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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】水上太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/00 20200101AFI20220222BHJP
   B63B 35/38 20060101ALI20220222BHJP
   B63B 5/24 20060101ALI20220222BHJP
   B63B 73/72 20200101ALI20220222BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20220222BHJP
   F24S 20/70 20180101ALI20220222BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B35/38 B
B63B5/24 102
B63B73/72
F16B5/02 H
F24S20/70
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020544717
(86)(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2018004493
(87)【国際公開番号】W WO2019093603
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0149611
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0149624
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520161171
【氏名又は名称】スコトラ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンモク
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1171683(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第107231118(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0115596(KR,A)
【文献】特開平11-157480(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0870390(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1450846(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1543727(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/00
B63B 35/38
B63B 5/24
B63B 73/72
F16B 5/02
F24S 20/70
H02S 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の太陽電池板と、前記多数の太陽電池板を水面上に位置するように支持するプロファイルアセンブリーおよびフロートが組み合わせられた単位ユニットの集合からなる水上太陽光発電装置において
一側と他側で互いに隣り合っている一側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーと他側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーにそれぞれ属した一側のプロファイルと他側のプロファイルを長さ方向に連結するものであって、記一側のプロファイルの端部に結合される第1結合部材と、前記他側のプロファイルの端部に結合される第2結合部材を含み、前記第1結合部材と前記第2結合部材は相互に対して上下方向に折り曲げ動作可能に結合されて、一側の単位ユニットと他側の単位ユニット間の相対的な上下方向の段差および回転変位を収容できるようにした、水上太陽光発電装置の単位ユニット間連結用回転ブラケットを前記単位ユニット間の連結のために具備し、
前記フロートは、
射出成形によって底板と外壁を有するように容器の形状に個別成形された二つの半本体のうち一つが逆にひっくり返った状態で他の一つの上部に位置した後、上部と下部で互いに対向した状態で接合されて内部が密閉した空いた空間で形成された本体をなし、
前記半本体で外壁の上端部に沿って形成された融着部は前記外壁端部の内側から外側方向に幾重にも形成された多重の熱融着ラインを具備して多重の熱融着が行われるようにし、
前記半本体間の接合で形成される内部の空いた空間には互いに交差してマルチルームを形成しながら強度を補強する横隔壁と縦隔壁が形成され、
前記半本体の外壁は、前記底板の周り部に沿って垂直に形成された垂直部と、前記垂直部から上側に行くほど外側に広くなる方向に傾斜するように形成された傾斜部と、からなって、前記半本体間の外壁が互いに会う融着部に行くほど次第に突出した形状を有するようにし、
前記外壁の垂直部の下端部には、前記垂直部の周りに沿って外側に突出形成された補強凸部が前記底板の厚さより8倍以上の厚さで形成されたことを特徴とする、水上太陽光発電装置。
【請求項2】
前記第1結合部材は、一側のプロファイルの端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の第1端部結合部と、前記第1端部結合部から他側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面するように一対の第1交差結合部を具備し、
前記第2結合部材は、他側のプロファイルの端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の第2端部結合部と、前記第2端部結合部から一側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面するようにして、前記一対の第1交差結合部と交差した状態で上下方向に回転可能であるように結合される一対の第2交差結合部を具備することを特徴とする、請求項1に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項3】
前記第1結合部材および第2結合部材は、中央部と、前記中央部を中心に互いに対称となる一対の第1翼部と、前記第1翼部と直交するように前記中央部を中心に対称となる一対の第2翼部を具備するように、十字状に切開された二つの金属板材からそれぞれ製作されるものの、それぞれの金属板材に対して、前記中央部を中心に前記第1翼部が一方向に折り曲げられて前記中央部と前記第1翼部からなる「コ」の形状の第1端部結合部および第2端部結合部が形成され、前記中央部から第1翼部とは反対方向に折り曲げられて対面する一対の第1交差結合部および一対の第2交差結合部が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項4】
前記第2結合部材は、他側のプロファイルの端部に対して左右方向に回転可能であるように前記第2結合部材と他側のプロファイルの端部を上下に貫通する一つのボルトによって結合され、
前記他側のプロファイルの端部に対して前記第2結合部材が左右方向に回転可能であるように前記他側のプロファイルの端部に対して余裕空間を置いて結合されたことを特徴とする、請求項2に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項5】
多数の太陽電池板と、前記多数の太陽電池板を水面上に位置するように支持するプロファイルアセンブリーおよびフロートが組み合わせられた単位ユニットの集合からなる水上太陽光発電装置において、
一側と他側で互いに隣り合っている一側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーと他側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーにそれぞれ属した一側のプロファイルと他側のプロファイルを長さ方向に連結するものであって、前記一側のプロファイルの端部に結合される第1結合部材と、前記他側のプロファイルの端部に結合される第2結合部材を含み、前記第1結合部材と前記第2結合部材は相互に対して上下方向に折り曲げ動作可能に結合されて、一側の単位ユニットと他側の単位ユニット間の相対的な上下方向の段差および回転変位を収容できるようにした、水上太陽光発電装置の単位ユニット間連結用回転ブラケットを前記単位ユニット間の連結のために具備し、
前記フロートは、
射出成形によって底板と外壁を有するように容器の形状に個別成形された二つの半本体のうち一つが逆にひっくり返った状態で他の一つの上部に位置した後、上部と下部で互いに対向した状態で接合されて内部が密閉した空いた空間で形成された本体をなし、
前記半本体で外壁の上端部に沿って形成された融着部は前記外壁端部の内側から外側方向に幾重にも形成された多重の熱融着ラインを具備して多重の熱融着が行われるようにし、
前記半本体間の接合で形成される内部の空いた空間には互いに交差してマルチルームを形成しながら強度を補強する横隔壁と縦隔壁が形成され、
前記半本体の外壁は、前記底板の周り部に沿って垂直に形成された垂直部と、前記垂直部から上側に行くほど外側に広くなる方向に傾斜するように形成された傾斜部と、からなって、前記半本体間の外壁が互いに会う融着部に行くほど次第に突出した形状を有するようにし、
前記横隔壁と縦隔壁が交差する地点ごとに前記本体を垂直に貫通する貫通管が形成され、
前記貫通管のうち二つの貫通管の内部ホールにはそれぞれ同一高さで設置された絶縁支持体が備えられ、前記絶縁支持体のうち一つに固定されて下端部が前記貫通管の下端部の近くまで長く延びた形態で設置される第1電極棒と、前記絶縁支持体のうち他の一つに固定されるものの、前記第1電極棒よりは短い長さを有し、下端部が貫通管の上部までにのみ延びた第2電極棒が備えられ、
前記第1電極棒および第2電極棒と前記貫通管の内部ホールに流入する水による静電容量値の入力をそれぞれ受けて比較する比較器と、前記比較器の信号の入力を受けて前記第1電極棒および第2電極棒のうちいずれの電極棒まで水に触れたかを知らせる信号を外部に伝送する信号出力部がさらに備えられ、
