(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】積層剥離容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20220224BHJP
B65D 1/02 20060101ALI20220224BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B65D1/02 111
B65D77/04 B
(21)【出願番号】P 2017254171
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝幸
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-319467(JP,A)
【文献】特開2011-016554(JP,A)
【文献】特開2015-058980(JP,A)
【文献】実開平02-069885(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01400464(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
B65D 1/02
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する容器本体と、前記容器本体に装着されるポンプを備える積層剥離容器であって、
前記ポンプは、前記内袋内に配置される導液管を備え、
前記導液管は、流通路と、流通溝を備え、
前記流通路は、前記導液管の内部において、前記導液管の長手方向に沿って延び、
前記流通溝は、前記導液管の外周面に設けられ、且つ前記導液管の長手方向に対して非平行に延びる部位を有
し、
前記流通溝は、螺旋形状の螺旋溝を有し、
前記流通溝内に螺旋状の突起が設けられる、積層剥離容器。
【請求項2】
請求項1に記載の積層剥離容器であって、
前記流通溝は、前記螺旋溝を複数回横切る縦溝を備える、積層剥離容器。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の積層剥離容器であって、
前記流通溝の側面は、前記導液管の外表面との角度が鋭角になるように傾斜している部位を有する、積層剥離容器。
【請求項4】
請求項1
又は請求項2に記載の積層剥離容器であって、
前記流通溝の側面は、前記導液管の外表面との角度が鈍角になるように傾斜している部位を有する、積層剥離容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物の減少に伴って内袋が収縮する積層剥離容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外殻と内袋を備え且つ内容物の減少に伴って内袋が収縮する積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の積層剥離容器では、吸引部の外周面に凹凸が設けられており、凹凸によって密閉袋が吸引部に密着することが防止されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者が特許文献1の積層剥離容器について検討を行ったところ、密閉袋は、縦方向に筋が形成されるように収縮する場合があり、その場合に密閉袋が凹凸の凹部に密着して内容物の流動が妨げられてしまう場合があることに気がついた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内袋がポンプの導液管に密着して内容物の流動が妨げられることを抑制することができる積層剥離容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する容器本体と、前記容器本体に装着されるポンプを備える積層剥離容器であって、前記ポンプは、前記内袋内に配置される導液管を備え、前記導液管は、流通路と、流通溝を備え、前記流通路は、前記導液管の内部において、前記導液管の長手方向に沿って延び、前記流通溝は、前記導液管の外周面に設けられ、且つ前記導液管の長手方向に対して非平行に延びる部位を有する、積層剥離容器が提供される。
【0007】
本発明では、筒部の外周面に設けられる流通溝が、筒部の長手方向に対して非平行に延びる部位を有する。このような構成によれば、縦方向に筋が形成されるように内袋が収縮した場合でも、内袋が流通溝の底に密着しにくいので、内袋がポンプの導液管に密着して内容物の流動が妨げられることが抑制される。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記流通溝は、螺旋形状の螺旋溝を有する、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記螺旋溝は、巻きの方向が異なる二重螺旋形状である積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記流通溝は、前記螺旋溝を複数回横切る縦溝を備える、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記流通溝内に突起が設けられる、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記流通溝の側面は、前記導液管の外表面との角度が鋭角になるように傾斜している部位を有する、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記流通溝の側面は、前記導液管の外表面との角度が鈍角になるように傾斜している部位を有する、積層剥離容器である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態の積層剥離容器1の正面図である。
