(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/14 20060101AFI20220222BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220222BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20220222BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220222BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20220222BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/00 386
G03G15/20 535
G03G15/00 450
B65H7/14
H04N1/00 567M
(21)【出願番号】P 2017193943
(22)【出願日】2017-10-04
【審査請求日】2020-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 嘉輝
(72)【発明者】
【氏名】塩川 康夫
(72)【発明者】
【氏名】大久保 貴弘
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-237779(JP,A)
【文献】特開2017-072646(JP,A)
【文献】特開2015-107874(JP,A)
【文献】特開2007-072289(JP,A)
【文献】特開平11-347829(JP,A)
【文献】特開2008-001447(JP,A)
【文献】特開2014-215430(JP,A)
【文献】特開昭57-098452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/14
G03G 21/00
G03G 15/20
G03G 15/00
B65H 7/14
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写部による画像の転写位置に用紙を搬送して当該用紙に画像を転写する画像形成装置において、
前記用紙の側端部の位置を検知する検知部と、
前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、片ループの有無を判定する判定部と、
搬送されてくる前記用紙を前記転写部に向けて搬送する揺動ローラーと、
前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、
前記検知部による検知結果に基づいて前記片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出し、当該算出したずれ量に基づいて前記揺動ローラーを揺動させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写部により前記用紙に転写された画像を定着させる定着部を備え、
前記制御部は、前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、前記定着部のアライメントを補正することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、前記片ループの存在及び前記片ループの解消方法を表示部に表示させることを特徴とする請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知部は、
前記用紙の側端部の一方の位置を検知する第1検知部と、
前記用紙の側端部の他方の位置を検知する第2検知部と、
を備え、
前記第1検知部及び前記第2検知部は、前記用紙の搬送方向と直交する方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知部は、前記用紙の搬送方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写部により前記用紙に転写された画像を定着させる定着部を備え、
前記検知部は、前記転写部と前記定着部との間に配置されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知部は、前記用紙の画像面側に配置されていることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検知部は、ラインセンサーであることを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
用紙に画像を転写する転写部と、前記用紙の側端部の位置を検知する検知部と、
搬送されてくる前記用紙を前記転写部に向けて搬送する揺動ローラーと、を備える画像形成装置における制御方法であって、
前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、片ループの有無を判定する
判定工程と、
前記
判定工程で片ループが存在すると判定された場合に、
