(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】グローブと一体化されたセンサシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220222BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20220222BHJP
B25J 19/02 20060101ALI20220222BHJP
G01L 1/18 20060101ALI20220222BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
G06F3/01 514
A41D19/015 610Z
B25J19/02
G01L1/18 Z
G01L5/00 101Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021003873
(22)【出願日】2021-01-14
(62)【分割の表示】P 2017518338の分割
【原出願日】2015-10-30
【審査請求日】2021-01-18
(32)【優先日】2014-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514215929
【氏名又は名称】ビーボップ センサーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン、ケイス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロブダン、カイル
(72)【発明者】
【氏名】スティネット、マキシム
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/116242(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/058473(WO,A1)
【文献】米国特許第05280265(US,A)
【文献】特表2012-523299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0070957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/03
G06F 3/041-3/047
A41D 19/00-19/04
B25J 1/00-21/02
G01L 1/00-1/26
G01L 5/00-5/28
G01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサであって、
第1の熱可塑性ポリウレタン基板(第1のTPU基板)上の複数の導電配線であって、前記複数の導電配線は、2又はそれより多くのセンサ配線と、1又はそれより多くの信号経路配線とを有する、複数の導電配線と、
前記第1のTPU基板に熱的に接合され、前記センサ配線と接するピエゾ抵抗性の生地であって、前記ピエゾ抵抗性の生地及び前記センサ配線は、前記センサを形成する、ピエゾ抵抗性の生地と
を備え、
前記センサ配線は、前記第1のTPU基板の前記ピエゾ抵抗性の生地の方を向く第1の面上にあり、前記信号経路配線のうちの少なくとも一部は、前記第1のTPU基板の前記ピエゾ抵抗性の生地とは反対方向を向く第2の面上にある
センサ。
【請求項2】
前記ピエゾ抵抗性の生地の一方の面が前記センサ配線と接する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記第1のTPU基板及び前記ピエゾ抵抗性の生地に熱的に接合される第2のTPU基板を更に備え、それにより前記第1のTPU基板と前記第2のTPU基板との間で前記ピエゾ抵抗性の生地及び前記センサ配線を囲む、請求項1又は請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1のTPU基板及び前記ピエゾ抵抗性の生地に熱的に接合される第2のTPU基板を更に備え、それにより前記第2のTPU基板によって前記ピエゾ抵抗性の生地の一方の面が前記センサ配線と接するよう維持されている、請求項1又は請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第1のTPU基板及び前記第2のTPU基板のうちの一方又は両方は、前記センサが追加の基板に熱的に接合されるように、接着剤‐バリア‐接着剤構造を有する、請求項3又は請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記複数の導電配線は、前記第1のTPU基板に印刷された導電性フレキシブルインクを有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記センサは、第1の信号経路設定配線を介して前記センサをアクティブにし、前記センサから第2の信号経路設定配線を介してセンサ信号を受信するセンサ回路に接続され、前記センサ回路は、前記ピエゾ抵抗性の生地への機械的な力、前記ピエゾ抵抗性の生地への圧力、前記ピエゾ抵抗性の生地の歪み、又は前記ピエゾ抵抗性の生地の変形のうちの1又は複数を検出すべく、前記センサ信号を処理する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記ピエゾ抵抗性の生地及び前記2又はそれより多くのセンサ配線は、前記センサ信号を生成する分圧回路の一部を形成する、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記センサ配線は、前記第1のTPU基板上に、隣接して形成され、
前記ピエゾ抵抗性の生地を通る前記隣接するセンサ配線間の抵抗の信号が、センサ信号として生成される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記センサと位置合わせされるスティフナを更に備える、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のセンサを複数備えるセンサアレイ。
【請求項12】
