(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】口腔用マッサージ具
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20220222BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A61H39/04 B
A61H7/00 102
(21)【出願番号】P 2020081629
(22)【出願日】2020-05-04
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520155848
【氏名又は名称】円甚株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明美
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3187462(JP,U)
【文献】実開昭59-178131(JP,U)
【文献】特開2011-115438(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107510225(CN,A)
【文献】中国実用新案第2774491(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる把持部と、
前記把持部の前記第1方向における両端部のうち、前記第1方向の一方側の端部に配置されるマッサージ部と、を備え、
前記マッサージ部は、
前記第1方向に直交する一方向を第2方向とし、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向を第3方向として、
前記第1方向の寸法、および前記第3方向の寸法が、前記第2方向の寸法より大きくなるように形成されたマッサージ部主体と、
前記第2方向の一方側に向けて突出するように前記マッサージ部主体に設けられる複数の第1突部によって構成されるとともに、前記複数の第1突部が前記第3方向に沿って配列される第1突部列と、
前記第1突部列の前記第3方向における両端部に配置されるように前記マッサージ部主体に設けられるとともに、それぞれ、前記第3方向の一方側および他方側に向けて突出している第2突部と、を備える、
口腔用マッサージ具。
【請求項2】
前記第1突部列は、
前記マッサージ部主体の前記第1方向における一方側の端部に配置され、
前記第2突部は、
前記マッサージ部主体の前記第1方向における一方側の端縁部に連続するように形成されている、
請求項1に記載の口腔用マッサージ具。
【請求項3】
前記マッサージ部主体は、
前記第1方向における一方側の端縁部が、前記第2方向の一方側から見て、前記第1方向における一方側に突出するように湾曲している、
請求項2に記載の口腔用マッサージ具。
【請求項4】
前記マッサージ部主体は、
前記第1方向の一方側に設けられているとともに、前記第1方向の一方側から見て、前記第2方向の他方側に突出するように湾曲している第1湾曲部、を有し、
前記第1突部列は、
前記第1湾曲部に配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の口腔用マッサージ具。
【請求項5】
前記マッサージ部主体は、
前記第2方向の他方側に設けられているとともに、前記第3方向から見て、前記第2方向の他方側に突出するように湾曲している第2湾曲部、を有する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の口腔用マッサージ具。
【請求項6】
前記把持部は、
前記第1方向の他方側に設けられるとともに、前記第1方向の一方側を上方にして自立させるための脚部、を有する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の口腔用マッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内のマッサージに好適に用いられる口腔用マッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口の機能低下の予防や、誤嚥性肺炎等の予防を目的とする口腔ケアの一環として、口腔内のマッサージが行われている。また、美容やリラクゼーション等を目的とする口腔内のマッサージも行われている。
【0003】
口腔内のマッサージは、目的によってマッサージを行う部位が異なっている。例えば、唾液の分泌を促すための唾液腺マッサージでは、耳下腺、顎下腺、舌下腺等の唾液腺に対してマッサージが行われる。また、顎関節症予防や顔面、首のむくみを緩和させることを目的とする場合は、例えば咀嚼筋の一部である咬筋に対してマッサージが行われる。
【0004】
