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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】布材陳列什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/18 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
A47F7/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018208507
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2020074829
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2020-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】599016741
【氏名又は名称】丸眞株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101524
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】眞下 一成
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-020744(JP,A)
【文献】特開昭62-168298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/16-7/18
A47F 7/10
A47F 7/22
A47F 7/00
A47F 5/00
G09F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布材を陳列するための什器であって、
全体が弾性を有するスポンジによって形成されており、
ベースとして鉛直成分を有する陳列面に、当該陳列面の全幅にわたって水平方向に延び る複数の凹部が当該陳列面の上下方向に並んで相互に平行に設けられ、
前記布材の一部が差し込まれて保持される差し込み保持部が、前記複数の凹部の奥部か ら奥方向に延びている、
布材陳列什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオル等の布材を陳列する什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する際には、その商品を視認しやすく陳列する必要がある。
例えば、衣服においては、畳んだ状態で棚に載置されたり、ハンガーに吊されたりされるのみでなく、マネキン人形に衣服を着用させることによって立体的に陳列され、消費者が視認しやすくされている。
【0003】
ところで、タオルや、ハンカチ,風呂敷等の布材については、畳んだ状態で棚に載置されたり、吊されたりして陳列されるのがもっぱらである。
しかしながら、それでは、消費者が視認しにくいとともに、消費者に大きな印象を与えることができない。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術として、特許文献1に記載されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3054730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、消費者が布材を視認しやすいとともに消費者に大きな印象を与えることができる布材陳列什器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、布材を陳列するための什器であって、スポンジ によって形成されており、ベースとして鉛直成分を有する陳列面に、当該陳列面の全幅に わたって水平方向に延びる複数の凹部が当該陳列面の上下方向に並んで相互に平行に設け られ、前記布材の一部が差し込まれて保持される差し込み保持部が、前記複数の凹部の奥 部から奥方向に延びている、布材陳列什器である。
【0008】
この布材陳列什器では、次の作用効果が得られる。
ベースとして鉛直成分を有する陳列面に布材が位置づけられ、その布材の一部が差し込み保持部に差し込まれて保持される。
こうして、布材が陳列面に保持され、安定的に陳列される。また、布材の一部が差し込み保持部に差し込まれることによって、斬新な印象を看者に与える。
【0009】
さらに、差し込み保持部が陳列面の全幅にわたって形成されているため、その差し込み保持部に布材の一部を差し込むことが容易となる。
また、差し込み保持部が複数形成されているため、布材のうち差し込み保持部に差し込まれる部位が複数となり、その布材は陳列面により安定的に保持される。
また、陳列面の全幅にわたる複数の差し込み保持部は、陳列面の上下方向に並んで相互に平行に形成されており、布材のうちの差し込み保持部に差し込まれる部位は、それに対応して形成され、その点でも斬新な印象を看者に与える。
【0010】
さらに、水平方向に延びる複数の凹部が陳列面において当該陳列面の上下方向に並んで相互に平行に設けられ、その各凹部の奥部から差し込み保持部が奥方向に延びているため、布材は、その各凹部に沿った形状になった上で、その奥部において当該布材の一部が差し込み保持部に差し込まれる。
このため、布材の一部を差し込むことがより容易になるとともに、より斬新な印象を看者を与える。
【0011】
さらに、複数の差し込み保持部が形成されている部位弾性を有しているため、差し込み保持部が弾性的に広げられた状態で布材の一部が当該差し込み保持部に差し込まれ、その弾性復元力によって布材の当該一部が当該差し込み保持部に保持される。
こうして、布材の一部は、差し込み保持部に容易に差し込まれ得るとともに、容易に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1のタオル陳列什器を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例1のタオル陳列什器を示す右側面図である。
図3】本発明の実施例1のタオル陳列什器を示す正面図である。
図4】本発明の実施例1のタオル陳列什器を示す平面図である。
