(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】視覚的コンテキストを用いる、生理学的パラメータの測定の適時トリガ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
(21)【出願番号】P 2018549340
(86)(22)【出願日】2017-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2017056189
(87)【国際公開番号】W WO2017162506
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-03-13
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンク,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ドゥビルチク,アレクサンデル
(72)【発明者】
【氏名】グライナー,ハラルト
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-507256(JP,A)
【文献】特表2014-529797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0137135(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0182107(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0235976(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
G06Q 50/22
G16H 10/00 -80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する、コンピュータにより実施される方法であって、
1又は複数のプロセッサにより、1又は複数の記録装置を介して、患者のいる環境の画像及び音声データを取得するステップと、
前記1又は複数のプロセッサにより、前記の取得した画像及び音声データに基づき、前記患者に関連付けられた活動状態を決定するステップと、
前記1又は複数のプロセッサにより、前記患者に関連付けられた前記の決定した活動状態に基づき、取得されるべき前記患者の対応する1又は複数の生理学的測定を識別するステップと、
前記1又は複数のプロセッサにより、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために、1又は複数の健康センサを作動させるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記作動させるステップは、前記1又は複数のプロセッサにより、出力装置において、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動するよう医療職員を促す出力を提供するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記作動させるステップは、前記1又は複数のプロセッサにより、通信モジュールを介して通知装置へコマンドを送信するステップであって、前記コマンドは、前記通知装置に、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動するよう医療職員を催促させるよう構成される、ステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記作動させるステップは、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを自動的に作動させるステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記自動的に作動させるステップは、前記1又は複数のプロセッサにより通信モジュールを介して、前記1又は複数の健康センサに前記1又は複数の生理学的測定を取得させるよう構成される1又は複数のコマンドを送信するステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記活動状態を決定するステップは、前記患者により取られる動きを識別するために前記取得した画像データに対して画像処理を実行するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1又は複数のプロセッサにより、1又は複数の動きセンサから、前記患者により取られた前記動きを示す1又は複数の信号を取得するステップ、を更に有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1又は複数のプロセッサにより、前記1又は複数の動きセンサにより検出された1又は複数の動きアーチファクトを低減する又は除去するために、前記1又は複数の取得した生理学的測定をフィルタリングし正規化する測定調整アルゴリズムを実行するステップ、を更に有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1又は複数の生理学的測定を取得するシステムであって、
1又は複数の記録装置により取得された、患者のいる環境の画像
及び音声データを受信する入力と、
1又は複数の健康センサにより前記患者から取得された1又は複数の生理学的測定を受信するセンサ入力と、
