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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】流量可変バルブ機構、及び、過給機
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/18 20060101AFI20220222BHJP
   F16K 1/48 20060101ALI20220222BHJP
   F16F 1/32 20060101ALI20220222BHJP
   F16K 1/20 20060101ALI20220222BHJP
   F16K 1/32 20060101ALI20220222BHJP
   F16B 39/24 20060101ALN20220222BHJP
   F16B 43/00 20060101ALN20220222BHJP
【FI】
F02B37/18 A
F16K1/48 Z
F16F1/32
F16K1/20 B
F16K1/32 C
F16B39/24 A
F16B43/00 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020513069
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 JP2019000533
(87)【国際公開番号】W WO2019198284
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2018077430
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】ビョン 眞熹
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-197068(JP,A)
【文献】特開2013-253676(JP,A)
【文献】特開2014-218945(JP,A)
【文献】特開2018-031310(JP,A)
【文献】実開昭59-113510(JP,U)
【文献】特開2015-166621(JP,A)
【文献】特開2014-101958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00-43/02
F16F 1/00- 6/00
F02B 33/00-41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、前記弁体から突出するバルブ軸と、を有するバルブと、
前記バルブ軸の前記弁体とは反対側に固定された止め部材と、
前記弁体と前記止め部材との間において前記バルブ軸に取り付けられ、前記止め部材と共に前記バルブを保持するバルブ取付部材と、
前記バルブ取付部材と前記止め部材との間、又は、前記バルブ取付部材と前記弁体との間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記バルブ取付部材及び前記バルブに反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項2】
バルブと、
前記バルブが第1端に連結されたステムと、
前記ステムを回転可能に支持する筒状の軸受と、
前記軸受の前記バルブとは反対側の端面から突出する前記ステムの第2端に連結されたリンク部材と、
前記軸受の前記端面と前記リンク部材との間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記軸受及び前記リンク部材に反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項3】
バルブと、
前記バルブが第1端に連結されたステムと、
前記ステムの第2端が基端部に連結されたリンク部材と、
前記リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、
前記リンク部材と前記作動ロッドとの間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記リンク部材及び前記作動ロッドに反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項4】
バルブと、
前記バルブが第1端に連結されたステムと、
前記ステムの第2端が基端部に連結された第1リンク部材と、
前記第1リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、
前記作動ロッドの前記第1リンク部材とは反対側の基端部に連結された第2リンク部材と、
前記作動ロッドと前記第2リンク部材との間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記作動ロッド及び前記第2リンク部材に反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項5】
バルブと、
前記バルブが第1端に連結されたステムと、
前記ステムの第2端が基端部に連結されたリンク部材と、
前記リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、
前記作動ロッドを挟んで前記リンク部材と反対側に設けられており、前記作動ロッドと前記リンク部材とを連結するための止め部材と、
前記作動ロッドと前記止め部材との間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記止め部材及び前記作動ロッドに反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項6】
バルブと、
前記バルブが第1端に連結されたステムと、
前記ステムの第2端が基端部に連結された第1リンク部材と、
前記第1リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、
前記作動ロッドの前記第1リンク部材とは反対側の基端部に連結された第2リンク部材と、
前記作動ロッドを挟んで前記第2リンク部材と反対側に設けられており、前記作動ロッドと前記第2リンク部材とを連結するための止め部材と、
前記作動ロッドと前記止め部材との間に配置され、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、前記作動ロッド及び前記止め部材に反発力を与える前記スプリングワッシャと、を備え、
前記スプリングワッシャが、
前記軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、前記座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、
前記支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、前記平面に対して傾斜するように延びる変形部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の厚さ方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記支持部の前記開放面上に設けられており、
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の縁を折り曲げることによって形成されており、
前記支持部の前記径方向又は前記周方向のうち前記変形部が接続される方向において、前記支持部の寸法は前記突出部の寸法より大きく、
前記突出部は前記支持部の前記開放面と連続して設けられた面を有し、前記突出部の前記面は前記支持部の前記開放面と接触している、流量可変バルブ機構。
【請求項7】
前記支持部は、前記軸線を中心として環状に形成されており、
前記変形部は、前記支持部の前記径方向の端部に接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項8】
