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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】電極製造装置、及び電極製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20220222BHJP
   H01G 11/06 20130101ALI20220222BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20220222BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20220222BHJP
   B21D 53/00 20060101ALI20220222BHJP
   H01M 4/139 20100101ALN20220222BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01G11/06
H01G11/86
H01G13/00 381
B21D53/00 E
H01M4/139
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017251735
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117747
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】小関 亮介
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真也
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 隼人
(72)【発明者】
【氏名】村田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/208679(WO,A1)
【文献】特開2010-067507(JP,A)
【文献】特開2005-243581(JP,A)
【文献】特開平05-128262(JP,A)
【文献】特開2010-061298(JP,A)
【文献】特開2010-170466(JP,A)
【文献】特開2006-273452(JP,A)
【文献】特開平05-004711(JP,A)
【文献】特開2012-243474(JP,A)
【文献】特開2008-007262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/04
H01G 11/06
H01G 11/86
H01G 13/00
B21D 53/00
H01M 4/139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と短手方向を有し、前記長手方向に延びる縁部側に活物質層の未塗工部を有する電極を製造する電極製造装置であって、
帯状のシート部材を切断することで、当該シート部材の短手方向に二枚の電極を形成し、前記未塗工部が形成される前記縁部が搬送方向に延びる状態で送出する切断部と、
前記切断部の下流側に設けられ、前記切断部で切断された二枚の前記電極をそれぞれ第1の搬送路と第2の搬送路に分岐させて搬送する分岐部と、
前記分岐部から二枚の前記電極をそれぞれ前記第1の搬送路、及び前記第2の搬送路へ移動させる際に、前記縁部が前記搬送方向に直交する方向に延びるように、前記電極の向きを変更する第2の向き変更部と、
前記第2の向き変更部の下流側において、前記第1の搬送路及び前記第2の搬送路に設けられ、前記縁部が前記搬送方向に直交する方向に延びる状態の前記電極をプレスローラによりプレスするプレス部と、
前記プレス部の下流側に設けられ、前記第1の搬送路で搬送された前記電極、及び前記第2の搬送路で搬送された前記電極を合流させ、二枚の前記電極を二列に配列した状態で搬送する合流部と、
前記電極を前記第1の搬送路及び前記第2の搬送路から前記合流部へ移動させる際に、前記縁部が前記搬送方向に延びるように、前記電極の向きを変更する第1の向き変更部と、
前記第1の向き変更部の下流側に設けられ、二列に配列されて前記縁部が前記搬送方向に延びる状態の前記電極を検査する検査部と、を備え、
前記検査部は、前記搬送方向と直交する方向に素子が配列されるアレイ型の検査装置を有する、電極製造装置。
【請求項2】
前記プレス部と前記第1の向き変更部との間に設けられ、前記搬送方向に対する前記電極の向きを維持した状態で、前記搬送方向の方向転換を行う方向転換部を更に備え、
前記プレス部は、前記検査部での前記電極の搬送方向に沿った方向へ前記電極を送ってプレスし、
前記第1の向き変更部は、前記プレス部に対する前記電極の向きを維持した状態で、前記搬送方向を変更することで、前記搬送方向に対する前記電極の向きを変更する、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項3】
長手方向と短手方向を有し、前記長手方向に延びる縁部側に活物質層の未塗工部を有する電極を製造する電極製造方法であって、
帯状のシート部材を切断することで、当該シート部材の短手方向に二枚の電極を形成し、前記未塗工部が形成される前記縁部が搬送方向に延びる状態で送出する切断工程と、
前記切断工程で切断された二枚の前記電極をそれぞれ第1の搬送路と第2の搬送路に分岐させて搬送する分岐工程と、
前記分岐工程を行う分岐部から二枚の前記電極をそれぞれ前記第1の搬送路、及び前記第2の搬送路へ移動させる際に、前記縁部が前記搬送方向に直交する方向に延びるように、切断された前記電極の向きを変更する分岐部向き変更工程と、
前記未塗工部が形成される前記縁部が搬送方向と直交する方向に延びる状態で、二枚の前記電極をそれぞれ前記第1の搬送路、及び前記第2の搬送路にてプレスするプレス工程と、
前記プレス工程でプレスされて前記第1の搬送路で搬送された前記電極、及び前記第2の搬送路で搬送された前記電極を合流させ、二枚の前記電極を二列に配列した状態で搬送する合流工程と、
前記電極を前記第1の搬送路及び前記第2の搬送路から前記合流工程を行う合流部へ移動させる際に、前記プレス工程でプレスされた前記電極の向きを、前記未塗工部が形成される前記縁部が前記搬送方向に延びるように変更する合流部向き変更工程と、
二列に配列されて前記縁部が前記搬送方向に延びるように前記合流部向き変更工程で向きが変更された前記電極を検査する検査工程と、を備え、
前記検査工程では、前記搬送方向と直交する方向に素子が配列されるアレイ型の検査装置で検査を行う、電極製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極製造装置、及び電極製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極を製造する電極製造装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この電極製造装置は、コンベアで電極を搬送し、プレスローラにて当該電極をプレスしている。電極は、長手方向と短手方向を有し、長手方向に延びる縁部側に活物質層の未塗工部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-243581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、プレス部にて電極のプレスを行った後、下流側の検査部で電極の検査が行われる。このように電極製造装置がプレス及び検査を行う場合、電極の向きを適切な向きにした状態で各工程が行われることが求められる。
