(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】ゲームサーバ、ゲームプログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20220222BHJP
A63F 13/493 20140101ALI20220222BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220222BHJP
【FI】
A63F13/79 510
A63F13/493
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2021046226
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2021-03-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コウ セイブン
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-167037(JP,A)
【文献】特開2016-083205(JP,A)
【文献】特開2014-213159(JP,A)
【文献】特開2012-170674(JP,A)
【文献】特開2009-240570(JP,A)
【文献】特開2016-131757(JP,A)
【文献】特開2020-103421(JP,A)
【文献】特開2000-334172(JP,A)
【文献】AppMedia編集部,“[リィンカネ]オート周回のやり方とメリット[ニーアリィンカーネーション]”,AppMedia,日本,AppMedia株式会社,2021年03月09日,pp.1-8,https://appmedia.jp/nierreincarnation/5197495,[2021年09月17日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの停止条件、
プレイヤごとに設定される前記ゲームの続行条件
、ならびに、有償ポイント又は無償ポイントのいずれを優先して使用するか及び前記有償ポイント又は前記無償ポイントの使用限度数を含む使用条件を記憶する記憶部と、
前記ゲームを自動的にプレイする自動実行部と、を備え、
前記自動実行部は、前記停止条件が成就する場合に、前記ゲームのプレイヤに対応する前記続行条件に応じて前記ゲームのプレイを、停止せずに続行し又は停止
し、
前記自動実行部は、前記ゲーム中にパラメータが所定値以下となった場合に、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復する、または、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復するためのアイテムを自動的に取得すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームに使用可能なアイテムを格納するアイテムボックスを備え、
前記自動実行部は、前記アイテムボックスに空きがなくなった場合に、前記アイテムボックス内の前記アイテムを自動的に削除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームサーバであって、
削除する前記アイテムを特定するための情報を記憶する自動プレイ情報記憶部をさらに備え、
前記自動実行部は、前記アイテムボックスに空きがなくなった場合に、前記情報に応じて、削除する前記アイテムを決定し、決定した前記アイテムを前記アイテムボックスから削除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームに使用可能なアイテムを格納するアイテムボックスを備え、
前記自動実行部は、前記ゲーム中にパラメータが所定値以下となった場合に、前記アイテムボックスに記憶されている前記アイテムのうち前記パラメータを回復するための前記アイテムを自動的に使用すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記回復するためのアイテムが前記アイテムボックスに格納されていない場合に、
前記使用条件に応じて有償ポイント又は無償ポイントを使用して前記回復するためのアイテムを自動的に取得すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記ゲーム中に発生するイベントのプレイ回数が制限されている場合に、
前記使用条件に応じて有償ポイント又は無償ポイントを使用して、前記プレイ回数の制限を解除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記ゲームのプレイが終了する条件が成就する場合に、前記ゲームのプレイを終了すること、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項8】