前記変形部は、前記支持部の前記径方向の外端部に接続されている、請求項7に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項9】
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の内縁を折り曲げることによって形成されている、請求項8に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項10】
前記変形部は、前記支持部の前記径方向の内端部に接続されている、請求項7に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項11】
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の外縁を折り曲げることによって形成されている、請求項10に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項12】
前記支持部は、
前記軸線に垂直な第1平面に沿って形成された第1座面と、前記第1座面とは反対側の第1開放面と、をそれぞれ含む複数の第1支持部と、
前記軸線に垂直であり前記軸線に沿った方向において前記第1平面から離間する第2平面に沿って形成された第2座面と、前記第2座面とは反対側の第2開放面と、をそれぞれ含む複数の第2支持部と、を備え、
前記第1支持部と前記第2支持部とは、前記周方向に離間すると共に前記周方向に交互に配置されており、
前記変形部は、前記第1支持部の前記周方向の端部及び前記第2支持部の前記周方向の端部に接続され、前記第1平面及び前記第2平面に対して傾斜するように延びる複数の傾斜部を有し、
前記突出部は、前記第1支持部の前記第1開放面上、及び、前記第2支持部の前記第2開放面上の少なくとも一方に設けられている、請求項1~6の何れか一項に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項13】
前記突出部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方の前記径方向の端部を折り曲げることによって形成されている、請求項12に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項14】
前記突出部は、前記支持部の前記径方向の内縁を折り曲げることによって形成されている、請求項13に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項15】
前記突出部は、前記周方向の寸法が前記径方向の先端側に向かって減少する、請求項12~14のいずれか一項に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項16】
前記支持部は、前記周方向の寸法が前記径方向の外側に向かって増加する、請求項12~15のいずれか一項に記載の流量可変バルブ機構。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載の流量可変バルブ機構を備える過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スプリングワッシャ、流量可変バルブ機構、及び、過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
支持部と変形部とを有し、支持部と変形部とが互いに交差するように一体的に形成されたスプリングワッシャが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなスプリングワッシャは、変形部と支持部とが互いに平行な状態に近づくように押圧されると、変形部の変形により当該押圧に反発する反発力を発生させる。スプリングワッシャは、このような反発力によってスプリングの機能を果たしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-197068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなスプリングワッシャでは、変形部が変形しすぎて塑性変形するおそれがある。変形部が塑性変形すると、スプリングワッシャのスプリングとしての機能が損なわれ、信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、信頼性が向上されたスプリングワッシャ、流量可変バルブ機構、及び、過給機を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るスプリングワッシャは、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、平面に対して傾斜するように延びる変形部と、支持部及び変形部の少なくとも一方に設けられ、支持部又は変形部の厚さ方向に突出する突出部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、信頼性が向上されたスプリングワッシャ、流量可変バルブ機構、及び、過給機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る流量可変バルブ機構が適用された過給機を示す断面図である。
図2図2は、図1の過給機を示す側面図である。
図3図3は、図2中のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図3中のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、それぞれ図4中のスプリングワッシャの斜視図である。
図6図6は、図4の一部拡大図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、それぞれ第2実施形態に係るスプリングワッシャの斜視図である。
図8図8は、変形例に係るスプリングワッシャを備える流量可変バルブ機構の一部拡大図である。
図9図9は、変形例に係る流量可変バルブ機構の斜視図である。
図10図10は、図9の流量可変バルブ機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係るスプリングワッシャは、軸線を中心として環状に形成されたスプリングワッシャであって、軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、座面とは反対側の開放面と、を含む支持部と、支持部の径方向の端部又は周方向の端部に接続され、平面に対して傾斜するように延びる変形部と、支持部及び変形部の少なくとも一方に設けられ、支持部又は変形部の厚さ方向に突出する突出部と、を備える。
【0010】
このスプリングワッシャでは、支持部は、軸線に垂直な平面に沿って形成された座面と、座面とは反対側の開放面と、を含んでいる。変形部は、支持部の径方向又は周方向の端部に接続され、上記平面に対して傾斜するように延びている。スプリングワッシャは、例えば軸線に沿った軸線方向において2つの部品の間に配置される。変形部は、当該両部品が軸線方向に沿って互いに近接すると、上記平面(座面が接する面)に近づくように変形して反発力を発生させる。ここで、突出部は、支持部及び変形部の少なくとも一方に設けられ、支持部又は変形部の厚さ方向に突出している。このため、変形部が上記平面に到達する前に、上記両部品の何れか一方が突出部に当接する。これにより、変形部の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャの塑性変形が抑制される。よって、このスプリングワッシャによれば、信頼性を向上させることができる。
【0011】
いくつかの態様において、支持部は、軸線を中心として環状に形成されており、変形部は、支持部の径方向の端部に接続されており、突出部は、支持部の開放面上に設けられている。この場合、支持部が軸線を中心として環状に形成されているため、座面が例えば一方の部品に接するようにスプリングワッシャが配置されたときに、スプリングワッシャの安定性が向上する。
