(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】塗装装置
(51)【国際特許分類】
B05B 5/04 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
B05B5/04 A
(21)【出願番号】P 2017179335
(22)【出願日】2017-09-19
【審査請求日】2020-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110343
【氏名又は名称】トリニティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷 真二
(72)【発明者】
【氏名】沼里 亮
(72)【発明者】
【氏名】鍋島 淳男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】村井 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 勝浩
(72)【発明者】
【氏名】奥田 高稔
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸太
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-042749(JP,A)
【文献】特開2009-028631(JP,A)
【文献】特開2004-243240(JP,A)
【文献】特開2004-066080(JP,A)
【文献】特開2006-263554(JP,A)
【文献】特開2006-167660(JP,A)
【文献】特開昭54-148826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00 - 9/08
B05B 12/16 - 12/36
B05B 14/00 - 16/80
B05D 1/00 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料が供給される回転ヘッドと、
前記回転ヘッドを回転させる駆動部と、
前記回転ヘッドと接地された被塗装物との間に電界を形成するために、前記回転ヘッドに電圧を印加する電源部とを備える塗装装置であって、
前記回転ヘッドは、塗料が遠心力によって外縁部に向けて拡散される拡散面と、前記外縁部に形成された複数の溝部とを含み、前記溝部から糸状の塗料を放出するように構成され、
前記溝部の断面積は、0.0025πmm
2
よりも大きくされ、
前記糸状の塗料の直径が0.03mm以上0.1mm以下に設定され、前記糸状の塗料がシェーピングエアによらずに静電微粒化されるように構成されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗装装置において、
前記糸状の塗料の長さが2mm以上46mm以下に設定されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の塗装装置において、
前記溝部は、前記回転ヘッドの端部まで達するように形成されていることを特徴とする塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルカップから放出された塗料にシェーピングエアを吹き付けることによって塗料を微粒化(霧化)する塗装装置が知られている。このような塗装装置では、シェーピングエアの随伴流が被塗装物で反射され、塗料粒子(微粒化された塗料)が舞い上げられるので、塗着効率が低下するという不都合があった。
【0003】
そこで、シェーピングエアを用いない塗装装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の塗装装置は、回転ヘッドから糸状の塗料を放出し、その糸状の塗料を静電微粒化するように構成されている。これにより、シェーピングエアを用いることなく塗料を微粒化することができるので、塗着効率を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1では、回転ヘッドから放出される糸状の塗料について検討されておらず、この点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、回転ヘッドから放出される糸状の塗料を適切に静電微粒化することが可能な塗装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による塗装装置は、塗料が供給される回転ヘッドと、回転ヘッドを回転させる駆動部と、回転ヘッドと接地された被塗装物との間に電界を形成するために、回転ヘッドに電圧を印加する電源部とを備える。回転ヘッドは、塗料が遠心力によって外縁部に向けて拡散される拡散面と、外縁部に形成された複数の溝部とを含み、溝部から糸状の塗料を放出するように構成されている。溝部の断面積は、0.0025πmm
2
よりも大きくされている。そして、塗装装置は、糸状の塗料の直径が0.03mm以上0.1mm以下に設定され、糸状の塗料がシェーピングエアによらずに静電微粒化されるように構成されている。
【0008】
