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特許7028428ゲームの操作制御プログラム及び操作制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】ゲームの操作制御プログラム及び操作制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20220222BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20220222BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20220222BHJP
   A63F 13/837 20140101ALI20220222BHJP
【FI】
G06F3/0488
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/837
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017115851
(22)【出願日】2017-06-13
(65)【公開番号】P2019003316
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-06-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置くApple Inc.(以下Apple Inc.という。)により開発されたApp Storeと称されるアプリケーションを、携帯端末等のコンピュータで動作させることで実現されるApple社が運営するインターネット上の環境であって、インターネットを介してソフトウエア等をダウンロードできるようにすることによってソフトウエア等の販売等を一般公衆に提供するインターネット上の環境(App Store)内で平成29年5月25日に販売された。
(73)【特許権者】
【識別番号】512031013
【氏名又は名称】株式会社モバダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】三木 直哉
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-300143(JP,A)
【文献】特開2016-214415(JP,A)
【文献】特開2016-218774(JP,A)
【文献】特開2015-123244(JP,A)
【文献】特開2016-073663(JP,A)
【文献】特許第6126276(JP,B1)
【文献】特開2015-150215(JP,A)
【文献】特開2005-279165(JP,A)
【文献】特開2005-218779(JP,A)
【文献】特開2005-192986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0221893(US,A1)
【文献】特開平06-105959(JP,A)
【文献】特開平10-272258(JP,A)
【文献】特開2012-183293(JP,A)
【文献】特開2002-219278(JP,A)
【文献】特開2013-102871(JP,A)
【文献】特開2016-163708(JP,A)
【文献】実開昭63-93988(JP,U)
【文献】特開2016-33726(JP,A)
【文献】源 康史,シミュレーション・ゲームの世界光栄「三國志VI」徹底研究,マイコンBASIC Magazine,日本,電波新聞社,1998年03月01日,第17巻第3号 ,第161-168頁、特に第165頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
A63F 13/2145
A63F 13/426
A63F 13/837
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイにタッチ感知面を備える電子デバイスであって前記タッチ感知面は前記タッチ感知面との接触を検出するためのセンサを備える、電子デバイスに、ゲームの処理を実行させるゲームプログラムであって、
前記ゲームの処理は、
前記ゲームの進行中に操作者の操作指示をリアルタイムで受け取る第1の操作モードと、前記ゲームにおける所定の時間が経過した後のオブジェクトが静止したゲーム画面を順次細切れ的に表示することで、前記静止したゲーム画面の表示中に、前記操作者の前記操作指示を受け取る第2の操作モードとを有し、
前記第2の操作モードが有効である場合に:
複数の操作領域の各々が、操作者からの複数の操作指示の各々に対応する、前記複数の操作領域を前記ディスプレイに表示する第1の表示するステップと、
前記オブジェクトが静止したゲーム画面の表示中に、操作者による前記タッチ感知面への接触の位置に存在する操作領域に対応する操作指示を受け取るステップと、
前記接触に応答して、受け取られた前記操作指示に対応する速度及び方向に、操作者の操作対象の前記オブジェクトが前記所定の時間移動した後の第1の位置を決定するステップと、
