(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】サーバ、情報処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220224BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
(21)【出願番号】P 2020031827
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2020-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝又 元
(72)【発明者】
【氏名】平城 格
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013971(JP,A)
【文献】特開2018-197675(JP,A)
【文献】特開2009-048316(JP,A)
【文献】特許第3686075(JP,B1)
【文献】特開2009-290949(JP,A)
【文献】特開2015-200931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の情報処理端末が備える部品が寿命となる
当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部と、
前記情報処理端末から、前記部品の
前記稼働
量を示す稼働情報を受信する受信部と、
受信した前記稼働情報が示す前記稼働
量と、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記
閾値と、を照合して、前記部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記受信部により受信する前記稼働情報のうち、前記部品の修理情報を含む前記稼働情報である第1所定情報を抽出し、前記第1所定情報が示す前記稼働量が、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記閾値に達していない場合、前記閾値を減少させる更新部と、を備え、
前記稼働情報は、前記情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、
前記第1所定情報は、前記稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる前記使用状態の検出結果を含む前記稼働情報以外の前記稼働情報である、サーバ。
【請求項2】
前記情報処理端末の使用状態の検出結果が、前記情報処理端末の落下回数、振動回数、または衝撃回数である第2所定情報であり、
前記判定部は、
前記第2所定情報に
予め設定される定数を乗算した値である補正値を、前記稼働情報が示す前記稼働
量に加算し、
前記補正値を加算後の
前記稼働
量と、前記寿命情報が示す前記
閾値と、を照合する請求項
1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記部品が前記交換条件を満たすか否かの判定結果を、前記情報処理端末の保守員の外部端末に送信する送信部をさらに備える請求項1
または2に記載のサーバ。
【請求項4】
サーバと情報処理端末とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理端末は、
当該情報処理端末が備える部品の稼働
量を示す稼働情報を前記サーバに送信する送信部、
を備え、
前記サーバは、
前記部品が寿命となる
当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部と、
前記情報処理端末から、前記稼働情報を受信する受信部と、
受信した前記稼働情報が示す前記稼働
量と、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記
閾値と、を照合して、前記部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記受信部により受信する前記稼働情報のうち、前記部品の修理情報を含む前記稼働情報である第1所定情報を抽出し、前記第1所定情報が示す前記稼働量が、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記閾値に達していない場合、前記閾値を減少させる更新部と、を備え、
前記稼働情報は、前記情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、
前記第1所定情報は、前記稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる前記使用状態の検出結果を含む前記稼働情報以外の前記稼働情報である、情報処理システム。
【請求項5】
外部の情報処理端末が備える部品が寿命となる
当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータを、
前記情報処理端末から、前記部品の
前記稼働
量を示す稼働情報を受信する受信部と、
受信した前記稼働情報が示す前記稼働
量と、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記
閾値と、を照合して、前記部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記受信部により受信する前記稼働情報のうち、前記部品の修理情報を含む前記稼働情報である第1所定情報を抽出し、前記第1所定情報が示す前記稼働量が、前記記憶部に記憶される前記寿命情報が示す前記閾値に達していない場合、前記閾値を減少させる更新部と、して機能させ、