前記フロートの上部に設置された施設物の浸水危険を判断できるようにしたことを特徴とする、水上太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水上太陽光発電装置に関し、特に水上で広い面積に亘って設置される水上太陽光発電装置で単位ユニット間を連結しつつ、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を能動的に収容できるようにすることによって、頻繁な取り替えやメンテナンスをすることなく長期間に亘って使用できるようにした、単位ユニット間連結用回転ブラケットを具備した水上太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近全世界的に二酸化炭素の排出を抑制しようとする規制が施行されているところ、二酸化炭素の排出がない新しい発電装置の開発が要求されている。
【0003】
このように二酸化炭素の排出がなく、クリーンエネルギーを利用した発電装置としては太陽光を利用した発電装置が代表的であり、最近技術の開発および設置費用が安くなるにつれて普及が拡大している。
【0004】
しかし、太陽光発電システムは発電面積および日照量により発電能力に差が発生するが、広い面積に設置するためには、莫大な土地の使用によって土地の購入において多くの制約があり、土地の購入または補償などにより費用が多く必要とされる問題があるため、大規模に発電施設を設置するためには、周辺の住民たちの協力を引き出さなければならない現実的な困難があった。
【0005】
また、従来のように陸上に設置される太陽光発電システムは、太陽光を受け入れて電気を発電する過程で莫大な量の熱気が発生し、太陽光発電システムが設置された土地からも莫大な量の熱気が伝達されるため、太陽電池板の性能を低下させ、故障を起こす原因となる問題点があった。
【0006】
これに伴い、問題点を低減させつつ、日照量が豊富で開放された設置面積を広く確保するために、河川、湖、貯水池、ダムなどの水面に太陽電池板を設置する水上太陽光発電装置が活発に提案されており、実際に施工に繋がれている状況である。
【0007】
このような水上太陽光発電装置は、多数の太陽電池板と、前記多数の太陽電池板を水面上に位置するように支持するプロファイルアセンブリーおよびフロートが組み合わせられた単位ユニットの多数を連結してなり、前記単位ユニット間の連結は一般的に短棒状の簡単な連結部材を使って行われるが、現場ごとに異なり、これまで標準化された形態は存在しないのが実情である。
【0008】
しかし、水上太陽光発電装置の場合、水上で起こる波浪と風力などにより、隣り合う単位ユニット間に相対的な上下変位、水平変位、回転変位が絶えず発生するため、これまでの連結部材はこのような単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を収容することができずに容易に破損する問題点があり、他の単位ユニットと共に20年間長期間使用できずに頻りに部分的なメンテナンスを施行しなければならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような従来の諸般の問題点を解消するために提案されたものであって、本発明の目的は、水上で広い面積に亘って設置される水上太陽光発電装置で単位ユニット間を連結しつつ、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を能動的に収容できるようにすることによって、頻繁な取り替えやメンテナンスをすることなく長期間に亘って使用できるようにした、単位ユニット間連結用回転ブラケットを具備した水上太陽光発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明の技術的思想による水上太陽光発電装置の単位ユニット間連結用回転ブラケットは、多数の太陽電池板と、前記多数の太陽電池板を水面上に位置するように支持するプロファイルアセンブリーおよびフロートが組み合わせられた単位ユニットの集合からなる水上太陽光発電装置において、一側と他側で互いに隣り合っている一側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーと他側の単位ユニットのプロファイルアセンブリーにそれぞれ属した一側のプロファイルと他側のプロファイルを長さ方向に連結するものであって、前記一側のプロファイルの端部に結合される第1結合部材と、前記他側のプロファイルの端部に結合される第2結合部材を含み、前記第1結合部材と前記第2結合部材は相互に対して上下方向に折り曲げ動作可能に結合されて、一側の単位ユニットと他側の単位ユニット間の相対的な上下方向の段差および回転変位を収容できるようにしたことをその技術的構成上の特徴とする。
【0011】
ここで、前記第1結合部材は一側のプロファイルの端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の第1端部結合部と、前記第1端部結合部から他側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面するように一対の第1交差結合部を具備し、前記第2結合部材は他側のプロファイルの端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の第2端部結合部と、前記第2端部結合部から一側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面するようにして、前記一対の第1交差結合部と交差した状態で上下方向に回転可能であるように結合される一対の第2交差結合部を具備することを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記第1結合部材および第2結合部材は、中央部と、前記中央部を中心に互いに対称となる一対の第1翼部と、前記第1翼部と直交するように前記中央部を中心に対称となる一対の第2翼部を具備するように、十字状に切開された二つの金属板材からそれぞれ製作されるものの、それぞれの金属板材に対して、前記中央部を中心に前記第1翼部が一方向に折り曲げられて前記中央部と前記第1翼部からなる「コ」の形状の第1端部結合部および第2端部結合部が形成され、前記中央部から第1翼部とは反対方向に折り曲げられて対面する一対の第1交差結合部および一対の第2交差結合部が形成されることを特徴とすることができる。
【0013】
また、前記第2結合部材は、他側のプロファイルの端部に対して左右方向に回転可能であるように、前記第2結合部材と他側のプロファイルの端部を上下に貫通する一つのボルトによって結合され、前記他側のプロファイルの端部に対して前記第2結合部材が左右方向に回転可能であるように、前記第2結合部材は前記他側のプロファイルの端部に対して余裕空間を置いて結合されたことを特徴とすることができる。
【0014】
一方、本発明の水上太陽光発電装置は、多数の太陽電池板と、前記多数の太陽電池板を水面上に位置するように支持するプロファイルアセンブリーおよびフロートが組み合わせられた単位ユニットの集合からなり、前記単位ユニット間の連結のために請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の連結用回転ブラケットを具備したことを特徴とすることができる。
【0015】
ここで、前記フロートは、射出成形によって底板と外壁を有するように容器の形状に個別成形された二つの半本体のうち一つが逆にひっくり返った状態で他の一つの上部に位置した後、上部と下部で互いに対向した状態で接合されて内部が密閉した空いた空間で形成された本体をなし、前記半本体で外壁の上端部に沿って形成された融着部は前記外壁端部の内側から外側方向に幾重にも形成された多重の熱融着ラインを具備して多重の熱融着が行われるようにし、前記半本体間の接合で形成される内部の空いた空間には互いに交差してマルチルームを形成しながら強度を補強する横隔壁と縦隔壁が形成され、前記半本体の外壁は、前記底板の周り部に沿って垂直に形成された垂直部と、前記垂直部から上側に行くほど外側に広くなる方向に傾斜するように形成された傾斜部と、からなって、前記半本体間の外壁が互いに会う融着部に行くほど次第に突出した形状を有するようにしたことを特徴とすることができる。
【0016】
また、前記外壁の垂直部の下端部には、前記垂直部の周りに沿って外側に突出形成された補強凸部が前記底板の厚さより8倍以上の厚さで形成されたことを特徴とすることができる。
【0017】
また、前記底板には強度補強のために多数のリブが直交する碁盤の目状に形成され、前記横隔壁と垂直隔壁にも強度補強のために前記底板に形成されたリブと連結されたリブが形成され、前記外壁の内側面には前記底板に形成されたリブと連結されるブラケットが形成されたことを特徴とすることができる。
【0018】
また、前記横隔壁と縦隔壁が交差する地点ごとに前記本体を垂直に貫通する貫通管が形成され、前記貫通管のうち二つの貫通管の内部ホールにはそれぞれ同一高さで設置された絶縁支持体が備えられ、前記絶縁支持体のうち一つに固定されて下端部が前記貫通管の下端部の近くまで長く延びた形態で設置される第1電極棒と、前記絶縁支持体のうち他の一つに固定されるものの、前記第1電極棒よりは短い長さを有し、下端部が貫通管の上部までにのみ延びた第2電極棒が備えられ、前記第1電極棒および第2電極棒と前記貫通管の内部ホールに流入する水による静電容量値の入力をそれぞれ受けて比較する比較器と、前記比較器の信号の入力を受けて前記第1電極棒および第2電極棒のうちいずれの電極棒まで水に触れたかを知らせる信号を外部に伝送する信号出力部がさらに備えられ、前記フロートの上部に設置された施設物の浸水危険を判断できるようにしたことを特徴とすることができる。
【0019】
また、前記本体に設置されて上端部は前記水上構造物の水面上の部位と連結され、下端部は水中に浸った状態になって前記水上構造物から水面までを連結して接地機能を遂行できるようにした伝導性接地部材をさらに含み、前記接地部材は前記本体の外側面のうち少なくともいずれか一つの外側面に設置され、前記本体の外側面の形状に沿って密着した形態で前記本体の上端部から下端部に至るように設置されたことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による水上太陽光発電装置の単位ユニット間連結用回転ブラケットは、水上太陽光発電装置で単位ユニット間を連結しつつ、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を能動的に収容できるようにすることによって、頻繁な取り替えやメンテナンスをすることなく長期間に亘って使うことができる。
【0021】
また、本発明に含まれたフロートは、水上構造物の水面上の部位から水中までを連結して接地機能を遂行する伝導性接地部材をフロートに自体具備した構成によって、陸地まで連結する接地線の難解な設置作業を必要とせず、残留電流による構造物の腐食を防止し、落雷の被害を防止することができる。
【0022】
また、本発明に含まれたフロートは、内部が隔壁によって分割された多数の密閉空間を有するマルチルーム構造で構成されているため、構造的に安定しているだけでなく、浮遊物による外部の衝撃に脆弱な部位に対して集中的な強度の補強がなされているため流氷や草木などの浮遊物による損傷を最小化し、大型製品の実現に適当な融着部補強型マルチルームフロートを実現することができる。