口腔内のマッサージは、歯科衛生士等の専門家によって受術者に対して行われる場合もあるが、専門家ではない者が自らの口腔に対して行う場合もある。
【0005】
歯科衛生士等の専門家が施術する場合は、目的に応じた部位を手指で直接マッサージすることができる。しかしながら、専門家ではない者が行う場合には、目的に応じた部位を適切にマッサージすることは容易ではない。このため、口腔内のマッサージを補助するための器具が種々開発されている。
【0006】
例えば、特開2019-583535号公報には、口腔内を押圧するためのヘッド部と、ヘッド部から延設される柄部とを備えた口腔内マッサージ具が開示されている。ヘッド部の押圧面は、親指の指腹を模した形状に形成されている。ヘッド部の押圧面を口腔内に押し当てて押圧したり、押し当てた状態でこするように動かしたりすることにより、口腔内のマッサージを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の口腔用マッサージ具では、ヘッド部の押圧面のみを用いて口腔内のマッサージを行うため、口腔内の狭い場所にはヘッド部を差し込むことができない。このため、マッサージを行う部位によってはヘッド部の押圧面だけでは適切にマッサージできない場合があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、マッサージを行う目的に応じた口腔内の様々な部位に対して、適切にマッサージを行うことができる口腔用マッサージ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の口腔用マッサージ具は、
第1方向に延びる把持部と、
前記把持部の前記第1方向における両端部のうち、前記第1方向の一方側の端部に配置されるマッサージ部と、を備え、
前記マッサージ部は、
前記第1方向に直交する一方向を第2方向とし、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向を第3方向として、
前記第1方向の寸法、および前記第3方向の寸法が、前記第2方向の寸法より大きくなるように形成されたマッサージ部主体と、
前記第2方向の一方側に向けて突出するように前記マッサージ部主体に設けられる複数の第1突部によって構成されるとともに、前記複数の第1突部が前記第3方向に沿って配列される第1突部列と、
前記第1突部列の前記第3方向における両端部に配置されるように前記マッサージ部主体に設けられるとともに、それぞれ、前記第3方向の一方側および他方側に向けて突出している第2突部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の口腔用マッサージ具によれば、マッサージを行う目的に応じた口腔内の様々な部位に対して、適切にマッサージを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る口腔用マッサージ具の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1のA-A線における口腔用マッサージ具の断面図である。
【
図3】
図3は、
図1のB-B線における口腔用マッサージ具の断面図である。
【
図4】
図4は、口腔用マッサージ具を用いてマッサージを行う部位の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、口腔用マッサージ具を用いてマッサージを行う部位の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、口腔用マッサージ具を用いてマッサージを行う部位の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、口腔用マッサージ具を用いてマッサージを行う部位の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態にかかる口腔用マッサージ具は、
第1方向に延びる把持部と、
前記把持部の前記第1方向における両端部のうち、前記第1方向の一方側の端部に配置されるマッサージ部と、を備え、
前記マッサージ部は、
前記第1方向に直交する一方向を第2方向とし、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向を第3方向として、
前記第1方向の寸法、および前記第3方向の寸法が、前記第2方向の寸法より大きくなるように形成されたマッサージ部主体と、
前記第2方向の一方側に向けて突出するように前記マッサージ部主体に設けられる複数の第1突部によって構成されるとともに、前記複数の第1突部が前記第3方向に沿って配列される第1突部列と、
前記第1突部列の前記第3方向における両端部に配置されるように前記マッサージ部主体に設けられるとともに、それぞれ、前記第3方向の一方側および他方側に向けて突出している第2突部と、を備えている(第1の構成)。