請求項7に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームのプレイが終了する条件は、キャラクターのレベルが所定値以上になったこと、または、特定のアイテムを所定数以上取得したこと、を含むこと、
を特徴とするゲームサーバ。
【請求項9】
ゲームの停止条件、
プレイヤごとに設定される前記ゲームの続行条件
、ならびに、有償ポイント又は無償ポイントのいずれを優先して使用するか及び前記有償ポイント又は前記無償ポイントの使用限度数を含む使用条件を記憶するステップと、
前記ゲームを自動的にプレイするステップと、
前記停止条件が成就する場合に、前記ゲームのプレイヤに対応する前記続行条件に応じて前記ゲームのプレイを、停止せずに続行し又は停止するステップと、
をコンピュータが実行
し、
前記ゲームを自動的にプレイするステップは、前記ゲーム中にパラメータが所定値以下となった場合に、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復する、または、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復するためのアイテムを自動的に取得することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ゲームの停止条件、
プレイヤごとに設定される前記ゲームの続行条件
、ならびに、有償ポイント又は無償ポイントのいずれを優先して使用するか及び前記有償ポイント又は前記無償ポイントの使用限度数を含む使用条件を記憶するステップと、
前記ゲームを自動的にプレイするステップと、
前記停止条件が成就する場合に、前記ゲームのプレイヤに対応する前記続行条件に応じて前記ゲームのプレイを、停止せずに続行し又は停止するステップと、
をコンピュータに実行させ
、
前記ゲームを自動的にプレイするステップは、前記ゲーム中にパラメータが所定値以下となった場合に、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復する、または、前記使用条件に応じて前記有償ポイント又は前記無償ポイントを使用することにより前記パラメータを回復するためのアイテムを自動的に取得するためのゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームサーバ、ゲームプログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームを自動的に進行させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、停止条件が満たされるとゲームは途中で停止してしまう。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、ゲームの自動的な進行を続行させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ゲームサーバであって、ゲームを自動的にプレイする自動実行部を備え、前記自動実行部は、前記ゲームのプレイが停止する条件が成就する場合に、自動的に前記条件を解除して前記ゲームのプレイを継続すること、を特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームの自動的な進行を続行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本ゲームシステムの全体構成例を示す図である。
【
図2】プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。
【
図3】サーバ装置1の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図4】アイテムボックス123の構成例を示す図である。
【
図6】ゲームシステムの動作概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
ゲームを自動的にプレイする自動実行部を備え、
前記自動実行部は、前記ゲームのプレイが停止する条件が成就する場合に、自動的に前記条件を解除して前記ゲームのプレイを継続すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目2]
項目1に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームに使用可能なアイテムを格納するアイテムボックスを備え、
前記自動実行部は、前記アイテムボックスに空きがなくなった場合に、前記アイテムボックス内の前記アイテムを自動的に削除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目3]
項目2に記載のゲームサーバであって、
削除する前記アイテムを特定するための情報を記憶する自動プレイ情報記憶部をさらに備え、
