(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
H01H36/00 J
(21)【出願番号】P 2019551893
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2018031641
(87)【国際公開番号】W WO2019092953
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2017217673
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】寒川井 伸一
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-100919(JP,A)
【文献】特開2017-182907(JP,A)
【文献】特開2009-214559(JP,A)
【文献】特開2017-135103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H36/00
G06F 3/044
H03K17/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた第1センサ電極と、
前記第1センサ電極と対向して配置され、前記第1センサ電極と容量結合した第2センサ電極と、
前記第1センサ電極の静電容量に基づいて、前記第2センサ電極への操作体の接近を検出する検出回路と、
前記第2センサ電極と電気的に接続された第3センサ電極と
を備える入力装置。
【請求項2】
前記第2センサ電極は、前記第1センサ電極より大きい
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第2センサ電極は、前記基板を収納する筐体に設けられる
請求項1又は請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第2センサ電極は、前記筐体の内面に設けられる
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記第2センサ電極は、前記筐体の外面に設けられる
請求項3に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第2センサ電極は、メッキにより形成される
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記検出回路は、前記第1センサ電極の静電容量の変化量が閾値以上である場合、当該第1センサ電極と対向して配置された前記第2センサ電極に前記操作体が接近したと判定する
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第3センサ電極は、前記第1センサ電極より大きい
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記第3センサ電極は、前記第2センサ電極より大きい
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
複数の前記第2センサ電極が近接して配置される
請求項
1乃至9のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項11】
前記検出回路は、前記第1センサ電極の静電容量の変化量が閾値以上である場合、当該第1センサ電極と対向して配置された前記第2センサ電極と電気的に接続された前記第3センサ電極に前記操作体が接近したと判定する
請求項
1から請求項
9までのいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自己容量式のタッチセンサを備えた入力装置が知られている。自己容量式のタッチセンサは、操作体の接近を検出するためのセンサ電極を備え、センサ電極の静電容量の変化を利用して、センサ電極への操作体の接近を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の入力装置は、タッチセンサと、タッチセンサを収納する筐体と、を備え、タッチセンサの基板上に設けられたセンサ電極と、筐体上のセンシングエリアと、が対向するように、タッチセンサが配置された。このため、入力装置に要求されるセンシングエリアが広いほど、センサ電極が大きくなり、タッチセンサの基板の大型化や基板上のレイアウトの制限をもたらすという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、自己容量式のタッチセンサのセンサ電極を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る入力装置は、基板上に設けられた第1センサ電極と、前記第1センサ電極と対向して配置され、前記第1センサ電極と容量結合した第2センサ電極と、前記第1センサ電極の静電容量に基づいて、前記第2センサ電極への操作体の接近を検出する検出回路と、前記第2センサ電極と電気的に接続された第3センサ電極とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の各実施形態によれば、自己容量式のタッチセンサのセンサ電極を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る入力装置の一例を示す斜視図。
【
図4】入力装置の動作の一例を示すフローチャート。
【
図6】第2実施形態に係る入力装置の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
【0010】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る入力装置100について、
