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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/65 20140101AFI20220224BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20220224BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220224BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220224BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20220224BHJP
   G09B 29/00 20060101ALN20220224BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/822
G09B29/10 A
G01C21/26 C
A63F13/216
G09B29/00 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019143627
(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公開番号】P2021023533
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2019-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】坪倉 淑恵
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-177088(JP,A)
【文献】特開2016-209110(JP,A)
【文献】特開2017-131636(JP,A)
【文献】特開2002-282553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G09B 29/00、29/10
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクトは複数種類用意されており、
前記第2オブジェクトを使用するための使用条件が設定されたゲームイベントが用意されており、実行される前記ゲームイベントについて前記使用条件が満たされている前記第2オブジェクトが使用可能に設定される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量を含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
少なくとも前記消費媒体の消費量がゲームイベントを実行するユーザに報知される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとのゲームイベントの状況に応じて、前記ゲームイベントを実行するユーザに関連づけられるゲーム媒体の量が変化する、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記交通経路情報は、複数種類用意されており、その種類に応じて分類されて前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベントを実行するユーザに報知される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクト移動手段は、前記ゲーム空間内における前記第2オブジェクトの移動時間の長さに応じて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベント内での前記第2オブジェクトに関するミニイベントの発生頻度を変化させる、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクト移動手段は、一のユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトを設定し、
前記第1オブジェクト移動手段は、前記一のユーザとは異なる他のユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの動作を制御する、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームイベントには、前記第2オブジェクトの移動についての移動条件が設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第2オブジェクトごとに、前記ゲーム空間内において移動することができる場所、および/または、前記ゲーム空間内において初期配置することができる場所、が設定されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1オブジェクトおよび前記第2オブジェクトは、それぞれ複数種類用意されており、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベントが実行される際に、少なくとも前記ゲームイベントに使用される種類の前記第1オブジェクトならびに前記ゲーム空間内における前記第1オブジェクトの目的位置および移動方向が決定されたのち、少なくとも前記ゲームイベントに使用される種類の前記第2オブジェクトおよび前記ゲーム空間内における前記第2オブジェクトの初期位置が決定される、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータが、現実空間における事象を取得し、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベントにおいて、前記事象がリアルタイムで反映される、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第1オブジェクトは敵キャラクタであって、
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトと戦闘を行う味方キャラクタであって、
移動開始前の前記第1オブジェクトおよび前記第2オブジェクトの間の距離と、前記第1オブジェクトに対する前記第2オブジェクトの前記戦闘における優位性とは、相反する関係にある
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクトは複数種類用意されており、
前記第2オブジェクトを使用するための使用条件が設定されたゲームイベントが用意されており、実行される前記ゲームイベントについて前記使用条件が満たされている前記第2オブジェクトが使用可能に設定される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量を含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
少なくとも前記消費媒体の消費量がゲームイベントを実行するユーザに報知される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとのゲームイベントの状況に応じて、前記ゲームイベントを実行するユーザに関連づけられるゲーム媒体の量が変化する、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記交通経路情報は、複数種類用意されており、その種類に応じて分類されて前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベントを実行するユーザに報知される、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクト移動手段は、前記ゲーム空間内における前記第2オブジェクトの移動時間の長さに応じて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを使用するゲームイベント内での前記第2オブジェクトに関するミニイベントの発生頻度を変化させる、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させ、
前記第2オブジェクト移動手段は、一のユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトを設定し、
前記第1オブジェクト移動手段は、前記一のユーザとは異なる他のユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの動作を制御する、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と