【0005】
本発明の目的は、電極の向きを適切な向きにした状態でプレス及び検査を行うことができる電極製造装置及び電極製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電極製造装置は、長手方向と短手方向を有し、長手方向に延びる縁部側に活物質層の未塗工部を有する電極を製造する電極製造装置であって、電極をプレスローラによりプレスするプレス部と、プレス部の下流側に設けられ、搬送方向に対する電極の向きを変更する第1の向き変更部と、第1の向き変更部の下流側に設けられ、電極を検査する検査部と、を備え、検査部は、搬送方向と直交する方向に素子が配列されるアレイ型の検査装置を有する。
【0007】
このような電極製造装置は、電極をプレスローラによりプレスするプレス部を備える。プレス部は、未塗工部が形成される縁部が搬送方向と直交する方向に延びる状態で電極をプレスすることで、皺発生やうねり発生を抑制することができる。このような状態で電極をプレスした後、第1の向き変更部は、搬送方向に対する電極の向きを変更することができる。従って、電極は、搬送方向に対する電極の向きを、未塗工部が形成される縁部が搬送方向に延びるような向きに変更できる。すなわち、電極は、短手方向が搬送方向と直交する方向に延びる状態で検査部へ搬送される。ここで、検査部は、搬送方向と直交する方向に素子が配列されるアレイ型の検査装置を有している。従って、検査部は、素子の配列方向に沿って短手方向が延びる状態にて電極の検査を行うことができる。すなわち、検査部は、長手方向よりも短い短手方向の長さに基づく視野幅にて検査を行うことができる。この場合、検査部は、長手方向よりも狭い範囲に視野幅を絞ることができるため、精度良く検査を行うことができる。以上のように、電極の向きを適切な向きにした状態でプレス及び検査を行うことができる。
【0008】
電極製造装置において、シート部材を切断することで、未塗工部が形成される縁部が搬送方向に延びる状態の電極を形成する切断部と、切断部の下流側であってプレス部の上流側に設けられ、搬送方向に対する電極の向きを変更する第2の向き変更部と、を更に備えてよい。これにより、切断時において電極が、未塗工部が形成される縁部が搬送方向に延びる状態である場合も、第2の向き変更部が電極の向きを変更することができる。これにより、プレス部は、未塗工部が形成される縁部が搬送方向と直交する方向に延びる状態の電極をプレスすることができる。
【0009】
電極製造装置において、プレス部と第1の向き変更部との間に設けられ、搬送方向に対する電極の向きを維持した状態で、搬送方向の方向転換を行う方向転換部を更に備え、プレス部は、検査部での電極の搬送方向に沿った方向へ電極を送ってプレスし、第1の向き変更部は、プレス部に対する電極の向きを維持した状態で、搬送方向を変更することで、搬送方向に対する電極の向きを変更してよい。この場合、上述の様にプレス部及び検査部における電極の向きを適切な向きにしつつ、検査部において電極が搬送される方向と、プレス部で電極が送られる方向とが同じとなるようなレイアウトとすることができる。
【0010】
本発明の一形態に係る電極製造方法は、長手方向と短手方向を有し、長手方向に延びる縁部側に活物質層の未塗工部を有する電極を製造する電極製造方法であって、未塗工部が形成される縁部が搬送方向と直交する方向に延びる状態で電極をプレスするプレス工程と、プレス工程でプレスされた電極の向きを、未塗工部が形成される縁部が搬送方向に延びるように変更する向き変更工程と、向き変更工程で向きが変更された電極を検査する検査工程と、を備え、検査工程では、搬送方向と直交する方向に素子が配列されるアレイ型の検査装置で検査を行う。
【0011】
このような電極製造方法によれば、上述の電極製造装置と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電極の向きを適切な向きにした状態でプレス及び検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る電極製造装置を用いて製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る電極製造装置を示す概略平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る電極検査装置を示す概略側面図である。
図5】電極製造装置の動作を示す模式的な構成図である。
図6】本発明の実施形態に係る電極製造方法を示す工程図である。
図7】切断部でシート部材から切断される電極の切断態様を示す図である。
図8】切断部でシート部材から切断される電極の切断態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電極検査装置で製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII-II線断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
【0016】
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。
【0017】
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
【0018】
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
【0019】
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
【0020】
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
【0021】
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
【0022】
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
【0023】
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、正極8又は負極9の製作したのち、正極8をセパレータ付き正極11に加工する。セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。本実施形態は、この工程前半の正極8又は負極9の製作、及びこれらの検査に関わる。まず、帯状の金属箔に活物質合剤を塗工後乾燥させ、帯状の金属箔の両面に活物質層前駆体を備えたシート部材30を製作する。このシート部材30の切断後、各々をプレスすることで、正極8又は負極9を製作する。また、プレスされた正極8及び負極9を検査する。