【
図2】
図1から容器本体3を抜き出した状態の正面図である。
【
図7】内袋14が導液管25に密着しようとする状態を示す、
図3と同じ断面の断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態の積層剥離容器1の導液管25の斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施形態の積層剥離容器1の導液管25の斜視図である。
【
図10】本発明の第4実施形態の積層剥離容器1の導液管25の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0011】
1.第1実施形態
図1~
図7に示すように、本発明の第1実施形態の積層剥離容器1は、容器本体3と、ポンプ22と、キャップ23を備える。容器本体3は、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。容器本体3には外気導入孔15が設けられている。
【0012】
図3に示すように、 容器本体3は、収容部7及び口部9において、外殻12と内袋14を備える。内容物の減少に伴って内袋14が外殻12から離れることによって、内袋14が外殻12から離れて収縮する。
【0013】
外殻12は、復元性が高くなるように、内袋14よりも肉厚に形成される。外殻12は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外殻12は、複数層構成であってもよい。内袋14は、複数の層から構成することが好ましい。例えば、外層と接触する層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなるEVOH層を用い、内容物に接触する層に、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなる内面層を用いることができる。そして、上記EVOH層と内面層との間には、接着層を用いることが好ましい。
【0014】
図1に示すように、収容部7には凹部7aが設けられており、凹部7aに外気導入孔15が設けられている。外気導入孔15は、外殻12にのみ設けられた貫通孔であり、中間空間21と外部空間Sとを連通する。
【0015】
口部9には、キャップ23と係合可能な係合部9dが設けられている。キャップ23は、打栓式で装着するものであってもよく、ネジ式で装着するものであってもよい。
【0016】
図3に示すように、キャップ23は、上部23tと、上部23tに設けられた挿通孔23kと、上部23tの外周から筒状に延びる筒部23fと、筒部23fの内周面に沿って設けられた係合部23cを備える。係合部23cは、口部9の係合部9dに係合可能な環状の突起である。
【0017】
ポンプ22は、容器本体3内の内容物を吸い出し可能に構成されている。ポンプ22は、具体的には、
図4に示すように、筒状のシリンダ24と、ピストン26と、導液管25と、ノズルヘッド27を備える。シリンダ24は、口部9に挿入される。ピストン26は、シリンダ24内で摺動して容器本体3内の内容物を吸い上げ可能に構成されている。導液管25は、容器本体3内の内容物をシリンダ24に導くように構成されている。ノズルヘッド27は、ピストン26によって吸い上げられた内容物を吐出する吐出口27aを有する。
【0018】
ピストン26は、シリンダ24内に収容されているコイルバネ31によって常に上方に(シリンダ24の吸込口24cから離れる方向に)付勢されている。シリンダ24には逆止弁32が内蔵されており、シリンダ24の収容空間24d内の内容物が容器本体3内に逆流しないようになっている。また、収容空間24dから吐出口27aに至る経路中にも逆止弁33が設けられており、外気が収容空間24d内に入り込まないようになっている。
【0019】
導液管25は、流通路25aと、流通溝25bを備える。流通路25aは、導液管25の内部において、導液管25の長手方向に沿って延びる。流通溝25bは、導液管25の外周面に設けられている。流通溝25bは、螺旋形状の螺旋溝で構成されている。流通溝25bは、導液管25の長手方向に対して非平行に延びている。
【0020】
図5に示すように、螺旋の一周のピッチをPとし、流通溝25bの幅をWとすると、W/Pは、0.01~0.99が好ましく、0.1~0.9がさらに好ましい。W/Pは、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、0.99であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本実施形態では、W/Pは、0.55である。
