(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】アーム型助力装置
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
B25J17/00 H
(21)【出願番号】P 2018079324
(22)【出願日】2018-04-17
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】若杉 諭
(72)【発明者】
【氏名】松本 成隆
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-076089(JP,A)
【文献】実開昭59-005287(JP,U)
【文献】特開2018-051117(JP,A)
【文献】特開平10-218588(JP,A)
【文献】特開2003-089090(JP,A)
【文献】特開2010-110437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0284871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0332312(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/06-19/00
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなす第1フレーム及び第2フレームと、
第1端部が、前記第1フレームに支持された第1回動軸を回動中心として前記第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第2回動軸を回動中心として前記第2フレームに回動自在に軸支された第1アーム部材と、
前記第1フレームに対して前記第1アーム部材を揺動させることによって前記第2フレームを移動させるアクチュエータと、
前記第1アーム部材の軸線に対して平行に延び、第1端部が、前記第1フレームに支持された第3回動軸を回動中心として第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第4回動軸を回動中心として第2フレームに回動自在に軸支された第2アーム部材と、を含み、
前記アクチュエータが、駆動部の作動によって前記第1アーム部材の軸線方向に沿って移動する作動ロッドと、
前記駆動部及び前記作動ロッドを収容する筒状部であるシリンダチューブと、を有し、
基端部が前記第2アーム部材の前記第1端部とともに前記第1フレームに回動自在に接続され、先端部が前記作動ロッドに接続されるリンク部材と、を有し、
前記第1アーム部材、前記第2アーム部材、前記第1フレーム及び前記第2フレームによって平行リンクが構成されており、
前記第1アーム部材は中空状であり、
当該第1アーム部材の中空状は前記シリンダチューブによって構成され、当該第1アーム部材の内部に前記アクチュエータ、及び前記第2アーム部材が収容されていることを特徴とするアーム型助力装置。
【請求項2】
対をなす第1フレーム及び第2フレームと、
第1端部が、前記第1フレームに支持された第1回動軸を回動中心として前記第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第2回動軸を回動中心として前記第2フレームに回動自在に軸支された第1アーム部材と、
前記第1フレームに対して前記第1アーム部材を揺動させることによって前記第2フレームを移動させるアクチュエータと、
前記第1アーム部材の軸線に対して平行に延び、第1端部が、前記第1フレームに支持された第3回動軸を回動中心として第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第4回動軸を回動中心として第2フレームに回動自在に軸支された第2アーム部材と、を含み、
前記アクチュエータが、駆動部の作動によって前記第1アーム部材の軸線方向に沿って移動する作動ロッドと、
基端部が前記第2アーム部材の前記第1端部とともに前記第1フレームに回動自在に接続され、先端部が前記作動ロッドに接続されるリンク部材と、を有し、
前記第1アーム部材、前記第2アーム部材、前記第1フレーム及び前記第2フレームによって平行リンクが構成されており、
前記第1アーム部材は中空状であり、当該第1アーム部材の内部に前記アクチュエータ、及び前記第2アーム部材が収容され、
前記第1アーム部材は、間隔を空けて対向する一対のアームガイドを前記軸線方向に延びる状態で備え、前記第2アーム部材は前記一対のアームガイドの間に配置され、前記一対のアームガイドの内面間に区画された開口部が前記第2アーム部材によって閉鎖されていることを特徴とするアーム型助力装置。
【請求項3】
前記第1アーム部材の前記第1端部は板状であり、前記第1フレームは二股に分岐した第1軸支部を備え、前記第1アーム部材の前記第1端部と、当該第1端部を挟む前記第1軸支部に前記第1回動軸が挿通され、前記第1軸支部に支持された前記第1回動軸によって前記第1端部が回動自在とされ、