【0012】
いくつかの態様において、変形部は、支持部の径方向の外端部に接続されている。この場合、信頼性を向上させるとの上記効果を好適に奏することができる。
【0013】
いくつかの態様において、突出部は、支持部の径方向の内縁を折り曲げることによって形成されている。この場合、簡易な構成で信頼性を向上させるとの上記効果を奏することができる。
【0014】
いくつかの態様において、変形部は、支持部の径方向の内端部に接続されている。この場合、信頼性を向上させるとの上記効果を好適に奏することができる。
【0015】
いくつかの態様において、突出部は、支持部の径方向の外縁を折り曲げることによって形成されている。この場合、簡易な構成で信頼性を向上させるとの上記効果を奏することができる。
【0016】
いくつかの態様において、支持部は、軸線に垂直な第1平面に沿って形成された第1座面と、第1座面とは反対側の第1開放面と、をそれぞれ含む複数の第1支持部と、軸線に垂直であり軸線方向において第1平面から離間する第2平面に沿って形成された第2座面と、第2座面とは反対側の第2開放面と、をそれぞれ含む複数の第2支持部と、を備え、第1支持部と第2支持部とは、周方向に離間すると共に周方向に交互に配置されており、変形部は、第1支持部の周方向の端部及び第2支持部の周方向の端部に接続され、第1平面及び第2平面に対して傾斜するように延びる複数の傾斜部を有し、突出部は、第1支持部の第1開放面上、及び、第2支持部の第2開放面上の少なくとも一方に設けられている。この場合、スプリングワッシャは、例えば軸線に沿った軸線方向において2つの部品の間に配置される。傾斜部は、上記両部品が軸線方向に沿って互いに近接すると、第1座面と第2座面とが近づくと共に変形して反発力を発生させる。ここで、突出部は、第1支持部の第1開放面上、及び、第2支持部の第2開放面上の少なくとも一方に設けられている。このため、傾斜部が第1平面又は第2平面に到達する前に、上記両部品の何れか一方が突出部に当接する。これにより、傾斜部の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャの塑性変形が抑制される。よって、このスプリングワッシャによれば、信頼性を向上させることができる。
【0017】
本開示の一態様に係る流量可変バルブ機構は、弁体と、弁体から突出するバルブ軸と、を有するバルブと、バルブ軸の弁体とは反対側に固定された止め部材と、弁体と止め部材との間においてバルブ軸に取り付けられ、止め部材と共にバルブを保持するバルブ取付部材と、バルブ取付部材と止め部材との間、又は、バルブ取付部材と弁体との間に配置され、バルブ取付部材及びバルブに反発力を与える上記スプリングワッシャと、を備える。この場合、バルブ取付部材と止め部材と、又は、バルブ取付部材と弁体とが近接すると、スプリングワッシャの変形部は、変形して反発力を発生させる。ここで、変形部が座面に沿った平面に到達する前に、バルブ取付部材、止め部材、又は弁体の何れか一方が突出部に当接する。これにより、変形部の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャの塑性変形が抑制される。よって、この流量可変バルブ機構によれば、信頼性を向上させることができる。
【0018】
本開示の一態様に係る流量可変バルブ機構は、バルブと、バルブが第1端に連結されたステムと、ステムを回転可能に支持する筒状の軸受と、軸受のバルブとは反対側の端面から突出するステムの第2端に連結されたリンク部材と、軸受の端面とリンク部材との間に配置され、軸受及びリンク部材に反発力を与える上記スプリングワッシャと、を備える。この場合、スプリングワッシャのバネ力は、軸受とリンク部材との間の衝突を抑制し得る。これにより、流量可変バルブ機構における軸受とリンク部材との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機からの発生音を低減することができる。このことは、過給機の信頼性を向上させ得る。
【0019】
本開示の一態様に係る流量可変バルブ機構は、バルブと、バルブが第1端に連結されたステムと、ステムの第2端が基端部に連結されたリンク部材と、リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、リンク部材と作動ロッドとの間に配置され、リンク部材及び作動ロッドに反発力を与える上記スプリングワッシャと、を備える。この場合、スプリングワッシャのバネ力は、リンク部材と作動ロッドとの間の衝突を抑制し得る。これにより、流量可変バルブ機構におけるリンク部材と作動ロッドとの間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機からの発生音を低減することができる。このことは、過給機の信頼性を向上させ得る。
【0020】
本開示の一態様に係る流量可変バルブ機構は、バルブと、バルブが第1端に連結されたステムと、ステムの第2端が基端部に連結された第1リンク部材と、第1リンク部材の先端部に連結された作動ロッドと、作動ロッドの第1リンク部材とは反対側の基端部に連結された第2リンク部材と、作動ロッドと第2リンク部材との間に配置され、作動ロッド及び第2リンク部材に反発力を与える上記スプリングワッシャと、を備える。この場合、スプリングワッシャのバネ力は、作動ロッドと第2リンク部材との間の衝突を抑制し得る。これにより、流量可変バルブ機構における作動ロッドと第2リンク部材との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機からの発生音を低減することができる。このことは、過給機の信頼性を向上させ得る。
【0021】
本開示の一態様に係る過給機は、上記流量可変バルブ機構を備える。この場合、信頼性を向上させるとの上記効果を奏する流量可変バルブ機構を備えた過給機を提供することができる。
【0022】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[第1実施形態]
図1図3に示される過給機1は、たとえば車両用の過給機であり、図示しないエンジンから排出された排気ガスを利用して、エンジンに供給される空気を圧縮するものである。図1に示されるように、過給機1は、タービン2とコンプレッサ3とを備えている。タービン2は、タービンハウジング4と、タービンハウジング4に収納されたタービン翼車6と、を備えている。コンプレッサ3は、コンプレッサハウジング5と、コンプレッサハウジング5に収納されたコンプレッサ翼車7と、を備えている。
【0024】
タービン翼車6は回転軸14の第1端に設けられており、コンプレッサ翼車7は回転軸14の第2端に設けられている。タービンハウジング4とコンプレッサハウジング5との間には、軸受ハウジング13が設けられている。回転軸14は、軸受15を介して軸受ハウジング13に回転可能に支持されている。過給機1は、タービンロータ軸16を備えている。タービンロータ軸16は、回転軸14とタービン翼車6とを備えている。タービンロータ軸16及びコンプレッサ翼車7は一体の回転体として回転する。
【0025】
タービンハウジング4には、排気ガス流入口8及び排気ガス流出口10が設けられている。エンジンから排出された排気ガスは、排気ガス流入口8を通じてタービンスクロール流路4aに流入し、タービン翼車6を回転させ、その後、排気ガス流出口10を通じてタービンハウジング4外に流出する。
【0026】
コンプレッサハウジング5には、吸入口9及び吐出口11が設けられている。上記のようにタービン翼車6が回転すると、タービンロータ軸16及びコンプレッサ翼車7が回転する。回転するコンプレッサ翼車7は、吸入口9から吸入した空気を圧縮する。圧縮空気は、コンプレッサスクロール流路5aを通過し、吐出口11から吐出される。吐出口11から吐出された圧縮空気は、エンジンに供給される。
【0027】
