(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】表示片セット
(51)【国際特許分類】
G09F 7/04 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
G09F7/04 D
(21)【出願番号】P 2019075336
(22)【出願日】2019-04-11
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000110893
【氏名又は名称】ニチレイマグネット株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前橋 清
(72)【発明者】
【氏名】笠原 修
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-119000(JP,A)
【文献】実開平01-153597(JP,U)
【文献】特開2001-159870(JP,A)
【文献】特開2013-228569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0133992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00 - 27/00
B42D 1/00 - 25/485
B43L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性層の少なくとも一面に装飾印刷可能層を備える複数枚の磁性シートと、積層された複数枚の磁性シートの各面を選択的に見開き状態とできるように磁性シート同士を連結する連結手段とを備え
、磁性シートは方形に形成され、連結手段は、積層した磁性シートの4つの端縁部のうちそれぞれ異なる端縁部で連結を行うことを特徴とする表示片セット。
【請求項2】
複数枚の磁性シートは、それぞれ同一の形状およびサイズに形成され、連結手段は、磁性シートの端縁部を軸として、磁性シートの面の法線方向に360度回動可能に各磁性シートを連結する請求項1に記載の表示片セット。
【請求項3】
磁性シートの装飾印刷可能層に、互いに異なる情報が印刷された請求項1
または2に記載の表示片セット。
【請求項4】
連結手段は、各磁性シートを着脱自在に連結する請求項1から
3のいずれか1項に記載の表示片セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石を内蔵した掲示板、白板、説明板、壁等の表示基板面に複数枚の表示片を、積層した状態で貼着できるようにした表示片セットに関する。
【背景技術】
【0002】
百貨店をはじめ、地下街通路、空港、博物館および各種公共施設などに設置されるショーウィンドウでは、一定期間のサイクルで展示品の入替えを実施しており、展示品の入替えとともに、背後の壁に貼る背景シートについても展示品にふさわしいイメージのものに貼りかえている。
【0003】
例えば、季節をテーマとして展示品を入れ替えるショーウィンドウでは、四季折々の風景などをそれぞれ印刷した複数枚の背景シートの中から展示品に適したものを貼る。
このような背景シートは、春夏秋冬の4枚セット、或いは各季節2パターンの8枚セットというように、展示目的に応じたセットものとして纏めて、所定の保管場所に保管されている。
そして、実際に壁に貼るときは、このセットの中から条件にかなう背景シートを1枚抜き出し、残りの背景シートについてはそのまま保管しておく。
【0004】
近年のショーウィンドウの背景シートには、粘着テープや押しピン等の固定部材が不要で見栄えがよいとともに作業性がよいことから、磁気吸着型の表示機構を利用したものが好評となっている。
【0005】
下記特許文献1には、表示基板の着磁面に、複写、印刷又は手書き可能な表面を有する薄層磁性体の表示片を、複数枚積み重ねて吸着できる積層表示機構が開示されている。
例えばこの表示基板をショーウィンドウの背後壁とし、表示片に印刷を施したものを背景シートとして利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、一般にショーウィンドウの展示内容のテーマは複数存在し、テーマ毎に数パターンの背景シートを纏めたセットが複数存在する。また大型施設では、同一管理者により管理されるショーウィンドウが複数存在することがある。
【0008】