前記稼働情報は、前記情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、
前記第1所定情報は、前記稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる前記使用状態の検出結果を含む前記稼働情報以外の前記稼働情報である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システム内の情報処理端末に不具合が発生した場合、当該情報処理システム内のサーバ等からサポートに対して、情報処理端末で発生した不具合の調査を依頼し、その調査の結果、情報処理端末の部品の交換が必要と判断された場合、当該部品の交換を行う対応が取られている。また、情報処理端末の部品の交換時期を予め設定しておき、部品が交換時期に至った際に、部品の交換を実施する対応も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、情報処理端末で発生した不具合を調査し、その調査結果に応じて、部品の交換を行う対応においては、情報処理端末において不具合が発生した後に、情報処理端末の不具合の調査や部品の交換等が行われるため、情報処理端末を利用できない時期が発生する。
【0005】
また、情報処理端末の部品が予め設定した交換時期に至った際に部品の交換を実施する対応においては、情報処理端末の利用状況によっては、部品の寿命に対して十分に余裕があるにも関わらず、部品が交換されてしまったり、部品の交換を行わなかった場合、交換用の部品が無駄になったりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様にかかるサーバは、外部の情報処理端末が備える部品が寿命となる当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部と、情報処理端末から、部品の稼働量を示す稼働情報を受信する受信部と、受信した稼働情報が示す稼働量と、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値と、を照合して、部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、受信部により受信する稼働情報のうち、部品の修理情報を含む稼働情報である第1所定情報を抽出し、第1所定情報が示す稼働量が、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値に達していない場合、閾値を減少させる更新部と、を備え、稼働情報は、情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、第1所定情報は、稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる使用状態の検出結果を含む稼働情報以外の稼働情報である。
【0007】
本発明の第2態様にかかる情報処理システムは、サーバと情報処理端末とを有する情報処理システムである。情報処理端末は、当該情報処理端末が備える部品の稼働量を示す稼働情報をサーバに送信する送信部、を備える。サーバは、部品が寿命となる当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部と、情報処理端末から、稼働情報を受信する受信部と、受信した稼働情報が示す稼働量と、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値と、を照合して、部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、受信部により受信する稼働情報のうち、部品の修理情報を含む稼働情報である第1所定情報を抽出し、第1所定情報が示す稼働量が、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値に達していない場合、閾値を減少させる更新部と、を備え、稼働情報は、情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、第1所定情報は、稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる使用状態の検出結果を含む稼働情報以外の稼働情報である。
【0008】
本発明の第3態様にかかるプログラムは、外部の情報処理端末が備える部品が寿命となる当該部品の稼働量の閾値を示す寿命情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータを、情報処理端末から、部品の稼働量を示す稼働情報を受信する受信部と、受信した稼働情報が示す稼働量と、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値と、を照合して、部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部と、受信部により受信する稼働情報のうち、部品の修理情報を含む稼働情報である第1所定情報を抽出し、第1所定情報が示す稼働量が、記憶部に記憶される寿命情報が示す閾値に達していない場合、閾値を減少させる更新部と、して機能させ、稼働情報は、情報処理端末の使用状態の検出結果を含み、第1所定情報は、稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる使用状態の検出結果を含む稼働情報以外の稼働情報である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