(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
(21)【出願番号】P 2020506174
(86)(22)【出願日】2017-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2017118862
(87)【国際公開番号】W WO2019119488
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】201711370890.5
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519372364
【氏名又は名称】格力電器(武漢)有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES(WUHAN)CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.888,Dongfeng Avenue,Economic&Technology Development Zone,Wuhan,Hubei 430000,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512306405
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンシーズ インク オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
【住所又は居所原語表記】Qianshan Jinji West Road,Zhuhai, Guangdong, 519070, P.R. CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 海
(72)【発明者】
【氏名】胡 小帝
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲ルオ▼火
(72)【発明者】
【氏名】許 寧
(72)【発明者】
【氏名】王 宏
(72)【発明者】
【氏名】劉 敏
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204006225(CN,U)
【文献】中国実用新案第203549962(CN,U)
【文献】中国実用新案第203177259(CN,U)
【文献】特開2014-114974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードであって、開口を有する筐体と、前記筐体に設けられた油煙取込みパネル組立体とを備え、前記油煙取込みパネル組立体は前記筐体の開口部位に設けられ、前記筐体の内室にインペラが設けられ、前記油煙取込みパネル組立体は、少なくとも前記インペラに対応する領域において前記筐体の開口を開放させることができ、そして前記インペラをこの領域から取り出すことができ、
前記油煙取込みパネル組立体は複数枚のパネルを含み、
前記複数枚のパネルは上パネル、下パネル及び前記上パネルと下パネルとの間に位置する油煙案内板を含み、
前記上パネルは開放可能な構造とされ、前記油煙案内板は取外し可能な構造であり、
前記筐体の開口部位において、前記油煙取込みパネル組立体の内側に位置する集煙フードが設けられ、前記油煙案内板は前記集煙フードに接続され
、
前記上パネルは前記集煙フードに接続され、
前記集煙フードには前記インペラの位置に対応する送風口が設けられ、前記インペラの径方向において、前記送風口の縁は前記インペラの外側に位置し、
前記集煙フードに取り付けられて前記送風口を覆う第1ろ過構造をさらに備え、
前記集煙フードには前記油煙取込みパネル組立体から離れる方向へ凹む窪み部が形成され、前記送風口は前記窪み部の内底面に設けられ、前記第1ろ過構造は前記窪み部に収容され、
第2ろ過構造をさらに備え、前記窪み部は前記インペラの上半部の位置に対応する第1部分と前記インペラの下半部及び前記第2ろ過構造の位置に対応する第2部分とを含み、前記第1部分の側壁は前記インペラの径方向外縁に合致し、前記第2部分の側壁は前記第2ろ過構造の縁に合致し、前記第2ろ過構造は前記第2部分に取り付けられていることを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