前記接触に応答して、所定の速度及び方向に、操作者の操作対象でない前記オブジェクトが前記所定の時間移動した後の第2の位置を決定するステップと、
前記接触が検出された時に瞬時に、操作対象の前記オブジェクトを前記第1の位置に静止させて表示し、操作対象でない前記オブジェクトを前記第2の位置に静止させて前記ディスプレイに表示する第2の表示するステップと、
有する、
ームプログラム。
【請求項2】
前記第2の表示するステップは、
前記第1の位置と前記第2の位置との相対的な位置関係に基づいて、前記操作対象のオブジェクトと、前記操作対象でないオブジェクトとを前記ディスプレイに表示させるステップを含む、請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第2の表示するステップは、
前記第1の位置、前記第2の位置及び前記相対的な位置関係を操作者に認識させるように、前記接触に応答して、ディスプレイに表示する背景及び/又は標識を移動させるステップを含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記標識は、格子である、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲームプログラムは、対戦ゲーム、シューティング又はアクションゲーを実行するものである、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載のゲームプログラムを実装した電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの操作制御プログラム及び操作制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置には、ゲーム専用の入力用インタフェースを備えたハードウエアにプログラムをインストールしたゲーム装置が存在する。
【0003】
例えば、ゲーム専用の入力用インタフェースとして操作スティック及び複数の操作ボタンを備えることで、プレーヤの指により操作スティック及び複数の操作ボタンを操作できるようにして、プレーヤがゲームの操作をすることを容易にする技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、自機(飛行機)と敵機(飛行機)との間の空中戦ゲームを扱うゲーム装置において、ゲーム装置が、ジョイスティック、ボタン、モニタ等のペリフェラルを備え、プレーヤが、画面に表示された飛行機を操縦しやすくする技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、ゲーム装置において、各操作盤に、キャラクタの移動方向を指示する操作レバーと、ミサイル発射ボタンと、機銃発射ボタンと、スロットルとを備えることによって、三次元空間内を広い角度で移動するキャラクタの後方に存在する他のキャラクタを比較的容易に固定できる画像表示装置が存在する(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-231444号公報
【文献】特開平8-320949号公報
【文献】特開平7-244743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した、背景技術は、いずれも、プレーヤによるキャラクタ等への操作を容易にするため、操作ボタンや操作スティックのようなゲーム操作専用のハードウエアが設けられている。
【0008】
ゲーム専用のハードウエアを備えた下無線用のマシンではなく、タッチパネルを有する携帯端末やタブレットなどの汎用の電子デバイスにゲームプログラムをインストールすることで、プレーヤがゲームを楽しむこともできる。この場合、汎用の電子デバイスは、ゲーム専用のハードウエアのボタンなどを備えていない 。このため、例えば、キャラクタなどのオブジェクトを操作するボタンを画面に表示させ、プレーヤが画面上に表示されたボタンに触れる(タップなどをする)ことによって、プレーヤの指示を受け付けるができるようにしている場合がある。
【0009】
タブレットや携帯端末などの汎用の電子デバイスでゲームをプレイする場合における操作としては、タップ、長押し、ドラッグ、スワイプ、フリックなどがある。タップは、画面上のメニューやアイコンを指1本で触る操作である。長押しは、画面上を指1本で触れたままにしておく操作である。ドラッグは、画面上を指1本で触れて、そのまま上下左右に移動させる操作である。スワイプは、画面上を指1本で触れて、そのまま上下左右どちらかの方向に滑らせる操作である。フリックは、画面上を指1本で触れて、はじくようにサッと素早く動かす操作である。
【0010】
このような操作は、画面に表示されたボタン、アイコンなどの適切な位置に指を触れさせるなどの操作をプレーヤに強いる場合が多い。このため、プレーヤがキャラクタに注目している場合に、所定の位置にあるボタン等への指による操作指示がうまく行えないことがある。このように、専用のジョイスティックなどのハードウエアによるインタフェースがないために、ゲームの操作指示が適切に行えないなどの不都合が生じる場合があった。
【0011】
