(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】ワニス組成物、オフセット印刷インキ及び印刷物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20220222BHJP
C09D 11/107 20140101ALI20220222BHJP
C08F 265/06 20060101ALI20220222BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
C09D11/101
C09D11/107
C08F265/06
C08F2/44 C
(21)【出願番号】P 2017164175
(22)【出願日】2017-08-29
【審査請求日】2020-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松田 倫幸
(72)【発明者】
【氏名】白石 広大
(72)【発明者】
【氏名】石嶋 優樹
(72)【発明者】
【氏名】内野 拓耶
【審査官】久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-106270(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024497(WO,A1)
【文献】特開2016-147977(JP,A)
【文献】特開2017-048355(JP,A)
【文献】特開2014-139312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00-2/60
C09D 11/00-11/54
C08F 265/00-265/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成単位1
【化1】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
aは、水素又はアルキル基である)
及び構成単位2
【化2】
(式中、R
bはアルキレン基である)
を含み、
前記構成単位2が、構成単位2B、構成単位2C及び構成単位2Dからなる群から選択される1つ以上であり、前記構成単位1と前記構成単位2とが共有結合により結合している構造を含む、樹脂(1)、並びに
反応性希釈剤(2)を含む、オフセットインキ用ワニス組成物。
構成単位2B
【化B1】
(式中、R
b3
~R
b5
は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B2
は3価の炭化水素基又は
【化B2】
(式中、R
ba
~R
bc
は、それぞれ独立にアルキレン基である)
である。)
構成単位2C
【化C1】
(式中、R
b6
~R
b9
は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B3
は4価の炭化水素基である。)
構成単位2D
【化D1】
(式中、R
b10
~R
b15
は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B4
は6価の炭化水素基又は
【化D2】
である。)
【請求項2】
前記樹脂(1)が構成単位3
【化3】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
c1~R
c5はそれぞれ独立に、水素、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される基である。)
を含む、請求項1に記載のオフセットインキ用ワニス組成物。
【請求項3】
前記樹脂(1)が構成単位4
【化4】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
dはCONR
d1R
d2、COO(CH
2)
2NR
d1R
d2及び
【化5】
からなる群から選択される基であり、
式中、R
d1及びR
d2は、アルキル基若しくは水素であるか、又はR
d1及びR
d2が一緒になって環構造を形成する基であり、kは1以上の整数であり、R
d3は、水素、メチル基又は水酸基であり、R
d4は、OH、CH
2OH、CH
2CH
2OH、CH
2OCH
3又はCH
2OPhであるが、R
d3又はR
d4のどちらかが水酸基である。)
を含む、請求項1又は2に記載のオフセットインキ用ワニス組成物。
【請求項4】
前記樹脂(1)が構成単位5
【化6】
(式中、R
e1、R
e2、及びR
e3は、それぞれ独立に、ニトリル基、アルキル基、極性基置換アルキル基、アルケニル基、又は極性基である。)
をポリマー鎖末端に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のオフセットインキ用ワニス組成物。
【請求項5】
前記樹脂(1)が構成単位6
【化7】
(式中、R
fは、アシル基、アルキル基、又はアリール基である。)
をポリマー鎖末端に含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のオフセットインキ用ワニス組成物。
【請求項6】
前記反応性希釈剤(2)が
【化8】
(式中、nは0~2の整数であり、mは0~2の整数であり、pは0から7の整数であり、R
b1~R
b14は、それぞれ独立に水素原子、
【化9】
であり、
R
b15~R
b16は、それぞれ独立に
【化10】
であり、R
b17はそれぞれ独立に、アルキレン基であり、
構造式(A)~(C)中、R
b1~R
b14から選択される2個以上の基が
【化11】
であり、
qはそれぞれ独立に0~16の整数であり、R
1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基である。なお、R
b4、R
b5、R
b9、及びR
b13は各構成単位ごとに基が異なっていてもよい。)
である、請求項1~5のいずれか1項に記載のオフセットインキ用ワニス組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のオフセットインキ用ワニス組成物及び顔料を含む、オフセット印刷インキ。
【請求項8】
請求項7に記載のオフセット印刷インキの硬化層を有する、印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワニス組成物、オフセット印刷インキ及び印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する樹脂組成物(以下、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物ともいう。)は、通常、反応性希釈剤、樹脂、光重合開始剤及び添加剤から構成されており、省エネルギー型の工業材料としてコーティング剤や塗料、印刷インキ等様々な分野で利用されている。
【0003】
特に活性エネルギー線硬化型印刷インキにおいては、反応性希釈剤として、硬化性や皮膜硬度等が優れていることから、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等の多官能アクリレートが汎用されている。
【0004】
一方、印刷適性を出すことを目的として、ジアリルフタレート樹脂やスチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂ではインキ流動性と耐ミスチング性はトレードオフの関係にあり、これらの性能を両立した樹脂が得られていないのが現状である。一方、アリルフタレート樹脂は、ジアリルフタレートモノマーを重合させたものであり、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の極性官能基を有しないため、利用態様が限られる。また、樹脂中に残存する未反応のジアリルフタレートモノマーが変異原性の高懸念物質である(上記特許文献1の段落[0009]を参照。)ことから、ジアリルフタレート樹脂に代替し得る樹脂が求められている。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、優れたインキ流動性と耐ミスチング性を有し、極性官能基の導入が可能な印刷インキの原料であるワニス組成物、優れたインキ流動性と耐ミスチング性を有するオフセット印刷インキ及び上記インキを用いた印刷物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、チオール系連鎖移動剤を用いて製造した樹脂及び複数の(メタ)アクリロイル基を有する反応性希釈剤を含むワニス組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
構成単位1
【化12】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
aは、水素又はアルキル基である)
及び構成単位2
【化13】
(式中、R
bはアルキレン基である)
を含む、樹脂(1)、並びに
反応性希釈剤(2)を含む、ワニス組成物。
(項目2)
前記樹脂(1)が構成単位3
【化14】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
c1~R
c5はそれぞれ独立に、水素、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される基である。)
を含む、上記項目に記載のワニス組成物。
(項目3)
前記樹脂(1)が構成単位4
【化15】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
dはCONR
d1R
d2、COO(CH
2)
2NR
d1R
d2及び
【化16】
からなる群から選択される基であり、
式中、R
d1及びR
d2は、アルキル基若しくは水素であるか、又はR
d1及びR
d2が一緒になって環構造を形成する基であり、kは1以上の整数であり、R
d3は、水素、メチル基又は水酸基であり、R
d4は、OH、CH
2OH、CH
2CH
2OH、CH
2OCH
3又はCH
2OPhであるが、R
d3又はR
d4のどちらかが水酸基である。)
を含む、上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物。
(項目4)
前記樹脂(1)が構成単位5
【化17】
(式中、R
e1、R
e2、及びR
e3は、それぞれ独立に、ニトリル基、アルキル基、極性基置換アルキル基、アルケニル基、又は極性基である。)
をポリマー鎖末端に含む、上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物。
(項目5)
前記樹脂(1)が構成単位6
【化18】
(式中、R
fは、アシル基、アルキル基、又はアリール基である。)
をポリマー鎖末端に含む、上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物。