このため、貼替えの頻度が比較的高くまた他のショーウィンドウで並行して貼替え作業が行われているとき、一部の背景シートを紛失したり、保管中のある背景シートセットの中に他のセットの背景シートが紛れ込んだりする虞がある。
【0009】
一方、特許文献1に記載の積層表示機構では、表示片の重ね貼りができることから、同じセットの背景シートについては、紛失や混入防止のため、表示してある背景シートの下層に重ね合わせた状態で貼りつけておくことが考えられる。
しかしこの場合、重ね貼りのできる枚数は、あくまで表示基板側からの吸着磁場の透過が及ぶ範囲とされる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、使用目的ごとに分類された磁着式表示片のセットにおいて、保管管理性に優れる表示片セットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決すべく、本発明の表示片セットは、磁性層の少なくとも一面に装飾印刷可能層を備える複数枚の磁性シートと、積層された複数枚の磁性シートの各面を選択的に見開き状態とできるように磁性シート同士を連結する連結手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の表示片セットによると、ユーザが表示させたい磁性シートの面を見開き状態として、磁石を内蔵した表示基体に磁着させることができる。各磁性シートを重ねて磁着させた場合、各磁性シートは互いに連結しているため、磁気吸着可能な磁場の透過の及ぶ範囲外に配置される磁性シートであっても、脱落してしまうことがなく、全ての磁性シートが積層された状態で固定保持される。
従って、ショーウィンドウの背後壁に貼る背景シートのように複数のセットが存在する場合でも、一部の磁性シートを紛失したり、保管中のある磁性シートのセットの中に他のセットの磁性シートが紛れ込んだりする虞がない。
なお、本発明で言う「装飾印刷可能層」は、既に印刷の施されたもの、これから印刷を施すもの、既に装飾の施されたもの、これから装飾を施すもののいずれをも含む。
【0013】
本発明の一態様では、複数枚の磁性シートは、それぞれ同一の形状およびサイズに形成され、連結手段は、磁性シートの端縁部を軸として、磁性シートの面の法線方向に360度回動可能に各磁性シートを連結する。
【0014】
本発明の更なる一態様では、磁性シートは方形に形成され、連結手段は、積層した磁性シートの4つの端縁部のうち同一の端縁部で連結を行う。
【0015】
本発明の更なる一態様では、磁性シートは方形に形成され、連結手段は、積層した磁性シートの4つの端縁部のうちそれぞれ異なる端縁部で連結を行う。
【0016】
特に、上記構成によると、見開くときの軸部分が分散され、一か所で連結した場合に比べて、見開くときの回動軸付近に盛り上がりが集中することを防ぐことができ見栄えがよい(
図9,14参照)。
【0017】
本発明の更なる一態様では、磁性シートの装飾印刷可能層に、互いに異なる情報が印刷されている。
【0018】
本発明の更なる一態様では、連結手段は、各磁性シートを着脱自在に連結する。この構成によると、新しい表示内容の磁性シートに交換するときの交換作業が容易となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、使用目的(テーマ等)ごとに分類された磁着式表示片のセットにおいて、保管管理性に優れる表示片セットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る表示機構の構成概略を示す側断面図である。
【
図2】本発明に係る第1実施形態の表示片セットの斜視図である。
【
図5】磁性壁に表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【
図6】磁性壁に表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【
図7】磁性壁に表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【
図8】磁性壁に表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【
図9】磁性壁に表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【
図10】第1実施形態の表示片セットの変形例を示す斜視図である。
【
図11】第1実施形態の表示片セットの変形例を示す斜視図である。
【