前記1又は複数の記録装置及び前記1又は複数の健康センサに動作可能に結合される患者監視装置と、
を有し、前記患者監視装置は、
前記
受信した画像
及び音声データに基づき、前記患者に関連付けられた活動状態を決定し、
前記決定した活動状態に基づき、前記患者から取得されるべき1又は複数の生理学的測定を選択し、
選択した前記1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させる、
よう構成される、システム。
【請求項10】
出力装置を更に有し、前記患者監視装置は、前記出力装置において、
選択した前記1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させるよう医療職員を催促するための出力を提供するよう更に構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
通知装置を更に有し、前記患者監視装置は、前記通知装置へコマンドを送信するよう更に構成され、前記コマンドは、前記通知装置に、
選択した前記1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させるよう医療職員を催促させるよう構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記患者監視装置は、
選択した前記1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを自動的に作動させるよう更に構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記患者監視装置は、前記1又は複数の健康センサに前記1又は複数の生理学的測定を取得させる1又は複数のコマンドを送信するよう更に構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記患者監視装置は、前記患者の取る動きを識別するために前記取得した画像データに対して画像処理を実行することを決定するよう更に構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記患者監視装置に動作可能に結合される1又は複数の動きセンサを更に有し、前記患者監視装置は、
前記1又は複数の動きセンサから、前記患者により取られる前記動きを示す1又は複数の信号を取得し、
前記1又は複数の動きセンサにより検出される1又は複数の動きアーチファクトを低減する又は除去するために、前記1又は複数の取得した生理学的測定をフィルタリングし正規化する測定調整アルゴリズムを実行する、
よう更に構成される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院、養護施設、及びクリニックのような医療施設では、患者の健康条件又は状態を観察し及び分析するために、患者監視装置が使用される。例えば、患者の生体信号が、種々の医療装置を用いて絶えず監視され、さらに患者モニタを通じて絶えず表示される。患者監視システムは、監視される患者生体信号が所定閾範囲を超えると、聴覚的又は視覚的通知を提供する警告システムも含み得る。
【0003】
それらの効率及び有用性を向上するために、患者監視システムは、理想的には、生理学的測定の精度を保証すべきである。したがって、患者の健康状態を診断し又は治療するときの手違いを防ぐために、生理学的測定を行うときに医療プロトコルの準拠が保証されなければならない。標準的な医療プロトコルは、認められた認証された医療職員による医療装置の適正な使用を監視することを含む。生理学的測定の精度を更に向上するために、患者の姿勢及び動きから検出されるいかなる動きアーチファクトもデータ分析に含まれるべきである。
【0004】
英国特許出願番号第2310377号は、画像装置を用いてユーザ画像を取得する画像認識システムであって、該画像装置から、画像認識がユーザの手の動き及び顔の表情に関連する情報を抽出し、更にユーザの生理学的条件を決定する、画像認識システムを開示する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行するシステム及び方法に関する。
【0006】
本発明の第1の態様によると、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する、コンピュータにより実施される方法であって、1又は複数のプロセッサにより、1又は複数の記録装置を介して、患者のいる環境の画像及び音声データを取得するステップと、前記1又は複数のプロセッサにより、前記の取得した画像及び音声データに基づき、前記患者に関連付けられた活動状態を決定するステップと、前記1又は複数のプロセッサにより、前記患者に関連付けられた前記の決定した活動状態に基づき、取得されるべき前記患者の対応する1又は複数の生理学的測定を識別するステップと、前記1又は複数のプロセッサにより、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために、1又は複数の健康センサを作動させるステップと、を有する方法。一実施形態によると、前記作動させるステップは、1又は複数のプロセッサにより、出力装置において、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動するよう医療職員を促す出力を提供するステップを有する。