である接地ライン131を含む。また、接地ライン131は、信号ライン121に対応する領域Aを有する。また、対応領域Aにおいて信号ライン121ではなく接地ライン131のパターン設計によりインピーダンスを整合する。また、図面には、便宜上、接地ライン131に対応する信号ライン121を一つのみ示したが、これに限定されるものではなく、信号ラインは複数個でもよい。
【0051】
接地ライン131のエッジ部分Bには開曲線形状の単位パターンが配置され、このようなエッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間には斜めに傾いた形状の単位パターンが配置される。このような単位パターンが連結され、信号ライン121を介して移動する各種信号のリターン経路(return path)を形成する。即ち、さらに他の一例による接地ライン131もオブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化されることができ、これにより、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化することができる。
【0052】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンは同様に、その間に配置される単位パターンを連結させる一種の連結部の役割を行う。さらに他の一例では、開曲線形状の単位パターンが図面を基準に接地ライン131の一部の枠(左、右)部分にのみ配置される。ここでも、開曲線形状の単位パターンの具体的な形状は特に限定されず、エッジ部分Bに配置され、その間に配置される単位パターンを斜めに傾いた形で連結させることができるものであればよい。
【0053】
エッジ部分Bに配置された開曲線形状の単位パターンの間に配置される斜めに傾いた形状の単位パターンは、空間活用度が高いことから、接地ライン131の経路をより長く設計することができるようにするため、基本的に高いインピーダンス特性を実現することができるようにする。さらに他の一例では、斜めに傾いた形状の単位パターンが一定にラウンド形状のジグザグ状に斜めに傾いている。このとき、ラウンド形状のジグザグ状に斜めに傾いた形状の単位パターンは、線幅Wが一定であり、また、その間の間隔Lが一定である。このように実質的に信号ライン121に対応する斜めに傾いた形状の単位パターンのパターン形状が信号ライン121の位置にかかわらず一定に維持されるため、信号ラインの位置別インピーダンスの差異を最小化することができる。
【0054】
斜めに傾いた形状の単位パターンの線幅Wや間隔Lの具体的な数値は同様に特に限定されず、インピーダンス設計事項に合わせて設計することができる。例えば、線幅Wを厚くしてインピーダンスを低くすることができる。また、斜めに傾いた形状の単位パターンの傾きも具体的な数値は特に限定されず、一定に斜めに傾いているだけでよい。
【0055】
図12及び
図13は、さらに他の一例による第2の導体層130に多様な形態のダミーパターン132が適用された場合を概略的に示す平面図である。さらに他の一例による第2の導体層130でも、接地ライン131と連結されない複数のダミーパターン132を接地ライン131の間隔の間に配置させる場合、インピーダンスを維持しながらEMI(Electro Magnetic Interference)放射を遮蔽することができる。また、複数のダミーパターン132によって第2の導体層130の導体の比率を調節することができるため、反りも制御することができる。
【0056】
同様に、複数のダミーパターン132は、上述の接地ライン131の配置形態に影響を与えるものでなければ、具体的な配置形態や模様、幅、間隔などは特に限定されない。例えば、
図12のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が一つずつ配置されてもよく、
図13のように接地ライン131のそれぞれの間隔の間にダミーパターン132が複数個配置されてもよい。
【0057】
同様に、複数のダミーパターン132は、伝導性に優れた銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などから選択される少なくとも一つの物質又は少なくとも二つの物質の混合物を含むことができる。ダミーパターン132も、公知の方法で形成されることができ、例えば、電解銅メッキ又は無電解銅メッキなどで形成されることができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などの方法を利用して形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0058】
図5から
図13では第2の導体層130の多様な例示を示しているが、このような例示は第2の導体層130にのみ適用されるものではなく、第3の導体層150にも適用されることができる。即ち、第3の導体層150の接地ラインも、複数の導体パターンが互いに連結された形態の導体経路であり、信号ライン121に対応する領域を有することができる。また、接地ラインのエッジ部分には開曲線形状の単位パターンが配置されることができ、このようなエッジ部分に配置された開曲線形状の単位パターンの間には斜めに傾いた形状の単位パターンが配置されることができる。このような単位パターンが連結され、信号ライン121を介して移動する各種信号のリターン経路(return path)を形成することができる。即ち、特性インピーダンスを高く維持しながらも、信号ラインの位置別特性インピーダンスの値の差異を最小化する方案として、接地ラインを、例えば、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化することができる。また、第3の導体層150も多様な形態のダミーパターンを含むことができ、例えば、接地ラインと連結されない複数のダミーパターンを接地ラインの間隔の間に配置することができる。これ以上の詳細な説明は
図5から
図13について述べた内容を参照する。
【0059】
図14は、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ライン131の信号リターン経路RPを概略的に示す。図面を参照すると、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ライン131の信号リターン経路RPは、斜め方向に蛇行状になっている一つの経路を有するため、信号ライン121より長い経路を有するようになる。製品のスリム化に伴い、絶縁層の厚さも次第に低くなり、特性インピーダンスを維持することが困難となっているが、このように信号リターン経路RPをより長く実現する場合には、絶縁層の厚さの減少によるインピーダンス補償が可能であるため、特性インピーダンスの維持により効果的である。