前記自動実行部は、前記アイテムボックスに空きがなくなった場合に、前記情報に応じて、削除する前記アイテムを決定し、決定した前記アイテムを前記アイテムボックスから削除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目4]
項目1乃至3の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームに使用可能なアイテムを格納するアイテムボックスを備え、
前記自動実行部は、前記ゲーム中にパラメータが所定値以下となった場合に、前記アイテムボックスに記憶されている前記アイテムのうち前記パラメータを回復するための前記アイテムを自動的に使用すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目5]
項目4に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記回復するためのアイテムが前記アイテムボックスに格納されていない場合に、有償ポイント又は無償ポイントを使用して前記回復するためのアイテムを自動的に取得すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目6]
項目1乃至5の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記ゲーム中に発生するイベントのプレイ回数が制限されている場合に、有償ポイント又は無償ポイントを使用して、前記プレイ回数の制限を解除すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目7]
項目1乃至6の何れか1項に記載のゲームサーバであって、
前記自動実行部は、前記ゲームのプレイが終了する条件が成就する場合に、前記ゲームのプレイを終了すること、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目8]
項目7に記載のゲームサーバであって、
前記ゲームのプレイが終了する条件は、キャラクターのレベルが所定値以上になったこと、または、特定のアイテムを所定数以上取得したこと、を含むこと、
を特徴とするゲームサーバ。
[項目9]
ゲームを自動的にプレイするステップと、
前記ゲームのプレイが停止する条件が成就する場合に、自動的に前記条件を解除して前記ゲームのプレイを継続するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目10]
ゲームを自動的にプレイするステップと、
前記ゲームのプレイが停止する条件が成就する場合に、自動的に前記条件を解除して前記ゲームのプレイを継続するステップと、
をコンピュータに実行させるためのゲームプログラム。
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態のゲームシステムは、ゲームを提供するものであり、プレイヤによって指定されたゲームを自動的に進行させる処理(自動ゲームプレイ)を行うことができる。自動ゲームプレイでは、一般的に、キャラクターのヒットポイントが無くなったとき(あるいはキャラクターの所属するパーティが全滅したとき)、プレイヤのスタミナが尽きたとき、自動進行中に取得したアイテムによりアイテムボックスが満杯となりアイテムを追加できなくなったときなどに停止する。本実施形態のゲームシステムは、自動ゲームプレイがなるべく停止しないようにしようとするものであり、全滅した場合にも自動ゲームプレイを再開するようにし、スタミナが尽きそうになった場合には、回復剤などのスタミナを回復するためのアイテム(回復アイテム)を自動的に使用するようにし、また、アイテムボックスが満杯(所持枠が足りなくなった)場合には自動的にアイテムボックスの中のアイテムを破棄して自動ゲームプレイを継続するようにしている。
【0013】
また、一般的に、スマートフォン等で提供されるゲームでは、アイテムやキャラクタ等のゲーム媒体を取得するために有償石又は無償石を消費する場合がある。有償石は、プレイヤが課金により購入する有償ポイントの一例であり、無償石は、プレイヤがゲーム中に無料で取得できる無償ポイントの一例である。なお、「有償石」、「無償石」という名称ではなく、ストーンやコイン、ジェムなどゲームによって異なる名称がつけられている場合もあるが、本実施形態においては、これらを指す言葉として「有償石」、「無償石」と記載する。
【0014】
無償ポイントとは、プレイヤがゲームの実行(プレイ)等によって非課金で取得可能なポイント(ゲーム内通貨)である。例えば、無償ポイントは、ログイン、所定ステージのクリア、ミッション達成、フレンドとの交流等の報酬として取得できる。この無償ポイントとしては、例えば無償石、無償コイン等が挙げられる。有償ポイントとは、現実世界の通貨等による購入手続き(現金や電子マネーの支払い、クレジットカード決済等)によってプレイヤが取得可能なポイント(ゲーム内通貨)である。この有償ポイントとしては、例えば有償石、有償コイン等が挙げられる。なお有償ポイントは、課金ポイントとも称されることがあり、無償ポイントは非課金ポイントとも称されることがある。