(項目6)
前記反応性希釈剤(2)が
【化19】
(式中、nは0~2の整数であり、mは0~2の整数であり、pは0から7の整数であり、R
b1~R
b14は、それぞれ独立に水素原子、
【化20】
であり、
R
b15~R
b16は、それぞれ独立に
【化21】
であり、R
b16はそれぞれ独立に、アルキレン基であり、
構造式(A)~(C)中、R
b1~R
b14から選択される2個以上の基が
【化22】
であり、
qはそれぞれ独立に0~16の整数であり、R
1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基である。なお、R
b4、R
b5、R
b9、及びR
b13は各構成単位ごとに基が異なっていてもよい。)
である、上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物。
(項目7)
オフセットインキ用に用いられる、上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物。
(項目8)
上記項目のいずれか1項に記載のワニス組成物及び顔料を含む、オフセット印刷インキ。
(項目9)
上記項目に記載のオフセット印刷インキの硬化層を有する、印刷物。
【0010】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。当業者は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解することにより、上記以外のさらなる実施形態及び利点を認識することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るワニス組成物を用いれば、インキ諸性能(密着性、塗膜硬度、乳化性、画像再現性、光沢性、耐ブロッキング性、塗膜の平滑性等)を有しつつ、優れたインキ流動性と耐ミスチング性を有するオフセット印刷インキを得ることができる。上記インキを用いることによりオフセット印刷時の生産性向上をさせることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1.樹脂(1))
本開示は、構成単位1
【化23】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
aは、水素又はアルキル基である)
及び構成単位2
【化24】
(式中、R
bはアルキレン基である)
を含む樹脂を提供する。本開示において「樹脂」は、ポリマーと同義の意味を有する。
【0013】
(構成単位1)
構成単位1は、モノマーとして、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いた場合にポリマー鎖に含まれる構成単位である。
【0014】
本開示において「(メタ)アクリル」は「アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。また「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル及びメタクリロイルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。
【0015】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例は、(メタ)アクリル酸直鎖アルキルエステル、(メタ)アクリル酸分岐アルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは2種以上を併用できる。
【0016】
(メタ)アクリル酸直鎖アルキルエステルの例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0017】
(メタ)アクリル酸分岐アルキルエステルの例は、(メタ)アクリル酸iso-プロピル、(メタ)アクリル酸iso-ブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸iso-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
【0018】
全構成単位に占める構成単位1の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して99、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、21、20、15、10質量%等が挙げられ、下限の例は、98、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、21、20、15、10、5質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位1の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、モノマー溶解性や顔料分散性の観点から構成単位1は全構成単位100質量%に対して5~99質量%が好ましい。
【0019】
なお、本開示において、「全構成単位100質量%」とは樹脂の質量と同義である。
【0020】
全構成単位に占める構成単位1の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して99、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、21、20、15、10モル%等が挙げられ、下限の例は、98、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、21、20、15、10、5モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位1の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、モノマー溶解性や顔料分散性の観点から構成単位1は全構成単位100モル%に対して5~99モル%が好ましい。
【0021】
(構成単位2)
構成単位2は、チオール系連鎖移動剤に由来する構成単位である。チオール系連鎖移動剤は2種以上を併用できる。
【0022】
構成単位2の例は、構成単位2A
【化25】
(式中、R
b1~R
b2は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B1はアルキレン基又は
【化26】
(式中、bは0以上の整数であり、R
b’はアルキレン基である)
である。)
構成単位2B
【化27】
(式中、R
b3~R
b5は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B2は3価の炭化水素基又は
【化28】
(式中、R
ba~R
bcは、それぞれ独立にアルキレン基である)
である。)
構成単位2C
【化29】
(式中、R
b6~R
b9は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B3は4価の炭化水素基である。)
構成単位2D
【化30】
(式中、R
b10~R
b15は、それぞれ独立にアルキレン基であり、R
B4は6価の炭化水素基又は
【化31】
である。)
で示されるもの等が挙げられる。
【0023】
構成単位2Aは、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラプロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ポリプロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)等に由来する構成単位である。
【0024】
構成単位2Bは、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-イソシアヌレート等に由来する構成単位である。
【0025】
構成単位2Cは、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等に由来する構成単位である。
【0026】
構成単位2Dは、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等に由来する構成単位である。
【0027】
全構成単位に占める構成単位2の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2質量%等が挙げられ、下限の例は、49、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位2の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位2は全構成単位100質量%に対して1~50質量%が好ましい。
【0028】
全構成単位に占める構成単位2の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2モル%等が挙げられ、下限の例は、49、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位2の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位2は全構成単位100モル%に対して1~50モル%が好ましい。
【0029】
(構成単位3)
1つの実施形態において、前記構成単位群に構成単位3
【化32】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
c1~R
c5はそれぞれ独立に、水素、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される基である。)
を含む。
【0030】
構成単位3は、モノマーとして、スチレン系化合物を用いた場合にポリマー鎖に含まれる構成単位である。スチレン系化合物の例は、スチレン、α-メチルスチレン等の他、芳香環に少なくとも1つの炭素数1~2のアルキル基を有するスチレン等が挙げられる。スチレン系化合物は2種以上を併用できる。
【0031】
構成単位3を含む場合、全構成単位に占める構成単位3の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して79、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2質量%等が挙げられ、下限の例は、78、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位3の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位3は全構成単位100質量%に対して1~79質量%が好ましい。
【0032】
