(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】天板の支持装置
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220222BHJP
A47B 13/06 20060101ALI20220222BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B13/06
A47B7/00 A
(21)【出願番号】P 2017191471
(22)【出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 太一
【審査官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-079556(JP,A)
【文献】特開2013-103035(JP,A)
【文献】特開2006-101939(JP,A)
【文献】特開2017-086633(JP,A)
【文献】特開2006-020921(JP,A)
【文献】特開2017-000488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 13/06
A47B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの天板の両側部下面を脚体で支持した構造の独立仕様と、複数の天板を連設し、端部に位置する天板の側部の下面及び中間の天板連設部の下面を脚体で支持した構造の連結仕様とを、実現可能な天板の支持装置であって、
前記天板は、直線的である側縁よりも内方位置において、下面に固定した奥行方向に延びる奥行フレームを有し、
前記脚体は、上端に奥行方向に延びる水平な上杆を有し、
前記脚体と前記奥行フレームとを連結するとともに、天板下面に取付ける連結ブラケットは、基端が前記脚体の上杆の一側に着脱可能に連結され、先端が前記奥行フレームの内側と外側とに選択的に取付可能であり、
前記独立仕様の天板両側部又は連結仕様の天板のうち端部に位置する天板の側部において、前記脚体を前記奥行フレームより内方に配置し、該脚体の上杆の外側に前記連結ブラケットの基端を連結するとともに、前記奥行フレームの内側に前記連結ブラケットの先端を連結し、
前記連結仕様の中間に位置する天板連設部において、前記脚体の上杆の中心線を両天板の接合線に一致させた状態で、前記脚体の上杆の両側にそれぞれ前記連結ブラケットの基端を連結するとともに、各連結ブラケットの先端をそれぞれの天板の前記奥行フレームの外側に連結する、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【請求項2】
天板の下面の固定した奥行フレームに連結ブラケットを介して脚体を連結し、前記奥行フレームの内方の離れた位置に前記脚体を設けることが可能な天板の支持装置において、
前記天板は、連結側となる少なくとも一方の
側縁が直線的
であり、下面に、直線的な側縁から後退距離D1を設けて
奥行フレームを固定し、他方の側縁の内方にも奥行フレームを固定し、
前記脚体は、上端に奥行方向を向いた上杆を有し、
前記連結ブラケットは、基端を前記脚体の上杆の一側に着脱可能に連結し、先端を前記奥行フレームの内側面と外側面の何れかに着脱可能に連結するとともに、該連結ブラケットを前記天板の下面に取付け
るものであり、更に該連結ブラケットの先端と前記脚体の上杆の中心線間の連結距離D2を前記後退距離D1に一致させて
なり、
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットの基端を連結し、前記連結ブラケットの先端を前記奥行フレームの内側面に連結する態様と、
二つの天板の直線的な側縁同士を突き合わせて配置し、前記脚体の上杆の両側にそれぞれ前記連結ブラケットの基端を連結し、前記脚体の上杆の中心線を両天板の接合線に一致させた状態で、各連結ブラケットの先端をそれぞれの天板の前記奥行フレームの外側面に連結する態様と、
を実現可能なことを特徴とする天板の支持装置。
【請求項3】
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットの基端を連結し、前記連結ブラケットの先端を前記奥行フレームの内側に連結する場合において、前記脚体の上杆の内側に単数又は複数の支持ブラケットを連結し、前記上杆の両側に前記連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ逆向きに連結した状態で、前記連結ブラケットと支持ブラケットを前記天板の下面に取付けてなる請求項1又は2記載の天板の支持装置。