図5】本発明の実施例1のタオル陳列什器を示す背面図である。
図6】本発明の実施例1のタオル陳列什器の要部を拡大して示す要部拡大右側面図である。
図7】本発明の実施例1のタオル陳列什器の使用状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施例1のタオル陳列什器の使用状態の要部を拡大して示す要部拡大右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施例について、図1図8に基づいて説明する。
図1図5に示すように、このタオル陳列什器(布材陳列什器)は、全体として、立方体に近い直方体状をしている。すなわち、幅よりも奥行き(最も奥行きの深い部位における当該奥行き)の方が若干長いとともに、高さと奥行き(同)とはほぼ同一である。
このタオル陳列什器は、スポンジによって形成されており、柔軟性及び弾性(小さな弾性率)を有している。
【0014】
図1図2図6に示すように、このタオル陳列什器の正面である陳列面10には、複数の凹凸(凸部20/凹部30)及び切り込み35が形成されている(後に詳述する)。
なお、図1図5に示すように、このタオル陳列什器の上面11,下面12は水平な平面状をしており、左右一対の側面13,背面14は鉛直な平面状ををしている。
【0015】
図1図2図6に示すように、このタオル陳列什器の陳列面10には、鉛直な平面をベースに、複数(5本)の凸部20が形成されている。
各凸部20は、ほぼ半円形状断面を有し前方に突出しており、このタオル陳列什器の正面における全幅にわたって延びている。
【0016】
逆にいえば、上下に隣接する2つの凸部20の間に凹部30が形成されているともいえる。こうして、このタオル陳列什器の正面には、複数(4本)の凹部30が形成されている。
図6に描画された2つの凹部30のうちの上方の凹部30に示すように、各凹部30は、自然状態において、その凹部30の直上の凸部20の一部(下部)を形成する円弧状断面を有する曲面と、その凹部30の直下の凸部20の一部(上部)を形成する円弧状断面を有する曲面とによって形成されている。こうして、各凹部30は、このタオル陳列什器の前面から奥側にくぼんでいる。
同じく図6に描画された2つの凹部30のうちの上方の凹部30に示すように、各凹部30においては、自然状態において上述した上下一対の円弧状断面を有する曲面が直線状に接する(このタオル陳列什器の幅方向における直線状に接する)部分が、底部31(奥部)とされている。
【0017】
各凹部30においては、さらに、切り込み35が形成されている。この切り込み35が本発明の「差し込み保持部」に該当する。
上述と同じく図6に描画された2つの凹部30のうちの上方の凹部30に示すように、各切り込み35は、各凹部30において、その底部31から奥側に向かって形成されている。各切り込み35は、水平に、かつ、このタオル陳列什器の正面(陳列面10)における全幅にわたって延びている。
【0018】
この切り込み35においては、自然状態においては塞がっている。すなわち、自然状態において、切り込み上側面36aと切り込み下側面36bとは接触している。
そして、図6に描画された2つの凹部30のうちの下方の凹部30に示すように、切り込み上側面36a及び切り込み下側面36bが相互に離隔するように力が加えられることによって、その両者36a,36b及びその近傍が弾性的に変形して、切り込み35が開いた状態になる。
【0019】
次に、このタオル陳列什器の使用方法及び作用効果について、図7及び図8に基づいて説明する。
陳列の対象であるバスタオル等のタオルTについて、まずは、必要に応じて、そのタオルTを幅方向において折りたたんで、このタオル陳列什器の幅とほぼ同一の幅になるようにする。それと相前後して、必要に応じて、長さ方向においても折りたたんで、長さを調整する。
【0020】
上述のように必要に応じて折りたたまれたタオルTについて、図7に示すように、そのうちの上側の部分をこのタオル陳列什器の上面11に載置する。さらには、それよりも上の最上部をこのタオル陳列什器の背面14に垂らす。
【0021】
そして、そのタオルTのそれよりも下の主要部分をこのタオル陳列什器の正面において重力に基づいて下方に垂らし、凸部20/凹部30を形成する凹凸に対応させるとともに、切り込み35に挿入させる。
【0022】
すなわち、使用者は、まずは、図8に描画された2つの凹部30のうちの下方の凹部30において示すように、タオルTを自然状態の凹部30の形状に沿わせる。
そして、同じく図8中の下方の凹部30において矢印で示すように、さらにタオルTを凹部30の奥方に押し込むことによって、図8中の上方の凹部30において示すように、切り込み35が弾性的に開きつつ、タオルTが、その弾性的に開いた切り込み35に差し込まれる。これによって、タオルTのうちの切り込み35に差し込まれた部分が、切り込み35の弾性復元力に基づいて切り込み上側面36a及び切り込み下側面36bによって挟持される。こうして、タオルTのうちの切り込み35に差し込まれた部分が、切り込み35において維持される。
【0023】
こうして、タオルTの主要部(陳列面10に対応する部分)が、陳列面10の凹凸に倣った形状に維持される。
【0024】
さらに、そのタオルTのそれよりも下の部分をこのタオル陳列什器の底面に下に位置づける。すなわち、タオルTの当該部分の上にこのタオル陳列什器を載置する。
【0025】
以上のようにタオルTをタオル陳列什器にセットすることによって、斬新な形態でタオルTを陳列することができる。
すなわち、全体的な観点から、タオルTを鉛直方向にほぼ延びた状態で維持させることができ、消費者の視認性が向上する。それとともに、詳細的な観点から、タオルTがタオル陳列什器の凹凸に沿って凹凸状の形状に維持されるため、消費者にはこれまでにはない美観を与えることができる。
【0026】
なお、上記のものはあくまで本発明の実施例にすぎず、当業者の知識に基づき種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0027】
10 陳列面
20 凸部
30 凹部
31 底部(奥部)
35 切り込み
T タオル(布材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8