を備えることを特徴とする、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、所定位置から目的位置までの交通に関する情報を検索してユーザに知らせる、いわゆる経路案内システムが知られている。このシステムの機能により、ユーザは、交通に関する情報を確認して、目的位置に向かうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5931188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記機能がゲームに応用されることにより、当該ゲームに対するユーザの興趣性はより高まると予想される。しかしながら、そのようなゲームは、未だ存在していない。
【0005】
本発明の目的は、ユーザにとって興趣性の高いゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して前記第1オブジェクトに近づけるべく移動させたと仮定した場合に、前記第2オブジェクトの前記第1オブジェクトとの距離が所定距離以内となる予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させることを特徴とする、ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の発明では、コンピュータを、
前記ゲーム空間内における前記第2オブジェクトの位置を変更する位置変更手段、
として更に機能させ、
前記位置変更手段により前記第2オブジェクトの位置が変更されたあと、前記第2オブジェクト移動手段は、変更後の位置から前記第2オブジェクトを移動させる
ことができる。
【0008】
また、第1の発明では、
前記位置変更手段は、前記第2オブジェクトの位置を、前記ユーザの指定する前記ゲーム空間内の所定位置に変更させる
ことができる。
【0009】
また、第1の発明では、
前記算出手段は、複数の前記交通経路情報を算出し、
コンピュータを、
複数の前記交通経路情報を、選択可能に報知部に報知させる経路報知制御手段、
として更に機能させ、
前記第2オブジェクト移動手段は、報知された複数の前記交通経路情報のうち、ユーザの操作に応じて選択された前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを移動させる
ことができる。
【0010】
また、第1の発明では、
前記算出手段は、前記第2オブジェクトが移動を開始したあとの所定タイミングにて、前記第1オブジェクトおよび前記第2オブジェクトそれぞれの現在位置に基づいて前記交通経路情報を再度算出し、
前記交通経路情報が再度算出されたあと、前記第2オブジェクト移動手段は、再度算出された前記交通経路情報に従って前記第2オブジェクトを移動させる
ことができる。
【0011】
また、第1の発明では、
コンピュータを、
前記第1オブジェクトの様子および/または前記第2オブジェクトの様子を報知部に報知させる様子報知制御手段、
として更に機能させることができる。
【0012】
また、第1の発明では、
前記第1オブジェクトは敵キャラクタであって、
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトと戦闘を行う味方キャラクタであって、
移動開始前の前記第1オブジェクトおよび前記第2オブジェクトの間の距離と、前記第1オブジェクトに対する前記第2オブジェクトの前記戦闘における優位性とは、相反する関係にある
ことができる。
【0013】
第2の発明は、コンピュータを、
現在もしくは過去に実在または現在計画されている地図情報を示すゲーム空間において、第1オブジェクトを移動させる第1オブェクト移動手段と、
前記第1オブジェクトとは別の第2オブジェクトを、現在もしくは過去に実在または現在計画されている交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して、前記ゲーム空間内で前記第1オブジェクトに対し所定目的を果たすべく移動させたと仮定した場合における、前記所定目的を果たすための所定の位置に前記第2オブジェクトが到達する予定時刻、前記ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき前記ゲーム空間内にて有効な消費媒体の消費量、前記ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段と、
前記交通経路情報に従って、前記第2オブジェクトを、前記ゲーム空間内において前記交通経路情報に対応する前記ゲーム空間内手段を用いて移動させる第2オブジェクト移動手段と、
として機能させることを特徴とする、ゲームプログラムである。
【0014】
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えることを特徴とするゲームシステムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザにとって興趣性の高いゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を模式的に示す図である。
図2】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図3】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図4】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図5】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図6】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図7】ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面例を示す図である。
図8】本実施形態におけるゲームシステムの一連の動作の流れを表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
【0018】
<ゲームの説明>
図1に示す本実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0019】
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のキャラクタ(プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタ)を仮想ゲーム空間で活動させたり、キャラクタ同士で対戦させたりする。
【0020】
本実施形態のゲームは、交通経路を案内する機能を駆使して進行するものである。具体的に、図2に示すように、仮想ゲーム空間には、現在または過去の実在の地図情報が描かれている。地図情報には、実在の交通手段に対応するゲーム空間内手段が含まれる。なお、本実施形態の地図情報には、地形のみ、建物のみ、およびこれらの組み合わせと、前記ゲーム空間内手段とを描いたものである。ただし、本実施形態の地図情報に含まれる地形や建物は、すべてが現実社会に実在するもの、一部は現実社会に実在するが他は架空のもの、すべてが現実社会に実在するものだが適宜デフォルメされているもの、などであることができる。
【0021】
クエスト時、図6に示すように、仮想ゲーム空間には、第1キャラクタである敵キャラクタch1と、第2キャラクタである味方キャラクタch2とが登場する。敵キャラクタch1および味方キャラクタch2それぞれは、1または複数登場する。敵キャラクタch1は、ノンプレイヤキャラクタであって、味方キャラクタch2は、ノンプレイヤキャラクタまたはプレイヤキャラクタである。
【0022】
敵キャラクタch1は、仮想ゲーム空間に出現したあと、所定の目的位置に向けて移動を開始する。敵キャラクタch1が味方キャラクタch2よりも先に目的位置に到達した時点で、クエストは失敗となる。そこで、ユーザは、敵キャラクタch1が出現したことをゲーム装置5の画面ch1(図2)にて確認すると、味方キャラクタch2を敵キャラクタch1に向かわせる(近づける)ための操作を行う。味方キャラクタch2は、敵キャラクタch1が目的位置に到達するよりも前に所定位置に到達して敵キャラクタch1に攻撃し(接触)、敵キャラクタch1が目的位置に到達することを阻止する。敵キャラクタch1を倒すことができた場合、クエストはクリアとなる。
【0023】