【請求項4】
前記連結ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である請求項1~3何れか1項に記載の天板の支持装置。
【請求項5】
前記支持ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である請求項3記載の天板の支持装置。
【請求項6】
天板の下面で連結側となる直線的である側縁から内方位置に奥行フレームを固定し、
少なくとも上杆を有する脚体を前記奥行フレームの内方の離れた位置に設けるべく、
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットを連結するとともに、内側に単数又は複数の支持ブラケットを連結し、前記連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ逆向きに配置した状態で、
前記脚体の上杆を前記奥行フレームの内側に前記連結ブラケットを介して連結するとともに、前記連結ブラケットと支持ブラケットを前記天板の下面に取付けてなる、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【請求項7】
天板の下面で連結側となる直線的である側縁から内方位置に奥行フレームを固定し、少なくとも上杆を有する脚体の該上杆を前記奥行フレームの内側に連結ブラケットを介して連結し、前記奥行フレームの内方の離れた位置に前記脚体を設けた天板の支持装置であって、
前記連結ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【請求項8】
前記
奥行フレームの両端部間にそれぞれ
横フレームを連結して天板補強フレームを構成し、該天板補強フレームを前記天板の下面に固定してなる請求項1~
7何れか1項に記載の天板の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の支持装置に係わり、更に詳しくはテーブルやデスク等の天板を脚体とフレームとで支持する支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から天板を脚部で支持した構造のテーブルやデスクは各種提供され、天板を側方へ連設して横幅を長く構成する構造のものも公知である。
【0003】
特許文献1には、端部脚体の上端にT字形金具を取付けて、両側の端部脚体のT字形金具同士をビームで連結し、その上部に天板を載置してT字形金具やビームを天板下面にネジ止めする構造が記載されている。そして、複数の天板を側方へ連設するには、端部脚体の代わりに中間脚体を用い、その上端に十字形金具を取付け、端部脚体のT字形金具と中間脚体の十字形金具、あるいは中間脚体の十字形金具同士をビームで連結し、前記中間脚体の中心線に両天板の接合部を合わせて載置し、前記同様に十字形金具とビームにネジ止めする構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、端部脚と中間脚との間、中間脚同士の間を脚間モジュールで連結し、前記中間脚の中心線に両天板の接合部を合わせて載置し、端部脚と中間脚の上端に側設した取付片に天板をネジ止めする構造が記載されている。
【0005】
これら特許文献1、2に記載のデスクあるいはテーブルは、端部脚体が天板の端部に設けられ、端部側に着席することは想定されてない。
【0006】
尚、特許文献3には、天板の下面に固定する天板補強フレームの端部に脚柱を連結し、両側部において前後の脚柱の下端間を横杆で連結した構造のテーブルが記載されている。この場合、横杆を問題としなければ、天板の端部側(短辺側)に着席することは可能であり、また脚柱の位置を天板の中央寄りに設定して、着席者の足に当たらないようにすることも可能であるが、天板を側方へ連設することは想定されてない。また、脚柱を邪魔にならないように天板の縁部から内方に設定した場合には、脚柱の上端に連結した天板補強フレームも内方に位置するようになるので、天板の周辺部を十分に支持することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-144015号公報
【文献】特開2007-151824号公報
【文献】特開2014-236789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、テーブルやデスク等の天板を脚体とフレームとで支持する支持装置において、フレームによる天板の周辺部の支持が十分であり、また独立仕様の場合、あるいは端部に位置する天板の短辺側に着座することが可能であり、また複数の天板を連設する場合にも脚体を付け替えることにより、最小限の部品で強固に連結することが可能な天板の支持装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、以下に構成する天板の支持装置を提供する。