【0015】
有償ポイントと無償ポイントは、例えばアイテムとの交換、スタミナ回復、クエスト失敗時のコンティニュー、抽選システム(ガチャ等のランダム型のゲーム媒体付与システム)の実行等に使用することができる。そして、有償ポイントと無償ポイントとは、ゲーム内での機能(効果)に相違がある。例えば、無償ポイントでは不可能な抽選システムの実行を有償ポイントの支払いで可能としたり、無償ポイントでは購入不可能なアイテムを有償ポイントでは購入可能としたりすることで、有償ポイントと無償ポイントとの機能に差異を設けることができる。なお、例えば、ゲーム内に有償ポイントでも無償ポイントでも実行可能な機能があってもよいし、有償ポイントでは不可能な機能が無償ポイントでは可能となるようにしてもよい。また、有償ポイントと無償ポイントで実行可能な機能に差がなくてもよく、有償でポイントが追加可能な構成となっているだけでもよい。
【0016】
本実施形態のゲームシステムでは、自動ゲームプレイ中にスタミナが尽きそうになったが、回復剤などのスタミナを回復するため回復アイテムを所持していないような場合には、自動的に有償石又は無償石の少なくとも何れかを使用して回復アイテムを取得し、取得した回復アイテムを使用してスタミナを回復するようにすることもできる。この場合、有償石又は無償石の何れを優先して使うか、また何個まで使うかを事前に設定することもできる。
【0017】
さらに、クエストやミニゲーム等のイベントによってはプレイ回数が制限されており、制限回数以上のプレイを行う場合には有償石又は無償石の少なくとも何れかを使用する必要があるゲームが存在する。そのようなゲームに係る自動ゲームプレイにおいて、プレイ回数の制限数以上のプレイを行おうとする場合に、自動的に有償石又は無償石の少なくとも何れかを使用するようにすることもできる。この場合、有償石又は無償石の何れを優先して使うか、また何個まで使うかを事前に設定することもできる。
【0018】
<構成>
図1は、本ゲームシステムの全体構成例を示す図である。
図1に示されるように、本ゲームシステムは、ネットワーク3(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤに提供するものであり、サーバ装置1と複数のプレイヤ端末2とで構成される。
【0019】
<プレイヤ端末2>
図2は、プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。プレイヤ端末2は、プレイヤが所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末)である。プレイヤ端末2は、サーバ装置1から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画面表示、ゲーム音声出力等)することができる。プレイヤ端末2は、プレイヤ端末2全体の制御を行う制御部21と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部22と、プレイヤが操作入力を行うための入力部23、ゲーム画面・操作画面等を出力する出力部24、サーバ装置1との間で情報通信を行う通信部25を有している。本実施の形態の制御部21は、少なくとも操作情報受付部211、ゲーム動作部212を備える。また、記憶部22は、少なくともゲーム動作情報記憶部221を備える。制御部21の各機能部は、メモリやゲーム動作情報記憶部221に格納されているプログラムをCPUが実行することにより実現することができる。
【0020】
プレイヤ端末2の操作情報受付部211は、プレイヤからゲームに関する操作を受け付ける。操作情報受付部211は、プレイヤによる入力部23を用いたゲームに関する操作を受け付ける。そして、操作情報受付部211は、受け付けた操作内容をゲーム動作部212に出力する。
【0021】
ゲーム動作部212は、ゲームを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部212は、ゲーム動作情報記憶部221に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、入力部23から入力されたプレイヤの操作内容とに基づいてゲームを動作させる。ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部24に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部24から出力させるための制御処理を行う。なお、ここでは、ネイティブアプリがWebアプリの機能を一部実行する、すなわち、プレイヤ端末2のゲーム動作部212がサーバ装置1の機能を一部実行する構成について説明したが、ゲーム動作部212を有さずにサーバ装置1が処理結果として全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよいし、ゲーム動作部212によって全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよい。