更なる実施形態によると、前記作動させるステップは、前記1又は複数のプロセッサにより、通信モジュールを介して通知装置へコマンドを送信するステップであって、前記コマンドは、前記通知装置に、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動するよう医療職員を催促させるよう構成される、ステップを有する。別の実施形態では、前記作動させるステップは、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを自動的に作動させるステップを有する。更なる実施形態では、前記自動的に作動させるステップは、前記1又は複数のプロセッサにより通信モジュールを介して、前記1又は複数の健康センサに前記1又は複数の生理学的測定を取得させるよう構成される1又は複数のコマンドを送信するステップを有する。更なる実施形態によると、前記活動状態を決定するステップは、前記患者の取る動きを識別するために前記取得した画像データに対して画像処理を実行するステップを有する。
【0007】
本発明の第2の態様によると、1又は複数の生理学的測定値を取得するシステムであって、患者のいる設定の画像データを取得する1又は複数の記録装置と、前記患者から1又は複数の生理学的測定を取得する1又は複数の健康センサと、前記1又は複数の記録装置及び前記1又は複数の健康センサに動作可能に結合される患者監視装置と、を有し、前記患者監視装置は、前記取得した画像データに対して画像処理を実行し、前記画像処理に基づき、前記患者に関連付けられた活動状態を決定し、前記決定した活動状態に基づき、前記患者から取得されるべき1又は複数の生理学的測定を選択し、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させる、システム。一実施形態によると、前記システムは、出力装置を更に有し、前記患者監視装置は、前記出力装置において、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させるよう医療職員を催促するための出力を提供するよう更に構成される。
【0008】
更なる実施形態によると、前記システムは、通知装置を更に有し、前記患者監視装置は、前記通知装置へコマンドを送信するよう更に構成され、前記コマンドは、前記通知装置に、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを作動させるよう医療職員を催促させるよう構成される。
【0009】
別の実施形態では、前記患者監視装置は、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために前記1又は複数の健康センサを自動的に作動させるよう更に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本開示の実施形態を説明するためにここに組み込まれる。説明に沿って、これらの図面は、本開示の原理を説明するために機能する。以下の図面がある。
【
図1】本開示の種々の実施形態による、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行するシステムを示す。
【
図2】本開示の種々の実施形態による、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する方法を示す。
【
図4】本開示の別の例示的な実施形態による、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行するシステムに関する。該システムは、患者のいる環境の画像データを取得する1又は複数の記録装置と、患者から1又は複数の生理学的測定を取得する1又は複数の健康センサと、1又は複数の記録装置及び1又は複数の健康センサに動作可能に結合される患者監視装置と、を有する。種々の実施形態において、患者監視装置は、取得された画像データに対して画像処理を実行し、画像処理に基づき、患者に関連付けられた活動状態を決定し、決定した活動状態に基づき、患者から取得されるべき1又は複数の生理学的測定を選択し、対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために1又は複数の健康センサを作動させる、よう構成されて良い。
【0012】
本開示は、1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する方法にも関し、該方法は、1又は複数の記録装置を介して、患者のいる環境の画像及び音声データを取得するステップと、前記の取得した画像及び音声データに基づき、前記患者に関連付けられた活動状態を決定するステップと、前記患者に関連付けられた前記の決定した活動状態に基づき、取得されるべき前記患者の対応する1又は複数の生理学的測定を識別するステップと、前記対応する1又は複数の生理学的測定を取得するために、1又は複数の健康センサを作動させるステップと、を有する。
【0013】
本開示の一実施形態では、記録装置は、スケジュールデータベースの1又は複数の記録に基づき、所定時間に画像及び音声データをキャプチャし始めて良い。画像及び音声データは、患者監視装置へ送信され、それに格納されて良い。患者監視装置は、(例えば、種々の画像処理技術を用いて)取得した画像及び音声データを、職員及び患者データベース、オブジェクトデータベース、及び音声データベースにそれぞれ格納された画像データ、オブジェクトデータ、及び音声データと比較して良い。この比較は、患者監視装置が患者の活動状態を決定することを可能にする。これに続き、患者監視装置は、決定した患者の活動状態がスケジュールデータベースに格納された所定の活動状態に一致するかどうかを確認する。確認されると、患者監視装置は、実行されるべき生理学的測定を決定し、続いて、決定した生理学的測定を実行するよう健康センサをトリガする。