タービンハウジング4の内部には、排気ガス流入口8から導入した排気ガスの一部を、タービン翼車6をバイパスさせて排気ガス流出口10側へ導出するためのバイパス通路(図3参照)17が形成されている。バイパス通路17は、タービン翼車6側へ供給される排気ガスの流量を可変とするためのガス流量可変通路である。
【0028】
図2及び図3に示されるように、過給機1は、タービンハウジング4の内部に設けられたウェイストゲートバルブ20(流量可変バルブ機構の一例)を備えている。ウェイストゲートバルブ20は、バイパス通路17の開口部を開閉するように構成されている。ウェイストゲートバルブ20は、タービンハウジング4の外壁に対して回転可能に支持されたステム21と、ステム21の第1端21aからステム21の径方向に張り出すバルブ取付部材22と、バルブ取付部材22の先端部22bに保持されたバルブ23と、バルブ23の一端に固定され、バルブ取付部材22と共にバルブ23を保持する止め金(止め部材)26と、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置されたスプリングワッシャ30(図4参照)と、を備えている。ウェイストゲートバルブ20は、ステム21を回転可能に支持する軸受41と、ステム21に連結されたリンク部材(第1リンク部材)42と、リンク部材42に連結された作動ロッド51と、作動ロッド51に連結されたリンク部材52(第2リンク部材、図9及び図10参照)と、を更に備えている。
【0029】
タービンハウジング4の外壁には、外壁の板厚方向に貫通する支持穴(貫通穴)4bが形成されている。支持穴4b内には、円筒状の軸受41が挿通されている。軸受41は、タービンハウジング4の外壁に対して固定されている。軸受41は、軸線方向において第1端側から第2端側にわたって一定の直径を有してもよい。タービンハウジング4内に位置する軸受41の第1端面41aは、平坦に形成されている。タービンハウジング4外に位置する軸受41の第2端面41bは、平坦に形成されている。軸受41の形状は、特に限定されず、あらゆる形状であり得る。軸受41は、タービンハウジング4内の第1端側に形成される小径部と、タービンハウジング4外の第2端側に形成される大径部とを有してもよい。軸受41は、第1端側から第2端側に向けて拡径する傾斜部を有してもよい。
【0030】
ステム21は、軸受41に挿通されて、タービンハウジング4の外壁に対して、回転可能に支持されている。ステム21のタービンハウジング4内に配置された第1端21aは、バルブ取付部材22の基端部22aに形成された筒状部に挿通されている。バルブ取付部材22の基端部22aは、溶接等によってステム21の第1端21aに接合されている。バルブ取付部材22の基端部22aに形成された筒状部の軸受41側の端面は、軸受41の第1端面41aと平行であり、第1端面41aに対面している。ステム21は、ステム21の軸線回りに回転し、バルブ取付部材22を揺動させる。バルブ取付部材22の先端部22bには、バルブ23を取付けるための取付穴22c(図4参照)が設けられている。
【0031】
ステム21のタービンハウジング4の外部に配置され、軸受41のバルブ23とは反対側の第2端面41bから突出する第2端21bには、ステム21の径方向に突出する板状のリンク部材42の基端部が固定(連結)されている。ステム21の第2端21bは、リンク部材42に形成された貫通孔を貫通している。リンク部材42の裏面42aは、軸受41の第2端面41bと平行であり、第2端面41bに対面している。
【0032】
リンク部材42の先端部には、作動ロッド51が連結されている。具体的には、リンク部材42の先端部には、連結ピン43が挿通される取付穴が形成され、この取付穴に連結ピン43が挿通されている。また、連結ピン43は、作動ロッド51の先端部51aに形成された取付穴に挿通されている。連結ピン43の第1端部はカシメによって作動ロッド51に固定されている。連結ピン43の第2端部には、クリップ44が装着されて、連結ピン43の取付穴からの脱落が防止されている。作動ロッド51の先端部51aおよび連結ピン43はリンク部材42に対して回転可能である。作動ロッド51の移動に伴い、リンク部材42の先端部は、ステム21の軸線を中心に揺動する。言い換えれば、ステム21は、リンク部材42及び連結ピン43を介して、作動ロッド51に連結されている。
【0033】
作動ロッド51のリンク部材42とは反対側の基端部には、リンク部材52が連結されている。具体的には、リンク部材52の先端部には、連結ピンが挿通される取付穴が形成され、この取付穴に連結ピンが挿通されている。また、連結ピンは、作動ロッド51の基端部に形成された取付穴に挿通されている。連結ピンの第1端部はカシメによって作動ロッド51に固定されている。連結ピンの第2端部には、クリップが装着されて、連結ピンの取付穴からの脱落が防止されている。作動ロッド51の基板部および連結ピンはリンク部材52に対して回転可能である。
【0034】
アクチュエータ50は、コンプレッサハウジング5から側方に突出するブラケット18に固定されている。アクチュエータ50は、たとえば、作動ロッド51を駆動するダイヤフラムと、作動ロッド51の軸線方向においてダイヤフラムを挟んで隣接する低圧室59及び高圧室58と、低圧室59内に配置されダイヤフラムを付勢する復帰スプリングとを備えている。アクチュエータ50では、コンプレッサ3の出口側の圧力が設定圧に達すると作動ロッド51を先端側に移動させると共に、コンプレッサ3の出口側の圧力が設定圧未満になると作動ロッド51を基端側へ移動させる。
【0035】
次に、ウェイストゲートバルブ20について詳細に説明する。図3及び図4に示されるように、バルブ23は、バイパス通路17の開口部17aの周縁部17bに当接離隔可能なものである。周縁部17bは、バイパス通路17が形成された部材の表面である。バルブ23は、弁体24と、弁体24から突出するバルブ軸25と、を有している。弁体24は、たとえば円盤状を成している。弁体24は、周縁部17bに対面する封止面24aと、24aとは反対側の背面24bと、背面24bから突出する支持面24cと、を含んでいる。バルブ軸25は、弁体24のバイパス通路17とは反対側に突出している。バルブ軸25は、弁体24の支持面24cから突出している。バルブ軸25は、たとえば円柱状を成している。バルブ軸25は、たとえば弁体24と一体的に形成されている。
【0036】
バルブ軸25は、バルブ取付部材22の取付穴22cに挿通されている。バルブ取付部材22は、弁体24に対面する第1取付面22dと、第1取付面22dとは反対側の第2取付面22eと、を含んでいる。バルブ取付部材22の第1取付面22dは、弁体24の支持面24cに当接している。
【0037】
止め金26は、バルブ軸25の弁体24とは反対側の端部25aに固定されている。止め金26は、例えばカシメによってバルブ軸25に固定されている。止め金26は、バルブ取付部材22が、弁体24と止め金26との間に配置されるように、バルブ軸25に固定されている。止め金26は、バルブ取付部材22に対面する第1止め面26aと、第1止め面26aとは反対側の第2止め面26bと、を含んでいる。
【0038】
バルブ軸25の外径は、取付穴22cの内径よりも小さい。止め金26の第1止め面26aと弁体24の支持面24cとの距離は、バルブ取付部材22の厚さよりも大きい。つまり、止め金26の第1止め面26aとバルブ取付部材22の第2取付面22eとの間には隙間が設けられている。このように、バルブ取付部材22は、弁体24と止め金26との間においてバルブ軸25に取り付けられ、止め金26と共にバルブ23を保持している。言い換えれば、バルブ23は、バルブ取付部材22及び止め金26を介して、ステム21の第1端21aに連結されている。
【0039】
スプリングワッシャ30は、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置され、バルブ取付部材22及びバルブ23に反発力(弾性力)を与える。図5及び図6に示されるように、スプリングワッシャ30は、いわゆるクォータビード型の皿ばねである。スプリングワッシャ30は、軸線X(図4参照)を中心として環状に形成されている。スプリングワッシャ30は、環状に形成された支持部31と、支持部31の径方向の端部に接続された変形部(弾性変形部)32と、を備えている。