構成単位3を含む場合、全構成単位に占める構成単位3の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して79、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2モル%等が挙げられ、下限の例は、78、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位3の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位3は全構成単位100モル%に対して1~79モル%が好ましい。
【0033】
(構成単位4)
1つの実施形態において、前記構成単位群に構成単位4
【化33】
(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
dはCONR
d1R
d2、COO(CH
2)
2NR
d1R
d2及び
【化34】
からなる群から選択される基であり、
式中、R
d1及びR
d2は、アルキル基若しくは水素であるか、又はR
d1及びR
d2が一緒になって環構造を形成する基であり、kは1以上の整数であり、R
d3は、水素、メチル基又は水酸基であり、R
d4は、OH、CH
2OH、CH
2CH
2OH、CH
2OCH
3又はCH
2OPhであるが、R
d3又はR
d4のどちらかが水酸基である。)
を含む。
【0034】
構成単位4は、例えばモノマーとして、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリル酸アルキルアミン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等を用いた場合にポリマー鎖に含まれる構成単位である。
【0035】
N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミドの例は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0036】
N,N-ジアルキル(メタ)アクリル酸アルキルアミンの例は、N,N-ジメチルエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。窒素上のアルキル基の炭素数(すなわち、構成単位4中のRb1及びRb2それぞれの炭素数)は1~2が好ましい。
【0037】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの例として
【化35】
等が挙げられる。
【0038】
構成単位4を含む場合、全構成単位に占める構成単位4の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2質量%等が挙げられ、下限の例は、49、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位4の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位4は全構成単位100質量%に対して1~50質量%が好ましい。
【0039】
構成単位4を含む場合、全構成単位に占める構成単位4の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2モル%等が挙げられ、下限の例は、49、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位4の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位4は全構成単位100モル%に対して1~50モル%が好ましい。
【0040】
(構成単位5)
1つの実施形態において、上記樹脂は、構成単位5
【化36】
(式中、R
e1、R
e2、及びR
e3は、それぞれ独立に、ニトリル基、アルキル基、極性基置換アルキル基、極性基である。)
をポリマー鎖に含む。
【0041】
構成単位5は、例えば、下記の構造を有する
【化37】
(式中、R
e1、R
e2、及びR
e3は、それぞれ独立に、ニトリル基、アルキル基、極性基置換アルキル基、アルケニル基、又は極性基である。)アゾ開始剤に由来する構成単位である。アゾ開始剤は2種以上を併用できる。
【0042】
「極性基」の例は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホニル基、リン酸基、ニトロ基、及びアミド基等が挙げられる。
【0043】
アゾ開始剤の例は、アゾニトリル系開始剤、アゾアミジン系開始剤、アゾアミド系開始剤が挙げられる。
【0044】
アゾニトリル系開始剤の例は、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等が挙げられる。
【0045】
アゾアミジン系開始剤の例は、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]n水和物等が挙げられる。
【0046】
アゾアミド系開始剤の例は、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
【0047】
その他のアゾ開始剤の例は、ジメチル2,2’-アゾビス(イソブチレート)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)等が挙げられる。
【0048】
構成単位5を含む場合、全構成単位に占める構成単位5の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して20、15、10、5、4、3、2、1質量%等が挙げられ、下限の例は、19、15、10、5、4、3、2、1、0.5質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位5の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位5は全構成単位100質量%に対して0.5~20質量%が好ましい。
【0049】
構成単位5を含む場合、全構成単位に占める構成単位5の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して20、15、10、5、4、3、2、1モル%等が挙げられ、下限の例は、19、15、10、5、4、3、2、1、0.5モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位5の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位5は全構成単位100モル%に対して0.5~20モル%が好ましい。
【0050】
(構成単位6)
1つの実施形態において、上記樹脂は、構成単位6
【化38】
(式中、R
fは、アシル基、アルキル基、又はアリール基である。)
をポリマー鎖末端に含む。
【0051】
構成単位6は、例えば、下記の構造を有する
Rf-O-O-Rf
(式中、Rfは、アシル基、アルキル基、又はアリール基である。)過酸化物系開始剤に由来する構成単位である。過酸化物系開始剤は2種以上を併用できる。
【0052】
過酸化物系開始剤の例は、(2-エチルヘキサノイル)(tert-ブチル)ペルオキシド、過酸化ベンゾイル、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジメチルジオキシラン、過酸化アセトン、メチルエチルケトンペルオキシド、ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン、クメンヒドロペルオキシド、tert-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエイト等が挙げられる。
【0053】
構成単位6を含む場合、全構成単位に占める構成単位6の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して20、15、10、5、4、3、2、1質量%等が挙げられ、下限の例は、19、15、10、5、4、3、2、1、0.5質量%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位6の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位6は全構成単位100質量%に対して0.5~20質量%が好ましい。
【0054】
構成単位6を含む場合、全構成単位に占める構成単位6の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して20、15、10、5、4、2、1モル%等が挙げられ、下限の例は、19、15、10、5、4、3、2、1、0.5モル%等が挙げられる。全構成単位に占める構成単位6の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位6は全構成単位100モル%に対して0.5~20モル%が好ましい。
【0055】
(その他の構成単位)
1つの実施形態において、上記樹脂には、構成単位1~6以外の構成単位(以下その他の構成単位ともいう)も含まれ得る。その他の構成単位の例は、構成単位1でも4でもない(メタ)アクリル酸誘導体に由来する構成単位等が挙げられる。構成単位1でも4でもない(メタ)アクリル酸誘導体に由来する構成単位の例は、後述の(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、アルキレンジ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートに由来する構成単位等が挙げられる。1つの実施形態において、上記樹脂は、架橋性基(エチレン性不飽和結合基、アミノ基(例えば第1級アミノ基(-NH2))、エポキシ基、チオール基(-SH)、ハロゲン基)を有さない樹脂である。
【0056】
その他の構成単位を含む場合、全構成単位に占めるその他の構成単位の割合の上限の例は、全構成単位100質量%に対して30、25、20、15、10、5、2質量%等が挙げられ、下限の例は、29、25、20、15、10、5、2、1質量%等が挙げられる。全構成単位に占めるその他の構成単位の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、その他の構成単位は全構成単位100質量%に対して1~30質量%が好ましいが、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0.001質量%未満、0.0001質量%未満であってもよい。
【0057】
その他の構成単位を含む場合、全構成単位に占めるその他の構成単位の割合の上限の例は、全構成単位100モル%に対して30、25、20、15、10、5、2モル%等が挙げられ、下限の例は、29、25、20、15、10、5、2、1モル%等が挙げられる。全構成単位に占めるその他の構成単位の割合の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、その他の構成単位は全構成単位100モル%に対して1~30モル%が好ましいが、1モル%未満、0.1モル%未満、0.01モル%未満、0.001モル%未満、0.0001モル%未満であってもよい。