【0022】
ゲーム動作部212が動作させるゲームにおける所定のパラメータはサーバ装置1にて管理されることができる。例えば、ゲームにおけるキャラクターの育成要素を含む各種パラメータについても、サーバ装置1にて管理されることができる。この場合、ゲーム動作部212は、ゲームにおいてこれらのパラメータの変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ装置1との通信を行うことにより、サーバ装置1が管理するパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部212は、更新後のパラメータをサーバ装置1から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続することができる。
【0023】
<サーバ装置1の構成>
図3は、サーバ装置1の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、システム管理者等が各種サービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティング技術によって論理的に実現されてもよい。
【0024】
サーバ装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を有する。サーバ装置1は、通信部15を介してプレイヤ端末2から各種のコマンド(リクエスト)を受信すると、制御部11においてゲームプログラムによる処理を実行し、ゲームプログラムの処理結果(例えば、ゲーム画像やゲーム音声等)がプレイヤ端末2へ送信される。なお、上記ゲームプログラムの一部は、プレイヤ端末2に送信されてプレイヤ端末2上で実行されてもよい。
【0025】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ装置1全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施の形態の制御部11は、少なくともゲーム実行部111、画面データ生成部112、自動実行部113を備える。
【0026】
<記憶部12>
記憶部12は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態における記憶部12は、ゲーム情報記憶部121、プレイヤ情報記憶部122、アイテムボックス123、自動プレイ情報記憶部124等の各種記憶部を有している。
【0027】
入力部13はシステム管理者がゲームサービスに関する各種データ(例えば、ゲーム情報等)を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0028】
表示部14は、制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0029】
通信部15は、プレイヤ端末2との間で通信を行うためのものであり、プレイヤ端末2から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データや信号をプレイヤ端末2へ送信する送信部としての機能を有している。通信部15は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTTPS、WebSocket、P2P(Peer To Peer)等によりプレイヤ端末2との通信を行う。
【0030】
ゲーム情報記憶部121は、ゲームに関する情報を記憶する。ゲーム情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成される。例えば対戦ゲームである場合は、ステージIDに紐づけて、ステージ名、敵キャラクター情報等を含む。
【0031】
プレイヤ情報記憶部122は、プレイヤに関する情報を記憶する記憶領域である。プレイヤ情報には、プレイヤを特定するプレイヤIDに紐づけて、プレイヤ名、所有キャラクター、プレイステージ情報、などを含むことができる。プレイステージ情報は、設定された複数のステージのうち、プレイヤがこれまでにプレイしたことのあるステージに関する情報であり、プレイ回数、クリア情報等を含むことができる。プレイヤ情報記憶部122は、その他にも、プレイヤ及びゲームのプレイ状況に関する各種の情報を含むことができる。所有キャラクター情報にキャラクターが格納されることにより、当該キャラクターをゲーム中で利用可能に設定される。
【0032】
アイテムボックス123は、プレイヤが所有するアイテムを記憶する。