前記検知部による検知結果に基づいて前記片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出し、当該算出したずれ量に基づいて前記揺動ローラーを揺動させる制御工程と、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンターやスキャナー、コピー機、ファックス等の機能を兼ねた多機能な画像形成装置が広く使用されている。画像形成装置では、画像形成時において給紙部や反転経路から転写部に用紙が搬送されるが、装置の機械的な要因等により、用紙が搬送方向に対して直交する方向(以下、用紙幅方向という場合もある)に片寄ってしまう場合がある。このように用紙の片寄りが発生した状態で印刷処理を行った場合には、用紙に対する画像の形成位置が本来の適正位置からずれてしまうという問題が発生する。
【0003】
そこで、用紙の片寄りを考慮して画像と用紙とを精度良く位置合わせするために、レジストローラーにて用紙を挟持して用紙幅方向に揺動することで用紙の片寄りを補正するレジスト揺動補正が行われている。
例えば、特許文献1には、画像形成位置の上流側にレジストローラーを配置するとともにこのレジストローラーの下流側であって二次転写ローラーの上流側にラインセンサーを配置し、ラインセンサーで検知された用紙の片寄り量に基づいて用紙を用紙幅方向に揺動することで用紙の片寄りを補正する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1を始めとする従来の技術では、用紙先端が二次転写ローラーに到達する前にレジストローラーが揺動し、用紙の側端部の位置を合わせている。しかしながら、二次転写ローラーに用紙が到達する前に揺動を行うだけでは、転写部と定着部との間において、用紙に片ループ(ループ形状に前/奥差がある歪んだ状態)が発生することを防ぐことができない。転写部-定着部間において用紙に片ループが発生した場合、シワやこすれ等の画像不良が発生するため、画像品質が低下するという課題が生じる。
【0006】
本発明の課題は、用紙に片ループが発生した場合であっても、画像品質の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
転写部による画像の転写位置に用紙を搬送して当該用紙に画像を転写する画像形成装置において、
前記用紙の側端部の位置を検知する検知部と、
前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、片ループの有無を判定する判定部と、
搬送されてくる前記用紙を前記転写部に向けて搬送する揺動ローラーと、
前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、前記検知部による検知結果に基づいて前記片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出し、当該算出したずれ量に基づいて前記揺動ローラーを揺動させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記転写部により前記用紙に転写された画像を定着させる定着部を備え、
前記制御部は、前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、前記定着部のアライメントを補正することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記判定部により片ループが存在すると判定された場合に、前記片ループの存在及び前記片ループの解消方法を表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記検知部は、
前記用紙の側端部の一方の位置を検知する第1検知部と、
前記用紙の側端部の他方の位置を検知する第2検知部と、
を備え、
前記第1検知部及び前記第2検知部は、前記用紙の搬送方向と直交する方向に並べて配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記検知部は、前記用紙の搬送方向に複数配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記転写部により前記用紙に転写された画像を定着させる定着部を備え、
前記検知部は、前記転写部と前記定着部との間に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記検知部は、前記用紙の画像面側に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記検知部は、ラインセンサーであることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、
用紙に画像を転写する転写部と、前記用紙の側端部の位置を検知する検知部と、搬送されてくる前記用紙を前記転写部に向けて搬送する揺動ローラーと、を備える画像形成装置における制御方法であって、
前記検知部により検知された側端部の位置に基づいて、片ループの有無を判定する判定工程と、
前記判定工程で片ループが存在すると判定された場合に、前記検知部による検知結果に基づいて前記片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出し、当該算出したずれ量に基づいて前記揺動ローラーを揺動させる制御工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、用紙に片ループが発生した場合であっても、画像品質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態にかかる画像形成装置を模式的に示す構成図である。