そこで、本発明は、携帯端末やタブレットなどの汎用の電子デバイスの画面に触れることによって、ゲームに指示を与える場合などにおいても、ゲームの操作に多様性を持たせ、ゲームの操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、ディスプレイにタッチ感知面を備える電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、前記タッチ感知面との接触を検出するためのセンサを備え、前記電子デバイスに、複数の操作領域の各々が、操作者からの複数の操作指示の各々に対応する、前記複数の操作領域を前記ディスプレイに表示するステップと、操作者による前記タッチ感知面への接触の位置に存在する操作領域に対応する操作指示を受け取るステップと、前記接触に応答して、受け取られた前記操作指示に対応する速度及び方向に、操作者の操作対象のオブジェクトが所定の時間移動した後の第1の位置を決定するステップと、前記接触に応答して、所定の速度及び方向に、操作者の操作対象でないオブジェクトが前記所定の時間移動した後の第2の位置を決定するステップと、前記操作対象のオブジェクトを前記第1の位置に静止させて表示し、前記操作対象でないオブジェクトを前記第2の位置に静止させて表示するステップと、を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
実施形態によれば、携帯端末やタブレットなどの汎用の電子デバイスの画面に触れることによって、ゲームに指示を与える場合などにおいても、ゲームの操作に多様性を持たせ、ゲームの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態の概略を示した図である。
図2】具体的な表示画面遷移を示した図である。
図3図2に示した表示画面遷移の続きを示した図である。
図4】一実施形態を実現するための機能ブロック図である。
図5】一実施形態の動作を示すフローチャートである。
図6】一実施形態のハードウエア構成600を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、一実施形態の概略を示した図である。図1を用いて、本実施形態において例として取り上げるゲームの内容を以下に説明する。
【0016】
ディスプレイ104を有する携帯電話、タブレットなどの電子デバイス102に、飛行機の対戦ゲームが表示されている。ディスプレイ104は、タッチ感知面を備える。タッチ感知面は、人間の指150などが触れると、触れた位置、触れた強さなどを検出する機能を有する。
【0017】
本実施形態においては、飛行機の対戦ゲームを例にして説明するが、実施形態は、飛行機の対戦ゲームに限られるものではなく、アクションゲーム、シューティングゲームなどの様々なゲームに適用できる点に留意すべきである。また、例示されている飛行機の対戦ゲームでは、ゲームの娯楽性を高めるため、飛行機の飛行速度や発射される攻撃用のロケットの速度は、ゲームのプレーヤが楽しめる速度に設定されている。したがって、例示されたゲームは、必ずしも実際の飛行機等の動きを厳密に反映していない点に留意すべきである。ゲーム画面に写し出される飛行機、攻撃用のロケット、背景、基準となる格子(後述)の表示などは、ゲームの娯楽性や操作性等を勘案して、ゲームの設計者が適宜に設定することができることは言うまでもない。
【0018】
ゲーム画面に映し出される飛行機、ロケット、背景など、ゲームにおいてゲームプログラムにより制御される画面上の対象物をオブジェクトと言う。
【0019】
ディスプレイ104には、ゲーム画面が表示されている。味方の飛行機132の移送方向及び、ロケット134の発射は、プレーヤが操作することができる。敵は、飛行機152、ロケット134、ロケット156などを用いて、プレーヤの操作する飛行機132を攻撃する。
【0020】
飛行機132は、プレーヤの操作に応じて所定の速度で飛行しているが、画面上においては、前後方向(Y方向)に移動しないように表示させてもよい。この場合には、画面に表示される背景や格子(後述)などを移動させて表示することで、飛行機l32が飛行している状況をプレーヤが実感できるようにしてもよい。飛行機132が上空を飛行しているにもかかわらず画面上で、前後方向(Y方向)に位置を固定させて表示する理由は、プレーヤに飛行機132の飛行の存在をわかりやすくすることで、プレーヤが飛行機132の制御をより容易にするためである。したがって、必ずしも画面上での飛行機132の前後方向(Y方向)の位置を固定させて表示させる必要はない。
【0021】
プレーヤが操作ボタン112をタッチすると、飛行機132の飛行進路を左前の方向に向けることができる。プレーヤが操作ボタン114をタッチすると、飛行機132は、飛行進路を前方(Y方向)に維持する。プレーヤが操作ボタン116をタッチすると、飛行機132の飛行進路を右前の方向に向けることができる。従って、操作ボタン112ないし操作ボタン116を操作することで、飛行機の飛行方向を制御することができる。また、プレーヤが操作ボタン118をタッチすると、飛行機132から攻撃用のロケット134が発射される。
【0022】