ここで、味方キャラクタch2の所定位置は、各キャラクタch1,ch2のオブジェクト同士が仮想ゲーム空間内にて近接する際の味方キャラクタch2の位置の他、キャラクタch1,ch2同士の距離がある程度離れているが味方キャラクタch2が敵キャラクタch1に攻撃できる位置、に設定される。つまり、味方キャラクタch2の所定位置は、味方キャラクタch2と敵キャラクタch1との距離が所定距離以下となる位置を言う。所定距離は、クエスト開始時のキャラクタch1,ch2同士の距離よりも短いものであり、予め適宜設定される。
【0024】
具体的には、クエスト開始時、図3の画面sc2に示すように、出現した敵キャラクタch1の目的位置および進行方向が表示され、これにより当該敵キャラクタch1のおおよその移動速度が割り出される。味方キャラクタch2は、適宜決定された初期位置に配置される。敵キャラクタch1の目的位置が判明したあと、敵キャラクタch1の属性(魔法には強いが打撃には弱い、火属性の攻撃には強いが水系の攻撃には弱い、麻痺などの状態異常に弱いなど)に応じて、ユーザは、その敵キャラクタch1に有効なステータスを有する味方キャラクタch2の選択操作を行う(図4の画面sc3)。
【0025】
選択された味方キャラクタch2を、実在の交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して敵キャラクタch1に向けて移動させたと仮定した場合の、移動経路、移動にかかる費用、所定位置に到達する予定時刻、移動距離の少なくとも1つを含む交通経路情報を、サーバ装置2は算出する。画面sc3に示すように、この交通経路情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される。選択された味方キャラクタch2について交通経路情報が複数算出された場合、ユーザは、好みに応じて1の交通経路情報を選択する操作を行う。
【0026】
なお、ユーザは、この画面sc3の前後において、必要に応じて、味方キャラクタch2を所望の位置に配置するための操作を適宜行うことができる。
【0027】
味方キャラクタch2および交通経路情報が選択されたあと、味方キャラクタch2は選択された交通経路情報に従って移動を開始する。移動中の敵キャラクタch1や味方キャラクタch2の様子は(電車に乗っている様子、寝ている様子など)、ゲーム装置5のディスプレイ61上に表示される(図6の画面sc5)。ユーザは、その画面の確認を、ゲームの楽しみの1つとすることができる。
【0028】
なお、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2には、ステータスを表すパラメータとして、体力値、魔法消費用ポイント、攻撃力、防御力、スキル値、レベル値、装備、属性、耐属性などが設定されている。属性には、火属性、水属性、風属性、雷属性などが設定されている。耐属性には、魔法には強い、打撃には強い、特定の属性には強い、などが設定されている。
【0029】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0030】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0031】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0032】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0033】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。
【0034】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0035】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0036】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、地図情報DB222、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2に関する各種データなどが記憶されている。
【0037】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが所有する味方キャラクタch2に関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額などが、対応づけて記憶されている。
【0038】
前記消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0039】
地図情報DB222には、現在または過去の実在の地図情報と、仮想ゲーム空間内にて地図情報を表すための、当該地図情報に対応する情報とが対応付けられている。以下では、これらの情報を、まとめて地図情報という。
【0040】
この地図情報DB222には、現在または過去の実在の土地の形態(地形)と、現在または過去の実在の交通手段に関する情報などが含まれる。交通手段には、電車、飛行機、バス、タクシー、自転車、バイク、徒歩などが含まれる。交通手段に関する情報には、路線情報、交通手段の名称、運行情報、時刻表、個々の交通手段の利用料金、移動に要する時間、乗り換えが必要であれば乗り換えに要する情報および時間、などが含まれる。
【0041】
また、地図情報DB222には、交通手段が乗り物(徒歩以外)の場合、その乗り物を利用した場合に見ることのできる風景、各種スポット(駅、建物など)に関する情報も含まれる。
【0042】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0043】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、地図情報DB管理手段234、オブジェクト動作決定手段235および算出手段236として機能する。
【0044】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、が挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報、敵キャラクタch1の移動に関する情報、味方キャラクタch2の移動に関する情報(交通経路情報など)、が挙げられる。
【0045】
ここで、ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、味方キャラクタch2として使用するキャラクタ、味方キャラクタch2が仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、前記ユーザDB221に記憶され管理される。
【0046】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0047】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求に伴って、図示しない抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0048】
―地図情報DB管理手段―
地図情報DB管理手段234は、地図情報DB222を管理する。地図情報DB管理手段234は、適宜、地図情報DB222を書き換えたり、更新したりする。
【0049】
例えば、ゲームにて利用中の地図情報が現実社会にて現在実在しているものであって、現実社会にて電車やバスの時刻表が変更となった場合、地図情報DB管理手段234は、地図情報DB222内の時刻表に対応する情報を、現実社会に対応させて更新する。現実社会にて新たに電車やバスの路線が誕生した場合、地図情報DB管理手段234は、その新たな路線についての情報(停車する位置とその時刻、所要時間、距離、移動にかかる費用など)を、地図情報DB222に追加する。廃止となったに電車やバスがある場合、地図情報DB管理手段234は、地図情報DB222から、該当する電車やバスに対応するゲーム空間内手段を削除する。
【0050】
―オブジェクト動作決定手段―
オブジェクト動作決定手段235は、仮想ゲーム空間内に登場する様々なオブジェクトの初期位置および動作を決定する。対象のオブジェクトとしては、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の他、仮想ゲーム空間内に登場する様々なキャラクタオブジェクト、車や自転車などの乗り物オブジェクト、動きのある武器や防具などのアイテムオブジェクト、キャラクタオブジェクトの背景オブジェクトなどが挙げられる。つまり、対象のオブジェクトには、仮想ゲーム空間内にて動作することのある、さまざまなオブジェクトが含まれる。
【0051】