前記ピエゾ抵抗性の生地は、複数のパッチを有し、前記複数のパッチのそれぞれは、複数の前記センサうちの1つに関連付けられる、請求項11に記載のセンサアレイ。
【請求項13】
第1の信号経路設定配線を介して複数の前記センサを選択的にアクティブにし、複数の前記センサから第2の信号経路設定配線を介してセンサ信号を受信するセンサ回路を更に備え、前記センサ回路は、前記センサアレイの表面と接する物体の動きの速度及び方向を決定すべく、前記センサ信号を処理する、請求項11又は請求項12に記載のセンサアレイ。
【請求項14】
第1の導電配線上にわたって形成された絶縁材料を更に備え、それにより、第2の導電配線が前記第1の導電配線と交差することを可能にする、請求項11から請求項13のいずれか一項に記載のセンサアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、Flexible Sensors and Applicationsという発明の名称で2014年10月30日に出願された米国特許仮出願第62/072,798号明細書(代理人整理番号BBOPP004P3)からの優先権を主張する。本出願は又、Flexible Sensors and Applicationsという発明の名称で2015年3月27日に出願された米国特許出願番号第14/671,821号明細書(代理人整理番号BBOPP004X2)からの優先権を主張する。上記の複数の出願のそれぞれの開示内容全体が、全ての目的に対して、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
複数のコンピューティング装置と物理的な世界との間のギャップを橋渡しする複数の技術に対する需要が急激に高まっている。これらのインタフェースは、一般に、物理ドメインからの情報をデジタルドメインに変換するセンサ技術を何らかの形で必要とする。 "モノのインターネット"は、事実上無制限な応用範囲での複数のセンサの使用を予期する。それらのうちの多くにとって、従来のセンサ技術は十分好適ではない。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施例に従うと、複数のセンサ及び複数のセンサの複数の用途が提供される。いくつかの実施例に従うと、センサシステムが、グローブの一部分との位置合わせ又は一体化のためのフレキシブル基板を含む。複数のセンサ位置で基板上に直接形成される複数の導電配線群が、人間の手の少なくともいくつかの指の関節に対応する。これらの導電配線群のそれぞれは、2又はそれよりも多くの導電配線を含む。これらの導電配線群のそれぞれにおける複数の導電配線間の抵抗は、導電配線群と接するピエゾ抵抗材料に対する力によって変化する。回路は、複数の導電配線群のそれぞれから信号を受信し、これに応答して制御情報を生成するように構成される。制御情報は、複数の導電配線群のそれぞれと接するピエゾ抵抗材料に対する力を表す。
【0004】
ある特定の種類の複数の実施例に従うと、フレキシブル基板は、誘電体材料であり、ピエゾ抵抗材料は、複数のパッチである。ピエゾ抵抗材料のそれぞれのパッチが、複数のセンサ位置で複数の導電配線群のうちの対応する1つと接する。より具体的な実施例に従うと、誘電体材料は、熱可塑性材料であり、センサシステムは、熱可塑性材料の第2のフレキシブル基板を含む。複数の導電配線群が形成されるフレキシブル基板、ピエゾ抵抗材料の複数のパッチ、及び第2のフレキシブル基板は熱的に一緒に接合され、それによりピエゾ抵抗材料の複数のパッチは、対応する複数の導電配線群と接するように固定される。
【0005】
別の種類の複数の実施例に従うと、フレキシブル基板は、例えば、ピエゾ抵抗性の生地であってよいピエゾ抵抗材料である。
【0006】
様々な実施例の特性及び複数の利点の更なる理解が、本明細書の残りの部分及び複数の図面を参照することにより実現されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】フレキシブル基板と一体化され得る複数の配線パターンの複数の例を示す。
【0008】
【
図2】フレキシブル基板に対する様々な種類の歪みの複数の例を示す。
【0009】
【0010】
【
図4】様々な実施形態での使用に適したセンサ回路の簡略化したブロック図である。
【0011】
【
図5】片面及び両面センサ実装における、ピエゾ抵抗基板、複数の導電配線、及び他の複数の導電性要素の複数の関係の複数の例を示す。
【0012】
【0013】
【0014】
【
図8】センサシステムの複数のコンポーネントの一部の断面の例を示す。
【0015】
【
図9】グローブブランクと一体化されたセンサアレイの例を示す。
【0016】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
複数のピエゾ抵抗材料を組み込んだ複数のセンサ及び複数のセンサシステムが本開示にて説明される。特に、人間の手のグローブとの一体化のための複数のセンサシステムが説明される。複数の特定の実施例が、予期される複数のベストモードを含め、本明細書にて説明される。これらの実施例の複数の例が、添付の複数の図面に示されている。しかしながら、本開示の範囲は、説明されるこれらの実施例に限定されるものではない。むしろ、本開示は、これらの実施例の複数の代替手段、修正形態、及び等価物を包含することが意図されている。以下の説明において、説明されるこれらの実施例の十分な理解を提供するために、具体的な詳細が説明される。いくつかの実施例は、これらの具体的な詳細の幾分か、又は全てがなくとも実施され得る。更に、明瞭性を促進すべく、よく知られた複数の特徴は、詳細に説明されていないかもしれない。
【0019】