【0060】
図15は、フィル(Fill)形状にパターン化された接地面431の信号リターン経路RPを概略的に示す。図面を参照すると、フィル(Fill)形状にパターン化された接地面431の信号リターン経路RPは多様な経路を有するため、信号リターン経路RPを制御するのに困難がある。また、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ライン131の場合、より短い信号リターン経路RPを有するようになるため、絶縁層の厚さの減少によるインピーダンス補償が十分ではないことが予想できる。
【0061】
図16は、ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ライン531の信号リターン経路RPを概略的に示す。図面を参照すると、ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ライン531の場合も、信号リターン経路RPが多様な経路を有するため、信号リターン経路RPを制御するのに困難がある。また、フィル(Fill)形状にパターン化された接地面431の信号リターン経路RPよりは長い信号リターン経路RPを有することはできるが、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ライン131の場合よりは短い信号リターン経路RPを有するようになるため、絶縁層の厚さの減少によるインピーダンス補償が、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ライン131の場合よりは容易ではないことが予想できる。
【0062】
図17は、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインとハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの信号ラインの位置別対応関係を概略的に示す。ここで、信号ラインの「位置別対応関係」は、信号ラインが互いに「平行に配置される場合」を基準に判断する。図面を参照すると、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインは、信号ラインの位置1及び位置2のいずれの場合でも対応するパターン形状が一定に維持されることが分かる。また、
図14を共に参照すると、信号ラインの位置1及び位置2のいずれの場合でも対応するリターンパス経路が一定に維持されることが分かる。これに対し、ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインは、信号ラインの位置1及び位置2によって対応するパターン形状が相違することが分かる。また、
図16を共に参照すると、信号ラインの位置1及び位置2によって対応するリターンパス経路が変わることが分かる。即ち、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインは、信号リターン経路をより長く実現することができるため、高いインピーダンスを実現することができ、また、信号ラインに対応するパターン形状及び信号リターン経路を一定に維持することができるため、信号ラインの位置によるインピーダンスの差異を最小化することができることが分かる。したがって、信号ラインではなく接地の設計を変更し、効果的にインピーダンスを整合することができることが分かる。
【0063】
図18は、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインとハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの信号ラインの位置別特性インピーダンスのシミュレーション結果を概略的に示す。ここで、位置1及び位置2は、
図17に示した信号ラインの位置1及び位置2を意味する。図面を参照すると、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインは、基本的に、ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインの場合よりも時間による特性インピーダンスが高く維持されることが分かる。また、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインは、位置1及び位置2における時間による特性インピーダンスの差異が全て約1Ω以下であることが分かる。特に、1.06nsでは、位置1及び位置2の特性インピーダンスの差異が約0.01Ω程度に過ぎないことが分かる。これに対し、ハッチ(hatch)形状にパターン化された接地ラインは、位置1及び位置2における時間による特性インピーダンスの差異が1Ωを超えるほど大きい場合がある。特に、1.06nsでは、位置1及び位置2の特性インピーダンスの差異が約2Ω程度と相当に大きいことが分かる。即ち、オブリーク-メアンダ(Oblique-Meander)形状にパターン化された接地ラインは、信号リターン経路をより長く実現することができるため、高いインピーダンスを実現することができ、また、信号ラインに対応するパターン形状及び信号リターン経路を一定に維持することができるため、信号ラインの位置によるインピーダンスの差異を最小化することができるという点がシミュレーション結果からも裏付けられることが分かる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0065】
100A、100B 回路基板
110 第1の絶縁層
120 第1の導体層
130 第2の導体層
140 第2の絶縁層
150 第3の導体層
121 信号ライン
131 接地ライン
132 ダミーパターン
1 レンズアセンブリ
2 VCMアセンブリ
3 IRフィルタ
4 センサー
5 ISPモジュール
300 カメラモジュール用回路基板
310 センサー実装部
320 信号伝送部
330 接地部
340 コネクタ部
311 センサー実装部位
312 第4の導体パターン
313 信号ライン
321 信号ライン
331 第1の導体パターン
332 第2の導体パターン
333 第3の導体パターン