【0014】
図1は、患者の活動状態に基づき1又は複数の生理学的測定を自動的に実行するために、本開示の選択された態様により構成された例示的なシステムを示す。図示のように、システムは、1又は複数の記録装置102を含んで良い。1又は複数の記録装置102は、それぞれ、1又は複数のプロセッサ104、画像装置103、音声センサ105、電源106、及び1又は複数のネットワーク112を通じて患者監視装置110との通信を実現する通信モジュール108に動作可能に結合される。患者監視装置110は、メモリ114、ディスプレイ116、1又は複数のプロセッサ118、及び通信モジュール120を含んで良く、健康センサ122及び通知装置124と通信する。患者監視装置110は、ルールデータベース126、スケジュールデータベース128、職員及び患者データベース130、オブジェクトデータベース132、及び音声データベース134とも通信する。データベース(126、128、130、132、134)が、患者監視装置110内に存在して良く、それぞれ、クラウド又はネットワーク112を通じて患者監視装置110に結合される独立型装置であって良い。あるいは、それらは、複数のコンピューティング装置(例えば、サーバファーム)の間で種々の方法で分散されて良い。
【0015】
本願明細書で(例えば122について)使用される用語「健康センサ」は、生理学的パラメ―タを測定し又は生理学的条件若しくは疾病の診断において支援することの可能ないかなる装置、設備、器具、又は機器を表す。本鍛冶の種々の実施形態に従い使用され得る健康センサの例は、限定ではなく、パルス酸素濃度計、血圧計バンド、体温センサ、及び脈拍、心電図パターン、心拍、血中アルコール濃度、呼吸数、血中酸素飽和度、ガルバニック皮膚応答、及び血糖レベルを検出可能な他のセンサを含む。
【0016】
本願明細書で(例えば103において)使用される用語「画像装置」は、画像、ビデオ、及びオブジェクト若しくはシーンの他の形式のデジタル若しくは電気的表現を、キャプチャし、記録し、又は格納することの可能な他のいかなる装置を表す。種々の実施形態に組み込まれる画像装置は、種々の実施形態において種々の形式で現れて良い。これらの種類は、良く知られており、一般に入手可能である。共通に使用される画像装置は、半導体電荷結合素子(charged-coupled device:CCD)又は相補型金属物化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)におけるアクティブピクセルセンサである。画像装置の例は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、閉回路テレビジョン(closed-circuit television:CCTV)、ウェブカメラ、及びスマートカメラを含み得る。
【0017】
音声センサ105は、種々の形式を取って良く、その大部分は良く知られており一般に入手可能である。これらの音声センサの多くはマイクロフォンに基づく。マイクロフォンに基づく音声センサの例は、圧電マイクロフォン、MEMSマイクロフォン、コンデンサマイクロフォン、光ファイバマイクロフォン、エレクレットコンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、リボンマイクロフォン、カーボンマイクロフォン、レーザマイクロフォン、及びリキッドマイクロフォンである。
【0018】
種々の実施形態において、ルールデータベース126は、1又は複数のルールに対応するデータ及び予め格納されたパラメータを格納して良い。ルールデータベース126は、これらの予め格納されたデータ及びパラメータと検出された、監視された、又は測定された1又は複数のデータ及びパラメータとの比較の結果生じる対応する決定及び動作も格納する。種々の実施形態において、スケジュールデータベース128は、1又は複数の生理学的測定を含む1又は複数の動作、イベント、タスク、及び手順に対応する、情報、データ、及び予め格納されたパラメータを格納して良い。
【0019】
種々の実施形態において、職員及び患者データベース130は、医療職員及び患者に関連付けられた(例えばそれを表現する)情報及び写真及び/又はビデオを格納して良い。種々の実施形態において、オブジェクトデータベース132は、医療環境又は病室の中で見られる、医療装置、器具、非医療装置、及びオブジェクトを格納して良い。種々の実施形態において、音声データベース134は、医療職員、患者、訪問者に関連付けられた音声データ、並びに、病院器具、装置、構内アナウンス、等に関連付けられた音声データ(例えば、どの音声が特定の機械の存在を示すか)を格納して良い。
【0020】
種々の実施形態において、通知装置124は、個人又は別の装置に警告又は警報を送信し及び受診することの可能ないかなる装置であって良い。通知装置の例は、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、スマート腕時計及び眼鏡のようなスマートウエアラブル装置、等である。例えば、幾つかの実施形態では、通知装置124は、患者監視装置110からの指示に応答して、患者から1又は複数の生理学的測定を取得するために、1又は複数のメッセージを医療職員へ送信させ及び/又は出力させて良い。幾つかの実施形態では、通知装置124は、様々な種類のメッセージを様々な装置において様々な個人に提供させるメッセージサーバ(図示しない)を含んで良い。これらのメッセージは、電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、適正メッセージ、頁、等のような種々の形式を取って良い。幾つかの実施形態では、通知装置124は省略されて良く、通知は、患者監視装置110のような他のコンポーネントにより処理されて良い。