【0010】
(1)
一つの天板の両側部下面を脚体で支持した構造の独立仕様と、複数の天板を連設し、端部に位置する天板の側部の下面及び中間の天板連設部の下面を脚体で支持した構造の連結仕様とを、実現可能な天板の支持装置であって、
前記天板は、直線的である側縁よりも内方位置において、下面に固定した奥行方向に延びる奥行フレームを有し、
前記脚体は、上端に奥行方向に延びる水平な上杆を有し、
前記脚体と前記奥行フレームとを連結するとともに、天板下面に取付ける連結ブラケットは、基端が前記脚体の上杆の一側に着脱可能に連結され、先端が前記奥行フレームの内側と外側とに選択的に取付可能であり、
前記独立仕様の天板両側部又は連結仕様の天板のうち端部に位置する天板の側部において、前記脚体を前記奥行フレームより内方に配置し、該脚体の上杆の外側に前記連結ブラケットの基端を連結するとともに、前記奥行フレームの内側に前記連結ブラケットの先端を連結し、
前記連結仕様の中間に位置する天板連設部において、前記脚体の上杆の中心線を両天板の接合線に一致させた状態で、前記脚体の上杆の両側にそれぞれ前記連結ブラケットの基端を連結するとともに、各連結ブラケットの先端をそれぞれの天板の前記奥行フレームの外側に連結する、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【0011】
(2)
天板の下面の固定した奥行フレームに連結ブラケットを介して脚体を連結し、前記奥行フレームの内方の離れた位置に前記脚体を設けることが可能な天板の支持装置において、
前記天板は、連結側となる少なくとも一方の側縁が直線的であり、下面に、直線的な側縁から後退距離D1を設けて奥行フレームを固定し、他方の側縁の内方にも奥行フレームを固定し、
前記脚体は、上端に奥行方向を向いた上杆を有し、
前記連結ブラケットは、基端を前記脚体の上杆の一側に着脱可能に連結し、先端を前記奥行フレームの内側面と外側面の何れかに着脱可能に連結するとともに、該連結ブラケットを前記天板の下面に取付けるものであり、更に該連結ブラケットの先端と前記脚体の上杆の中心線間の連結距離D2を前記後退距離D1に一致させてなり、
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットの基端を連結し、前記連結ブラケットの先端を前記奥行フレームの内側面に連結する態様と、
二つの天板の直線的な側縁同士を突き合わせて配置し、前記脚体の上杆の両側にそれぞれ前記連結ブラケットの基端を連結し、前記脚体の上杆の中心線を両天板の接合線に一致させた状態で、各連結ブラケットの先端をそれぞれの天板の前記奥行フレームの外側面に連結する態様と、
を実現可能なことを特徴とする天板の支持装置。
【0012】
(3)
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットの基端を連結し、前記連結ブラケットの先端を前記奥行フレームの内側に連結する場合において、前記脚体の上杆の内側に単数又は複数の支持ブラケットを連結し、前記上杆の両側に前記連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ逆向きに連結した状態で、前記連結ブラケットと支持ブラケットを前記天板の下面に取付けてなる(1)又は(2)記載の天板の支持装置。
【0013】
(4)
前記連結ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である(1)~(3)何れか1に記載の天板の支持装置。
【0014】
(5)
前記支持ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である(3)記載の天板の支持装置。
【0015】
(6)
天板の下面で連結側となる直線的である側縁から内方位置に奥行フレームを固定し、
少なくとも上杆を有する脚体を前記奥行フレームの内方の離れた位置に設けるべく、
前記脚体の上杆の外側に連結ブラケットを連結するとともに、内側に単数又は複数の支持ブラケットを連結し、前記連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ逆向きに配置した状態で、
前記脚体の上杆を前記奥行フレームの内側に前記連結ブラケットを介して連結するとともに、前記連結ブラケットと支持ブラケットを前記天板の下面に取付けてなる、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【0016】