前記開放可能な構造は取外し可能な構造であり、あるいは、前記開放可能な構造は旋回可能な構造であり、あるいは、前記開放可能な構造は摺動可能な構造であることを特徴とする、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記油煙案内板は開放状態と閉止状態を有し、前記開放状態では、前記油煙案内板の下端は上端に対して前記筐体から離れた位置にあり、前記閉止状態では、前記油煙案内板と前記上パネル,前記下パネルとが互いに接して煙取込みパネル組立体の平坦な外面が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記上パネルは第1接続部と第2接続部とを含む第1接続部材により前記集煙フードに接続され、前記第1接続部は前記上パネルの内側表面に接続され、前記第2接続部は前記集煙フードに接続され、及び/又は、
前記油煙案内板は第3接続部と第4接続部とを含む第2接続部材により前記集煙フードに接続され、前記第3接続部は前記油煙案内板の内側表面に接続され、前記第4接続部は前記集煙フードに接続されていることを特徴とする、請求項
1に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記第1接続部は前記上パネルに接着固定され、及び/又は、
前記第2接続部は締め具により前記集煙フードに固定接続され、及び/又は、
前記第3接続部は前記油煙案内板に接着固定され、及び/又は、
前記第4接続部は締め具により前記集煙フードに固定接続されていることを特徴とする、請求項
4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記集煙フードに伸縮可能なホルダが設けられ、前記伸縮可能なホルダにスロットが設けられ、前記第4接続部は前記スロットに挿入され、締め具により前記伸縮可能なホルダに固定接続されていることを特徴とする、請求項
5に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記第1接続部と前記第2接続部はいずれも板状構造をなして互いに平行となり、接続板により互いに接続され、
及び/又は、
前記第3接続部と前記第4接続部はいずれも板状構造をなし、前記第4接続部は前記第3接続部の一方の側縁に接続されていることを特徴とする、請求項
4に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記上パネルは前記集煙フードに取り付けられると、前記第1部分を覆うようになることを特徴とする、請求項
1に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記上パネルの一方の側辺は前記集煙フード又は前記筐体にヒンジ連結されていることを特徴とする、請求項
1に記載のレンジフード。
【請求項10】
前記インペラを駆動するための駆動装置をさらに備え、前記インペラの前記油煙取込みパネル組立体から離れた端にエンドピースが設けられ、前記駆動装置は締め具により前記エンドピースに接続され、前記締め具は前記エンドピースの前記油煙取込みパネル組立体に近い側で着脱されることを特徴とする、請求項1に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2017年12月19日に出願された出願番号が201711370890.5で、名称が「レンジフード」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容のすべてを参照としてここに組み込んだものである。
【0002】
本発明は台所用具の分野に関し、具体的にはレンジフードに関する。
【背景技術】
【0003】
台所は食事を作る場所であるが、油煙が長年利用者を悩ませる問題となっており、サイドフード型レンジフードは、その「近くで油煙を吸引できる」という利点から利用者の主要な選択肢となっているが、従来のレンジフードはきれいに清掃することができず、レンジフードの吸引力に影響を与えていた。レンジフードの清掃としては、パネル等の表面での油汚れを清掃するだけではなく、インペラやボリュート内部に対する洗浄がレンジフードの吸引効果を高める最も根本的なものである。従来のレンジフードでは、容易にインペラやボリュートを取り外して洗浄することは不可能であり、それらを取り外して洗浄しようとすると、機器全体を解体しなければ洗浄できない。利用者はレンジフードの組付けに関する知識や電気の安全性の知識が乏しいため、利用者自身でレンジフードを取り外して洗浄することが少なく、家事専門家に頼る必要があるため、費用や時間又は手間がかかっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のことに鑑みて、インペラの着脱をしやすく、さらにインペラやボリュートを清掃しやすいレンジフードを提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は以下のような技術的手段を採用する。