複数のピエゾ抵抗材料が、この材料に加えられる機械的な力又は圧力に応答して電気抵抗の変化を示す、ある種の材料の任意のものを含む。本明細書にて説明されている複数のセンサシステムのうちの1つの種類が、ピエゾ抵抗材料、例えば、ピエゾ抵抗性の生地又はその他のフレキシブル材料のフレキシブル基板に直接形成された、或いはそうでなければフレキシブル基板と一体化された複数の導電配線を含む。本明細書にて説明されている複数のセンサシステムのうちの別の種類が、フレキシブル誘電体基板ときつく一体化され、複数の配線の複数の部分と接するフレキシブルピエゾ抵抗材料の誘電体基板に直接形成された、或いはそうでなければ誘電体基板と一体化された複数の導電配線を含む。そのようなセンサシステムに対して力又は圧力が加えられた場合、ピエゾ抵抗材料によって接続された複数の配線間の抵抗は、加えられる力を表し、時間変動する形で変化する。加えられる力の大きさを表す信号が、抵抗の変化に基づいて生成される。この信号は、(例えば、電圧又は電流として)複数の導電配線を介して捉えられ、(例えば、アナログ/デジタル変換器により)デジタル化され、(例えば、関連するプロセッサ又はコントローラ又は適切な制御回路により)処理され、(例えば、関連するプロセッサ、コントローラ、又は制御回路により)事実上、あらゆる種類のプロセス、装置、又はシステムと共に使用され得る制御機能に対してマッピングされる。そのような複数のセンサシステムからの複数の出力信号は又、それらのセンサシステムが形成されている、又はそれらのセンサシステムが一体化されている基板の、例えば、曲がり、延び、ねじれ、回転、等のような、様々な歪み及び/又は変形を検出するために使用され得る。
【0020】
複数のフレキシブル基板に、複数の導電配線を直接印刷すること、スクリーン印刷すること、堆積させること、又はそうでなければ形成することにより、あらゆる任意の形状又は体積に適合するセンサ又はセンサアレイの形成が可能である。その上に複数の配線が形成される、又は複数の配線が接するピエゾ抵抗材料は、複数のピエゾ抵抗特性を有する様々な織布及び不織布のいずれであってもよい。ピエゾ抵抗材料が、複数のピエゾ抵抗特性を有する様々なフレキシブルで、伸縮性の、或いはそうでなければ変形可能である材料(例えば、ゴム、もしくは、スパンデックス又はオープンメッシュ生地のような伸縮性の生地)のいずれでもあり得るような、複数の実施例も又予期される。複数の導電配線は、様々な導電性インク又は塗料のいずれを用いて、ピエゾ抵抗材料又はフレキシブル誘電体基板上に形成されてもよい。フレキシブル基板上に形成され得る任意のフレキシブル導電性材料を用いて複数の導電配線が形成されるような複数の実施例も又予期される。従って、複数の特定の実施例が複数の特定の材料及び技術を参照して説明されているものの、本開示の範囲がそのように限定されるものでないことが理解されるべきである。
【0021】
例えば、複数の導電配線がフレキシブル基板の片面又は両面に印刷され得る、片面及び両面実装の両方が予期される。理解されるように、両面実装は、基板の一方の面の複数の導電配線を、他方の面の複数の導電配線に接続するための、何らかの機構を必要とするだろう。いくつかの実施例は、この複数の接続を確立すべく複数のビアを使用し、これらのビアを通して導電性インク又は塗料が流し込まれる。代替的に、複数の金属ビア又はリベットによって、フレキシブル基板を通した複数の接続を形成してよい。
【0022】
片面及び両面実装の両者が、複数の導電配線上にわたって形成された複数の絶縁材料を使用してよい。これにより、複数の導電配線及び複数の信号線の重ね合わせ、又は積層が可能となる。例えば、プリント回路基板の異なる複数の層に類似した形で、複数の分離された構造に対する信号線の経路設定を可能とする。
【0023】
フレキシブル基板における、及びフレキシブル基板外での複数の信号の経路設定が、様々な方式で実現され得る。ある特定の種類の複数の実施例が、導電性ゴム及び非導電性ゴムが、(例えば、基板の縁部において)それらが接続する複数の導電配線の幅よりも一般に桁違いに大きい密度で交互に入れ替わる、複数のエラストマーコネクタ(例えば、複数のZEBRA(登録商標)コネクタ)を使用する。代替的に、(場合によってはカプトン等のフレキシブル材料で作成された)回路基板、又は、複数の導体の束が、この基板にリベットで留められてよい。複数のリベットの使用は、この接続に対する機械的補強も又提供し得る。
【0024】
複数の導電配線又はパッドを、フレキシブル基板及び回路基板の両者においてマッチングさせることが、それぞれを対向させ得る。複数の表面のうちの1つに対し、導電性接着剤(例えば、ニュージャージー州ハッケンサックのMasterbond株式会社のMasterbond EP79のような導電性エポキシ)の層が塗られ、その後、他方の表面と対にされ得る。それらの導電配線又はパッドは、超音波プラスチック溶接又は複数のリベットのような複数の追加の機械的要素と一緒に保持されることも又できる。フレキシブル基板の複数の導電配線への複数の電気的接続を形成するために複数の導電性リベットが使用される場合、導電性接着剤は必要ないだろう。複数の導電糸も又、フレキシブル基板の複数の導電配線を外部アセンブリに接続するために使用され得る。
【0025】
ある特定の種類の複数の実施例に従うと、このピエゾ抵抗材料は、カリフォルニア州ピノールのEeonyx株式会社によって製造される感圧性の生地である。この生地は複数の導電性粒子を含み、これらの導電性粒子は、生地中に懸濁された状態に自身を保つために、ポリマー化されている。基材は、密度及び厚さの均一性のために選択されたポリエステル製のフェルトである。何故ならば、これは、出来上がったピエゾ抵抗性の生地の導電性におけるより良好な均一性を促進するからである。すなわち、複数の導電性粒子を含有するスラリーが導入された場合に、基材の機械的な均一性が、複数の導電性粒子のより均一な分布をもたらす。この生地は織布であってよい。代替的に、この生地は、例えば光沢生地、例えば、化学的、機械的、熱的又は溶媒処理によって一緒に接合される複数のファイバのような不織布であってよい。複数の導電配線がピエゾ抵抗性の生地の上に形成される複数の実施例については、光沢材料は、光沢の付けられていない材料よりも、複数の導電性インクのより正確なスクリーン印刷を促進する、より滑らかな外面を与える。
【0026】