【0024】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る電極製造装置100について説明する。図3は、電極製造装置100の構成を示す概略平面図である。電極製造装置100は、金属箔の両面に活物質層を有する電極20を製造する装置である。電極製造装置100は、電極20の材料となる部材を搬送方向へ搬送しながら、電極20を製造する。なお、電極製造装置100が製造する電極20は正極8及び負極9のいずれであってもよい。また、電極20は、切断部21で電極の形状に切断された後、プレス部でプレスされることによって形成されるものである。ただし、ここでは説明を容易とするために、プレスされる前の部材であっても、切断部で電極20の形状に形成されたものは「電極20」と称するものとする。電極製造装置100においては、プレス後に、電極検査装置82により検査を行うことで、電極の完成とするものである。
【0025】
電極製造装置100は、シート部材30を電極形状に切断する切断部21と、切断後の電極20をプレスするプレスローラを備えたプレス部24A,24Bと、第1の向き変更部に相当し、搬送方向に対する電極20の向きを変更する向き変更部76A,76Bと、向き変更後の電極を検査する電極検査装置82とを備える。さらに、本実施形態においては、電極製造装置100は、第2の向き変更部に相当し、切断部21とプレス部24A,24Bとの間での、搬送方向に対する電極20の向きを変更する向き変更部75A,75Bを備える。また、搬送方向を変更するための方向転換部39A,39B,43A,43B、二条取りの為の分岐部22、合流部27などを備える。なお、向き変更部75A,75B、方向転換部39A,39B,43A,43B、又は分岐部22・合流部27などは、本実施形態による切断部21における電極20の同時切断枚数や向き、各装置のレイアウト等の仕様に依存するもので、仕様が異なる場合には、必ずしも必須ではない。完成した電極20は、続けて、電極20を用いて蓄電装置1を組み立てる為に、製造ラインにおける後工程に送られる。以下に、これらの構成について、具体的に詳述する。
【0026】
本実施形態においては、図3に示すように、電極製造装置100は、搬送方向における上流側から順に、切断部21と、分岐部22と、を備える。また、電極製造装置100は、分岐部22から分岐した一方のラインにおいて、搬送方向における上流側から順に、搬送路23Aと、プレス部24Aと、搬送路26Aと、を備える。電極製造装置100は、分岐部22から分岐した他方のラインにおいて、搬送方向における上流側から順に、搬送路23Bと、プレス部24Bと、搬送路26Bと、を備える。また、電極製造装置100は、搬送路26Aと搬送路26Bとを合流させる合流部27を備える。
【0027】
切断部21は、例えば、図5に示すように、一対のローラ21a、21bを備えたロータリーダイカット方式の切断装置として構成されている。帯状のシート部材30は、当該シート部材30の長手方向に、切断部21の一対のローラ21a、21b間を通過するように搬送される。一対のローラ21a、21bにはシート部材30を所望の形状に切断する刃部が形成されている。従って、一対のローラ21a、21bは、その刃部でシート部材30を挟み込んで、当該シート部材30を切断する。切断部21は、帯状のシート部材30を切断することで、電極20を形成する。切断部21は、シート部材30を切断し、当該シート部材30の長手方向、すなわちローラ21a、21bの回転軸が延びる方向と直交する送出方向へ送出することで、電極20を形成する。ただし、切断部21は電極20を形成できる限り、ロータリーダイカット方式以外の構造を有していてもよい。
【0028】
図3に示すように、切断部21は、送出方向と直交する方向に配列された電極20A及び電極20Bを形成する。すなわち、切断部21は、帯状のシート部材30から、短手方向に二枚分の電極20を切り出す、いわゆる「二条取り」の切断を行う。切断部21は、帯状のシート部材30を短手方向において電極20の二枚分の大きさ及び形状に切断する。また、切断部21は、帯状のシート部材30を長手方向において電極20の一枚分のピッチ毎に切断する。切断部21は、シート部材30を切断することで、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に延びる状態の電極20A,20Bを形成する。
【0029】
なお、水平方向における一の方向に対して「X軸」を設定し、水平方向においてX軸と直交する方向に対して「Y軸」を設定する。シート部材30が送られる方向がX軸方向に対応し、シート部材30の送り方向における上流側がX軸方向の正側に対応する。X軸方向と直交する方向がY軸方向に対応し、当該Y軸方向の一方がY軸方向の正側に対応する。以降の説明においては、「X軸」、「Y軸」を用いて説明を行う場合がある。
【0030】
ここで、図5を参照して、電極20について説明する。図5に示すように、電極20は、短手方向に互いに対向する縁部20a,20bと、長手方向に対向する縁部20c,20dと、を備える矩形状の形状を有する。縁部20a,20bと縁部20c,20dとは互いに直交する。電極20の縁部20a側にはタブ20eが形成される。タブ20eは、縁部20aから突出する。タブ20eは、金属箔が露出する活物質層20gの未塗工部として構成される。活物質層20gは、正極活物質層15又は負極活物質層17である。なお、未塗工部はタブ20eのみならず、縁部20a付近の領域に、長手方向に延びるように形成されてもよい。
【0031】
図3に戻り、切断部21から送出された直後の状態では、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出する姿勢である。また、電極20Aは、電極20BのY軸方向の負側に配置されており、且つ、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。すなわち、電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態である。
【0032】
分岐部22は、切断部21から送出された電極20A及び電極20Bを搬送路23A及び搬送路23Bへ分岐させる。分岐部22は、下面で電極20A,20Bを吸着した状態で搬送する吸着コンベア31によって構成される。吸着コンベア31は、電極20A,20Bを二列に配列されたままの状態でX軸方向へ搬送するように、X軸方向へ延びる。
【0033】
吸着コンベア31は、搬送方向における一部において、搬送路23Aと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送路23Aの一部が配置される。搬送路23Aは、吸着コンベア31の幅方向(Y軸方向)の縁部のうち、電極20Aが配置される側のY軸方向の負側の縁部31bまで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Aを搬送路23Aの位置で落下させることで、当該搬送路23Aに電極20Aを移し替える。吸着コンベア31は、搬送方向における一部であって、搬送路23Aと搬送方向において異なる位置において、搬送路23Bと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送路23Bの一部が配置される。搬送路23Bは、吸着コンベア31の幅方向(Y軸方向)の縁部のうち、電極20Bが配置される側のY軸方向の正側の縁部31aまで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Bを搬送路23Bの位置で落下させることで、当該搬送路23Bに電極20Bを移し替える。
【0034】