前記第1アーム部材の前記第2端部は二股に分岐しており、前記第2フレームは板状の第2軸支部を備え、前記第2フレームの前記第2軸支部と、当該第2軸支部を挟む前記第2端部に前記第2回動軸が挿通され、前記第2軸支部に支持された前記第2回動軸によって前記第2端部が回動自在とされている請求項1又は請求項2に記載のアーム型助力装置。
【請求項4】
前記作動ロッドには、前記リンク部材の先端部が回動自在に軸支されるとともに、ガイドローラが回転自在に軸支され、前記第1アーム部材の内部には、前記ガイドローラを前記第1アーム部材の軸線方向に移動させるガイド部材が設けられている請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載のアーム型助力装置。
【請求項5】
前記第1アーム部材の内部には、前記作動ロッドが貫通するロッドカバーが設けられ、前記作動ロッドは、前記第1アーム部材の軸線方向に当該作動ロッドが移動するように前記ロッドカバーに支持されている請求項1~請求項4のうちのいずれか一項に記載のアーム型助力装置。
【請求項6】
前記第1アーム部材は、中心軸線が前記第1アーム部材の軸線方向に延びる円筒状の筒状部を備えるとともに、前記筒状部には前記ロッドカバー及びヘッドカバーによってピストン室が区画されており、前記駆動部は、前記ピストン室と、当該ピストン室に収容されたピストンとを備え、前記ピストンに前記作動ロッドが連結され、前記平行リンクの変位に伴い前記リンク部材及び前記作動ロッドを介して前記ピストン室で前記ピストンが移動すると、前記ピストン室の容積変化に応じて流体の圧力調整が行われるようになっており、前記ヘッドカバーには、前記ピストン室への前記流体の供給停止に伴って前記ピストン室を閉鎖する開閉弁が設置されている請求項5に記載のアーム型助力装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行リンクを有するアーム型助力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的重い部品や荷物などを移動するときには、バランサアームを使用し、作業者の負荷を軽減している。バランサアームは、重量をバランスするために、関節のように駆動されるアーム型助力装置を備えている。例えば、特許文献1に開示されたアーム型助力装置(関節駆動装置)は、対をなす第1のフレーム及び第2のフレームに回動自在に接続されたアーム部材と、アーム部材を揺動させるアクチュエータと、を含む。また、特許文献1のアーム型助力装置は、アーム部材に対して間隔を隔てて平行に延び、基端部が第1のフレームに回動自在に接続され、先端部が第2のフレームに回動自在に接続された平行アーム部材を含む。第1のフレーム、第2のフレーム、アーム部材、及び平行アーム部材によって、平行リンクが構成されている。そして、荷物等を移動させ、平行リンクによって、第1のフレームに対してアーム部材及び平行アーム部材を揺動させると、第2のフレームが平行移動される。このとき、アクチュエータによって重量がバランスされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アーム型助力装置は、アーム部材及び平行アーム部材が揺動するのに伴い平行リンクの形状が変位する。平行リンクの形状によっては、アーム部材及び平行アーム部材と、第1及び第2のフレームとの間に大きな隙間が形成され、その隙間からアーム型助力装置の内部に異物が侵入する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、内部への異物侵入を抑制できるアーム型助力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するためのアーム型助力装置は、対をなす第1フレーム及び第2フレームと、第1端部が、前記第1フレームに支持された第1回動軸を回動中心として前記第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第2回動軸を回動中心として前記第2フレームに回動自在に軸支された第1アーム部材と、前記第1フレームに対して前記第1アーム部材を揺動させることによって前記第2フレームを移動させるアクチュエータと、前記第1アーム部材の軸線に対して平行に延び、第1端部が、前記第1フレームに支持された第3回動軸を回動中心として第1フレームに回動自在に軸支され、第2端部が、前記第2フレームに支持された第4回動軸を回動中心として第2フレームに回動自在に軸支された第2アーム部材と、を含み、前記アクチュエータが、駆動部の作動によって前記第1アーム部材の軸線方向に沿って移動する作動ロッドと、基端部が前記第2アーム部材の前記第1端部とともに前記第1フレームに回動自在に接続され、先端部が前記作動ロッドに接続されるリンク部材と、を有し、前記第1アーム部材、前記第2アーム部材、前記第1フレーム及び前記第2フレームによって平行リンクが構成されており、前記第1アーム部材は中空状であり、当該第1アーム部材の内部に前記アクチュエータ、及び前記第2アーム部材が収容されていることを要旨とする。
【0007】
また、アーム型助力装置について、前記第1アーム部材は、間隔を空けて対向する一対のアームガイドを前記軸線方向に延びる状態で備え、前記第2アーム部材は前記一対のアームガイドの間に配置され、前記一対のアームガイドの内面間に区画された開口部が前記第2アーム部材によって閉鎖されていてもよい。