例えば、オブジェクト動作決定手段235は、出現させる敵キャラクタch1、その敵キャラクタch1の目的位置、目的位置への到着予定時刻および移動方向を決定する。これらの情報は、開催されているイベント、現在時刻、ユーザが所有する味方キャラクタch2のレベルや属性などに応じて、適宜決定される。「時刻」は、仮想ゲーム空間内にて流れる時間軸、または、現実社会の時間軸に従って決定されたものである。
【0052】
なお、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2それぞれの初期位置を決定するあたり、オブジェクト動作決定手段235は、クエスト開始前(移動開始前)の敵キャラクタch1と味方キャラクタch2の間の距離と、敵キャラクタch1に対する味方キャラクタch2の戦闘における優位性とが相反する関係(条件)が満たされるように、各初期位置を決定する。クエスト開始前(移動開始前)の敵キャラクタch1と味方キャラクタch2との間の距離とは、敵キャラクタch1の初期位置と味方キャラクタch2の初期位置との間の距離である。
【0053】
具体的には、敵キャラクタch1に対して戦闘に有効なステータスを有する(強い)味方キャラクタch2である程、当該敵キャラクタch1に対して比較的遠い位置に配置される。逆に、敵キャラクタch1に対して戦闘に有効なステータスをさほど有さない(弱い)味方キャラクタch2である程、当該敵キャラクタch1に対して比較的近い位置に配置される。これにより、ゲームバランスが保たれる。
【0054】
また、オブジェクト動作決定手段235は、出現した敵キャラクタch1に近づけるべき味方キャラクタch2を、算出手段236によって算出された交通経路情報にて決められた交通経路に従って移動させるように、味方キャラクタch2が移動する経路と味方キャラクタch2の動作(移動中の行動など)とを決定する。この決定に際し、ゲーム装置5を介してユーザが交通経路情報を選択した場合、オブジェクト動作決定手段235は、選択された交通経路情報に応じた交通経路を、味方キャラクタch2がたどる経路として決定する。
【0055】
また、オブジェクト動作決定手段235は、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の少なくとも1つの移動に関係するオブジェクト(乗り物オブジェクト、アイテムオブジェクト、背景オブジェクトなど)が、敵キャラクタch1や味方キャラクタch2の動作にあわせて動作するように、動作内容を決定する。これにより、仮想ゲーム空間内において、例えば味方キャラクタch2がバイクに乗った場合、そのバイクが進行方向に移動したり、当該味方キャラクタch2が身に着けているアイテムオブジェクトが風を受けてなびいたりする。
【0056】
また、オブジェクト動作決定手段235は、仮想ゲーム空間内において味方キャラクタch2が移動を開始したあとに、所定タイミングにて、電車トラブルや道路の渋滞、天候不順など、イレギュラーなイベントを生じさせるべく、オブジェクトの動作を決定する。
【0057】
―算出手段―
算出手段236は、味方キャラクタch2の交通経路情報を算出する。具体的に、算出手段236は、仮想ゲーム空間内において、味方キャラクタch2を、実在の交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して敵キャラクタch1に近づけるべく移動させたと仮定した場合に、味方キャラクタch2の敵キャラクタch1との距離が所定距離以内となる予定時刻、当該ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき消費媒体の値(消費量)、当該ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つ含む情報を、交通経路情報として1以上算出する。
【0058】
なお、クエストの開始直前に、仮想ゲーム空間内に味方キャラクタch2が複数存在する場合、算出手段236は、個々の味方キャラクタch2について交通経路情報を算出する。
【0059】
また、既に述べたように、仮想ゲーム空間内では、味方キャラクタch2が移動を開始したあとに、電車トラブルや道路の渋滞、天候不順など、イレギュラーなイベントが生じる場合がある。このようなイベントが味方キャラクタch2の移動に影響を及ぼすことがある。算出手段236は、これらのイベントが発生したタイミング(所定タイミングに相当)で、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2それぞれの現在位置を把握し、把握した位置に基づいて味方キャラクタch2の交通経路情報を再度算出する。
【0060】
再度算出された交通経路情報は、ゲーム装置5に送信されディスプレイ61に表示される。
【0061】
<ゲーム装置5のハードウェア構成>
複数のゲーム装置5は、いずれも同様の構成を有する。
【0062】
図1に示すように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61(報知部に相当)、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0063】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
【0064】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上表示される。
【0065】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0066】
操作部54は、タッチパッド63と接続されており、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0067】
記憶部55は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0068】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0069】
<ゲーム装置5における制御部56の機能的構成>
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、位置変更手段563、キャラクタ移動手段564(第1オブジェクト移動手段および第2オブジェクト移動手段に相当)および報知制御手段565(経路報知制御手段および様子報知制御手段に相当)として機能する。
【0070】
-通信手段-
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。
【0071】
例えば、通信手段561は、アカウント情報、ゲームデータのダウンロード要求、クエスト実行要求、ガチャ抽選要求、ユーザの操作に関する情報(選択された味方キャラクタch2の名称、現在位置)、ユーザの選択した交通経路情報などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきたゲームデータ、ガチャによって取得されたゲーム媒体の情報、地図情報、表示するべき交通経路情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0072】
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0073】
そして、ゲーム実行手段562は、オブジェクト動作決定手段235により決定された初期位置を含む内容に従って、ゲーム画像上に、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2を含む各種オブジェクトを配置させる。ゲーム実行手段562は、オブジェクト動作決定手段235により決定された内容、自装置5の操作およびゲームの進行状況に応じて、味方キャラクタch2および敵キャラクタch1以外の各種オブジェクトを仮想ゲーム空間内で動作させる。
【0074】
-位置変更手段-
位置変更手段563は、ユーザの操作に応じて、仮想ゲーム空間内における味方キャラクタch2の位置を変更する。
【0075】
具体的に、互いにステータスの異なる味方キャラクタch2が複数存在し、クエストの開始直前時に、それらの味方キャラクタch2が仮想ゲーム空間内にて点在しているとする。この場合、算出手段236は、各味方キャラクタch2について、各キャラクタch2の現在位置に基づき交通経路情報を算出する。算出された複数の交通経路情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示され、ユーザは視認可能となる。
【0076】