図4は、アイテムボックス123の構成例を示す図である。アイテムボックス123には、プレイヤを特定するプレイヤID、最大アイテム数、有償石数、無償石数、アイテムリストなどが含まれうる。最大アイテム数は、アイテムリストに格納可能なアイテムの数である。有償石数及び無償石数は、プレイヤが所持している有償石及び無償石の数である。アイテムリストには、プレイヤが所有するアイテムが管理される。アイテムリストには、最大アイテム数までのアイテムが格納されうる。アイテムリストの各要素には、プレイヤが所有しているアイテムのアイテム名、アイテムのカテゴリ、当該アイテムの保有個数などが対応付けて格納される。なお、有償石及び無償石を、アイテムとして、アイテムリストに管理することもできる。
【0033】
自動プレイ情報記憶部124は、自動ゲームプレイの各種設定を示す情報(以下、自動プレイ情報という。)を記憶する。
図5は、自動プレイ情報の構成例を示す図である。自動プレイ情報には、プレイヤを特定するプレイヤID、自動ゲームプレイをさせるゲームを特定するゲームIDに対応付けて、開始日時、終了条件、停止条件、再実行限度数、使用回復アイテム限度数、削除アイテム条件、売却アイテム条件、石使用条件、イベント再実行限度数などを含むことができる。
【0034】
開始日時は、自動ゲームプレイを開始する日時である。
【0035】
終了条件は、自動ゲームプレイを終了する条件である。終了条件には、例えば、キャラクターのレベルが所定値以上になったことや、特定のアイテムを特定数以上取得したことなどを設定することができる。プレイヤが指定した目標アイテム数(アイテムの全体の合計取得数、または、特定の1種類もしくは複数種類のアイテムの取得数)に到達した場合終了する条件が入っていてもよい。終了条件は、基本的に停止条件とは内容が異なる別の条件である。
【0036】
再実行限度数は、自動ゲームプレイを自動的に再実行する回数の制限値である。なお、例えば、キャラクターのヒットポイントが尽きた場合や、当該キャラクターの所属するパーティが全滅した場合などに、再実行限度数までの回数、自動ゲームプレイが再実行されることになる。なお、パーティとは、ユーザが選択すること等により編成された複数のキャラクターで構成されるグループである。再実行限度数は、自動ゲームプレイを再実行するかどうかを決定するための情報であればよい。例えば、自動ゲームプレイを再実行するかどうかを示すフラグ値を設定するようにしてもよい。
【0037】
使用回復アイテム限度数は、スタミナ等のパラメータを回復するために使用するアイテム(回復アイテム)の使用限度数である。なお、本実施形態では、使用回復アイテム限度数は、アイテムボックス123のアイテムリストに含まれている回復アイテムの保有数以下であるものとする。例えば、自動ゲームプレイ中にプレイヤのスタミナが切れた場合に、使用回復アイテム限度数まで、回復アイテムを使用することができる。
【0038】
削除アイテム条件は、アイテムボックス123の所持枠が足りなくなった場合に削除するアイテムを決定するための情報である。削除アイテム条件には、例えば、アイテムを特定するアイテムIDやアイテム名を設定してもよいし、複数のアイテムを決定し得るアイテムのカテゴリなどを設定してもよい。また、削除アイテム条件には、複数のアイテムを決定しうる情報とともに、削除の優先度を指定することができる。例えば、削除アイテム条件には、特定のカテゴリのアイテムの指定とともに、保有個数が多いことを優先度として設定することができる。売却アイテム条件は、アイテムボックス123の所持枠が足りなくなった場合に、システム管理側または他ユーザ等に売却(もしくは交換)するアイテムを決定するための情報である。アイテム等の売却又は交換は、例えばゲーム内交換所、ゲーム内ショップで当該アイテムをゲーム内のポイントや石、他のアイテム等に交換することを含む。自動進行中に取得したアイテム等のゲーム媒体を売却する場合、当該ゲーム媒体はアイテムボックス123のアイテムリストには追加されず(あるいは一時的にアイテムリストに追加した上で削除され)、対価としてのポイント、石等が付与される。売却アイテム条件には、上記削除アイテム条件と同様に、例えば、アイテムIDやアイテム名を設定してもよいし、複数のアイテムを決定し得るアイテムのカテゴリなどを設定してもよいし、売却の優先度を設定してもよい。また、売却アイテム条件には、複数のアイテムを決定しうる情報とともに、売却の優先度を指定することができる。また、売却価格をユーザが設定できるようにしてもよいし、自動的に決定されるようにしてもよい。
【0039】
石使用条件は、自動ゲームプレイ中に有償石及び無償石を使用する条件である。石使用条件には、有償石又は無償石を使用する対象及びその使用条件を指定することができる。本実施形態では、スタミナの回復アイテムを対象として、スタミナが切れ、かつ、回復アイテムの所持数が所定数(0であってもよい。)以下である場合に、有償石又は無償石を使用することができるという条件を指定することを想定する。また、石使用条件には、有償石と無償石の使用優先度を設定することもできる。例えば、無償石があれば無償石を優先的に使うように指定し、あるいは逆に有償石があれば有償石を優先的に使うように指定することができる。また、石使用条件には、有償石及び無償石の少なくともいずれかの使用限度数を設定することもできる。