記態様によれば、情報処理端末において不具合が発生する前に、情報処理端末の不具合の調査や部品の交換等が可能となるので、情報処理端末が利用できない時期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバおよび情報処理端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバによる部品の発注処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバによる寿命情報の更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかるサーバ、情報処理システム、およびプログラムの一例について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。まず、
図1を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムの全体構成の一例について説明する。
【0013】
本実施形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、サーバ1と、複数の情報処理端末2と、を有する。サーバ1と複数の情報処理端末2とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークNTにより互いに通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理端末2は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)201、メモリ202、ストレージ203、LCD(Liquid Crystal Display)204、およびキーボード205等の複数の部品を備えるPC(Personal Computer)等の情報処理端末の一例である。また、情報処理端末2は、図示しないが、
図1に示す部品に加えて、プリント基板、バッテリ、筐体、ヒンジ等の部品も備えている。また、情報処理端末2は、図示しないが、当該情報処理端末2に作用する加速度を検出可能な加速度センサを有する。
【0015】
本実施形態では、情報処理端末2がPCである例について説明するが、ネットワークNTを介してサーバ1と通信可能な情報処理端末であれば、これに限定するものではなく、例えば、タブレットやスマートフォン等であっても良い。
【0016】
CPU201は、メモリ202やストレージ203等の記憶装置に記憶されるプログラムを読み出して実行するプロセッサの一例である。メモリ202は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを有する。ここで、ROMは、CPU201により実行されるプログラム等の各種情報を記憶する。また、ここで、RAMは、CPU201がプログラムを実行して各種の演算処理を実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する。
【0017】
ストレージ203は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等、CPU201により実行されるプログラム等の各種情報を記憶する記憶装置である。LCD204は、各種情報を表示可能な表示部の一例である。キーボード205は、情報処理端末2に対して各種情報を入力可能な入力装置の一例である。
【0018】
サーバ1は、情報処理システム内の情報処理端末2が備える部品の交換を管理するサーバの一例である。サーバ1は、
図1に示すように、CPU101、メモリ102、ストレージ103等を備える。
【0019】
CPU101は、メモリ102やストレージ103等に記憶されるプログラムを読み出して実行するプロセッサの一例である。メモリ102は、ROMやRAM等のメモリを有する。ここで、ROMは、CPU101により実行されるプログラム等の各種情報を記憶する。また、ここで、RAMは、CPU101がプログラムを実行して各種の演算処理を実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する。ストレージ103は、HDDやSSD等、CPU101により実行されるプログラム等の各種情報を記憶する記憶装置である。
【0020】
図2は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバおよび情報処理端末の機能構成の一例を示す図である。次に、
図2を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバ1および情報処理端末2の機能構成の一例について説明する。
【0021】
まず、情報処理端末2の機能構成の一例について説明する。
【0022】
情報処理端末2は、
図2に示すように、通信部211を備える。本実施形態では、情報処理端末2は、CPU201がメモリ202に記憶されるプログラム(稼働情報収集ソフトウェア)を実行することにより、これらの機能構成を実現するものとするが、これに限定するものではなく、これらの機能構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されても良い。
【0023】
通信部211は、サーバ1や、情報処理システム内の他の情報処理端末2等の外部装置との通信を司る。本実施形態では、通信部211は、情報処理端末2が備えるマイコンやWindows(登録商標) API等を介して、情報処理端末2が備える各種部品の稼働情報を取得する。そして、通信部211は、取得した稼働情報を、ネットワークNTを介して、サーバ1に送信する送信部の一例として機能する。