搬送路23Aは、分岐部22からプレス部24Aへ電極20Aを搬送する搬送路である。搬送路23Aは、搬送部32Aと、搬送部36Aと、方向転換部39Aと、を備える。搬送部32Aは、分岐部22からY軸方向の正側へ向かって延びる。搬送部36Aは、搬送部32Aの下流側の端部からプレス部24Aへ向かってX軸方向の負側へ向かって延びる。方向転換部39Aは、搬送部32Aと搬送部36Aとの間で電極20Aの方向転換を行う。
【0035】
搬送部32Aは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Aと、コンベア34Aと、を備える。分岐部22から電極20Aを受け取る部分には、位置決め部33Aが設けられている。なお、搬送部32Aでは、電極20Aは、Y軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、搬送部32Aは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態にて、電極20Aを搬送する。このように、電極20Aは、分岐部22から搬送部32Aへ移し替えられることで、搬送方向に対する向きが変更される。従って、分岐部22及び搬送部32Aによって、搬送方向に対する電極20Aの向きを変更する向き変更部75Aが構成される。向き変更部75Aは、プレス部24Aに対する電極20Aの向きを維持した状態で、搬送方向を変更することで、搬送方向に対する電極20Aの向きを変更する。向き変更部75Aは、搬送方向を90°変更することで、搬送方向に対する電極20Aの向きを90°変更する。
【0036】
位置決め部33Aは、搬送方向と直交する方向に対する電極20Aの位置決めを行う。位置決め部33Aは、X軸方向の電極20Aの位置決めを行った後、Y軸方向の正側へ電極20Aを搬送し、位置決め部33Aは、Y軸方向の正側へ電極20Aを搬送し、コンベア34Aへ送る。本実施形態では、位置決め部33Aは、複数の搬送ローラ33aと、規制部33bと、を備える。
【0037】
複数の搬送ローラ33aは、電極20Aを搬送方向へ搬送するものであり、搬送方向へ並べられている。搬送ローラ33aは、当該搬送ローラ33aを回転させるための駆動部(不図示)に接続されている。複数の搬送ローラ33aの一部は、X軸方向における正側の端部が、搬送方向における上流側へ位置するように、X軸方向に対して傾斜する。上流側に配置された搬送ローラ33aの傾斜が大きく、下流側に配置される搬送ローラ33aほど傾斜が小さくなっている。このような構成により、搬送ローラ33a上の電極20Aは、搬送方向に搬送されながら、X軸方向の正側へ寄せられる。
【0038】
規制部33bは、搬送ローラ33aに対して、X軸方向における正側に配置され、電極20AのX軸方向における正側への移動を規制する。これにより、搬送ローラ33aによってX軸方向の正側へ寄せられた電極20Aは、規制部33bによってX軸方向への移動を規制される。規制部33bは、搬送ローラ33aから上方へ立ち上がるように設けられる。これにより、電極20Aの縁部が規制部33bに当接し、当該縁部がY軸方向に平行に位置決めされる。なお、規制部33bは、少なくとも搬送ローラ33aがX軸方向に対して傾斜している領域に設けられていればよい。
【0039】
搬送部36Aは、搬送方向の上流側から順に、コンベア37Aと、位置決め部38Aと、を備える。位置決め部38Aは、X軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、Y軸方向の正側で電極20Aを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部36Aでは、電極20Aは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、電極20Aは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で搬送される。
【0040】
方向転換部39Aは、搬送方向の方向転換を行うもので、電極20Aの搬送方向をプレス部24Aに向ける。方向転換部39Aは、Y軸方向に搬送される電極20Aの搬送方向を、X軸方向へ転換する。方向転換部39Aは、90°の円弧を描くように湾曲する搬送経路を形成する。方向転換部39Aは、湾曲する搬送経路に対する電極20Aの角度を略一定に保ちながら、電極20Aを搬送する。従って、電極20Aのプレス部24Aの回転軸方向に対する角度は、方向転換部39Aに搬送されるに従って徐々に変化し、方向転換部39Aの前後で約90°変化する。これにより、方向転換部39Aは、当該方向転換部39Aの通過前後において、プレス部24Aに対する電極20Aの向きを変更することができる。方向転換部39Aの構成は特に限定されない。例えば、方向転換部39Aは、90°の円弧を描く軌道を有するカーブコンベアによって構成されていてもよい。
【0041】
方向転換部39Aは、コンベア34AによりY軸方向の正側へ搬送される電極20Aの搬送方向を、X軸方向の負側へ転換し、コンベア37Aへ受け渡す。電極20Aは、方向転換部39Aの上流側では、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。電極20Aは、方向転換部39Aの下流側では、タブ20fがX軸方向の正側へ突出する姿勢である。電極20Aは、方向転換部39Aの上流側及び下流側において、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態を維持されて搬送される。
【0042】
プレス部24Aは、電極20Aをプレスする。プレス部24Aは、一対の61を備える。プレス部24Aは、電極20Aを一対のプレスローラ61でプレスする。一対のプレスローラ61は、互いに平行な状態で上下方向に配置されている。また、一対のプレスローラ61の回転軸は、Y軸方向に平行に延びている。電極20Aは、一対のプレスローラ61間を通過することにより、プレスされる。プレス部24Aは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で電極20Aをプレスする。プレス部24Aは、タブ20eとは反対側の縁部20b側から電極20Aのプレスを開始する。プレス部24Aは、X軸方向の負側へ電極20Aを送りながらプレスする。
【0043】
搬送路26Aは、プレス部24Aから合流部27へ電極20Aを搬送する搬送路である。搬送路26Aは、搬送部41Aと、搬送部42Aと、方向転換部43Aと、を備える。搬送部41Aは、プレス部24AからX軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部41Aは、コンベア47Aによって構成される。搬送部42Aは、搬送部41Aの下流側の端部から合流部27へ向かってY軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部42Aは、コンベア48Aによって構成される。方向転換部43Aは、搬送部41Aと搬送部42Aとの間で電極20Aの方向転換を行う。方向転換部43Aは、搬送方向以外は、前述の方向転換部39Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部41Aでは、電極20Aは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。搬送部42Aでは、電極20Aは、Y軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、電極20Aは、方向転換部43Aの上流側及び下流側において、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態が維持されて搬送される。
