(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】家具
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20220224BHJP
A47B 91/02 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B91/02
(21)【出願番号】P 2017202263
(22)【出願日】2017-10-19
【審査請求日】2020-09-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 :平成29年7月7日 展示会名:SAIBI PARTY 開催場所:コクヨ株式会社 東京ショールーム(東京都港区港南1丁目8番35号) 公開者 :コクヨ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼▲崎▼ 健太郎
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-090909(JP,A)
【文献】特開2009-112477(JP,A)
【文献】特開2007-117460(JP,A)
【文献】特開2014-030629(JP,A)
【文献】特開2007-117485(JP,A)
【文献】特開2008-035994(JP,A)
【文献】実開平05-060326(JP,U)
【文献】米国特許第09770098(US,B1)
【文献】中国実用新案第204682899(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 13/02
A47B 91/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体と、この家具本体を支持する脚体とを具備してなり、
前記脚体が、前記家具本体を担持するコア部と、このコア部とは別体をなし基端側が前記コア部の起立した外側端面に取着された脚羽根とを備えたものである家具
であって、
前記家具本体が、天板を備えたものであり、前記脚体が前記天板を支持するものであるとともに、
前記コア部が、パイプ同士を結合したものを具備する家具。
【請求項2】
前記コア部が、汎用部材を用いて作られた構造体であり、前記脚羽根が、成形体である請求項1記載の家具。
【請求項3】
前記コア部が、壁体状のものであり、そのコア部の少なくとも一端に前記脚羽根が設けられている請求項1又は2記載の家具。
【請求項4】
前記コア部の両端に前記脚羽根がそれぞれ設けられており、前記両脚羽根の先端側及び前記コア部に高さ調節可能な接地体がそれぞれ設けられている請求項
3記載の家具。
【請求項5】
前記コア部が、角柱状のものであり、そのコア部の角部分に前記脚羽根がそれぞれ設けられている請求項
1又は2記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議テーブルや各種デスク等、脚羽根付の脚体を備えた家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家具として、天板を脚羽根付の脚体により支持してなるものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ところで、従来の脚羽根を有する脚体は、脚羽根上に天板を担持する脚支柱や側板等を立設したものや、脚羽根と脚支柱等とを一体に構成したものが一般的である。
【0004】
そのため、奥行寸法の異なる家具を複数種類取り揃えてシリーズ化するような場合には、各仕様に適合した寸法をなす脚羽根、或いは、脚羽根と支柱との一体品を複数種類用意しなければならない。
【0005】
ところが、脚羽根は使用者の視線に晒され易いため、強化プラスチックやアルミダイキャスト等の成形品が使われることが多く、寸法の異なる複数種類の脚羽根を用意することは金型が増加する等、製造上のコストアップを招き易い。
【0006】
かかる課題は、必ずしも天板を有する家具に限らず、脚羽根付の脚体を有する家具全般に存在するものである(第1の課題)。
【0007】
また、特に天板を脚羽根付の脚体により支持してなるテーブルやデスク等の家具においては、天板奥行寸法の異なる仕様毎に脚羽根の寸法が異なるため、下肢空間が仕様毎に違ったものとなり、違和感を抱く使用者も少なくない(第2の課題)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】コクヨ総合カタログ2017年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成28年12月,p.345
