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  • 特許-カウンタウエイト構造及び作業機械 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】カウンタウエイト構造及び作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/18 20060101AFI20220222BHJP
   B66C 23/76 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
E02F9/18
B66C23/76 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019136588
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2021021200
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 博臣
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】中岡 嵩士
(72)【発明者】
【氏名】行政 歩
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 優
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-111983(JP,A)
【文献】特開2014-101190(JP,A)
【文献】特開2013-076222(JP,A)
【文献】特開平07-172785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/18
B66C 23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械において機械本体の後部に設けられた積層式のカウンタウエイトのカウンタウエイト構造であって、
上面に開口が形成されたウエイトケースと、
前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、
を備え、
前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、
前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、
前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、
前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され
前記昇降手段は、複数の踏み面と前記複数の踏み面に直交する複数の側面とを含む階段であり、
前記複数の側面のうち少なくとも1つの側面には、当て材が設けられていることを特徴とするカウンタウエイト構造。
【請求項2】
作業機械において機械本体の後部に設けられた積層式のカウンタウエイトのカウンタウエイト構造であって、
上面に開口が形成されたウエイトケースと、
前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、
を備え、
前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、
前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、
前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、
前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され
前記昇降手段は、複数の踏み面を含む階段であり、
前記複数の踏み面のうち最上面は、前記ウエイトケースの上端よりも高く、前記機械本体の上面よりも低い位置に配置されることを特徴とするカウンタウエイト構造。
【請求項3】
前記昇降手段は、複数の踏み面を含む階段であり、
前記切り欠きは、前記複数の踏み面を覆わない形状であることを特徴とする請求項1に記載のカウンタウエイト構造。
【請求項4】
前記昇降手段は、昇降方向が一方向に延びる階段であり、
前記階段は、前記昇降方向が機械幅方向と一致するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のカウンタウエイト構造。
【請求項5】
作業機械であって、
機械本体と、
前記機械本体の後部に設けられ、上面に開口を有するウエイトケースと、
前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、
を備え、
前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、
前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、
前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、
前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され
前記昇降手段は、複数の踏み面と前記複数の踏み面に直交する複数の側面とを含む階段であり、