(7)
天板の下面で連結側となる直線的である側縁から内方位置に奥行フレームを固定し、少なくとも上杆を有する脚体の該上杆を前記奥行フレームの内側に連結ブラケットを介して連結し、前記奥行フレームの内方の離れた位置に前記脚体を設けた天板の支持装置であって、
前記連結ブラケットは、前記脚体の上杆の側面と上面に連結する部分を備え、前記上杆の上面に連結する部分の幅は該上杆の上面の幅の1/2以下である、
ことを特徴とする天板の支持装置。
【0017】
(8)
前記奥行フレームの両端部間にそれぞれ横フレームを連結して天板補強フレームを構成し、該天板補強フレームを前記天板の下面に固定してなる(1)~(7)何れか1に記載の天板の支持装置。
【発明の効果】
【0018】
以上にしてなる本発明の天板の支持装置は、以下に示す効果を奏する。
【0019】
(1)の構成によれば、奥行フレームの内方の離れた位置に脚体を設けたので、天板の直線的である側縁からより内方、つまり中央寄りに脚体を取付けることができ、天板の側縁に着座しても脚体が邪魔になることがない。また、奥行フレームは天板の側縁に近い位置に固定できるので、天板の周辺部の支持強度が高い。更に、二つの天板の突き合わせ接合部に共通の脚体を配置し、該脚体の上杆の両側に連結した連結ブラケットをそれぞれの天板の奥行フレームの外側面に連結するとともに、各連結ブラケットを各天板の下面に取付けることにより、天板の側方に他の天板を最小限の部品の追加で連結することができ、また脚体の両側を連結ブラケットで挟んだ状態で天板の下面に取付けるので、脚体の支持強度が高くなる。
【0020】
(2)の構成によれば、(1)の構成による効果に加え、脚体を、連結ブラケットを介して天板の下面に固定した奥行フレームの内側面に連結することにより、天板の連結側となる直線的である側縁から脚体までの距離を約D1+D2まで後退させて取付けることになり、該天板の側縁に着座しても脚体が邪魔になることがなく、また脚体を、連結ブラケットを介して奥行フレームの外側面に連結すれば、脚体の上杆の中心線を天板の側縁に一致させることができ、それにより脚体を共用して他の天板を側方へ連設することができるようになる。
【0021】
(3)の構成によれば、脚体の両側を連結ブラケットと支持ブラケットで挟んだ状態で天板の下面に取付けるので、脚体と天板との連結強度が高くなり、ひいては天板の支持強度が高くなる。
【0022】
(4)(5)の構成によれば、脚体の上杆の両側に連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ取付け、あるいは上杆の両側に連結ブラケットを取付けても、上杆の上面で互いに干渉することがない。
【0023】
(6)の構成によれば、奥行フレームの内方の離れた位置に脚体を設けたので、天板の連結側となる直線的である側縁より内方、つまり中央寄りに脚体を取付けることができ、天板の側縁に着座しても脚体が邪魔になることがない。また、奥行フレームは天板の側縁に近い位置に固定できるので、天板の周辺部の支持強度が高い。更に、脚体の両側を連結ブラケットと支持ブラケットで挟んだ状態で天板の下面に取付けるので、脚体と天板との連結強度が高くなり、ひいては天板の支持強度が高くなる。
【0024】
(7)の構成によれば、奥行フレームの内方の離れた位置に脚体を設けたので、天板の連結側となる直線的である側縁より内方、つまり中央寄りに脚体を取付けることができ、天板の側縁に着座しても脚体が邪魔になることがない。また、奥行フレームは天板の側縁に近い位置に固定できるので、天板の周辺部の支持強度が高い。更に、脚体の上杆の両側に連結ブラケットと支持ブラケットをそれぞれ取付け、あるいは上杆の両側に連結ブラケットを取付けても、上杆の上面で互いに干渉することがない。
【0025】
(8)の構成によれば、奥行フレームの両端部間にそれぞれ横フレームを連結して天板補強フレームを構成することにより、天板の剛性が高まり、横幅(長辺側)が長くなっても天板が撓むことがなく、また奥行フレームに対する取付強度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】独立仕様のテーブルの一部省略斜視図である。
【
図4】支持ブラケットを示し,(a)は上からの斜視図、(b)は下からの斜視図である。
【
図5】連結仕様のテーブルの一部省略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
図1は本発明の天板の支持装置を適用した独立仕様のテーブルを示し、
図5は連結仕様のテーブルを示し、