【0058】
(構成単位間の相対比)
構成単位1と構成単位2との質量比(構成単位1の質量/構成単位2の質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.3、0.2等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.3、0.2、0.1等が挙げられる。構成単位1と構成単位2との質量比(構成単位1の質量/構成単位2の質量)の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位2との質量比は0.1~99.0が好ましい。
【0059】
構成単位1と構成単位2とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位2の物質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.3、0.2等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1等が挙げられる。構成単位1と構成単位2とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位2の物質量)の範囲は、適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位2とのモル比は0.1~99.0が好ましい。
【0060】
構成単位1と構成単位3との質量比(構成単位1の質量/構成単位3の質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.25、0.10、0.08、0.07等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.25、0.10、0.08、0.07、0.06等が挙げられる。構成単位1と構成単位3との質量比(構成単位1の質量/構成単位3の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、極性調整の観点から、構成単位1と構成単位3との質量比は0.06~99.0が好ましい。
【0061】
構成単位1と構成単位3とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位3の物質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.25、0.10、0.08、0.07等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.25、0.10、0.08、0.07、0.06等が挙げられる。構成単位1と構成単位3とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位3の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、極性調整の観点から、構成単位1と構成単位3とのモル比は0.06~99.0が好ましい。
【0062】
構成単位1と構成単位4との質量比(構成単位1の質量/構成単位4の質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1等が挙げられる。構成単位1と構成単位4との質量比(構成単位1の質量/構成単位4の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位1と構成単位4との質量比は極性調整の観点から、0.1~99.0が好ましい。
【0063】
構成単位1と構成単位4とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位4の物質量)の上限の例は、99.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2等が挙げられ、下限の例は、98.0、95.0、90.0、85.0、80.0、75.0、70.0、65.0、60.0、55.0、50.0、45.0、40.0、35.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1等が挙げられる。構成単位1と構成単位4とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位4の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、構成単位1と構成単位4とのモル比は極性調整の観点から、0.1~99.0が好ましい。
【0064】
構成単位1と構成単位5との質量比(構成単位1の質量/構成単位5の質量)の上限の例は、198.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.26等が挙げられ、下限の例は197.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.25等が挙げられる。構成単位1と構成単位5との質量比(構成単位1の質量/構成単位5の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位5との質量比は0.25~198.0が好ましい。
【0065】
構成単位1と構成単位5とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位5の物質量)の上限の例は、198.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.26等が挙げられ、下限の例は197.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.25等が挙げられる。構成単位1と構成単位5とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位5の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位5とのモル比は0.25~198.0が好ましい。
【0066】
構成単位1と構成単位6との質量比(構成単位1の質量/構成単位6の質量)の上限の例は、198.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.26等が挙げられ、下限の例は197.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.25等が挙げられる。構成単位1と構成単位6との質量比(構成単位1の質量/構成単位6の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位6との質量比は0.25~198.0が好ましい。
【0067】
構成単位1と構成単位6とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位6の物質量)の上限の例は、198.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.26等が挙げられ、下限の例は197.0、190.0、180.0、170.0、160.0、150.0、140.0、130.0、120.0、110.0、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、25.0、20.0、15.0、10.0、5.0、1.0、0.50、0.40、0.35、0.30、0.25等が挙げられる。構成単位1と構成単位6とのモル比(構成単位1の物質量/構成単位6の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位1と構成単位6とのモル比は0.25~198.0が好ましい。
【0068】
構成単位2と構成単位3との質量比(構成単位2の質量/構成単位3の質量)の上限の例は、79.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.03が挙げられ、下限の例は、78.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.02が挙げられる。構成単位2と構成単位3との質量比(構成単位2の質量/構成単位3の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位3との質量比は0.02~79.0が好ましい。
【0069】
構成単位2と構成単位3とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位3の物質量)の上限の例は、79.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.03が挙げられ、下限の例は78.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.02が挙げられる。構成単位2と構成単位3とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位3の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位3とのモル比は0.02~79.0が好ましい。
【0070】
構成単位2と構成単位4との質量比(構成単位2の質量/構成単位4の質量)の上限の例は、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.03が挙げられ、下限の例は、49.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.02が挙げられる。構成単位2と構成単位4との質量比(構成単位2の質量/構成単位4の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位4との質量比は0.02~50.0が好ましい。
【0071】
構成単位2と構成単位4とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位4の物質量)の上限の例は、50.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.03が挙げられ、下限の例は、49.0、40.0、30.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、1.0、0.08、0.06、0.04、0.02が挙げられる。構成単位2と構成単位4とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位4の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位4とのモル比は0.02~50.0が好ましい。