ユーザは、表示された交通経路情報と各キャラクタch2のステータスとを基に、敵キャラクタch1と戦闘を行う味方キャラクタch2を選択する操作と、敵キャラクタch1が目的位置に到達するよりも前にその味方キャラクタch2が所望の位置に到達するように現在位置を変更するための操作とを行う。これらの操作に従って、位置変更手段563は、味方キャラクタch2の位置を変更する。
【0077】
なお、味方キャラクタch2の位置を変更する前記処理は、クエスト開始時であって味方キャラクタch2が移動開始する前、味方キャラクタch2が移動している間(クエストの途中)、など、さまざまなタイミングにて行われる。味方キャラクタch2が移動開始する前に前記処理が行われた場合、味方キャラクタch2は、変更された位置から移動を開始する。味方キャラクタch2の移動中に前記処理が行われた場合、味方キャラクタch2は、移動途中にて変更された位置から、移動を再開する。クエスト終了後に前記処理が行われた場合、味方キャラクタch2は、次回クエストを行う際に、変更された位置から移動を開始する。
【0078】
-キャラクタ移動手段-
キャラクタ移動手段564は、オブジェクト動作決定手段235によって決定された内容に従って、到着予定時刻に敵キャラクタch1が目的位置に到着するように、仮想ゲーム空間において敵キャラクタch1を移動させる。
【0079】
キャラクタ移動手段564は、オブジェクト動作決定手段235が交通経路情報に基づいて決定した内容に従って、味方キャラクタch2を、仮想ゲーム空間内において交通経路情報に対応するゲーム空間内手段を用いて移動させる。
【0080】
また、キャラクタ移動手段564は、位置変更手段563により味方キャラクタch2の位置が変更されたあと、変更後の位置から味方キャラクタch2を移動させる。
【0081】
また、ゲーム装置5のディスプレイ61に複数の交通経路情報が表示された状態で、ユーザが一の交通経路情報を選択する操作を行った場合、オブジェクト動作決定手段235は、選択された交通情報に基づいて味方キャラクタch2の動作を決定する。この場合、キャラクタ移動手段564は、その決定された内容に従って、味方キャラクタch2を移動させる。
【0082】
また、算出手段236が交通経路情報の算出処理をし直した場合、オブジェクト動作決定手段235は、算出し直された交通経路情報(すなわち最新の交通経路情報)に基づいて味方キャラクタch2の動作を決定する。この場合、キャラクタ移動手段564は、その決定された内容に従って、味方キャラクタch2を移動させる。
【0083】
-報知制御手段-
報知制御手段565は、ゲームの実行にあたり、ゲームの進行やユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段565は、図2図7に示す各種画面sc1~sc6を、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示させる。
【0084】
図2の画面sc1は、敵キャラクタch1が出現したことを表す画面であって、クエスト開始時に表示される。
【0085】
図3の画面sc2は、画面sc1の次に表示される画面である。画面sc2には、出現した敵キャラクタch1の目的位置p1、当該目的位置p1に到着すると予定される到着時刻p2、敵キャラクタch1についての情報(レベル、属性についての情報)p3などが表示される。
【0086】
図4の画面sc3は、使用可能な味方キャラクタch2それぞれのステータスと、各味方キャラクタch2における複数の交通経路情報p4とを選択可能に表示された画面であって、画面sc2の次に表示される。つまり、画面sc3では、それぞれの味方キャラクタch2が現在位置から所望の位置に向かうためのルートが複数存在することを例示している。
【0087】
ユーザが、ステータスを確認しながらタッチパッド63を操作して、任意の味方キャラクタch2を選択することで、選択された味方キャラクタch2に対応する1以上の交通経路情報p4が表示される。
【0088】
画面sc3により、味方キャラクタch2が現在位置にてどのような交通経路を採ることができるのかを、ユーザは把握することができる。そして、ユーザは、今回のクエストにて使用する味方キャラクタch2、および、所望する交通経路情報p4を選択(設定)することができる。設定された味方キャラクタch2についての情報および交通経路情報p4は、サーバ装置2に送信され、その味方キャラクタch2の移動経路および動作(移動中の行動など)をオブジェクト動作決定手段235が決定する処理にて用いられる。
【0089】
図5の画面sc4は、味方キャラクタch2の配置を変更する際に表示される画面であって、配置の候補となる位置p5が地図上に表されている。ユーザは、タッチパッド63を操作して、使用する味方キャラクタch2の配置先を設定することができる。配置先が設定された場合、位置変更手段563は、味方キャラクタch2の位置を設定された位置p5(配置先)に変更する。この画面sc4は、画面sc3の前や画面sc3の後に、必要に応じて表示される。
【0090】
図6の画面sc5は、味方キャラクタch2が移動を開始したあとに表示される画面であって、画面sc3のあとに表示される。画面sc5は、クエスト中の敵キャラクタch1および味方キャラクタch2それぞれの様子を表す。画面sc5上から敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の少なくとも一方をユーザがタップすることで、タップされたキャラクタの様子がポップアップ表示される。画面sc5では、味方キャラクタch2の移動の様子がポップアップ画面p6にて表示された場合を例示している。
【0091】
これにより、目的位置に向かっている敵キャラクタch1が建物を壊しながら闊歩している様子や、味方キャラクタch2が電車に乗りながら駅弁を食べていたり寝ていたりする様子などを、ユーザは見て楽しむことができる。
【0092】
図7の画面sc6は、クエスト終了時に表示される画面である。画面sc6には、クエストの結果、味方キャラクタch2のステータス、味方キャラクタch2の移動に関する情報、戦闘に関する情報などが表示される。移動に関する情報には、移動にて消費された消費媒体の量、移動距離、移動時間などが含まれる。戦闘に関する情報には、戦闘時間、戦闘にて繰り出した技、戦闘内容の履歴などが含まれる。
【0093】
なお、ユーザが所有する消費媒体は、どのようなゲーム空間内手段をどのような条件にて味方キャラクタch2が利用したかに応じて、クエスト終了時または味方キャラクタch2の移動に同期して消費されていく。
【0094】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図8は、本実施形態にかかるゲームシステム1が行う一連の動作のフロー図である。
【0095】
前提として、ゲーム装置5のユーザは、ガチャやクエストのクリアなどによって、使用可能な味方キャラクタch2を示すゲーム媒体を複数所有しているとする。また、図8では、一例として、選択された味方キャラクタch2が移動を始める直前に、その味方キャラクタch2の初期位置をユーザが変更可能な場合を例示する。
【0096】
はじめに、ゲーム装置5のユーザが、タッチパッド63を介してクエストの実行要求を入力した場合(ステップst1)、サーバ装置2の地図情報DB管理手段234は、当該クエストにて用いる地図情報を、地図情報DB222から読み出す(ステップst2)。
【0097】
オブジェクト動作決定手段235は、当該クエストにて出現させる敵キャラクタch1、当該敵キャラクタch1の目的位置、到着予定時刻および移動方向を決定する(ステップst3)。情報処理手段231は、ステップst2で読み出された地図情報およびステップst3で決定した各種情報、さらには当該敵キャラクタch1のステータスを、ゲーム装置5に送信する(ステップst4)。
【0098】
ゲーム装置5の通信手段561がこれらの情報を受信すると、報知制御手段565は、画面sc1および画面sc2をディスプレイ61に逐次表示させる(ステップst5)。これにより、ディスプレイ61には、敵キャラクタch1が出現した旨が表示され、次いで敵キャラクタch1のステータスや移動に関する情報(移動方向、到着時刻など)が表示される。
【0099】
一方、サーバ装置2のオブジェクト動作決定手段235は、使用可能な1以上の味方キャラクタch2をそのステータスとともに記憶部22から読み出す(ステップst6)。オブジェクト動作決定手段235は、読み出した各味方キャラクタch2の初期位置と、各味方キャラクタch2が移動してたどり着く所望の位置とを決定する(ステップst7)。算出手段236は、味方キャラクタch2それぞれについて、1以上の交通経路情報を算出する(ステップst8)。この交通経路情報は、実際の交通手段を考慮して算出される。
【0100】