【0040】
イベント再実行限度数は、クエストやミニゲームなどのゲーム内でのイベントについて何回プレイをするかを示す情報である。本実施形態では、ゲームにおいてイベントのプレイ可能回数が制限されており、有償石又は無償石を使用することで再度イベントがプレイできるようになっている場合に、当該イベント再実行限度数まで有償石又は無償石を使用してイベントを再度自動プレイするように設定することを想定する。なお、イベント中に取得可能なアイテムを収集するためなどに、イベントをクリアした後に再度プレイする回数を設定するようにしてもよいし、イベントをクリアするまでチャレンジを行う回数を設定するようにしてもよい。
【0041】
ゲーム実行部111は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるゲームシステムによるゲームは、任意の種類のゲームであってよく、例えば対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、ボードゲーム、レーシングゲームなどであってよい。
【0042】
画面データ生成部112は、ゲーム画面をプレイヤ端末2に表示させるための画面データを生成する処理を実行する機能を有している。画面データ生成部112は、上記の任意のゲームに関する画面データを生成する。生成された画面データは、プレイヤ端末2に送信されて、出力部24により出力される。また、画面データ生成部112は、画面データを生成したこと(プレイヤが画面を遷移したこと)をサーバ装置1に通知することができる。サーバ装置1への通知(以下、画面遷移通知という。)には、遷移先の画面(起動画面、ホーム画面、クエスト終了画面、アイテムを取得したことを報知する画面など、ゲーム中に表示される任意の画面とすることができる。)を特定する情報を含めることができる。
【0043】
自動実行部113は、プレイヤからの操作を受けずにゲームを自動的に実行する。自動実行部113は、自動プレイ情報記憶部124に記憶されている自動プレイ情報に基づいて、ゲームIDが示すゲームを自動的に進行させることができる。
【0044】
また、自動実行部113は、自動ゲームプレイが(途中で)停止する条件(以下、プレイ停止条件という。)が成就する場合に、自動的にプレイ停止条件を解除することができる。プレイ停止条件には、上述したように、キャラクターのヒットポイントがなくなった場合、キャラクターが所属するパーティが全滅した場合、プレイヤのスタミナが尽きた場合、アイテムボックス123が満杯となりアイテムが追加できなくなった場合、クエストやミニゲームなどのゲーム中に発生するイベントのプレイ回数に制限が設けられていて、当該制限回数以上にイベントをプレイした場合、スタミナを回復しようとしてもスタミナの回復アイテムを所持していなかった場合などがある。
【0045】
自動実行部113は、ゲームのパラメータが所定値以下となった場合に、当該パラメータを回復するためのアイテムを自動的に使用することができる。例えば、自動実行部113は、キャラクターのヒットポイントが無くなった場合に、自動的に自動ゲームプレイを再実行することができる。また、自動実行部113は、プレイヤのスタミナが無くなった場合に、自動的に回復アイテムを使用してスタミナを回復することができる。また、自動実行部113は、スタミナが尽きて自動的に回復アイテムを使用しようとしても、回復アイテムの所持数が足りていない場合に、自動的に有償石又は無償石を使用して回復アイテムを取得することもできる。
【0046】
また、自動実行部113は、アイテムボックス123の空き枠が無くなった場合に、自動的にアイテムボックス123からアイテムを削除又は売却するようにすることもできる。
【0047】
また、自動実行部113は、クエストやミニゲーム等のイベントのプレイ回数に上限が設定されており、有償石又は無償石を使用することでその上限回数以上にプレイすることができる場合に、自動的に有償石又は無償石を使用してイベントを再プレイすることもできる。
【0048】
<基本動作フロー>
図6は、ゲームシステムの動作概要を説明する図である。
【0049】
自動実行部113は、自動プレイ情報に指定されたゲームの自動ゲームプレイを開始し、ゲームを自動進行する(S301)。
【0050】
自動実行部113は、キャラクターのヒットポイントが0になった場合(又はパーティに属する全てのキャラクターのヒットポイントが0になって全滅した場合)に(S302:YES)、再実行した回数が自動プレイ情報の再実行限度数未満であれば(S303:YES)、自動ゲームプレイを再実行する(S304)。
【0051】
自動実行部113は、プレイヤのスタミナが所定の閾値(0であってもよい。)以下になった場合(S305:YES)、スタミナ回復処理を実行する(S306)。