【
図2】レジストローラーによる用紙の揺動処理を示す説明図である。
【
図3】
図1の画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】レジストローラーの揺動動作を制御する処理を示すフローチャートである。
【
図5】揺動制御テーブルのデータ格納例を示す図である。
【
図6】片ループの有無の判定方法の一例を示す図である。
【
図7】位置検知センサーを用紙幅方向に2つ並べた構成を示す図である。
【
図8】位置検知センサーを用紙搬送方向に2つ並べた構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0020】
[画像形成装置100の構成]
まず、本実施形態における画像形成装置100の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置100を模式的に示す構成図である。この画像形成装置100は、例えば複写機といった電子写真方式の画像形成装置100であり、複数の感光体を一本の中間転写ベルトに対面させて縦方向に配列することによりフルカラーの画像を形成する、いわゆる、タンデム型カラー画像形成装置である。
【0021】
画像形成装置100は、原稿読取装置SC、画像形成部10、定着装置50、画像読取部60、制御部11を主体に構成され、これらが一つの筐体内に収められている。
【0022】
原稿読取装置SCは、走査露光装置の光学系により原稿の画像を走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、原稿読取装置SCで読み取ったものに限らず、例えば、通信部13により画像形成装置100に接続されたパーソナルコンピューターや他の画像形成装置から受信したものであってもよい。
【0023】
画像形成部10は、4組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、中間転写ベルト6、二次転写ローラー9等を備えて構成されている。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成ユニット10Y、マゼンタ(M)の画像を形成する画像形成ユニット10M、シアン(C)の画像を形成する画像形成ユニット10C、ブラック(K)の画像を形成する画像形成ユニット10Kで構成されている。
【0024】
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y及びその周辺に配置された帯電部2Y、光書込部3Y、現像装置4Y及びドラムクリーナー5Yで構成されている。同様に、画像形成ユニット10M,10C,10Kは、感光体ドラム1M,1C,1K及びその周辺に配置された帯電部2M,2C,2K、光書込部3M,3C,3K、現像装置4M,4C,4K及びドラムクリーナー5M,5C,5Kで構成されている。
【0025】
感光体ドラム1Y~1Kは、帯電部2Y~2Kによりその表面が一様に帯電させられており、光書込部3Y~3Kによる走査露光により、感光体ドラム1Y~1Kには潜像が形成される。さらに、現像装置4Y~4Kは、トナーで現像することによって感光体ドラム1Y~1K上の潜像を顕像化する。これにより、感光体ドラム1Y~1K上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのいずれかに対応する所定色のトナー画像が形成される。感光体ドラム1Y~1K上に形成されたトナー画像は、1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kにより、回転する中間転写ベルト6上の所定位置へと逐次転写される。
【0026】
中間転写ベルト6上に転写された各色よりなるトナー画像は、後述する用紙搬送部20により所定のタイミングで搬送される用紙Pに対して、二次転写ローラー9によって転写される。この二次転写ローラー9は中間転写ベルト6と圧接して配置されることによりニップ部(以下「転写ニップ部」という)を形成する圧接部材である。
【0027】
用紙搬送部20は、用紙Pの搬送経路に従って用紙Pを搬送する。用紙Pは給紙トレイ21に収容されており、当該給紙トレイ21に収容された用紙Pは、給紙部22により取り込まれ、搬送経路へと送り出される。あるいは、用紙Pは、外部給紙口81、82等を介して画像形成装置100と接続された外部の給紙装置(図示せず)が有する給紙トレイに収容されており、給紙装置が保有する用紙Pは、当該給紙装置から外部給紙口81又は82を介して画像形成装置100へと供給されることで、搬送経路へと送り出される。例えば、長尺紙は、外部の給紙装置から外部給紙口81又は82を介して画像形成装置100へと供給される。
【0028】
この搬送経路において、転写ニップ部よりも上流側には、用紙Pを搬送する複数の搬送手段が設けられている。個々の搬送手段は、圧接された一対のローラーによって構成されており、電動モーターを主体とする駆動機構を通じて少なくとも一方のローラーが回転駆動することにより用紙Pを搬送する。また、個々の搬送手段を構成する一対のローラーは、ローラー間の状態を圧接状態と離間状態とで切り換えることができるように構成されている。
【0029】
本実施形態において、用紙Pの搬送経路の上流側から下流側にかけて、中間搬送ローラー23~25、ループローラー26及びレジストローラー27が搬送手段として設けられている。なお、搬送手段は、一対のローラーで構成する以外にも、ベルト同士の組み合わせや、ベルト及びローラーの組み合わせといったように、一対の回転部材からなる構成を広く採用することができる。