図1~
図5を参照して説明する。本実施形態に係る入力装置100は、ユーザが操作体を接近させることにより所望の情報を入力するための入力装置であり、操作体の接近を検出する自己容量式のタッチセンサを備える。操作体は、ユーザが情報を入力するために利用する導電性の物体である。操作体は、例えば、指であるが、これに限られない。
【0011】
まず、入力装置100のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る入力装置100の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1の入力装置100のA-A線断面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、入力装置100は、筐体1と、支持体2と、基板3と、第1センサ電極4A~4Dと、検出回路5と、第2センサ電極6A~6Dと、を備える。基板3、第1センサ電極4A~4D、及び検出回路5は、タッチセンサ7を構成する。なお、
図1の例では、他の構成が見やすくなるように、支持体2が省略されている。
【0013】
以下、
図1及び
図2を基準として、入力装置100における上下を説明するが、入力装置100における上下はこれに限られない。また、第1センサ電極4A~4Dを区別しない場合、第1センサ電極4と称する。同様に、第2センサ電極6A~6Dを区別しない場合、第2センサ電極6と称する。
【0014】
筐体1は、入力装置100の外装であり、支持体2、基板3、第1センサ電極4、及び検出回路5を収納する。
図1及び
図2の例では、筐体1は、直方体形状を有し、筐体1の底板を構成する下筐体11と、筐体1の側板及び天板を構成する上筐体12と、に分割されている。筐体1は、下筐体11及び上筐体12を、嵌合、接着、圧着、溶接などの方法により一体化することで形成される。なお、筐体1の形状及び分割方法は、上記の例に限られない。
【0015】
支持体2は、基板3を筐体1の天板と対向するように支持する任意の部品又は部分(例えば、筐体1と一体に形成された部分)である。
図2の例では、支持体2は、筐体1の底板の上面に設けられているが、筐体1の側板や天板に設けられてもよい。また、
図2の例では、支持体2は、直方体形状を有するが、基板3を支持可能な任意の形状に設計できる。
【0016】
基板3は、リジッド基板やフレキシブル基板などのプリント基板であり、第1センサ電極4及び検出回路5と共に、タッチセンサ7を構成する。基板3は、筐体1の天板と対向するように支持体2に支持される。図示省略されているが、基板3の上面及び下面には、第1センサ電極4及び検出回路5を接続する配線パターンが形成されている。また、
図1及び
図2の例では、基板3の平面視形状は、矩形であるが、これに限られない。
【0017】
第1センサ電極4は、第2センサ電極6への操作体の接近を検出するために、基板3の上面に設けられたセンサ電極であり、金属箔(銅箔など)、金属板、又はメッキにより形成される。第1センサ電極4は、基板3に設けられた配線パターンを介して、検出回路5と電気的に接続される。また、第1センサ電極4は、対応する第2センサ電極6と対向するように配置される。言い換えると、基板3は、対応する第1センサ電極4及び第2センサ電極6が対向するように、支持体2により支持される。なお、
図1及び
図2の例では、第1センサ電極4Aは第2センサ電極6Aと対応し、第1センサ電極4Bは第2センサ電極6Bと対応し、第1センサ電極4Cは第2センサ電極6Cと対応し、第1センサ電極4Dは第2センサ電極6Dと対応する。また、
図1及び
図2の例では、第1センサ電極4の平面視形状は、矩形であるが、これに限られない。また、入力装置100は、第1センサ電極4を1つ以上備えればよい。
【0018】
検出回路5は、第1センサ電極4の静電容量Cに基づいて、第2センサ電極6への操作体の接近を検出する回路である。検出回路5は、例えば、1つ又は複数のIC(Integrated Circuit)であるが、これに限られない。検出回路5について詳しくは後述する。
【0019】
第2センサ電極6は、操作体の接近を検出するセンシングエリアに対応するセンサ電極であり、筐体1の内面(天板の下面)に設けられ、金属箔(銅箔など)、金属板、又はメッキにより形成される。第2センサ電極6は、第1センサ電極4とは非接続であり、グラウンドにも接続されておらず、対応する第1センサ電極4と対向するように、第1センサ電極4と離間して配置される。
【0020】
第2センサ電極6をこのように配置することにより、対応する第1センサ電極4と第2センサ電極6とが容量結合する。この結果、第2センサ電極6に操作体が接近すると、操作体が接近した第2センサ電極6に対応する第1センサ電極4の静電容量Cが変化する。このため、検出回路5は、静電容量Cに基づいて、第2センサ電極6への操作体の接近を検出できる。例えば、第2センサ電極6Aに操作体が接近した場合、第2センサ電極6Aに対応する第1センサ電極4Aの静電容量Caが変化するため、検出回路5は、静電容量Caに基づいて、第2センサ電極6Aへの操作体の接近を検出できる。
【0021】
第2センサ電極6は、
図1及び
図2の例のように、第1センサ電極4より大きく形成されるのが好ましい。これにより、第1センサ電極4を大型化することなく、入力装置100のセンシングエリアを大型化することができる。
【0022】
なお、
図1及び
図2の例では、第2センサ電極6の平面視形状は、矩形であるが、これに限られない。また、入力装置100は、第2センサ電極6を1つ以上備えればよい。また、対向する第1センサ電極4と第2センサ電極6との間の距離Lは、入力装置100に要求される感度やタッチセンサ7の感度に応じて設計すればよい。距離Lは、入力装置100に要求される感度が高いほど、小さく設計されるのが好ましい。また、距離Lは、タッチセンサ7の感度が高いほど、大きく設計することができる。