プレーヤは、敵の飛行機である飛行機152の出現や飛行方向などを操作することはできない。敵の飛行機152は、攻撃用のロケット154及び/又は攻撃用のロケット156を発射し、プレーヤの操る飛行機132に対して攻撃を行う。また、敵の飛行機152は、次第に-Y方向に画面上を移動するように表示制御されているため、プレーヤの操る飛行機132に衝突することで、自爆攻撃を行うこともできる。
【0023】
プレーヤの操る飛行機132は、攻撃用のロケット134を発射することにより、敵の飛行機152を攻撃することができる。また、プレーヤが、飛行機132の飛行方向を変えることにより、敵の飛行機152や敵のロケットとの衝突を避けることができる。敵の飛行機152やロケット154などを避けることで、敵からの攻撃を防御することができるようになっている。また、ロケット134を発射することで、積極的に敵を攻撃することもできる。
【0024】
なお、本実施形態のゲームでは、プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン118のいずれかにタッチすると、所定の時間が経過した後の場面を表示して、オブジェクトの動きを停止させるようにする。したがって、ゲーム画面は、プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン118をタッチすることに応じて、細切れ的に表示される。プレーヤは、静止したオブジェクトの画面を見て、次に触れるべき操作ボタン112ないし操作ボタン118を吟味することができるようになっている。このような操作モードをプレーヤに提供することによって、初心者のプレーヤでも、高度な対戦ゲームを容易に楽しむことができる。また、高度な操作能力を有するプレーヤは、難易度の高いゲームシーンでゲームをより容易に楽しむことができる。
【0025】
なお、プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン116のいずれかをタッチした場合においても、攻撃用のロケット134を発射させるようにしてもよい。あるいは、ロケット発射用の操作ボタン118がタッチされた場合にも、飛行機132を前進させるようにしてもよい。
【0026】
図2は、一実施形態のより具体的な表示画面遷移を示した図である。
【0027】
図2Aは、初期画面を示している。ディスプレイ104には、線又は破線による格子(横線211ないし横線220、縦線251ないし縦線257)が示されている。この格子は、ディスプレイ104に表示される複数のオブジェクトの相対的な動きを、プレーヤがよる容易に把握できるようにするためのものである。格子線は一例であって、複数の点や模様であってもよい。本実施例において、複数の横線には、例えば実線212と実線216との間に複数の破線213ないし破線215が存在する。プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン118を1回操作する度に、全ての横線が、例えば-Y方向に横線1つ分だけ移動するようにしてもよい。プレーヤは、実線と破線の組み合わせを認識できるため、横線が1つ分だけ移動していること(すなわち格子の移動)を認識することができる。このような格子の移動と、複数のオブジェクトの格子上の移動位置とで、プレーヤは、複数のオブジェクトがゲーム上の空間内でどのように相対的に(又は絶対的に)移動したかを認識することができる。本実施例では、実線と破線を組み合わせた例を示したが、異なる色の横線を適宜配置するようにしてもよい。あるいは、各の横線に対応させて、ゲーム内の空間における位置を示す数字を示すことで、オブジェクトの移動をプレーヤに認識させるようにしてもよい(不図示)。なお、この数字は、プレーヤが操作するオブジェクトの出発地点からの距離、該オブジェクトのゴールまでの距離などであってもよい。
【0028】
以上の横線に関する説明は、縦線251ないし縦線257についても同様である。なお、本実施例においては、縦線は移動しないようになっている。縦線が移動するように表示させてもよい。
あるいは、格子が表示されなくてもよい。
【0029】
ゲームには、タイムリミットを設定してもよい。プレーヤの操作するオブジェクトがタイムリミット内にゴール地点まで到達すれば、1つのゲームステージをクリアできたと定めてもよい。あるいは、タイムリミットに達した時刻における、該オブジェクトの移動距離に応じた得点を、プレーヤに付与してもよい。
【0030】
既に述べたように、プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン118で操作できる飛行機132を、Y方向には移動しないように表示してもよい。飛行機132が前進していることは、例えば、プレーヤが操作ボタン112ないし操作ボタン118をタッチする毎に、横線211ないし横線220が、-Y方向に順番に移動するように表示させることで、プレーヤに認識させることができる。縦線251ないし縦線257を移動させて、横方向(X方向)の動きを認識できるようにさせてもよい。また、背景画像の表示位置を移動させて、オブジェクトの移動をプレーヤに認識させるようにしてもよい。
【0031】