本発明による水上太陽光発電装置のフレーム交差連結用ブラケットは、十字状に交差する二つのフレームを安定的に支持した状態で簡単に連結することができ、ボルトなどの締結部品の個数は最小化することができる。
【0023】
また、本発明は、連結されたフレーム間の回転モーメントに対して高い剛性を発揮しながらも半円状の曲面からなる第1応力分散部と第2応力分散部によって、応力が集中せずに分散するように誘導するため、同じ荷重条件で最大応力数値は低くなり応力分布は安定する。
【0024】
また、本発明は、本体部の表面に第1接触翼部および第2接触翼部とは差別化された低摩擦構造を形成することによって、交差するフレームとの位置を合わせる過程でフレームをその長さ方向に容易にスライディングさせることができ、両者間の損傷を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で単位ユニットの配置図。
図2】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でプロファイルの端部に連結用回転ブラケットが設置された状態の単位ユニットの平面図。
図3】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置の部分側面図。
図4】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットによって単位ユニット間が連結された状態を示した部分平面図。
図5】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの平面図。
図6】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの側面図。
図7】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの第1結合部材を製作するための展開図。
図8】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの斜視図。
図9】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの半本体間に熱融着がなされる前の分離された状態を図示した参照斜視図。
図10】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの半本体の平面図。
図11図10のA-Aによる縦断面図。
図12】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置のフロートで水位測定のための多段電極棒を説明するための部分断面図。
図13】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置のフロートで水位測定のための信号部を説明するための回路図。
図14】および
図15】本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの実際のサンプルの実現のための3Dイメージ。
図16】本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの斜視図。
図17】本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの平面図。
図18】本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの側面図。
図19】本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの第1結合部材を製作するための展開図。
図20】本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットによって十字状に交差する二つのフレームが連結された状態を示す参照斜視図。
図21】本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図。
図22】本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットで本体部に適用された低摩擦構成を説明するための参照図。
図23図22で本体部の表面で低摩擦構造をなしている要素の一つである固体潤滑粒子を形成するための多様な方法のうち、噴霧乾燥方法による方法を説明するための参照写真。
図24】~
図29】本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの製造方法について説明するための一連の参照図。
図30】本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットによって十字状に交差する二つのフレームが連結された状態を示す参照斜視図。
図31】本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図。
図32】本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットで本体部に適用された低摩擦構成を説明するための参照図。
図33】~
図38】本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの製造方法について説明するための一連の参照図。
図39】本発明の第5実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付した図面を参照して本発明の実施例に係る水上太陽光発電装置について詳細に説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面の説明において、類似する参照符号は類似する構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物の寸法は、本発明の明確性を期するために実際より拡大したり、概略的な構成を理解するために実際より縮小して図示している。
【0027】
また、第1および第2等の用語は、多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されるものではない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。一方、異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んで、ここで使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0028】
<第1実施例>
図1は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で単位ユニットの配置図であり、図2は本発明の第1実施例に水上太陽光発電装置でプロファイルの端部に連結用回転ブラケットが設置された状態の単位ユニットの平面図であり、図3は水上太陽光発電装置の部分側面図であり、図4は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットによって単位ユニット間が連結された状態を示した部分平面図である。
【0029】
図示されたように、本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置は、多数の太陽電池板30を水面上に支持するプロファイルアセンブリー20およびフロート10が組み合わせられた多数の単位ユニットが、数十個広い面積に亘って左側と右側に碁盤状に配列されて集合された形態で構成され(図1の場合、A、A1、B、B1タイプの単位ユニットが配列された姿である)、それぞれの単位ユニットは互いに対して図2図4に図示されたように、連結用回転ブラケット40により連結される。
【0030】
このような水上太陽光発電装置の構成において、連結用回転ブラケット40の場合、単位ユニット間を連結しつつ、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を能動的に収容することによって、頻繁な取り替えやメンテナンスをすることなく20年に達するほど長期間に亘って使えるように構成される。
【0031】
以下、前記連結用回転ブラケット40を中心に本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置についてより詳細に説明する。
【0032】
図5は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの平面図であり、図6は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの側面図である。そして、図7は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用回転ブラケットの第1結合部材を製作するための展開図である。
【0033】
図示された通り、連結用回転ブラケット40は、水上太陽光発電装置で一側と他側で互いに隣り合っている一側の単位ユニットのプロファイルアセンブリー20と他側の単位ユニットのプロファイルアセンブリー20にそれぞれ属した一側のプロファイル210と他側のプロファイル210を長さ方向に連結する役割をする。
【0034】
このために、前記連結用回転ブラケット40は一側のプロファイル210の端部に結合される第1結合部材40aと、他側のプロファイル210の端部に結合される第2結合部材40bを含み、前記第1結合部材40aと前記第2結合部材40bは図5に図示されたように、第1ボルト450aを回転軸として相互に対して上下方向に折り曲げ動作可能に結合される。前記第1ボルト450aは、第1ナット460aと対をなして前記第1結合部材40aと前記第2結合部材40bが重なった状態で左右方向に締結する。これにより、一側の単位ユニットと他側の単位ユニット間の相対的な上下方向の段差および上下方向の回転変位を収容することができる。さらに、すべてのボルトに対してナットが締結された状態から緩んで離脱しないように、ヘッド部の反対側の端部にピン孔451が穿孔され、Rピン(R-PIN、図示されず)が前記ピン孔451に差し込まれて設置される。
【0035】
前記連結用回転ブラケット40をさらに詳察すると、前記第1結合部材40aは「コ」の形状に形成されて一側のプロファイル210の端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される第1端部結合部410と、前記第1端部結合部410から他側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面する一対の第1交差結合部420を具備する。このような第1結合部材40aは図7に図示されたように、中央部C1と、前記中央部C1を中心に互いに対称となる一対の第1翼部C410と、前記第1翼部C410と直交するように前記中央部C1を中心に対称となる一対の第2翼部C420を具備するように、十字状に切開された金属板材から製作される。すなわち、前記金属板材に対して中央部C1を中心に第1翼部C410が一方向に折り曲げられて、中央部C1と第1翼部C410からなる「コ」の形状の第1端部結合部410が形成され、前記中央部C1から第1翼部C410とは反対方向に折り曲げられて、離隔した状態で互いに対面する一対の第1交差結合部420が形成される。ここで、前記第1翼部C410と第2翼部C420にはボルトが貫通できるように、それぞれ2個、1個のボルト孔が穿孔される。