【0006】
レンジフードであって、開口を有する筐体と、前記筐体に設けられた油煙取込みパネル組立体とを備え、前記油煙取込みパネル組立体は前記筐体の開口部位に設けられ、前記筐体の内室にインペラが設けられ、前記油煙取込みパネル組立体は、少なくとも前記インペラに対応する領域において前記筐体の開口を開放させることができ、そして前記インペラをこの領域から取り出すことができるような構造とされる。
【0007】
好ましくは、前記油煙取込みパネル組立体は複数枚のパネルを含み、前記複数枚のパネルのうち、少なくとも前記インペラの位置に対応するパネルは開放可能な構造とされる。
【0008】
好ましくは、前記開放可能な構造は取外し可能な構造であり、あるいは、前記開放可能な構造は旋回可能な構造であり、あるいは、前記開放可能な構造は摺動可能な構造である。
【0009】
好ましくは、前記レンジフードは側面吸気型レンジフードであり、前記複数枚のパネルは上パネル、下パネル及び前記上パネルと下パネルとの間に位置する油煙案内板を含み、前記上パネルは開放可能な構造とされ、前記油煙案内板は取外し可能な構造とされる。
【0010】
好ましくは、前記油煙案内板は開放状態と閉止状態を有し、前記開放状態では、前記油煙案内板の下端は上端に対して前記筐体から離れた位置にあり、前記閉止状態では、前記油煙案内板と前記上パネル,前記下パネルとが互いに接して煙取込みパネル組立体の平坦な外面が形成される。
【0011】
好ましくは、前記筐体の開口部位において、前記油煙取込みパネル組立体の内側に位置する集煙フードが設けられ、前記上パネル及び/又は前記油煙案内板は前記集煙フードに接続されている。
【0012】
好ましくは、前記上パネルは第1接続部と第2接続部とを含む第1接続部材により前記集煙フードに接続され、前記第1接続部は前記上パネルの内側表面に接続され、前記第2接続部は前記集煙フードに接続され、及び/又は、
前記油煙案内板は第3接続部と第4接続部とを含む第2接続部材により前記集煙フードに接続され、前記第3接続部は前記油煙案内板の内側表面に接続され、前記第4接続部は前記集煙フードに接続されている。
【0013】
好ましくは、前記第1接続部は前記上パネルに接着固定され、及び/又は、
前記第2接続部は締め具により前記集煙フードに固定接続され、及び/又は、
前記第3接続部は前記油煙案内板に接着固定され、及び/又は、
前記第4接続部は締め具により前記集煙フードに固定接続されている。
【0014】
好ましくは、前記集煙フードに伸縮可能なホルダが設けられ、前記伸縮可能なホルダにスロットが設けられ、前記第4接続部は前記スロットに挿入され、締め具により前記伸縮可能なホルダに固定接続されている。
【0015】
好ましくは、前記第1接続部と前記第2接続部はいずれも板状構造をなしながら互いに平行となり、接続板により互いに接続され、
及び/又は、
前記第3接続部と前記第4接続部はいずれも板状構造をなし、前記第4接続部は前記第3接続部の一方の側縁に接続されている。
【0016】
好ましくは、前記集煙フードには前記インペラの位置に対応する送風口が設けられ、前記インペラの径方向において、前記送風口の縁は前記インペラの外側に位置する。
【0017】
好ましくは、前記レンジフードは、前記集煙フードに取り付けられて前記送風口を覆う第1ろ過構造をさらに備える。
【0018】
好ましくは、前記集煙フードには前記油煙取込みパネル組立体から離れる方向へ凹む窪み部が形成され、前記送風口は前記窪み部の内底面に設けられ、前記第1ろ過構造は前記窪み部に収容されている。
【0019】
好ましくは、前記レンジフードは第2ろ過構造をさらに備え、前記窪み部は前記インペラの上半部の位置に対応する第1部分と前記インペラの下半部及び前記第2ろ過構造の位置に対応する第2部分とを含み、前記第1部分の側壁は前記インペラの径方向外縁に合致する形状となるように周回され、前記第2部分の側壁は前記第2ろ過構造の縁に合致する形状となるように周回され、前記第2ろ過構造は前記第2部分に取り付けられている。
【0020】
好ましくは、前記上パネルは前記集煙フードに取り付けられると、前記第1部分を覆うようになる。
【0021】
好ましくは、前記上パネルの一方の側辺は前記集煙フード又は前記筐体にヒンジ連結されている。
【0022】