【0014】
上記構成によれば、マッサージ部は、第1方向の寸法および第3方向の寸法が、第2方向の寸法より大きくなるように形成されたマッサージ部主体と、マッサージ部主体に設けられている第1突部列および第2突部とを備えており、第1突部列を構成する複数の第1突部は、第2方向の一方側に向けて突出しており、第2突部は第3方向の一方側および他方側に向けて突出している。
マッサージ部主体は、第2方向の寸法が他方向の寸法より小さく設定されているため、口腔内の狭い場所でもマッサージ部主体を差し込んでマッサージを行うことができる。また、第1突部列および第2突部が互いに異なる方向に向けて設けられているため、マッサージ部主体を第1方向、第2方向または第3方向に往復させたり、円を描くように動かしたりすることにより、第1突部列および第2突部を用いて様々な部位に対してマッサージを行うことができる。
このため、マッサージを行う目的に応じた口腔内の様々な部位に対して、適切にマッサージを行うことができる。
【0015】
上記第1の構成において、
前記第1突部列は、
前記マッサージ部主体の前記第1方向における一方側の端部に配置され、
前記第2突部は、
前記マッサージ部主体の前記第1方向における一方側の端縁部に連続するように形成されていてもよい(第2の構成)。
【0016】
上記構成によれば、第1突部列は、マッサージ部主体の第1方向における一方側の端部に配置され、第2突部は、マッサージ部主体の第1方向における一方側の端縁部に連続するように形成されている。
このため、マッサージ部主体の先端部を口腔内の狭い場所に差し込んだ状態で、第1突部列および第2突部を用いて口腔内のマッサージを行うことができる。
【0017】
上記第2の構成において、
前記マッサージ部主体は、
前記第1方向における一方側の端縁部が、前記第2方向の一方側から見て、前記第1方向における一方側に突出するように湾曲していてもよい(第3の構成)。
【0018】
上記構成によれば、マッサージ部主体は、第1方向における一方側の端縁部が、第2方向の一方側から見て、第1方向における一方側に突出するように湾曲している。
このため、口腔内の狭い場所にマッサージ部主体の先端部を容易に差し込むことができ、マッサージ部主体の先端部を用いてマッサージを行うことができる。
【0019】
上記第1から第3の構成において、
前記マッサージ部主体は、
前記第1方向の一方側に設けられているとともに、前記第1方向の一方側から見て、前記第2方向の他方側に突出するように湾曲している第1湾曲部、を有し、
前記第1突部列は、
前記第1湾曲部に配置されていてもよい(第4の構成)。
【0020】
上記構成によれば、マッサージ部主体は、第1湾曲部を有しており、第1突部列は、第1湾曲部に配置されている。
このため、例えば唇と歯茎の間にマッサージ部主体の先端部を容易に差し込むことができ、マッサージ部主体の先端部を差し込んだ状態で、第1突部列を歯茎に当ててマッサージを行うことができる。
【0021】
上記第1から第4の構成において、
前記マッサージ部主体は、
前記第2方向の他方側に設けられているとともに、前記第3方向から見て、前記第2方向の他方側に突出するように湾曲している第2湾曲部、を有してもよい(第5の構成)。
【0022】
上記構成によれば、マッサージ部主体は、第1突部列が設けられている面の反対側に向けて湾曲する第2湾曲部を有している。
このため、第2湾曲部を口腔内に押し当てて押圧したり、押し当てた状態でこするように動かしたりすることにより、口腔内のマッサージを行うことができる。
【0023】
上記第1から第5の構成において、
前記把持部は、
前記第1方向の他方側に設けられるとともに、前記第1方向の一方側を上方にして自立させるための脚部、を有してもよい(第6の構成)。
【0024】
上記構成によれば、把持部は、第1方向の一方側を上方にして自立させるための脚部、を有している。
このため、口腔用マッサージ具を使用しない場合、口腔用マッサージ具を自立させて衛生的に保管することができる。
【0025】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る口腔用マッサージ具100について詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0026】
以下の図では、直交するX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を規定し、それぞれ+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、および-Z方向を規定する。X軸方向は本発明の第1方向に相当するものとし、+X方向は本発明の第1方向の一方側、-X方向は本発明の第1方向の他方側に相当するものとする。同様に、Y軸方向は第2方向に相当するものとし、+Y方向は本発明の第2方向の一方側、-Y方向は本発明の第2方向の他方側に相当するものとする。また、Z軸方向は第3方向に相当するものとし、+Z方向は本発明の第3方向の一方側、-Z方向は本発明の第3方向の他方側に相当するものとする。