【0036】
前記第2結合部材40bは、「コ」の形状に形成されて他側のプロファイル210の端部の上面と下面にそれぞれ接した状態で結合される第2端部結合部430と、前記第2端部結合部430から一側に延びるものの、左側と右側から離隔した状態で互いに対面し、一対の第1交差結合部420と交差した状態で前記第1ボルト450aにより左右方向に貫通した後、第1ナット460aにより締結されて上下方向に回転可能な状態となる。前記第1結合部材40aの第1交差結合部420と第2結合部材40bの第2交差結合部440に対する第1ボルト450aの貫通のために、あらかじめボルト孔421、441が穿孔された状態で製作されることが好ましい。このような第2結合部材40bは、図7に図示された展開図を有する金属板材から第1結合部材40aが製作される方式と同じ方式で製作される。
【0037】
単位ユニット間連結用回転ブラケット40の構成で注目できる点は、前記第1結合部材40aの場合、一側のプロファイル210の端部に対して回転せずに安定した状態で固定されるように、第1端部結合部410が第2ボルト450bおよび第2ナット460b、第3ボルト450cおよび第3ナット460cにより複数の地点で締結されるが、前記第2結合部材40bの場合、上下方向に貫通する第4ボルト450dを回転軸として第2端部結合部430が他側のプロファイル210の端部に対して左右方向に回転可能であるように結合されるという点である。このように回転可能な結合のために、第2結合部材40bと他側のプロファイル210の端部を上下に貫通する第4ボルト450dおよび第4ナット460dにより唯一一つの地点でのみ上下に貫通した状態で結合され、図6に示したように、第2結合部材40bと他側のプロファイル210の端部間の回転動作を許容する余裕空間Sが設けられる。ここで、前記第1端部結合部410に2個のボルト孔411、412が穿孔され、前記第2端部結合部430の場合にも2個のボルト孔431、432が穿孔されるようにして、そのうち一つのみボルトが設置されるようにする。
【0038】
このような構成によると、前記連結用回転ブラケット40の第1結合部材40aと第2結合部材40bが第1ボルト450aを回転軸として相互間に上下方向に回転可能となり、前記他側のプロファイル210の端部に対して第2結合部材40bが左右方向に回転可能となる。したがって、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位のすべてを能動的に収容できるのである。
【0039】
一方、前記第1結合部材40aの第1端部結合部410と前記第2結合部材40bの第2端部結合部430が、それぞれ一側のプロファイル210の端部の上面と下面、他側のプロファイル210の端部の上面と下面に接した状態で結合されるようにした細部構成に注目することができる。このような構成によると、前記第1連結部材の第1端部結合部410と前記第2連結部材の第2端部結合部430が、それぞれ一側のプロファイル210の端部の左側面と右側面、他側のプロファイル210の端部の左側面と右側面に結合された時よりもボルトに加えられる集中荷重を最小化できるようになるため、長期間に亘って寿命(20年間の寿命を予想)を維持できる程度に耐久性が向上する。
【0040】
引き続き、以下では本発明でさらに他の技術的特徴を有するフロート10について説明することにする。
【0041】
本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置に含まれたフロート10は、多様な水上構造物に適用して、残留電流による構造物の腐食を防止し、落雷の被害を効果的に防止できるようにしたものであって、太陽電池板30を支持するプロファイルアセンブリー20から水面までを連結して接地機能を遂行する接地部材である伝導性接地板150を自体具備しており、このような構成によって接地線を陸地まで連結する難解な設置作業を必要とせず、残留電流による構造物の腐食を防止し、落雷の被害を効果的に防止することができる。
【0042】
また、前記フロート10は内部が隔壁によって分割された多数の密閉空間を有するマルチルーム構造で構成されているため、構造的に安定しているだけでなく、浮遊物による外部の衝撃に脆弱であり得る融着部と外壁に対して流氷や草木などの浮遊物と衝突しても衝撃による損傷を受けないように、集中的な強度の補強がなされて全体としてバランスの取れた耐久性を有するように構成される。これにより、前記フロート10が射出成形で外壁が薄く、均一に高品質で形成されるにも関わらず構造的に非常に安定しているため、1000mm以上の規格を有する大型製品の実現が可能であり、浮遊物の衝突が多い苛酷な環境においても容易に損傷しないという長所がある。
【0043】
図8は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの斜視図であり、図9は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロートの半本体間に熱融着がなされる前の分離された状態を図示した参照斜視図であり、図10は本発明の第1実施例に係る水上太陽光発電装置でフロート半本体の平面図であり、図11図10のA-Aによる縦断面図である。
【0044】
図示された通り、前記フロート10は二つの半本体100の接合で内部が密閉した空いた空間を有して浮力を形成する本体10aと、前記本体10aに設置されて上端部は前記プロファイルアセンブリー20と連結され、下端部は水中に浸った状態となって接地機能を遂行できるようにした伝導性接地板150からなる。
【0045】
このうち前記接地板150は、前記本体10aの外側面のうちいずれか一つの外側面や二つ以上の外側面に設置され、重要なものとして前記接地板150は図8に図示されたように、前記本体10aの外側面の形状に沿って密着した形態で前記本体10aの上端部から下端部に至るように設置されて前記本体10aの外側に突出しないようにする。さらに、前記接地板150の厚さが非常に薄いとはいえ、これまでも突出しないようにするために、前記本体10aの該当外側面に接地板150が装着され得るように装着溝が成形時から形成されるようにすることが好ましい。
【0046】
このように、フロート本体10aに接地板150が設置された本発明の構成によると、水上太陽光発電装置で一つの単位ユニット(横6.4m、縦7.5m)を基準として12個以上の接地がなされるのであり、一つのブロック(横100m、縦92m)を基準とする場合には何と2844個もの接地がなされるのである。これにより、接地による等電位が形成されて、落雷が構造物に落ちる場合、広い面積に均一に分散しながら落雷による被害を最小化できるようになる。また、腐食に強い非鉄金属や特殊合金を素材にしてなるプロファイルアセンブリーに流れる残留電流による構造物の腐食を防止する効果も有するようになる。
【0047】
ここで注目できる点は、このように接地板150を具備しているフロート10を使う場合、接地線を設置する難解な作業を必要とせず、簡単にボルト21を使って接地板150が設置されたフロート本体10aの上端部とプロファイルアセンブリー20間を締結さえすればよいという点である。このようなボルト締結作業は、接地板150にかかわらず、フロート10とプロファイルアセンブリー20間を締結するために遂行される日常的な作業に属する。
【0048】
一方、前記接地板150は図8に図示されたように、上下に長い形状を有しつつ左右の幅が狭い帯状のもので備えられてもよいが、より広い大きさのもので備えられてもよい。例えば、接地板150は自分が設置される外側面の面積の2分の1以上を覆う大きさのもので備えられるのであれば、フロート本体10aを外部の接触や衝撃から安全に保護するのに多いに役立つ。特に洪水時や渇水時に水面に浮遊する浮遊物による損傷を防止することができ、冬期に水面が凍りつく時にもフロート本体10aの損傷を最小化できるのである。このように接地板150による保護機能を強化するためには、前記フロート10において本体10aのすべての外側面に接地板150が設置されてもよい。
【0049】
以下では、二つの半本体間の接合からなるフロート本体10aについて詳細に説明する。前記フロート10は、射出成形によって底板110と外壁120を有するように容器の形状に半本体100を二つ個別成形し、そのうちの一つを逆にひっくり返して対称となる形態で上部に位置させた後、その二つの半本体100を熱融着によって接合して内部が密閉した空いた空間に形成された本体をなす。
【0050】
ここで、前記半本体100の外壁120の上端部に沿って形成された融着部123は、図11に示したように、前記外壁120の上端部の内側から外側方向に幾重にも形成された多重の熱融着ライン123aを具備するという点に注目することができる。このように融着部123が多重の熱融着ライン123aで備えられると、熱融着によって接合される部位が一つではなく多重となる多重接合がなされるとともに、接合部位であるにもかかわらず、厚さと接合強度の側面で他の部位よりもかえって高い強度を有するようになり、浮遊物の衝突による荷重や衝撃により融着部123が剥離したり損傷する問題を完全に解消できるようになる。これにより、別個の個体で成形された半本体100二つを熱融着して完全な個体のフロートを形成する進歩した方式が、全体の壁体が薄くて均一に高品質で形成される長所にもかかわらず、融着部123が集中荷重を受けて容易に剥離したり損傷し得る問題を内包していた状況から融着部123の強度を集中的に補強できるようになって、融着部123がかえって強度の側面で最も堅固な部位に変貌できるようになったのである。特に融着部123が形成される部位が、本体全体を基準として浮遊物との衝突が最も頻繁な外壁の中間部位であるという点を勘案すれば、前記のように強度の補強がなされることが好ましい。
【0051】
また、前記半本体100間の接合で形成される内部の密閉した空間には、互いに交差してマルチルームを形成する横隔壁130aと縦隔壁130bが形成されて、全体として骨格構造を形成しながら強度の補強がなされる。
【0052】