前記複数の側面のうち少なくとも1つの側面には、当て材が設けられていることを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械において機械本体の後部に設けられた積層式のカウンタウエイトのカウンタウエイト構造及びそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
解体機等の大型の作業機械に搭載されるカウンタウエイトは高重量であるため、輸送時には分解して輸送できるように構成されている。例えば、特許文献1では、カウンタウエイト(20)には、複数のブロック(40)と、これらブロック(40)を収容するウエイトケース(22)とが備えられている。詳細には、解体機(1)では、上側ブロック(40H)及び下側ブロック(40L)の2つのブロック(40)が備えられている。上側ブロック(40H)及び下側ブロック(40L)は、各上面に設けられた吊環に玉掛けをした状態でクレーンにより脱着される(特許文献1の図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-101191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1では、上側ブロック(40H)が取り外された後、下側ブロック(40L)が取り外される。下側ブロック(40L)の取り外しに先立って、下側ブロック(40L)の上面の設けられた吊環に玉掛けを行う必要があるため、作業者は機械本体後部から下側ブロック(40L)の上面に移動しなければならない。機械本体後部から下側ブロック(40L)の上面までは、少なくとも上側ブロック(40H)の高さがある。そのため、機械本体後部から下側ブロック(40L)の上面に飛び降りるなどして移動する行為は必ずしも安全とはいえない。
【0005】
また、上側ブロック(40H)を装着する際、上側ブロック(40H)を下側ブロック(40L)に対して位置合わせするのに作業者が大きく関与しなければならず、必ずしも作業性が良いとはいえなかった。
【0006】
そこで、本発明は、積層式のカウンタウエイトにおいて、下層ウエイトの上面に安全にアクセスしつつ、上層ウエイトを下層ウエイトに対して安全かつ容易に位置合わせすることが可能なカウンタウエイト構造及びそれに関連する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、作業機械において機械本体の後部に設けられた積層式のカウンタウエイトのカウンタウエイト構造であって、上面に開口が形成されたウエイトケースと、前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、を備え、前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され、前記昇降手段は、複数の踏み面と前記複数の踏み面に直交する複数の側面とを含む階段であり、前記複数の側面のうち少なくとも1つの側面には、当て材が設けられていることを特徴とするカウンタウエイト構造を提供している。
【0008】
また、作業機械において機械本体の後部に設けられた積層式のカウンタウエイトのカウンタウエイト構造であって、上面に開口が形成されたウエイトケースと、前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、を備え、前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され、前記昇降手段は、複数の踏み面を含む階段であり、前記複数の踏み面のうち最上面は、前記ウエイトケースの上端よりも高く、前記機械本体の上面よりも低い位置に配置されることを特徴とするカウンタウエイト構造を提供している。
【0009】
また、前記昇降手段は、複数の踏み面を含む階段であり、前記切り欠きは、前記複数の踏み面を覆わない形状であるのが好ましい。
【0010】
更に、前記昇降手段は、昇降方向が一方向に延びる階段であり、前記階段は、前記昇降方向が機械幅方向と一致するように配置されるのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、作業機械であって、機械本体と、前記機械本体の後部に設けられ、上面に開口を有するウエイトケースと、前記開口を介して出し入れ可能に構成され、前記ウエイトケースの内部において積層される積層ウエイトと、を備え、前記積層ウエイトは、下層ウエイトと、前記下層ウエイトの上側に積層される上層ウエイトとを含み、前記ウエイトケースの内部には、前記上層ウエイトが取り外された状態において前記下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が前記機械本体側に配置され、前記上層ウエイトには、前記上層ウエイトを前記ウエイトケースに装着した場合に前記昇降手段を配置するための切り欠きが形成されており、前記昇降手段の上端は、前記ウエイトケースに装着された前記上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置され、前記昇降手段は、複数の踏み面と前記複数の踏み面に直交する複数の側面とを含む階段であり、前記複数の側面のうち少なくとも1つの側面には、当て材が設けられていることを特徴とする作業機械を更に提供している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、下層ウエイトの上面にアクセス可能な昇降手段が機械本体側に配置されるので、下層ウエイトの上面に安全にアクセスすることが可能である。また、昇降手段の上端が上層ウエイトの上面よりも高い位置に配置されるので、昇降手段を目印として上層ウエイトを下層ウエイトに対して安全かつ容易に位置合わせすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による解体機(作業機械)の一部を示す斜視図。