【0030】
このような搬送経路において、給紙トレイ21又は給紙装置の給紙トレイから給紙された用紙Pは、上流側から下流側に設けられた複数の中間搬送ローラー23~25及びループローラー26により順次搬送されて、搬送経路を進行する。用紙Pの先端がレジストローラー27へと近づくと、中間搬送ローラー23~25及びループローラー26によって搬送される用紙Pは、回転停止状態のレジストローラー27に突き当てられ、そして、ループローラー26が所定時間だけ回転を継続することで、用紙Pにループが形成される。このループ形成の作用により、用紙Pの先端の曲がりが矯正される(スキュー補正)。
【0031】
つぎに、中間転写ベルト6が担持するトナー画像と同期するように所定のタイミングでレジストローラー27が回転を開始すると、中間搬送ローラー23~25及びループローラー26は、圧接状態から離間状態へと切り換えられる。すなわち、中間搬送ローラー23~25及びループローラー26が離間状態へと遷移してからは、用紙Pは、レジストローラー27のみによって搬送される。このレジストローラー27は、揺動ローラーとして、用紙Pの搬送を行いながら後述する揺動処理を行い、像担持体としての中間転写ベルト6と転写部としての二次転写ローラー9の転写ニップ部へと用紙Pを搬送する。
【0032】
図2は、レジストローラー27による用紙Pの揺動処理を示す説明図である。レジストローラー27は、用紙幅方向CD(用紙搬送方向(副走査方向)FDと直行する方向)に揺動可能に構成されている。このレジストローラー27には、電動モーターを主体とする駆動機構34が連結されており、当該駆動機構34によって駆動されることにより、所定のホームポジションを起点として用紙幅方向CDに移動することができる。
【0033】
レジストローラー27は、用紙Pが自身を通過する通過期間に合わせて用紙幅方向CDに沿って移動することにより、搬送される用紙Pを用紙幅方向CDに沿って移動させることができる(揺動処理)。これにより、レジストローラー27は、転写されるトナー画像の位置と整合するように、用紙幅方向CDにおける用紙Pの搬送位置を調整する。ここで、用紙幅方向CDにおいて用紙Pの側端部が通過すべき位置を目標位置Tpと呼ぶ。この目標位置Tpは、用紙幅方向CDにおいて、用紙Pの側端部がその位置を通過すれば、用紙Pとトナー画像との位置関係が最適となる(例えば、用紙Pの幅方向の中央とトナー画像の幅方向の中央とが一致する)と見込まれる位置であり、レジストローラー27は、用紙Pの側端部が目標位置Tpとなるように用紙Pの用紙幅方向CDの搬送位置を調整する。用紙Pとトナー画像との位置関係が最適となるトナー画像の位置を最適画像位置と呼ぶ。
【0034】
搬送経路には、レジストセンサーSE1、位置検知センサーSE2が設けられており、これらのセンサーにおける検出結果に基づいて、制御部11によりレジストローラー27の動作が制御される。
【0035】
搬送経路において、レジストローラー27とループローラー26との間には、レジストセンサーSE1が配置されている。レジストセンサーSE1は、レジストセンサーSE1の検出位置(レジストローラー27の所定距離だけ手前の位置)への用紙Pの先端の到達を検出する。このレジストセンサーSE1の検出結果は、レジストローラー27の回転開始タイミングの検知等に用いられる。
【0036】
搬送経路において、二次転写ローラー9の用紙搬送方向FDの下流側(すなわち、二次転写ローラー9と定着装置50との間)、かつ、用紙Pの非画像面側には、位置検知センサーSE2が設けられている。位置検知センサーSE2は、用紙Pの側端部の用紙幅方向CDの位置を検知する検知部である。位置検知センサーSE2は、複数の受光素子を用紙幅方向CDに沿って直線状に配列したラインセンサー(例えばCCDラインセンサー等)である。この位置検知センサーSE2の検知結果は、制御部11に出力され、揺動処理におけるレジストローラー27の揺動制御情報の決定等に用いられる。
【0037】
定着装置(定着部)50は、トナー画像が転写された用紙P、すなわち、転写ニップ部から送り出された用紙Pに定着処理を施す装置であり、例えば、一対の定着部材(例えば一対のローラー)と、当該定着部材の一方又は双方を加熱するヒーターとで構成されている。この定着装置50は、用紙Pの搬送過程において、一対の定着部材による加圧と定着部材の有する熱との作用を通じて、用紙Pへのトナー画像の定着を行う。
【0038】
定着装置50により定着処理が施された用紙Pは、画像読取部(ICCU)60により読み取られた後、排紙ローラー28により、筐体の外部側面に取り付けられた排紙トレイ29に排出される。また、用紙Pの裏面にも画像形成を行う場合、用紙表面に対する画像形成を終えた用紙Pは、画像読取部60により読み取られた後、切換ゲート30により、下方にある反転ローラー31へと搬送される。反転ローラー31は、搬送された用紙Pの後端を挟持した後、逆送することによって用紙Pを反転させて、再給紙搬送経路に送り出す。この再給紙搬送経路へと送り出された用紙Pは、複数の再給紙用の搬送手段によって搬送され、レジストローラー27を介して転写ニップ部へと用紙Pを回帰させる。なお、排紙ローラー28、切換ゲート30、反転ローラー31及び再給紙用の搬送手段も前述した用紙搬送部20を構成する。
【0039】