前記半本体100は、角が丸く形成された四角の底板110とその底板110の周り部から形成されて容器の形状を有するようにした外壁120で構成されるが、外壁120の場合、単なる平板ではなく底板110の周り部に沿って垂直に形成された垂直部121と前記垂直部121の上端から延びて上側に行くほど外側に広く広がる傾斜した形態で形成された傾斜部123で構成される。このように傾斜部123を有する外壁120の構成によると、図8に示したように、半本体100間の外壁120が互いに会う融着部123に行くほど次第に突出した形状を有するようになる。このような構成は、多重の熱融着ライン123aにより構造的に最も堅固な部位に変貌した融着部123を外壁120から外側に最も突出した部位となるようにして、水上に浮遊する浮遊物と最も先に接触するように誘導する。これにより、相対的に衝突に外壁120の他の部位を保護することができる。併せて、傾斜部123を有する外壁120の形態は、二つの半本体100を接合して完全な外壁120をなす時に、融着部123が位置した中間高さに行くほど外側に突出した形態となって、完全なアーチ型ではないがアーチ型と類似する形状を有するようになる。これにより、外壁120が単なる平面からなる時よりも構造的にはるかに堅固となり得るのである。
【0053】
前記底板110と、横隔壁130aおよび縦隔壁130bには強度補強のために多数のリブ131が形成される。前記底板110に形成されたリブ131はまるで直交する碁盤の目状に形成され、前記横隔壁130aと垂直隔壁には前記底板110に形成されたリブ131と連結されたリブ131が形成される。そして、前記外壁120の内側面には前記底板110に形成されたリブ131と連結されるブラケット124が形成される。このようにリブ131とブラケット124が形成されて強度が補強されると、前記外壁120と横隔壁130aおよび縦隔壁130bをより薄く形成しても設計で要求する十分な強度を確保することが可能となる。
【0054】
前記外壁120の垂直部121の下端部には、前記垂直部121の周りに沿って外側に突出形成された補強凸部140が形成される。前記補強凸部140は底板110の厚さより8倍~10倍の厚さで形成されて、底板110の強度を十分な水準で補強する役割をする。ここで、前記補強凸部140は垂直板141aと水平板141bが交差して形成された骨格構造を有するようにして、中実の板で形成するものに比べて軽量となるようにする。また、前記補強凸部140は本体全体を基準として中間高さから外側に突出した融着部123と突出の程度を同一にすることによってバランスが取れるようにしてくれる。
【0055】
このように、前記フロートは構造的に最も脆弱であり得る融着部123を、多重の熱融着ライン123aに多重に熱融着することによって強度を集中補強する一方、外壁120に傾斜部123を形成したアーチ構造によって外壁120の強度を補強したし、本体全体を基準として上端部と下端部は底面に比べて10倍近く厚い補強凸部140を形成して底板110の強度を補強した。また、これらの構成によって強度が補強された外壁120と底板110から横隔壁130aおよび縦隔壁130bを一つに束ねる多数のブラケット124とリブ131が間隔をおいて密に形成されて、横隔壁130aおよび縦隔壁130bをはじめとする内部全体の強度も補強できるようになった。
【0056】
このような前記フロートを実際に実現したサンプル写真が図14および図15に添付されたが、前記のような補強構造によって外形においても筋肉質を連想できるほど強靭に見え、バランスの取れている姿を確認することができる。そして、その外側面には接地板が密着した形態で設置されていることを確認することができる。
【0057】
引き続き、前記フロート10に備えられる追加の構成について説明することにする。
【0058】
図12はフロート10で水位測定のための多段電極棒を説明するための部分断面図であり、図13は前記フロート10で水位測定のための信号部を説明するための回路図である。
【0059】
図示された通り、前記フロート10には本体の縦隔壁130bと横隔壁130aが交差する地点に形成された貫通管132のうち、二つの貫通管132の内部ホール132aにそれぞれ同一高さで設置された絶縁支持体151が備えられ、前記絶縁支持体151のうち一つに固定されて下端部が前記貫通管132の下端部の近くまで長く延びた形態で設置される第1電極棒152と、前記絶縁支持体151のうち他の一つに固定されるものの、前記第1電極棒152よりは短い長さを有し、下端部が貫通管132の上部までにのみ延びた第2電極棒153が備えられる。
【0060】
そして、前記第1電極棒152および第2電極棒153と前記貫通管132の内部ホール132aに流入する水による静電容量値の入力をそれぞれ受けて比較する比較器161と、前記比較器161の信号の入力を受けて前記第1電極棒152および第2電極棒153のうちいずれの電極棒まで水に触れたかを知らせる信号を外部に伝送する信号出力部162を含む信号部160をさらに具備する。
【0061】
前記第1電極棒152は第2電極棒153が水に触れる前に先に水に触れることになって水の充電電荷が接地を通じて放出されるため、センシング誤作動が防止される。そして、外部から印加される強い静電気も第1電極棒152を通じて放出されるため、安定したセンシングが保障される。ここで、第1電極棒152と第2電極棒153の下端を次第に鋭くすることによって、水が前記第1電極棒152と第2電極棒153に触れてから離れる時の表面張力を最小化させて、不要に水が付いて発生し得る誤作動を事前に防止するようにする。
【0062】
前記比較器161は、第1電極棒152および第2電極棒153と貫通管132の内部ホール132aに流入する水による静電容量値の入力をそれぞれ受けて加減する。前記比較器161で加減された静電容量値は第1電極棒152のみが水に接触した場合と、第1電極棒152と第2電極棒153のすべてに水が接触した場合を区分して、信号出力部162は比較器161で比較された静電容量値に応じて(例えば、5.0V、2.5Vに区分して)それぞれ異なる信号を施設管理室に伝送する。
【0063】
このような構成によると、前記第1電極棒152は浸水した水位が高水位である場合を感知し、第2電極棒153は浸水した水位が低水位である場合を感知する。浸水した水位が高水位である場合を前記第1電極棒152が感知する場合、フロートの上部に設置された施設物の荷重が過度であるため浸水の危険があることを意味するものであるため、迅速に措置を取らなければならない。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は多様な変化と変更および均等物を使うことができる。本発明は前記実施例を適切に変形して同様に応用できることが明確である。したがって、前記記載内容は下記の特許請求の範囲の限界によって定められる本発明の範囲を限定するものではない。
【0065】
<第2実施例>
引き続き、本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置について説明する。
【0066】
本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置の構成で連結用弾性ブラケット40の場合、単位ユニット間を連結しつつ、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位を能動的に収容することができる。それだけでなく、本発明は単位ユニット間に伝達される衝撃を、中間で緩和、吸収、遮断して累積される疲労荷重を減らすことによって耐久性を大きく向上させるため、頻繁な取り替えやメンテナンスをすることなく20年に達するほど長期間に亘って使えるように構成される。
【0067】
以下、前記連結用弾性ブラケット40を中心に本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置についてより詳細に説明する。
【0068】
図16は本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの斜視図であり、図17は本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの平面図であり、図18は本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの側面図である。そして、図19は本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置で連結用弾性ブラケットの第1結合部材を製作するための展開図である。
【0069】
図示された通り、連結用弾性ブラケット40は、水上太陽光発電装置で一側と他側で互いに隣り合っている一側の単位ユニットのプロファイルアセンブリー20と他側の単位ユニットのプロファイルアセンブリー20にそれぞれ属した一側のプロファイル210と他側のプロファイル210を長さ方向に連結する役割をする。
【0070】
このために、前記連結用弾性ブラケット40は前記一側のプロファイル210の端部に結合される第1結合部材510と、前記他側のプロファイル210の端部に結合される第2結合部材520と、前記第1結合部材510と第2結合部材520を連結しつつ、前記第1結合部材510と第2結合部材520の相互間に上下変位、水平変位、回転変位を収容する弾性部材であるコイル型スプリング530を含んで構成される。
【0071】
ここで、前記コイル型スプリング530は、一端部と他端部が前記第1結合部材510と第2結合部材520に溶接などによって単純接合されてもよいが、それよりは第1結合部材510と第2結合部材520をそれぞれ貫通した状態となってローリング可能に結合される。このために、前記コイル型スプリング530の一端部と他端部がそれぞれ第1結合部材と第2結合部材を貫通した状態で、その貫通部位を前後にして一対のナット531がそれぞれ締結されることによって、離脱しないだけでなくローリング動作を可能とする。このようなコイル型スプリング530は、単位ユニット間の上下変位、水平変位、回転変位を収容するとともに、単位ユニット間に伝達される衝撃を中間で緩和、吸収、遮断して単位ユニットのプロファイルアセンブリー20に累積される疲労荷重を減らすことによって、耐久性を大きく向上させることができるという点で大きな長所を有する。
【0072】
前記連結用弾性ブラケット40の第1結合部材510は、一側のプロファイル210の端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の部材であり、一側のプロファイル210の端部に対して回転せずに安定した状態で固定されるように、第1ボルト550aおよび第1ナット560b、第2ボルト550bおよび第2ナット560bにより複数の地点で締結される。その反面、前記第2結合部材50bの場合、他側のプロファイル210の端部の上面から下面に至るまで接した状態で結合される「コ」の形状の部材であり、他側のプロファイル210と共に上下方向に貫通する第3ボルト540cおよび第3ナット550cによりただ一つの地点でのみ締結される。これにより、前記第2結合部材520の場合、第3ボルト540cを回転軸として他側のプロファイル210の端部に対して左右方向に回転可能な状態となる。ここで、図18に示したように、第2結合部材520と他側のプロファイル210の端部間に回転動作を許容する余裕空間Sが設けられる。このような構成のために、図17に示したように第1結合部材510に2個のボルト孔511、512があらかじめ穿孔されており、第2結合部材520の場合にも同様に2個のボルト孔521、522があらかじめ穿孔されるようにすることが好ましい。ただし、第2結合部材520の場合には2個のボルト孔521、522のうち一つにのみボルトが設置されて回転軸となるようにする。さらに、すべてのボルトに対してナットが締結された状態から緩んで離脱しないように、ヘッド部の反対側の端部にピン孔551が穿孔され、Rピン(R-PIN、図示されず)が前記ピン孔551に差し込まれて設置される。