図2~
図4は詳細を示し、図中符号1は天板、2は脚体、3は天板補強フレーム、4は連結ブラケット、5は支持ブラケットをそれぞれ示している。
【0028】
本実施形態のテーブルは、独立仕様の場合は、
図1に示すように、天板1の両側部の下面を脚体、2,2で支持した構造であり、前記脚体2は天板1の短辺側の側縁6から内方(中央寄り)へ後退位置に設けられ、該側縁6に着席しても前記脚体2が邪魔にならないようになっている。
【0029】
本発明の天板の支持装置は、天板1の下面で短辺側の側縁から内方位置に短辺側フレーム(奥行フレーム)7を固定し、少なくとも上杆9を有する門形もしくはロ字形の脚体2の該上杆9を前記短辺側フレーム7の内側に連結ブラケット4を介して連結し、前記短辺側フレーム7の内方の離れた位置に前記脚体2を設けたことを特徴としている。
【0030】
更に具体的には、連結側となる少なくとも一方の短辺側の側縁6が直線的である天板1の下面に、直線的な側縁6から後退距離D1を設けて短辺側フレーム7を固定し、他方の側縁6の内方にも短辺側フレーム7を固定し、また脚体2の上端に有する奥行方向に向いた上杆9の一側に連結ブラケット4の基端を着脱可能に連結し、前記連結ブラケット4の先端を前記短辺側フレーム7の内側面に着脱可能に連結するとともに、該連結ブラケット4を前記天板1の下面に取付け、更に前記連結ブラケット4の先端と前記脚体2の上杆9の中心線間の連結距離D2を前記後退距離D1に一致させている。
【0031】
本実施形態の前記天板1は、平面視長方形で両側縁6,6は平行であるが、少なくとも連結側の一方の短辺側の側縁6が直線的であり、他方の側縁6は円弧縁でも良い。尚、側方へ天板1,1を連結しない場合には、両側縁6,6の形状は任意である。そして、前記天板1の下面には、平面視四角形の天板補強フレーム3が予め固定されている。前記天板補強フレーム3は、少なくとも前記天板1の側縁6の平行な短辺側フレーム7,7を有すれば足りるが、本実施形態では前記短辺側フレーム7,7の両端部間にそれぞれ長辺側フレーム(横フレーム)8,8を連結して天板補強フレーム3を構成し、該天板補強フレーム3を前記天板1の下面に固定している。
【0032】
前記脚体2は、上端に奥行方向に向いた上杆9を有すれば足りるが、本実施形態では、前記上杆9の両端からハの字状に支脚10,10を設けた構造のものとした。つまり、前記脚体2の支脚10,10は天板1の奥行方向を向いて下方になるに従って広がった形状であり、前記天板1の側縁6に着座した場合に支脚10が邪魔にならないようになっている。ここで、前記上杆9は外形が四角柱の形状である。
【0033】
前記連結ブラケット4は、
図1~
図3に示すように、基板11の基端に前記脚体2の上杆9の側面に当接する固定板12を立ち上げ形成するとともに、該固定板12の上縁に外向きに水平な支持板13を折曲形成し、また前記基板11の先端に前記短辺側フレーム7の側面に当接する連結板14を立ち上げ形成するとともに、該連結板14の上縁を前記固定板12側へ折曲して補強片15を形成し、前記固定板12の両側にダルマ孔16,16を形成するとともに、前記支持板13の両側部に取付孔17,17を形成し、更に前記連結板14の両側部も連結孔18,18を形成している。また、前記連結ブラケット4の基板11の両側端には側板19,19を立ち上げ形成し、該側板19の上縁に前記天板1の下面に当接する取付板20を外向きに折曲形成し、該取付板20の両側部には通孔21,21を形成している。前記固定板12と連結板14及び両側板19,19とで上方開放した箱型構造を構成し、各接合部を溶接すれば更に強度が向上する。ここで、前記支持板13の横幅(左右方向の幅)は、前記脚体2の上杆9の上面の幅の1/2以下とする。
【0034】
尚、本実施形態では、前記連結ブラケット4は、幅広の一部品であるが、二つ以上の小さな連結ブラケットを用いて構成しても良い。また、本実施形態の前記連結ブラケット4は、基板11を有しているが、強度が意地できれば、基板11を省略した形状でも良い。少なくとも所定の間隔を有する固定板12と連結板14を備えていれば良い。
【0035】
前記支持ブラケット5は、合成樹脂製若しくはアルミダイカスト製の成形品であり、前記天板1の下面に当接する平面視略四角形の受板22の下面で一側端からやや中央寄り位置に垂直部23を設け、該垂直部23を前記脚体2の上杆9の側面に当接するとともに、該垂直部23から外側の受板22の一部を載置部24とし、該載置部24を前記上杆9の上面に当接できるように成形している。そして、前記垂直部23と載置部24の両側には取付孔25,…を設けるとともに、その他の受板22の3箇所に通孔26,…を設けている。尚、前記載置部24の横幅(左右方向の幅)は、前記支持板13と同様に前記脚体2の上杆9の上面の幅の1/2以下とする。