【0027】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る口腔用マッサージ具100の正面図である。
図1では、口腔用マッサージ具100を+Y方向から見た状態を示している。
図1に示すように、口腔用マッサージ具100は、把持部10およびマッサージ部20を備えている。
【0028】
把持部10は、使用者が口腔用マッサージ具100を使用する場合に把持する部分である。把持部10の+X方向側の端部には、マッサージ部20が設けられており、-X方向側の端部には、脚部12が形成されている。脚部12を下にして口腔用マッサージ具100を自立させることができ、口腔用マッサージ具100を使用しない場合には、口腔用マッサージ具100を衛生的に保管することができる。
【0029】
マッサージ部20は、把持部10の+X方向側の端部に設けられている。マッサージ部20は、把持部10に対して固定されていてもよく、取り外し可能であってもよい。本実施形態では、マッサージ部20は、把持部10に連続する支持部14に固定されている。マッサージ部20は、柔軟性と弾力性を有する素材で構成されることが好ましい。マッサージ部20の材質としては、エラストマーが好ましく、例えばシリコンを選択することができる。
【0030】
マッサージ部20は、マッサージ部主体30、第1突部列40、および第2突部50を有している。
【0031】
マッサージ部主体30は、X軸方向の寸法LX、およびZ軸方向の寸法LZが、Y軸方向の寸法LYより大きくなるように形成されている(
図2参照)。本実施形態では、特に、X軸方向の寸法LX、およびZ軸方向の寸法LZよりも、マッサージ部主体30のY軸方向の厚みTYが薄くなるように形成されている。
【0032】
マッサージ部主体30の+X方向側の端縁部31は、+Y方向側から見て、+X方向側に突出するように湾曲している。
【0033】
第1突部列40は、複数の第1突部43によって構成されている。第1突部43は、それぞれマッサージ部主体30に対して+Y方向側に向けて突出するように形成された突起部である(
図2、
図3参照)。
【0034】
第1突部列40は、マッサージ部主体30の+X方向側の端部に配置されており、複数の第1突部43がZ軸方向に沿って配列されることによって構成されている。本実施形態では、複数の第1突部43は、マッサージ部主体30の端縁部31に沿って湾曲するように配置されている。
【0035】
本実施形態では、第1突部43の形状を半球状としたが、これに限定されず、例えば先端が細くなった円錐状であってもよい。また、本実施形態では、第1突部列40は、5個の第1突部43によって構成されているが、第1突部43の個数は限定されない。
【0036】
第2突部50は、第1突部列40のZ軸方向における両端部に配置されている。第2突部50は、それぞれ、マッサージ部主体30の端縁部31に連続するように形成されており、それぞれ、+Z方向側および-Z方向側に向けて突出するように形成されている。本実施形態では、第2突部50の先端部の形状を半球状としたが、これに限定されず、例えば先端を細くした円錐状であってもよい。
【0037】
図2は、
図1のA-A線における口腔用マッサージ具100の断面図である。
図3は、
図1のB-B線における口腔用マッサージ具100の断面図である。
図2および
図3に示すように、マッサージ部主体30は、第1湾曲部33、および第2湾曲部35を有している。
【0038】
図2に示すように、第1湾曲部33は、マッサージ部主体30の+X方向側の端部付近に設けられている。
図3に示すように、第1湾曲部33は、+X方向側から見て、-Y方向側に突出するように湾曲している。第1突部列40は、第1湾曲部33に配置されている。
【0039】
図2に示すように、第2湾曲部35は、マッサージ部主体30の-Y方向側に設けられている。第2湾曲部35は、Z軸方向から見て、-Y方向側に突出するように湾曲している。
【0040】
[口腔用マッサージ具の使用]
次に、口腔用マッサージ具100の使用について説明する。
図4から
図7は、口腔用マッサージ具100を用いてマッサージを行う部位の一例を示す図である。
【0041】
[唾液腺のマッサージ]
図4は、唾液腺の位置を示す簡略図である。
図4に示すように、唾液腺として耳下腺、顎下腺および舌下腺がある。唾液腺のマッサージを行うことにより、唾液の分泌を促すことができる。唾液には、口内の細菌の繁殖を抑え、口臭、虫歯、歯周病などの発生を抑制する効果がある。また、高齢者の場合は、食前に唾液腺のマッサージを行うことで唾液の分泌が促進され、食事を飲み込みやすくして、食事のための準備が整った口内環境に近づけることができる。
