(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】回転子軸受を磁気的に除荷するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H02K 7/02 20060101AFI20220222BHJP
H02K 7/09 20060101ALI20220222BHJP
F16C 35/06 20060101ALI20220222BHJP
F16C 41/00 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
H02K7/02
H02K7/09
F16C35/06 Z
F16C41/00
(21)【出願番号】P 2020529202
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(86)【国際出願番号】 US2018054697
(87)【国際公開番号】W WO2019108305
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515050068
【氏名又は名称】アンバー キネティクス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMBER KINETICS, INC.
【住所又は居所原語表記】32920 Alvarado-Niles Rd.,Suite 250 Union City,CA 94587 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】サンダース セス アール
(72)【発明者】
【氏名】テネンセン ピーター トマス
(72)【発明者】
【氏名】バクホルディン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガルテン マシュー ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ホロウェー マーク ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】セネスキー マシュー ケイ
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06710489(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0377147(US,A1)
【文献】米国特許第6794776(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/315696(US,A1)
【文献】特開平9-308185(JP,A)
【文献】米国特許第5998899(US,A)
【文献】特開2004-286176(JP,A)
【文献】米国特許第6630761(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/02
H02K 7/09
F16C 35/06
F16C 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライホイールハウジング、
回転子重量および重力方向に沿った垂直回転軸を有する回転子であり、前記垂直回転軸の周りを回転する間にエネルギーを蓄積し、磁性材料を含む回転子、
前記フライホイールハウジングに連結され、前記垂直回転軸に沿って上向きの負荷軽減力を加えるように構成され、前記回転子にかかる重力に部分的に対抗し、正味の下向きの力を生じさせる磁石、
内側部分及び外側部分を備え、前記内側部分が前記回転子の上軸に固定的に取り付けられ、前記垂直回転軸回りの前記回転子の回転が可能となっている上部軸受、および
前記フライホイールハウジングに連結され、下部が前記上部軸受の前記外側部分の下に配置されており、前記上部軸受の下向きの軸方向運動を防止する停止部として機能する上部軸受ハウジングを備え、
前記上部軸受ハウジングは、前記上部軸受の上に配置され、かつ前記回転子の前記上軸に取り付けられた前記上部軸受に取り付けられ、前記上部軸受を保持する軸受ロッキングキャップを備え、
前記上部軸受の前記内側部分は前記軸受ロッキングキャップに接触するフライホイール装置。
【請求項2】
前記上部軸受にかかる所定の量の正味の下向きの力を維持するために、1つ以上のセンサによる測定に応じて前記磁石に電流を供給するように適合された制御システムをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、前記上部軸受の外側部分の下に配置され、前記上部軸受にかかる軸方向の力の測定値を前記制御システムに提供する力センサである請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御システムは、前記軸方向の力の測定値を基準値と比較して、その差によって前記磁石への前記電流を調整する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記基準値は、30lbsから400lbsの範囲である請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記力センサは、歪ゲージである請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記測定
で得られる値の少なくとも1つは、前記磁石と前記回転子との間の磁束、前記回転子の位置、および前記磁石によって前記回転子に加えられる力からなる群から選択される請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記制御システムは、閉ループ制御システムである請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記磁石は、永久磁石を含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記上部軸受の内側部分は前記上軸で圧入されている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記上部軸受によって上向きの垂直スラストを吸収するように構成された前記軸受ロッキングキャップの上に配置されたバックアップスラスト軸受をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記バックアップスラスト軸受と前記軸受ロッキングキャップとの間にギャップがある請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記上部軸受ハウジングは前記フライホイールハウジングに連結される請求項1に記載のフライホイール装置。
【請求項14】
前記上部軸受ハウジングは前記フライホイールハウジングの一部である請求項1に記載のフライホイール装置。
【請求項15】
前記フライホイールハウジングに連結され、前記垂直回転軸周りの前記回転子の回転を可能に連結された下部軸受を含む下部軸受ハウジングをさらに備え、
前記下部軸受は、前記下部軸受ハウジングとの滑りばめを有し、前記回転子の軸方向寸法の増大に対応するために前記下部軸受の軸方向移動を可能にする請求項1に記載のフライホイール装置。
【請求項16】
前記下部軸受の下であり、かつ前記下部軸受ハウジングの少なくとも一部の上に配置され、所定の予荷重力を提供するように構成され、前記回転子の軸方向寸法の増大を可能にするバネをさらに備える請求項15に記載のフライホイール装置。
【請求項17】