画像読取部60は、例えば、リニアイメージセンサー(例えばCCDラインセンサー等)、光学系、光源等を備えて構成され、トナー画像が転写された用紙Pを読み取って、得られた読取画像を制御部11に出力する。なお、本実施形態では、画像読取部60は用紙P上のトナー画像の色を測定できるものとするが、少なくとも用紙Pの領域とトナー画像の領域が認識できるものであれば特に限定されない。また、本実施形態では、画像読取部60が定着装置50の下流であって切換ゲート30により搬送経路が切り替えられる手前側に配置されているものとするが、二次転写ローラー9(転写ニップ部)の下流であって用紙Pの両面(片面ずつでも良い)を読み取り可能な位置であればその配置位置は特に限定されない。もちろん、オプション機器として画像形成装置100の下流に配置してもよい。
【0040】
図3は、本実施形態にかかる画像形成装置100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
制御部11は、
図3に示すように、記憶部12、通信部13、操作部14、原稿読取装置SC、画像形成部10、用紙搬送部20、定着装置50、画像読取部60、レジストセンサーSE1、位置検知センサーSE2、環境センサーSE3に接続されている。制御部11は、CPU、RAM等により構成されている。制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置100各部の動作を集中制御する。
【0041】
例えば、制御部11は、操作部14によりジョブ実行指令が入力されると、ジョブを実行し、原稿読取装置SCや通信部13により入力される画像データに基づいて用紙Pにトナー画像を形成させる制御を行う。また、制御部11は、操作部14によりジョブ実行指令が入力されると、揺動制御処理を実行し、ジョブ実行中のレジストローラー27の揺動制御を行う。
【0042】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等により構成
され、制御部11で実行される各種プログラムの他、各部で必要なパラメータやデータ等を記憶している。
例えば、記憶部12には、揺動制御テーブル121(
図5参照)が記憶されている。
【0043】
通信部13は、NIC(Network Interface Card)、MODEM(Modulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の各種インターフェースを備え、外部機器との接続を行う。
【0044】
操作部14は、ユーザーによって設定される種々の情報を制御部11に出力する。操作部14としては、例えば、ディスプレイ上に表示される情報に従い、入力操作を行うことが可能なタッチパネルを用いることができる。かかる操作部14を通じて、ユーザーは、印刷条件、すなわち、用紙Pの種類(例えば、坪量、サイズ、紙質等)、使用する給紙トレイ、画像の濃度、倍率、両面印刷の有無などを設定することができる。また、ユーザーは、操作部14を通じて、ジョブの実行指令や調整モードでの動作指示を入力することができる。また、制御部11は、操作部14を制御することにより、当該操作部14を介してユーザーに種々のメッセージを表示することができる。
【0045】
環境センサーSE3は、例えば、温度センサーや湿度センサー等を備えて構成され、画像形成装置100の筐体内の温度や湿度を検知し、検知結果を制御部11に出力する。
【0046】
[画像形成装置100の動作]
次に、本実施形態における画像形成装置100の動作について説明する。
図4は、用紙Pに発生した片ループの解消に係る所定の制御の一例として、レジストローラー27の揺動動作を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ユーザーからのジョブの実行指令に応じて、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働によって実行される。
【0047】
まず、制御部11は、位置検知センサーSE2により用紙Pの先端が検知されたか否かを判定する(ステップS1)。
制御部11は、位置検知センサーSE2により用紙Pの先端が検知されたと判定した場合(ステップS1;YES)、位置検知センサーSE2による複数位置(例えば、2点)における用紙Pの側端部の位置の検知結果を取得する(ステップS2)。ここで、用紙Pの側端部の位置には、用紙Pの手前側及び奥側の側端部の位置の双方が含まれる。すなわち、ステップS2では、用紙Pの手前側の側端部の位置と、用紙Pの奥側の側端部の位置と、の双方が取得される。
一方、制御部11は、位置検知センサーSE2により用紙Pの先端が検知されていないと判定した場合(ステップS1;NO)、位置検知センサーSE2により用紙Pの先端が検知されるまで待機する。
【0048】
ここで、用紙Pの側端部の位置のバラつきは、用紙搬送に係る条件(用紙搬送に影響を及ぼす所定の条件)により変動する。したがって、用紙Pの側端部の位置のバラつきの変動に合わせて、揺動制御情報(用紙Pの目標位置Tpの補正値、揺動方向(+、-)及び揺動速度)を、用紙搬送に係る条件ごとに変動させる必要がある。用紙搬送に係る条件とは、例えば、用紙Pの紙種、坪量、環境(例えば、温度や湿度)、用紙サイズ(用紙幅、用紙長)等の条件である。例えば、紙種が薄紙であれば、普通紙や厚紙よりも用紙Pが曲がりやすいため、補正値をより大きくする必要がある。
本実施形態では、上記の用紙搬送に係る条件ごとに、揺動制御情報を格納したテーブルを記憶部12に記憶するようにしている。すなわち、揺動制御情報は、用紙搬送に係る条件に応じて設定されている。