【0024】
本実施形態では、通信部211は、予め設定される時間毎に、稼働情報をサーバ1に送信するか、若しくは、予め設定されたタイミング(例えば、情報処理端末2の起動時)に、稼働情報をサーバ1に送信する。
【0025】
ここで、稼働情報は、情報処理端末2が備える部品の稼働状況(例えば、現在の稼働状況)を示す情報である。本実施形態では、稼働情報は、下記の表1に示すように、情報処理端末2の機種と、情報処理端末2が備える部品の分類(例えば、大分類、中分類、小分類)と、部品のベンダと、部品の型番と、部品の製造情報(例えば、ロット番号、製造年月日)と、部品の稼働量(稼働状況の一例)と、当該稼働量の単位(例えば、時間、数、回数)と、当該稼働量の内容(種別)である稼働内容と、を含む。
【表1】
【0026】
稼働情報が含む稼働内容(すなわち、稼働量の種別)は、表1に示すように、部品毎に異なる。例えば、部品の分類が、CPU201やメモリ202である場合、部品の稼働内容は、CPU201やメモリ202の稼働時間を積算した積算稼働時間となる。また、部品の分類が、ストレージ203である場合、部品の稼働内容は、ストレージ203が有するセクタのうち代替処理済みのセクタの数である代替セクタ数となる。
【0027】
また、例えば、部品の分類が、LCD204である場合、部品の稼働内容は、LCD204の点灯時間を積算した積算点灯時間となる。また、例えば、部品の分類が、キーボード205である場合、部品の稼働内容は、キーボード205が押下された回数を積算した積算押下回数となる。
【0028】
また、例えば、部品の分類が、情報処理端末2のヒンジである場合、部品の稼働内容は、当該ヒンジが開閉した回数を積算した積算開閉回数となる。また、例えば、部品の分類が、情報処理端末2が備える部品が筐体である場合、部品の稼働内容は、情報処理端末2の稼働時間を積算した積算稼働時間となる。また、例えば、部品の分類が、情報処理端末2が備える部品が冷却用のファンである場合、部品の稼働内容は、当該ファンの稼働時間を積算した積算稼働時間となる。
【0029】
本実施形態では、通信部211は、上記の表1に示す稼働情報全体をサーバ1に送信するものとするが、これに限定するものではなく、表1に示す稼働情報のうち、少なくとも部品の稼働量を含む稼働情報を送信するものであれば良い。例えば、通信部211は、情報処理端末2の機種と、部品の分類と、部品の稼働量と、を示す稼働情報を、サーバ1に送信する。
【0030】
また、通信部211は、センサ情報を含む稼働情報をサーバ1に送信する。ここで、センサ情報は、情報処理端末2の振動回数、情報処理端末2が衝撃を受けた衝撃回数、情報処理端末2が落下した落下回数等、情報処理端末2の使用状態の検出結果(以下、使用状態検出結果と言う)を示す情報である。
【0031】
本実施形態では、通信部211は、情報処理端末2が備える図示しない加速度センサによる加速度の検出結果に基づいて、情報処理端末2の使用状態を検出する。そして、通信部211は、その検出結果を含む稼働情報をサーバ1に送信する。
【0032】
また、通信部211は、情報処理端末2が有する部品の交換や修理が行われた場合、当該部品の交換や修理が行われたことを示す修理情報を、稼働情報に含めて、サーバ1に送信する。
【0033】
次に、サーバ1の機能構成の一例について説明する。
【0034】
サーバ1は、
図2に示すように、記憶部111、通信部112、設定部113、および判定部114を備える。本実施形態では、サーバ1は、CPU101がメモリ102やストレージ103に記憶されるプログラムを実行することにより、これらの機能構成を実現するものとするが、これに限定するものではなく、これらの機能構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されても良い。
【0035】
記憶部111は、外部の情報処理端末2が備える部品の寿命情報を記憶する記憶部の一例である。本実施形態では、記憶部111は、情報処理端末2の機種毎に寿命情報を記憶する。ここで、寿命情報は、情報処理端末2が備える部品が寿命となる稼働状況(以下、寿命稼働状況と言う)を示す情報である。
【0036】
本実施形態では、寿命情報は、下記の表2に示すように、情報処理端末2の機種と、情報処理端末2が備える部品の分類、部品のベンダ、部品の型番、部品の製造情報、部品が寿命となる稼働量の閾値である稼働閾値(寿命稼働状況の一例)、当該稼働閾値の単位、および稼働閾値の稼働内容を含む。寿命情報が含む稼働内容(すなわち、部品の稼働閾値の種別)は、稼働情報と同様に、表2に示すように、部品毎に異なる。
【表2】
【0037】
本実施形態では、寿命情報は、下記の表2に示すように、情報処理端末2が備える部品の分類、ベンダ、型番、または製造情報毎に、稼働閾値を示す。例えば、情報処理端末2が備える部品のうちCPU201は、ベンダ、型番、または製造情報毎に、稼働閾値が変わらない。そのため、寿命情報は、表2に示すように、CPU201については、その分類(中分類)毎の稼働閾値を示す。
【0038】
また、例えば、情報処理端末2が備える部品のうちSSD(500GB)は、ベンダ(メモリベンダC、HDDベンダD)毎に、稼働閾値が異なる。そのため、寿命情報は、表2に示すように、SSD(500GB)については、そのベンダ毎の稼働閾値を示す。
【0039】
また、例えば、情報処理端末2が備える部品のうちメモリ202(2GB)は、製造情報(ロット番号)毎に、稼働閾値が異なる。そのため、寿命情報は、表2に示すように、メモリ202(2GB)については、製造情報毎の稼働閾値を示す。
【0040】