生地中の複数の導電性粒子は、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、炭素等を含め、多種多様な材料のいずれであってもよい。いくつかの実施例は、生地をつかむために形成された炭素グラフェンを使用し得る。そのような複数の材料が、2008年12月23日に発行されたElectroconductive Woven and Non-Woven Fabricという米国特許第7,468,332号明細書に説明される複数の技術を用いて製造され得る。その開示内容全体が、全ての目的に対して、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、材料に対して力又は圧力が加えられた場合に抵抗又は導電性の変化を示す、あらゆるフレキシブル材料が、本明細書に説明されるような複数のセンサの実施例にとって適切なものであろうことにも又留意すべきである。
【0027】
ある特定の種類の複数の実施例に従うと、様々なレベルの導電性を有する複数の導電配線が、例えば、デラウエア州ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Company(DuPont)及び/又は、マサチューセッツ州エーアのCreative Materialsにより製造される複数の導電性のシリコーンベースのインクを用いて、フレキシブルピエゾ抵抗材料又は隣接するフレキシブル誘電体基板上に形成される。様々な実施形態での使用に向けた複数の高導電性の配線を実施するのに適切な導電性インクの例は、フレキシブル、高温、電気的導電性インクである、Creative Materialsの製品番号125-19である。様々な実施形態での使用に向けたより低い導電性の複数の配線を実施するための複数の導電性インクの複数の例は、DuPontの製品番号7102及び7105であり、両者ともに炭素導電性組成物である。様々な実施形態での使用に向けた複数の絶縁体を実施するのに適切な複数の誘電体材料の複数の例は、DuPontの製品番号5018及び5036であり、それぞれ、UV硬化可能な誘電体及びカプセル材料である。これらのインクは、フレキシブル且つ耐久性があり、折り目を付けること、洗浄等を扱うことができる。異なる複数の配線及び用途に向けた導電性の程度は、シリコーン中に懸濁される複数の導電性粒子(例えば、銀、銅、アルミニウム、炭素等)の量又は濃度によって制御される。これらのインクは、スクリーン印刷又はインクジェットプリンタから印刷され得る。別の種類の複数の実施例が、EMIシールド及びESD保護に一般に使用されるもののような、複数の導電性塗料(例えば、塗料と混合された複数の炭素粒子)を使用する。
【0028】
本開示によって可能とされる様々な実施例に使用され得る、複数のセンサ及び複数のセンサの複数のアレイの複数の例が、Piezoresistive Sensors and Applicationsという発明の名称で2014年6月9日に出願された米国特許出願番号第14/299,976号明細書(代理人整理番号BBOPP004)にて説明される。その開示内容全体が、全ての目的に対して、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、様々な他の適した複数のセンサ技術を使用する複数の実施例が予期されることが留意されるべきである。
【0029】
フレキシブル基板上に複数のセンサを形成することにより、多数の有用な装置が可能になる。これらの装置のうちの多くが、そのような複数のセンサを使用して、複数のタッチイベントの発生、複数のタッチイベントの力又は圧力、複数のタッチイベントの期間、複数のタッチイベントの位置、複数のタッチイベントの方向、及び/又は複数のタッチイベントの動きの速度を検出する。そのような複数のセンサからの複数の出力信号は又、それらのセンサが形成されている、又はそれらのセンサが一体化されている基板の、例えば、曲がり、延び、ねじれ、回転、等のような、様々な歪み及び/又は変形を検出するために使用され得る。そのような複数のセンサから導出される情報は、多種多様な制御及び/又は効果を達成すべく使用され得る。歪み及び/又は変形の複数の例が、添付の複数の図面を参照して、以下に説明される。理解されるように、説明される具体的な詳細は、本開示によって可能となる複数の技術の範囲を示すことを目的とした、単なる複数の例に過ぎない。
【0030】
図1は、フレキシブル基板102と一体化されるセンサ配線パターン100の例を示す。フレキシブル基板は、ピエゾ抵抗材料又は誘電体材料であってよい。後者の場合、フレキシブルピエゾ抵抗材料が、誘電体材料ときつく一体化され、センサ配線パターンと接する。配線パターン100が複数の導電配線のペアを含み、その一方(配線104)が関連回路(図示せず)へセンサ信号を提供し、その他方(配線106)が接地又は適切な基準に接続される。その他の複数の配線パターン108-116のいくつかの代表例が示されている。いくつかの実施例において、配線パターンの複数の配線は、例えば、ピエゾ抵抗性の生地であり得るフレキシブル基板上に、例えば、スクリーン印刷又は印刷によって直接形成され得る。しかしながら、とりわけ、センサ配線パターンの複数の形状、各センサに関連する配線の数、センサの数、間隔、又は配置、基板に対する複数のセンサの関係、層又は基板の数、及び、基板の特性が、用途ごとに大幅に変化し得ること、並びに、図示される複数の構成が例示を目的とした単なる複数の例に過ぎないことに留意すべきである。
【0031】
図2は、センサ配線パターン100により検出され得る、フレキシブル基板102に対する様々な種類の歪みの複数の例を示す。
図2の(a)は、歪んでいない状態にある基板102を示す。
図2の(b)は、曲がった状態の基板102の側面図を示す。
図2の(c)は、延びた状態の基板102を示す。
図2の(d)は、周囲の材料に対して回転している状態の基板102を表す。
図2の(e)は、加えられたトルクに起因してひねられた(すなわち、ねじれた)状態の基板102の側面図を示す。これらのシナリオのそれぞれにおいて、配線パターン100と接するピエゾ抵抗材料の抵抗は、加えられる力に応答して変化する(例えば、ピエゾ抵抗材料中の複数の導電性粒子の圧縮又は間隔の増大に起因して、低下又は上昇する)。この変化(その大きさ及び時間変動性を含む)が、センサ配線パターン100及び関連する電子機器(図示せず)によって検出され得る。