図2】積層式のカウンタウエイト(上層カウンタウエイト装着前)を示す斜視図。
図3】解体機(上層カウンタウエイト装着前)の一部を示す斜視図。
図4】積層式のカウンタウエイト(上層カウンタウエイト装着後)を示す斜視図。
図5】変形例に係るカウンタウエイト(上層カウンタウエイト装着前)を示す斜視図。
図6】変形例に係るカウンタウエイト(上層カウンタウエイト装着後)を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1.実施形態>
本発明の実施形態によるカウンタウエイト構造及び作業機械について、図1から図4を参照しながら説明する。以下、本発明に係る作業機械として、高層ビルの解体作業向けに設計された解体機1(図1参照)を例示する。また、本発明に係るカウンタウエイト構造として、積層式のカウンタウエイト3(図2参照)を例示する。
【0015】
図1に示す大型の解体機1は、そのままの状態では輸送できない。そのため、解体機1は、分解された状態で輸送され、実際の作業現場で組み立てられて使用される。
【0016】
図1に示すように、解体機1は、図示しない下部走行体と、下部走行体に搭載された機械本体2と、機械本体2の前部に起伏可能に設けられる作業アタッチメント(不図示)と、機械本体2の後部に設けられる積層式のカウンタウエイト3とを備えて構成される。
【0017】
図2に示すように、カウンタウエイト3は、上面に開口41が形成されたウエイトケース4と、ウエイトケース4の内部において積層される積層ウエイト5とを備えて構成される。
【0018】
積層ウエイト5は、ウエイトケース4と一体化された下層ウエイト51と、下層ウエイト51の上側に積層される上層ウエイト53とからなる。下層ウエイト51はウエイトケース4に固定されているが、上層ウエイト53はウエイトケース4に対して脱着可能に構成されている。詳細には、上層ウエイト53は、開口41を介して出し入れ可能に構成されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、下層ウエイト51の上面には、クレーンによる吊り作業時の玉掛けに用いられる吊環511が設けられている。下層ウエイト51はウエイトケース4に固定されているため、下層ウエイト51が持ち上げられると、ウエイトケース4も一緒に持ち上げられる。
【0020】
また、下層ウエイト51の上面には、機械幅方向の略中央において機械本体側(前側)に階段6が設けられている。階段6は、2つの踏み面6U,6Lを有し、一方向に延びる昇降方向が機械幅方向(左右方向)と一致するように配置されている。詳細には、階段6は、踏み面6Uが右側、踏み面6Lが左側に配置され、作業者が右側から左側に降りる(左側から右側に昇る)ように配置されている。なお、図示は省略するが、階段6の踏み面6U,6Lには、それぞれ滑り止めが施されている。
【0021】
図3に示すように、階段6のうち右側を向く側面61には、上下方向に長尺な鉄板が当て材610として設けられている。また、階段6のうち後側を向く側面63には、上下方向に長尺な鉄板が当て材630として設けられている。
【0022】
当て材610,630は、後述の上層ウエイト53をウエイトケース4に装着する最中に、上層ウエイト53に形成された切り欠き533(図2参照)の内側の面を当接させ、上層ウエイト53を下層ウエイト51に対して位置合わせするための部材である。
【0023】
図3に示すように、当て材610は、側面61のうち最も前側に配置されている。当て材630は、側面63のうち踏み面6Lよりも上側の領域において最も左側に配置されている。
【0024】
図4に示すように、上層ウエイト53が装着された状態において、当て材610の下端は上層ウエイト53の上面よりも下側に配置される。なお、図示は省略するが、当て材630の下端も上層ウエイト53の上面よりも下側に配置される。
【0025】
続いて、下層ウエイト51の上側に積層される上層ウエイト53について詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、上層ウエイト53の上面には、クレーンによる吊り作業時の玉掛けに用いられる吊環531が設けられている。上層ウエイト53はウエイトケース4に対して脱着可能に構成されているため、上層ウエイト53が持ち上げられると、上層ウエイト53は開口41を介してウエイトケース4から取り外される。
【0027】
上層ウエイト53の前端側には、機械幅方向の略中央に切り欠き(凹部)533が形成されている。切り欠き533は、上述した階段6の外形に沿った上面視矩形形状を有している。図4に示すように、上層ウエイト53がウエイトケース4に装着されると、上層ウエイト53の切り欠き533には階段6が配置される。
【0028】
切り欠き533は、階段6の側面を包囲する一方、階段6の踏み面6U及び踏み面6Lの双方を覆わない形状で構成されている。
【0029】
上層ウエイト53をウエイトケース4に装着する過程において、階段6の当て材610を目印として上層ウエイト53が徐々に下ろされる。上層ウエイト53の切り欠き533に階段6の上端側が配置されたタイミングで、階段6に設けられた当て材610,630に対して切り欠き533の内側の面が当てられる。
【0030】