【0008】
また、アーム型助力装置について、前記第1アーム部材の前記第1端部は板状であり、前記第1フレームは二股に分岐した第1軸支部を備え、前記第1アーム部材の前記第1端部と、当該第1端部を挟む前記第1軸支部に前記第1回動軸が挿通され、前記第1軸支部に支持された前記第1回動軸によって前記第1端部が回動自在とされ、前記第1アーム部材の前記第2端部は二股に分岐しており、前記第2フレームは板状の第2軸支部を備え、前記第2フレームの前記第2軸支部と、当該第2軸支部を挟む前記第2端部に前記第2回動軸が挿通され、前記第2軸支部に支持された前記第2回動軸によって前記第2端部が回動自在とされていてもよい。
【0009】
また、アーム型助力装置について、前記作動ロッドには、前記リンク部材の先端部が回動自在に軸支されるとともに、ガイドローラが回転自在に軸支され、前記第1アーム部材の内部には、前記ガイドローラを前記第1アーム部材の軸線方向に移動させるガイド部材が設けられていてもよい。
【0010】
また、アーム型助力装置について、前記第1アーム部材の内部には、前記作動ロッドが貫通するロッドカバーが設けられ、前記作動ロッドは、前記第1アーム部材の軸線方向に当該作動ロッドが移動するように前記ロッドカバーに支持されていてもよい。
【0011】
また、アーム型助力装置について、前記第1アーム部材は、中心軸線が前記第1アーム部材の軸線方向に延びる円筒状の筒状部を備えるとともに、前記筒状部には前記ロッドカバー及びヘッドカバーによってピストン室が区画されており、前記駆動部は、前記ピストン室と、当該ピストン室に収容されたピストンとを備え、前記ピストンに前記作動ロッドが連結され、前記平行リンクの変位に伴い前記リンク部材及び前記作動ロッドを介して前記ピストン室で前記ピストンが移動すると、前記ピストン室の容積変化に応じて流体の圧力調整が行われるようになっており、前記ヘッドカバーには、前記ピストン室への前記流体の供給停止に伴って前記ピストン室を閉鎖する開閉弁が設置されていてもよい。
また、アーム型助力装置について、前記アクチュエータは、前記駆動部及び前記作動ロッドを収容する筒状部であるシリンダチューブを有し、前記第1アーム部材の中空状は前記シリンダチューブによって構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内部への異物侵入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態のバランサアームが初期位置にある状態を示す図。
【
図2】実施形態のバランサアームが変位した状態を示す図。
【
図6】アーム型助力装置を示す
図3のA-A線断面図。
【
図7】アーム型助力装置を第2アーム部材側から示す図。
【
図8】バランサアームが変位した状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、アーム型助力装置を具体化した一実施形態を
図1~
図8にしたがって説明する。
図1に示すように、バランサアーム10は、アーム型助力装置11を複数個(本実施形態では2個)備える。なお、説明の便宜上、2個のアーム型助力装置11を、ベースBに取り付けた基端側からワーク把持部Hを取り付けた先端側に向けて順に、第1のアーム型助力装置11及び第2のアーム型助力装置11という。
【0015】
アーム型助力装置11のそれぞれは、対をなす第1フレーム12及び第2フレーム13と、第1フレーム12と第2フレーム13を接続するとともに揺動自在な第1アーム部材20とを有し、第2フレーム13を第1フレーム12に対して鉛直面に関して円運動自在に構成されている。例えば、作業者がワーク把持部Hに把持されたワーク(図示せず)を作業点に向けて移動させると、第1~第2のアーム型助力装置11のそれぞれは、重量をバランスするために、ワークの高さに合わせて作動する。
【0016】
図1においては、第1のアーム型助力装置11と第2のアーム型助力装置11のそれぞれが初期位置にある状態を示し、初期位置では第1及び第2のアーム型助力装置11のそれぞれにおける第1フレーム12と第2フレーム13がほぼ水平位置にある。一方、
図2においては、第1のアーム型助力装置11と第2のアーム型助力装置11のそれぞれにおける第2フレーム13が第1フレーム12に対して鉛直方向に沿って上方に移動した位置にある。
【0017】
アーム型助力装置11の作動は、圧縮したエアや作動油などの流体の流体圧を用いている。本実施形態では、流体としてエアを用いている。アーム型助力装置11のそれぞれには空圧機器14を介して圧縮エアが供給される。空圧機器14には、コンプレッサ15が接続されている。また、空圧機器14にはコントローラ16が接続されている。コントローラ16は、空圧機器14のオンオフ制御や、圧縮エアの圧力調整などを行う。コントローラ16は、重量をバランスするために、第1~第2のアーム型助力装置11のそれぞれに供給すべき圧縮エアの圧力などを算出し、第1~第2のアーム型助力装置11のそれぞれに圧縮エアを供給する。
【0018】
図3に示すように、アーム型助力装置11は、対をなす第1フレーム12及び第2フレーム13と、第1端部が第1フレーム12に回動自在に軸支され、第2端部が第2フレーム13に回動自在に接続された第1アーム部材20を含む。
【0019】