図12】本発明に係る第2実施形態の表示片セットの斜視図である。
【
図13】第2実施形態の表示片セットの使い方を説明するための図である。
【
図14】磁性壁に第2実施形態の表示片セットを貼着した状態例を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
なお、以下の各実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その他の適用物、あるいはその用途の範囲を制限するものではない。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は、表示機構1の構成概略を示す側面図である。
表示機構1は、百貨店におけるショーウィンドウの背後壁に適用され、表示片セット10と壁体20とを備える。図中の右側がウィンドウガラスの設置されている側である
。表示片セット10は、磁力により壁体20に一方側が吸着保持され、この状態で、表示片セット10のもう一方側をウィンドウガラス側に向けて表示するようになっている。
【0023】
図2は本発明に係る第1実施形態の表示片セット10の斜視図、
図3は背景シートPの側断面図である。
図2に示すように、表示片セット10は、5枚の正方形状の背景シートP(P1~P5)と、2つのステープラ針11を備える。
なお、背景シートPのサイズは、例えば幅1m×長さ1m~幅2m×長さ2m、厚さ0.2mm~0.4mm程度とされ、可撓性を有する。
【0024】
各背景シートPは、両面に印刷を施すことのできる層を備えた軟磁性体の磁性シートであり、
図3に示すように、2枚の薄層基材13と、それらの間に設けられた磁性層12を備える。
【0025】
薄層基材13としては、合成紙、無機粉末を含有したプラスチックフィルムや、耐水紙などが挙げられ、表面に印刷可能層(図示は省略)を有する。
なお、印刷可能層とは、使用目的に適した印刷インキ受理層を意味する。
そして、この印刷インキ受理層としては、合成紙では印刷方式(オフセット印刷、凸版印刷、インキジェット印刷、熱転写印刷、グラビア印刷、シルク印刷、レーザ印刷等)に適したグレードを選べばよく、無機粉末等を含有したプラスチックフィルムでは、印刷方式に適した公知のインキ受理層を塗布すればよい。
【0026】
磁性層12は、磁性材料粉と有機高分子エラストマーを主たる組成とする。
磁性材料粉は、軟質磁性材料粉を用いており、フェロ磁性体の中で低保磁力の高透磁力の強磁性体(鉄粉、磁性ステンレス粉、センダスト粉など)と、フェリ磁性体の中で低保磁力の高透磁力の強磁性体(ソフトフェライトであるマンガン亜鉛フェライト粉、ニッケル亜鉛フェライト粉、マグネタイト粉=四三酸化鉄粉など)があり、又、両者の混合物も用いることもできる。
【0027】
有機高分子エラストマーとしては、塩素化ポリエチレンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレンエラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体エラストマー、エチレンエチルアクリレートエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられ、又、希望する物性によって適宜これらの混合物及びこれらとプラストマー(プラスチック)との混合物を使用することができる。
【0028】
図3に示すような背景シートは、例えば、薄層基材13の片面に、磁性材料粉と有機高分子エラストマーの混合体をスラリー状としたものを塗布して片面に磁性層を形成した片面磁性シートを2枚製作し、これら2枚の片面磁性シートを、磁性層同士を突き合わせて熱圧着により接合することで製作することができる。
【0029】
本形態では、5枚の背景シートPのうち4枚の両面、すなわち印刷可能層に、それぞれ互いに異なる8種類の装飾模様(図示せず)がすでに印刷されている。
この装飾模様は、春夏秋冬の各季節について2パターンの8種類の景色である。
また、残り1枚の背景シートPには表側面に例えば「四季」といった表題が書かれ、裏側面に製造メーカーや製品コード等の情報が印刷されている。
【0030】
以上のような5枚の背景シートPは、四辺を揃えて重ねた状態でステープラ針11により綴じた一体ものとなっている。すなわち「四季」というテーマで一体化している。
綴じる箇所は、各背景シートPの四隅のうち非対角の2か所である。