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に着目してなされたもので、少なくとも前述した第1及び第2の課題を解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明に係る家具は、家具本体と、この家具本体を支持する脚体とを具備してなり、前記脚体が、前記家具本体を担持するコア部と、このコア部とは別体をなし基端側が前記コア部の起立した外側端面に取着された脚羽根とを備えたものであって、前記家具本体が、天板を備えたものであり、前記脚体が前記天板を支持するものであるとともに、前記コア部が、パイプ同士を結合したものを具備するものである。
【0013】
請求項2記載の発明に係る家具は、請求項1記載の構成のものにおいて、前記コア部が、汎用部材を用いて作られた構造体であり、前記脚羽根が、成形体であるものである。
【0014】
請求項3記載の発明に係る家具は、請求項1又は2記載の構成のものにおいて、前記コア部が、壁体状のものであり、そのコア部の少なくとも一端に前記脚羽根が設けられているものである。
【0015】
請求項4記載の発明に係る家具は、請求項3記載の構成のものにおいて、前記コア部の両端に前記脚羽根がそれぞれ設けられており、前記両脚羽根の先端側及び前記コア部に高さ調節可能な接地体がそれぞれ設けられているものである。
【0016】
請求項5記載の発明に係る家具は、請求項1又は2記載の構成のものにおいて、前記コア部が、角柱状のものであり、そのコア部の角部分に前記脚羽根がそれぞれ設けられているものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、奥行寸法の異なる家具を複数種類取り揃えてシリーズ化するような場合において、奥行寸法の異なる種々の脚体に対して共通の脚羽根を使用でき、当該脚羽根を成形するための金型は一種類のもので対応することができる。従って、前記第1の課題、すなわち寸法の異なる複数種類の脚羽根を用意することによる金型の増加等に伴う製造上の手間やコストアップといった課題を解消できる。
【0018】
また、請求項1に係る発明によれば、天板の奥行寸法を異ならせつつ、共通の脚羽根を使用できることから、前記第1の課題を解消できるだけでなく、前記第2の課題、すなわち天板の奥行寸法に対応させて脚羽根の寸法が異ならせることにより生じる、下肢空間が仕様毎に違ったものとなり、少なくない使用者に違和感を抱かせるという課題も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図2】同実施形態に係るテーブルを示す部分斜視図。
【
図3】同実施形態に係るテーブルの脚体を示す斜視図。
【
図4】同実施形態に係るテーブルの脚体を示す分解斜視図。
【
図5】同実施形態に係るテーブルの脚体の要部を示す図。
【
図6】同実施形態に係るテーブルの脚体の接地状態を示す作用説明図。
【
図7】同実施形態に係るテーブルの脚体の接地状態を示す作用説明図。
【
図8】同実施形態に係るテーブルの脚体の接地状態を示す作用説明図。
【
図9】同実施形態に係るテーブルの脚体の接地状態を示す作用説明図。
【
図10】本発明の第二実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図11】本発明の第三実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図12】本発明の第四実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図13】本発明の第五実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図14】同実施形態に係るテーブルの脚体の要部を示す図。
【
図15】本発明の第六実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図16】同実施形態に係るテーブルの脚体の要部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を、図面を参照しつつ以下に示す。
<第一実施形態>(