また、
図5に示すように、アーム型助力装置11は、第1フレーム12に対して第1アーム部材20を揺動させることによって第2フレーム13を移動させるアクチュエータ50を含む。さらに、アーム型助力装置11は、第1アーム部材20に対して間隔を隔てて平行に延び、第1端部が第1フレーム12に回動自在に軸支され、第2端部が第2フレーム13に回動自在に軸支された第2アーム部材60を含む。
【0020】
図3又は
図4に示すように、第1フレーム12は、下端部に円盤状の基板12aを有するとともに、基板12aから上方に向けて立設された一対の第1軸支部12bを有する。一対の第1軸支部12bは間隔を空けて対向している。各第1軸支部12bの上部には、第1貫通孔12cが設けられるとともに、各第1軸支部12bの下部であり、第1貫通孔12cの下方には、第2貫通孔12dが設けられている。第1フレーム12の基板12aは、図示しないベアリングを介して回転ジョイント17に回転可能に支持されている。
【0021】
第2フレーム13は、上端部に円盤状の支持板13aを有するとともに、支持板13aから鉛直方向に沿って下方へ立設された板状の第2軸支部13bを有する。第2軸支部13bの上部には第3貫通孔13cが第2軸支部13bを厚さ方向に貫通して設けられている。また、第2軸支部13bの下部であり、第3貫通孔13cの下方には、第4貫通孔13dが第2軸支部13bを厚さ方向に貫通して設けられている。
【0022】
図4に示すように、第1アーム部材20は、中空状のアーム本体21と、アーム本体21の軸線方向の一端に連結された第1部材31と、アーム本体21の軸線方向の他端に連結された第2部材36と、を有する。アーム本体21はアルミニウムの押出材である。
【0023】
また、アーム本体21は、円筒状の筒状部22と、筒状部22を外側から挟む一対のカバー23と、一対のカバー23の上端縁の間を閉鎖する蓋24(
図5参照)とを備える。筒状部22の中心軸線Lの延びる軸線方向は第1アーム部材20の軸線方向と一致する。筒状部22は、軸線方向の一端側にスリット22aを有する。筒状部22の内周面のうち、軸線方向の一端側の上面には、板状のガイド部材26が固定されている。ガイド部材26は、筒状部22の外周面からガイド部材26に螺入されたねじによって筒状部22に固定されている。ガイド部材26は、筒状部22の中心軸線Lに向けた平坦面にガイド面26aを有する。
【0024】
一対のカバー23それぞれは、一対の接続部25によって筒状部22の外周面に接続されている。なお、各接続部25には、軸線方向の両端面から軸線方向に凹む雌ねじ孔25aが形成されている。各カバー23の長手方向への長さは、筒状部22の軸線方向への長さと同じである。カバー23は、筒状部22の中心軸線Lに直交する断面が円弧状のカバー本体部23aを有する。カバー本体部23aは、筒状部22の外周面に対向する。カバー23は、カバー本体部23aの下端縁から鉛直方向に沿って下方へ立設されたガイド片23bを有する。ガイド片23bは、筒状部22の中心軸線Lに直交する断面が直線状である。
【0025】
カバー本体部23aの円弧の中心は、筒状部22の円の中心と同じであり、筒状部22の外周面とカバー本体部23aの内面との間には、接続部25を除いた部分に筒状部22の軸線方向全体に亘って隙間が形成されている。一対のカバー23において、カバー本体部23aの上端縁同士、及びガイド片23b同士は、一定の間隔を空けて対向している。
【0026】
図3又は
図4に示すように、矩形状の蓋24は、短手方向に沿って湾曲する形状であり、筒状部22の軸線方向に長手が延びる板状である。蓋24は、一対のカバー本体部23aの上端縁の間に配置され、そのカバー本体部23a同士の間に形成された隙間を閉塞する。
図6に示すように、蓋24の内面と、筒状部22の外周面と、上側の一対の接続部25の側面との間には、配線空間45が区画されている。
【0027】
図4に示すように、アーム本体21の軸線方向一端に連結された第1部材31は、逆U字状の第1フランジ33と、第1フランジ33の鉛直方向上端部から突設された板状の第1端部32と、その第1端部32の厚さ方向の両端から鉛直下方向に立設された第1ガイド片35とを有する。第1端部32には、軸孔32aが厚さ方向に貫通している。第1フランジ33には、第1フランジ33を厚さ方向に貫通するボルト孔33aが形成されている。一対の第1ガイド片35は、一定の間隔を空けて対向している。そして、第1フランジ33のボルト孔33aに挿通されたボルト34が、アーム本体21の接続部25に形成された雌ねじ孔25aに螺合されることにより、アーム本体21に第1部材31が連結されている。
【0028】
アーム本体21の軸線方向他端に連結された第2部材36は、略H字状の第2フランジ37と、第2フランジ37から突設された一対の第2端部38と、第2端部38から鉛直下方向に立設された第2ガイド片39とを有する。一対の第2端部38それぞれには、軸孔38aが厚さ方向に貫通している。第2フランジ37には、第2フランジ37を厚さ方向に貫通するボルト孔37aが形成されている。一対の第2ガイド片39は、一定の間隔を空けて対向している。そして、第2フランジ37のボルト孔37aに挿通されたボルト34が、アーム本体21の接続部25に形成された雌ねじ孔25aに螺合されることにより、アーム本体21に第2部材36が連結されている。