【0073】
前記第1結合部材510は図19に図示されたように、中央部510aと、前記中央部510aを中心に互いに対称となる一対の翼部510bを具備するように、一字状に切開された金属板材から製作される。すなわち、前記金属板材に対して中央部510aを中心に、一対の翼部510bが同じ方向に折り曲げられて離隔した状態で対面するようにして、「コ」の形状の第1結合部材510となるのである。ここで、前記中央部510aにはコイル型スプリング530の端部が貫通するようにした第1ボルト孔513が穿孔され、前記翼部520bの一対には第1ボルト540aと第2ボルト540bが貫通できるように第1ボルト孔511および第2ボルト孔512が穿孔される。一方、前記第2結合部材520の場合、前記第1結合部材510が製作される方式と同じ方式で製作されればよい。
【0074】
このような連結用弾性ブラケット40の構成によると、弾性変位可能であるようにコイル型スプリング530を具備した構成、コイル型スプリング530の端部がローリング方向に回転可能であるようにした構成、第2結合部材520が他側のプロファイル210の端部に対して左右方向に回転可能であるようにした構成が複合的に適用されて、単位ユニット間の相対的な上下変位、水平変位、回転変位のすべてを能動的に収容できるのである。
【0075】
一方、前記第1結合部材510と前記第2結合部材520が、それぞれ一側のプロファイル210の端部の上面と下面、他側のプロファイル210の端部の上面と下面に接した状態で結合されるようにした細部構成に注目することができる。このような構成によると、前記第1連結部材510と前記第2連結部材530が、それぞれ一側のプロファイル210の端部の左側面と右側面、他側のプロファイル210の端部の左側面と右側面に結合された時よりボルトに加えられる集中荷重を最小化できるようになるため、より長期間に亘って寿命(20年間の寿命を予想)を維持できる程度に耐久性が向上する。ここで、前記第1結合部材510と前記第2結合部材520の場合、図面のように、「コ」の形状の部材で構成されることが、支持強度、いずれか一方での左右回転などを考慮して最も好ましい形状と言えるが、プロファイルの端部の四方を完全に覆うことができるようにしたキャップ状、プロファイルの端部の端面にのみ接する平板状、プロファイルの端部の端面と側面に接するようにした「L」の形状の部材でもよいのは言うまでもない。
【0076】
引き続き、以下では本発明でさらに他の技術的特徴を有するフロート10について説明することにする。
【0077】
本発明の第2実施例に係る水上太陽光発電装置に含まれたフロート10は、多様な水上構造物に適用して残留電流による構造物の腐食を防止し、落雷の被害を効果的に防止できるようにしたものであって、太陽電池板30を支持するプロファイルアセンブリー20から水面までを連結して接地機能を遂行する接地部材である伝導性接地板150を自体具備しており、このような構成によって接地線を陸地まで連結する難解な設置作業を必要とせず、残留電流による構造物の腐食を防止し、落雷の被害を効果的に防止することができる。
【0078】
また、前記フロート10は内部が隔壁によって分割された多数の密閉空間を有するマルチルーム構造で構成されているため、構造的に安定しているだけでなく、浮遊物による外部の衝撃に脆弱であり得る融着部と外壁に対して流氷や草木などの浮遊物と衝突しても衝撃による損傷を受けないように、集中的な強度の補強がなされて全体としてバランスの取れた耐久性を有するように構成される。これにより、前記フロート10が射出成形で外壁が薄く、均一に高品質で形成されるにも関わらず構造的に非常に安定しているため、1000mm以上の規格を有する大型製品の実現が可能であり、浮遊物の衝突が多い苛酷な環境においても容易に損傷しないという長所がある。
【0079】
<第3実施例>
引き続き、本発明の第3実施例に係る水上太陽光発電装置について説明する。
【0080】
図20は、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットによって十字状に交差する二つのフレームが連結された状態を示す参照斜視図である。
【0081】
図示された通り、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット600は、水上太陽光発電装置でフロートに支持された状態で太陽電池板を支持しているフレームアセンブリーのうち十字状に交差する第1フレームP1と第2フレームP2を、簡単であるが安定して連結できるように構成される。
【0082】
このために、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット600は図20に図示されたように、第1フレームP1と第2フレームP2を同時に包み込んで支持できるように、U字状の構造を複合的に適用した独創的な構造を形成している。
【0083】
以下、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット600についてより詳細に説明することにする。
【0084】
図21は本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図であり、図22は本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットで本体部に適用された低摩擦構成を説明するための参照図である。そして、図23図22で本体部の表面で低摩擦構造をなしている要素の一つである固体潤滑粒子を形成するための多様な方法のうち、噴霧乾燥方法による方法を説明するための参照写真である。
【0085】
図示された通り、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットは、本体部610と、一対の第1接触翼部620および第2接触翼部630が反対方向に向かっている2個のU字状の構造を形成している形態で形成される。
【0086】
前記本体部610は、互いに反対面である上面と下面がそれぞれ第1フレームP1と第2フレームP2を接触する四角板状の部材で備えられる。前記本体部610の場合、上面には第1フレームP1が密着した状態で接触し、その反対面である下面には第2フレームP2が密着した状態で接触することになる。
【0087】
このような本体部610の場合、前記第1フレームP1と第2フレームP2の連結位置を調節する過程で、相互間の摩擦によって第1フレームP1と第2フレームP2のスライディング動作がなめらかに行われないため位置調節作業が円滑でなく、互いに接触した状態でスライディングが行われる過程でその表面に摩擦損傷が発生する可能性が高い。これに伴い、互いに対する表面摩擦を最小化するために、図22の拡大部に図示されたように、本体部610の表面に多数のディンプル611aが形成され、それに加えて前記ディンプル611aに収容された状態でその場で転がり可能であるようにして、ベアリング特性を有させた固体潤滑粒子612がさらに含まれた独創的な構成がさらに備えられる。
【0088】
このような構成は、前記本体部610に接触した状態で、第1フレームP1と第2フレームP2の位置調節のために直線にスライディングされる形態が、自動車のエンジンでシリンダーの内壁に直線往復運動および回転運動をしながら絶えず表面摩擦されるピストンとの関係と一部類似する点に着眼して、自動車エンジンに適用されるディンプル611aを利用した低摩擦部材を導入したのである(韓国特許登録公報第1507012号(2015.03.24)参照)。しかし、これに止まらず、これをさらに発展させてディンプル611aに固体潤滑粒子612を追加してベアリング特性を有させた独創的な構成まで追加した。
【0089】
このような構成によると、第1フレームP1と第2フレームP2の移動による本体部610との表面接触時、多数のディンプル611aによる低摩擦効果とその場で転がりながらベアリング特性を示す固体潤滑粒子612の低摩擦効果が複合的に作用して優れた低摩擦効果を示す。ここで、前記本体部610、620の表面にはNi-SiC素材のメッキ層611が先に形成された後、そのメッキ層611にディンプル611aが形成されるようにして、固体潤滑粒子612の低摩擦効果とともに、それより一段と高い低摩擦効果を期待できるようにする。
【0090】
このように、球状の固体潤滑粒子612がディンプル611aの内部に収容されるようにした構成によると、図22に図示されたように、第1フレームP1および第2フレームP2の移動により本体部610が強くスライディング摩擦接触する環境で、固体潤滑粒子612の転がり動作および接触面積の最小化の作用によってメッキ層611の摩耗および摩擦を極小化させることができる。さらに、前記固体潤滑粒子612を構成する素材によっては、スライディング摩擦接触環境で固体潤滑粒子612が次第に摩耗するにつれて発生する破片粒子が液体潤滑剤とともに混合されて追加的な潤滑作用をすることができる。
【0091】
ここで、前記固体潤滑粒子612は本発明の実施環境に合うように製造され得、市販のものを購入する方式で準備してもよい。例えば、1990年代初めにワイツマン科学研究所で合成したIF-WS2は2002年から商業的に生産され始めたが、血小板の形態からなるMOS2とは異なって直径が3~350nm程度の大きさを有する球状に形成されている。このようなIF-WS2の場合、ディンプル611aの内部に収容するのに適当なマイクロ単位で用意することができると思われ、一般的に金属の荒い表面の間で転がり摩擦を行うものと知られているだけに、本発明の第3実施例のようにディンプル611aの内部に収容された状態でも転がり摩擦を行うことができるものと期待される。
【0092】
因みに、前記球状の固体潤滑粒子612は現在の技術でもっても多様な方式で用意することができるが、まず球状粒子を用意するためには、噴霧乾燥方法、モールド成型方法、ナノ突起を有する表面に溶融剤またはスラリーを流しながら表面張力を利用して球体を形成し、冷却工程および乾燥工程の後続工程を通じて用意する表面張力を利用した方法、Lotus効果を利用した方法、3Dプリンタを利用した成形方法など、多様な方法がある。
【0093】