あるいは、格子ではなく、任意の模様などを表示させ、この模様の表示を移動させるようにしてもよい。模様の例としては、地表面の地形の等高線、山脈の高低の表現、海の深度の表現などがあげられる。これらの模様が移動するように表示させてもよい。あるいは、背景の色の種類、色の濃度による模様を表示させてもよい。いずれの場合であっても、プレーヤに対して、複数のオブジェクトの相対的な位置関係、又は、絶対的な位置を認識することを容易にさせるようにすればよい。
【0032】
図2Bは、プレーヤが操作ボタン114にタッチした時のディスプレイ104の表示画面を示している。プレーヤが操作ボタン114をタッチしたことに応答して、横線221が、ディスプレイ104の最上位の位置に表示される。これに伴って、横線212ないし横線220が-Y方向にずれて表示される。また、敵の飛行機152が、ディスプレイ104の上部に表示される。これによって、プレーヤは、敵の飛行機152が飛来したことを認識する。図2Bの表示は、図2Aの表示から所定の時間経過した場面を示していることになる。この所定の時間が経過する間に、複数のオブジェクトがそれぞれの方向にそれぞれの速度で移動した結果が図2Bに示されていることになる。
【0033】
なお、図2Aから図2Bへの表示の切り替えは、プレーヤが操作ボタン114をタッチした時に、瞬時に行われてもよい。あるいは、横線212ないし横線221、敵の飛行機152などのオブジェクトがなめらかに移動するように表示させ、図2Bの状態でオブジェクトの表示を停止させてもよい。このような表示の切り替えは、他の画面遷移についても同様に行える。
【0034】
図2Cは、プレーヤが操作ボタン118にタッチした時のディスプレイ104の表示画面を示している。プレーヤが操作ボタン118にタッチしたことに応答して、味方の飛行機132から攻撃用のロケット134が発射される。横線222が新たに表示されている。味方の飛行機132と敵の飛行機152との位置関係から、敵の飛行機152が味方の飛行機132に接近していることがプレーヤに把握される。加えて、横線222が表示されたことに伴い、味方の飛行機132も前進していることが、プレーヤに把握される。
【0035】
図3は、図2に示した表示画面遷移の続きを示した図である。
図3Dは、プレーヤが操作ボタン112にタッチした時のディスプレイ104の表示画面を示している。プレーヤが操作ボタン112にタッチしたことに応答して、横線223が新たに表示されている。そして、味方の飛行機132は、縦線254の線上から、縦線253の線上に移動している。また、 横線223との位置関係から、飛行機132が前進していることもプレーヤに把握される。また、ロケット134も前進していることがプレーヤに把握される。更に敵の飛行機152も前進してロケット156を発射していることが、プレーヤに把握される。なお、既に述べたように敵の飛行機152と敵のロケット154は、プレーヤのコントロール外である。
【0036】
図3Eは、更にプレーヤが操作ボタン112にタッチした時のディスプレイ104の表示画面を示している。プレーヤが操作ボタン112にタッチしたことに応答して、横線224が新たに表示されている。そして、味方の飛行機132は、縦線253の線上から、縦線252の線上に移動している。また、飛行機132は、横線224との位置関係から、前進していることも、プレーヤに把握される。また、ロケット134も前進していることがプレーヤに把握される。更に敵の飛行機152及びロケット156も前進していることが、プレーヤに把握される。ロケット156とロケット134は、小さいため、衝突せずにすれ違っている。味方の飛行機132は、敵の飛行機152の衝突を避けることができる位置に待避できている。
【0037】
図3Fは、更にプレーヤが操作ボタン114にタッチした時のディスプレイ104の表示画面を示している。プレーヤが操作ボタン114にタッチしたことに応答して、横線225が新たに表示されている。飛行機132は、横線225との位置関係から、前進していることがプレーヤに把握される。敵の飛行機152は、ロケット134と衝突したことにより、爆撃されている状態(180)であることがわかる。敵の飛行機152から発射されたロケット154は、更に進んでいるが、味方の飛行機132を攻撃できない状態であることが把握される。
【0038】
以上のように、図2Aないし図3Fの一連の画面遷移は、プレーヤが、操作ボタン112ないし118にタッチする時に実行させることが望ましい。プレーヤは、次にどの操作を行えばよいかを、余裕をもって検討することができる。
【0039】
飛行機の対戦ゲームの操作などのリアルタイム性を有する高度な操作能力をプレーヤに要求するゲームにおいても、上述のような実施形態を実装した操作モードを設けることにより、初心者のプレーヤが操作しやすく、かつ娯楽性を損なわないゲームを提供することができる。また、上述のような実施形態を実装したゲームであれば、高度な操作能力を有するプレーヤにとっても、難易度の高いゲーム場面をクリアできることを体験させることができる。プレーヤが、ゲーム操作に慣れたところで、上記実施形態の操作モードからリアルタイム性のある操作モードに切り替えることができるようにさせることで、ゲームの娯楽性をより高めることができる。