【0023】
次に、検出回路5の機能構成について説明する。
図3は、検出回路5の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、検出回路5は、計測部51と、判定部52と、を備える。
【0024】
計測部51は、基板3に設けられた配線パターンを介して、各第1センサ電極4と電気的に接続され、各第1センサ電極4の静電容量Cを計測する。静電容量Cの計測方法は、任意に選択可能である。計測部51は、例えば、公知のCR充放電時間を計測する回路、充電した電荷を既知のコンデンサに転送する回路、インピーダンスを測定する回路、発振回路を構成して発振周波数を計測する回路等を用いて構成される。計測部51が計測した静電容量Cは、判定部52に入力される。
【0025】
判定部52は、計測部51から入力された静電容量Cに基づいて、操作体が第2センサ電極6のいずれに接近したか、又はいずれにも接近していないかを判定する。判定部52は、ハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアにより実現されてもよい。後者の場合、判定部52は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えたマイコンにより構成され、CPUがプログラムを実行することにより実現される。判定部52による判定方法については後述する。
【0026】
次に、入力装置100の動作について説明する。
図4は、入力装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0027】
まず、計測部51が、各第1センサ電極4の静電容量Cをそれぞれ計測する(ステップS101)。これにより、第1センサ電極4A~4Dの静電容量Ca~Cdが計測される。計測部51は、計測により得られた静電容量Cを判定部52に入力する。
【0028】
次に、判定部52が、計測部51から入力された静電容量Cに基づいて、変化量cを算出する(ステップS102)。これにより、第1センサ電極4A~4Dの静電容量Ca~Cdの変化量ca~cdが算出される。変化量cは、静電容量Cの基準値と、計測部51により計測された静電容量Cと、の差である。静電容量Cの基準値は、第1センサ電極4ごとに異なってもよいし、同一であってもよい。また、静電容量Cの基準値は、予め設定されていてもよいし、静電容量Cの履歴データに基づいて更新されてもよい。
【0029】
次に、判定部52は、算出した変化量cの中に閾値cth以上の変化量cがあるか判定する(ステップS103)。閾値cthは、操作体の接触を検出するために予め設定された変化量cの閾値である。閾値cthは、第1センサ電極4ごとに異なってもよいし、共通であってもよい。
【0030】
閾値cth以上の変化量cがない場合(ステップS103のNO)、すなわち、変化量ca~cdがいずれも閾値cth未満である場合、判定部52は、操作体がいずれも第2センサ電極にも接近していないと判定する(ステップS104)。
【0031】
一方、閾値cth以上の変化量cがある場合(ステップS103のNO)、判定部52は、その変化量cが閾値cth以上である第1センサ電極4に対応する第2センサ電極6に操作体が接近したと判定する(ステップS105)。閾値cth以上の変化量cが複数ある場合には、例えば、判定部52は、閾値cth以上の変化量cの中で、その変化量cと閾値cthとの差が最大である第1センサ電極4に対応する第2センサ電極6に操作体が接近したと判定すればよい。また、例えば、判定部52は、変化量cが閾値cth以上である複数の第1センサ電極4にそれぞれ対応する複数の第2センサ電極6に操作体が接近したと判定してもよい。
【0032】
ステップS104又はステップS105の終了後、判定部52は、判定結果を出力する(ステップS106)。判定部52が出力した判定結果は、検出回路5による操作体の接近の検出結果に相当し、検出回路5の後段に接続された信号処理装置などに入力される。
【0033】
入力装置100は、以上の動作を所定時間毎に実行することにより、第2センサ電極6に対する操作体の接近を検出する。
【0034】
以上説明した通り、本実施形態によれば、第2センサ電極6を大きくすることにより、第1センサ電極4を大型化することなく、入力装置100のセンシングエリアを大きくすることができる。言い換えると、所望のセンシングエリアを実現するために必要となる第1センサ電極4を小型化することができる。これにより、タッチセンサ7の基板3を小型化し、基板3上のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0035】
また、基板3を支持体2を介して下筐体11の所定の位置に配置し、第2センサ電極6を上筐体12の所定の位置に配置することにより、下筐体11と上筐体12とを組み立てるだけで、対応する第1センサ電極4及び第2センサ電極6が所定の距離を隔てて対向するように、基板3を配置することができる。これにより、入力装置100の組み立て性を向上させることができる。
【0036】
ここで、
図5は、本実施形態に係る入力装置100の変形例を示す断面図である。
図5の例では、第2センサ電極6が筐体1の外面(天板の上面)に設けられている。このような構成により、入力装置100の外面に設けられた加飾メッキ(メッキにより形成された装飾)を、第2センサ電極6として利用することができる。また、操作体が第2センサ電極6に接触可能となる。操作体が第2センサ電極6に接触すると、第2センサ電極6が一定のグラウンド電位となるため、検出回路5は、操作体の接近(接触)を安定して検出可能となる。なお、車載製品のように、加飾メッキがグラウンドに接続されている場合、加飾メッキに操作体が接触しても、加飾メッキの静電容量が変化しないため、加飾メッキを第2センサ電極6として利用することができない。このような場合には、加飾メッキとグラウンドの間にダイオードを接続することにより、加飾メッキを第2センサ電極6として利用することができる。