【0021】
幾つかの実施形態では、通知装置124及び健康センサ122は、それぞれ、それら自身の通信モジュール(それぞれ136及び138)を有する。幾つかの実施形態では、記録装置102及び健康センサ122は、患者監視装置102により起動されないとき、低電力状態であって良い。アイドル又はスリープモードのような低電力状態であるとき、記録装置102及び健康センサ122のプロセッサ104は、対応する通信モジュール(つまり、108及び138)をオフに切り替えて良い。
【0022】
通信モジュール108、120、136、138は、独立型装置、又は患者監視装置110、通知装置124、1又は複数の健康センサ122、及び1又は複数の記録装置102の間の通信、例えばコマンド、トリガ、通知、プロンプト、肯定応答、情報、メッセージ、フォーム、及び様々な種類のデータの送信及び受信、を可能にする装置のコンポーネントであって良い。本開示の種々の実施形態によると、各通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC、無線周波数、セルラ通信、可視光通信、Li-Fi、WiMax、ZigBee、光ファイバ、及び他の毛is木の無線通信と共に使用するために構成されるいかなる送信機又は受信機の形式を取って良い。代替として、通信モジュールは、USBケーブル、Ethernet、又は他の有線形式の通信のような物理チャネルであって良い。
【0023】
動きセンサは、種々の実施形態において、例えば患者監視装置110のコンポーネントとして使用されて良く、赤外線、光、マイクロ波、超音波、音響、又はトモグラフィセンサ、及び占有センサのカテゴリに含まれるセンサ、に基づいて良い。本開示に従い使用される動きセンサは、受動、又は動的、又はそれらの組み合わせであって良い。受動赤外線センサは、熱の動きを検出することにより動作する。それらは、動いている身体により放射される赤外線放射を検出するよう設計された焦電気性センサを有する。受動赤外線センサが身体の熱的動きを検出すると、センサは、該身体に結合されるいかなる照明システムを起動して良い。誤警報の発生を最小限に抑えるために、異なる種類の動きセンサの結合が使用されて良い。例えば、赤外線センサ及びマイクロ波センサの組み合わせが使用されて良い。赤外線センサによる動きの検出は、作動するためにより高い閾を必要とし得るマイクロ波センサをトリガするために使用されて良い。したがって、警報又は警告は、赤外線センサによる動きの検出に続いてマイクロ波センサも検出したときだけ、トリガされる。
【0024】
図2は、患者の活動状態に基づき1又は複数の生理学的測定を自動的に実行する例示的な方法を示す。ブロック200で、1又は複数の記録装置(例えば、
図1の102)は、病室内の画像及び音声データを取得して良い。ブロック202で、取得されたデータは、患者監視装置(例えば
図1の110)へ送信され、それに格納されて良い。ブロック204で、取得した画像及び音声データは、次に、例えば患者監視装置により、職員及び患者データベース(例えば130)、オブジェクトデータベース(例えば132)、及び音声データベース(例えば134)にそれぞれ格納された、画像データ、オブジェクトデータ、及び音声データと比較されて良い。
【0025】
ブロック206で、ブロック204における比較に基づき、患者の活動状態及び患者の活動コンテキストの決定が行われて良い。患者の活動状態は、種々の属性、例えば、姿勢、頭部位置、身体の動き、等を含んで良い。患者の活動コンテキストは、種々の活動、例えば寝る、食べる、飲む、モバイル装置を使用する、テレビを観る、薬を服用する、運動する、走る、ジョギングする、歩く、泳ぐ、等を含んで良い。
【0026】
決定した患者の活動コンテキストに基づき、ブロック208で、患者監視装置は、患者から取得されるべき1又は複数の生理学的測定を決定して良い。例えば、患者が不動の活動状態及び寝る活動コンテキストを有すると決定された場合、このようなコンテキストで最も良好に行われる1又は複数の生理学的測定、例えば休息時心拍、血中酸素飽和度(SpO2)、等、が識別されて良い。ブロック210で、患者関し装置は、ブロック208で決定した対応する1又は複数の生理学的測定を実行するよう、1又は複数の健康センサをトリガして良い。
【0027】
図3に示すような本開示の例示的な実施形態では、画像装置300は、病室の一角に戦略的に配置される。また、マイクロフォン302は、患者のベッド304の片側に配置され、患者306から生じる音声を密に監視し検出する。この音は、くしゃみ、いびき、咳、呼吸、もごもご言う声、甲高い声、等を含んで良い。更に、監視され検出され得る他の種類の音は、ラジオ、コンピュータ、テレビ、ラップトップ、スピーカ、携帯電話機、ポータブルデジタルアシスタント(PDA)、目覚まし時計、及び他の装置から生じる音楽及び音声である。画像装置300及びマイクロフォン302は、画像及び音声データを連続的に取得し、更に患者監視装置308へこれらのデータを連続的に送信して良い。取得した画像及び音声データを、職員及び患者データベース(例えば130)、オブジェクトデータベース(例えば132)、及び音声データベース(例えば134)に格納された、画像データ、オブジェクトデータ、及び音声データと比較することにより、患者監視装置308は、患者306が最小限の身体的動きを伴い安定した状態で眠っていることを決定する。患者監視装置308は、次に、患者の現在の活動状態を前提として、患者のSpO2の測定が実行できると決定する。患者監視装置308は、したがって、患者の血中酸素飽和度を測定するようパルスオキシメータ310をトリガする。