前記上部軸受ハウジングは、前記上部軸受を下から支持する請求項1に記載のフライホイール装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2012年8月23日に出願された米国特許仮出願第61/692,631号の権利を主張する2013年8月22日に出願された米国特許出願第13/973,937号の一部継続出願である2017年11月28日に出願された米国特許出願第15/824,204号の権利を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。2017年11月28日に出願された米国特許出願第15/824,204も、2015年6月26日に出願された米国特許仮出願第62/185,441号の権利を主張する2016年6月23日に出願された米国特許出願第15/191,398号の一部継続出願でもあり、その開示もまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、機械的軸受によって支持された回転子に関し、より具体的には、回転子の重量をその軸受から除荷するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
回転運動エネルギーを蓄えるために用いられる回転子は、その回転軸に沿って軸を有し、軸は、通常、転がり軸受によって支えられる。したがって、例えば、垂直に向けられた回転子は、下部転がり軸受および上部転がり軸受を有していてもよい。このような構成の場合、下部軸受は、通常、回転子の重量を支えるように設計されなければならない。
【0004】
回転子を支持するために転がり軸受を用いることは効果的ではあるが、そのような軸受の使用には通常、大きな軸受が必要になる。したがって、例えば、エネルギー蓄積に用いられる回転子は、1,000ポンドを超える重量を有する場合がある。大きな重量を支えることができる転がり軸受は必然的に大きくて高価である。さらに、公知であるように、玉軸受の使用寿命は、軌道の疲労によって制限され、軸受荷重の3乗に反比例する。
【0005】
回転子を支持する転がり軸受への軸方向荷重を低減できる装置および方法が必要とされている。その装置および方法は、既存の回転子の設計と互換性があり、実装が容易でなければならない。その装置および方法はまた、より長い使用寿命をもつ軸受を提供するべきである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、垂直に取り付けられた回転子の軸受によって支持された重量の大部分を除荷することにより、先行技術の回転子支持装置および方法の欠点を克服する。一実施形態において、上部軸受への荷重は、最小の予荷重設定に磁気的に除荷されている。一実施形態において、この予荷重の量は、回転子の重力重量をわずかに超える、磁気持ち上げ力を加えることによって達成される。磁気持ち上げ力と回転子の重量のこの小さな差が、上部軸受にかかる予荷重を構成する。本発明はまた、機械的なレイアウト、および上部軸受の残留軸方向の予荷重を正確に規定するために必要な制御を含む。
【0007】
本発明の特定の実施形態は、反転軸受の実施形態と呼ばれ、回転子が通常動作中に上方に移動しないように上部軸受の軸方向位置を固定する。磁気制御システムは、回転子にかかる所望の磁気負荷軽減力、または持ち上げ力を維持する。回転子および軸の軸方向寸法の増大は、上部軸受を上軸に沿って軸方向に移動させるのではなく、バネを下部軸受と直列に配置することにより適応される。
【0008】
このアプローチの特徴は、第1に、底部軸受への荷重は、軸バネで完全かつ正確に設定できることである。第2に、下部軸受の外輪(または軌道)をそれぞれのボアに滑りばめすることにより、回転子はわずかな軸方向距離を移動できることである。この隙間は、熱条件が一致していない場合、およびポアソン効果によって求心荷重による回転子の軸方向長さに変化が生じた場合に、回転子とハウジングの膨張差を許容するために提供される。上部軸受アセンブリによって定義された停止位置にある回転子により、磁気作動力を定義するギャップが正確に設定される。そのため、所定の巻線電流の磁気持ち上げ力は非常に正確であり再現性を有する。さらに、磁気ギャップが最小設定になっているため、磁気持ち上げ巻線に必要な電力は最小である。第3に、軸方向の予荷重力が上部軸受に与えられる。この予荷重力は、磁気持ち上げ力と回転子の重力重量の差によって決定される。軸方向の予荷重力は、磁気制御システムによって維持される。
【0009】
特定の実施形態は、フライホイールハウジング、回転子重量および重力と整列した垂直回転軸を有する回転子であり、垂直回転軸の周りを回転する間にエネルギーを蓄積し、磁性材料を含む回転子、フライホイールハウジングに連結され、垂直回転軸に沿って所望の上向きの負荷軽減力を加えるように構成され、回転子にかかる重力に対抗する磁石、回転軸周りの回転子の回転を可能にする回転子の上軸に連結される上部軸受、および、上部軸受とフライホイールハウジングの間に配置され、上部軸受の下向きの軸方向運動を実質的に防止する軸受ハウジングを含むフライホイール装置を提供する。
【0010】
特定の実施形態において、装置は、回転子を固定された軸方向位置に維持してフライホイールを動作させるのに十分な電流を電磁石に提供する制御システムを含む。
【0011】
特定の実施形態において、回転子は、固定された軸方向位置に維持され、下部軸受の下に配置されたバネは、回転子の軸方向寸法の増大を吸収する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態のフライホイール装置の概略断面図である。
【0013】
【
図2】
図2Aおよび2Bは、第1実施形態の上部軸受アセンブリの概略断面図であり、
図2Aは、非常に低い位置にある回転子を示し、
図2Bは、非常に高い位置にある回転子を示す。
【0014】
【
図3】
図3は、第1実施形態の下部軸受アセンブリの概略断面図である。
【0015】
【
図4】
図4は、一実施形態による、ギャップの2つの値に対する電磁石電流の関数として持ち上げ力を示すグラフである。
【0016】
【
図5】
図5は、フライホイール装置の一実施形態の動作中に電流が変化するときの持ち上げ力を示すグラフである。
【0017】
【
図6】
図6は、第2実施形態の上部軸受アセンブリの概略断面図である。
【0018】
【
図7】
図7は、第2実施形態の下部軸受アセンブリの概略断面図である。
【0019】
【
図8】
図8は、本発明の制御アルゴリズムの一実施形態を示す制御システム図である。
【0020】
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態のフライホイール装置の概略断面図である。
【0021】
【
図10】
図10は、一実施形態による、ギャップの2つの値に対する磁束鎖交の関数として電流を示すグラフである。
【0022】
【
図11】
図11は、本発明の制御アルゴリズムの第2実施形態を示す制御システム図である。
【0023】
【
図12】
図12は、第2実施形態の磁石を有する本発明のフライホイール装置の概略断面図である。
【0024】
【
図13】
図13は、第3実施形態の磁石を有する本発明のフライホイール装置の概略断面図である。
【0025】
【
図14】
図14は、上部軸受アセンブリの第3実施形態の概略断面図である。
【0026】
【
図15】
図15は、下部軸受アセンブリの第3実施形態の概略断面図である。
【0027】
【
図16】
図16は、本発明の制御アルゴリズムの第3実施形態を示す制御システム図である。
【0028】