【0021】
導液管25の直径をDとすると、W/Dは、0.01~10が好ましく、0.1~5がさらに好ましい。W/Dは、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本実施形態では、W/Dは、0.85である。
【0022】
導液管25の長手方向をXとし、流通溝25bが延びる方向をYとすると、XとYの間の角度αは、5~85度が好ましく、20~70度がさらに好ましい。角度αは、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本実施形態では、α=45度である。
【0023】
流通溝25bの深さをdとすると、d/Dは、0.01~0.5が好ましく、0.5~0.3が好ましい。d/Dは、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本実施形態では、d/D=0.14である。
【0024】
ここで、本実施形態の積層剥離容器1の作用効果について説明する。
内容物を収容部7に収容した後に、
図1に示すように、ポンプ22及びキャップ23を装着した状態で、ノズルヘッド27を押し下げると、シリンダ24の収容空間24d内の内容物が吐出口27aから吐出される。その後、ノズルヘッド27から手を離すと、コイルバネ31の付勢力によってピストン26が上方に移動すると共に収容空間24d内が減圧される。これによって逆止弁32が開放されると共に内容物が収容空間24d内に吸い上げられる。
【0025】
内容物が吸い上げられると、内袋14が収縮する。内容物の吸い上げに伴って、外殻12にも収縮力が働くが、外殻12には外気導入孔15が設けられているので、外気導入孔15を通じて中間空間21内に外気が速やかに導入され、外殻12の復元力によって外殻12が内袋14から剥離されながら元の形状に復帰する。
【0026】
内袋14内の内容物が少なくなると、
図7に示すように、高さ方向の略中央位置Cにおいて、内袋14が導液管25の外表面に密着する場合がある。本実施形態では、導液管25の外周面に流通溝25bが設けられているので、内袋14が導液管25の外表面に密着している状態であっても流通溝25bを通じて内容物が流動可能であるので、位置Cの上側の内容物が位置Cの下側に向かって流動することが妨げられない。また、流通溝25bが導液管25の長手方向に対して非平行に延びるので、縦方向に筋が形成されるように内袋14が収縮した場合でも、内袋14が流通溝25bの底に密着しにくい。このため、内袋14が流通溝25bの底に密着して内容物の流動が妨げられることも抑制される。このため、位置Cよりも上側に内容物が残留することが抑制される。
【0027】
2.第2実施形態
図8を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、流通溝25bの形状が異なっている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0028】
本実施形態では、流通溝25bは、螺旋溝25b1と、縦溝25b2を備える。螺旋溝25b1は、第1実施形態と同様の螺旋形状であり、縦溝25b2は、螺旋溝25b1を複数回横切るように構成されている。
【0029】
本実施形態では、万が一、螺旋溝25b1内に内袋14が入り込んでしまっても、縦溝25b2を通じて内容物の流動が確保されるという利点がある。
【0030】
縦溝25b2は、導液管25の長手方向に対して平行に延びるものであっても非平行に延びるものであってもよい。縦溝25b2の幅をwとすると、w/Dは、0.01~0.5が好ましく、0.5~0.3が好ましい。w/Dは、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本実施形態では、w/D=0.29である。
【0031】
3.第3実施形態
図9を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しているが流通溝25b内に突起25cが設けられている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0032】
第1実施形態では、導液管25の長手方向に対して非平行に延びる流通溝25bが設けられているが、流通溝25bの幅が広い場合には、内袋14の収縮態様によっては、内袋14が流通溝25b内に入り込んで内容物の流動を妨げる虞がある。本実施形態では、流通溝25b内に突起25cを設けることによって、内袋14が流通溝25b内に入り込むことを阻止しているので、内袋14が流通溝25b内に入り込む虞がさらに低減される。
【0033】
なお、本実施形態では、突起25cは、螺旋状に設けられており、突起25cによって流通溝25bが分割されて、巻きの方向が同じである二重螺旋形状の流通溝25b3,25b4となっている。
【0034】
4.第4実施形態
図10を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、流通溝25bの形状が異なっている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0035】