【0040】
図4は、一実施形態を実現するための機能ブロック図である。オペレータによるゲーム操作は、タッチ画面位置検出部404によって検出される。ディスプレイ104に表示される操作ボタンなどは、操作領域定義部402において定義されている。
【0041】
タッチ画面位置検出部404により検出されたタッチ位置と、操作領域定義部402の情報が操作指示受取部406に入力される。操作指示受取部406は、タッチ位置と操作領域の定義情報から、操作指示を認識することによって、操作指示を受け取ることができる。操作指示受取部406が受け取った操作指示は、操作対象のオブジェクトの位置決定部410に送られる。操作対象のオブジェクトの位置決定部410は、例えば、味方の飛行機132の位置を決定する。例えば、飛行機132の位置は、飛行機の速度ベクトルに、予め定められた時間を掛けることで計算できる。
【0042】
また、操作指示受取部406は、操作対象でないオブジェクトの位置決定部408に、操作指示が受け取られたことを示すトリガーを送る。操作対象でないオブジェクトの位置決定部408は、このトリガーを受け取ると、プレーヤの操作対象でないオブジェクト、例えば、敵の飛行機152の位置を決定する。
【0043】
操作対象のオブジェクトの位置決定部410で決定されたオブジェクトの位置情報と、操作対象でないオブジェクトの位置決定部408で決定されたオブジェクトの位置情報とが、表示制御部412に送られる。表示制御部は、送られてきた複数のオブジェクトの位置情報を基にして、複数のオブジェクトの各々を、適切な位置に表示する。表示された表示画面は、オペレータによる次の操作の時まで、ディスプレイ104に表示されたままに保つようにすることが望ましい。また、表示制御部412は、表示を切り替える際に、オブジェクトの表示位置がなめらかに移動するように表示させてもよい。あるいは、表示制御部412は、表示を切り替える際に、オブジェクトの表示位置を瞬時に移動させて表示してもよい。
【0044】
図5は、一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0045】
ステップS502で、操作ボタン操作領域が表示される。例えば、操作ボタン112ないし操作ボタン118が表示される。また、複数のオブジェクトを含む初期画面を表示させてもよい。
ステップS504で、プレーヤがタッチ感知画面にタッチしたことにより操作指示が受取られる。
ステップS506で、プレーヤの操作対象のオブジェクト、例えば、味方の飛行機132の位置が決定される。
ステップS508で、プレーヤの操作対象でないオブジェクト、例えば、敵の飛行機152の位置が決定される。
ステップS510で、操作対象のオブジェクト及び操作対象でないオブジェクトが、それぞれ決定された位置に表示される。
【0046】
ステップS512で、ゲームステージの終了又は中断が指示されたかを判断する。この判断が、「はい」であれば、処理は終了する。この判断が、「いいえ」であれば、処理はステップS504に戻る。
【0047】
<ハードウエア構成>
図6は、一実施形態のハードウエア構成600を示す図である。
ハードウエア構成600は、CPU602、メモリ604、通信制御部606、入力インタフェース608、表示制御部610、外部メモリ制御部612及び出力インタフェース614を有する。
【0048】
そして、通信制御部606には、インターネットなどのネットワークが接続される。入力インタフェース608には、タッチ感知センサ640などが接続される。表示制御部610には、ディスプレイ650が接続される。外部メモリ制御部612は、記憶媒体660を読み書きすることができる。出力インタフェースには、スピーカ670などが接続される。
記憶媒体660は、RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、メモリーカード等であってもよい。
【0049】
以上説明した実施形態のプログラムは、ハードウエア構成600を備えるコンピュータにより実行され得る。また,実施形態のプログラムは,コンピュータに実行させる方法として,インプリメントされてもよい。本実施形態のプログラムの一部又は全部は、オペレーティングシステムにより実行されてもよい。また、プログラムの一部がハードウエアにより実現されてもよい。プログラムは記憶媒体660又はメモリ604に記憶されてもよい。
なお,上述の実施形態において,プログラムのステップは、矛盾のない限り,同時に,又は順序を入れ替えて実行されてもよい。
以上の実施形態は,ハードウエアの装置としてインプリメントされ得る。
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
格子は、標識の具体例である。
【符号の説明】
【0050】
402 操作領域定義部
404 タッチ画面位置検出部
406 操作指示受取部
408 操作対象のオブジェクトの位置決定部
410 操作対象でないオブジェクトの位置決定部
412 表示制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6