図5に、紙種ごとに揺動制御情報をそれぞれ格納したテーブル(揺動制御テーブル121)の一例を示す。
【0049】
次に、制御部11は、ステップS2で取得された位置検知センサーSE2による検知結果に基づいて、片ループの有無(すなわち、用紙Pに片ループが発生したか否か)を判定する(ステップS3)。すなわち、制御部11は、本発明の判定部として機能する。
【0050】
具体的には、制御部11は、用紙Pの手前側及び奥側の側端部の位置の変化(出力差)に基づいて、片ループの有無を判定する。例えば、用紙Pが用紙搬送方向FDと平行に搬送されて、用紙Pの手前側の側端部の位置及び奥側の側端部の位置のいずれもが同じ位置を維持している場合(
図6(A)参照)、用紙Pに片ループが存在しない(片ループが発生していない)と判定する。また、用紙Pが用紙搬送方向FDに対し傾いて搬送されているものの、用紙Pの手前側の側端部の位置と奥側の側端部の位置との差分が一定である場合(
図6(B)参照)も、用紙Pに片ループが存在しないと判定する。一方、用紙Pが用紙搬送方向FDと平行に搬送されているか否かにかかわらず、用紙Pの手前側の側端部の位置と奥側の側端部の位置との差分が一定でない場合(
図6(C)参照)、用紙Pの手前側の側端部の位置と奥側の側端部の位置とが相対的にずれていると判断し、用紙Pに片ループが存在する(片ループが発生している)と判定する。
【0051】
制御部11は、用紙Pに片ループが存在すると判定した場合(ステップS3;YES)、次のステップS4へと移行する。
一方、制御部11は、用紙Pに片ループが存在しないと判定した場合(ステップS3;NO)、ステップS5へと移行する。
【0052】
次に、制御部11は、ステップS2で取得された位置検知センサーSE2による検知結果に基づいて、片ループの発生に起因する用紙Pの側端部の位置のずれ量を算出する(ステップS4)。
【0053】
次に、制御部11は、予め定められた各揺動タイミングのレジストローラー27の揺動制御情報を決定する(ステップS5)。
例えば、制御部11は、ステップS3で用紙Pに片ループが存在すると判定した場合(ステップS3;YES)、ステップS4で算出したずれ量及び予め定められた揺動制御情報(揺動制御テーブル121)に基づいて、予め定められた各揺動タイミングのレジストローラー27の揺動制御情報を決定する。これにより、片ループ解消に係るレジスト揺動処理を行うことが可能となる。なお、片ループ解消に係るレジスト揺動処理としては、例えば、レジストローラー27を、ずれ量に対応する所定量揺動させて用紙姿勢を変えることで、用紙Pの撓みを引っ張って解消する処理等が挙げられる。
一方、制御部11は、ステップS3で用紙Pに片ループが存在しないと判定した場合(ステップS3;NO)、ステップS2で取得された位置検知センサーSE2による検知結果及び予め定められた揺動制御情報(揺動制御テーブル121)に基づいて、予め定められた各揺動タイミングのレジストローラー27の揺動制御情報を決定する。これにより、通常のレジスト揺動処理を行うことが可能となる。
【0054】
本実施形態では、レジストローラー27は、予め定められた複数のタイミング(揺動タイミングと呼ぶ)で揺動するよう制御されるようになっており、揺動制御テーブル121には、各揺動タイミング(タイミング1~n)で用いられる揺動制御情報がそれぞれ記憶されている。ここで、用紙Pの最適画像位置に精度よくトナー画像を書き込むためには、揺動制御テーブル121において、紙種ごと、坪量ごと、環境ごと、用紙サイズごと、またはこれらの組み合わせごとに、各揺動タイミング(タイミング1~n)で用いられる揺動制御情報が格納されていることが好ましい。
上記のように、記憶部12に揺動制御テーブル121を記憶しておくことで、各条件に応じて適切に揺動制御情報を決定することができる。
【0055】
次に、制御部11は、レジストローラー27の揺動タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS6)。ここで、揺動タイミングとは、レジストローラー27を揺動させるタイミングである。本実施形態では、例えば、位置検知センサーSE2が用紙Pの先端を検知したタイミングからt1秒後、t2秒後・・・のように、複数の揺動タイミングが(例えば、略等間隔に)予め決められている。
制御部11は、揺動タイミングが到来したと判定した場合(ステップS6;YES)、ステップS5で決定した、揺動タイミングに応じた揺動制御情報に基づいて、駆動機構34によりレジストローラー27を揺動させる(ステップS7)。
一方、制御部11は、揺動タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS6;NO)、揺動タイミングが到来するまで待機する。
【0056】
次に、制御部11は、最終の揺動タイミングでの揺動が終了したか否かを判定する(ステップS8)。例えば、用紙Pの用紙サイズと、位置検知センサーSE2が用紙Pの先端を検知してからの経過時間及び搬送速度に基づいて、最終揺動タイミングでの揺動が終了したか否かを判定する。
制御部11は、最終揺動タイミングでの揺動が終了したと判定した場合(ステップS8;YES)、最終ページまでの転写が終了したか否かを判定する(ステップS9)。
一方、制御部11は、最終の揺動タイミングでの揺動が終了していないと判定した場合(ステップS8;NO)、ステップS6に戻り、次の揺動タイミングを待機して、揺動タイミングが到来すると、レジストローラー27を揺動させる処理を繰り返す。