【0044】
搬送路23Bは、分岐部22からプレス部24Bへ電極20Bを搬送する搬送路である。搬送路23Bは、搬送部32Bと、搬送部36Bと、方向転換部39Bと、を備える。搬送部32Bは、分岐部22からY軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部36Bは、搬送部32Bの下流側の端部からプレス部24Bへ向かってX軸方向の負側へ向かって延びる。方向転換部39Bは、搬送部32Bと搬送部36Bとの間で電極20Bの方向転換を行う。
【0045】
搬送部32Bは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Bと、コンベア34Bと、を備える。分岐部22から電極20Bを受け取る部分には、位置決め部33Bが設けられている。位置決め部33Bは、Y軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、X軸方向の正側で電極20Bを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部32Bでは、電極20Bは、Y軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、搬送部32Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態にて、電極20Bを搬送する。分岐部22では、電極20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態で搬送される。このように、電極20Bは、分岐部22から搬送部32Bへ移し替えられることで、搬送方向に対する向きが変更される。従って、分岐部22及び搬送部32Bによって、搬送方向に対する電極20Bの向きを変更する向き変更部75Bが構成される。向き変更部75Bは、プレス部24Bに対する電極20Bの向きを維持した状態で、搬送方向を変更することで、搬送方向に対する電極20Bの向きを変更する。向き変更部75Bは、搬送方向を90°変更することで、搬送方向に対する電極20Bの向きを90°変更する。
【0046】
搬送部36Bは、搬送方向の上流側から順に、コンベア37Bと、位置決め部38Bと、を備える。位置決め部38Bは、X軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、Y軸方向の負側で電極20Bを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部36Bでは、電極20Bは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、電極20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で搬送される。
【0047】
プレス部24Bは、電極20Bをプレスする。プレス部24Bは、一対のプレスローラ61を備える。プレス部24Bは、プレス部24Aと同趣旨の構成を有する。プレス部24Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で電極20Bをプレスする。プレス部24Bは、タブ20eとは反対側の縁部20b側から電極20Bのプレスを開始する。プレス部24Bは、X軸方向の負側へ電極20Aを送りながらプレスする。
【0048】
搬送路26Bは、プレス部24Bから合流部27へ電極20Bを搬送する経路である。搬送路26Bは、搬送部41Bと、搬送部42Bと、方向転換部43Bと、を備える。搬送部41Bは、プレス部24BからX軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部41Bは、コンベア47Bによって構成される。搬送部42Bは、搬送部41Bの下流側の端部から合流部27へ向かってY軸方向の正側へ向かって延びる。搬送部42Bは、コンベア48Bによって構成される。方向転換部43Bは、搬送部41Bと搬送部42Bとの間で電極20Bの方向転換を行う。方向転換部43Bは、搬送方向以外は、前述の方向転換部39Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部41Bでは、電極20Bは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。搬送部42Bでは、電極20Bは、Y軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。すなわち、電極20Bは、方向転換部43Bの上流側及び下流側において、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態が維持されて搬送される。
【0049】
合流部27は、搬送路26Aと搬送路26Bとが合流する部分である。合流部27は、搬送路26Aで搬送された電極20A及び搬送路26Bで搬送された電極20Bを合流させる。合流部27は、下面で電極20A,20Bを吸着した状態で搬送する吸着コンベア46によって構成される。吸着コンベア46は、電極20A,20Bを二列に配列した状態でX軸方向の負側へ搬送するように、X軸方向へ延びる。
【0050】
吸着コンベア46は、X軸方向の正側の端部付近であって、Y軸方向の正側の縁部46aにおいて、搬送路26Aと重なっている。すなわち、吸着コンベア46の下方に搬送路26Aの一部が配置される。吸着コンベア46は、搬送路26A上の電極20Aを下面で吸着することで、吸着コンベア46へ電極20Aを移し替える。吸着コンベア46は、X軸方向の正側の端部付近であって、Y軸方向の負側の縁部46bにおいて、搬送路26Bと重なっている。すなわち、吸着コンベア46の下方に搬送路26Bの一部が配置される。吸着コンベア46は、搬送路26B上の電極20Bを下面で吸着することで、吸着コンベア46へ電極20Bを移し替える。
【0051】
吸着コンベア46は、吸着した電極20A,20BをX軸方向の負側へ搬送する。電極20Aは、吸着コンベア46のY軸方向の正側の領域にて搬送される。このとき、電極20Aは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出する姿勢である。電極20Bは、吸着コンベア46のY軸方向の負側の領域にて搬送される。このとき、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。すなわち、合流部27は、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態にて、電極20A,20Bを搬送する。搬送部42A,42Bでは、電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で搬送される。このように、電極20A,20Bは、搬送部42A,42Bから合流部27へ移し替えられることで、搬送方向に対する向きが変更される。従って、搬送部42A,42B及び合流部27によって、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを変更する向き変更部76A,76Bが構成される。向き変更部76A,76Bは、プレス部24A,24Bに対する電極20A,20Bの向きを維持した状態で、搬送方向を変更することで、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを変更する。向き変更部75A,75Bは、搬送方向を90°変更することで、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを90°変更する。