好ましくは、前記レンジフードは前記インペラを駆動するための駆動装置をさらに備え、前記インペラの前記油煙取込みパネル組立体から離れた端にエンドピースが設けられ、前記駆動装置は締め具により前記エンドピースに接続され、前記締め具は前記エンドピースの前記油煙取込みパネル組立体に近い側で着脱される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるレンジフードでは、インペラに対応する領域において筐体の開口を開放させ得るように油煙取込みパネル組立体を設けているため、利用者はインペラやボリュートの内側壁を清掃するとき、油煙取込みパネル組立体を開放させれば、インペラを容易に油煙取込みパネル組立体の一方側から取り出すことができるので、利用者が取り出したインペラを清掃したり、ボリュートの内部までその内側壁を清掃することが容易になり、それにより、レンジフードの吸引力が保証され、レンジフードの使用寿命が延長される。
【0024】
以下、本発明の内容を明らかに理解することをより容易にするために、本発明の具体的な実施例をもとに図面と合わせて本発明についてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例によるレンジフードの分解図である。
【
図2】
図1に示されるレンジフードの上パネルの内側面の構造模式図である。
【
図3】
図1に示されるレンジフードの油煙案内板の内側面の構造模式図である。
【
図5】
図1に示されるレンジフードの上パネルと集煙フードの連携の構造模式図である。
【
図6】本発明の他の実施例によるレンジフードの分解図である。
【
図7】
図6に示されるレンジフードの上パネルが開放状態にある時の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例だけに限られるものではない。本発明の細部についての以下の説明では、幾つかの特定の細部について事細かに説明している。当業者にとっては、これらの細部についての説明がなくても、本発明を完全に理解可能である。本発明の本質が曖昧にならないよう、周知の方法や過程、フロー、素子については詳細に述べていない。
【0027】
また、ここで提供される図面はいずれも説明のためのもので、必ずしも実際の寸法に従って描かれるものではないことを当業者は了解されたい。
【0028】
文脈において明らかに要求されていない限り、明細書のすべて及び特許請求の範囲中の「備える」、「含む」等の類似した語彙は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包含の意味として理解されるべきである。つまり、「…を含むがそれに限定されない」という意味で理解されるべきである。
【0029】
本発明の説明で使用される、「第1」、「第2」等の用語は単に説明のためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するものと見なすべきではないことは理解されたい。また、本発明の説明では、別途説明しない限り、「複数」は二つまたはそれ以上を意味する。
【0030】
本発明に記載する「外」と「内」とは、レンジフード自体に対するものを言い、レンジフード内部に近い側は内、レンジフード内部から離れた側は外となる。本発明に記載する「上」「下」とは、レンジフードが正常に作動する場合の方位を言い、具体的には、
図1に示される方位を参照とすることができる。
【0031】
本発明によるレンジフードは、
図1に示されるように、開口を有する筐体1と、筐体1に設けられた油煙取込みパネル組立体2とを備え、油煙取込みパネル組立体2は筐体1の開口部位に設けられ、筐体1とともに収容室を形成する。この収容室内には、ボリュート(図示せず)と、ボリュート内に設けられたインペラ3と、インペラ3を回転させるように駆動する駆動装置(図示せず)とが設けられ、駆動装置は、例えばモータでもよい。油煙取込みパネル組立体2は、少なくともインペラ3に対応する領域において筐体1の開口を開放することができ、そしてインペラ3をこの領域から取り出せる構造であるため、利用者がインペラ3やボリュートの内側壁を清掃しようとすると、油煙取込みパネル組立体2を開放させれば、インペラ3を容易に油煙取込みパネル組立体2の一方側から取り出すことができる。よって、利用者が取り出したインペラを清掃したり、ボリュートの内部までその内側壁を清掃することが容易になり、それにより、レンジフードの吸引力が保証され、レンジフードの使用寿命が延長される。
【0032】
本発明によるレンジフード構造は各種レンジフードに適用され、以下、側面吸気型レンジフードを例としてその各種実施例を紹介する。油煙取込みパネル組立体2は、レンジフードの油煙を吸入する側に設けられるパネル組立体で、複数枚のパネルを含むものであり、そのうち、少なくともインペラ3の位置に対応するパネルは開放可能な構造とされる。例えば、