【0036】
そして、前記脚体2の上杆9の外側に前記連結ブラケット4の基端を着脱可能に連結するとともに、該上杆9の内側の前後両端部に前記支持ブラケット5,5を着脱可能に連結する。具体的には、前記上杆9の外側面に前記連結ブラケット4の固定板12を当接するとともに、前記上杆9の上面に前記連結ブラケット4の支持板13を当接した状態で、ダルマ孔16,16を利用してネジ27で固定板12を上杆9の外側面に取付けるとともに、取付孔17,17を利用してネジ28で支持板13を上杆9の上面に取付ける。また、前記上杆9の内側面に前記支持ブラケット5の垂直部23を当接するとともに、前記上杆9の上面に前記支持ブラケット5の載置部24を当接した状態で、取付孔25,…を利用して上杆9にネジ止めする。
【0037】
本発明においては前記脚体2の構造は特に制限されないが、少なくとも上部に水平な前記上杆9を備えていることが必要である。本実施形態の前記脚体2は、木製の支脚2Aの上端にコーナー脚部材2Bを連結し、両コーナー脚部材2B,2B間に四角パイプ状の脚横桟2Cを連結して門形脚となしたものであり、前記上杆9は前記脚横桟2Cとコーナー脚部材2B,2Bを含む部分を指している。前記支持ブラケット5は、前記脚横桟2Cとコーナー脚部材2Bに跨って取付けても良いし、前記脚横桟2Cにのみ、あるいはコーナー脚部材2Bにのみ取付けても良い。また、前記脚体2は、アルミダイカスト製で前記支脚2Aとコーナー脚部材2Bが一体のものでも良い。また、前記脚体2はロ字形脚であっても良い。
【0038】
それから、前記連結ブラケット4の先端を前記短辺側フレーム7の内側面に連結するが、それには前記連結ブラケット4の連結板14を前記短辺側フレーム7の内側面に当接した状態で、連結孔18,18を利用してネジ29で前記連結板14を前記短辺側フレーム7に取付ける。最後に、前記連結ブラケット4の取付板20と前記支持ブラケット5の受板22前記天板1の下面に当接した状態で、前記取付板20の通孔21,21を利用して天板1にネジ止めし、前記受板22の取付孔25,…を利用して天板1にネジ止めする。尚、前記天板1の下面には、前記連結ブラケット4と支持ブラケット5を前記上杆9の上面に取付けるためのネジの頭部を逃がすための凹部を予め形成してある。
【0039】
図2に示すように、前記天板1の下面に固定した前記短辺側フレーム7の位置は、前記天板1の側縁6から後退距離D1だけ中央寄り位置であり、つまり前記天板1の側縁6から短辺側フレーム7の外側面までの距離が後退距離D1である。また、前記脚体2の上杆9の中心線から前記連結ブラケット4の連結板14の外面までの間隔が前記距離D2であり、本発明ではD1=D2となるように寸法設定している。
【0040】
また、本実施形態のテーブルは、前記天板1の両側部で奥行方向の中央部にダクト開口部30を設け、該ダクト開口部30には開閉可能にカバー31,31を備え、更に天板1の下面側に固定した吊支部材32,32によってコード受け33を天板1の下面から間隔を置いて設けている。
【0041】
次に、
図5~
図7に基づいて、連結仕様のテーブルを説明する。この場合、前記脚体2の上杆9の両側に前記連結ブラケット4,4の基端を前記同様に連結する。この場合、中間に用いる前記脚体2には前記支持ブラケット5は用いない。そして、隣接する二つの天板1,1の短辺側の側縁6,6同士を突き合わせて配置し、前記脚体2の上杆9の両側にそれぞれ前記連結ブラケット4,4の基端を着脱可能に連結した状態で、前記脚体2の上杆9の中心線を両天板1,1の接合線に一致させた状態で、各連結ブラケット4の先端をそれぞれの天板1の下面に固定した前記短辺側フレーム7の外側面に着脱可能に連結するとともに、各連結ブラケット4を各天板1の下面に取付けるのである。尚、前記天板1の端部側の脚体2の取付けは、前述の独立仕様のテーブルと同じである。
【符号の説明】
【0042】
1 天板、
2 脚体、
3 天板補強フレーム、
4 連結ブラケット、
5 支持ブラケット、
6 側縁、
7 短辺側フレーム(奥行フレーム)、
8 長辺側フレーム(横フレーム)、
9 上杆、
10 支脚、
11 基板、
12 固定板、
13 支持板、
14 連結板、
15 補強片、
16 ダルマ孔、
17 取付孔、
18 連結孔、
19 側板、
20 取付板、
21 通孔、
22 受板、
23 垂直部、
24 載置部、
25 取付孔、
26 通孔、
27 ネジ、
28 ネジ、
29 ネジ、
30 ダクト開口部、
31 カバー、
32 吊支部材、
33 コード受け、
D1 後退距離、
D2 連結距離。