【0040】
支持部31は、軸線Xを中心として円環状に形成されている。支持部31は、軸線Xに垂直な平面Pに沿って形成された座面31aと、座面31aとは反対側の開放面31bと、を含んでいる。支持部31は、径方向の外端部31cと、径方向の内端部31dと、を含んでいる。
【0041】
変形部32は、軸線Xを中心として円環状に形成されている。変形部32は、第1面32aと、第1面32aとは反対側の第2面32bと、を含んでいる。変形部32は、径方向の外端部32cと、径方向の内端部32dと、を含んでいる。変形部32は、内端部32dが支持部31の外端部31cに接続されることによって、支持部31と一体的に形成されている。なお、図6においては、支持部31と変形部32との境界の一例が仮想線Bによって示されている。
【0042】
変形部32は、平面Pに対して傾斜するように延びている。変形部32は、支持部31の外端部31cから平面Pに沿って径方向外側に延びた後、開放面31b側に向けて折り曲がっている。つまり、変形部32は、折り曲がり部を含んでいる。変形部32の第1面32aは、支持部31の座面31aと一続きに形成されている。変形部32の第2面32bは、支持部31の開放面31bと一続きに形成されている。変形部32の厚さは、支持部31の厚さと同一である。変形部32の応力―ひずみ曲線(荷重―たわみ特性曲線)は、非線形であってもよい。変形部32は、フックの法則に従う線形弾性体であってもよい。
【0043】
スプリングワッシャ30は、支持部31に設けられ支持部31の厚さ方向に突出する突出部33を更に備えている。突出部33は、支持部31の開放面31b上に設けられている。突出部33は、軸線Xを中心として円環状に形成されている。突出部33は、支持部31に対面する第3面33aと、第3面33aとは反対側の第4面33bと、を含んでいる。突出部33は、径方向の外端部33cと、径方向の内端部33dと、を含んでいる。突出部33は、内端部33dが支持部31の内端部31dと接続されることによって、支持部31と一体的に形成されている。突出部33は、支持部31の径方向の内縁を例えば180°折り曲げることによって形成されている。
【0044】
突出部33の第3面33aは、支持部31の開放面31bと一続きに形成されている。突出部33の第3面33aは、支持部31の開放面31bに接している。突出部33の第4面33bは、支持部31の座面31aと一続きに形成されている。突出部33の厚さは、支持部31の厚さと同一である。
【0045】
以上のように、スプリングワッシャ30は、厚さが均一な一枚の円環状の部材から一体的に形成されている。スプリングワッシャ30の突出部33が設けられている領域における厚さは、支持部31、変形部32、又は突出部33の厚さの2倍である。変形部32の外端部32cは、突出部33に対して支持部31とは反対側に位置している。つまり、変形部32の外端部32cは、突出部33の第4面33bよりも突出している。軸線Xに沿った軸線方向において、変形部32の長さ(支持部31の座面31aから変形部32の外端部32cまでの軸線方向における距離)は、支持部31の厚さと突出部33の厚さとの合計よりも大きい。軸線方向において、セット前の自然状態における変形部32の長さは、バルブ取付部材22の第2取付面22eと止め金26の第1止め面26aとの最大距離よりも大きい。
【0046】
スプリングワッシャ30の材質は、例えば弾性を有する金属である。スプリングワッシャ30の材質は、例えば、インコネル[INCONEL(商標登録)]718である。スプリングワッシャ30は、支持部31の座面31aがバルブ取付部材22の第2取付面22eに接し、変形部32の外端部32cが止め金26の第1止め面26aに接するように配置されている。スプリングワッシャ30は、バルブ取付部材22及び止め金26に反発力を与える。なお、図6においては、スプリングワッシャ30がセット位置まで押圧されて、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置されている状態が示されている。つまり、スプリングワッシャ30のセット位置では、変形部32が自然状態よりも平面Pに近づくように移動した状態にある。
【0047】
以上のように構成されたウェイストゲートバルブ20は、アクチュエータ50等の動作によって開閉される。すなわち、アクチュエータ50等の動作によってバルブ取付部材22が揺動して、バルブ23がバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bに当接すると、ウェイストゲートバルブ20は閉状態となる。バルブ取付部材22が揺動して、バルブ23がバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bから離れると、ウェイストゲートバルブ20は開状態となる。
【0048】
ウェイストゲートバルブ20の閉状態においては、バルブ取付部材22が周縁部17bに対して傾斜する場合がある。つまり、ウェイストゲートバルブ20の閉状態において、弁体24の封止面24aが周縁部17bに対して傾斜し、バイパス通路17が完全に封止されない場合がある。このようなことを考慮し、上述したように、バルブ軸25の外径は、バルブ取付部材22の取付穴22cの内径よりも小さく、止め金26の第1止め面26aと弁体24の支持面24cとの距離は、バルブ取付部材22の厚さよりも大きくされている。つまり、バルブ23は、バルブ取付部材22に対して微動(傾動を含む)可能に支持されている。
【0049】
そのため、ウェイストゲートバルブ20が僅かに開いた状態において、バルブ23がバルブ取付部材22に対して微動した結果、バルブ23がバルブ取付部材22あるいはバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bと接触し、異音が発生するおそれがある。このとき、上述したように、バルブ取付部材22と止め金26との間にはスプリングワッシャ30が設けられているため、バルブ23のバルブ取付部材22に対する微動が抑制される。その結果、バルブ23がバルブ取付部材22あるいはバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bと接触することによる異音の発生が抑制される。
【0050】
また、バルブ取付部材22に対するバルブ23の位置が変化し得るため、ウェイストゲートバルブ20の閉状態であって、バルブ取付部材22が周縁部17bに対して傾斜している場合に、弁体24の封止面24aを周縁部17bに平行となる方向に移動させることができる。弁体24の封止面24aを周縁部17bに平行となる方向に移動させると、バルブ取付部材22に対して止め金26の位置が変化し、バルブ取付部材22の第2取付面22eと止め金26の第1止め面26aとが近接する場合がある。このとき、スプリングワッシャ30は、変形部32が平面Pに近づくように変形することによって止め金26を介してバルブ23に反発力を与え、封止面24aが周縁部17bに密着する方向に弁体24を移動させることができる。なお、スプリングワッシャ30の弾性は、封止面24aが周縁部17bに密着する方向に弁体24を移動させる場合に、バルブ取付部材22に対するバルブ23の微動を妨げない程度の大きさにしておくことができる。
【0051】
以上説明したように、スプリングワッシャ30では、支持部31は、軸線Xに垂直な平面Pに沿って形成された座面31aと、座面31aとは反対側の開放面31bと、を含んでいる。変形部32は、支持部31の径方向の端部に接続され、平面Pに対して傾斜するように延びている。スプリングワッシャ30は、軸線Xに沿った軸線方向においてバルブ取付部材22と止め金26との間に配置されている。変形部32は、バルブ取付部材22と止め金26とが軸線方向に沿って互いに近接すると、平面Pに近づくように変形して反発力を発生させる。ここで、突出部33は、支持部31に設けられ、支持部31の厚さ方向に突出している。このため、変形部32が平面Pに到達する前に、止め金26が突出部33に当接する。すなわち、スプリングワッシャ30は、弾性変形領域で変形しており、スプリングワッシャ30が塑性変形領域に達する前に、止め金26が突出部33に当接する。これにより、変形部32の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャ30の塑性変形が抑制される。よって、スプリングワッシャ30によれば、信頼性を向上させることができる。なお、このような効果は、スプリングワッシャ30を備えた過給機1の運転が熱間時にあるときに特に顕著となる。