図1に示される実施例では、複数枚のパネルは上パネル21、下パネル22及び上パネル21と下パネル22との間に位置する油煙案内板23を含み、インペラ3を取り出そうとする場合、上パネル21と油煙案内板23はインペラ3の取出しの阻害となる(後で具体的に記述する)ため、上パネル21と油煙案内板23を開放可能な構造とし、さらには、中間位置にある油煙案内板23を取り外さなければインペラ3の取り出しが阻害されるため、油煙案内板23は取外し可能な構造にされる。即ち、油煙案内板23は完全にレンジフードから取り外すことができる一方、上パネル21は
図1に示されるような取外し可能な構造としてもよく、
図6に示されるような旋回可能な構造としてもよい。また、上下に摺動可能な構造としてもよく、これらの構造のいずれによっても、インペラ3を容易に取り出すという目的が達成可能である。
【0033】
油煙取込みパネル組立体2は筐体1に接続されてもよく、
図1に示されるように、筐体1の開口部位において油煙取込みパネル組立体2の内側に位置する集煙フード4が設けられ、油煙取込みパネル組立体2は集煙フード4に接続されてもよい。具体的には、
図1に示される実施例では、上パネル21は第1接続部材5により集煙フード4に接続され、
図2に示されるように、第1接続部材5は第1接続部51と第2接続部52とを含み、第1接続部51は上パネル21の内側表面に接続され、接続方式としては、例えば粘着,係止,ソケット継手,締め具により接続されてもよいが、粘着による接続が好ましい。第2接続部52は集煙フード4に取外し可能に接続され、例えば係止,ソケット継手等により接続され、好ましくは、着脱を容易にするために、第2接続部52は締め具により集煙フード4に固定接続される。第1接続部材5は一つであってもよく、複数であってもよく、
図2に示される実施例では、第1接続部材5は二つ設けられ、それぞれ上パネル21の両側に位置している。
【0034】
第1接続部51と第2接続部52は、上パネル21と集煙フード4との接続を実現可能なあらゆる構造としてもよく、好ましくは、加工や組付けを容易にするために、
図2に示されるように、第1接続部51と第2接続部52はいずれも板状構造をなしながら互いに平行となり、接続板53により互いに接続される。好ましくは、接続板53の一方の側縁は第1接続部51の一方の縁に接続され、対向する他方の側縁は第2接続部52の一方の縁に接続され、さらに好ましくは、第1接続部51と第2接続部52は接続板53に対して逆方向に伸びている。具体的には、接続板53は第1接続部51の一方の側縁に沿って伸びる長尺形の板状構造であり、接続板53の一方の長辺は第1接続部51に接続され、対向する他方の長辺は第2接続部52に接続され、第2接続部52は二つ設けられて、それぞれ接続板53の両端位置にあることが好ましい。さらに好ましくは、接続板53の二つの短辺には突起構造がさらに設けられている。接続板53は第1接続部51と第2接続部52のそれぞれに対して垂直であってもよく、鋭角又は鈍角をなすように設けられてもよいものであり、接続板53で第1接続部51と第2接続部52を接続することにより、第1接続部51と第2接続部52との間の距離を調整しやすくなり、第1接続部材5と集煙フード4の組付けを容易にしている。
【0035】
さらには、集煙フード4の側壁に開口41が設けられ、第2接続部52と少なくとも一部の接続板53は開口41から集煙フード4の内側まで貫入し集煙フード4と接続することができる。具体的には、
図5と
図9に示されるように、筐体1の側板には、その開口の外側へ折り曲げられて形成されたつば101が設けられ、集煙フード4の後側には、筐体1のその開口に近い構造に嵌着される枠状構造
45が設けられ、つば101は枠状構造
45に例えば締め具102により固定されることで、集煙フード4は筐体1に固定されるようになり、集煙フード4の内側まで貫入した第2接続部52も締め具102により枠状構造45に接続される。好ましくは、第2接続部52とつば101は同一の締め具102により枠状構造45に固定接続されることで、組付け効率を高めている。組付けを容易にするために、締め具102は後方側から各部分間の固定接続を行っている。
【0036】
さらには、
図1に示されるように、集煙フード4にはインペラ3の位置に対応する送風口42が設けられ、好ましくは、集煙フード4には油煙取込みパネル組立体2から離れる方向へ凹む窪み部43が形成され、送風口42は窪み部43の内底面に設けられ、インペラ3の径方向において、送風口42の縁はインペラ3の外側に位置し、集煙フード4によりインペラ3の取出しを阻害することが回避されている。集煙フード4には、送風口42を覆って吸入空気をろ過する第1ろ過構造6が取り付けられ、第1ろ過構造6はオイルスクリーン61であることが好ましく、その外縁に装着フランジ62が設けられ、装着フランジ62は集煙フード