参照記号および符号は、図に示される特定の構成要素、態様、または特徴を示すために用いられ、参照記号および符号は、そこに示される同様の構成要素、態様、または特徴を示す複数の図において共通である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明は、回転子を支持する従来の転がり軸受の磁気的な除荷を提供する装置および方法の特定の実施形態を詳細に説明する。回転子軸受の除荷は、運行摩擦を減少させ、軸受の使用寿命も向上させる。したがって、フライホイールエネルギー蓄積システムにおける回転子の使用例において、本発明の除荷は、運行摩擦を無視できるレベルまで低減し、軸受使用寿命を桁違いに延長させることができる。さらに、本発明の構造および方法は、磁気持ち上げ巻線に必要とする電力が最小になるように、可能な最小設定で回転子に磁気支持を提供する。
【0030】
図1は、ハウジング110、回転軸CLを有する回転子120、および、回転子を支持して回転を可能にし、下部軸受アセンブリ130と上部軸受アセンブリ140とを含んでもよい軸受を含む、第1実施形態のフライホイール装置100の概略断面図である。フライホイール装置100は、さらに、磁石170、回転子120に電力を加えるまたは除去するための電力コンポーネント150、磁気負荷軽減制御システム160を含む。フライホイール装置100と、軸受アセンブリ130および140とは、一般に、中心線CLに対して対称である。後述するように、軸受アセンブリ130および140は、矢印Aで示される回転子のいくらかの軸方向運動を許容しながら回転子120を支持し、軸方向運動の全範囲は、δと示される。
【0031】
後述するように、磁石170は、本明細書において限定されることなく、「オフローダ」または「オフローダ電磁石」とも呼ばれる電磁石を含み、重力に対抗して回転子120にかかる力を提供するように動作させることができる。磁石170の電磁石が、制御システム160によって印加される電流などによって作動されるとき、回転子は、例えば、示された距離δだけ上方に移動してもよい。一実施形態において、最小距離であるδは、例えば、0.25mm(0.01インチ)から1.0mm(0.04インチ)までであり、予想される膨張差を可能にする。
【0032】
したがって、回転子120の支持は部分的に磁石170に移され、したがって、軸受アセンブリ130にかかる下向きの力の量を低減する。軸受荷重の低減は、より小さくて軽い軸受を使用できる、および/または回転子の全重量を支持しなければならない軸受よりも軸受使用寿命を延ばすことができるという点で有益である。
【0033】
ハウジング110は、回転子120を取り囲むハウジング本体111を含み、例えば、回転する回転子からの摩擦損失を低減するために、空気を排出してもよい。ハウジング110は、さらに、磁性材料で形成されているかまたはそれらを含む上部ハウジング部材173、および持ち上げ巻線171を含むが、これに限定されない磁石170の構成要素を含む。上部ハウジング部材173の磁性材料は、例えば、限定されないが、鋼であってもよい。他の実施形態において、磁石170は、回転子120の上に配置され、ハウジング110から分離される。したがって、磁石170は、回転子120にかかる持ち上げ力を提供するように構成される。
【0034】
後述するように、ハウジング110および/または磁石170の様々な実施形態は、例えば、限定されないが、磁石170および/または回転子120の動作の状態を決定するための検知要素を含んでもよい。
【0035】
回転子120は、磁性材料から形成された、または磁性材料を含む回転子本体121と、下軸123と、上軸125とを有する。一実施形態において、回転子120は、例えば、限定されないが、鋼などの磁性材料から形成され、45kg(100lbs)から27,000kg(60,000lbs)の重量Wを有する。
【0036】
電力コンポーネント150は、下軸123に取り付けられた回転子151と、ハウジング111に取り付けられた固定子153とを含むモータージェネレータを含むが、これに限定されない。電力コンポーネント150は、当該分野で周知であり、回転子120において電気エネルギーを回転エネルギーに変換するために用いられる。
【0037】
一般に、軸受アセンブリ130、140は、ハウジング110内の回転子120に回転支持を提供する。
図1に示すアセンブリ130および140は、一般的であり、より具体的には、後述するように、下部軸受アセンブリ130は、下軸123とハウジング110とを連結する転がり軸受を含み、上部軸受アセンブリ140は、上軸125とハウジングとを連結する転がり軸受を含む。さらに、軸受アセンブリ130および/または140の様々な実施形態は、例えば、限定されないが、軸方向運動および軸受に力をかけることを可能にするバネ、軸受の軸方向運動を制限する停止部、および/または軸受の軸方向の力または変位を測定するセンサを含んでもよい。回転子の軸方向増大(または減衰)および回転子120の小さな軸方向変位は、バネ、停止部、および磁石の組み合わせによって提供または軽減されて、フライホイールアセンブリ100の動作中に最大約1ミリメートルのδの範囲を提供する。
【0038】
一般に、軸受アセンブリ130、140の最小要件は、それらが少なくとも一組の軸受を含み、回転子120の軸方向運動を可能にすることである。
図2Aおよび2Bは、第1実施形態の上部軸受アセンブリ240の概略断面図であり、
図2Aは、非常に低い位置にある回転子120を示し、
図2Bは、非常に高い位置にある回転子120を示す。上部軸受アセンブリ240は、以下に明示的に説明する場合を除いて、軸受アセンブリ130および140と概して同様である。
【0039】
図2Aに示すように、上部軸受アセンブリ240は、ハウジング110内で上軸125を支持する。より具体的には、上部軸受アセンブリ240は、軸受内側部分243と、玉軸受245と、軸受外側部分247とを含む軸受241を含む。軸受241の内側部分は、例えば、上軸125に圧入された軸受内側部分243と、ハウジング110に連結された軸受外側部分247とにより回転子120に連結される。上部軸受アセンブリ240は、さらに、ハウジング110と軸受外側部分241とを連結する上部軸方向バネ244、およびハウジング110に連結され、バネの動きを制限する停止部201として示される剛性部品を含む。バネ244は、例えば、限定されないが、ウェーブワッシャまたはベルビルワッシャであってもよく、回転子120にかかる下向きの力を提供するように構成されてもよい。
【0040】
図2Aの非常に下側の回転子の位置においては、軸受外側部分247とハウジング110内に存在する停止部との間に寸法δのギャップがある。
図2Bの非常に上側の回転子の位置においては、軸受241は、軸受外側部分241が停止部201に接触するまで上向きに押される。したがって、上部軸受アセンブリ240は、回転子120が回転することを可能にし、停止部201のサイズによって制限される軸方向変位を提供する。
【0041】
図3は、第1実施形態の下部軸受アセンブリ330の概略断面図である。下部軸受アセンブリ330は、以下に明示的に説明する場合を除いて、軸受アセンブリ130、140、および240と概して同様である。
【0042】
図3に示すように、下部軸受アセンブリ330は、ハウジング110内で下軸123を支持する。より具体的には、下部軸受アセンブリ330は、軸受内側部分333と、玉軸受335と、軸受外側部分337とを含む軸受341を含む。軸受331の内側部分は、例えば、下軸123に圧入された内側軸受部分333と、ハウジング110に連結された軸受外側部分337とにより回転子120に連結される。下部軸受アセンブリ330は、さらに、ハウジング110と軸受外側部分331とを連結する下軸方向バネ332と、ハウジング110に連結され、バネの動きを制限する任意の剛性停止部301とを含む。バネ332は、例えば、限定されないが、ウェーブワッシャまたはベルビルワッシャであってもよく、回転子120にかかる上向きの力を提供するように構成されてもよい。下部軸受331は、上部軸受341と同様であってもよく、または構造または耐荷重能力において異なっていてもよい。