図1~
図9)
本実施形態は、本発明を家具であるテーブルT1に適用したものであり、
図1は、前記テーブルT1の斜視図、
図2は、同テーブルT1を下側から観察した部分斜視図である。
図3は、同テーブルT1の脚体2を示す斜視図、
図4は、同脚体2の分解斜視図、
図5の(a)は、同脚体2の底面図、
図5の(b)は、
図5の(a)におけるA-A線に対応する部分断面図である。
図6~
図9は、脚体2の接地状態を示す作用説明図である。
【0021】
詳述すれば、このテーブルT1は、家具本体である天板1と、この天板1を支持する脚体2とを具備してなる。
【0022】
前記天板1は、
図2に示すように、天板本体3と、前記天板本体3を下面側から支持する支持フレーム4とを備えたものであり、この天板本体3の長手方向両端部を本発明に係る脚体2により支持するとともに、長手方向中央部を中間脚体5により支持している。前記天板本体3は、平板状のもので、奥行方向両端を使用端としている。前記支持フレーム4は、
図2に示すように、天板本体3の使用端に沿って長手方向に延びる対をなす縦フレーム部材41と、これら縦フレーム部材41の長手方向両端部同士を連結する第1の横フレーム部材42と、前記縦フレーム部材41の長手方向中央部同士を連結する第2の横フレーム部材43とを備えている。そして、前記各第1の横フレーム部材42の下側に前記脚体2を配しているとともに、前記第2の横フレーム部材43の下側に前記中間脚体5を配している。
【0023】
前記脚体2は、
図1~
図3及び
図5に示すように、前記天板1を担持するコア部6と、このコア部6とは別体をなし基端側が前記コア部6の起立した外側端面6aに取着された脚羽根7とを備えたものである。
【0024】
前記コア部6は、汎用部材を用いて作られた壁体状をなす構造体である。具体的には、このコア部6は、
図2及び
図4に示すように、平行に起立した対をなす縦パイプ61と、これら縦パイプ61の下端近傍部同士を結合する横パイプ62と、これら縦パイプ61及び横パイプ62を隠蔽するカバー63とを具備してなる。前記縦パイプ61は、汎用部品である角型パイプ部材を所定の長さに切断したもので、その上端部及び下端部に上下のナット611、612が溶接等によりそれぞれ固設されている。前記横パイプ62は、汎用部品である角型パイプ部材を所定の長さに切断した上で、その両端に取付用のフランジ621を溶接等により固設したものであり、このフランジ621及び前記縦パイプ61にネジ挿通孔621x、61xがそれぞれ設けられている。そして、これらのネジ挿通孔621x、61xに内側から挿通したネジv2を前記脚羽根7の基端部に形成された雌ネジ孔7xに螺着している。また、このコア部6の縦パイプ61の上端に設けた前記上のナット611に螺着されるネジv1により、この縦パイプ61の上端にブラケット64と前記横フレーム部材42とが共締め固定されている。このブラケット64の両端部にはネジ挿通孔64xが設けられており、このネジ挿通孔64xに下側から挿通させた図示しないネジを天板本体3の図示しない埋設ナットに螺着することにより当該コア部6と前記天板本体3とが接続されている。加えて、前記両縦パイプ61の下端部外面すなわち当該コア部6の起立した外側端面6aには、前記脚羽根7を取り付けるための嵌合孔61yが穿設されている。一方、前記カバー63は、汎用部材である板金素材を所定の形態に打ち抜くとともに両側縁を折り曲げ加工することにより作られたものである。
【0025】
前記脚羽根7は、金型を用いて成形された成形体、具体的には、例えばアルミダイキャスト製のものであり、
図4及び
図5に示すように、基端部7aに前記コア部6の外側端面6aにスペーサ70を介して当接する平坦面71とこの平坦面71の所定部位に突設され前記スペーサ70を貫通して前記コア部6の嵌合孔61yに嵌合する位置決め突起72とを備えている。この脚羽根7は、前記基端部7aから片持ち的に外方に延出する形態をなすもので、その延出端部すなわち先端部7bの下面に接地体取り付け用の雌ネジ孔7yが形成されている。符号73は、前記縦パイプ61の外側面を被覆する化粧板であり、この化粧板73の外面73aと前記脚羽根7の基端部7aの外面7a1とは連続した形態をなしている。
【0026】
前記中間脚体5は、以上説明した脚体2から脚羽根7を取り除いた構造をなすものであり、コア部6の両端には前記化粧板73及び脚羽根7に代えて別の化粧板69が装着されている。
【0027】