【0032】
図3に示されている特定の実施例に従うと、複数のセンサ配線パターンが、例えば、人間の手の動き及び物理的な世界との手のインタラクションを、仮想環境における手の仮想表現(又は、何らかの他の仮想的な物体)及びそのインタラクションに変換するために使用され得る、センサグローブ300の伸縮性の材料上に形成される。別の例において、手の動き及びインタラクションは、物理的な世界のロボットハンド又は装置を制御するために使用され得る。複数の配線パターンが形成される材料は、フレキシブルピエゾ抵抗材料又はフレキシブル誘電体材料であってよい。更に、後者の場合、フレキシブルピエゾ抵抗材料が、複数の配線パターンが形成されるフレキシブル基板ときつく一体化され、様々なセンサ位置(すなわち、S1‐S19)で複数の配線パターンと接する。
【0033】
示されるように、複数のセンサ(例えば、S1‐S5及びS14‐S18)の一部に対応している複数の配線パターンが、複数の指の様々な関節(例えば、複数の付け根の関節、又は複数の指関節)と一致するよう配置され、それらの関節の曲がり及び屈曲に応じてグローブの歪み及び/又は変形を捉える。他のセンサ(例えば、S6‐S13及びS19)が配置され、例えば、手の複数の指が広げられた場合に起こるグローブの延びを捉える。他のセンサ(図示せず)が、グローブの手のひら上に、及び/又は複数の指の複数の先端部にも配置されてよく、曲がる及び屈曲する複数の力、並びに、例えば、触れること、つかむこと、或いはそうでなければ複数の物体又は複数の表面と接することに関連する複数の力を検出する。
【0034】
センサの一部であると意図されない、複数の導電配線の複数の部分(例えば、複数の信号経路設定配線)が、遮蔽又は絶縁されてよく、複数のセンサ信号に対する任意の望ましくない複数の寄与を低下させる。すなわち、複数の駆動及び感知信号を、複数のセンサに、及び複数のセンサから伝送する、複数の導電配線の複数の部分は、例えば、ピエゾ抵抗材料と複数の導電配線との間の誘電体又は非導電性材料を用いて、ピエゾ抵抗材料から絶縁されてよい。複数の導電配線がフレキシブル誘電体材料上に形成されるいくつかの実施例に従うと、ピエゾ抵抗材料の複数の分離片は、各々のセンサ位置に選択的に配置されてよい。
【0035】
図示された実施例において、19個のセンサ、S1‐S19が存在する。複数のセンサのそれぞれが、2つの隣接する配線を含み、それらの配線の各々のパターンは、交互に入れ替わる複数の延伸を含む。例えば、センサS4の拡大図を参照されたい。複数の配線301のうちの1つが、駆動信号を受信し、他の配線302は、関連するセンサ回路(図示せず)にセンサ信号を送信する。駆動信号は、例えば、電圧基準、駆動信号に含まれる追加の情報を含み得る信号ソース、関連するプロセッサ又はコントローラ等のGPIO(General Purpose Input Output:汎用入出力)ピンに(永久的に又は一時的に)配線を接続することにより提供され得る。
図3の例に示されるように、センサ信号は、分圧回路を用いて生成され得、この分圧回路の複数の抵抗器の一方は、介在するピエゾ抵抗材料を通る2つの配線の間の抵抗を含む。他方の抵抗器(R1で表される)は、例えば、関連するセンサ回路に含まれ得る。ピエゾ抵抗材料の抵抗は、加えられる力又は圧力と共に変化するので、センサ信号も又、駆動信号の分割部分として変化する。
【0036】
複数のセンサに、(複数の駆動信号を介して)電圧が印加され、及び(複数のセンサ信号を介して)応答させられ、そのセンサに対して加えられる力の表現であるそれぞれに対して出力信号を生成する。これも又理解されるように、そして用途に応じて、より多くの、又はより少ないセンサを有する複数の実施例が予期される。
【0037】
様々な実施例に従うと、異なる複数組のセンサに、選択的に電圧が印加され、及び応答させられてよく、それにより、基板上の複数の配線の数及び全体的な面積、並びに(例えば、切り欠き322に配置され得る)関連するPCB上のセンサ回路への必要とされる複数の接続が減少する。例えば、
図3のセンサシステムにおいて、19個のセンサは、センサ回路(図示せず)からの11個の駆動信号出力を介して駆動され、複数のセンサ信号は、センサ回路への2個のセンサ信号入力を介して受信される。示されるように、複数の導電配線が形成されるフレキシブル基板と切り欠き322のPCBとの間の13の接続がある。2個のセンサ信号入力のうちの1つへ複数のセンサ信号を提供する複数のセンサの組(例えば、1組におけるS6‐S13、及び他の組におけるS1‐S5及びS14‐S19)に、任意の適切な順番又はパターンで電圧が印加されてよく、それにより、対応するセンサ信号入力上で受信される任意の信号は、センサ回路による対応するセンサ駆動信号と相関があり得る。
【0038】
この実施例における複数のセンサ信号は、2つの異なるセンサ信号入力を介してセンサ回路により受信されるという理由から、2個のセンサが、それらがセンサ回路への異なる複数のセンサ信号入力に接続されている限り、同時に電圧が印加され得る。これにより、複数の駆動信号線を共有することが可能になる。例えば、
図3の実施例において、8組のセンサが、共通駆動信号線、すなわち、S2及びS8、S3及びS10、S4及びS12、S6及びS14、S7及びS15、S9及びS16、S11及びS17、並びにS13及びS19を共有する。複数の共通駆動信号線の共有は、複数の導電配線が単に分岐する配置に加えて、複数の導電配線が交差することを可能にする複数の絶縁体によって可能とされてよい。このテーマに関するその他複数の適切な変形は、当業者によって理解され、本開示の範囲内となるであろう。
【0039】
いくつかの実施例に従うと、PCBが、説明されたFlexible Sensors and Applicationsという発明の名称で2015年3月27日に出願された米国特許出願番号第14/671,821号明細書(代理人整理番号BBOPP004X2)のようにセンサアレイの複数の導電配線に接続されてよい。その開示内容全体が、全ての目的に対して、参照により本明細書に組み込まれる。他の複数の実施例に従うと、例えば、導電性ゴム及び非導電性ゴムが、(例えば、生地の縁部において)それらが接続する複数の導電配線の幅よりも一般に桁違いに大きい密度で交互に入れ替わる、複数のエラストマーコネクタ(例えば、複数のZEBRA(登録商標)コネクタ)を含む、そのような接続を形成するために、様々な技術のいずれかが使用され得る。様々な他の適した複数の代替手段が、当業者にとって利用可能である。