【0043】
磁石170によって回転子120にかかる持ち上げ力は、磁石の極と回転子との間の距離であるギャップgによって決定される。
図1から、ギャップgが、回転子と磁石の形状に応じて、軸方向変位δによって変化することが分かる。したがって、回転子が極度に上向きの位置に移動するとき、gは最小であり、回転子が距離δだけ下向きに移動するとき、gは最大距離にある。さらに、ギャップgが変化すると、下軸方向バネ332および上軸方向バネ244などのバネの動きから回転子120にかかる力も、バネの設計に応じて変化する場合もある。
【0044】
軸受241および331の外側部分は、滑りばめで取り付けられ、半径方向の隙間は2.5pm(0.0001インチ)から25pm(0.001インチ)である。軸方向の遊びδは、例えば、熱条件が一致していない場合、または、ポアソン効果によって求心荷重による回転子の軸方向長さに変化が生じた場合により、ハウジングに対する回転子の必要な長さの膨張差を許容するためにのみ提供される。
【0045】
これは、名目上、磁石170が作動するときに一端、底部においてのみ必要になる。一実施形態において、軸受241および331の両方に滑りばめが提供され、磁石170が活動(底部バネ331および滑りばめにより)または非活動(頂部バネおよび滑りばめにより)であるとき、軸バネ244および332で軸受力を設定できるようになっている。
【0046】
電流Iを持ち上げ巻線171に提供するために、制御システム160を用いてもよい。具体的には、電流Iが持ち上げ巻線171に印加されると、結果として生じる磁場が、回転子本体121内の磁性材料に回転子本体の重量に対抗する引力を生成する。したがって、例えば、持ち上げ巻線171に電流がない場合、軸受アセンブリ130および140にかかる組み合わせ軸受力は、回転子の重量である。持ち上げ巻線171への電流の印加により、軸受アセンブリ130および140にかかる組み合わせ軸受力は、回転子重量から、持ち上げ巻線171に対する回転子120の引力を差し引いたものである。
【0047】
以下の簡略な分析は、フライホイールアセンブリ100、特に軸受アセンブリ130および140に含まれる力の理解を提供する。
【0048】
回転子120にかかる力には、回転子の下向きの重量W、上部軸受241によって加えられる下向きの力fUB、下部軸受バネ332によって加えられる上向きの力fLB、および磁石170によって生じる上向きの持ち上げ力の組み合わせが含まれ、Fと記載されてもよい。
【0049】
したがって、軸受241および331にかかる力は、WおよびFの組み合わせであり、軸方向バネ244および332によって加えられる力、ならびに、停止部201および/または停止部301などの軸受の動きが遭遇するいずれかの停止部である。一般に、軸方向バネ244および332は両方とも、回転子重量Wの最小部分(例えば、0.001から0.10)などの少量の軸方向の予荷重を有していてもよい。特に、回転子120がいずれの静止部分にも接触しないことが重要である。さらに、以下で説明するように、回転子120が磁石170に近づくと、固定された磁石電流下で引力が増加し、磁石-回転子の最小間隔を固定するためには、なんらかの方法が望ましい。
【0050】
持ち上げ力Fの増加によって下部軸受力が減少するので、持ち上げ力を加えると、下部軸受アセンブリ130の軸受にかかる力が大幅に減少することがわかる。特定の実施形態において、以下で説明するように、力Fは、重量Wとバランスをとるように、またはほぼバランスをとるように調整され、上部および下部軸受力はほぼ同じになり、上述した少量の予荷重に等しい値を有してもよい。
【0051】
高透磁率の線形磁性材料の使用に基づく単純分析によれば、Fの値は、電流Iの2乗で増加し、ギャップgの2乗で反比例して増加する。したがって、例えば、限定されないが、
図1の磁石170の電磁石コンポーネントの理想モデルは、ギャップgの2つの値に対して、電磁石電流Iの関数として持ち上げ力Fを示すグラフ400として
図4に示されている。第1曲線401は、例えば
図2Aに示すように、回転子120が非常に低い位置にある場合であるgの最大値(g=g
max)に対して計算され、第2曲線403は、例えば
図2Bに示すように、回転子が非常に高い位置にある場合であるgの最小値(g=g
min)に対して計算される。回転子120にかかる磁石170の持ち上げ力Fは、F=k(g)*I
2によって近似され、ここで、Fの方向は
図1において上向きであり、Iは、持ち上げ巻線171に提供される電流であり、k(g)は、ギャップgに依存する定数である。より具体的には、gの減少はk(g)を増加させ、すなわち、回転子120が電磁石170に近づくにつれて引力が大きくなる。無限透磁率の理想磁性材料では、k(g)は逆二乗依存性を示すことになる。
【0052】
電流がない場合(I=0)、回転子120は非常に低い位置にあり、曲線401はIの関数として持ち上げ力Fの値を提供する。電流が回転子を非常に高い位置に持ち上げるのに十分な場合、持ち上げ力の値は、曲線403によって提供される値まで増加する。したがって、回転子120は、電流に応じて2つの安定した機械的位置を有する。
【0053】
フライホイール装置100のダイナミクスを分析する1つの方法は、フライホイール装置100の動作中に電流Iが変化するときの持ち上げ力Fを示すグラフ410として
図5にさらに示される。休止状態から起動すると、ギャップは最大(g=g
max)であり、磁石170への電流の印加により、曲線部分411および412として示される曲線401に沿って持ち上げ力Fが増加する。最初の、またはI
1と示される上限臨界電流において、持ち上げ力Fは、曲線401の点413で示されるように、重量Wおよびバネ予荷重などの回転子120にかかる他の力に打ち勝つ。曲線403上の点415で終わる曲線部分414で示されるように、この点での回転子120の軸方向の位置は不安定であり、電流のわずかな増加または回転子のわずかな上向きの軸方向運動により、回転子が上昇し、gがg
minの値に減少する。このより小さいギャップgでは、持ち上げ力Fが重量Wよりもはるかに大きい値に増加し、回転子を
図2Aの非常に高い位置に押しあげることに留意されたい。臨界点での不安定性は、吸引磁石アセンブリの大きな負の剛性によるものである。
【0054】
曲線403に沿って回転子が動作すると、曲線部分416によって示されるように、電流Iが減少することがある。数秒後の、I2で示される低い臨界電流では、持ち上げ力は再び曲線403上の点417で回転子120にかかる力とバランスを取り、回転子の位置はgminのギャップまで下がり、回転子の動作は曲線401に沿っている。持ち上げ力は、回転子を浮上させるには不十分であり、電流の増加は、部分412に沿って点413に戻る。したがって、電流力の図は、電流の変化に伴うヒステリシスを示している。
【0055】
特定の実施形態は、本発明のフライホイールアセンブリを動作させて、軸受、特に下部軸受アセンブリ130の軸受への荷重を低減する。動作荷重が軽減されることで、軸受のサイズとコストが低減し、使用寿命が向上する。
【0056】