【0028】
図4は、種々の実施形態による、本願明細書に記載される技術を実行する別の例示的な方法を示す。ブロック400で、患者監視装置(例えば
図1の110)は、スケジュールデータベース(例えば
図1の128)から測定スケジュールを検索して良い。ブロック402で、患者監視装置は、患者に対して実行されるべきスケジューリングされた生理学的測定を決定して良い。近い将来にスケジューリングされた生理学的測定がある場合、ブロック404で、患者監視装置は、画像及び音声データを記録するよう1又は複数の記録装置(例えば、
図1の102)をトリガして良い。ブロック406で、記録した画像及び音声データは、患者監視装置へ送信されて良い。ブロック408で、記録した画像及び音声データは、次に、データベースに格納された対応する画像データ、オブジェクトデータ、及び音声データと比較されて良い。この比較に基づき、ブロック410で、患者の活動状態が決定されて良い。
【0029】
ブロック412で、患者監視装置は、次に、患者の活動状態に基づき、スケジューリングされた生理学的測定が決定した実行できるかどうかを調べて良い。例えば、スケジューリングされた生理学的測定が、走っている人の心拍の測定を含み、現在検出された活動状態が眠っている人のものである場合、スケジューリングされた生理学的測定は実行されない。スケジューリングされた生理学的測定が実行可能な場合、ブロック414で、患者監視装置は、スケジューリングされた生理学的測定を実行するよう健康センサ(例えば122)をトリガして良い。ブロック412で、スケジューリングされた生理学的測定が実行できない場合、ブロック416で、患者監視装置は、ルールデータベース(例えば
図1の126)に前に格納されたルールに基づき、適切な決定及び取るべき対応する動作が何かを決定して良い。
【0030】
本開示の1又は複数の実施形態が利用され得る例示的なシナリオとして、心室性期外収縮と診断された高齢者が24時間心拍監視を3日間、介護付き住宅内で行うようスケジューリングされる場合を想定する。画像装置は、それぞれマイクロフォンを内蔵され、各介護付き住宅内に設置されて良い。高齢者の心拍測定がウェアラブル心拍モニタを用いて、3時間毎に実行されるようスケジューリングされ、その間、患者は患者の心拍パターンを決定するために種々の活動に従事すると仮定する。ここで、スケジューリングされた心拍測定の前の5分間、1又は複数の画像装置は、各介護付き住宅の部屋をスキャンし、顔、オブジェクト及び/又は動き認識を用いて高齢者の活動状態のコンテキストを決定する。
【0031】
高齢者の24時間心拍監視の初日に、最初のスケジューリングされた心拍監視の前5分間に、1又は複数の画像装置は、各介護付き住宅の部屋をスキャンして良い。取得した画像データの画像処理に基づき、高齢者が身体活動部屋の中のトレッドミルで走っていることが決定されて良い。高齢者が検出された後に心拍監視のスケジューリングされた時間において、ウェアラブル心拍モニタは、高齢者の心拍が93回毎分であることを測定して良い。最初の心拍測定の後の3時間、画像装置は、高齢者が娯楽室内の他の高齢者とチェスをしていることを検出し、次に、ウェアラブル心拍モニタが第2回の心拍測定を行う。ウェアラブル心拍モニタは、高齢者の心拍が76回毎分であることを測定する。各測定の後に、取得されたデータは、ネットワークサーバへ送信され、そこに格納されて良い。3日間の心拍測定が完了すると、権限の与えられた医師が、高齢者の心拍を観て、高齢者がいかなる潜在的な心臓異常又は疾病を有するかどうかを決定する。
【0032】
別の例では、病室内に制限された患者が空腹時血糖(fasting blood sugar:FBS)検査を有するとスケジューリングされていると仮定する。病室内の記録装置は、1日24時間、患者を効率的に監視するために画像及び/又は音声データを連続的に取得して良い。スケジューリングされたFBS検査を行う1時間前に、患者が食事し、これは検出され記録装置により記録されると仮定する。記録装置からのこの記録されたデータは、病院の主コンピュータシステムへ送信されて良い。病院の主コンピュータシステムは、スケジューリングされた検査の8時間前の必要な絶食期間の間に食事を摂ったために、スケジューリングされたFBS検査が進められないと決定して良い。幾つかの実施形態では、病院の主コンピュータシステムは、FBS検査を他の時間又は日にちに自動的に再スケジューリングして良い。任意で、警告が上げられて良い。例えば、医療職員に患者の不履行について知らせるために、対応している医療職員へメッセージが送信される。医療職員は、病院の主コンピュータシステムを介してFBS検査を手動で再スケジューリングして良い。
【0033】