【0057】
次に、制御部11は、最終ページまでの転写が終了したと判定した場合(ステップS9;YES)、処理を終了する。
一方、制御部11は、最終ページまでの転写が終了していないと判定した場合(ステップS9;NO)、ステップS1に戻る。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙の側端部の位置を検知する検知部(位置検知センサーSE2)と、検知部により検知された側端部の位置に基づいて、片ループの有無を判定する判定部(制御部11)と、判定部により片ループが存在すると判定された場合に、片ループの解消に係る所定の制御を行う制御部11と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、用紙に発生した片ループを解消することができるので、用紙に片ループが発生した場合であっても、シワやこすれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となり、画像品質の低下を抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、搬送されてくる用紙を転写部(二次転写ローラー9)に向けて搬送する揺動ローラー(レジストローラー27)を備える。また、制御部11は、判定部により片ループが存在すると判定された場合に、検知部により検知された側端部の位置に基づいて、揺動ローラーを揺動させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、既存のレジスト揺動補正を用いて用紙に発生した片ループを解消することができるので、装置の大型化やコストの増大を抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、転写部により用紙に転写された画像を定着させる定着部(定着装置50)を備える。また、検知部は、転写部と定着部との間に配置されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、位置検知センサーSE2が、二次転写ローラー9により用紙に転写された画像を読み取ることができるので、用紙の側端部の位置のみならず画像との関係を判断することが可能となり、より精度よく片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出することができる。よって、用紙に発生した片ループをより確実に解消することができるので、画像品質の低下をより確実に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、検知部は、ラインセンサーである。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を精度よく算出することができるので、用紙に発生した片ループをより確実に解消することが可能となり、画像品質の低下をより確実に抑制することができる。
【0062】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態では、用紙Pに発生した片ループの解消に係る所定の制御の一例として、レジストローラー27の揺動動作を制御する処理を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、片ループの解消に係る所定の制御の他の例として、定着装置50のアライメントを補正する処理を行うようにしてもよい。その場合、定着ローラーや当該定着ローラーを保持するフレーム、各種センサー等を含むユニット単位で動かすようにしてもよいし、各ユニットが保有するローラー対単位で動かすようにしてもよい。
なお、定着装置50のアライメントを補正する場合、制御部11は、位置検知センサーSE2による検知結果に基づいて補正情報(補正値及び補正方向(+、-))を決定し、決定した補正情報に基づいて定着装置50のアライメントを補正する。
【0064】
以上のように、位置検知センサーSE2により検知された側端部の位置に基づいて、定着装置50のアライメントを補正することで、既存のアライメント補正を用いて用紙に発生した片ループを解消することができるので、装置の大型化やコストの増大を抑制することができる。
【0065】
また、片ループの解消に係る所定の制御の他の例として、片ループの存在及び片ループの解消方法を操作部(表示部)14に表示させる処理を行うようにしてもよい。
以上のように、片ループの存在及び片ループの解消方法を操作部14に表示させることで、ユーザーが手動で片ループを解消することができるので、ユーザーの細かな要望に合わせて片ループを解消することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、位置検知センサーSE2を、二次転写ローラー9と定着装置50との間に、1つ配置するようにしているが、これに限定されるものではない。少なくとも側端部の両端の位置を検知することができればいかなる構成であってもよく、例えば、位置検知センサーSE2を1つ配置する代わりに、
図7に示すように、用紙Pの側端部の一方(一端)の位置を検知する位置検知センサーSE21(第1検知部)と、用紙Pの側端部の他方(他端)の位置を検知する位置検知センサーSE22(第2検知部)と、の2つのセンサーを備えるようにしてもよい。この場合、位置検知センサーSE21及び位置検知センサーSE22は、用紙搬送方向FDと直交する方向(用紙幅方向CD)に並べて配置される。