したがって、一般にはこのように、磁気持ち上げ力は、実質的に負の剛性を伴うことがわかる。この持ち上げ力が回転子の重量とほぼ一致し、それによって受動機械的バネ予荷重をはるかに超えると、付随する負の剛性も予荷重バネの受動的な正の剛性をはるかに超える。結果として、回転子は、2つの極端な軸方向位置のいずれか1つで安定した平衡を見つける。これらの位置は、1)(機械的停止によって設定された)シートの極端な軸方向位置にある下部軸受の外側軌道、または、2)それぞれの極端な軸方向位置にある上部軸受の外側軌道のうちのいずれか1つに対応する。結果として生じる比較的高い軸方向剛性のため、極端な軸方向位置におけるこの動作方法が望ましい。残りの軸方向コンプライアンスは、軸受の軸方向の剛性自体によるものである。
【0057】
その動作において、上部軸受の外側軌道がその停止部に対して配置されることを保証するほどに磁気持ち上げ力が十分に大きいと、好ましい位置および設計であると予想される。これには、単に軸受を除荷するのに必要な力を超えるさらなる持ち上げ力が必要となる。
【0058】
回転子を軸方向の上部の極端な位置に配置させることは、2つの理由から戦略的である。(i)持ち上げ構造の磁気ギャップが最小に保持される。この最小値(例:1-3mm)は、製造公差によって設定される。最小ギャップにより、指定された持ち上げ力を達成するための持ち上げ電流と電力損失が最小になる。また、(ii)回転子とハウジングとの間で膨張差が発生しても、磁気ギャップは動作条件に対して不変のままである。これらの膨張差は、下部軸受シートで吸収される。
【0059】
したがって、平衡状態における持ち上げ力の損失はその実用的な最小値に保持され、この持ち上げ力に影響を与える磁石電流は、動作中はほぼ不変である。
【0060】
特定の実施形態において、持ち上げ力Fが重量Wと密接かつ安定してバランスをとるようにフライホイール装置100を動作させることが好ましい。曲線部分419は、回転子120が磁石170により近くなり、かつ持ち上げ力が回転子の重量と密接に一致するように、gminのギャップ値を有するフライホイール装置100の安定動作範囲を示す。具体的には、そのような条件では、磁石170が回転子の重量を支持して回転子の重量が持ち上げられ、軸受アセンブリ130の軸受にかかる軸方向の力は、軸受アセンブリ130内の任意のバネの予荷重の量と同様であり、これは、軸受の定格動的荷重容量の1%の範囲など、回転子の重量のごく一部分である場合がある。
【0061】
このように回転子120が持ち上げられた状態で、下部軸受331の荷重は軸方向バネ332によって精密に設定され、上部軸受241の荷重は磁力と回転子の重量の差によって設定される。一部の条件下では、磁力と回転子の重量の差が上部アセンブリのバネ力に等しくなる。他の条件下、具体的には、負の磁石剛性が正のバネ剛性を超える場合、上部軸受241が停止部210に接触し、上部軸受241への荷重がバネ244の予荷重を超えることになる。軸受への動作荷重が軽減されることで、軸受のサイズとコストが低減し、使用寿命が向上する。
【0062】
一実施形態において、制御システム160は、I1とI2との間で電流を循環させて、曲線部分419に、I2よりもわずかに高い電流を供給する。別の実施形態において、制御システム160は、フライホイールシステム100の動作前に電流I1およびI2を決定し、その値をルックアップテーブルに格納することにより開ループ制御を提供し、次いでフライホイールは、I1への電流を増加させてから電流を値I2をわずかに超える値に減少させて曲線部分419で動作させることにより動作される。
【0063】
一般に、単純な開ループ設定点を用いて、負荷軽減磁石装置で電流を設定(または磁石強度を指定)するのは難しい場合がある。この問題は、持ち上げ磁石のパラメトリックな不確実性から生じる。不確実性は、製造(公差)と動作の両方で発生する、磁気ギャップと領域の幾何学的変動から生じる。動作のパラメトリック変動は、(i)回転子とハウジングとの間の熱膨張差、および(ii)加えられた磁気持ち上げ力に応じて、磁気ギャップの変動とともに生じる。具体的には、磁気持ち上げ力は、受動軸方向バネ荷重要素に対する回転子の平衡位置に直接影響を与えてもよい。
【0064】
以下の論議は、センサおよびフィードバック制御を用いることにより、回転子120の持ち上げをより直接的に制御するための2つの実施形態を説明する。第1実施形態は、機械的センサまたは測定を用いて、回転子120の位置または回転子120にかかる力を決定する。第2実施形態は、電気(非機械的)センサまたは測定を用いて磁束を決定することで、フライホイール装置100の動作状態を決定する。
機械的検知および動作方法
【0065】
特定の実施形態は、回転子変位のセンサおよび/または測定を含む。特定の実施形態において、制御システム160は、実際に可能な限り最小電流I2に近い電流で回転子120を非常に高い位置で動作させるために、フィードバック制御を通じて電流Iを調整するために用いられてもよいフライホイールアセンブリ100のセンサから入力を受けてもよい。
【0066】
機械的検知を用いてフライホイールアセンブリ100を制御する例として、力を測定して出力を制御システム160に提供するために、1つ以上の力センサがフライホイールアセンブリに提供されてもよい。したがって、例えば、
図6は、第2実施形態の上部軸受アセンブリ730の概略断面図であり、
図7は、第2実施形態の下部軸受アセンブリ730の概略断面図である。軸受アセンブリ640および730は、後で明確に説明されることを除いて、本明細書に記載されている他の軸受アセンブリ130、140、240、330と概して同様である。
【0067】
図6に示すように、上部軸受アセンブリ640は、上部軸受アセンブリ240の構成要素と、本明細書では歪ゲージ601と呼ばれる力センサとを含む。歪ゲージ601はハウジング110に取り付けられ、停止部201および軸方向バネ244は両方とも歪ゲージに取り付けられている。したがって、上部軸受アセンブリ640の動作は、一般に軸受アセンブリ240の動作と同様であり、歪ゲージ601を用いて、回転子120から上部軸受アセンブリに伝達される力を測定し、測定値を制御システム160に提供する。
【0068】
図7に示すように、下部軸受アセンブリ730は、下部軸受アセンブリ330の構成要素と、本明細書では歪ゲージ701と呼ばれる力センサとを含む。歪ゲージ701はハウジング110に取り付けられ、停止部301および軸方向バネ332は両方とも歪ゲージに取り付けられている。したがって、下部軸受アセンブリ640の動作は、一般に軸受アセンブリ330の動作と同様であり、歪ゲージ701を用いて、回転子120から下部軸受アセンブリに伝達される力を測定し、測定値を制御システム160に提供する。
【0069】
一実施形態において、制御システム160は、上部歪ゲージ601の信号を受け入れ、上部軸受241への軸方向荷重の指標として用いる。次に、従来の信号フィードバックを介して、または較正のために歪ゲージ601を低帯域幅制御ループで用いることで上部軸受201に予荷重を正確に設定することができる。下部軸受331の軸方向予荷重は、下部軸方向バネ332によって設定される。
【0070】
別の実施形態において、力Fは、回転子120を停止部201に対して保持するために用いられ、例えば、歪ゲージ601などにより、上部軸受において歪ゲージ測定が1つのみ必要である一方で、下部軸受アセンブリ130には歪ゲージが提供されない。下部軸受331の軸方向荷重は、底部軸受マウントの予荷重バネによって設定される。
【0071】
図8は、アナログまたはデジタル制御システム160として実装されてもよい本発明の制御アルゴリズム800の一実施形態を示す制御システム図である。一般に、制御アルゴリズム800は、例えば、歪ゲージ601などであり得る力センサなど、検知された上部軸受241にかかる力の測定値を受け入れ、