また、前記固体潤滑粒子612の表面には、まるでゴルフボールの表面のように液体潤滑剤を収容するための多数の微細オイルポケット612aが形成される。このように固体潤滑粒子612の表面に微細オイルポケット612aを形成することは多様な方法で可能であるが、そのうち噴霧乾燥方法および粉末モールド成型方法の場合、前記固体潤滑粒子612より小さい微細粉末粒子を、先に作られた球状粒子の表面に凝集させた後に熱処理する順序で進行され、これにより図23に図示されたように、凝集した微細粉末粒子の間に微細オイルポケットが自然に形成される。その他にも球状粒子を回転させながらレーザーを照射して微細オイルポケットを形成させるレーザー加工、ディンプル状のツールを利用して球状粒子の表面を押圧して微細オイルポケットを形成するマイクロ放電加工、球状粒子と微細オイルポケットを同時に成形できる3Dプリンティング方法などが利用可能な方法である。
【0094】
一方、前述されたように低摩擦構成を有する本体部610の表面とは異なり、第1接触翼部620と第2接触翼部630は低摩擦のための別途の構成を追加しないという点に注目することができる。前記第1接触翼部620と第2接触翼部630の場合、第1フレームP1と第2フレームP2の両側面を包み込んだ状態でボルト640aおよびナット640bで締結されて前記第1フレームP1と第2フレームP2に対して堅固に固定されなければならず、この時、表面間の摩擦接触が強いほどより安定した固定が可能となるためである。
【0095】
前記第1接触翼部620は、前記本体部610の4つの側端部のうち互いに向き合う二つの側端部から上方向に折り曲げられて、互いに対向しながら前記本体部610とともにU字状をなして第1フレームP1の表面を包み込んでボルト640a締結のための第1ボルト孔620aを具備する。ここで、前記第1ボルト孔620aは複数個が備えられて第1接触翼部620の幅方向に沿って一列に配置される。
【0096】
前記第2接触翼部630は、前記本体部610の4つの側端部のうち前記第1接触翼部620が形成されていない残りの二つの側端部から他方向に折り曲げられて、互いに対向しながら前記本体部610とともにU字状をなして第2フレームP2の表面を包み込んでボルト640a締結のための第2ボルト孔630aを具備する。ここで、前記第2ボルト孔630aは複数個が備えられて第2接触翼部630の長さ方向に沿って一列に配置される。
【0097】
このように、互いに反対方向で本体部610とともにU字状の構造をなす第1接触翼部620と第2接触翼部630が備えられると、U字状の構造によって第1フレームP1と第2フレームP2を締結していない状態で正確に十字状に交差した状態を維持することができ、初期から第1フレームP1と第2フレームP2のすべてに対して一方ではなく両方で支持しているため、第1フレームP1と第2フレームP2を交差させて連結位置を調節する作業からボルト640aおよびナット640bを利用して締結する作業に至る全過程が非常に容易に行われ得る。
【0098】
一方、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの素材は、韓国のポスコ社で生産された高耐食性合金鋼であるポスマック(PosMAC、製品名)を購入して用意する。ポスマックの場合、亜鉛とアルミニウム、マグネシウムが混合された合金鋼であって、湿気の多い水上環境での使用に適している。
【0099】
このように構成された本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの製造方法について、添付した図24図29に基づいて詳細に説明すれば次の通りである。
【0100】
まず、図24のように、韓国のポスコ社で生産された高耐食性合金鋼であるポスマック(PosMAC)を素材として準備した後、プレス切断して十字状の展開図を形成する。
【0101】
その後、前記展開図を折り曲げるための作業が進行される。図25のように展開図を穿孔して第1ボルト孔620aと第2ボルト孔630aを形成し、本体部610と第1接触翼部620の境界線、本体部610と第2接触翼部630の境界線を、浅い深さでスライシングして折り曲げ線622、632を形成する。
【0102】
その後、図26のように、前記折り曲げ線622、632に沿って第1接触翼部620は上方向に折り曲げて前記本体部610とともに上側にU字状をなすようにし、前記第2接触翼部630は下方向に折り曲げて前記本体部610とともに下側にU字状をなすようにする。これにより、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの全体の形状が整われる。
【0103】
その後、前記本体部610の表面にNi-SiC素材のメッキ層611を形成する作業を進める。このために、図23dに図示されたように、電気メッキによってNi-SiCメッキ層611の形成に先立ち、本体部610を除いた残り部分である第1接触翼部620と第2接触翼部630を絶縁および防水機能を有するテープ640で包み込んで本体部610のみが露出するようにする。その後、電解浴(Electrolytic bath)内の電解質溶液に漬ける。
【0104】
この時、Ni-SiCメッキ層611の形成のための電解浴の正極(Cathode)には前記テーピングされた母材を位置させ、負極(Anode)にはTiバスケット(Ti-basket)にNiボールを入れた状態で互いに対して適正距離間隔をおいて位置させる。そして、電解質溶液(electrolyte)は純度90%以上のNi-Sulfamateを利用して作られたもので準備する。
【0105】
これにより、図28に図示されたように、本体部610の表面にのみNi-SiCメッキ層611が形成され、このようにメッキ層611が形成された状態で前記メッキ層611にレーザー照射によってディンプル611aを形成させる。そうしないと、メッキ層611の低摩擦効果とともにパターン化された多数のディンプル611aによる低摩擦効果を複合的に得ることができないためである。仮に、前記とは反対に本体部610の表面に臨時的にディンプル611aを先に形成させた後に電気メッキによってメッキ層611を形成させようとすると、先に形成される微細な大きさのディンプル611aの内部にまで電解質溶液が一定に浸透し難いため、本体部610の表面の全体に亘って均一にメッキをすることが難しくなり、摩擦効果はそれだけ半減するのである。
【0106】
前記の過程でのように、メッキ層611の形成およびディンプル611aの形成が完了すれば、固体潤滑粒子612を本体部610の表面に対してエアロゾール方式によって強く噴射したり加圧する方式でディンプル611aに位置させる。
【0107】
その後、前記第1接触翼部620と第2接触翼部630を包み込んでいるテープ640を剥がす。そうすると、本発明の第3実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットが完成される。
【0108】
<第4実施例>
引き続き、本発明の第4実施例に係る水上太陽光発電装置について説明する。
【0109】
図30は本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットによって十字状に交差する二つのフレームが連結された状態を示す参照斜視図である。
【0110】
図示された通り、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット700も、第3実施例でのように水上太陽光発電装置でフロートに支持された状態で、太陽電池板を支持しているフレームアセンブリーのうち十字状に交差する第1フレームP1と第2フレームP2を、簡単であるが安定して連結できるように構成される。
【0111】
このために本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット700は図30に図示されたように、第1フレームP1と第2フレームP2を同時に包み込んで支持できるようにU字状の構造を複合的に適用した独創的な構造を形成している。
ひいては、応力を効果的に分散させることができるようにした応力分散構造を含む構成によって、同じ荷重条件でより安定的である。
【0112】
以下、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケット700についてより詳細に説明することにする。
【0113】
図31は本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図であり、図32は本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットで本体部に適用された低摩擦構成を説明するための参照図である。
【0114】
図示された通り、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットは、本体部710と、一対の第1接触翼部720および第2接触翼部730が反対方向に向かっている2個のU字状の構造を形成している形態で形成される。
【0115】
前記本体部710は互いに反対面である上面と下面がそれぞれ第1フレームP1と第2フレームP2を接触する四角板状の部材で備えられる。前記本体部710の場合、上面には第1フレームP1が密着した状態で接触し、その反対面である下面には第2フレームP2が密着した状態で接触することになる。
【0116】
このような本体部710の場合、前記第1フレームP1と第2フレームP2の連結位置を調節する過程で、相互間の摩擦によって第1フレームP1と第2フレームP2のスライディング動作がなめらかに行われないため位置調節作業が円滑でなく、互いに接触した状態でスライディングが行われる過程で、その表面に摩擦損傷が発生する可能性が高い。これに伴い、互いに対する表面摩擦を最小化するために、図32の拡大部に図示されたように、本体部710の表面に多数のディンプル711aが形成され、それに加えて前記ディンプル711aに収容された状態でその場で転がり可能であるようにして、ベアリング特性を有させた固体潤滑粒子712がさらに含まれた独創的な構成がさらに備えられる。
【0117】
このような構成は、第3実施例と同様に前記本体部710に接触した状態で、第1フレームP1と第2フレームP2の位置調節のために直線にスライディングされる形態が、自動車のエンジンでシリンダーの内壁に直線往復運動および回転運動をしながら絶えず表面摩擦されるピストンとの関係と一部類似する点に着眼して、自動車エンジンに適用されるディンプル711aを利用した低摩擦部材を導入したのである(韓国特許登録公報第1507012号(2015.03.24)参照)。しかし、これに止まらず、これをさらに発展させてディンプル711aに固体潤滑粒子712を追加してベアリング特性を有させた独創的な構成まで追加した。
【0118】
このような構成によると、第1フレームP1と第2フレームP2の移動による本体部710との表面接触時、多数のディンプル711aによる低摩擦効果とその場で転がりながらベアリング特性を示す固体潤滑粒子712の低摩擦効果が複合的に作用して優れた低摩擦効果を示す。ここで、前記本体部710、720の表面には、Ni-SiC素材のメッキ層711が先に形成された後、そのメッキ層711にディンプル711aが形成されるようにして、固体潤滑粒子712の低摩擦効果とともに、それより一段と高い低摩擦効果を期待できるようにする。