【0029】
したがって、
図3に示すように、第1アーム部材20は、軸線方向の一端側に、第1部材31によって形成された第1端部32を備えるとともに、軸線方向の他端側に、第2部材36によって形成された第2端部38を備える。第1アーム部材20の軸線方向一端側には、板状の第1端部32が設けられ、軸線方向他端側には、二股に分岐した第2端部38が設けられている。
【0030】
第1アーム部材20の第1端部32は、第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間に配置されている。第1軸支部12bの第1貫通孔12c及び第1端部32の軸孔32aには第1回動軸41が挿通されている。そして、第1軸支部12bに支持された第1回動軸41により、第1アーム部材20の第1端部32が第1フレーム12に回動自在に軸支されている。
【0031】
また、第1アーム部材20の第2端部38の間に、第2フレーム13の第2軸支部13bが配置されている。第2軸支部13bの第3貫通孔13c及び第2端部38の軸孔38aには第2回動軸42が挿通されている。そして、第2端部38に支持された第2回動軸42により、第1アーム部材20の第2端部38が第2フレーム13に回動自在に軸支されている。
【0032】
また、
図7に示すように、第1アーム部材20の下側には、第1部材31の第1ガイド片35と、アーム本体21のガイド片23bと、第2部材36の第2ガイド片39とが、第1アーム部材20の軸線方向に繋がることで形成された一対のアームガイド27が設けられている。一対のアームガイド27は間隔を空けて対向しているとともに、第1アーム部材20の軸線方向全体に亘って延びている。一対のアームガイド27の対向面同士の間には開口部が区画されている。
【0033】
図5に示すように、アクチュエータ50は、駆動部51と、駆動部51と連結され、筒状部22の軸線方向に沿って移動する作動ロッド52と、基端部が第1フレーム12に回動自在に接続され、作動ロッド52に対して傾斜して伸びるリンク部材53とを有する。さらに、アクチュエータ50は、作動ロッド52に連結されるとともにリンク部材53の先端部が回動自在に接続されたガイドローラ54を有している。
【0034】
アクチュエータ50について詳述する。筒状部22の軸線方向のほぼ中央部にはロッドカバー55が挿入されるとともに、このロッドカバー55は筒状部22の外周側からロッドカバー55に螺入されたねじによって筒状部22に固定されている。ロッドカバー55の内周面には、ベアリング55bを介して作動ロッド52が支持されている。よって、ロッドカバー55には、作動ロッド52が貫通している。また、ロッドカバー55は、作動ロッド52が第1アーム部材20の軸線方向に移動可能に作動ロッド52を支持している。
【0035】
筒状部22の軸線方向に沿った第2部材36側には、ヘッドカバー56が固定されている。筒状部22内には、ロッドカバー55とヘッドカバー56によってピストン室Sが区画されている。そして、ピストン室Sには筒状部22の軸線方向に沿って移動自在にピストン57が収容され、このピストン57に作動ロッド52の一端が連結されている。ピストン57は、作動ロッド52の移動に伴って筒状部22の軸線方向に沿って移動する。
【0036】
ヘッドカバー56には、圧縮エアの給排ポート56aが形成され、この給排ポート56aには、第1エア供給パイプP1が接続されている。そして、第1エア供給パイプP1を介してコンプレッサ15からピストン室Sに対する圧縮エアの給排が行われ、ピストン室Sの圧力調整が行われる。また、給排ポート56aには開閉弁58が接続されている。開閉弁58にはパイロットエア用パイプPが接続されている。
【0037】
なお、第1エア供給パイプP1は、アーム型助力装置11の外部に設けられたコンプレッサ15から延び、第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間、及び第1部材31の一対の第1ガイド片35の間を通過し、第1アーム部材20内に引き込まれている。第1アーム部材20内では、第1エア供給パイプP1は、配線空間45を通過した後、第2部材36の第2フランジ37の間を通過して給排ポート56aに接続されている。また、パイロットエア用パイプPも第1エア供給パイプP1と同様にアーム型助力装置11内に引き込まれ、開閉弁58に接続されている。
【0038】
開閉弁58には、パイロットエア用パイプPを介してパイロットエアが供給されている。第1エア供給パイプP1にエアが流れ、パイロットエア用パイプPを介して開閉弁58にパイロットエアが供給されている状態では、開閉弁58は開状態にある。一方、コンプレッサ15が停止し、第1エア供給パイプP1及びパイロットエア用パイプPにエアが流れなくなると、開閉弁58にパイロットエアが供給されなくなり、開閉弁58は閉状態に移行する。
【0039】
そして、作業者等の操作によってバランサアーム10が操作され、アーム型助力装置11の高さや動作半径が変更されると、後述の平行リンクが変位し、平行リンクの変位に伴い、リンク部材53及び作動ロッド52を介してピストン57が移動する。ピストン57の移動に伴い、ピストン室Sの容積が変更されると、その容積変更に応じて、コントローラ16によってピストン室Sに供給される圧縮エアの圧力が制御される。