このように構成することによって、糸状の塗料を静電微粒化に適した寸法にすることにより、糸状の塗料を適切に静電微粒化することができる。
【0009】
上記塗装装置において、糸状の塗料の長さが2mm以上46mm以下に設定されていてもよい。
【0010】
このように構成すれば、糸状の塗料を静電微粒化に適した寸法にすることにより、糸状の塗料をより適切に静電微粒化することができる。
【0011】
上記塗装装置において、溝部の断面積は、糸状の塗料の断面積の最大値よりも大きくなるように構成されていてもよい。
【0012】
このように構成すれば、糸状の塗料の断面積が最大の場合であっても、回転ヘッドの外縁部において塗料が溝部から溢れることを抑制することができる。
【0013】
上記塗装装置において、溝部は、回転ヘッドの端部まで達するように形成されていてもよい。
【0014】
このように構成すれば、回転ヘッドの端部まで溝部により塗料を分断することができるので、放出された糸状の塗料が結合されることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の塗装装置によれば、回転ヘッドから放出される糸状の塗料を適切に静電微粒化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態による塗装装置を説明するための概略構成図である。
【
図2】
図1の塗装装置の回転ヘッドを示した断面図である。
【
図3】
図2の回転ヘッドの先端を示した斜視図である。
【
図4】
図3の回転ヘッドの先端を径方向の外側から見た図である。
【
図5】
図1の塗装装置から放出される糸状の塗料を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、
図1~
図5を参照して、本発明の一実施形態による塗装装置100について説明する。
【0019】
塗装装置100は、回転ヘッド1から糸状の塗料P1を放出するとともに、その糸状の塗料P1を静電微粒化することにより、塗料粒子(微粒化された塗料)P2を形成して被塗装物200に塗着させるように構成されている。なお、被塗装物200は、たとえば車両のボディである。この塗装装置100は、
図1に示すように、回転ヘッド1と、エアモータ2と、キャップ3と、塗料カートリッジ4と、電圧発生器5とを備えている。
【0020】
回転ヘッド1は、液体の塗料が供給され、その塗料を遠心力によって放出するように構成されている。この回転ヘッド1は、
図2に示すように、円筒状に形成されており、基端側(X2方向側)に配置される取付部11と、先端側(X1方向側)に配置されるヘッド部12とを含んでいる。なお、回転ヘッド1の直径は、たとえば20~50mmである。
【0021】
取付部11の内周面には、エアモータ2の回転軸21が取り付けられている。回転軸21は、中空状に形成され、内部に塗料供給管6が配置されている。塗料供給管6は、塗料カートリッジ4に格納された塗料をヘッド部12に供給するために設けられており、先端61にノズル(図示省略)が形成されている。
【0022】
ヘッド部12は、内面12aおよび外面12bを有し、内面12aが先端側に向けて拡径するように形成されている。内面12aの中央には軸方向から見て円形の凹部121が形成され、その凹部121を塞ぐようにハブ13が設けられている。このため、凹部121およびハブ13により塗料空間Sが区画され、塗料空間Sには塗料供給管6の先端61が臨むように配置されている。ハブ13の外縁部には、塗料空間Sから塗料を流出させるための流出孔13aが形成されている。
【0023】
そして、流出孔13aに対して径方向の外側の内面12aが、塗料が遠心力により拡散される拡散面122として機能する。この拡散面122は、先端側に向けて拡径するように形成されている。また、拡散面122の外縁部122aには、溝部123(
図3および
図4参照)が形成されている。なお、
図2では見やすさを考慮して溝部123の図示を省略している。
【0024】
溝部123は、塗料を糸状にして放出するために設けられている。溝部123は、径方向側に延びるように形成されるとともに、周方向に複数設けられている。なお、周方向は、回転ヘッド1の回転方向であり、径方向は、回転ヘッド1の軸方向と直交する方向である。また、溝部123の数は、たとえば600~1200個である。この溝部123は、断面がV字状(三角形状)に形成され、回転ヘッド1の端部まで達するように形成されている。このため、溝部123の断面が外面12bに現れており、回転ヘッド1の先端が外面12b側から見て凹凸状になっている。
【0025】
エアモータ2(
図1参照)は、回転ヘッド1を回転させるために設けられている。このエアモータ2は、回転可能な回転軸21を有し、その回転軸21が回転ヘッド1に連結されている。なお、エアモータ2は、本発明の「駆動部」の一例である。
【0026】
キャップ3は、回転ヘッド1の外周面を覆うように構成され、先端側に向けて縮径するようにテーパ状に形成されている。このキャップ3は、回転ヘッド1の軸方向から見て円環状に形成され、内部に回転ヘッド1が配置されている。すなわち、キャップ3は、回転ヘッド1の周囲を取り囲むように設けられている。
【0027】
図1に示すように、塗料カートリッジ4は、着脱可能に設けられ、内部に塗料が格納されている。塗料カートリッジ4に格納された塗料は、塗料供給管6(