図5の曲線部分419でフライホイール装置を動作させるために、持ち上げ巻線171に電流Iを提供する。
【0072】
アルゴリズム800には、上部軸受231にかかる所望の軸方向の力を示し、fresidual=k(gmin)*I2-Wと記載されてもよい残留力を計算する参照値f*が格納されている。歪ゲージ601に検知される残留力は、出力アナログ信号fmeasuredを生成する。アルゴリズム800は、f*からfmeasuredを差し引いて、エラー信号feを生成し、これは、増幅されて持ち上げ巻線171への所望の量の電流Iを生成する。
非機械的検知および動作方法
【0073】
以下に続く論議は、力Fを生成する磁束に関する測定に基づいてフライホイールアセンブリ100を制御するための他の実施形態を提供する。
図9は、第2実施形態のフライホイール装置900の概略断面図である。フライホイール装置900は、後で明確に説明されることを除いて、フライホイール装置100と一般的に同様である。
【0074】
フライホイール装置は、回転子120よりも円筒形状であるがその他の点では概して同様な回転子920を含む。回転子920は、先の実施形態のいずれかで用いられてもよく、例えば、限定されないが、
図1、2、3、6、または7のいずれか1つの実施形態であってもよい。あるいは、このセクションの非機械的検知および動作方法は、回転子120、または他の異なる形状の回転子に取り入れてもよい。
【0075】
フライホイール装置には、また、1つ以上のギャップ磁場検知要素が提供されている。
図9は、回転子920と電磁石170との間のギャップに直接配置され、ギャップ内のフィールドを測定する第1ホールセンサ901の配置、および、電磁石の持ち上げポールの外縁に配置され、直接ギャップフィールドに直接比例するフリンジフィールドを検知する第2ホールセンサ903を示す。
【0076】
磁気持ち上げ力Fは、F=k
Bλ
2として記載され、ここで、λは巻線の磁束鎖交であり、k
Bは本質的に磁気ギャップgに依存しない。巻線の磁束鎖交は、ギャップを正常に横切る磁束密度の積分に、巻線項の数を掛けたものとして定義される。測定されたギャップの磁束、またはギャップの磁束に物理的に比例する信号を用いると、磁気除荷力を精密かつ正確に制御するための測定信号が得られる。
図10は、ギャップの2つの値、すなわち最大ギャップg
maxの電流を示す曲線1001と、最小ギャップg
minの電流を示す曲線1003とに対する電磁石の磁束鎖交λの関数として電流Iを示すグラフ1000である。
【0077】
磁束がゼロから増加すると、電流Iは、曲線1001に沿ってギャップ寸法g
maxが最大である相互巻線インダクタンスに比例して増加する。これは、巻線インダクタンスの最小値である。磁束が増加すると、磁力が上昇し、回転子の重量とバランスをとる。この臨界値である、
図5を参照して上述されかつ点1011として示されたI=I
1は、曲線部分1014で示されるように、回転子が上昇することにより、新たな磁気ギャップg
minおよび対応する最大巻線インダクタンスが得られる。磁束が瞬時に変化できないため、巻線電流IはI=I
1からI=I
2に減少する。それから続く磁束の増加は、最大インダクタンスと最小巻線電流に対応する曲線1003に追従する。この領域、特に点1013に近い部分1014は、好ましくて効率的な動作領域を定義する。磁束と巻線電流の基準値は、この遷移の観察から導出することができる。
【0078】
図4および10における2つの曲線を描く電気的パラメータは、オフローダ巻線インダクタンスである。したがって、電流I
1とI
2、および磁束λの遷移値は、巻線の瞬時インダクタンス値に反映される。瞬時巻線インダクタンス値は、磁束ラムダと巻線電流の静的比率を計算することによって決定することができる。または、瞬時巻線インダクタンス値は、小振幅のリップル信号を巻線に注入し、リップル磁束とリップル電流の比率を求めることによって決定することができる。リップル電流に対するリップル磁束の比率も、巻線インダクタンスによって定義される。
【0079】
導出された電流I
2の基準値は、制御システム160により直接用いられて電流Iを駆動し、所望の除荷力を提供することができる。あるいは、制御アルゴリズム1100の第2実施形態を示す
図11の制御システム図に示すように、力を正確に制御するために磁束に基づく他の制御部を用いてもよい。
【0080】
制御アルゴリズム1100は、制御システム160への入力として巻線電圧171を用いることを示し、磁束が基準値を下回るときに電圧を上げ、逆の場合も同様である。この制御は、アナログまたはデジタルの比例積分(P-I)制御部で簡単に実装することができる。電流Iは、過電流保護回路で用いるために測定されてもよく、また、制御部で用いるための補助変数として用いられてもよい。ただし、磁束は主要な物理制御変数として用いられるため、入力または出力としての電流の直接制御は必要としない。
他の磁石の実施形態
【0081】
他の実施形態において、上述のフライホイール装置のいずれも、電磁石と永久磁石の両方を含むハイブリッド磁石である磁石170を有してもよい。
【0082】
図12は、第2実施形態の磁石1270を有する本発明のフライホイール装置1200の概略断面図である。フライホイール装置1200は、上述のフライホイール装置のいずれかと概して同様である。磁石1270は、電磁石である磁石170と、永久磁石1201とを含む。この実施形態において、磁石1201は、軸方向に磁化された環状磁石であり、1つの磁石であってもよく、またはいくつかのより小さな弧状磁石であってもよい。磁石170および1201は、共有された磁束経路を有するように配置される。
【0083】
フライホイール装置1200において、回転子920は、磁石170および1201の組み合わせによって持ち上げられる。この組み合わせは、磁石170が必要とする持ち上げ電流の量を低減するので、磁石770の電磁石の巻線は、フライホイール装置100の巻線よりも比例的に小さくてもよく、および/または、巻線電力要件が減少してもよい。
【0084】
図13は、第3実施形態の磁石1370を有する本発明のフライホイール装置1300の概略断面図である。フライホイール装置1300は、上述のフライホイール装置のいずれかと概して同様である。磁石1370は、電磁石である磁石170と、永久磁石1301とを含む。この実施形態において、磁石1301は、磁石170の磁束経路と直列になるように構成された、軸方向に磁化された軸対称の環状磁石である。
【0085】
フライホイール装置1200と同様に、フライホイール装置1300の回転子920は、電磁石および永久磁石の組み合わせによって持ち上げられるので、磁石1370の電磁石の巻線は、フライホイール装置100の巻線よりも比例的に小さくてもよい。
反転軸受の実施形態
【0086】
図14は、反転軸受実施形態と呼ばれる上部軸受アセンブリ1440の第3実施形態の概略断面図であり、
図15は、下部軸受アセンブリ1540の第3実施形態の概略断面図である。軸受アセンブリ1440および1540は、後で明確に説明する場合を除いて、本明細書で説明する他の軸受アセンブリ130、140、240、330、640、および730と概して同様である。
【0087】
この実施形態において、回転子120は、フライホイール動作中に軸方向に移動せず、磁石170は、軸に沿った回転子の軸方向運動ではなく、回転子120が上部軸受アセンブリ1440に対して及ぼす力の量を調整するために用いられる。さらに、上部軸受アセンブリ1440は、上向きの正味の持ち上げ力ではなく、下向きの正味の力を支持する。下向きの正味の力は、回転子の重力負荷(すなわち、回転子の重量)と磁石170によって加えられる上向きの持ち上げ磁力との差である。この実施形態において、好ましい動作は、上向きの磁気持ち上げ力をわずかに超える回転子の重力負荷を有する。