【0052】
電極製造装置100に対し、製造ラインにおける後工程に関わる設備として、電極20A,20Bを貯めておくバッファ装置81と、検査後の電極20A,20Bの後処理を行う処理装置83と、が配置される。バッファ装置81は、合流部27と電極検査装置82との間に配置される。バッファ装置81は、例えばサーボループ装置などによって構成され、電極20A,20Bを合流部27から受け取ると共に、適切なタイミングで電極20A,20Bを下流側へ送出する。処理装置83は、電極検査装置82の下流側に配置される。処理装置83は、例えば電極20A,20Bが正極である場合、当該正極をセパレータで包み込む包装装置などによって構成されてよい。
【0053】
次に、図4を用いて、電極検査装置82について詳細に説明する。図4は、電極検査装置82を示す概略側面図である。なお、検査対象となる電極20の長手方向の寸法は100~200mmであり、短手方向の寸法は100~200mmであり、厚さは10~200μmとしてよい。短手方向の寸法には、タブ20eの寸法も含まれる(図5のL1参照)。また、長手方向の寸法は、短手方向の寸法より長くなる。
【0054】
電極検査装置82は、電極20のカット及びプレス後に、当該電極20に対して検査を行う装置である。また、電極検査装置82で検査を終えた電極20は、搬送コンベア170で搬送されて、処理装置83へ供給される。搬送コンベア170は、ベルトに所定ピッチで設けられた桟171を備えており、当該桟171で電極20を位置決めした状態で、当該電極20を処理装置83へ搬送する。
【0055】
電極検査装置82は、整列コンベア130と、吸着コンベア140と、検査部145と、吸着コンベア150と、検査部155と、吸着コンベア160と、を備える。なお、以降の説明においては、電極検査装置82が電極20を搬送する方向を「搬送方向D1」と称する。
【0056】
整列コンベア130は、電極20を搬送すると共に、電極20の姿勢を調整する。整列コンベア130は、ローラ131と、規制部132と、を備える。ローラ131は、回転することによって電極20を搬送方向D1へ搬送する。また、ローラ131は、取付角度が傾斜することで、電極20を幅方向における一方側へ寄せることができる。ここでは、ローラ131は、幅方向のうち、規制部132が設けられている方向へ、電極20を寄せる。規制部132は、例えば、整列コンベア130の幅方向における一方側において、ローラ131よりも上方へ向かって立ち上がっている平面を有する側壁である。これにより、電極20は、ローラ131によって搬送方向D1へ搬送されながら幅方向の一方側へ寄せられ、規制部132と接触することによって、当該規制部132によって幅方向の位置と姿勢が調整される。なお、規制部132は、電極20が接触する平面が搬送方向に移動するベルトであってもよい。
【0057】
吸着コンベア140は、電極20を上側から吸着し、当該電極20を搬送する。吸着コンベア140は、整列コンベア130の下流側の端部と対向する位置から搬送方向D1に沿って延びている。吸着コンベア140は、整列コンベア130で搬送された電極20を下面140aに吸着する。吸着コンベア140は、下面140aの裏側から吸引装置で吸引することにより、下面140aに接触した電極20を吸着することができる。吸着コンベア140は、電極20を下面140aに吸着させた状態で搬送方向D1へ向かって搬送する。
【0058】
検査部145は、吸着コンベア140で搬送される電極20を下側から検査する。検査部145は、吸着コンベア140の下面140aに対して下側で対向する位置に配置されている。検査部145は、吸着コンベア140の下面140aに吸着された電極20を下方から検査する検査装置によって構成されている。なお、検査装置の詳細については後述する。検査部145は、検査により取得したデータを不図示の制御装置に伝送する。不図示の制御装置では、データを処理し、電極20の姿勢、形状、活物質の剥がれ、穴等の不良状態の有無を検査する。
【0059】
吸着コンベア150は、電極20を下側から上面150aで吸着し、当該電極20を搬送する。吸着コンベア150は、吸着コンベア140の下流側の端部と対向する位置から搬送方向D1に沿って延びている。吸着コンベア150は、吸着コンベア140よりも下側に設けられる。吸着コンベア150の上面50aは、吸着コンベア140の下面140aよりも下側に配置される。吸着コンベア150は、カットされた電極20を上面150aの上に載置させる。また、吸着コンベア150は、上面150aの裏側から吸引装置で吸引することにより、上面150aに接触した電極20を吸着することができる。吸着コンベア150は、電極20を上面150aに吸着させた状態で搬送方向D1へ向かって搬送する。
【0060】
検査部155は、吸着コンベア150で搬送される電極20を上側から検査する。検査部155は、吸着コンベア150の上面150aに対して上側で対向する位置に配置されている。検査部155は、吸着コンベア150の上面150aに載置された電極20を下方から検査する検査装置によって構成されている。なお、検査装置の詳細については後述する。検査部155は、取得したデータを不図示の制御装置に伝送する。不図示の制御装置では、データを処理し、電極20の姿勢、形状、活物質の剥がれ、穴等の不良状態の有無を検査する。
【0061】
吸着コンベア160は、電極20を上側から下面160aで吸着し、当該電極20を搬送する。吸着コンベア40は、吸着コンベア50の下流側の端部付近の位置から搬送方向D1に沿って延びている。吸着コンベア60は、吸着コンベア50よりも上側に設けられる。吸着コンベア60の下面60aは、吸着コンベア50の上面50aよりも上側に配置される。吸着コンベア160には、不合格品に係る電極20を落下させる排出機構を備えている。排出機構は、例えば上方からエアを吹き付けることで、電極20を落下させてよい。排出機構は、検査部145,155の検査結果に基づいて、不合格と判定された電極20を落下させて、回収箱193で回収する。吸着コンベア160は、合格品として振り分けられた電極20を下面160aに吸着する。吸着コンベア160は、下面160aの裏側から吸引装置で吸引することにより、下面160aに接触した電極20を吸着することができる。吸着コンベア160は、電極20を下面160aに吸着させた状態で搬送方向D1へ向かって搬送する。吸着コンベア60は、電極20を搬送コンベア170に受け渡す。
【0062】