【0040】
具体的には、バランサアーム10が操作されて第2フレーム13が初期位置から上方へ移動すると、ピストン57がロッドカバー55に向けて移動する。すると、ピストン57よりヘッドカバー56側のピストン室Sの容積が増加し、その容積増加に応じてピストン室Sに供給される圧縮エアの圧力が増大される。そして、増大された圧縮エアの圧力によって、ピストン57がロッドカバー55に向けて移動する方向に力が増加して作用し、作動ロッド52、リンク部材53、及び平行リンクを介して第2フレーム13を押し上げる力を補助し、重量がバランスされる。
【0041】
一方、バランサアーム10が操作されて第2フレーム13が下方へ移動すると、ピストン57がヘッドカバー56に向けて移動する。すると、ピストン57よりヘッドカバー56側のピストン室Sの容積が減少し、その容積減少に応じてピストン室Sに供給される圧縮エアの圧力が減少される。そして、減少された圧縮エアの圧力によって、ピストン57が第1フレーム12に向けて移動する方向に力が減少して作用し、作動ロッド52、リンク部材53、及び平行リンクを介して第2フレーム13を押し上げる力を補助し、重量がバランスされる。
【0042】
リンク部材53は、直線のロッド形状である。リンク部材53の基端部は、第1フレーム12の第2貫通孔12dに挿通された第3回動軸43に接続されている。なお、リンク部材53は、筒状部22のスリット22aを通過して筒状部22の外部に突出し、第1フレーム12に向けて延びている。リンク部材53は、作動ロッド52が延びる方向に対して傾斜している。リンク部材53の基端部及び後述の第2アーム部材60の第1端部61は、同じ第3回動軸43を中心にして、第1フレーム12に回動自在に軸支されている。
【0043】
ガイドローラ54は、作動ロッド52の第1フレーム12側の端部に回動軸59を介して回転自在に接続されている。また、リンク部材53における作動ロッド52側の先端も、ガイドローラ54の回転中心に回動軸59を介して回動自在に接続されている。そして、平行リンクが変位すると、ガイドローラ54は、筒状部22の内周面に固定されたガイド部材26のガイド面26aに押付けられながら回転する。
【0044】
次に、第2アーム部材60について説明する。第2アーム部材60の長手は、第1アーム部材20の軸線に対し平行に延びている。第2アーム部材60の第1端部61は、第1フレーム12に回動自在に軸支され、第2端部62が第2フレーム13に回動自在に軸支されている。第2アーム部材60は、角棒形状である。第2アーム部材60の第1端部61は、第3回動軸43を介して第1フレーム12に回動自在に軸支され、第2アーム部材60の第2端部62は、第4回動軸44を介して第2フレーム13に回動自在に軸支されている。なお、第4回動軸44は、第2フレーム13の第4貫通孔13dに支持されている。
【0045】
そして、第1フレーム12、第2フレーム13、第1アーム部材20、及び第2アーム部材60によって、平行四辺形を形成する平行リンクが構成されている。この平行リンクによって、第1フレーム12に対して第1アーム部材20及び第2アーム部材60を揺動させると、第2フレーム13を平行移動させることができる。第1アーム部材20及び第2アーム部材60は、平行四辺形の長辺を構成し、第1フレーム12及び第2フレーム13は、平行四辺形の短辺を構成する。
【0046】
図3又は
図4に示すように、第1フレーム12は、一対の第1軸支部12bの外面を覆う第1カバー部材18を備える。第1カバー部材18は、鉛直方向に長手が延びる形状である。そして、第1カバー部材18によって第1回動軸41及び第3回動軸43が覆われている。また、第2フレーム13は、第2軸支部13bの厚さ方向の両外面を覆う第2カバー部材19を備える。第2カバー部材19は、第1アーム部材20の軸線方向に長手が延びる形状である。そして、第2カバー部材19によって第2回動軸42が覆われている。
【0047】
図7に示すように、第2アーム部材60は、第1部材31が備える一対の第1ガイド片35の間、アーム本体21が備える一対のガイド片23bの間、及び第2部材36が備える一対の第2ガイド片39の間に配置されている。すなわち、第2アーム部材60は、第1アーム部材20が備える一対のアームガイド27の間に配置されている。したがって、第1アーム部材20は、第2アーム部材60を挟む状態で対向する一対のアームガイド27を備えている。そして、第2アーム部材60は、一対のアームガイド27の内面間に区画された開口部を閉鎖しており、第2アーム部材60は、第1アーム部材20の下側を閉じる蓋としても機能している。第1アーム部材20の初期位置では、第2アーム部材60は、第2端部62を除く部分が第1アーム部材20に収容されている。
【0048】
図6又は
図7に示すように、第2アーム部材60の短手方向の端面60aと、第1ガイド片35の内面との間、第2アーム部材60の端面60aとガイド片23bの内面との間、及び第2アーム部材60の端面60aと第2ガイド片39の内面との間は、第2アーム部材60の変位を許容する僅かな隙間しか形成されていない。なお、僅かな隙間とは、人の指が挿入不能な隙間である。
【0049】