【0088】
図14に示す実施形態において、上部軸受アセンブリ1440は、今度は回転子本体121に連結される上軸125を支持する。上部軸受アセンブリ1440は、上部軸受1441、軸受ロッキングキャップ1413、および力センサ1401を含む。軸受1441は、軸受内側部分1443、玉軸受1445、および軸受外側部分1447を含む。軸受1441の内側部分は、上軸125を介して回転子本体121に連結されている。軸受内側部分1443は、例えば、上軸125に圧入されてもよい。軸受外側部分1447は、今度はハウジング本体111に堅固に連結された上部軸受ハウジング1420に連結される。
【0089】
上部軸受アセンブリ240および640とは対照的に、軸バネも停止部も必要でなく、軸受ハウジング1420が停止部として機能する。力センサ1401は、軸受ハウジング1420の下部と軸受外側部分1447の底部との間に取り付けられている。力センサ1401は、
図16を参照して以下に説明される閉ループ力制御アプローチの使用を可能にする。
【0090】
軸受ロッキングキャップ1413は、上部軸受1441を軸125に取り付けて保持する。軸125は、スタブ軸であってもよいことが理解され得る。
【0091】
上部軸受ハウジング1420は下側停止部として機能し、軸受1441による下向きの軸方向運動を制限する。特定の実施形態において、上部軸受ハウジング1420は、ハウジング本体111の一部であり、他の実施形態において、軸受ハウジング1420は、ハウジング本体111に堅固に連結される別個の部品である。反転軸受の実施形態において、上部軸受ハウジング1420は、上部軸受アセンブリ1440を下から支持する。
【0092】
上部軸受外側部分1447は滑りばめを用いているため、上部軸受1441への荷重は力センサ1401を介して支持され、上部軸受荷重の正確な測定を可能にする。
【0093】
前述したように、回転子120は通常動作中に軸方向に移動することはなく、起動時または終了時に軸方向に移動することもない。異常な上向き垂直変位から保護するために、バックアップスラスト軸受1415が含まれてもよい。そのような異常な上向きの垂直変位は、例えば、輸送中の事故または地震の結果として発生する場合がある。以下でさらに詳細に説明するように、軸受1441にアンギュラコンタクト軸受が用いられる場合、バックアップスラスト軸受1415がさらに有用である。
【0094】
バックアップスラスト軸受1415は、軸受ロッキングキャップ1413とハウジング本体111にロックするキャップ1417との間に配置されている。通常動作においては、軸受ロッキングキャップ1413の頂部とバックアップスラスト軸受1415の底部との間に、距離β(ベータ)のギャップ1419が存在する。この距離β(ベータ)は、上部軸受1441がバックアップスラスト軸受1415に係合せずに移動できる軸方向距離の合計である。垂直方向においてこの距離を超えると、軸受ロッキングキャップ1413がバックアップスラスト軸受1415と係合する。バックアップスラスト軸受1415は、通常動作では回転せず、すなわち、軸受ロッキングキャップ1413と接触していないため、バックアップ軸受と呼ばれる。バックアップスラスト軸受1415は、回転を摩擦で拘束せずに上向きのスラストに適応することによって損傷または封じ込めの問題を引き起こす可能性がある軸125から上向きの垂直スラストを吸収または拡散するように構成される。輸送中に回転子は回転しないが、フライホイールの動作中に地震イベントまたは他のイベントが発生した場合、回転子120は回転している可能性が最も高くなる。この場合、単にブッシング材料ではなくバックアップ軸受が回転子の大きな回転エネルギーを吸収または拡散するのに有利である。
【0095】
バックアップスラスト軸受1415は玉軸受の使用を示すように示されているが、とりわけ、潤滑プレートを含む他のタイプの軸受が使用されてもよいことが理解され得る。特定の実施形態において、フライホイールハウジング110は、軸受アセンブリ1440の頂部を提供する場合は、キャップ1417がないことがさらに理解され得る。
【0096】
上部軸受アセンブリ240および640とは対照的に、上部軸受アセンブリ1440は、軸方向のバネまたは停止部を必要とせず、むしろ、軸受ハウジング1420が停止部として機能する。力センサ1401は、軸受ハウジング1420の下部と軸受外側部分1447の底部との間に取り付けられる。これにより、以下に
図16を参照して説明した閉ループ力制御手法の使用が可能になる。
【0097】
図15に示す実施形態において、下部軸受アセンブリ1530は、今度は回転子本体121に連結される下軸123を支持する。図示するように、下軸123は、回転子本体121のジャーナルに連結されるスタブ軸であってよい。しかしながら、他の実施形態において、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、下軸123は異なる形態を取ってもよく、下軸123と回転子本体121との間の連結は異なる形態を取ってもよい。
【0098】
下部軸受アセンブリ1530は、下部軸受1531、およびバネ1532を含む。バネ1532は、下部軸受1532と下部軸受ハウジング1520との間に配置される。軸受1531は、軸受内側部分1533、玉軸受153、および軸受外側部分1537を含む。軸受内側部分1533は、下軸123を介して回転子本体121に連結される。軸受外側部分1537は、軸受ハウジング1520に連結される。軸受内側部分1533は、例えば、下軸123に圧入されてもよい。
【0099】
特定の実施形態において、下部軸受ハウジング1520は、ハウジング本体111の一部であり、他の実施形態において、下部軸受ハウジング1520は、ハウジング本体111に堅固に連結される別個の部品である。反転軸受の実施形態において、下部軸受ハウジング1520は、下部軸受アセンブリ1530を下から支持する。
【0100】
下部軸受外側部分1537は、滑りばめを用いて下部軸受ハウジング1520に沿って軸方向に移動し、温度スイングおよび回転子の運動による軸方向の増大によって、下軸123を伴う回転子とハウジング111との間の異なる長さの調整に対応する。バネ1532は、そのような移動を可能にするために、所定の軸受予荷重に設定される。
【0101】
様々な実施形態は、反転軸受の設計を実施することができる。特定の実施形態において、上部軸受1441ならびに下部軸受1531は、一方向に高いスラスト容量を提供するアンギュラコンタクト玉軸受を用いる。通常、アンギュラコンタクト玉軸受は、内輪と外輪に軌道を有し、軸受軸の方向に相互にずれている。すなわち、ラジアル荷重と軸方向荷重を同時に適応するように設計されている。そのような実施形態において、上部軸受1441および底部軸受1531は、下向きの重力に対して回転子を支持するために下向き方向に高いスラスト容量を提供するように取り付けられる。
【0102】
反転軸受の設計を取り入れたフライホイールの実施形態は、
図2A-2B、3、6および7を参照して説明した前述の軸受アセンブリの実施形態と比較して、いくつかの利点を提供する。下部軸受を支持するバネ1532を用いることで、差動回転子とハウジングの軸方向寸法の増大を下部軸受ハウジングに適応させることができる。このように、磁気ギャップの寸法gは、ハウジングと回転子との間の寸法差が変化してもほぼ不変である。上部軸受1441への負荷は、磁気負荷軽減制御システム160によって設定かつ制御されるが、下部軸受1531への負荷は、軸方向の予荷重バネによって完全に制御され得る。したがって、下部軸受がすべての動作条件下で優れた疲労寿命を有することを簡単に保証できる。その結果、軸受アセンブリ1440、1530への交換や修理などのサービスには、通常、フライホイール回転子120を分離して取り外す必要なく頂部からアクセスできる上部軸受アセンブリ1440のみが含まれる。これにより、サービスと修理のコストを大幅に低減できる。