【0072】
構成単位2と構成単位5との質量比(構成単位2の質量/構成単位5の質量)の上限の例は、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.06が挙げられ、下限の例は、99.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05が挙げられる。構成単位2と構成単位5との質量比(構成単位2の質量/構成単位5の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位5との質量比は0.05~100.0が好ましい。
【0073】
構成単位2と構成単位5とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位5の物質量)の上限の例は、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.06が挙げられ、下限の例は、99.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05が挙げられる。構成単位2と構成単位5とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位5の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位5とのモル比は0.05~100.0が好ましい。
【0074】
構成単位2と構成単位6との質量比(構成単位2の質量/構成単位6の質量)の上限の例は、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.06が挙げられ、下限の例は、99.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05が挙げられる。構成単位2と構成単位6との質量比(構成単位2の質量/構成単位6の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位6との質量比は0.05~100.0が好ましい。
【0075】
構成単位2と構成単位6とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位6の物質量)の上限の例は、100.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05が挙げられ、下限の例は、99.0、90.0、80.0、70.0、60.0、50.0、40.0、30.0、20.0、10.0、5.0、3.0、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05が挙げられる。構成単位2と構成単位6とのモル比(構成単位2の物質量/構成単位6の物質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ゲル化抑制の観点から、構成単位2と構成単位6とのモル比は0.05~100.0が好ましい。
【0076】
(樹脂の物性等)
本発明に係る樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、例えばその上限の例は、500,000、450,000、400,000、350,000、300,000、250,000、200,000、150,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、32,000、30,000、27,000、20,000、15,000、13,000、11,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,500、5,000、4,500等が挙げられ、下限の例は、490,000、450,000、400,000、350,000、300,000、250,000、200,000、150,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、32,000、30,000、27,000、20,000、15,000、13,000、11,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,500、5,000、4,500、4,000等が挙げられる。本発明に係る樹脂の重量平均分子量の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、4,000~500,000が好ましい。
【0077】
本発明に係る樹脂の数平均分子量(Mn)の上限の例は、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、15,000、10,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900等が挙げられ、下限の例は95,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、19,000、15,000、10,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800等が挙げられる。本発明に係る樹脂の数平均分子量(Mn)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂の数平均分子量(Mn)は800~100,000が好ましい。
【0078】
重量平均分子量及び数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により適切な溶媒下で測定したポリスチレン換算値として求められる。
【0079】
分子量分布(Mw/Mn)の上限の例は、55、50、45、40、35、32、30、25、20、19、18.3、15、14.3、10、5、4.5、4.2、4.1、3.8、3.3、3.2、2、1.5等が挙げられ、下限の例は、54、50、45、40、35、32、30、25、20、19、18.3、15、14.3、10、5、4.5、4.2、4.1、3.8、3.3、3.2、3、2、1.5、1.0等が挙げられる。本発明に係る樹脂の分子量分布(Mw/Mn)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、分子量分布(Mw/Mn)は1.0~55が好ましい。
【0080】
本発明に係る樹脂の水酸基価の上限の例は、483、480、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、5、1等が挙げられ、下限の例は、480、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、5、1、0等が挙げられる。本発明に係る樹脂の水酸基価の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂の水酸基価は0~483が好ましい。
【0081】
本発明に係る樹脂の酸価の上限の例は、799、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、1等が挙げられ、下限の例は790、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、1、0等が挙げられる。本発明に係る樹脂の酸価の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂の酸価は0~799が好ましい。
【0082】
本発明に係る樹脂の軟化点の上限の例は、150、140、130、120、110、100、90、80℃等が挙げられ、下限の例は140、130、120、110、100、90、80、75℃等が挙げられる。本発明に係る樹脂の軟化点の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂の軟化点は75~150℃が好ましい。
【0083】
本発明に係る樹脂の絶対分子量(M)50,000に対する固有粘度(η)の上限の例は、0.20、0.19、0.18、0.17、0.16、0.15、0.14、0.13、0.12、0.11、0.10、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02等が挙げられ、下限の例は0.19、0.18、0.17、0.16、0.15、0.14、0.13、0.12、0.11、0.10、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01等が挙げられる。本発明に係る樹脂の絶対分子量(M)50,000に対する固有粘度(η)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、上記固有粘度(η)は0.01~0.20が好ましい。
【0084】
本発明に係る樹脂のガラス転移温度(Tg)の上限の例は、230、200、150、100、50、0、-50、-70℃等が挙げられ、下限の例は225、200、150、100、50、0、-50、-80℃等が挙げられる。本発明に係る樹脂のガラス転移温度(Tg)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ガラス転移温度(Tg)は-80~230℃が好ましい。
【0085】
(樹脂の製造方法)
本発明に係る樹脂の製造方法は、チオール系連鎖移動剤及び重合開始剤存在下、(メタ)アクリル酸エステル及び必要に応じて、スチレン等を含むモノマーを、適切な反応温度で重合させる工程を含む。
【0086】
上記製造方法における反応温度の上限の例は、200、195、190、180、170、160、150、140、130、121、120、110、100、90、85、80℃等が挙げられ、下限の例は、195、190、180、170、160、150、140、130、121、120、110、100、90、85、80、70℃が挙げられる。上記製造方法における反応温度の範囲は上記上限及び下限の値から適宜選択して設定され得る。1つの実施形態において、反応温度は70~200℃が好ましい。
【0087】
上記製造方法において用いられる溶媒は特に制限されないが、例えば、水、有機溶媒等が例として挙げられる。有機溶媒の例はシクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル-n-ブチルケトン、ダイアセトンアルコール等のケトン溶媒、ダイアセトンアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソペンチルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール等のアルコール溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル等のエーテル溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族溶媒、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸-n-ブチル、酢酸-n-プロピル、酢酸-n-ペンチル等の酢酸エステル溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒等が挙げられる。