【0052】
スプリングワッシャ30では、支持部31は、軸線Xを中心として環状に形成されており、変形部32は、支持部31の径方向の端部に接続されており、突出部33は、支持部31の開放面31b上に設けられている。この構成によれば、支持部31が軸線Xを中心として環状に形成されているため、座面31aが例えばバルブ取付部材22の第2取付面22eに接するようにスプリングワッシャ30が配置されたときに、スプリングワッシャ30の安定性が向上する。
【0053】
スプリングワッシャ30では、変形部32は、支持部31の径方向の外端部31cに接続されている。この構成によれば、信頼性を向上させるとの上記効果を好適に奏することができる。
【0054】
スプリングワッシャ30では、突出部33は、支持部31の径方向の内縁を折り曲げることによって形成されている。この構成によれば、簡易な構成で信頼性を向上させるとの上記効果を奏することができる。
【0055】
ウェイストゲートバルブ20は、弁体24と、弁体24から突出するバルブ軸25と、を有するバルブ23と、バルブ軸25の弁体24とは反対側に固定された止め金26と、弁体24と止め金26との間においてバルブ軸25に取り付けられ、止め金26と共にバルブ23を保持するバルブ取付部材22と、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置され、バルブ取付部材22及びバルブ23に反発力を与えるスプリングワッシャ30と、を備える。この構成によれば、バルブ取付部材22と止め金26とが近接すると、スプリングワッシャ30の変形部32は、変形して反発力を発生させる。ここで、変形部32が座面31aに沿った平面Pに到達する前に、止め金26が突出部33に当接する。これにより、変形部32の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャ30の塑性変形が抑制される。よって、ウェイストゲートバルブ20によれば、信頼性を向上させることができる。
【0056】
過給機1は、ウェイストゲートバルブ20を備える。この構成によれば、信頼性を向上させるとの上記効果を奏するウェイストゲートバルブ20を備えた過給機1を提供することができる。
【0057】
[第2実施形態]
第2実施形態のウェイストゲートバルブは、スプリングワッシャ30に代えて、スプリングワッシャ60を備えている点で第1実施形態のウェイストゲートバルブ20と主に相違している。図7に示されるように、スプリングワッシャ60は、いわゆる波ワッシャである。スプリングワッシャ60は、軸線(不図示)を中心として環状に形成されている。スプリングワッシャ60は、支持部70と、変形部80と、突出部90と、を備えている。
【0058】
支持部70は、複数の第1支持部71と、複数の第2支持部72と、を備えている。第1支持部71と第2支持部72とは、軸線を中心とした周方向に離間すると共に周方向に交互に配置されている。第1支持部71は、上記軸線に垂直な第1平面に沿って形成された第1座面71aと、第1座面71aとは反対側の第1開放面71bと、を含んでいる。第2支持部72は、軸線に垂直であり軸線方向において第1平面から離間する第2平面に沿って形成された第2座面72aと、第2座面72aとは反対側の第2開放面72bと、を含んでいる。第1座面71a及び第2座面72aは、軸線方向におけるスプリングワッシャ60の外側の表面である。第1開放面71b及び第2開放面72bは、軸線方向におけるスプリングワッシャ60の内側の表面である。第1支持部71の厚さは、第2支持部72の厚さと同一である。
【0059】
変形部80は、第1支持部71の周方向の端部及び第2支持部72の周方向の端部に接続され、第1平面及び第2平面に対して傾斜するように延びる複数の傾斜部81を有している。傾斜部81は、第1支持部71及び第2支持部72と一体的に形成されている。傾斜部81は、軸線方向において第1座面71aと第2座面72aとの間において形成されている。傾斜部81の一方の表面は、第1座面71a及び第2開放面72bと一続きに形成されている。傾斜部81の他方の表面は、第1開放面71b及び第2座面72aと一続きに形成されている。傾斜部81の厚さは、第1支持部71及び第2支持部72の厚さと同一である。
【0060】
突出部90は、第1支持部71の第1開放面71b上に設けられている。突出部90は、第1支持部71の内端部に接続され、第1支持部71と一体的に形成されている。突出部90は、第1支持部71の内縁を例えば180°折り曲げることによって形成されている。突出部90の一方の表面は、第1支持部71の第1開放面71bと一続きに形成されている。突出部90の一方の表面は、第1支持部71の第1開放面71bに接している。突出部90の他方の表面は、第1支持部71の第1座面71aと一続きに形成されている。突出部90の厚さは、第1支持部71の厚さと同一である。
【0061】
以上のように、スプリングワッシャ60は、厚さが均一な一枚の円環状の部材から一体的に形成されている。スプリングワッシャ60の突出部90が設けられている領域における厚さは、第1支持部71、第2支持部72、傾斜部81、又は突出部90の厚さの2倍である。第1座面71aと第2座面72aとの距離は、第1支持部71の厚さ、突出部90の厚さ、及び第2支持部72の厚さの合計よりも大きい。セット前の自然状態における第1座面71aと第2座面72aとの距離は、バルブ取付部材22の第2取付面22eと止め金26の第1止め面26aとの最大距離よりも大きい。
【0062】
スプリングワッシャ60は、例えば、第1支持部71の第1座面71aがバルブ取付部材22の第2取付面22eに接し、第2支持部72の第2座面72aが止め金26の第1止め面26aに接するように配置される。スプリングワッシャ60は、軸線方向に沿って押圧されると、変形部80が第1平面及び第2平面に近づくように変形することによって当該押圧に反発する反発力を発生させる。スプリングワッシャ60のセット位置では、変形部80が自然状態よりも第1平面及び第2平面に近づくように移動した状態にある。
【0063】
上述したように、バルブ23は、バルブ取付部材22に対して微動可能に支持されている。スプリングワッシャ60は、スプリングワッシャ30と同様に、バルブ23のバルブ取付部材22に対する微動を抑制することによって、バルブ23がバルブ取付部材22あるいはバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bと接触することによる異音の発生を抑制することができる。
【0064】
また、上述したように、バルブ取付部材22に対するバルブ23の位置が変化し得るため、ウェイストゲートバルブ20の閉状態であって、バルブ取付部材22が周縁部17bに対して傾斜している場合に、弁体24の封止面24aを周縁部17bに平行となる方向に移動させることができる。弁体24の封止面24aを周縁部17bに平行となる方向に移動させると、バルブ取付部材22に対して止め金26の位置が変化し、バルブ取付部材22の第2取付面22eと止め金26の第1止め面26aとが近接する場合がある。このとき、スプリングワッシャ60は、変形部80が第1平面及び第2平面に近づくように変形することによって止め金26を介してバルブ23に反発力を与え、封止面24aが周縁部17bに密着する方向に弁体24を移動させることができる。
【0065】