図2参照)を介して回転ヘッド1に供給可能になっている。
【0028】
電圧発生器5は、負の高電圧を発生させるとともに、その負の高電圧が回転ヘッド1に印加されるように構成されている。この電圧発生器5は、接地された被塗装物200と回転ヘッド1との間に電界を形成するために設けられている。被塗装物200と回転ヘッド1との間に電界により、糸状の塗料P1が静電微粒化されるとともに、帯電された塗料粒子P2が被塗装物200に塗着されるようになっている。また、電圧発生器5には電圧制御部7が接続されており、電圧制御部7により電圧発生器5の出力電圧を制御可能である。電圧制御部7は、回転ヘッド1に印加される電圧を制御することにより、回転ヘッド1と被塗装物200との間の電界強度の変動を抑制するために設けられている。なお、電圧発生器5は、本発明の「電源部」の一例である。
【0029】
このような塗装装置100では、回転ヘッド1の溝部123(
図3参照)から糸状の塗料P1を放出するとともに、その糸状の塗料P1を静電気力により微粒化(霧化)するように構成されている。つまり、塗装装置100では、シェーピングエアを吐出するエア吐出部が設けられていないため、シェーピングエアによらず塗料粒子P2が形成されるので、被塗装物で反射されたシェーピングエアの随伴流が塗料を舞い上げることがなく、塗着効率を向上させることが可能である。
【0030】
ここで、本実施形態では、回転ヘッド1から放出される糸状の塗料P1は、
図5に示す直径Dが0.03~0.1mmに設定されている。すなわち、糸状の塗料P1の直径Dは、0.03mm以上0.1mm以下に設定されている。本実施形態では、シェーピングエアを用いて微粒化する従来の塗装装置に比べて、糸状の塗料P1が微細化されている。また、糸状の塗料P1は、長さLが2~46mmに設定されている。すなわち、糸状の塗料P1の長さLは、2mm以上46mm以下に設定されている。なお、長さLは、糸状の塗料P1の延びる方向における長さである。また、直径Dおよび長さLの数値範囲は、本発明者が行った実験結果などに基づいて特定されたものである。
【0031】
そして、溝部123の断面積は、糸状の塗料P1の断面積の最大値よりも大きくなるように構成されている。具体的には、溝部123の断面積は、0.0025πmm
2よりも大きくなるように構成されている。これにより、糸状の塗料P1の断面積が最大の場合であっても、回転ヘッド1の外縁部122a(
図3参照)において塗料が溝部123から溢れることを抑制可能である。つまり、所定の溝部123から放出される糸状の塗料P1と、所定の溝部123近傍の溝部123から放出される糸状の塗料P1とが結合されることを抑制することができる。本実施形態では、溝部123の断面は、V字状(三角形状)に形成されているため、以下の式(1)の関係が成立する。
【0032】
wd/2>π(0.05)2 ・・・(1)
なお、式(1)において、wは溝部123の幅であり、dは溝部123の深さであり、πは円周率である。wおよびdの単位はmmである。
【0033】
-塗装時の動作例-
次に、
図1~
図5を参照して、塗装装置100の動作例について説明する。
【0034】
まず、塗装時には、
図1に示すように、電圧発生器5により回転ヘッド1に負の高電圧が印加され、被塗装物200が接地されている。これにより、回転ヘッド1と被塗装物200との間に電界が形成されている。なお、負の高電圧は、たとえば-30000~-70000Vである。そして、エアモータ2により回転ヘッド1が高速回転される。なお、回転ヘッド1の回転速度(1分あたりの回転数)は、たとえば10000~30000rpmである。
【0035】
次に、
図2に示すように、塗料供給管6のノズルから液体の塗料が吐出され、塗料空間Sに塗料が供給される。なお、ノズルから吐出される塗料の流量は、たとえば10~300cc/minである。塗料空間Sに供給された塗料は、遠心力により流出孔13aから流出される。
【0036】
そして、流出孔13aから流出した塗料は、遠心力により拡散面122に沿って径方向の外側に流れる。その拡散面122に沿って流れる塗料は膜状になり、外縁部122aに到達して溝部123(
図3および
図4参照)に供給される。この外縁部122aでは塗料が溝部123から溢れておらず、各溝部123内の塗料は隣接する溝部123内の塗料と分離されている。すなわち、膜状の塗料が溝部123により周方向において分断される。なお、膜状の塗料は遠心力によって膜厚が均一化されており、各溝部123に塗料がほぼ均等に供給される。溝部123を通過する塗料は糸状になり、回転ヘッド1の端部(外面12bに現れた溝部123)から放出される。
【0037】
回転ヘッド1から放出された糸状の塗料P1は、静電気力によって微粒化される。ここで、糸状の塗料P1(
図5参照)は、直径Dが0.03~0.1mmに設定され、長さLが2~46mmに設定される。なお、糸状の塗料P1の寸法は、塗料の流量および回転ヘッド1の回転速度などに基づいて調整可能である。このように、糸状の塗料P1を微細化するとともに、体積(表面積)を小さくすることにより、糸状の塗料P1を適切に静電微粒化することが可能である。なお、静電微粒化されて形成される塗料粒子P2(