【0088】
上記製造方法においては、モノマー、重合開始剤、溶媒以外の添加剤を本発明の効果を損なわない程度に用いることができる。モノマー、重合開始剤以外の添加剤の例は、乳化剤、ATRP重合試薬等が挙げられる。添加剤を使用する場合、モノマー100質量部に対して、通常、1~5質量部であるが、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、0.0001質量部未満であってもよい。また添加剤を使用せずとも、本開示に記載の樹脂を製造することができる。
【0089】
(2.反応性希釈剤(2))
上記反応性希釈剤が
【化39】
(式中、nは0~2の整数であり、mは0~2の整数であり、pは0から7の整数であり、R
b1~R
b14は、それぞれ独立に水素原子、
【化40】
であり、
R
b15~R
b16は、それぞれ独立に
【化41】
であり、
R
b17
はそれぞれ独立に、アルキレン基であり、
構造式(A)~(C)中、R
b1~R
b14から選択される2個以上の基が
【化42】
であり、
qはそれぞれ独立に0~16の整数であり、R
1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基である。なお、R
b4、R
b5、R
b9、及びR
b13は各構成単位ごとに基が異なっていてもよい。)
である。
【0090】
なお、本開示において「各構成単位ごとに基が異なっていてもよい」とは、例えば構造式(A)において、nが2であるとき、
【化43】
R
b4AとR
b4Bとは異なる基であってよく、R
b5AとR
b5Bとは異なる基であってよいことを意味する。
【0091】
(A (ポリ)ペンタエリスリトールポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート)
本開示において「(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート」は、「ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びポリペンタエリスリトールポリエポキシ変性(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは(A)式に示される構造式により表わされる。
【0092】
ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0093】
ペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイド変性アクリレートの例は、ペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールヘキサ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールヘキサ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0094】
ペンタエリスリトールポリエポキシ変性アクリレートの例は、ペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0095】
ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0096】
ポリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘプタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールオクタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘプタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールオクタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘキサ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘプタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールオクタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールノナ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールデカ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘキサ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘプタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールオクタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールノナ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールデカ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0097】
ポリペンタエリスリトールポリエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘプタエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールオクタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールノナエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールデカエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0098】
(B (ポリ)トリメチロールプロパンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート)
本開示において「(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート」とは、「トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、ポリトリメチロールプロパンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びポリトリメチロールプロパンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つ」を意味する。(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは(B)式に示される構造式により表わされる。
【0099】
トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0100】
トリメチロールプロパンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールプロパンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0101】
トリメチロールプロパンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールプロパンジエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエポキシ(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0102】
ポリトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレートの例は、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0103】
ポリトリメチロールプロパンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、ジトリメチロールプロパンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0104】
ポリトリメチロールプロパンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、ジトリメチロールプロパンジエポキシ(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパントリエポキシ(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0105】
(C (ポリ)グリセリンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート)
本開示において「(ポリ)グリセリンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート」は、「グリセリンポリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリセリンポリエポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びポリグリセリンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つ」を意味する。(ポリ)グリセリンポリ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは(C)式に示される構造式により表わされる。
【0106】
グリセリンポリ(メタ)アクリレートの例は、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0107】
ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレートの例は、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリンジ(メタ)アクリレート、トリグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリンペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0108】
グリセリンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、グリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリンジリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0109】
グリセリンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、グリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、グリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0110】
ポリグリセリンポリアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、ジグリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリンテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)ジグリセリンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリンテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0111】
ポリグリセリンポリエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、ジグリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンペンタエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0112】
(D アルキレンジ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート)
本開示において「アルキレンジ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート」は、「アルキレンジ(メタ)アクリレート、アルキレンジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びアルキレンジエポキシ変性(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つ」を意味する。アルキレンジ(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは(D)式に示される構造式により表わされる。
【0113】
アルキレンジ(メタ)アクリレートの例は、1,2-エチレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0114】
アルキレンジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例は、1,2-エチレンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,3-プロパンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,4-ブタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,5-ペンタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,6-ヘキサンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,7-ヘプタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,8-オクタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,9-ノナンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,10-デカンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,2-エチレンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,3-プロパンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,4-ブタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,5-ペンタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,6-ヘキサンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,7-ヘプタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,8-オクタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,9-ノナンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,10-デカンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0115】
アルキレンジエポキシ変性(メタ)アクリレートの例は、1,2-エチレンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0116】
(3.ワニス組成物)
本開示は上記樹脂及び上記反応性希釈剤を含むワニス組成物を提供する。
【0117】
ワニス組成物中の樹脂の含有量の上限の例は、ワニス組成物の合計質量に対して、60、59、55、50、45、40、35、30、25、20、15、11質量%等が挙げられ、下限の例は、59、55、50、45、40、35、30、25、20、15、11、10質量%等が挙げられる。ワニス組成物中の樹脂の含有量の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、皮膜強度と硬化性の観点から、樹脂の含有量はワニス組成物の合計質量に対して、10~60質量%が好ましい。
【0118】
ワニス組成物中の反応性希釈剤の含有量の上限の例は、ワニス組成物中の合計質量に対して、90、89、85、80、75、70、65、60、55、50、55、50、45、41質量%等が挙げられ、下限の例は、89、85、80、75、70、65、60、55、50、55、50、45、41、40質量%等が挙げられる。ワニス組成物中の反応性希釈剤の含有量の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、皮膜強度と硬化性の観点から、反応性希釈剤の含有量はワニス組成物中の合計質量に対して、40~90質量%が好ましい。
【0119】
ワニス組成物中の樹脂と反応性希釈剤との質量比(樹脂の質量/反応性希釈剤の質量)の上限の例は、1.50、1.40、1.30、1.20、1.10、1.00、0.90、0.80、0.70、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15等が挙げられ、下限の例は1.49、1.40、1.30、1.20、1.10、1.00、0.90、0.80、0.70、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.11等が挙げられる。ワニス組成物中の樹脂と反応性希釈剤との質量比(樹脂の質量/反応性希釈剤の質量)の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、皮膜強度と硬化性の観点から、ワニス組成物中の樹脂と反応性希釈剤との質量比は0.11~1.50が好ましい。
【0120】
上記ワニス組成物の粘度の上限の例は、800、750、700、600、500、400、300、200、100、50、10Pa・s/25℃等が挙げられ、下限の例は750、700、600、500、400、300、200、100、50、10、5Pa・s/25℃等が挙げられる。ワニス組成物の粘度の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、ローラーへの転写性や作業性の観点からワニス組成物の粘度5~800Pa・s/25℃が好ましく、10~200Pa・s/25℃がより好ましい。
【0121】
ワニス組成物中には、樹脂、反応性希釈剤以外の成分(以下「その他の成分」ともいう)を含有してもよい。樹脂及び反応性希釈剤の合計質量に対するその他の成分の含有量の上限の例は20、15、10、5、1、0.5、0.1、0.01質量%等が挙げられ、下限の例は15、10、5、1、0.5、0.1、0.01、0質量%等が挙げられる。樹脂及び反応性希釈剤の合計質量に対するその他の成分の含有量の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、樹脂及び反応性希釈剤の合計質量に対するその他の成分は0~20質量%が好ましい。
【0122】
またワニス組成物全体の合計質量に対するその他の成分の含有量の上限の例は、17、15、10、5、1、0.5、0.1、0.01質量%等が挙げられ、下限の例は15、10、5、1、0.5、0.1、0.01、0質量%等が挙げられる。その他の成分の含有量の範囲は適宜(例えば上記上限及び下限の値から選択して)設定され得る。1つの実施形態において、その他の成分の含有量は、ワニス組成物全体の合計質量に対して0~17質量%が好ましい。
【0123】
1つの実施形態において、本発明に係るワニス組成物は、活性エネルギー線硬化型であり、例えばインキ用、好ましくはオフセットインキ用に用いられる。オフセット印刷はローラーからローラーへインキを転写させながら使用するものであるため、高粘度のインキにする必要がある。本発明に係るワニス組成物を用いて作製したインキの粘度は高くなるため、オフセットインキに適している。なおインキジェット印刷はタンクからインキを吸って、細いノズルから噴射させて行う印刷手法であるため、低粘度インキにする必要があることが知られている。
【0124】
1つの実施形態において、本発明に係るワニス組成物は、基材(支持体)が親水性ではないものに好ましく用いられる、非親水性基材用ワニス組成物である。
【0125】
(4.オフセット印刷インキ)
本開示は上記ワニス組成物、必要に応じて光重合開始剤、及び顔料を含む、オフセット印刷インキを提供する。
【0126】