これにより、各背景シートPは、綴じしろ側の端縁部H、つまりステープラ針11間の領域を軸として360度回動可能となり、各背景シートPの全ての面を選択的に見開き状態とすることができる。
【0031】
図4は磁性壁20の側断面図である。
磁性壁20は、磁石としての性質を有する壁であり、
図4に示すように、壁基体21とシート状磁石23と壁紙22を備える。
壁基体21は、板状基体で、鉄板やフェライト系ステンレススチール等の強磁性体又は木製、石膏ボード等の非磁性体によって形成される。
シート状磁石23は、表面に片面着磁が施されており、壁基体21の表面に接着剤を用いて取り付けられている。図中のN,Sは着磁面の磁極を示している。壁紙22は、シート状磁石23の表面に一体的に貼着されている。
磁性壁20は、磁石としての性質を有さないメタルシートとしての背景シートPを3枚まで重ねて磁気吸着可能な強さとされる。
【0032】
次に、
図2、5~9を用いて、表示片セット10の機能について説明する。
図5~9は、第1実施形態の表示片セット10の機能を説明するための図であり、磁性壁20に表示片セット10を貼着した状態例を示す一部断面図である。
以下の説明で、表示片セット10における5枚の背景シートPは、
図2における上層から順に第1シートP1、第2シートP2、第3シートP3、第4シートP4、第5シートP5と言う。
また、
図2の上面となっている面を表側面と言い、下面となっている面を裏側面と言う。
【0033】
このショーウィンドウでは、四季折々の風景をテーマにして展示品を入替え、その際に、背景シートPについても、展示の季節に適したものを表示するようにしている。
【0034】
図5において、表示片セット10は、最上層の第1シートP1の表側面が表示される形で磁性壁20に貼着されている。すなわち、
図2に示す順序で重ねられた表示片セット10が、最下層の第5シートP5の裏側面を磁性壁20に貼着している。
図中の破線Mは、この状態でのシート状磁石23による吸着磁場の透過の及ぶ範囲を示す。吸着磁場の透過の及ぶ範囲は、第5シートP5、第4シートP4および第3シートP3の3枚までである。
吸着磁場の透過の及んでいない第2シートP2と第1シートP1は、磁着はなされないが、ステープラ針11により、吸着磁場の透過の及んだ第5シートP5、第4シートP4および第3シートP3と連結しているため固定保持される。
【0035】
図5の状態から、例えば第2シートP2の表側面を表示させたい場合は、まず、表示片セット10をいったん磁性壁20から取り外す。次いで、第1シートP1の下端を親指と人差し指と中指でつまんでめくり上げ、綴じしろ側の端縁部Hを軸として360度回動させ、第1シートP1の表側面を第5シートP5の裏側面に重ね合わせる。
次いで、
図6に示すように、第1シートP1の裏側面を壁紙22に貼着する。
【0036】
図6の状態から、例えば第1シートP1の裏側面を表示させたい場合は、まず、表示片セット10を磁性壁20から取り外す。次いで、取り外した表示片セット10を上下軸まわりに180度回動させ、
図7に示すように、第2シートP2の表側面を壁紙22に貼着する。
【0037】
同じような要領で、第3シートP3の表側面(
図8参照)、第2シートP2の裏側面(
図9参照)など、各背景シートPの表側裏側面を選択的に表示させることができる。つまり春夏秋冬の各季節について2パターンの8種類の景色を選択的に表示できる。
【0038】
いずれの場合も、シート状磁石23による吸着力の及ぶ範囲は、破線Mに示すように、磁性壁20側に積層した背景シート3枚までであるが、各背景シートP同士はステープラ針11で連結されているため、磁気吸着可能な磁場の透過の及ぶ範囲外に配置される背景シートであっても、脱落してしまうことがなく、全ての背景シートが積層された状態で固定保持される。
従って、「四季」のセットの他に例えば「動物」や「旅行」などをテーマとした多数のセットが存在する場合でも、一部の背景シートを紛失したり、保管中のある背景シートのセットの中に他のセットの背景シートが紛れ込んだりする虞がない。
このように保管管理性に優れる。
【0039】
上述の表示片セット10では、各背景シートPの連結手段にステープラ針11を用いたが、
図10に示すように、
図2の各背景シートPにおけるステープラ針11の位置に穿孔し、開閉式リング部材14によって綴じてもよい。
この場合、各背景シートPは着脱自在となるので、新しい表示内容の背景シートPに交換するときの交換作業が容易となる。また、連結手段は、コイル状の開閉式リング部材、重ね合わせた背景シートPの端縁部を上下から挟みこむ短冊バインダー型のホルダー、マグネット部材、雌雄一対のホックボタンとしてもよい。