【0040】
図4は、本明細書で説明されている複数の実施例での使用に対してPCB上で提供され得るセンサ回路の簡略化した図である。例えば、
図3を参照して上述した実施例において、このようなセンサ回路が、切り欠き322においてPCB上で提供され、複数のセンサS1‐S19と関連する複数の導電配線に接続され得る。複数のセンサのうちの1つに対して力が加えられた場合、(対応する複数の配線を介して捉えられる)生じた信号が、(例えば、マルチプレクサ402及びAD変換器404を介して)受信及びデジタル化され、そして、(例えば、プロセッサ406によって)ローカルに処理され、及び/又は(例えば、ブルートゥース(登録商標)又は或いは他の無線接続を介して、又はUSB接続を介しても)接続された装置に送信され得る。複数のセンサに、(例えば、DA変換器408及びマルチプレクサ410を介してプロセッサ406の制御下で)センサ回路によって選択的に電圧が印加されてよく、複数のセンサ信号の生成を達成する。(テキサス州オースティンのSilicon Labsによって提供される)C8051F380-GMコントローラは、様々な実施形態での使用に適したプロセッサの例である。
【0041】
接続された装置へ、及び接続された装置からのデータの送信に加えて、USB接続を介してセンサ回路にパワーが提供されてよい。代替的に、ワイヤレスで(例えば、ブルートゥース(登録商標)を介して)データを送信する複数のシステムが、例えば、機械的エネルギーを収集する1又は複数のバッテリ、太陽電池、及び/又は機構を用いることを含む様々な機構及び技術のいずれかを用いて、センサ回路にパワーを提供し得る。
(カリフォルニア州ミルピタスのLinear Technology Corporationによって提供される)LTC3588は、これらの多様なエネルギーソースの少なくとも一部と共に使用されてよいエネルギー収集パワー供給の例である。その他複数の適切な変形は、当業者によって理解されるだろう。理解されるように、
図4で示されるセンサ回路は、単なる例である。広い範囲のセンサ回路コンポーネント、構成、及び機能性が予期される。
【0042】
例えば、複数の導電配線がフレキシブル基板の片面又は両面に形成され得る、片面及び両面実装の両方が予期される。理解されるように、両面実装は、基板の一方の面の複数の導電配線を、他方の面の複数の導電配線に接続するための、何らかの機構を必要とするだろう。いくつかの実施例は、この複数の接続を確立すべく複数のビアを使用し、これらのビアを通して導電性インク又は塗料が流し込まれる。代替的に又は更に、複数の金属ビア又はリベットによって、基板を通した複数の接続を形成してよい。
図5は、フレキシブル基板(例えば、構成502)を通した複数のビア又は複数のリベットの使用と、ピエゾ抵抗材料(例えば、構成504)である基板から複数の導電配線を絶縁する複数の絶縁材料の使用とを示す。そのような複数の機構は、複数の配線による複数の複雑なパターン及び複数の信号の経路設定を、1つのPCBの異なる複数の層に類似した形で可能にする。
【0043】
例えば、複数の導電配線がピエゾ抵抗材料上に形成される実施例を仮定し、
図3を再び参照すると、複数の信号を、グローブ300の複数のセンサへ送信し、及びグローブ300の複数のセンサから送信する複数の導電配線は、絶縁材料によって下にあるピエゾ抵抗基板から絶縁されてよい。このことは、複数の絶縁体304及び306によって図において最も明らかに示されており、複数の絶縁体304及び306は、センサS4に接続される複数の駆動及び感知信号線と関連する。更に、複数のセンサからの複数の感知信号線が、位置310-318での複数のビアの使用を通して、
図3で図示される材料の反対側(図示せず)で互いに接続される。
【0044】
センサグローブの特定の実施例に従うと、及び
図6で示されるように、複数のセンサ配線パターン(例えば、601‐604)が、手首の周りの略円筒構成に配置されてよく、2次元(例えば、上、下、左、右)への手首の曲がりを検出する。4個のセンサ全てが類似の応答を検知する場合、これは手首がひねられていることを意味し得る。しかしながら、この構成は、ひねりの方向を決定するために十分な情報を提供しないかもしれない。従って、特定の実施例に従うと、外筒608は、少なくとも2個の伸縮センサ(例えば、612及び614)で、内筒610に取り付けられてよい。これらの伸縮センサの複数の出力を比較することにより回転の方向(例えば、616)並びに量が捉えられ得る。
【0045】
図7は、複数の導電配線がフレキシブル誘電体基板702上に形成されるセンサグローブでの使用のためのセンサアレイ700の特定の種類の複数の実施例を示す。上述されたように、センサアレイ700の動作は、センサグローブ300のセンサアレイの動作と類似している。そして、複数の配線の図示された構成は、複数の配線がピエゾ抵抗材料上に形成される複数の実施例にも含まれ得ることが留意されるべきである。
【0046】
特定の実施例に従うと、基板702は、例えば、マサチューセッツ州シャーリーのBemis Associates株式会社のProduct3415又は3914等の、熱可塑性ポリウレタン(TPU)材料から構成されてよい。複数の導電配線は、例えば、デラウエア州ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Company(DuPont)及び/又は、マサチューセッツ州エーアのCreative Materialsによって製造される複数の導電性のシリコーンベースのインク等の、導電性フレキシブルインクを用いて、基板にスクリーン印刷されてよい。ピエゾ抵抗材料の複数のパッチ(例えば、上述のEeonyx生地)が、複数のセンサS1‐S14の位置で、複数の導電配線と接して配置される。例えば、センサS4のピエゾ抵抗パッチ704を参照されたい。TPU材料の第2の基板(図示せず)は、アレイ700にわたって配置され、アセンブリは、加熱され、複数のコンポーネントを熱的に一緒に接合し、複数のピエゾ抵抗パッチをそれらの各々のセンサ配線と接するように固定する。