図5に示すように、第1のアーム型助力装置11の第2フレーム13の支持板13aには回転ジョイント17が連結され、この回転ジョイント17には、第2のアーム型助力装置11の第1フレーム12の基板12aが図示しないベアリングを介して支持されている。なお、第2のアーム型助力装置11は、第1のアーム型助力装置11よりも軸線方向への長さが短く、第1アーム部材20(筒状部22)が小径である。
【0050】
第2のアーム型助力装置11にエアを給排する第2エア供給パイプP2は、第1のアーム型助力装置11における第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間、及び第1部材31の一対の第1ガイド片35の間を通過し、第1アーム部材20内に引き込まれている。第1アーム部材20内では、第2エア供給パイプP2は、配線空間45を通過した後、第2部材36の第2フランジ37の間を通過し、さらに、第2フレーム13内を通過した後、第2のアーム型助力装置11における第1フレーム12内に引き込まれる。そして、第2エア供給パイプP2は、第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間、及び第1部材31の一対の第1ガイド片35の間を通過し、第1アーム部材20内に引き込まれている。第1アーム部材20内では、第2エア供給パイプP2は、配線空間45を通過した後、第2部材36の第2フランジ37の間を通過して給排ポート56aに接続されている。パイロットエア用パイプPは、第1のアーム型助力装置11から第2のアーム型助力装置11に引き込まれた後、開閉弁58に接続されている。
【0051】
次に、アーム型助力装置11の作用を説明する。
図1に示すように、初期位置においては、アーム型助力装置11は、ピストン室Sに圧縮エアが供給されて重量をバランスし、第1フレーム12と第2フレーム13をほぼ同じ高さ位置に保持している。
【0052】
作業者等の操作によってバランサアーム10が操作され、アーム型助力装置11の高さや動作半径が変更されると、平行リンクが変位し、リンク部材53及び作動ロッド52を介してピストン57が移動する。すると、ピストン室Sの容積が変更され、圧力変化が生じる。このピストン57の移動に伴う圧力変化に追従して、コントローラ16がコンプレッサ15及び空圧機器14を制御し、圧力制御が行われることにより、重量バランスが維持され、作業者に重量負荷が加わることが回避される。
【0053】
このとき、
図2又は
図8に示すように、第1アーム部材20の第1端部32は、第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間で回動する。第1アーム部材20の第1端部32と第1フレーム12について、第1アーム部材20の軸線方向においては僅かな隙間しか形成されず、第1端部32の厚さ方向両端面と第1軸支部12bの内面との間においても僅かな隙間しか形成されていない。また、第1アーム部材20の第2端部38の間で第2フレーム13が回動する。第1アーム部材20の第2端部38と第2フレーム13について、第1アーム部材20の軸線方向においては僅かな隙間しか形成されておらず、第2端部38の厚さ方向に沿った第2軸支部13bと第2端部38との対向面の間においても僅かな隙間しか形成されていない。なお、僅かな隙間とは、人の指が入り込むことのできない狭い隙間である。
【0054】
また、第2アーム部材60においては、第1端部61は第1フレーム12の一対の第1軸支部12bの間で回動する。第2アーム部材60の第1端部61は、第1フレーム12によって覆われている。また、第2アーム部材60の第2端部62は、第1アーム部材20の第2端部38の間で変位する。第2アーム部材60の第2端部62と第2フレーム13について、第1アーム部材20の軸線方向においては、僅かな隙間しか形成されず、第2端部62の厚さ方向両端面と第2ガイド片39の内面との間には僅かな隙間しか形成されていない。
【0055】
さらに、第2アーム部材60の第1端部61及び第2端部62以外について、その両端面60aに対し、アームガイド27の内面との間には、第2アーム部材60の変位を許容する僅かな隙間しか形成されていない。僅かな隙間とは、人の指が入り込むことのできない狭い隙間である。そして、第2アーム部材60は、一対のアームガイド27の内面によって、第1アーム部材20の軸線方向への変位がガイドされる。
【0056】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)アーム型助力装置11において、平行リンクを構成する一対の長辺のうちの一方を第1アーム部材20で構成し、その第1アーム部材20の内部に、他方の長辺を構成する第2アーム部材60を収容した。そして、アーム型助力装置11が作動した際、第2アーム部材60は、第1アーム部材20の内部で揺動する。このため、平行リンクが変位し、第1フレーム12及び第2フレーム13に対する第2アーム部材60の角度が変化しても、それら第1フレーム12及び第2フレーム13と第2アーム部材60との間には、第1アーム部材20の軸線方向に大きな隙間が露出せず、隙間からアーム型助力装置11内への異物の侵入を抑制できる。
【0057】