別の例では、午後の4時に患者の皮膚伝導度が測定されることがスケジューリングされていると仮定する。スケジューリングされた検査の5分前に、患者監視装置は、画像及び音声データを取得するよう画像装置をトリガして良い。画像装置は、次に、取得した画像及び音声データを患者監視装置へ送信して良い。取得した画像及び音声データに対して画像処理を実行することにより、患者監視装置は、患者が活動室内で運動していることを検出して良い。監視システムは、次に、ルールデータベースから検索したルールに基づき、運動中の人に対して皮膚伝導度測定を行うことができるか否かを決定して良い。患者監視装置は、汗が患者の皮膚伝導度測定の精度に影響し得るので、ルールに従い、スケジューリングされた皮膚伝導度測定を行うことができないと決定して良い。したがって、患者監視装置は、別の時間又は日にちに測定を再スケジューリングして良い。追加又は代替として、患者監視装置は、スケジューリングされた検査の直前に患者が活動室内で検出されたために、スケジューリングされた皮膚伝導度測定が実行されなかったことを、医療職員に通知して良い。
【0034】
本開示の別の態様では、スケジューリングされた生理学的測定は、検出された患者の活動状態がルールデータベースによる所定のルールに基づくスケジューリングされた測定の必要活動状態に一致しない場合でも、依然として進められて良い。ここで、患者監視装置は、スケジューリングされた測定の許容測定精度レベルも決定して良い。例えば、子供が、子供の所定の睡眠時間である真夜中に酸素飽和度(SpO2)測定をスケジューリングされると仮定する。しかしながら、子供が高熱であり、子供に不本意に且つ過度に震えを生じさせると仮定する。子供の身体の動きを検出したにも拘わらず、患者監視装置は、検出された動きの量が所定の許容可能精度レベルの範囲内であると決定する。したがって、患者監視装置は、子供のSpO2レベルを測定するようパルスオキシメータをトリガするよう続ける。取得したSpO2レベルに対応するデータ、所定精度レベル、及び検出した患者の活動状態は、次に、ネットワークサーバへ送信され、そこに格納される。この場合、生理学的測定はスケジュールに従い進み、医療職員は診断のために患者の生理学的データを分析し使用できる。
【0035】
本開示の別の実施形態では、1又は複数の生理学的測定は、患者監視装置を通じる代わりに、手動で行われて良い。患者に対して実行されるべき1又は複数の生理学的測定を識別した後に、患者監視装置(例えば110)は、医療職員の通知装置へ通知を送信して良い。通知は、使用すべき適正な健康センサ、患者の身体上に健康センサを配置すべき最も効果的な位置、測定のための適正な患者身体姿勢、測定期間、等を含む、生理学的測定を適正に行う方法についての指示を医療職員に提供する。幾つかの実施形態では、医療職員が提供される指示に従わないとき、監視システムにより病院の主コンピュータシステムへ、別の通知が送信されて良い。
【0036】
本開示の別の態様では、監視装置(例えば
図1の110)は、患者の位置及び動きを検出するジャイロスコープ及び/又は加速度計のような動きセンサに更に結合されて良い。ジャイロスコープ及び/又は加速度計データは、速さ、速度、加速度、及び患者の姿勢又は位置の変化(例えば、仰臥位から腹臥位への動き)のような、患者に関連する動きパラメータを正確に決定し、監視し、及び測定するために、画像装置データと結合されて良い。幾つかの実施形態では、患者監視装置は、例えば加速度計により検出される動きアーチファクトを補償し、低減し、及び/又は除去するために、生理学的測定値をフィルタリングし及び正規化する測定調整アルゴリズムを実行して良い。これは、1又は複数の健康センサにより収集された生理学的測定読み取り値の精度及び正確さを向上する。
【0037】
本開示の種々の態様によると、オブジェクト及び人は、例えばパターン認識、画像認識、画像位置合わせ、オブジェクト認識、顔認識、特徴抽出、色認識、光学式文字認識、自己運動、追跡及び光フローのようなタスクをカバーする動き分析、ポーズ推定、マシンビジョン、機械学習、コンテンツに基づく画像検索、形状認識、人工知能、ニューラルネットワーク、及び画像処理の他の方法、並びに他の種類のコンピュータビジョンに基づく技術を用いて、記録装置102により識別されて良い。
【0038】
幾つかの実施形態では、1又は複数の生理学的測定を取得するシステムは、記録装置の代わりに、1又は複数の記録装置102により取得された、患者のいる環境の画像データ(及び例えばマイクロフォン302からの音声データ)を受信する入力を有して良い。システムは、センサの代わりに、1又は複数の健康センサ122により取得された、患者からの1又は複数の生理学的測定を受信するセンサ入力を更に有して良い。本実施形態では、患者監視装置は、センサを制御するセンサ出力を有する。ここで、該センサ出力を介して、患者監視装置は、対応する1又は複数の生理学的測定を得るために、1又は複数の健康センサを作動させるよう構成される。
【0039】
幾つかの本発明の実施形態が本願明細書に記載され図示されたが、当業者は本願明細書に記載された機能を実行し並びに/又は結果及び/若しくは利点の1又は複数を得るための種々の他の手段及び/又は構造を直ちに想像するだろう。より一般的には、当業者は、本願明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が例であること、及び実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成が本発明の教示が用いられる特定の1又は複数の用途に依存することを直ちに理解するだろう。当業者は、日常的に過ぎない実験を用いて、本願明細書に記載された特定の本発明の実施形態の多数の等価物を認識し又は究明できるだろう。したがって、上述の実施形態は単なる例としてのみ提示されたこと、本願明細書に特に記載された及び主張された以外にも、特許請求の範囲及びその等価の範囲内で本発明の実施形態が実施されうることが理解されるべきである。本開示の本発明の実施形態は、本願明細書に記載されたそれぞれ個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象とする。更に、このような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2以上の如何なる組合せも、該特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない場合には本開示の本発明の範囲に包含される。