4に取外し可能に接続され、例えば、締め具により集煙フード4に固定接続されている。好ましくは、第1ろ過構造6は集煙フード4の窪み部43に収容され、それにより、レンジフードの構造がよりコンパクトになる。
【0037】
さらには、上パネル21と下パネル22との間の空間はレンジフードの送風口を構成し、レンジフードは、上パネル21と下パネル22との間に設けられ、油煙案内板23の位置に対応する第2ろ過構造7をさらに備える。即ち、油煙案内板23は第2位置(後で具体的に記述する)にあると、ちょうど第2ろ過構造7を覆うようになり、第2ろ過構造7はレンジフードの送風口に吸入された空気をろ過するためのもので、例えば
図1に示されるグリッドスクリーンであってもよい。
【0038】
好ましくは、窪み部43は、インペラ3の上半部の位置に対応する第1部分431とインペラ3の下半部及び第2ろ過構造7の位置に対応する第2部分432とを含み、第1部分431の側壁4311はインペラ3の径方向外縁に合致する形状となるように周回され、第2部分432の側壁4321は第2ろ過構造7の辺部に合致する形状となるように周回され、第2ろ過構造7は第2部分432に取り付けられる。上パネル21が集煙フード4に取り付けられると、第1部分431を覆うようになるため、インペラ3を取出すのに阻害となり、インペラ3を取り出そうとする場合、上パネル21を開放させる必要がある。一つの好ましい実施例では、第2ろ過構造7は集煙フード4におけるボールプランジャ44に取り付けられている。
【0039】
さらには、油煙案内板23は
図7に示されるような開放状態にある第1位置と閉止状態にある第2位置とを有し、開放状態では、油煙案内板23の下端は上端に対して筐体1から離れた位置にある。即ち、油煙案内板23は上から下まで徐々に筐体1から離れた方向に傾斜するようになるため、油煙の案内が実現され、閉止状態では、油煙案内板23と上パネル21,下パネル22とが互いに接して油煙取込みパネル組立体2の平坦な外面が形成され、外観の完全性が保証される一方、ほこり等の異物がレンジフード内に侵入することは回避可能である。
【0040】
油煙案内板23は筐体1に接続されてもよく、
図1に示されるように集煙フード4に接続されてもよく、一つの好ましい実施例では、油煙案内板23は第2接続部材8により集煙フード4に接続される。
図3に示されるように、第2接続部材8は第3接続部81と第4接続部82とを含み、第3接続部81は油煙案内板23の内側表面に接続され、接続方式としては、例えば粘着,係止,ソケット継手,締め具により接続されてもよいが、粘着により接続されるのが好ましい。第4接続部82は集煙フード4に取外し可能に接続され、例えば係止,ソケット継手等により接続され、好ましくは、着脱を容易にするために、第4接続部82は締め具により集煙フード4に固定接続されている。第2接続部材8は、一つであってもよく、複数であってもよく、
図3に示される実施例では、第2接続部材8は二つ設けられ、それぞれ油煙案内板23の両側に位置している。
【0041】
第3接続部81と第4接続部82は、油煙案内板23と集煙フード4との接続を実現可能なあらゆる構造としてもよい。好ましくは、加工や組付けを容易にするために、
図3に示されるように、第3接続部81と第4接続部82はいずれも板状構造をなし、第4接続部82は第3接続部81の一方の側縁に接続され、両者は互いに垂直となるように設けられてもよく、鋭角又は鈍角をなすように設けられてもよく、それにより、第4接続部82と集煙フード4の組付けは容易になる。
【0042】
さらには、集煙フード4には伸縮可能なホルダ9が設けられ、第4接続部82は伸縮可能なホルダ9により集煙フード4に接続され、伸縮可能なホルダ9は駆動装置(図示せず)によって駆動されて集煙フード4に対して伸びたり縮んだりする運動を行うことができる。それにより、油煙案内板23は第1位置や第2位置への切替えが可能になる。一つの好ましい実施例では、伸縮可能なホルダ9は
図4に示されるようにスロット91が設けられ、スロット91は伸縮可能なホルダ9の端面に設けるのが好ましく、第4接続部82はスロット91内に挿入され、そして締め具92により伸縮可能なホルダ9に固定接続される。また、油煙案内板23の姿勢を一定にするために、好ましくは、締め具92は三つ設けられ、それぞれ三角形の三つの頂点に位置し、それにより、油煙案内板23は伸縮可能なホルダ9に取り付けられる場合、一意的に定めた装着姿勢となる。当然ながら、締め具92は二つ設けられてもよい。さらには、第4接続部82の位置決めを容易にするために、スロット91の側壁に位置決め用突起構造93が設けられ、位置決め用突起構造93は例えばスロット91の側壁に形成されたリブであってもよく、リブは第4接続部82の挿入方向に伸びることが好ましい。伸縮可能なホルダ9はJ字状の構造とすることが好ましい。