以上説明した脚体2の両脚羽根7の先端側に高さ調節可能な第1の接地体8がそれぞれ設けられているとともに、前記コア部6の縦パイプ61の下端部に高さ調節可能な第2の接地体9がそれぞれ設けられている。
図5の(a)に示すように、これら第1及び第2の接地体8、9はその中心が共通の仮想直線L0上又はその近傍に位置するように略直列に配されている。具体的には、各接地体8、9は、外周にグリップ部を有する円盤状の接地体本体81、91と、この接地体本体81、91の中心部から上方に延出するネジ棒82、92とを備えたもので、第1の接地体8のネジ棒82は各脚羽根7の先端部7bの下面に設けられた前記雌ネジ孔7yに螺合進退可能に螺着されているとともに、第2の接地体9のネジ棒92は各コア部6の縦パイプ61の下端部に設けられた前記下のナット612に螺合進退可能に螺着されている。
【0028】
前記第1及び第2の接地体8、9の高さ調整範囲は、第1の接地体8が床面Fに接地するとともに第2の接地体9が床面Fから離間している状態から、第1の接地体8が床面Fから離間し第2の接地体9が床面Fに接地する状態をとり得るような値に設定されている。従って、この設定によれば、全ての接地体8、9が床面Fに接地する態様もとることができる。また、前記第1の接地体8が主に床面Fに接地するとともに、前記第2の接地体9が前記脚羽根7のたわみに起因して床面Fに比較的軽く接地する態様や、前記第1の接地体8が床面Fに接地するとともに、前記第2の接地体9が床面Fから浮き上がる態様も採ることができる。
【0029】
このような構成のものであれば、脚羽根7をそのまま使用し、コア部6を寸法形状の異なったものにするだけで、異なった形態の脚体2を実現することができる。よって、脚羽根7という主要な構成部品の共通化を図りつつ、種々の仕様に対応することができる。すなわち、前記コア部6は汎用部材である角型パイプ部材を主体として構成された構造体であるため、奥行寸法の異なるものを比較的容易に取りそろえることができる。一方、前記脚羽根7は、奥行寸法の異なる種々の脚体2に対して同じものを用いることができ、当該脚羽根7を成形するための金型は一種類のもので対応することができる。従って、多種類の脚体2を比較的容易に製造することが可能となる。換言すれば、成形体である脚羽根7を変更するには新たな型が必要になるが、汎用部材を用いて作られるコア部6は、比較的容易に種々の形状寸法のものを製作することができる。そのため、全体としては形状や寸法の異なる種々の脚体2を複数の型を用意することなく製作することができる。
【0030】
また、天板1の奥行寸法に対応させて種々の寸法形状の脚体2を実現しても、脚羽根7を共通に使用することができるため、外観のイメージを統一することができる上に、使用端側における下肢空間も共通化される。換言すれば、天板1の奥行寸法に関わらず使用者と脚体2のコア部6との距離を一定に保つことができる
さらに、前記脚体2に、対をなす第1の接地体8と、これら第1の接地体間8に位置する少なくとも1つの第2の接地体9とが略直列に設けられており、前記第1の接地体8と前記第2の接地体9とを高さ調節可能なものにしているので、これら接地体8、9の高さを調節することにより、床面Fの多様な不陸に対応することができるとともに、荷重を分散して床面Fに加える設定や、荷重を特定の接地体を介して集中的に床面Fに加える設定を自在に選択することができる。
【0031】
加えて、前記第1の接地体8が主に床面Fに接地するとともに、前記第2の接地体9が前記脚羽根7のたわみに起因して床面Fに比較的軽く接地する態様を採れるように前記接地体8、9の高さ調整範囲が設定されているので、脚羽根7に作用する曲げ応力を軽減することができ、当該脚羽根7を可及的に細く軽量なものにすることができる。すなわち、荷重がかからない状態では
図6に示すように、第1の接地体8の高さ位置を第2の接地体9の高さ位置よりも脚羽根7のたわみを考慮した所定微小距離dだけ低く設定しておき、当該脚体2を床面Fに荷重をかけた状態で設置させた場合に、
図7に示すように、第1の接地体8が床面Fに接地するとともに、前記脚羽根7の撓みにより第2の接地体9も床面Fに軽く設置するような設定も可能になる。このようにしておけば、脚羽根7に作用する曲げ応力を軽減することができ、脚羽根7を頑丈なものにする必要性を軽減することができる。
【0032】
なお、脚羽根7の軽量化を最重要視しない場合や、家具(テーブルT1)自体の重量が過大でない場合には、