また、例えば、情報処理端末2が備える部品のうちLCD204も、製造情報(製造年月日)毎に、稼働閾値が異なる。そのため、寿命情報は、表2に示すように、LCD204についても、その製造情報毎の稼働閾値を示す。
【0041】
また、例えば、情報処理端末2が備える部品のうちHDD(500GB)は、その稼働内容が複数存在する場合がある。そのため、寿命情報は、表2に示すように、HDD(500GB)については、複数の稼働内容毎の稼働閾値を示す。
【0042】
通信部112は、情報処理システム内の情報処理端末2等の外部装置との通信を司る。本実施形態では、通信部112は、ネットワークNTを介して、情報処理端末2から、稼働情報を受信する受信部の一例として機能する。また、本実施形態では、通信部112は、情報処理端末2から、センサ情報や修理情報を含む稼働情報を受信する。
【0043】
また、本実施形態では、通信部112は、情報処理端末2が有する部品が予め設定される交換条件を満たすか否かの判定結果を、情報処理端末2の管理者の端末(外部端末の一例)に送信する送信部の一例として機能する。
【0044】
設定部113は、情報処理端末2の設計情報等に基づいて、情報処理端末2が備える部品の寿命稼働状況の初期値を設定する設定部の一例である。そして、設定部113は、初期値として設定した寿命稼働状況を示す寿命情報を、記憶部111に保存する。
【0045】
また、設定部113は、第1所定情報に基づいて、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況を更新する更新部の一例として機能する。ここで、第1所定情報は、予め設定される情報である。本実施形態では、第1所定情報は、通信部112により受信する稼働情報が示す稼働状況である。これにより、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況を動的に更新することが可能となるので、情報処理端末2が有する部品が寿命に達したか否かを適切に判定することが可能となる。
【0046】
本実施形態では、設定部113は、通信部112により受信する稼働情報のうち修理情報を含む稼働情報を第1所定情報として抽出し、当該抽出した稼働情報が示す稼働量に基づいて、記憶部111に記憶される寿命情報が示す稼働閾値を更新する。例えば、機種A100の情報処理端末2が有するCPU201の稼働量としての積算稼働時間が12,222時間(表1参照)であり、機種A100の寿命情報が含むCPU201の稼働閾値である20,000時間(表2参照)に達していないにも関わらず、当該CPU201の交換や修理が行われた場合、設定部113は、機種A100の情報処理端末2が有するCPU201の積算稼働時間である12,222時間に基づいて、記憶部111に記憶される機種A100の寿命情報が含むCPU201の稼働閾値を更新(例えば、減少)させる。
【0047】
また、設定部113は、通信部112により受信する稼働情報のうち、予め設定される使用状態と異なる使用状態検出結果を示すセンサ情報を含む稼働情報以外の稼働情報に基づいて、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況を更新する。ここで、予め設定される使用状態は、情報処理端末2の部品の寿命に対する影響が少ない使用状態である。言い換えると、予め設定される検出結果は、情報処理端末2の通常の使用状態である。
【0048】
これにより、情報処理端末2の通常の使用状態とは異なる使用状態において使用される情報処理端末2から受信する稼働情報に基づいて、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況が更新されることを防止できる。その結果、情報処理端末2が有する部品が寿命に達したか否かを適切に判定することが可能となる。
【0049】
例えば、機種A100の情報処理端末2から受信する稼働情報が含むセンサ情報が示す使用状態検出結果が予め設定される使用状態と異なる場合、設定部113は、機種A100以外の情報処理端末2(例えば、機種A101,B200の情報処理端末2)から受信する稼働情報が示す稼働状況に基づいて、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況を更新する。
【0050】
判定部114は、通信部112により受信する稼働情報が示す稼働状況と、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況と、を照合して、情報処理端末2が備える部品が予め設定される交換条件を満たすか否かを判定する判定部の一例として機能する。
【0051】
これにより、情報処理端末2において不具合が発生する前に、情報処理端末2の不具合の調査や部品の交換等が可能となるので、情報処理端末2が利用できない時期を短縮することができる。また、情報処理端末2の部品の寿命に対して十分に余裕があるに関わらず、部品が交換されてしまったり、部品の交換を行わなかった場合に、交換用の部品が無駄になったりする可能性を低減することができる。
【0052】
ここで、予め設定される交換条件は、情報処理端末2が備える部品の交換が必要と判断する、稼働情報が示す稼働状況と寿命情報が示す寿命稼働状況との照合結果である。本実施形態では、予め設定される交換条件は、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値に達したこと、若しくは、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値に近づいたこと等である。
【0053】
本実施形態では、判定部114は、通信部112により受信する稼働情報が含む機種、分類、ベンダ、型番、製造情報等に基づいて、記憶部111から、当該受信した稼働情報が稼働量を示す部品の寿命情報を読み出す。次いで、判定部114は、稼働情報が示す稼働量が、読み出した寿命情報が示す稼働閾値を超えているか否かを判定する。