算出後、サーバ装置2の情報処理手段231は、使用可能な1以上の味方キャラクタch2、各味方キャラクタch2のステータスおよび交通経路情報を、ゲーム装置5に送信する。これらの情報を受信したゲーム装置5の報知制御手段565は、画面sc3をディスプレイ61に表示させる(ステップst9)。これにより、ディスプレイ61には、各味方キャラクタch2のステータスと交通経路情報とが、選択可能に表示される。
【0101】
画面sc3上から味方キャラクタch2および交通経路情報の少なくとも1つを選択する操作を、ユーザがタッチパッド63を介して行った場合(ステップst10のYES)、通信手段561は、選択された情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の情報処理手段231はこれを受信する(ステップst11)。
【0102】
なお、ステップst10において、味方キャラクタch2および交通経路情報のいずれもが、例えば規定時間内に選択されなかった場合(ステップst10のNO)、通信手段561は、その旨をサーバ装置2に送信する。この場合、オブジェクト動作決定手段235は、味方キャラクタch2および交通経路情報を、自動的に(適宜)決定する。
【0103】
ステップst10において、味方キャラクタch2が選択もしくは自動的に決定されたあとに、ユーザにより初期位置の変更要求の入力操作がなされば、ゲーム装置5の報知制御手段565は、画面sc4をディスプレイ61に表示させる。これにより、ユーザは、タッチパッド63を介して、使用する味方キャラクタch2の配置先を設定することが可能となる。
【0104】
画面sc4上から、ユーザが、味方キャラクタch2の配置先を変更する操作を行った場合(ステップst12のYES)、位置変更手段563は、味方キャラクタch2の位置を、ユーザの操作に応じて変更する(ステップst13)。
【0105】
ユーザにより初期位置の変更要求の入力操作がなされなかったり、ステップst12において味方キャラクタch2の配置先を変更する操作が規定時間内に行なわれなかったりした場合(ステップst12のNO)、位置変更手段563は、味方キャラクタch2の位置を変更しない。この場合、味方キャラクタch2の位置は、初期位置にて確定される。
【0106】
ゲーム装置5の通信手段561は、ステップst10からステップst13を経て決定された味方キャラクタch2の位置(現在位置)と交通経路情報とを、サーバ装置2に送信する(ステップst14)。サーバ装置2の情報処理手段231は、これを受信すると(ステップst15)、オブジェクト動作決定手段235は、受信した情報に基づいて味方キャラクタch2の動作を決定する(ステップst16)。決定された味方キャラクタch2の動作は、ゲーム装置5に送信される。
【0107】
当該味方キャラクタch2の動作を受信したゲーム装置5のキャラクタ移動手段564は、これまでにオブジェクト動作決定手段235によって決定された各種情報に従って、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の移動を開始させる(ステップst17)。ゲーム実行手段562は、クエストを進行させる。
【0108】
移動開始後、ゲーム装置5のディスプレイ61上には、地図と、その地図上を移動している敵キャラクタch1および味方キャラクタch2それぞれの現在位置とが、リアルタイムで表示される。この画面上にて、ユーザが、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の少なくとも一方をタップすると(ステップst18のYES)、報知制御手段565は、画面sc5に示すように、タップされたキャラクタ(具体的には、敵キャラクタch1および味方キャラクタch2の少なくとも1つ)の様子を、ポップアップ表示させる(ステップst19)。
【0109】
なお、ステップst18において、キャラクタがタップされなかった場合(ステップst18のNO)、ステップst19の処理は行われない。
【0110】
なお、移動中、味方キャラクタch2がゲーム空間内手段(現実社会の交通手段に対応する、仮想ゲーム空間内で有効な交通手段)を利用した場合は、そのゲーム空間内手段に対応した分だけ、ユーザの所有する消費媒体が消費されていく。
【0111】
やがて、敵キャラクタch1が目的位置に到着するよりも早く味方キャラクタch2が所望の位置に到着し、味方キャラクタch2が敵キャラクタch1を倒すことができた場合、ゲーム実行手段562は、クエストがクリアしたとして、クエストを終了する。逆に、味方キャラクタch2が所望の位置に到着するよりも前に敵キャラクタch1が目的位置に到着した場合や、味方キャラクタch2が敵キャラクタch1を倒すことができなかった場合、ゲーム実行手段562は、クエストが失敗したとして、クエストを終了する。
【0112】
クエスト終了後、報知制御手段565は、画面sc6に示すように、クエスト終了画面を表示させる(ステップst20)。
【0113】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、現在もしくは過去の実在の地図情報を示す仮想ゲーム空間(ゲーム空間)において、敵キャラクタch1(第1オブジェクト)を移動させるキャラクタ移動手段564(第1オブェクト移動手段)として機能させ、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、敵キャラクタch1(第1オブジェクト)とは別の味方キャラクタch2(第2オブジェクト)を、現在もしくは過去の実在の交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用して敵キャラクタch1(第1オブジェクト)に近づけるべく移動させたと仮定した場合に、味方キャラクタch2(第2オブジェクト)の敵キャラクタch1(第1オブジェクト)との距離が所定距離以内となる予定時刻、ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき仮想ゲーム空間(ゲーム空間)内にて有効な消費媒体の消費量、ゲーム空間内手段を利用した移動経路、移動距離、の少なくとも1つを含む情報を、交通経路情報として算出する算出手段236として機能させる。前記キャラクタ移動手段564(第2オブジェクト移動手段)は、交通経路情報に従って、味方キャラクタch2(第2オブジェクト)を、仮想ゲーム空間(仮想ゲーム空間)内において交通経路情報に対応するゲーム空間内手段を用いて移動させる。
【0114】
<発明の効果>
本実施形態によれば、現在もしくは過去の実在の地図情報を示す仮想ゲーム空間内において、キャラクタ移動手段564は、敵キャラクタch1を移動させるとともに、その敵キャラクタch1に近づけるために味方キャラクタch2も移動させる。その際、算出手段236は、実在の交通手段に対応するゲーム空間内手段を利用した移動経路や移動距離などの少なくとも1つを含む交通経路情報を算出する。この交通経路情報は、味方キャラクタch2の移動処理にて利用される。このように、経路案内システムの機能がゲーム内にて駆使され、ユーザのゲームに対する興趣性を向上させることができる。
【0115】
味方キャラクタch2の仮想ゲーム空間内の位置は、位置変更手段563によって変更されることができる。これにより、例えば味方キャラクタch2の初期位置が常に固定である場合に比べて、ゲームのバリエーションは富んだものとなる。従って、ユーザのゲームに対する興趣性はより向上する。
【0116】
本実施形態では、味方キャラクタch2の位置を、ユーザの指定する所定位置に変更可能である。ユーザによる操作要素が介入するため、ゲームの面白みが増す。
【0117】
報知制御手段565は、画面sc3に示すように、算出手段236が算出した複数の交通経路情報を、ユーザの操作に応じて選択可能にディスプレイ61に表示させる。これにより、ユーザは、所望の交通経路情報を選択することで、より有利な条件やより興味のある交通経路にて味方キャラクタch2を移動させることができる。このように、ユーザによる操作要素が介入するため、ゲームの面白みが増す。
【0118】
交通経路情報は、味方キャラクタch2が移動を開始したあとの所定タイミングにて、味方キャラクタch2および敵キャラクタch1それぞれの現在位置に基づいて再度算出されることができる。所定タイミングとしては、電車トラブルなどのイレギュラーなイベントの発生時などが挙げられる。これにより、一旦味方キャラクタch2が移動を開始すれば単調にゲームが進むのではなく、ゲームの流れが変化する。従って、ユーザのゲームへの興趣性はより向上する。
【0119】