【0037】
なお、
図4では、変化量c及び閾値cthを比較することにより、操作体の接近を判定する方法について説明したが、判定部52による操作体の接近の判定方法は、これに限られない。例えば、判定部52は、静電容量Cとその閾値とを比較することにより、操作体の接近を判定してもよいし、静電容量Cや変化量cの経時的なパターンに基づいて、操作体の接近を判定してもよい。判定部52は、静電容量Cに基づく任意の判定方法を採用できる。
【0038】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る入力装置100について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る入力装置100の一例を示す斜視図である。
図6では、他の構成が見やすくなるように、支持体2が省略されている。
図6に示すように、本実施形態に係る入力装置100は、第3センサ電極8A~8Dを更に備える。本実施形態に係る入力装置100の第3センサ電極8A~8Dを除く構成及び動作は、第1実施形態と同様である。以下、第3センサ電極8A~8Dを区別しない場合、第3センサ電極8と称する。
【0039】
第3センサ電極8は、操作体の接近を検出するセンシングエリアに対応するセンサ電極であり、筐体1における、第2センサ電極6と同じ面に設けられ、金属箔(銅箔など)、金属板、又はメッキにより形成される。第3センサ電極8は、第2センサ電極6と同様に、第1センサ電極4とは非接続である。一方、第3センサ電極8は、金属箔(銅箔など)、金属板、又はメッキにより形成された配線により、対応する第2センサ電極6と電気的に接続されている。なお、
図6の例では、第3センサ電極8Aは第2センサ電極6Aと対応し、第3センサ電極8Bは第2センサ電極6Bと対応し、第3センサ電極8Cは第2センサ電極6Cと対応し、第3センサ電極8Dは第2センサ電極6Dと対応する。また、
図6の例では、第3センサ電極8の平面視形状は、矩形であるが、これに限られない。また、入力装置100は、第3センサ電極8を1つ以上備えればよい。
【0040】
このような構成により、第3センサ電極8が、第1センサ電極4に容量結合した第2センサ電極6と電気的に接続される。この結果、第3センサ電極8に操作体が接近すると、操作体が接近した第3センサ電極8に対応する第1センサ電極4の静電容量Cが、第2センサ電極6を介して変化する。したがって、検出回路5は、第1センサ電極4の静電容量Cに基づいて、第3センサ電極8への操作体の接近を検出できる。例えば、第3センサ電極8Aに操作体が接近した場合、第3センサ電極8Aに対応する第1センサ電極4Aの静電容量Caが、第2センサ電極6Aを介して変化するため、検出回路5は、静電容量Caに基づいて、第3センサ電極8Aへの操作体の接近を検出することができる。
【0041】
第3センサ電極8は、
図6の例のように、第1センサ電極4より大きく形成されるのが好ましい。これにより、第1センサ電極4を大型化することなく、入力装置100のセンシングエリアを大きくすることができる。
【0042】
また、第3センサ電極8は、
図6の例のように、第2センサ電極6より大きく形成されるのが好ましい。これにより、第3センサ電極8(センシングエリア)のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0043】
また、第2センサ電極6は、
図6の例のように、互いに近接して配置されるのが好ましい。これにより、第2センサ電極6へ操作体が接近した場合、各静電容量Cが略同様に変化するため、第2センサ電極6への操作体の接近と、第3センサ電極8への操作体の接近と、を容易に区別することができる。例えば、判定部52は、閾値cth以上の変化量cが1つしかない場合には、その変化量cが閾値cth以上である第1センサ電極4に対応する第3センサ電極8に操作体が接近したと判定し、閾値cth以上の変化量cが複数ある場合には、第2センサ電極6に操作体が接近したと判定すればよい。また、例えば、判定部52は、閾値cth以上の変化量cが1つ又は2つである場合には、その変化量cと閾値cthとの差が最大である第1センサ電極4に対応する第3センサ電極8に操作体が接近したと判定し、閾値cth以上の変化量cが3つ以上ある場合には、第2センサ電極6に操作体が接近したと判定してもよい。結果として、第2センサ電極6への操作体の接近を、第3センサ電極8への操作体の接近として検出する誤検出を抑制することができる。
【0044】
以上説明した通り、本実施形態によれば、第3センサ電極8を、第2センサ電極6と配線を介して接続可能な任意の位置に配置することができる。これにより、入力装置100のセンシングエリアのレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0045】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0046】
また、本国際出願は、2017年11月10日に出願した日本国特許出願第2017-217673号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0047】
1:筐体
2:支持体
3:基板
4:第1センサ電極
5:検出回路
6:第2センサ電極
7:タッチセンサ
8:第3センサ電極
11:下筐体
12:上筐体
100:入力装置