【0040】
全ての定義は、本願明細書で定められ用いられたように、辞書の定義、参照により組み込まれた文書内の定義、及び/又は定められた用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0041】
不定冠詞「1つの(「a」及び「an」)」は、本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、別に明示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0042】
用語「及び/又は」は、本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、結合された要素の「一方又は両方」を意味する、つまり幾つかの例では結合されて存在する要素であり、他の例では分離して存在する要素であると理解されるべきである。
【0043】
「及び/又は」を伴い列挙された複数の要素は、同様に、つまり結合された要素の「1又は複数」と考えられるべきである。他の要素は、特に指定された要素に関連するか否かに拘わらず、「及び/又は」の節により特に識別された要素の他に任意的に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「A及び/又はB」という言及は、「有する(comprising)」のような非限定的言い回しとともに用いられるときは、一実施形態ではAのみ(任意的にB以外の要素を含む)を、別の実施形態ではBのみ(任意的にA以外の要素を含む)を、更に別の実施形態ではA及びBの両方(任意的に他の要素を含む)を表しうる。
【0044】
本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、「又は」は上述の「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙される中で「又は」又は「及び/又は」で区切られている項目は包括的である、つまり多数の要素又は一連の要素のうちの少なくとも1つを含むが1より多くを含んでもよく、及び任意的に列挙されていない追加の項目を含んでもよいと理解されるべきである。「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つのみ」のように別に明示された用語又は特許請求の範囲で用いられるとき「からなる」のみは、多数の又は列挙された要素のうちの厳密に1つのみを含むことを表す。通常、用語「又は」は、本が明細書で用いられるように、「何れか1つ」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つ」のような排他的な語に先行されるとき、排他的な代替(つまり、「1又は他の、しかし両方ではない」)を示すと解釈されるべきである。「基本的に~からなる(consisting)」は、特許法の分野で用いられるように通常の意味を有する。
【0045】
本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、1又は複数の要素の列挙を参照する際の用語「少なくとも1つ」は、要素の列挙の中の任意の1又は複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも外要素の列挙内に特に列挙された各要素及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含むものではなく、要素の列挙内の要素の如何なる組合せも排除しないと理解されるべきである。この定義は、特に指定された要素に関連するか否かに拘わらず、要素に、任意的に用語「少なくとも1つ」が参照する要素の列挙内で特に識別された要素以外のものも表させる。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等に「A又はBの少なくとも1つ」若しくは同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、ある実施形態では少なくとも1つのA、任意的に1つより多いAを有し、Bの存在を有さず(及び任意的にB以外の要素を有する)、他の実施形態では少なくとも1つのB、任意的に1つより多いBを有し、Aの存在を有さず(及び任意的にA以外の要素を有し)、更に別の実施形態では少なくとも1つのA、任意的に1つより多いAを有し、及び少なくとも1つのB、任意的に1つより多いBを有する(及び任意的に他の要素を有する)等を表しうる。
【0046】
別に明確に示されない限り、1つより多いステップ又は動作を含む本願で請求されるいかなる方法においても、その方法のステップ又は動作の順序は、その方法のステップ又は動作が記載された順序に必ずしも限定されないことが理解される。