【0047】
このアセンブリの複数のコンポーネントの複数の関係が、
図8を参照して理解されるだろう。
図8は、導電配線804が形成されるフレキシブル基板802を示す。ピエゾ抵抗材料806は、第2のフレキシブル基板808によって配線804と接するよう維持される。図示された例において、基板802及び808は、TPU基板であり、配線804は、TPU基板802上にスクリーン印刷される導電性インクである。特定の実施例に従うと、
図9で図示されるように、TPU基板802は、アセンブリが、例えば、生地グローブブランク900等の別の基板に、熱的に接合される(例えば、溶解される)ことを可能とする接着剤‐バリア‐接着剤(ABA)構造を有する。他方のTPU基板808は、接着剤‐バリア(AB)構造として示され、そうすることでアセンブリに接合するのみである。しかしながら、この基板が、アセンブリの両側での熱接合を可能にするABA構造を有する複数の実施例が予期される。
【0048】
より具体的な実施例に従うと、対応する複数のセンサによって、例えば、付け根の関節の曲がりに抵抗する、及びピエゾ抵抗材料を圧縮するスティフナの力によって生成される複数の信号を増幅させる目的で、複数のスティフナ(図示せず)が、複数のピエゾ抵抗パッチの少なくとも一部及び対応する複数の配線パターンと位置合わせして配置されてよい。スティフナが、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート又はPET)であってよい。代替的に、スティフナが、別の生地片であってよい。さらに別の代替手段として、DuPont5036誘電性インクのような硬化材料が、重ね合わせの複数のコンポーネントのうちの1つにシルクスクリーン印刷されてよい。又は印刷されてよい。理解されるように、複数のスティフナは、複数の導電配線とピエゾ抵抗材料との間の電気的接続が必要以上に悪化しない限り、(例えば、
図8で図示されるように)複数の材料の重ね合わせの任意の点で挿入されてよい。
【0049】
図7を参照すると、(例えば、PET又は他の適した材料の)スティフナ706が、複数の導電配線の複数の終端の近くで基板702に接着されてよく、コネクタ708へのアセンブリの挿入が可能になる(図面の右下の角の分解図を参照されたい)。理解されるように、スティフナ706及び適切な導体間隔があれば、この構成により、センサアレイ700を多種多様な工業規格の任意のものに接続することが可能になる。特定の実施例に従うと、コネクタ708は、例えば、Molexコネクタ52207-2860(28位置コネクタ)又はMolexコネクタ0522710869(
図11に示される8位置コネクタ)等のMolex ZIFフラットフレックスコネクタである。
【0050】
上述のように、複数のセンサが、グローブの手のひら上に、及び/又は複数の指の複数の先端部上に配置される複数のセンサグローブ実施例が予期され、例えば、触れること、つかむこと、或いはそうでなければ複数の物体又は複数の表面と接することを検出する。どのようにこのようなセンサがアレイと一体化され得るかの例が、
図10に示される。図示された例において、フレキシブル基板1002は、センサS4を越えて延伸し、センサS15の複数の導電配線が形成されるつまみ1004を含む。つまみ1004は、(矢印で示されるように)グローブの内側で巻かれることができ、そうすることで、つまみ1004は、グローブの指先と一致する。従って、(例えば、表面と接する指先により)グローブの指先に対して作用する任意の複数の力は、センサS15によって検出されるだろう。理解されるように、そのような複数のセンサは、
図10で示されるように手の裏側に対するセンサアレイと一体化されてよい。代替的に、そのような複数のセンサは、手のひら及び複数の指先に対する別個のアレイとして実装されてよい。
【0051】
図11は、4個の細長いセンサのみを含むセンサグローブでの使用のためのセンサアレイ1100の代替設計を示し、S1‐S3は人差し指、中指、薬指用であり、S4は親指用である。理解されるように、このより簡単な設計は、製造するのにより容易な、及び/又はより安価なものであってよく、
図3及び
図7を参照して上述された複数の設計よりもいくつかの用途に対して十分又は更に好適であってよい。とはいうものの、センサアレイ1100は、説明された複数のセンサアレイと同様に動作し、いずれかの手法を用いて構成されてよい。特定の実施例に従うと、基板1102は、TPU材料から構成され、複数の導電配線は、
図7及び
図8を参照して上述されたように、導電性フレキシブルインクを用いて基板1102にスクリーン印刷される。ピエゾ抵抗材料の複数のパッチ(例えば、上述のEeonyx生地)が、複数のセンサの位置S1‐S4で、複数の導電配線と接して配置される。例えば、センサS3のピエゾ抵抗パッチ1104を参照されたい。TPU材料の第2の基板(図示せず)は、アレイ1100にわたって配置され、アセンブリは、加熱され、複数のコンポーネントを熱的に一緒に接合し、複数のピエゾ抵抗パッチをそれらの各々のセンサ配線と接するように固定する。
【0052】
センサアレイ700と同様に、スティフナ(図示せず)が、複数の導電配線の複数の終端の近くで基板1102に接着されてよく、コネクタ1108へのアセンブリの挿入が可能になる。上述のように、スティフナを使用することにより、センサアレイ1100を、例えば、Molexコネクタ0522710869を含む、多種多様な工業規格の任意のものに接続することが可能になる。又、センサアレイ700を参照して上述のように、対応する複数のセンサによって生成される複数の信号を増幅させる目的で、複数のスティフナ(図示せず)が、複数のピエゾ抵抗パッチの少なくとも一部及びセンサアレイ1100の対応する複数の配線パターンと位置合わせして配置されてよい。
【0053】