図7は、スタミナ回復処理の流れを示す図である。自動実行部113は、自動ゲームプレイ中に使用した回復アイテムの数が、自動プレイ情報の使用回復アイテム限度数以上であれば(S321:NO)、スタミナ回復処理を終了する。回復アイテムの使用数が使用限度数未満である場合(S321:YES)、自動実行部113は、回復アイテムがあれば(S322:YES)、ステップS325に進み、回復アイテムがなければ(S322:NO)、石使用条件に応じて有償石又は無償石を使用して回復アイテムを取得することができる(S323)。自動実行部113は、回復アイテムを取得できれば(S324:YES)、ステップS325に進み、回復アイテムを使用してスタミナを回復することができる(S325)。なお、S323~S325のように、石使用条件に応じて有償石又は無償石を使用して回復アイテムを取得、使用することでスタミナ回復する場合に限られず、石使用条件に応じて有償石又は無償石を使用することで、直接スタミナが回復されるようにしてもよい。
【0052】
図6に戻り、自動実行部113は、アイテムボックス123の最大アイテム数から、アイテムボックス123のアイテムリストに登録されているアイテムの数(保有数の合計)を引いた数が所定の閾値(0であってもよい。)より大きいか否かによりアイテムボックス123に所持枠があるか否かを判断し、所持枠がなければ(S307:NO)、自動プレイ情報の削除アイテム条件に応じて、アイテムボックス123に保有されているアイテムを特定し、特定したアイテムをアイテムボックス123から削除して(S308)、アイテムボックス123の所持枠を増やすことができる。
【0053】
自動実行部113は、自動ゲームプレイ中に、クエストやミニプレイなどのイベントを進行させる場合に、ゲームで設定されたプレイ回数の上限値に到達した場合(S311:YES)、自動ゲームプレイ中に当該イベントをプレイした回数が、自動プレイ情報のイベント再実行限度数未満であれば(S312:YES)、自動プレイ情報の石使用条件に応じて有償石又は無償石を使用することができる(S313)。なお、石使用条件に応じて有償石又は無償石を使用することができなかった場合や、ゲームによって石を使用してもプレイ上限数を解除できない場合などには、自動実行部113は、当該イベントの進行をせずに、自動ゲームプレイを継続することができる。
【0054】
自動実行部113は、自動プレイ情報の終了条件が満たされるまで(S314:NO)、ステップ301からの処理を繰り返す。
【0055】
以上のようにして、本実施形態のゲームシステムによれば、自動ゲームプレイが終了条件を満たす前に途中で停止しないようになるべく継続させることができる。
【0056】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0057】
例えば、
図6の処理は、本実施形態のゲームシステムによる処理の一例を示したものであり、本願発明を限定する意図ではない。
図6の処理に含まれる各工程は、図中に示される順序と異なる順序で実行するようにしてもよいし、一部の処理を並列に実行するようにしてもよいし、一部の工程を省略するようにしてもよいし、他の工程を追加してもよい。
【0058】
また、サーバ装置1及びプレイヤ端末2が備えるソフトウェア機能部の処理について、本発明の趣旨を実現できる範囲で、サーバ1の一部若しくはすべての機能をプレイヤ端末2が備えてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、自動ゲームプレイの再実行回数を設定するものとしたが、再実行回数に制限を設けずに、可能な限り(例えば、ゲームのプレイにポイントが必要な場合には、必要数のポイントがある限り)、再実行するようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、自動ゲームプレイの使用回復アイテム限度数を設定するものとしたが、これを設定せず、アイテムボックス123に回復アイテムが保有されている限り、回復アイテムを使用するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、アイテムボックス123の空き保有枠が無くなった場合に削除するアイテムをプレイヤが事前に自動プレイ情報に設定するものとしたが、自動実行部113が削除(または売却)するアイテムを決定するようにしてもよい。例えば、ゲームの各種パラメータなどを特徴量として削除するべきアイテムを機械学習により学習させた学習モデルを用いて、自動実行部113が、削除するアイテムを推論し、推論したアイテムを削除するようにすることができる。また、自動実行部113は、カテゴリ毎の保有数の分布が均等になるように削除するアイテムを決定するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0062】
1 サーバ装置
2 プレイヤ端末
3 ネットワーク
【要約】
【課題】ゲームの自動的な進行を続行させることができるようにする。
【解決手段】ゲームサーバであって、ゲームを自動的にプレイする自動実行部を備え、自動実行部は、ゲームのプレイが停止する条件が成就する場合に、自動的に条件を解除してゲームのプレイを継続すること、を特徴とする。
【選択図】
図6