図1参照)の粒径は、たとえばザウター平均粒径で20~30μmである。そして、塗料粒子P2は負に帯電されており、接地された被塗装物200に引き寄せられる。このため、塗料粒子P2が被塗装物200に塗着され、被塗装物200の表面上に塗装膜(図示省略)が形成される。
【0038】
また、電圧発生器5により回転ヘッド1に印加される電圧は、電圧制御部7により制御される。具体的には、回転ヘッド1と被塗装物200との間に流れる電流(放電電流)が一定になるように、電圧発生器5により回転ヘッド1に印加される電圧が電圧制御部7により調整される。このため、回転ヘッド1と被塗装物200との距離が小さくなり、放電電流が大きくなった場合には、その放電電流の変化を打ち消すように、回転ヘッド1に印加される電圧が低くされる。一方、回転ヘッド1と被塗装物200との距離が大きくなり、放電電流が小さくなった場合には、その放電電流の変化を打ち消すように、回転ヘッド1に印加される電圧が高くされる。これにより、回転ヘッド1と被塗装物200との間の電界強度の変動を抑制することが可能である。
【0039】
-効果-
本実施形態では、上記のように、回転ヘッド1から糸状の塗料P1を放出するとともに、糸状の塗料P1の直径Dを0.03~0.1mmに設定することによって、シェーピングエアを用いて微粒化する従来の塗装装置に比べて、糸状の塗料P1が微細化されているので、糸状の塗料P1を適切に静電微粒化することができる。したがって、シェーピングエアを用いることなく塗料を微粒化することができるので、塗着効率を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態では、糸状の塗料P1の長さLを2~46mmに設定することによって、糸状の塗料P1の体積(表面積)を静電微粒化に適したものにすることができるので、糸状の塗料P1をより適切に静電微粒化することができる。
【0041】
また、本実施形態では、溝部123の断面積を糸状の塗料P1の断面積の最大値よりも大きくすることによって、糸状の塗料P1の断面積が最大の場合(直径Dが0.1mmの場合)であっても、回転ヘッド1の外縁部122aにおいて塗料が溝部123から溢れることを抑制することができる。これにより、拡散面122を伝う膜状の塗料が溝部123により分断されるので、回転ヘッド1の溝部123から糸状の塗料P1を放出することができる。すなわち、所定の溝部123から放出される糸状の塗料P1と、所定の溝部123近傍の溝部123から放出される糸状の塗料P1とが結合されることを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、回転ヘッド1の端部まで達するように溝部123を形成することによって、塗料が回転ヘッド1の端部に達するまで溝部123により塗料を分断することができるので、放出された糸状の塗料P1が結合されることを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、放電電流が一定になるように、電圧発生器5の出力電圧を電圧制御部7により制御することによって、回転ヘッド1と被塗装物200との間の電界強度の変動を抑制することができるので、静電気力による微粒化性能を安定させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、回転ヘッド1を円筒状に形成するとともに、先端側に向けて縮径するテーパ状のキャップ3を設けることによって、回転ヘッドがカップ状である場合と異なり、回転ヘッド1の回転に起因して、回転ヘッド1の周囲にエアの乱れが発生することを抑制することができる。
【0045】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、本実施形態において、塗料は、水性塗料であってもよいし、溶剤系塗料であってもよい。
【0047】
また、本実施形態では、溝部123の断面がV字状である例を示したが、これに限らず、溝部の断面がU字状などのその他の形状であってもよい。
【0048】
また、本実施形態において、溝部123の深さdおよび幅wが径方向(溝部123の延びる方向)において一定であってもよい。すなわち、溝部123の断面積が径方向において一定であってもよい。また、溝部123の深さdおよび幅wが径方向の内側から外側に向けて徐々に大きくなるようにしてもよい。すなわち、溝部123の断面積が径方向の内側から外側に向けて徐々に大きくなるようにしてもよい。この場合には、溝部123の径方向外側端部の断面積(溝部123において最も広い断面積)が、糸状の塗料P1の断面積の最大値よりも大きくなるように構成されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、塗料が供給される回転ヘッドと、回転ヘッドを回転させる駆動部と、回転ヘッドと接地された被塗装物との間に電界を形成するために、回転ヘッドに電圧を印加する電源部とを備える塗装装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 回転ヘッド
2 エアモータ(駆動部)
5 電圧発生器(電源部)
100 塗装装置
122 拡散面
122a 外縁部
123 溝部
200 被塗装物