光重合開始剤としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。その具体例は、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル、p-ジメチルアセトフェノン、チオキサントン、アルキルチオキサントン、アミン類等があげられる。また、イルガキュアー1173、イルガキュアー651、イルガキュアー184、イルガキュアー907、イルガキュアー2959、イルガキュアー127、イルガキュアー369、イルガキュアー369E、イルガキュアー379、イルガキュアー379EG、イルガキュアーTPO、イルガキュアー819(いずれもBASFジャパン社製)等の市販のものをそのまま使用しても良い。光重合開始剤の使用量としては、通常、乾燥性の観点から1~15%程度用いることが好ましい。
【0127】
本発明に係るオフセット印刷インキに使用する顔料としては、特に限定されず通常使用される無機又は有機の顔料を配合することができる。具体例は、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン、酸化アンチモン等の白色顔料、アニリンブラック、鉄黒、カーボンブラック等の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ハンザイエロー(10G、5G、3G、その他)、ジスアゾイエロー、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、クロームバーミリオン、パーマネントオレンジ、バルカンファーストオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジ等の橙色顔料、酸化鉄、パーマネントブラウン、パラブラウン等の褐色顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、チオインジゴレッド、PVカーミン、モノライトファーストレッド、キナクドリン系赤色顔料等の赤色顔料、コバルト紫、マンガン紫、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、インダンスレンブリリアントバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、銅フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、インジゴ等の青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、エメラルドグリーン、ナフトールグリーン、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ポリクロルブロム銅フタロシアニン等の緑色顔料の他、各種の蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。これらの顔料は、オフセット印刷インキ100質量部に対して1~50質量部程度の範囲で配合することが好ましく、5~30質量部とすることが更に好ましい。
【0128】
本発明に係るオフセット印刷インキは、活性エネルギー線硬化型であり、そして本発明に係る印刷インキ用樹脂、重合性モノマー及び顔料を含有するものであるが、さらに表面調整剤、消泡剤、光増感剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤を使用することもできる。これらの任意成分は、オフセット印刷インキ100質量部に対して、それらの合計量が100質量部程度以下の範囲となる量(具体的には95、90、80、50、40、30、20、10、5、2.1、0.1質量部程度以下)で配合することが好ましい。さらにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンン及びN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等の重合禁止剤を配合することもできる。重合禁止剤を配合する場合には、オフセット印刷インキに対して0.01~2質量部程度の範囲で使用することが好ましい。
【0129】
(5.印刷物)
本開示は、上記オフセット印刷インキの硬化層を有する、印刷物を提供する。
【0130】
基材は、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。基材の例は、紙(アート紙、キャストコート紙、フォーム用紙、PPC紙、上質コート紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙等)、プラスチック基材(ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)等が挙げられる。
【0131】
印刷方法(塗工方法)の例は、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、塗工量は特に限定されないが、乾燥後の質量が0.1~30g/m2程度が好ましく、1~20g/m2程度がより好ましい。
【0132】
硬化手段としては、例えば電子線又は紫外線が挙げられる。紫外線の光源としては、例えば高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、UV-LED等が挙げられる。光量や光源配置、搬送速度は特に限定されないが、高圧水銀灯を使用する場合には、80~160W/cm程度の光量を有するランプ1灯に対して、搬送速度が5~50m/分程度が好ましい。
【実施例】
【0133】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、本発明の範囲は、本開示に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。なお、以下において「部」及び「%」は、特に説明がない限り、それぞれ質量部及び質量%を意味する。
【0134】
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりTHF溶媒下で測定したポリスチレン換算値として求めた。GPC装置としてはHLC-8020(東ソー(株)製)を、カラムとしてはTSKgel superHZM(東ソー(株)製)を用いた。求めた数平均分子量と重量平均分子量より分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
【0135】
製造例1
攪拌機、分水器付き還流冷却管及び温度計と滴下ロートを備えた反応容器にキシレン400g仕込んだ。滴下ロートにメタクリル酸メチルを390g、アクリル酸を90g、2-エチルヘキシルアクリレートを60g、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メスカプトプロピオネート)60g仕込み、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを6g添加し、90℃、2時間 攪拌下滴下重合反応を行い、6時間保温した。その後、温度を170℃に上げ常圧で攪拌を続けながら溶媒を留除し、更に同温度で50mHg以下に減圧し、完全に溶媒を留去して、樹脂1を600g得た。重量平均分子量(Mw)は、10,000、数平均分子量(Mn)は3,570、Mw/Mnは2.8であった。結果を表1に示す。
【0136】
製造例2~5並びに比較製造例1及び2
樹脂組成を表1に記載したものに変更したことを除き、製造例1と同様の手順により樹脂2~5及び比較樹脂1~2の製造を行った。
【表1】
【0137】
表1の略号は以下の通りである。
A-1:メチルメタクリレート
A-2:アクリル酸
A-3:メタクリル酸ブチル
A-4:2-エチルヘキシルアクリレート
B-1:スチレン
C-1:アクリロイルモルホリン
C-2:N,N-ジメチルアクリルアミド
C-3:N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート
D-1:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
D-2:2-ヒドロキシプロピルアクリレート
D-3:2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート
E-1:トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
E-2:トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-イソシアヌレート
E-3:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
E-4:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)
F-1:2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)
F-2:t-ブチル パーオキシ-2-エチルヘキサノエイト
【0138】
実施例1
得られた樹脂1(14.5g)して反応性希釈剤であるジペンタエリスリトール(29.5g)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(26.0g)、トリメチロールプロパントリアクリレート(10.0g)をそれぞれ加え、重合禁止剤であるメトキノンを0.1g加えエアーバブリング下、120℃、1時間攪拌溶解し、65.6gのオフセット印刷用ワニスを得た。得られたワニス65.6gに対して、墨顔料であるMA100を15g、光重合開始剤であるイルガキュア907を5g仕込み、3本ローラーで錬肉後、インコメーターを用い、40℃、400rpmにおけるタック値が9±0.5となるよう適宜調整し表2の実施例1に示すオフセット印刷インキを得た。
【0139】
実施例2~実施例5、比較例1~2
樹脂と反応性希釈剤の使用比率を代えたこと以外は、実施例1と同様に調製した。
【0140】
【0141】
表2の略号は以下の通りである。
G-1:ジペンタエリスリトールテトラアクリレート
G-2:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
G-3:トリメチロールプロパントリアクリレート
【0142】
(流動性の測定)
60°に傾けたガラス板の上にインキ1.30mlをのせて、30分放置後のインキの流れた距離を計測した。評価基準を以下に示す。
○:201mm以上
△:200~101mm
×:100mm以下
【0143】
(耐ミスチング性)
13cm×21cm角に切り取ったOHPフィルムをインコメーターのローラー裏の壁面に貼り付け、ローラー温度を40℃に調整後、ローラーの上に調整したインキを2.6mlのせた。ローラーを1200rpm×2分 回転させフィルムに付着したインキの質量を秤量した。評価基準を以下に示す。
○:59mg以下
△:60~99mg
×:100mg以上