切り欠き533の内側の面が当て材610,630に当たると、上層ウエイト53とウエイトケース4との間に若干の隙間が生じ、上層ウエイト53をウエイトケース4に干渉せずに下ろしていくことが可能になる。
【0031】
切り欠き533の内側の面が当て材610,630に当たった状態のまま更に上層ウエイト53が下ろされると、最終的には、上層ウエイト53がウエイトケース4に対して装着される。
【0032】
上層ウエイト53がウエイトケース4に装着された状態(図1参照)において、階段6の上端(踏み面6U)は、上層ウエイト53の上面よりも高く、機械本体2の上面よりも低い位置に配置される。
【0033】
他方、上層ウエイト53がウエイトケース4から取り外された状態(図3参照)において、作業者は、機械本体2のメンテナンス通路21から階段6の踏み面6U,6Lを介して下層ウエイト51の上面に安全に降りることができる。
【0034】
上述した実施形態によれば、上層ウエイト53が取り外された状態において、下層ウエイト51の上面にアクセス可能な階段6が機械本体2の側(前側)に配置されている。そのため、下層ウエイト51の上面に設けられた吊環511に安全に移動(アクセス)することが可能である。
【0035】
また、上述した実施形態によれば、階段6の上端(踏み面6U)が上層ウエイト53の上面よりも高い位置に配置されている。そのため、上層ウエイト53をウエイトケース4に装着する際に、階段6を目印として上層ウエイト53を下層ウエイト51に対して安全かつ容易に位置合わせすることが可能である。
【0036】
特に、上述した実施形態では、階段6の側面61,63に設けられた当て材610,630に上層ウエイト53の切り欠き533の内側の面を当てることで上層ウエイト53を位置合わせしている。そのため、作業者が上層ウエイト53を人力で動かしたり、上層ウエイト53と下層ウエイト51との隙間を目視で確認したりする必要がない。よって、上層ウエイト53を下層ウエイト51に対してより安全かつ容易に位置合わせでき、更には製缶物の寸法公差によるばらつきの影響も低減できる。
【0037】
また、上述した実施形態によれば、階段6の側面61,63に当て材610,630が設けられているため、階段6の側面61,63と上層ウエイト53とが直接接触せずに済み、階段6の損傷(側面61,63の塗装の剥がれ等)を防止することが可能である。
【0038】
また、上述した実施形態によれば、切り欠き533が階段6の踏み面6U及び踏み面6Lの双方を覆わない形状で構成されている。そのため、切り欠き533が階段6の踏み面6U及び踏み面6Lの全部又は一部を覆う場合に比べ、製缶公差の影響が低減され、結果として上層ウエイト53を下層ウエイト51の上面まで確実におろすことが可能である。また、上層ウエイト53が階段6の踏み面6U,6Lに対して接触しないため、踏み面6U,6Lに施された滑り止めが摩耗しない。
【0039】
また、上述した実施形態によれば、階段6は、昇降方向が機械幅方向(左右方向)と一致するように配置されている。図3に示すように、ウエイトケース4は、機械幅方向が機械前後方向よりも長い。そのため、階段6の昇降方向をスペースにゆとりのある機械幅方向に一致させることで、昇降時の安全性を向上することが可能である。
【0040】
また、上述した実施形態によれば、当て材610は、側面61のうち最も前側に配置されている。また、当て材630は、側面63のうち踏み面6Lよりも上側の領域において最も左側に配置されている。そのため、切り欠き533の内側の面を当て材610,630に当接した際、上層ウエイト53のがたつきを最小限に抑えることが可能である。
【0041】
<2.変形例>
本発明によるカウンタウエイト構造及び作業機械は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0042】
上述した実施形態では、図2に示すように、階段6の昇降方向が機械幅方向(左右方向)と一致するように階段6を配置する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、階段6の昇降方向が機械前後方向と一致するように階段6を配置するようにしてもよい。
【0043】
かかる変形例において、上述した実施形態のように切り欠き533が階段6の踏み面6U,6Lの双方を覆わない形状にすると、切り欠き533の凹部の前後方向が深くなり過ぎる。そこで、かかる変形例では、図6に示すように、上層ウエイト53を装着した場合に、切り欠き533が上側の踏み面6Uを覆わない一方で下側の踏み面6Lを覆う形状となっている。これにより、踏み面6U,6Lの双方を覆う場合に比べ、切り欠き533の凹部の前後方向を浅くすることができる。
【0044】
また、上述した実施形態によれば、図2に示すように、階段6が右側から左側に降りる(左側から右側に昇る)ように構成される場合を例示したが、これに限定されない。階段6の昇降方向が機械幅方向と一致していれば、左側から右側に降りる(右側から左側に昇る)ように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように本発明によるカウンタウエイト構造は、作業機械の輸送時に分解可能な積層式のカウンタウエイトに適している。
【符号の説明】
【0046】
1 解体機、2 機械本体、3 カウンタウエイト、4 ウエイトケース、
5 積層ウエイト、6 階段、6U,6L 踏み面、21 メンテナンス通路、
41 開口、51 下層ウエイト、53 上層ウエイト、61,63 側面、
511 吊環、531 吊環、533 切り欠き、610,630 当て材
図1
図2
図3
図4
図5
図6