本実施形態では、流通溝25bは、右螺旋溝25brと左螺旋溝25blを備える。右螺旋溝25brは、右巻きの螺旋溝であり、左螺旋溝25blは、左巻きの螺旋溝である。
【0036】
本実施形態では、万が一、螺旋溝25br,25blの一方に内袋14が入り込んでしまっても、螺旋溝25br,25blの他方を通じて内容物の流動が確保されるという利点がある。
【0037】
5.第5~第9実施形態
図11を用いて、第5~第9実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、流通溝25bの形状が異なっている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0038】
図11Aに示す第5実施形態では、流通溝25bは、導液管25の長手方向に対して非平行に延びる直線溝を備える。
【0039】
図11Bに示す第6実施形態では、流通溝25bは、円弧状に延びる円弧溝を備える。
【0040】
図11Cに示す第7実施形態では、流通溝25bは、ジグザグ状に延びるジグザグ溝を備える。
【0041】
図11Dに示す第8実施形態では、流通溝25bは、波線状に延びる波線溝を備える。
【0042】
図11Eに示す第9実施形態では、流通溝25bは、ジグザグ溝25b5と、直線溝25b6を備える。ジグザグ溝25b5は、
図11Cと同様の形状である。直線溝25b6は、導液管25の長手方向に対して平行に延びる。直線溝25b6は、ジグザグ溝25b5の上端から連続して延びるように設けられている。
図11Eに示すように、流通溝25bの一部が導液管25の長手方向に対して平行に延びていてもよい。
【0043】
6.流通溝25bの断面形状の変形例
図12を用いて、流通溝25bの変形例について説明する。以下の変形例は、第1~第9実施形態の何れにも適用可能である。
【0044】
図12Aでは、上記実施形態と同様に、流通溝25bの断面形状は、矩形状になっている。この場合、流通溝25bの側面と導液管25の外表面の角度βが90度である。このような形態では、内袋14の収縮態様によっては内袋14が流通溝25bの底に密着して流通溝25bが塞がれてしまう虞がある。
【0045】
図12Bに示す変形例では、流通溝25bの側面は、流通溝25bの側面と導液管25の外表面の角度βが鋭角になるように傾斜している。角度βは、本実施形態では、73度である。角度βは、例えば30~85度であり、具体的には例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。角度βが鋭角であると、内袋14が流通溝25bの底に密着したとしても、内袋14と流通溝25bの側面の間の空間が比較的大きくなるので、流通溝25bが閉塞されにくい。
【0046】
図12Cに示す変形例では、流通溝25bの側面は、円弧状になっており、流通溝25bの側面の一部において、流通溝25bの側面と導液管25の外表面の角度βが鋭角になるように傾斜している。このような形態でも、
図12Bと同様の作用によって流通溝25bが閉塞されにくい。
【0047】
図12Dに示す変形例では、流通溝25bの側面は、流通溝25bの側面と導液管25の外表面の角度βが鈍角になるように傾斜している。角度βは、本実施形態では、108度である。角度βは、例えば95~150度であり、具体的には例えば、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。角度βが鈍角であると、内袋14が流通溝25bの側面に当接しやすいので、内袋14が流通溝25bの底に密着することが抑制される。
【0048】
図12Eに示す変形例では、流通溝25bは、V字状になっており、流通溝の側面は、流通溝25bの側面と導液管25の外表面の角度βが鈍角になるように傾斜している。このような形態でも、
図12Dと同様の作用効果が奏される。
【0049】
7.その他実施形態
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態のポンプ及びキャップの構造は一例であり、別の構造のポンプを用いてもよく、キャップは不要な場合には省略可能である。
・上記実施形態では、外気導入孔15は、収容部7に設けているが、外気導入孔15は、別の位置(例:口部9)に設けてもよい。
・上記実施形態では、外気導入孔15に弁を装着していないが、中間空間21への外気の流入が可能な弁を装着してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 :積層剥離容器
3 :容器本体
7 :収容部
7a :凹部
7b :流通溝
7c :底部
9 :口部
9d :係合部
12 :外殻
14 :内袋
14a :封止部
15 :外気導入孔
21 :中間空間
22 :ポンプ
23 :キャップ
23c :係合部
23f :筒部
23k :挿通孔
23t :上部
24 :シリンダ
24c :吸込口
24d :収容空間
25 :導液管
25a :流通路
25b :流通溝
25b1 :螺旋溝
25b2 :縦溝
25b3 :流通溝
25b4 :流通溝
25b5 :ジグザグ溝
25b6 :直線溝
25bl :左螺旋溝
25br :右螺旋溝
25c :突起
26 :ピストン
27 :ノズルヘッド
27a :吐出口
28 :密着部
31 :コイルバネ
32 :逆止弁
33 :逆止弁
S :外部空間