図8に示すように、前記第1の接地体8が床面Fに接地するとともに、前記第2の接地体9が床面Fから浮き上がる態様を採ることももちろん可能である。この態様では、最も遠い第1の接地体8のみにより荷重を集中的に床面に作用させることができるため、安定した設置が可能となる。
【0033】
さらに、
図9に示すように、家具(テーブルT1)を設置したままで脚羽根7を取り換える必要が生じた場合等に備えて第2の接地体9のみを接地させ、第1の接地体8が床面Fから離間した状態にすることもできる。
<第二実施形態>(
図10)
本実施形態の家具であるテーブルT2は、
図10に示すように、天板1と、前記天板1の長手方向一端側を支持するサイドユニットS2と、前記天板1の長手方向他端側を支持する脚体2と、前記天板1の長手方向中央部を支持する中間脚体5とを具備してなるものであり、第一実施形態と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
前記サイドユニットS2は、扉S21の内部に図示しない機器類収納空間等を備えたもので、その上壁S22上に天板1の一端部を配している。
<第三実施形態>(
図11)
本実施形態の家具であるテーブルT3は、
図11に示すように、天板1と、前記天板1の長手方向一端側を支持するサイドユニットS3と、前記天板1の長手方向他端側を支持する脚体2と、前記天板1の長手方向中央部を支持する中間脚体5とを具備してなるものであり、第一実施形態と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
前記サイドユニットS3は、前述した第二実施形態のサイドユニットS2に準じた構成をなすユニット本体S3Aと、このユニット本体S3Aの上部に設けられ、前記天板1の一端部を上から覆う上棚部S3Bとを備えたものであり、前記天板1の一端部を前記ユニット本体S3Aの上壁S32と前記上棚部S3Bとの間に配している。
<第四実施形態>(
図12)
本実施形態の家具であるテーブルT4は、
図12に示すように、天板1と、前述した第二実施形態のサイドユニットS2に準じた構成をなすユニット本体S4A及びこのユニット本体S4Aの後方及び側方に配され該ユニット本体S4Aの後半部、及びその上方の空間の側方及び後方を覆うパネルS4Pを備えたサイドユニットS4と、前記天板1の他端側を支持する脚体2とを具備してなるものであり、第一実施形態と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
前記サイドユニットS4のユニット本体S4Aは、扉S41の内部に図示しない機器類収納空間等を備えたもので、その上壁S42上に天板1の一端部を配している。
<第五実施形態>(
図13~
図14)
本実施形態は、本発明を家具である円形テーブルT5に適用したものであり、
図13は、前記円形テーブルT5の斜視図、
図14の(a)は、同円形テーブルT5の底面図、
図14の(b)は、
図14の(a)におけるB-B線に対応する部分断面図である。
【0037】
詳述すれば、この円形テーブルT5は、
図13及び
図14に示すように、家具本体である円形の天板1と、この天板1を支持する脚体2とを具備してなる。
【0038】
前記脚体2は、
図13及び
図14に示すように、前記天板を担持するコア部6と、このコア部6とは別体をなし基端側が前記コア部6の起立した外側端面6aに取着された4本の脚羽根7とを備えたものである。
【0039】
前記コア部6は、角柱状、具体的には四角柱状のもので、
図14に示すように、4本の縦パイプ61と、これら縦パイプの下端部間を連結する横パイプ62と、これら縦パイプ61及び横パイプ62を隠蔽するカバー63とを具備してなる。前記縦パイプ61及び前記横パイプ62は、汎用部材である角型パイプ部材を所定の長さに切断したもので、縦パイプ61が4本ある点と横パイプ62が角型パイプ部材を十字に交差させて溶接等により剛結した点を除き、前記第一実施形態のコア部6に準じた構成をなしている。そのため、第一実施形態と同一又は相当する部位には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
前記脚羽根7は、
図13及び
図14に示すように、前記コア部6の角部分にそれぞれ設けられており、前記第一ないし第四実施形態の脚羽根と全く同じ構成を有するものである。
【0041】
前記各脚羽根7の先端部7bには高さ調節可能な第1の接地体8が設けられており、前記コア部6の下面における角部には高さ調節可能な第2の接地体9が設けられている。そして、対向する2本の脚羽根7の先端間に想定した仮想直線L1に沿って前記第1、第2の接地体8、9が直列に配されている。