【0067】
以上のように、用紙の側端部の一方の位置を検知する位置検知センサーSE21と、用紙の側端部の他方の位置を検知する位置検知センサーSE22と、を備えるようにし、位置検知センサーSE21及び位置検知センサーSE22を、用紙搬送方向FDと直交する方向に並べて配置することで、装置内の構造やコスト等に応じて多様な構成の中から所望の構成を選択することができるので、ユーザーが所望する構成により片ループを解消することができる。
【0068】
また、センサーを、用紙搬送方向FDに複数配置するようにしてもよい。
図8に、2つの位置検知センサーSE23、SE24を、用紙搬送方向FDに配置した構成を示す。
以上のように、検知部(位置検知センサーSE23、SE24)を、用紙搬送方向FDに複数配置することで、片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を時系列的に算出することができるので、用紙に発生した片ループをより確実に解消することが可能となり、画像品質の低下をより確実に抑制することができる。
【0069】
また、位置検知センサーSE2を二次転写ローラー9と定着装置50との間に配置する代わりに、用紙Pにループが形成されるいずれかの箇所(例えば、レジストローラー27の直前)に配置するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、位置検知センサーSE2を、用紙Pの非画像面側に配置するようにしているが、これに限定されるものではない。すなわち、位置検知センサーSE2を、用紙Pの画像面側に配置するようにしてもよい。
以上のように、位置検知センサーSE2を、用紙の画像面側に配置することで、トナー画像の画像情報を取得することができるので、より精度よく片ループの発生に起因する用紙の側端部の位置のずれ量を算出することができる。よって、用紙に発生した片ループをより確実に解消することができるので、画像品質の低下をより確実に抑制することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、位置検知センサーSE2による検知結果に基づいて片ループの有無を判定するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、用紙Pのループの程度(ループ量)に応じて変位するアクチュエーターと、アクチュエーターの変位に応じて検知信号(ループ検知のON/OFF)を制御部11に出力するフォトセンサーと、を備えるようにし、出力された検知信号に基づいて片ループの有無を判定するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、感光体ドラムに形成された画像を中間転写ローラーに一次転写し、中間転写ローラーから二次転写ローラーにより用紙に画像を転写するカラーの画像形成装置を例にとり説明したが、本発明は、感光体ドラムから転写ローラーにより直接用紙に画像を転写するモノクロの画像形成装置においても適用可能である。
【0073】
また、上記実施形態では、レジストローラー27が揺動する際、用紙幅方向CDに揺動する構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、搬送される用紙Pを用紙幅方向CDに沿って移動させることが可能であれば、用紙幅方向CD以外の方向(例えば用紙幅方向CDから5°ずれた方向)に揺動する構成であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、揺動ローラーがレジストローラー27である場合を例にとり説明したが、これに限定されず、例えば、レジストローラー27とは別体であってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、電子写真方式の画像形成装置を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、ノズルから記録媒体に対してインクを吐出して所望のパターンで着弾させていくことで記録媒体に画像を記録するインクジェット方式の画像形成装置(例えば、インクジェット記録装置には、所定のエネルギー線により硬化するインクをノズルから吐出し、吐出された記録媒体上のインクに対して上記所定のエネルギー線を照射して硬化させることでインクを記録媒体上に定着させるもの)に本発明を適用することも可能である。
【0076】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0077】
その他、画像形成装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 画像形成装置
11 制御部(判定部)
12 記憶部
121 揺動制御テーブル
13 通信部
14 操作部
SC 原稿読取装置
10 画像形成部
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
9 二次転写ローラー(転写部)
20 用紙搬送部
27 レジストローラー(揺動ローラー)
50 定着装置(定着部)
60 画像読取部
SE1 レジストセンサー
SE2、SE23、SE24 位置検知センサー(検知部)
SE21 位置検知センサー(第1検知部)
SE22 位置検知センサー(第2検知部)
SE3 環境センサー