クエスト中の敵キャラクタch1の様子および/または味方キャラクタch2の様子は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示されることが可能である。これにより、ユーザは、各キャラクタch1,ch2が単に移動しているとの事実のみならず、どのようなことを行いながら移動しているのかを視認しながら楽しむことができる。従って、ユーザのゲームへの興趣性はより向上する。
【0120】
移動開始前の敵キャラクタch1と味方キャラクタch2の間の距離と、敵キャラクタch1に対する味方キャラクタch2の戦闘における優位性とは、相反する関係にある。これにより、ある程度の難易度を保ったゲームが提供される。
【0121】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0122】
前記実施形態では、味方キャラクタch2の位置変更がユーザの操作に従って行われると説明した。これに代えて、位置変更手段563は、複数の交通経路情報に基づいて、敵キャラクタch1に対して有利なステータスを有する特定の味方キャラクタch2の位置を自動で変更してもよい。例えば、敵キャラクタch1との戦闘が有利なステータスを有する味方キャラクタch2が自動で選択され、かつ、敵キャラクタch1の目的位置への到着よりも前に、その味方キャラクタch2が所望の位置に到達し易くなるように位置が変更されてもよい。
【0123】
味方キャラクタch2の位置変更がユーザの操作に従って行われる場合、ユーザによる課金が前提であってもよい。つまり、位置変更手段563は、ユーザの課金に応じて、味方キャラクタch2の位置(初期位置含む)を、ユーザの指定する仮想ゲーム空間内の所定位置に変更することができる。なお、この変更は、ユーザの課金によって増加された消費媒体の消費によって実行されてもよい。
【0124】
また、ガチャによって出現した味方キャラクタch2には予め初期位置が設定されているが、ユーザによる課金によって、位置変更手段563は、その初期位置を変更できてもよい。
【0125】
初期位置などの位置を変更可能な味方キャラクタch2の対象は、その味方キャラクタch2のレア度や属性などのステータスに応じて限定されていてもよい。すなわち、位置を変更可能な味方キャラクタch2と、変更不可能な味方キャラクタch2とが混在していることができる。また、地図上における位置を変更可能なエリアは、その味方キャラクタch2のレア度や属性などのステータスに応じて、味方キャラクタch2ごとに異なっていてもよい。
【0126】
前記実施形態では、味方キャラクタch2の入手方法の1つにガチャを挙げたが、入手方法にはガチャが含まれていなくてもよい。この場合、サーバ装置2の制御部23は、抽選実行手段233として機能せずともよい。
【0127】
また、敵キャラクタch1についても、ガチャによって出現してもよい。
【0128】
前記実施形態では、交通経路手段が、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示されると説明にした。しかし、交通経路情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61への表示に代えて、スピーカ62に出力されてもよい。また、交通経路情報は、ディスプレイ61への表示とスピーカ62への音声出力との組み合わせにより報知されてもよい。これらの場合、スピーカ62、または、ディスプレイ61とスピーカ62の両方が、報知部に相当する。
【0129】
図8のステップst20において、クエストが失敗により終了した場合、算出手段236は、いわゆる賠償金として、ユーザの所有する消費媒体を所定値だけ減算する処理を行ってもよい。この場合、減算後の消費媒体はユーザDB221に上書きされる。
【0130】
また、敵キャラクタch1が移動しながら建物を破壊した場合、建物などが破壊された程度に応じて、算出手段236は、消費媒体を減算する処理を行ってもよい。
【0131】
前記実施形態では、複数の交通経路情報の中からどの交通経路情報が選択されるかによって、味方キャラクタch2が所望の位置に到着する時刻や、ゲーム空間内手段を利用した移動によって消費されるべき消費媒体の消費量も変化する場合について説明した。また、算出手段236は、同じ交通経路による移動であっても、使用する切符(特急券の有無、回数券などの格安切符の使用の有無など)に応じて、消費媒体の消費量を変化させてもよい。これにより、ユーザは、敵キャラクタch1の目的位置への到着予定時刻と味方キャラクタch2の移動速度との兼ね合いにより、いかに消費媒体の消費量を抑えつつ、かつクエストをクリアするかを考えるため、ゲームにより興味を抱くようになる。
【0132】
また、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される各種画面画sc1~sc6には、いわゆる拡張実現(AR:Augmented Reality)を駆使して、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する仕様が採用されてもよい。
【0133】
敵キャラクタch1の様子や味方キャラクタch2の様子が表示される画面sc5には、各キャラクタの様子を適宜ズームアップして表示される機能が具備されていてもよい。
【0134】
前記実施形態では、ゲームが、味方キャラクタch2が敵キャラクタch1と戦闘を行う仕様である場合を例に採り説明した。しかし、ゲームの仕様は、これに限定されない。互いに移動可能なオブジェクト(第1オブジェクトおよび第2オブジェクト)が所定位置で待ち合わせをする仕様などに適用できる。
【0135】
例えば、ゲームは、敵キャラクタch1の代わりに台風などの災害オブジェクト(第1オブジェクトに相当)を用いて、味方キャラクタch2が移動して災害を防ぐような仕様であってもよい。また、ゲームは、人や動物などの移動するオブジェクト(第1オブジェクトに相当)と、これとは別の、人や動物などの移動するオブジェクト(第2オブジェクトに相当)とが、目的位置にて会うような仕様であってもよい。
【0136】
前記実施形態では、味方オブジェクトch2が敵キャラクタch1に近づくように移動する場合を例に採り説明した。しかし、味方オブジェクトch2は敵キャラクタch1に近づくのではなく、逆に遠ざかるように移動してもよい。味方オブジェクトch2は、仮想ゲーム空間内で敵キャラクタch1に対し何らかの所定目的を果たすべく移動する仕様であればよい。この場合、算出手段236が算出する交通経路情報には、その所定目的を果たすための所定の位置に味方キャラクタch2が到達する予定時刻、移動にて消費されるべき消費媒体の消費量、移動経路、移動距離の少なくとも1つが含まれる。
【0137】
前記実施形態において、実行されるクエストごとに、例えば「西日本出身の味方キャラクタch2は使用不可」「槍を装備している味方キャラクタch2は使用不可」のように、味方キャラクタのch2の使用を限定する条件が課されていてもよい。これにより、ゲームの難易度が増すため、更なるユーザのゲームに対する興趣性の向上が図れる。
【0138】
前記実施形態では、味方キャラクタch2の位置(初期位置、現在位置含む)を変更できる場合について説明したが、これは必須ではない。例えば、味方キャラクタch2の初期位置は、最初に決められた位置にて固定であってもよいし、オブジェクト動作決定手段235によって決定されることなく予め決められていてもよい。この場合、図8において、ステップst12~st15は不要である。また、移動開始後、味方キャラクタch2の位置は、ユーザの操作によっては変更できない仕様であってもよい。
【0139】
前記実施形態では、交通経路情報が報知されると説明した。しかし、交通経路情報の報知は必須ではない。また、交通経路情報が報知される場合、交通経路情報が選択可能に報知されることは必須ではない。
【0140】
前記実施形態では、交通経路情報が再度算出されると説明した。しかし、交通経路情報が再度算出されることは、必須ではない。
【0141】
前記実施形態では、敵キャラクタch1の様子や味方キャラクタch2の様子が報知されると説明した。しかし、これは必須ではない。
【0142】
前記実施形態では、オブジェクト動作決定手段235が、クエスト開始前(移動開始前)の敵キャラクタch1と味方キャラクタch2の間の距離と、敵キャラクタch1に対する味方キャラクタch2の戦闘における優位性とは相反する条件を満たすように、各初期位置を決定すると説明した。しかし、この決定において、当該条件を満たすことは必須ではない。オブジェクト動作決定手段235は、各初期位置を、例えば抽選などによりランダムに決定してもよい。
【0143】