<第六実施形態>(
図15~
図16)
本実施形態は、本発明を家具である机Dに適用したものであり、
図15は、前記机Dの斜視図、
図16の(a)は、同机Dの底面図、
図16の(b)は、
図16の(a)におけるC-C線に対応する部分断面図である。
【0042】
詳述すれば、この机Dは、
図15及び
図16に示すように、家具本体である天板1と、この天板を支持する脚体2とを具備してなる。
【0043】
前記天板1は、
図15及び
図16に示すように、奥行方向一端のみを使用端とする長方形状のもので、長手方向両端部が前記脚体2により支持されている。また、前記天板1の反使用端の下方には幕板Mが配されている。
【0044】
前記脚体2は、
図15及び
図16に示すように、前記天板1を担持するコア部6と、このコア部6とは別体をなし基端側が前記コア部6の起立した外側端面6aに取着された脚羽根7とを備えたものである。
【0045】
前記コア部6は、壁体状のもので、
図16に示すように、一方の起立した外側端面6aにのみ前記脚羽根7が取り付けられている。このコア部6の基本的な構成は、第一実施形態の脚体2のコア部6に準じたものであり、同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
前記脚羽根7は、前記第一ないし第五実施形態の脚羽根7と全く同一のものである。
【0047】
また、
図16に示すように、前記各脚羽根7の先端部7bには高さ調節可能な第1の接地体8が設けられており、前記コア部6の下面における両端部には高さ調節可能な第2の接地体9が設けられている。そして、これら第1及び第2の接地体8、9はその中心が共通の仮想直線L2上又はその近傍に位置するように略直列に配されている。
【0048】
これら第二ないし第六実施形態の構成であっても、脚体2が、天板1を担持するコア部6と、このコア部6とは別体をなし基端側が前記コア部6の起立した外側端面6aに取着された脚羽根7とを備えたものであるので、本発明の最も主要な効果、すなわち、第一実施形態のものと共通の脚羽根7をそのまま使用し、コア部6を寸法形状の異なったものにするだけで、異なった形態の脚体2を実現することができ、脚羽根7という主要な構成部品の共通化を図りつつ、種々の仕様に対応することができるという効果を得ることができる。さらに、脚羽根7を共通に使用することができることから、外観のイメージを統一することができる上に、使用端側における下肢空間も共通化される、すなわち天板1の形状に関わらず使用者と脚体2のコア部6との距離を一定に保つことができるという効果も得ることができる。
【0049】
なお、本発明は、天板付き家具に限らず、T字脚またはそれに準じた脚体を有する家具全般に適用が可能である。
【0050】
また、コア部の構成は任意のものであってもよく、前記脚羽根が成形体である必要もない。但し、上述した各実施形態のように、コア部が汎用部材を用いて作られた構造体であるとともに、前記脚羽根が成形体であれば、前述したように、汎用部材により比較的容易に種々の形状寸法のコア部を製作することができる一方、脚羽根を共通に使用することにより脚羽根を形成するための金型を一種類のもので対応させることができるので、形状や寸法の異なる種々の脚体を複数の型を用意することなく製作することができる。
【0051】
さらに、前記コア部が、壁体状のものである必要はなく、種々の形状のコア部を採用できる。
【0052】
加えて、脚羽根の設置態様も、基端側がコア部の起立した外側端面に取着されているものであれば、その設置箇所等は任意のものであってもよい。但し、前述した第一ないし第四実施形態のように、前記コア部の両端に前記脚羽根がそれぞれ設けられており、前記両脚羽根の先端側及び前記コア部に高さ調節可能な接地体がそれぞれ設けられているものであれば、前述したように、接地体の高さを調節することにより、床面の多様な不陸に対応することができるとともに、荷重を分散して床面に加える設定や、荷重を特定の接地体を介して集中的に床面に加える設定を自在に選択することができる。
【0053】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0054】
T1~T5、D…家具(テーブル、机)
1…家具本体(天板)
2…脚体
6…コア部
6a…コア部の外側端面
7…脚羽根
7a…脚羽根の基端部
7b…脚羽根の先端部