【0040】
また、
図11に示すように、重ね合わせた各背景シートPの端面に接着剤15を塗布することにより連結させてもよい。
この場合、表側裏側面が未印刷状態の背景シートのセットとすることができる。
印刷機にかけるときは、上層から順に一枚ずつ分離すればよい。
分離を容易にするため、各背景シートPの端部にミシン目16を形成してもよい。
【0041】
〔第2実施形態〕
図12は本発明に係る第2実施形態の表示片セット30の斜視図である。
図12に示すように、表示片セット30は、第1実施形態の表示片セット10における背景シートPと同様な背景シートQを平面視十字状に並べ、隣り合うもの同士の端縁部を透明の粘着テープUにより接合して連結させた一体ものである。
接合する箇所は、中央以外の各背景シートQ2~Q5が中央の背景シートQ1と隣り合う端縁部である。これにより、中央以外の各背景シートQ2~Q5は、4つの接合中心Jを軸として360度回動可能となり、各背景シートPの全ての面を選択的に見開き状態とすることができる。
接合中心Jとは、柵形の粘着テープUの中央線である。
【0042】
次に、
図12,13,14を用いて、表示片セット30の機能について説明する。
以下の説明で、5枚の背景シートQは、
図12における中央に配置されるシートを第1シートQ1、左のシートを第2シートQ2とし、そこから時計まわり方向に順次、第3シートQ3、第4シートQ4、第5シートQ5とする。
また、第1シートQ1と第2,3,4,5の各シートQ2,Q3,Q4,Q5との接合中心Jを、それぞれJ2,J3,J4,J5とする。
また、各背景シートQおいて、
図12の上面となっている面を表側面と言い、下面となっている面を裏側面と言う。
【0043】
以下では、第4シートQ4の表側面を表示させる場合について説明する。
まず、接合中心J3を回動軸として第3シートQ3を矢印Y1方向に90度よりも大きく回動させる。
次いで、接合中心J4を回動軸として第4シートQ4を矢印Y2方向に90度よりも大きく回動させる。次いで、接合中心J5を回動軸として第5シートQ5を矢印Y3方向に90度よりも大きく回動させる。
次いで、接合中心J2を回動軸として第2シートQ2を矢印Y4方向に90度よりも大きく回動させる。以上の作業により、表示片セット30は
図13の形となる。
【0044】
この状態の表示片セット30を第4シートQ4と第2シートQ2の間で押しつぶすようにして扁平にする。そして
図14に示すように、第2シートQ2の裏側面を壁紙22に貼着する。
【0045】
同じような要領で、各背景シートQの表側裏側面を選択的に表示させることができる。
そして、前述の実施形態1と同様な効果を奏する。特に、表示片セット30では、中央の第1シートQ1の各辺で他の背景シートQ2,Q3,Q4,Q5が連結しており、折り返したときに折り返し部分が分散され、一か所で綴った場合に比べて、折り返したときの軸付近の盛り上がりが集中することを防ぐことができ、見栄えがよい。
表示片セット30における連結手段についても着脱自在型としてもよい。
【0046】
本発明は、上述した2つの実施形態や変形例以外にも、各種に変形して実施することができる。例えば、複数枚の正方形の背景シートを一列に並べて、隣り合うもの同士の辺部分を粘着テープにより接合して連結させた一体ものとしてもよい。
また、上述の各実施形態では、背景シートPの形状を正方形としたが、正多角形、長方形などとしてもよい。また、印刷可能層は、背景シートPの両面としたが、片面だけとしてもよい。
また、背景シートPは、上記例に限らず、極く薄い鉄箔に、紙を両面または片面に接着させたスチールペーパーや、軟磁性体シートの両面または片面に布等の桑かい素材を接着させた装飾シートなどとすることもできる。
また、磁性壁20の代わりに、磁石を内蔵した掲示板、白板、説明板としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
百貨店をはじめ、地下街通路、空港、博物館および各種公共施設などに設置されるショーウィンドウの背後の壁に貼る背景シートとして幅広く活用できる。
【符号の説明】
【0048】
10 表示片セット
11 ステープラ針(連結手段)
12 磁性層
13 薄層基材(装飾印刷可能層)
14 開閉式リング部材(連結手段)
15 接着剤(連結手段)
30 表示片セット
H 辺部分
P 背景シート(磁性シート)
Q 背景シート(磁性シート)
U 粘着テープ(連結手段)