【0119】
このように、球状の固体潤滑粒子712がディンプル711aの内部に収容されるようにした構成によると、図32に図示されたように、第1フレームP1および第2フレームP2の移動により本体部710が強くスライディング摩擦接触する環境で、固体潤滑粒子712の転がり動作および接触面積の最小化の作用によってメッキ層711の摩耗および摩擦を極小化させることができる。さらに、前記固体潤滑粒子712を構成する素材によっては、スライディング摩擦接触環境で固体潤滑粒子712が次第に摩耗するにつれて発生する破片粒子が液体潤滑剤とともに混合されて追加的な潤滑作用をすることができる。
【0120】
ここで前記固体潤滑粒子712は第3実施例と同様に本発明の実施環境に合うように製造され得、市販のものを購入する方式で準備してもよい。例えば、1990年代初めにワイツマン科学研究所で合成したIF-WS2は2002年から商業的に生産され始めたが、血小板の形態からなるMOS2とは異なって直径が3~350nm程度の大きさを有する球状に形成されている。このようなIF-WS2の場合、ディンプル711aの内部に収容するのに適当なマイクロ単位で用意できると思われ、一般的に金属の荒い表面の間で転がり摩擦を行うと知られているだけに、本発明の第4実施例のようにディンプル711aの内部に収容された状態でも転がり摩擦を行うことができると期待される。
【0121】
因みに、前記球状の固体潤滑粒子712は現在の技術でもっても多様な方式で用意することができるが、まず球状粒子を用意するためには、噴霧乾燥方法、モールド成型方法、ナノ突起を有する表面に溶融剤またはスラリーを流しながら表面張力を利用して球体を形成し、冷却工程および乾燥工程の後続工程を通じて用意する表面張力を利用した方法、Lotus効果を利用した方法、3Dプリンタを利用した成形方法など、多様な方法がある。
【0122】
また、前記固体潤滑粒子712の表面には、まるでゴルフボールの表面のように液体潤滑剤を収容するための多数の微細オイルポケット712aが形成される。このように固体潤滑粒子712の表面に微細オイルポケット712aを形成することは多様な方法で可能であるが、そのうち噴霧乾燥方法および粉末モールド成型方法の場合、前記固体潤滑粒子712より小さい微細粉末粒子を、先に作られた球状粒子の表面に凝集させた後に熱処理する順序で進行され、これにより第3実施例の図23に図示されたように、凝集した微細粉末粒子の間に微細オイルポケットが自然に形成される。その他にも球状粒子を回転させながらレーザーを照射して微細オイルポケットを形成させるレーザー加工、ディンプル状のツールを利用して球状粒子の表面を押圧して微細オイルポケットを形成するマイクロ放電加工、球状粒子と微細オイルポケットを同時に成形できる3Dプリンティング方法などが利用可能な方法である。
【0123】
一方、前述されたように、低摩擦構成を有する本体部710の表面とは異なり第1接触翼部720と第2接触翼部730は低摩擦のための別途の構成を追加しないという点に注目することができる。前記第1接触翼部720と第2接触翼部730の場合、第1フレームP1と第2フレームP2の両側面を包み込んだ状態でボルト740aおよびナット740bで締結されて前記第1フレームP1と第2フレームP2に対して堅固に固定されなければならず、この時、表面間の摩擦接触が強いほどより安定した固定が可能となるためである。
【0124】
前記第1接触翼部720は前記本体部710の4つの側端部のうち互いに対向する二つの側端部から上方向に折り曲げられて、互いに対向しながら前記本体部710とともにU字状をなして第1フレームP1の表面を包み込んでボルト740a締結のための第1ボルト孔720aを具備する。
【0125】
前記第2接触翼部730は前記本体部710の4つの側端部のうち前記第1接触翼部720が形成されていない残りの二つの側端部から他方向に折り曲げられて、互いに対向しながら前記本体部710とともにU字状をなして第2フレームP2の表面を包み込んでボルト740a締結のための第2ボルト孔730aを具備する。
【0126】
このように、互いに反対方向で本体部710とともにU字状の構造をなす第1接触翼部720と第2接触翼部730が備えられると、U字状の構造によって第1フレームP1と第2フレームP2を締結していない状態で正確に十字状に交差した状態を維持することができ、初期から第1フレームP1と第2フレームP2のすべてに対して一方ではなく両方で支持しているため、第1フレームP1と第2フレームP2を交差させて連結位置を調節する作業からボルト740aおよびナット740bを利用して締結する作業に至る全過程が非常に容易に行われ得る。
【0127】
さらに、第1接触翼部720と第2接触翼部730には、それぞれ応力を効果的に分散させることができるように、半円状の断面を有する曲面からなる第1応力分散部725と第2応力分散部735が形成される。前記第1応力分散部725の場合、第1接触翼部のうち前記本体部710と連結される一定の部位に形成され、前記第2応力分散部735の場合、第2接触翼部730のうち前記本体部710と連結される一定の部位に形成される。
【0128】
このように第1接触翼部720と第2接触翼部730にそれぞれ第1応力分散部725と第2応力分散部735が形成されると、同一の荷重条件で集中する最大応力が顕著に減少する。
【0129】
一方、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの素材は、韓国のポスコ社で生産された高耐食性合金鋼であるポスマック(PosMAC、製品名)を購入して用意する。ポスマックの場合、亜鉛とアルミニウム、マグネシウムが混合された合金鋼であって、湿気の多い水上環境での使用に適している。
【0130】
このように構成された本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの製造方法について、添付した図33図38に基づいて詳細に説明すれば次の通りである。
【0131】
まず、図33のように韓国のポスコ社で生産された高耐食性合金鋼であるポスマック(PosMAC)を素材として準備した後、プレス切断して十字状の展開図を形成する。この時、すでに本体部710、第1接触翼部720、第2接触翼部730が形成され、第1ボルト孔720aと第2ボルト孔720bも共に形成される、また、第1接触翼部720と第2接触翼部730が会う角の地点には、後程の折り曲げ作業を容易にするために面取り部722を形成する。そして、本体部710と第1接触翼部720の境界線、本体部710と第2接触翼部730の境界線を、浅い深さでスライシングして折り曲げ線を形成する。
【0132】
その後、前記展開図を折り曲げるための作業が進行される。図34のように、第1接触翼部720と第2接触翼部730のうち本体部710と会う一定の部位を加圧して、半円状の断面を有する第1応力分散部725と第2応力分散部735を形成する。
その後、図35のように、前記折り曲げ線に沿って第1接触翼部720は上方向に折り曲げて前記本体部710とともに上側にU字状をなすようにし、前記第2接触翼部730は下方向に折り曲げて前記本体部710とともに下側にU字状をなすようにする。これにより、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの全体の形状が整われる。
【0133】
その後、前記本体部710の表面にNi-SiC素材のメッキ層711を形成する作業を進める。このために図6dに図示されたように、電気メッキによってNi-SiCメッキ層711の形成に先立ち、本体部710を除いた残り部分である第1接触翼部720と第2接触翼部730を絶縁および防水機能を有するテープ740で包み込んで本体部710のみが露出するようにする。その後、電解浴(Electrolytic bath)内の電解質溶液に漬ける。
【0134】
この時、Ni-SiCメッキ層711形成のための電解浴の正極(Cathode)には前記テーピングされた母材を位置させ、負極(Anode)にはTiバスケット(Ti-basket)にNiボールを入れた状態で互いに対して適正距離間隔をおいて位置させる。そして、電解質溶液(electrolyte)は純度390%以上のNi-Sulfamateを利用して作られたもので準備する。
【0135】
これにより、図37に図示されたように、本体部710の表面にのみNi-SiCメッキ層711が形成され、このようにメッキ層711が形成された状態で前記メッキ層711にレーザー照射によってディンプル711aを形成させる。そうしないと、メッキ層711の低摩擦効果とともにパターン化された多数のディンプル711aによる低摩擦効果を複合的に得ることができないためである。仮に、前記とは反対に本体部710の表面に臨時的にディンプル711aを先に形成させた後に電気メッキによってメッキ層711を形成させようとすると、先に形成される微細な大きさのディンプル711aの内部にまで電解質溶液が一定に浸透し難いため、本体部710の表面の全体に亘って均一にメッキをすることが難しくなり、摩擦効果はそれだけ半減するのである。
【0136】
前記の過程でのようにメッキ層711の形成およびディンプル711aの形成が完了すれば、固体潤滑粒子712を本体部710の表面に対してエアロゾール方式によって強く噴射したり加圧する方式でディンプル711aに位置させる。
【0137】
その後、前記第1接触翼部720と第2接触翼部730を包み込んでいるテープ740を剥がす。そうすると、本発明の第4実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットが完成される。
【0138】
<第5実施例>
引き続き、本発明の第5実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成について説明する。
【0139】
図39は、本発明の第5実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットの構成を説明するための斜視図である。
【0140】
図示された通り、本発明の第5実施例に係るフレーム交差連結用ブラケットは、前記第1応力分散部725と第2応力分散部735にそれぞれ複数の切開部725、135が形成されたことを特徴とする。このような構成によると、加えられる荷重が一定水準以下である場合、前記第1応力分散部725と第2応力分散部735とは応力が集中しないように分散させる役割をするが、加えられる荷重が過度であるため一定水準を超過する場合、他の部位よりも先に変形して他の部位を保護するダンパーの役割をする。これにより、加えられる多様な荷重に対して対応範囲が広くなるだけでなく、フレーム交差連結用ブラケットの全体の部位のうち変形する部位を正確に予測することが可能であるため、荷重に対する対応設計が非常に容易となる長所がある。
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