(2)第1アーム部材20の内部に平行リンクの長辺を構成する第2アーム部材60を収容し、第1フレーム12及び第2フレーム13と第2アーム部材60との間に、第1アーム部材20の軸線方向に大きな隙間が露出しないように構成した。この構成は、バランサアーム10を床に設置して使用する場合のように、各アーム型助力装置11が床に近く、異物が侵入しやすい環境に設置したバランサアーム10にとっては特に好ましい。
【0058】
(3)第1アーム部材20は一対のアームガイド27の間に第2アーム部材60が配置されている。そして、第2アーム部材60の端面60aとアームガイド27の内面との間には、第2アーム部材60の変位を許容するだけの僅かな隙間しか形成されていない。このため、第1アーム部材20と第2アーム部材60との間に大きな隙間が形成されず、隙間からアーム型助力装置11内への異物の侵入を抑制できる。
【0059】
(4)第1アーム部材20の第1端部32を、第1フレーム12の一対の第1軸支部12bで挟み込む状態で軸支した。このため、第1端部32と第1軸支部12bとの間に僅かな隙間しか形成されていない状態で第1端部32を回動自在に軸支できる。また、第2フレーム13の第2軸支部13bを、第1アーム部材20の一対の第2端部38で挟み込む状態で軸支した。このため、第2端部38と第2軸支部13bとの間に僅かな隙間しか形成されていない状態で第2端部38を回動自在に軸支できる。したがって、第1アーム部材20と、第1フレーム12及び第2フレーム13との間からの異物の侵入を抑制できる。
【0060】
(5)アクチュエータ50のピストン室S、作動ロッド52、リンク部材53、ガイドローラ54、及びピストン57を筒状部22内に設けた。よって、第1アーム部材20そのものをアクチュエータ50を構成するシリンダチューブとして利用することができる。例えば、アクチュエータ50を構成するシリンダチューブを別体として第1アーム部材20に設ける場合と比べると、第1アーム部材20の構成を簡素化できる。
【0061】
(6)第1アーム部材20の筒状部22の内部にはロッドカバー55が設けられている。そして、このロッドカバー55に作動ロッド52が貫通した状態で支持されている。よって、ロッドカバー55により、作動ロッド52が第1アーム部材20の軸線方向に移動するようにガイドでき、平行リンクを円滑に作動させることができる。
【0062】
(7)第1アーム部材20のヘッドカバー56には開閉弁58が設置されている。開閉弁58には、ピストン室Sに供給するための圧縮エアがパイロットエアとして供給されている。そして、圧縮エアの供給が停止され、開閉弁58へのパイロットエアの供給が停止されると、開閉弁58が閉状態に移行し、ピストン室S内の圧力が保持されるようになっている。このため、バランサアーム10の設置場所の電源が落ちた場合には、開閉弁58により、バランサアーム10が降下しようとする動作を防止できる。
【0063】
(8)第1アーム部材20のアーム本体21と蓋24とから、第1アーム部材20内に配線空間45を区画した。よって、第1エア供給パイプP1、第2エア供給パイプP2、及びパイロットエア用パイプPを第1アーム部材20内に配設することができ、各パイプがアーム型助力装置11の外部へ露出することを無くすことができる。また、各パイプがアーム型助力装置11の動作の邪魔になったりしない。
【0064】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1アーム部材20において、一対のガイド片23bの下端部同士を別部材で接続し、第1アーム部材20を筒状として第2アーム部材60を第1アーム部材20で包囲した状態で第1アーム部材20内に収容してもよい。
【0065】
○ 実施形態では、アーム型助力装置11を2つ用いてバランサアーム10を構成したが、アーム型助力装置11の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
○ 第1アーム部材20は開閉弁58を備えていなくてもよい。
【0066】
○ 第1アーム部材20の第1端部32を二股に分岐させ、第1フレーム12の第1軸支部12bを、第1端部32で挟み込まれる板状としてもよい。また、第1アーム部材20の第2端部38を板状にし、第2フレーム13の第2軸支部13bを、第2端部38を挟み込むように二股に分岐させてもよい。
【0067】
○ アクチュエータ50において、ピストン室Sでのピストン57の制御方式は、圧縮エアの供給以外でもよい。例えば、筒状部22内にガススプリング室やばね室を区画し、ガススプリングやばねによってピストン57を制御してもよい。又は、例えば、アキュムレータ方式であってもよい。
【0068】
○ ピストン室Sに供給される流体は、油であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
L…中心軸線、S…ピストン室、12…第1フレーム、12b…第1軸支部、13…第2フレーム、13b…第2軸支部、20…第1アーム部材、21…アーム本体、22…筒状部、27…アームガイド、32,61…第1端部、38,62…第2端部、41…第1回動軸、42…第2回動軸、43…第3回動軸、44…第4回動軸、50…アクチュエータ、51…駆動部、52…作動ロッド、53…リンク部材、54…ガイドローラ、55…ロッドカバー、56…ヘッドカバー、57…ピストン、58…開閉弁、60…第2アーム部材。