【0103】
反転軸受設計により、必要なオフローダ持ち上げ力も軽減される。例えば、オフローダ磁石170が頂部軸受アセンブリ1440に回転子重量+1000lbsを加えなければならない場合、反転軸受設計を用いることで回転子重量-1000lbsを加える。これにより、オフローダ磁石170内の電磁石の制御が容易になり、潜在的にその電力消費とサイズが減少する。
【0104】
さらに、異常な動きによる軸受への損傷は、比較的高価な主要軸受、すなわち頂部軸受1440と底部軸受1540ではなく、比較的安価で交換が容易なバックアップ軸受1415に影響または損傷を与える可能性が高くなる。
【0105】
図16は、本発明の制御アルゴリズム1600の第3実施形態を示す制御システム図である。制御アルゴリズム1600は、
図14-15を参照して説明した反転軸受の実施形態と共に用いるように適合された制御アルゴリズム800バージョンである。したがって、力検知要素1401が反転された極性を有することを除いて、制御アルゴリズム800と同一であるので、制御アルゴリズム1600の極性は、制御アルゴリズム800の極性とは反転している。
【0106】
制御アルゴリズム1600は、アナログまたはデジタル制御システム160として実装されてもよい。一般に、制御アルゴリズム1600は、例えば歪ゲージまたは他のタイプのセンサまたは変換器などであり得る力センサ1401などによって検知された上部軸受1441にかかる力の測定値を受け入れ、
図5の曲線部分419でフライホイール装置を動作させるために、持ち上げ巻線171に電流Iを供給する。
【0107】
アルゴリズム1600には、上部軸受1441にかかる所望の軸方向の力を特定し、f’
residual=W-k(g
max)*I
2として定義されてもよい残留力f’
residualを計算する参照値f
**が格納されている。実際には、軸受のサイズ、仕様、動作モードに応じて、基準値は30lbsから400lbsの範囲になってもよい。通常の動作では、基準値を最小予荷重値の近くに設定し、軌道の疲労と抗力を最小限に抑えることができる。起動時の特定の過渡状態の間、または地震イベントの間、参照値は一時的に高い値に設定され、軸受にかかる正の負荷力を維持する。残留力f’
residualは、出力信号f
measuredを生成する力センサ1401によって検知される。アルゴリズム1600は、f
measuredからf
**を差し引いてエラー信号f
eを生成してこれを増幅し、持ち上げ巻線171へ所望の量の電流Iを生成する。アルゴリズム1600は、
図4を参照して定義された最大ギャップ値であるg
maxを、回転子本体121から磁石170までの距離として用いる。本質的に、回転子120は、通常動作の間、軸受ハウジング1420によって下から支持されて、この軸方向位置に維持される。磁気ギャップg
maxは、通常動作中にバックアップスラスト軸受1415が係合しないように隙間を提供する。したがって、この設計は、回転子120が固定された軸方向位置で動作する一方で、g
maxによって定義されるように、下部軸受アセンブリ、すなわち軸方向の拡張または収縮を可能にするバネ1532により軸方向の増大が適応されることを可能にする。
【0108】
本明細書で説明される方法それぞれの一実施形態は、処理システム、例えば、制御システムの一部である1つ以上のプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムの形態である。したがって、当業者には理解されるように、本発明の実施形態は、方法、専用装置などの装置、データ処理システムなどの装置、またはコンピュータプログラム製品のようなキャリア媒体として組み込まれてもよい。キャリア媒体は、方法を実装するように処理システムを制御するための1つ以上のコンピュータ可読コードセグメントを搬送する。したがって、本発明の態様は、方法、完全ハードウェア実施形態、完全ソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよい。さらに、本発明は、媒体に組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードセグメントを搬送するキャリア媒体(例えば、コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品)の形態を取ってもよい。フロッピーディスクまたはハードディスクなどの磁気記憶装置、またはCD-ROMなどの光学記憶装置を含む、任意の適切なコンピュータ可読媒体を用いてもよい。
【0109】
論議された方法のステップは、一実施形態において、記憶装置に記憶された命令(コードセグメント)を実行する処理(すなわち、コンピュータ)システムの適切なプロセッサ(または複数のプロセッサ)によって実行されることが理解される。また、本発明は特定の実装またはプログラミング技法に限定されず、本発明は、本明細書で説明する機能を実装するための任意の適切な技法を用いて実装できることも理解されよう。本発明は、特定のプログラミング言語またはオペレーティングシステムに限定されない。
【0110】
本明細書を通して「一実施形態」または「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「一実施形態において」または「実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、この開示から当業者には明らかなように、1つ以上の実施形態において、特定の特徴、構造、または特性を任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0111】
同様に、本発明の例示的な実施形態の上述の説明においては、発明の様々な態様のうち1つ以上の開示を簡素化し、理解を助けることを目的として、本発明の様々な特徴が、単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられる場合があることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、請求された発明が各請求項に明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴より少ない特徴を有する。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これにより、この詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として独立している。
【0112】
したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものについて説明したが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、他のさらなる変更を加えることができることを認識するであろう。そのようなすべての変更および修正は、本発明の範囲に含まれる。例えば、上述の式は、いずれも、用いられる可能性がある手順の単なる代表例である。ブロック図で機能を追加または削除してもよく、機能ブロック間で動作を差し替えてもよい。本発明の範囲内で説明される方法において、ステップを追加または削除してもよい。