【0042】
口腔用マッサージ具100を用いて唾液腺のマッサージを行う場合、例えば、耳下腺、および顎下腺に対しては、マッサージ部主体30の端縁部31、第1湾曲部33、および第2湾曲部35を使ってマッサージを行う。舌下腺に対しては、舌の裏の狭い場所であるため、マッサージ部主体30の端縁部31を差し込んだり、第2突部50の先端部を使ってマッサージを行う。
【0043】
[咬筋のマッサージ]
図5は、咀嚼筋の一部である咬筋の位置を示す簡略図である。現代人は、咀嚼回数が少ない、柔らかいものしか食べない、人と話さない、笑顔が少ない(人との交流が少ない)、ストレスが多く奥歯に力を入れすぎてしまう等の理由により、咬筋が硬くなっている場合が多い。咬筋のマッサージを行うことにより、顎関節症予防や顔面、首のむくみを緩和したり、顎をすっきりとさせることが期待される。また、口を開けやすくなり、リラックス効果も期待できる。
【0044】
口腔用マッサージ具100を用いて咬筋のマッサージを行う場合、例えば、第1湾曲部33および第2湾曲部35を使って口腔内から咬筋に軽い圧を掛けるように押し当てたり、押し当てた状態でこするように動かしたりすることにより、咬筋のマッサージを行うことができる。
【0045】
[頬筋・口輪筋のマッサージ]
図6は、頬筋および口輪筋の位置を示す簡略図である。頬周りおよび口周りの硬直した筋肉に軽く圧を掛けながらマッサージを行うことにより、頬周りおよび口周りの硬直した筋肉がほぐれ、血流が良くなり、リラックス効果が期待できる。また、頬周りおよび口周りの硬直した筋肉がほぐれることで、口を開きやすくなり、会話もしやすくなる。さらに、ほうれい線の抑制も期待できる。
【0046】
口腔用マッサージ具100を用いて頬筋・口輪筋のマッサージを行う場合、例えば、第1湾曲部33および第2湾曲部35を使って口腔内から頬筋・口輪筋に軽い圧を掛けるように押し当てたり、押し当てた状態でこするように動かしたりすることにより、頬筋・口輪筋のマッサージを行うことができる。
【0047】
[歯茎のマッサージ]
図7は、歯茎のツボの位置を示す簡略図である。歯茎には多数のツボが存在しており、これらのツボを刺激することにより、目の疲れや肩凝りなどの緩和が期待できる。また、歯茎の血行が促進され、歯周病の予防効果も期待できる。
【0048】
口腔用マッサージ具100を用いて歯茎のマッサージを行う場合、唇と歯茎の間にマッサージ部主体30の端縁部31を差し込み、第1突部列40を歯茎に当てた状態で、マッサージ部主体30を上下左右に動かすことで、マッサージを行うことができる。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る口腔用マッサージ具100によれば、マッサージ部20は、X方向の寸法LXおよびZ方向の寸法LZが、Y方向の寸法LYより大きくなるように形成されたマッサージ部主体30と、マッサージ部主体30に設けられている第1突部列40および第2突部50とを備えており、第1突部列40を構成する複数の第1突部43は、+Y方向側に向けて突出しており、第2突部50は+Z方向側および-Z方向側に向けて突出している。
マッサージ部主体30は、Y方向の寸法LYが他方向の寸法LX、LZより小さく設定されているため、口腔内の狭い場所でもマッサージ部主体30を差し込んでマッサージを行うことができる。また、第1突部列40および第2突部50が互いに異なる方向に向けて設けられているため、マッサージ部主体30をX方向、Y方向またはZ方向に往復させたり、円を描くように動かすことにより、第1突部列40および第2突部50を用いて様々な部位に対してマッサージを行うことができる。
このため、マッサージを行う目的に応じた口腔内の様々な部位に対して、適切にマッサージを行うことができる。
【0050】
[変形例]
本発明に係る口腔用マッサージ具は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、口腔用マッサージ具のマッサージ部、第1突部、および第2突部の形状は本実施形態の形状に限定されず、様々な形状を採用することができる。
【0051】
また、マッサージ部の大きさは、男性、女性、老人等、使用者の体格に応じて変更するようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の口腔用マッサージ具は、マッサージを行う目的に応じた口腔内の様々な部位に対して、適切にマッサージを行うことができるため、口腔内のマッサージに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0054】
100 口腔用マッサージ具
10 把持部
20 マッサージ部
30 マッサージ部主体
40 第1突部
43 第1突部列
50 第2突部