【0043】
さらには、インペラ3の油煙取込みパネル組立体2から離れた端にエンドピース(図示せず)が設けられ、これは例えばエンドプレートであってもよく、駆動装置の駆動軸によりエンドプレートを回転させるように駆動することで、インペラ3は回転するようになり、駆動装置の駆動軸は締め具によりエンドピースに接続される。例えば、
図1に示される実施例では、締め具は回転ナット10とされており、インペラ3の取外しを容易にするために、好ましくは、回転ナット10はエンドピースの油煙取込みパネル組立体2に近い側で着脱される。
【0044】
このように、インペラ3を取り出して清掃しようとする場合、以下のような操作を順に行う。
【0045】
油煙案内板23を伸縮可能なホルダ9から取り外す。
【0046】
第2ろ過構造7を集煙フード4から取り外す。
【0047】
上パネル21を集煙フード4から取り外す。
【0048】
第1ろ過構造6を集煙フード4から取り外す。
【0049】
回転ナット10を緩めてインペラ3を離脱させることで、インペラ3を送風口42から取り出す。
【0050】
上パネル21が
図1に示される取外し可能な構造に限られるものではないことは理解可能であり、例えば、
図6に示される実施例では、上パネル21は旋回可能な構造とされ、好ましくは、上パネル21は筐体1にヒンジ連結され、さらに好ましくは、上パネル21の頂辺は筐体1にヒンジ連結される。このようにすれば、
図7に示されるように、上パネル21はヒンジ軸のまわりを回転可能となり、それにより、上パネル21をインペラ3の取出し用スペースを避けた位置まで旋回させることが可能となる。一つの具体的な実施例では、上パネル21はヒンジ構造11により筐体1に接続され、ヒンジ構造11の第1羽根(図示せず)は上パネル21に接続され、第2羽根111は筐体1に接続される。好ましくは、
図8に示されるように、第2羽根111は筐体1の頂板に接続され、第1羽根はヒンジ軸により第2羽根111とともにヒンジ連結を形成し、それにより、上パネル21と筐体1のヒンジ連結が実現する。代替の実施例では、筐体1にヒンジ軸を設けるようにしてもよく、それにより、上パネル21はヒンジ軸のまわりを回転可能となり、筐体1には上パネル21が摺動するスライドレールがさらに設けられる。上パネル21がヒンジ軸のまわりに一定の角度まで旋回した場合、上パネル21がスライドレールと突き合わせされ、スライドレールに沿って筐体1の上部まで上パネル21を摺動させることで、上パネル21を筐体1の上部に位置決めする。それにより、インペラ3の取出しが容易になる。レンジフードのその他の構造は
図1に示される実施例と類似するので、ここでは贅言しない。当然ながら、上パネル21は集煙フード4にヒンジ連結されてもよいことは理解可能である。また、上パネル21は上下に摺動可能な構造とされてもよく、インペラ3を取り出そうとする場合、上パネル21を上へ摺動させてインペラ3の取出し用スペースを避けるようにする。
【0051】
本発明によるレンジフードでは、インペラ3に対応する領域において筐体1の開口を開放させ得るように油煙取込みパネル組立体2を設けているため、利用者がインペラ3やボリュートの内側壁を清掃するとき、油煙取込みパネル組立体2を開放させれば、インペラ3を容易に油煙取込みパネル組立体2の一方側から取り出すことができるため、利用者が取り出したインペラ3を清掃したり、ボリュートの内部までその内側壁を清掃することが容易になり、それにより、レンジフードの吸引力が保証され、レンジフードの使用寿命が延長する。
【0052】
矛盾が生じない限り、上記した各々の好ましい解決手段は自由に組み合わせることがきるのを当業者は理解できる。
【0053】
上記の実施形態は単に例示的なもので、制限的なものではないことは理解されたいが、本発明の基本原理から外れない限り、当業者による上記の細部についての各種の明らかな又は等価の変更や置換は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0054】
1-筐体
101-つば
102-締め具
2-油煙取込みパネル組立体
21-上パネル
22-下パネル
23-油煙案内板
3-インペラ
4-集煙フード
41-開口
42-送風口
43-窪み部
431-第1部分
4311-側壁
432-第2部分
4321-側壁
44-ボールプランジャ
45-枠状構造
5-第1接続部材
51-第1接続部
52-第2接続部
53-接続板
6-第1ろ過構造
61-オイルスクリーン
62-装着フランジ
7-第2ろ過構造
8-第2接続部材
81-第3接続部
82-第4接続部
9-伸縮可能なホルダ
91-スロット
92-締め具
93-位置決め用突起構造
10-回転ナット
11-ヒンジ構造
111-第2羽根