上記の説明を参照して理解されるべきであるように、本開示によって可能となる複数のセンサグローブの複数の用途は、多数であり多様である。上述のように、このようなセンサグローブでの人間の手の動作は、現実及び仮想世界の両方における複数の制御システム、複数の装置、及び複数のプロセスに変換されてよい。センサグローブを用いて、人間が、ビデオ及びオンラインゲームにおけるユーティリティを有する仮想空間、並びに教育的及び芸術的な複数の用途における複数の物体とインタラクションすることができる。例えば、センサグローブが、外科手術、仮想楽器の演奏、仮想オーケストラの指揮、仮想芸術作品を描くこと、等のシミュレーションを行なうのに使用されてよい。人間の手の複数の動きを仮想世界に変換することにより、より現実的なコンピュータ支援のアニメーションをサポートすることができる。複数の産業用途が、危険性物質を扱う製造装置又はロボットをリモート制御することを含み得る。これらの例の多様性から理解されるように、応用範囲は、事実上無制限である。従って、本開示の範囲は、特定の複数の用途を参照することにより限定されるべきではない。
【0054】
本明細書にて説明される複数の実施例の形態及び詳細における複数の変更が、本開示の範囲から逸脱することなく成され得ることが、当業者には理解されるだろう。更に、様々な利点及び態様が、特定の複数の実施例を参照して説明されてきたかもしれないが、本開示の範囲は、そのような複数の利点及び態様を参照することにより限定されるべきではない。
[項目1]
センサシステムであって、
グローブの一部分との位置合わせ又は一体化のためのフレキシブル基板と、
人間の手の少なくともいくつかの指の関節に対応する複数のセンサ位置で前記フレキシブル基板上に直接形成される複数の導電配線群であって、前記複数の導電配線群のそれぞれは、2又はそれよりも多くの導電配線を有し、前記複数の導電配線群のそれぞれにおける前記複数の導電配線間の抵抗は、前記導電配線群と接するピエゾ抵抗材料に対する力によって変化する、複数の導電配線群と、
前記複数の導電配線群のそれぞれから信号を受信し、これに応答して制御情報を生成するように構成される回路であって、前記制御情報は、前記複数の導電配線群のそれぞれと接する前記ピエゾ抵抗材料に対する前記力を表す、回路と、
を備える、センサシステム。
[項目2]
前記フレキシブル基板は、誘電体材料を有し、前記ピエゾ抵抗材料は、複数のパッチを含み、ピエゾ抵抗材料のそれぞれのパッチは、前記複数のセンサ位置で前記複数の導電配線群のうちの対応する1つと接している、項目1に記載のセンサシステム。
[項目3]
前記誘電体材料は、熱可塑性材料を含み、前記センサシステムは更に、前記熱可塑性材料の第2のフレキシブル基板を備え、前記複数の導電配線群が形成される前記フレキシブル基板、ピエゾ抵抗材料の前記複数のパッチ、及び前記第2のフレキシブル基板は熱的に一緒に接合され、それによりピエゾ抵抗材料の前記複数のパッチは、対応する前記複数の導電配線群と接するように固定される、項目2に記載のセンサシステム。
[項目4]
前記フレキシブル基板は、前記ピエゾ抵抗材料である、項目1に記載のセンサシステム。
[項目5]
前記ピエゾ抵抗材料は、生地である、項目4に記載のセンサシステム。
[項目6]
前記複数の導電配線は、前記フレキシブル基板に印刷された導電性インクを含む、項目1から項目5のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目7]
前記導電性インクは、その中に懸濁された複数の導電性粒子を含むエラストマーインクを含む、項目6に記載のセンサシステム。
[項目8]
前記複数の導電配線は、前記フレキシブル基板に堆積された導電性塗料を含む、項目1から項目5のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目9]
前記複数の導電配線群のサブセットが、前記人間の手の複数の指を広げることに応じた前記グローブの延びによって生じる力を感知するよう構成される、項目1から項目8のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目10]
前記複数の導電配線群のサブセットが、前記人間の手と関連した手首の屈曲によって生じる力を感知するよう構成される、項目1から項目9のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目11]
前記複数の導電配線群のサブセットが、前記人間の手のひらと一致するよう配置される、項目1から項目10のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目12]
前記複数の導電配線群のサブセットが、前記人間の手の複数の指先の1又は複数と一致するよう配置される、項目1から項目11のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目13]
前記制御情報は、コンピューティング装置による使用のために構成され、仮想環境の仮想手を制御する、項目1から項目12のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目14]
前記制御情報は、電子システムによる使用のために構成され、ロボット装置を制御する、項目1から項目12のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目15]
前記複数の導電配線群の前記複数の導電配線は、前記フレキシブル基板の縁部で終端し、前記センサシステムは更に、前記フレキシブル基板の前記縁部で前記フレキシブル基板に結合されるスティフナを備え、前記スティフナは、前記フレキシブル基板の剛性を提供し、前記センサシステムへ及び前記センサシステムからの複数の前記信号の経路設定のため、コネクタへの前記フレキシブル基板の前記縁部の挿入を容易にする、項目1から項目14のいずれか1項に記載のセンサシステム。
[項目16]
複数のスティフナを更に備え、前記複数のスティフナのそれぞれは、前記複数のセンサ位置のうちの対応する1つと隣接して配置されている、項目1から項目15のいずれか1項に記載のセンサシステム。