前記実施形態では、仮想ゲーム空間内に、現在または過去の実在の地図情報が描かれている場合を例示した。しかし、仮想ゲーム空間内に描かれる地図情報は、現在計画されている情報であってもよい。例えば、現実社会においてリニアモーターカーの配備が予定されている場合、ゲームにおいては、そのリニアモーターカーが通る路線が描かれた地図情報が用いられてもよい。この場合、本ゲームは、将来リニアモーターカーが配備されることを記念した、キャンペーン用のゲームとして適用することができる。
【0144】
前記実施形態において、敵キャラクタch1が決定されてから(図8のステップst4)、味方キャラクタch2の交通経路情報に基づく動作が決定されるまでの間は(図8のステップst16)、クエスト自体の進行が停止していてもよいし、進行していてもよい。ここでいうクエストの進行とは、敵キャラクタch1が目的位置に向けて移動することを言う。
【0145】
前記実施形態において、報知制御手段565は、交通経路情報の選択候補を、ユーザが選びやすいように、コンセプトの種類に基づいて、分類して順番に報知させてもよい。コンセプトとしては、「所望の位置に早く到着できるもの」「消費媒体の消費量が小さいもの」「ゲーム空間内手段の乗換が少ないもの」「現実社会において、人気のある駅弁が販売されている駅を通過する路線に対応する路線」などが挙げられる。
【0146】
また、報知制御手段565は、交通経路情報の選択候補を、移動距離、クエストのクリア確率の高さそれぞれに着目して、移動距離の短いおすすめ情報、クエストのクリア確率の高いおすすめ情報などのように、別のコンセプトの観点から分類して報知させてもよい。また、報知制御手段565は、移動距離、消費媒体の消費量、およびクエストのクリア確率の各コンセプトを総合的に加味した上で、各コンセプトのおすすめ順ができる限り高くなるような交通経路情報を一番おすすめの情報として報知させてもよい。
【0147】
前記実施形態の仮想ゲーム空間内において、徒歩での移動速度は、味方キャラクタch2ごとに異なっていてもよい。この場合、味方キャラクタch2が1のゲーム空間内手段から他のゲーム空間内手段へと乗り換えるにあたり、徒歩で移動する場合、乗り換えにかかるに時間に差を生じさせることができる。
【0148】
前記実施形態において、キャラクタ移動手段564は、味方キャラクタch2の徒歩での移動時間の長さに応じて、その味方キャラクタch2向けのイベントの発生頻度を変化させてもよい。例えば、キャラクタ移動手段564は、味方キャラクタch2の徒歩での移動時間が長いほど、味方キャラクタch2が他のキャラクタに絡まれるトラブルをイベントとして発生し易くさせることができる。
【0149】
前記実施形態において、ゲーム実行手段562は、ユーザが所有しているどの味方キャラクタch2でも、レベル不足や属性が不利などのステータス事情によってクエストのクリアが不可能と判断した場合、ユーザによるゲーム実行要求に関わらずエストの実行開始を阻止する処理をおこなってもよい。
【0150】
現実社会では、電車が遅延したり飛行機の運行が停止したりすることがある。そこで、現実社会におけるこのような事象が、仮想ゲーム空間内にて例えばリアルタイムで反映されてもよい。例えば、味方キャラクタch2が電車に対応するゲーム空間内手段で移動している場合に、その電車が現実社会にて運転見合わせとなった場合、オブジェクト動作決定手段235は、当該ゲーム空間内手段の動作を停止させる。これに伴い、キャラクタ移動手段564も、味方キャラクタch2の動作を停止させ、報知制御手段565は、他の交通経路情報を報知させる。
【0151】
算出手段236は、味方キャラクタch2の移動に伴う消費媒体の消費(減算)処理を、移動開始時に行ってもよいし、移動に応じて徐々に消費(減算)してもよい。
【0152】
味方キャラクタch2の移動中に、ユーザは、任意で移動をキャンセルする操作を行うことができる。この場合、キャラクタ移動手段564は、このユーザの操作に応じて、当該味方キャラクタch2の移動を停止させることができる。算出手段236は、既に移動を行った分に相当する消費媒体のみを、移動動作に応じて減算(消費)させてもよいし、途中での移動停止に限らず、既に決定された交通経路情報に対応する消費媒体の量すべてを移動開始時に一括して減算(消費)させることができる。
【0153】
また、算出手段236は、味方キャラクタch2の移動停止の要因がユーザ自身の操作である場合は、既に決定された交通経路情報に対応する消費媒体の量すべてを減算(消費)させることができる。算出手段236は、味方キャラクタch2の移動停止の要因がユーザ自身の操作でない場合(イベント発生など)、消費媒体の量のすべてまたは少なくとも一部を、ユーザの元に戻してもよい。
【0154】
味方キャラクタch2を操作するユーザは、複数であってもよい。つまり、複数のユーザそれぞれは、個々が所有する味方キャラクタch2を、共通する仮想ゲーム空間内で操作しつつ、これらの味方キャラクタch2が協力してクエストをクリアすることができる。
【0155】
前記実施形態では、敵キャラクタch1がノンプレイヤキャラクタである場合を例示した。しかし、敵キャラクタch1は、他のユーザの操作によって動作するプレイヤキャラクタであってもよい。
【0156】
前記実施形態では、味方キャラクタch2が所望の位置に到着するよりも前に敵キャラクタch1が目的位置に到着した場合や、味方キャラクタch2が敵キャラクタch1を倒すことができなかった場合に、クエストが失敗したとなる場合を例示した。これに代えて、敵キャラクタch1が目標攻撃地点を破壊した場合に、クエストが失敗となってもよい。この場合、敵キャラクタch1が目標攻撃地点を破壊するよりも前に、味方キャラクタch2が所望の位置に到着したり、味方キャラクタch2が目標攻撃地点を自身の陣地にすることができたり、敵キャラクタch1を倒したりした場合などに、クエストはクリアとなる。
【0157】
地図情報は、地形と交通経路のみが実在であり、建物や風景は架空であってもよい。
【0158】
前記実施形態では、1度のクエストにて登場する敵キャラクタch1の数が1体である場合を例示したが、1度のクエストにて登場する敵キャラクタch1の数は、複数であってもよい。
【0159】
クエスト終了時、算出手段236は、クエストの具体的な内容に応じて、ユーザに付与する恩恵(消費媒体やアイテムなど)を変化させてもよい。クエストの具体的な内容としては、仮想ゲーム空間上の建物オブジェクトなどが壊された被害額、上陸を許したか否か、敵キャラクタch1にヒットした攻撃の内容、2体の敵キャラクタch1を同時に倒したか否か、などが挙げられる。
【0160】
前記実施形態において、実行されるクエストごとに、味方キャラクタch2の移動について特殊条件が課されていてもよい。特殊条件としては、「ゲーム空間内手段は電車のみ有効」「ゲーム空間内手段での電車は“急行”のみ利用」「徒歩移動は5分以内にとどめる」などが挙げられる。
【0161】
クエストによっては、クエストの開始当初から停電などのイベントが発生していてもよい。
【0162】
キャラクタ移動手段564は、味方キャラクタch2が仮想ゲーム空間内にて利用できる交通手段であるゲーム空間内手段を、ユーザの操作に応じて選択できてもよい。キャラクタ移動手段564は、そのような選択処理を、特定の味方キャラクタch2でのみ行うことができてもよい。
【0163】
なお、前記実施形態においても、ゲーム空間内手段には、レンタカー、自動車、自転車、バイクなど、現実社会において運賃が明確に判明しない手段も含まれる。このようなゲーム空間内手段を利用した移動経路が存在していてもよい。
【0164】
仮想ゲーム空間内においては、例えば南国出身の味方キャラクタch2は北国には行けないなどのように、味方キャラクタch2によって移動可能な場所(もしくは移動不可能な場所)および/または初期配置できる場所(もしくは初期配置できない場所)の条件が課されていてもよい。また、これらの条件は、例えば南国出身の味方キャラクタch2にカイロを渡すと北国に移動可能となるなどのように、その味方キャラクタch2の特殊アイテム装備や、ユーザによる課金によって、解放されてもよい。
【0165】
前記実施形態において本発明のゲームプログラムは、サーバ装置およびゲーム装置が一体となって機能している例が記載されているが、これには限られない。本発明のプログラムのすべての手段、すなわち、算出手段、キャラクタ移動手段、位置変更手段などが、サーバ装置単体またはゲーム装置単体に備えられていてもよい。
【符号の説明】
【0166】
1 ゲームシステム
22,55 記憶部
23,56 制御部
61 ディスプレイ(報知部)
236 算出手段
563 位置変更手段
564 キャラクタ移動手段(第1オブジェクト移動手段、第2オブジェクト移動手段)
565 報知制御手段(経路報知制御手段、様子報知制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8