次に、図5を参照して、検査部145,155が有する検査装置146,156について説明する。検査装置146,156は、搬送方向及び上下方向と直交する方向(Y軸方向)に素子120が配列されるアレイ型の装置である。検査装置146,156は、撮像によって検査を行うカメラ(例えばラインカメラ)であってよい。検査装置146,156が撮像型の検査装置である場合、素子120は、CMOS、CCDなどの撮像素子が採用される。素子120は、Y軸方向に沿って直線状に真っ直ぐに配列される。なお、素子120は、搬送方向に対しては少なくとも一列だけ配列されていてもよいが、複数列に配列されてもよい。
【0063】
電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態(X軸と平行な状態)で搬送される。この場合、電極20A,20Bの短手方向の縁部20c,20dが検査装置146,156の素子120の配列方向に沿って延びる状態となる。なお、本実施形態では、電極20A,20Bの短手方向の縁部20c,20dは、検査装置146,156の素子120の配列方向と平行になっているが、検査に影響を及ぼさない範囲で傾斜していてもよい。この場合、電極20A,20Bに対する検査装置146,156の視野幅は、縁部20c,20dの長さにタブ20eの突出量を足し合わせた「L1」となる。「L1」は、長手方向の縁部20a,20bの長さ「L2」よりも小さい。一つあたりの素子120が検出する範囲が小さくなればなるほど、一つあたりの素子120が細かく検査することができる。従って、視野幅が「L1(+α)」である場合、「L2(+α)」である場合に比して、検査装置146,156は精度良く検査を行うことができる。
【0064】
一枚あたりの電極20A,20Bに対する検査装置146,156の台数は特に限定されず、一台で検出を行ってもよいが、複数台(例えば二台)の検査装置146,156を素子120の配列方向(Y軸方向)に並べて検出可能な幅を広くして用いてもよい。なお、検査装置146,156は、電極20の検査を行うことができるものであれば撮像装置に限定されず、素子が配列されたアレイ型の装置であれば採用可能である。例えば、検査装置146,156として、電磁波、磁気などを検出する装置を採用してよい。例えば、検査装置146,156として、近接センサ(近赤外を検出するCCD等のフォトダイオードが用いられ、または超音波を検出する圧電素子が用いられる)、レーザ変位計(レーザを検出するCCD等のフォトダイオードが用いられる)、サーモグラフィ(遠赤外を検出するCCD等のフォトダイオードが用いられる)、磁気センサ、X線カメラなどが適用される。
【0065】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る電極製造方法について説明する。まず、切断部21がシート部材30を切断することによって電極20A,20Bを形成する切断工程を実行する(ステップS10)。このとき、電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態で搬送される。例えば、図7(a)に示すように、シート部材30は、幅方向における中央位置に活物質層が形成された塗工領域91を有し、幅方向の両側に未塗工領域92A,92Bを有する。切断部21は、塗工領域91から二列分の電極20(活物質層20gに該当する部分)を切り取り、未塗工領域92A,92Bから各列における電極20のタブ20eを切り取る。
【0066】
その後、向き変更部75A,75Bは、電極20A,20Bの搬送方向に対する向きを変更する向き変更工程を実行する(ステップS20)。電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態に向きが変更される。方向転換部39A,39Bは、搬送方向の方向転換を行って電極20A,20Bのプレス部24A,24Bに対する向きを変更する方向転換工程を実行する(ステップS30)。プレス部24A,24Bが、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿って延びる状態で電極20A,20Bをプレスするプレス工程を実行する(ステップS40)。
【0067】
方向転換部43A,43Bは、搬送方向の方向転換を行って電極20A,20Bのプレス部24A,24Bに対する向きを変更する方向転換工程を実行する(ステップS50)。向き変更部76A,76Bは、電極20A,20Bの搬送方向に対する向きを変更する向き変更工程を実行する(ステップS60)。電極20A,20Bは、長手方向に延びる縁部20aが搬送方向に沿って延びる状態に向きが変更される。検査部145,155は、向き変更工程S60で向きが変更された電極20A,20Bを検査する検査工程を実行する(ステップS70)。検査工程S70では、搬送方向と直交する方向に素子120が配列されるアレイ型の検査装置146,156が、搬送方向と直交する方向に長手方向に延びる縁部20aが延びる状態で電極20A,20Bを検査する。
【0068】
次に、本実施形態に係る電極製造装置100、及び電極製造方法の作用・効果について説明する。
【0069】
電極製造装置100は、電極20A,20Bをプレスローラ61によってプレスするプレス部24A,24Bを備える。例えば、プレス部24A,24Bが縁部20c,20d側から電極20A,20Bのプレスを開始した場合、皺やうねりが発生する可能性がある。これに対し、プレス部24A,24Bは、タブ20e(未塗工部)が形成される縁部20aが搬送方向と直交する方向に延びる状態で電極20A,20Bをプレスすることで、皺発生やうねり発生を抑制することができる。このような状態で電極20A,20Bをプレスした後、向き変更部(第1の向き変更部)76A,76Bは、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを変更することができる。従って、電極20A,20Bは、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に延びるような向きに変更できる。すなわち、電極20A,20Bは、短手方向が搬送方向と直交する方向に延びる状態で検査部145,155へ搬送される。ここで、検査部145,155は、搬送方向と直交する方向に素子120が配列されるアレイ型の検査装置146,156を有している。従って、検査部145,155は、素子120の配列方向に沿って短手方向が延びる状態にて電極20A,20Bの検査を行うことができる。すなわち、検査部145,155は、長手方向よりも短い短手方向の長さ(L1)に基づく視野幅にて検査を行うことができる。この場合、検査部145,155は、長手方向よりも狭い範囲に視野幅を絞ることができるため、精度良く検査を行うことができる。また、一枚の電極に対して複数台の検査装置146,156を並べる場合、検査対象となる長さ(L1)を短くすることで、長手方向の長さ(L2)を検査する場合に比して、検査装置146,156の台数を減らすことも可能となる。以上のように、電極20A,20Bの向きを適切な向きにした状態でプレス及び検査を行うことができる。
【0070】
電極製造装置100において、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に延びる状態に電極20A,20Bをシート部材30から切断する切断部21と、切断部21の下流側であってプレス部24A,24Bの上流側に設けられ、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを変更する向き変更部(第2の向き変更部)75A,75Bと、を更に備える。これにより、切断時において電極20A,20Bが、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に延びる状態である場合も、向き変更部76A,76Bが電極20A,20Bの向きを変更することができる。これにより、プレス部24A,24Bは、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向と直交する方向に延びる状態の電極20A,20Bをプレスすることができる。