以上説明したように、スプリングワッシャ60では、支持部70は、軸線に垂直な第1平面に沿って形成された第1座面71aと、第1座面71aとは反対側の第1開放面71bと、をそれぞれ含む複数の第1支持部71と、軸線に垂直であり軸線方向において第1平面から離間する第2平面に沿って形成された第2座面72aと、第2座面とは反対側の第2開放面72bと、をそれぞれ含む複数の第2支持部72と、を備えている。第1支持部71と第2支持部72とは、周方向に離間すると共に周方向に交互に配置されている。変形部80は、第1支持部71の周方向の端部及び第2支持部72の周方向の端部に接続され、第1平面及び第2平面に対して傾斜するように延びる複数の傾斜部81を有している。突出部90は、第1支持部71の第1開放面71b上に設けられている。スプリングワッシャ60が例えばバルブ取付部材22と止め金26との間に配置されたとき、傾斜部81は、バルブ取付部材22と止め金26とが軸線方向に沿って互いに近接すると、第1座面71aと第2座面72aとが近づくと共に変形して反発力を発生させる。ここで、突出部90は、第1支持部71の第1開放面71b上に設けられている。このため、傾斜部81が第1平面又は第2平面に到達する前に、止め金26が突出部90に当接する。すなわち、スプリングワッシャ60は、弾性変形領域で変形しており、スプリングワッシャ60が塑性変形領域に達する前に、止め金26が突出部90に当接する。これにより、傾斜部81の過度な変形が抑制されて、スプリングワッシャ60の塑性変形が抑制される。よって、スプリングワッシャ60によれば、信頼性を向上させることができる。
【0066】
[変形例]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0067】
第1実施形態において、変形部32が支持部31の外端部31cに接続されている例を示したが、変形部32は、支持部31の内端部31dに接続されていてもよい。すなわち、図8に示されるように、支持部31と変形部32とは、支持部31の内端部31dと変形部32の外端部32cとが接続されることによって、一体的に形成されていてもよい。この場合、信頼性を向上させるとの効果を好適に奏することができる。また、止め金26が固定されたバルブ23が、変形部32の内端部32dを支点として微動可能となるため、バルブ23の微動範囲が拡大される。これにより、バルブ23をより確実にバイパス通路17の開口部17aの周縁部17bに対して密着させることができる。なお、このとき、突出部33は、支持部31の外端部31cに接続されている。すなわち、支持部31と突出部33とは、支持部31の外端部31cと突出部33の外端部33cとが接続されることによって、一体的に形成されている。突出部33は、支持部31の径方向の外縁を例えば180°折り曲げることによって形成されている。この場合、簡易な構成で信頼性を向上させるとの上記効果を奏することができる。
【0068】
第1実施形態及び上記変形例において、突出部33が支持部31の内端部31dに接続されている例を示したが、突出部33は、支持部31の開放面31b上の任意の位置に設けられていてもよい。また、突出部33は、変形部32に設けられ、変形部32の厚さ方向に突出していてもよい。突出部33は、変形部32の外端部32c(図6参照)又は内端部32d(図8参照)を例えば180°折り曲げることによって形成されてもよい。なお、折り曲げる方向は任意である。また、突出部33は、変形部32の第1面32a又は第2面32bの任意の位置に設けられていてもよい。また、突出部33は、支持部31及び変形部32の両方に設けられていてもよい。このように、突出部33は、支持部31及び変形部32の少なくとも一方に設けられ、支持部31又は変形部32の厚さ方向に突出していればよい。
【0069】
第1実施形態及び上記変形例において、スプリングワッシャ30が、支持部31の座面31aがバルブ取付部材22の第2取付面22eに接し、変形部32の外端部32c(図6参照)又は内端部32d(図8参照)が止め金26の第1止め面26aに接するように配置されている例を示したが、スプリングワッシャ30は、支持部31の座面31aが止め金26の第1止め面26aに接し、変形部32の外端部32c(図6参照)又は内端部32d(図8参照)がバルブ取付部材22の第2取付面22eに接するように配置されていてもよい。つまり、スプリングワッシャ30が配置される向きは任意である。
【0070】
第1実施形態及び上記変形例において、スプリングワッシャ30が、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置されている例を示したが、スプリングワッシャ30は、バルブ取付部材22と弁体24との間に配置されていてもよい。つまり、スプリングワッシャ30は、バルブ取付部材22と止め金26との間、又は、バルブ取付部材22と弁体24との間に配置されている。
【0071】
図9及び図10に示されるように、スプリングワッシャ30は、軸受41の第2端面41bとリンク部材42との間(図示A)に配置され、軸受41及びリンク部材42に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、軸受41とリンク部材42との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における軸受41とリンク部材42との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0072】
スプリングワッシャ30は、リンク部材42と作動ロッド51との間(図示B)に配置され、リンク部材42及び作動ロッド51に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、リンク部材42と作動ロッド51との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20におけるリンク部材42と作動ロッド51との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。なお、図9及び図10においては、リンク部材42が本体から突出するリンクピン座面45を有しており、スプリングワッシャ30がリンクピン座面45と作動ロッド51との間に配置されている例が示されているが、リンク部材42は、リンクピン座面45を有していなくてもよい。
【0073】
スプリングワッシャ30は、作動ロッド51とリンク部材52との間(図示C)に配置され、作動ロッド51及びリンク部材52に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、作動ロッド51とリンク部材52との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とリンク部材52との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。なお、図9及び図10においては、リンク部材52が本体から突出するリンクピン座面55を有しており、スプリングワッシャ30がリンクピン座面55と作動ロッド51との間に配置されている例が示されているが、リンク部材52は、リンクピン座面55を有していなくてもよい。
【0074】
スプリングワッシャ30は、作動ロッド51と、作動ロッド51とリンク部材42とを連結するためのクリップ(止め部材)53との間(図示D)に配置され、作動ロッド51及びクリップ53に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、作動ロッド51とクリップ53との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とクリップ53との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0075】