【0071】
電極製造装置100において、プレス部24A,24Bと向き変更部76A,76Bとの間に設けられ、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを維持した状態で、搬送方向の方向転換を行う方向転換部43A,43Bを更に備え、プレス部24A,24Bは、検査部145,155での電極20A,20Bの搬送方向に沿った方向へ電極20A,20Bを送ってプレスし、向き変更部76A,76Bは、プレス部24A,24Bに対する電極20A,20Bの向きを維持した状態で、搬送方向を変更することで、搬送方向に対する電極20A,20Bの向きを変更する。この場合、上述の様にプレス部24A,24B及び検査部145,155における電極20A,20Bの向きを適切な向きにしつつ、検査部145,155において電極20A,20Bが搬送される方向と、プレス部24A,24Bで電極20A,20Bが送られる方向とが同じとなるようなレイアウトとすることができる。
【0072】
本実施形態に係る電極製造方法は、長手方向と短手方向を有し、長手方向に延びる縁部20a側に活物質層の未塗工部であるタブ20eを有する電極20A,20Bを製造する電極製造方法であって、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向と直交する方向に延びる状態で電極20A,20Bをプレスするプレス工程S40と、プレス工程S40でプレスされた電極20A,20Bの向きを、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に延びるように変更する向き変更工程S60と、向き変更工程S60で向きが変更された電極20A,20Bを検査する検査工程S70と、を備え、検査工程S70では、搬送方向と直交する方向に素子120が配列されるアレイ型の検査装置146,156で検査を行う。
【0073】
このような電極製造方法によれば、上述の電極製造装置100と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0075】
例えば、切断部がシート部材から電極を切断する場合の切断態様は図7(a)に示したものに限定されない。例えば、図7(b)に示す切断態様を採用してよい。この場合、シート部材190は、幅方向の中央位置に塗工部191を有し、両端側に未塗工部192A,192Bを有する。また、塗工部191は長手方向に所定ピッチに形成され、塗工部191間に未塗工部133が形成される。この場合、電極20がシート部材190の長手方向に断続的に形成される。また、例えば、図7(c)に示す切断態様を採用してよい。この場合、シート部材230は、幅方向の中央位置に塗工部231を有し、両端側に未塗工部232A,232Bを有する。また、塗工部231の中央位置には未塗工部234が形成される。この場合、電極20の各列同士が未塗工部234を介して離間した状態となる。また、例えば、図8(a)に示す切断態様を採用してよい。この場合、シート部材330は、幅方向の中央位置に塗工部331を有し、両端側に未塗工部332A,332Bを有する。また、塗工部331は長手方向に所定ピッチに形成され、塗工部331間に未塗工部333が形成される。また、塗工部331の幅方向の中央位置には未塗工部334が形成される。この場合、電極20が他の電極20から離間した状態で形成される。
【0076】
また、上述の実施形態では、切断部は、タブ20eが形成される縁部20aが搬送方向に沿った方向に延びる状態の電極を形成していた。これに代えて、切断部は、縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿った方向に延びる状態の電極を形成してよい。例えば、図8(b)に示す切断態様を採用してよい。この場合、シート部材430は、幅方向の中央位置に塗工部431を有し、両端側に未塗工部432A,432Bを有する。また、塗工部431は長手方向に所定ピッチに形成され、塗工部431間に未塗工部433が形成される。そして、未塗工部433にタブ20eが形成される。また、図8(c)に示す切断態様を採用してよい。この場合、シート部材530は、幅方向の中央位置に塗工部531を有し、両端側に未塗工部532A,532Bを有する。また、塗工部531は長手方向に所定ピッチに形成され、塗工部531間に未塗工部533が形成される。また、塗工部531の幅方向の中央位置には未塗工部534が形成される。この場合、電極20が他の電極20から離間した状態で形成される。また、未塗工部533にタブ20eが形成される。
【0077】
図8(b),(c)に示すように、切断部が縁部20aが搬送方向と直交する方向に沿った方向に延びる状態の電極を形成する場合、プレス部24A,24Bと切断部21との間の向き変更部75A,75Bを省略してよい。その際、切断部21から搬送される電極20Aと電極20Bとの間の距離を大きくしてそれぞれのプレス部24A、24Bへ搬送する装置を設けてよい。
【0078】
電極製造装置の各構成要素のレイアウトは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
【0079】
例えば、プレス部24A,24Bの電極20A,20Bの送り方向と、検査部145,155の電極20A,20Bの搬送方向が直交していてよい。この場合、電極20A,20Bは、プレス部24A,24Bから送られた後、(方向転換部を経ることなく)向き変更部にてプレス部24A,24Bに対する向きを維持しつつ、搬送方向だけ90°変更されてよい。そして、電極20A,20Bは、そのまま真っ直ぐに検査部145,155へ搬送されてよい。
【0080】
なお、上述の実施形態及び変形例では、シート部材から短手方向に二枚分の電極を形成する「二条取り」の装置を例示した。これに代えて、電極製造装置が、シート部材から短手方向に一枚の電極を形成してもよく、三枚以上の電極を形成する構成であってもよい。
【0081】
さらに、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、本発明は、特にリチウムイオン二次電池には限られず、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の積層にも適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
20,20A,20B…電極、21…切断部、24A、24B…プレス部、30,190,230,330,430,530…シート部材、43A,43B…方向転換部、75A,75B…向き変更部(第2の向き変更部)、76A,76B…向き変更部(第1の向き変更部)、120…素子、145,155…検査部、146,156…検査装置、100…電極製造装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8