スプリングワッシャ30は、作動ロッド51と、作動ロッド51とリンク部材52とを連結するためのクリップ(止め部材)54との間(図示E)に配置され、作動ロッド51及びクリップ54に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、作動ロッド51とクリップ54との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とクリップ54との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0076】
図10においては、スプリングワッシャ30が、軸受41の第2端面41bとリンク部材42との間(図示A)、リンク部材42と作動ロッド51との間(図示B)、及び、作動ロッド51とリンク部材52との間(図示C)、のそれぞれに配置されている例が示されているが、スプリングワッシャ30は、軸受41の第2端面41bとリンク部材42との間(図示A)、リンク部材42と作動ロッド51との間(図示B)、作動ロッド51とリンク部材52との間(図示C)、作動ロッド51とクリップ53との間(図示D)、及び、作動ロッド51とクリップ54との間(図示E)、のうちのいずれか1つ又は複数の部分に配置されていてもよい。いずれの場合も、上述したように、過給機1からの発生音を低減することができ、過給機1の信頼性を向上させ得る。なお、図9においては、スプリングワッシャ30の図示が省略されている。
【0077】
第1実施形態及び上記変形例において、スプリングワッシャ30が、クォータビード型である例を示したが、スプリングワッシャ30は、例えばハーフビード型であってもよい。すなわち、スプリングワッシャ30は、変形部32の外端部32c(図6参照)又は変形部32の内端部32d(図8参照)に接続され、平面Pに平行な面に沿った座面を含む支持部を更に備えていてもよい。
【0078】
第2実施形態において、突出部90が第1支持部71の内端部に接続されている例を示したが、突出部90は、第1支持部71の外端部に接続されていてもよい。突出部90は、第1支持部71の外縁を例えば180°折り曲げることによって形成されていてもよい。また、突出部90は、第1支持部71の第1開放面71b上の任意の位置に設けられていてもよい。また、突出部90は、変形部80に設けられ、変形部80の厚さ方向に突出していてもよい。突出部90は、傾斜部81の外端部又は内端部を例えば180°折り曲げることによって形成されてもよい。なお、折り曲げる方向は任意である。また、突出部90は、傾斜部81の一方の表面又は他方の表面の任意の位置に設けられていてもよい。また、突出部90は、支持部70及び変形部80の両方に設けられていてもよい。このように、突出部90は、支持部70及び変形部80の少なくとも一方に設けられ、支持部70又は変形部80の厚さ方向に突出していればよい。
【0079】
第2実施形態において、スプリングワッシャ60が、第1支持部71の第1座面71aがバルブ取付部材22の第2取付面22eに接し、第2支持部の第2座面72aが止め金26の第1止め面26aに接するように配置されている例を示したが、スプリングワッシャ60は、第1支持部71の第1座面71aが止め金26の第1止め面26aに接し、第2支持部の第2座面72aがバルブ取付部材22の第2取付面22eに接するように配置されていてもよい。つまり、スプリングワッシャ60が配置される向きは任意である。
【0080】
第2実施形態において、スプリングワッシャ60が、バルブ取付部材22と止め金26との間に配置されている例を示したが、スプリングワッシャ60は、バルブ取付部材22と弁体24との間に配置されていてもよい。つまり、スプリングワッシャ60は、バルブ取付部材22と止め金26との間、又は、バルブ取付部材22と弁体24との間に配置されている。
【0081】
スプリングワッシャ60は、軸受41の第2端面41bとリンク部材42との間に配置され、軸受41及びリンク部材42に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ60のバネ力は、軸受41とリンク部材42との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における軸受41とリンク部材42との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0082】
スプリングワッシャ60は、リンク部材42と作動ロッド51との間に配置され、リンク部材42及び作動ロッド51に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ60のバネ力は、リンク部材42と作動ロッド51との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20におけるリンク部材42と作動ロッド51との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0083】
スプリングワッシャ60は、作動ロッド51とリンク部材52との間に配置され、作動ロッド51及びリンク部材52に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ60のバネ力は、作動ロッド51とリンク部材52との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とリンク部材52との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0084】
スプリングワッシャ60は、作動ロッド51とクリップ53との間に配置され、作動ロッド51及びクリップ53に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、作動ロッド51とクリップ53との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とクリップ53との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0085】
スプリングワッシャ60は、作動ロッド51とクリップ54との間に配置され、作動ロッド51及びクリップ54に反発力を与えてもよい。この場合、スプリングワッシャ30のバネ力は、作動ロッド51とクリップ54との間の衝突を抑制し得る。これにより、ウェイストゲートバルブ20における作動ロッド51とクリップ54との間の衝突音(打撃音)が低減するため、過給機1からの発生音を低減することができる。このことは、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【0086】
スプリングワッシャ60は、軸受41の第2端面41bとリンク部材42との間、リンク部材42と作動ロッド51との間、作動ロッド51とリンク部材52との間、作動ロッド51とクリップ53との間、及び、作動ロッド51とクリップ54との間、のうちのいずれか1つ又は複数の部分に配置されていてもよい。いずれの場合も、上述したように、過給機1からの発生音を低減することができ、過給機1の信頼性を向上させ得る。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示によれば、信頼性が向上されたスプリングワッシャ、流量可変バルブ機構、及び、過給機を提供することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 過給機
20 ウェイストゲートバルブ
21 ステム
21a 第1端
21b 第2端
22 バルブ取付部材
23 バルブ
24 弁体
25 バルブ軸
26 止め金
30,60 スプリングワッシャ
31a 座面
31b 開放面
31c 外端部
31d 内端部
31,70 支持部
32,80 変形部
33,90 突出部
41 軸受
41b 第2端面
42 リンク部材
51 作動ロッド
52 リンク部材
71 第1支持部
71a 第1座面
71b 第1開放面
72 第2支持部
72a 第2座面
72b 第2開放面
81 傾斜部
P 平面
X 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10