【0054】
そして、判定部114は、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値を超えている場合、若しくは、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値に近づいている場合、部品が交換条件を満たしていると判定する。一方、判定部114は、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値を超えていない場合、若しくは、稼働情報が示す稼働量が、寿命情報が示す稼働閾値に近づいていない場合、部品が交換条件を満たしていないと判定する。
【0055】
例えば、機種A100の情報処理端末2から受信する稼働情報が含む製造情報(ロット番号:15)のメモリ202(2GB)の積算稼働時間(稼働量の一例):12,222時間が、機種A100の寿命情報が含む製造情報(ロット番号:15~20)のメモリ202(2GB)の積算稼働時間(稼働閾値の一例):10,000時間を超えている場合、判定部114は、機種A100の情報処理端末2が有するメモリ202(2GB)が寿命に達したと判定する。
【0056】
また、例えば、機種A100の情報処理端末2から受信する稼働情報が含む小分類(HDD(500GB))の代替セクタ数:100が、機種A100の寿命情報が含む小分類(HDD(500GB))の代替セクタ数:2を超えている場合、判定部114は、機種A100の情報処理端末2が有するストレージ203(HDD(500GB))が寿命に達したと判定する。
【0057】
また、判定部114は、第2所定情報に基づいて、通信部112により受信する稼働情報が示す稼働状況を補正する。ここで、第2所定情報は、予め設定される情報である。本実施形態では、第2所定情報は、通信部112により受信する稼働情報が含むセンサ情報である。そして、判定部114は、補正後の稼働状況と、記憶部111に記憶される寿命情報が示す寿命稼働状況と、を照合する。
【0058】
これにより、情報処理端末2に対して外力が加えられて、当該情報処理端末2の部品の寿命が短くなる場合でも、情報処理端末2の部品が寿命に達したか否かを適切に判定できる。その結果、情報処理端末2に対して外力が加えられて、当該情報処理端末2の部品の寿命が短くなる場合でも、情報処理端末2において不具合が発生する前に、情報処理端末2の不具合の調査や部品の交換等が可能となる。
【0059】
例えば、通信部112により受信する稼働情報が含むセンサ情報が示す使用状態検出結果が、情報処理端末2の落下回数(または、情報処理端末2の振動回数、衝撃回数)である場合、判定部114は、当該落下回数に予め設定される定数を乗算した値(以下、補正値と言う)を、当該稼働情報が含む稼働量に加算する。そして、判定部114は、補正値を加算した稼働量が、記憶部111に記憶される寿命情報が示す稼働閾値を超えたか否かを判定する。
【0060】
また、判定部114は、情報処理端末2の部品に応じて、通信部112により受信する稼働情報が示す稼働量の補正値を変更することも可能である。これにより、情報処理端末2に対して外力が加えられて、当該情報処理端末2の部品の寿命が短くなる場合に、情報処理端末2の部品が寿命に達したか否かをより適切に判定できる。その結果、情報処理端末2の使用状態が悪く、当該情報処理端末2の部品の寿命が短くなる場合でも、情報処理端末2において不具合が発生する前に、情報処理端末2の不具合の調査や部品の交換等が可能となる。
【0061】
具体的には、判定部114は、情報処理端末2の部品のうちその使用状態によって寿命が短くなり易い部品(例えば、HDD)の補正値を、情報処理端末2の部品のうちその使用状態によって寿命が短くなり難い部品(例えば、CPU201)の補正値より大きくする。例えば、通信部112により受信する稼働情報が含むセンサ情報が示す使用状態検出結果が、情報処理端末2の落下回数(または、情報処理端末2の振動回数、衝撃回数)である場合、判定部114は、稼働情報が含むHDDの積算稼働時間に乗算する定数を、稼働情報が含むCPU201の積算稼働時間に乗算する定数よりも大きくする。これにより、判定部114は、稼働情報が含むHDDの積算稼働時間の補正値を、稼働情報が含むCPU201の積算稼働時間の補正値よりも大きくする。
【0062】
図3は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバによる部品の発注処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図3を用いて、サーバ1による部品の発注処理の流れの一例について説明する。
【0063】
通信部112は、ネットワークNTを介して、情報処理端末2から、稼働情報を受信する(ステップS301)。
【0064】
次いで、判定部114は、通信部112により受信する稼働情報が含む機種、分類、ベンダ、型番、製造情報等に基づいて、記憶部111から、当該受信した稼働情報が稼働状況を示す部品に対応する寿命情報を読み出す(ステップS302)。
【0065】
次いで、判定部114は、受信した稼働情報が示す稼働状況と、記憶部111から読み出した寿命情報が示す寿命稼働状況と、を照合して、情報処理端末2の部品が交換条件を満たすか否かを判定する(ステップS303)。
【0066】
情報処理端末2の部品が交換条件を満たしていないと判定した場合(ステップS303:No)、サーバ1は、情報処理端末2の部品の発注処理を実行しない。
【0067】
一方、情報処理端末2の部品が交換条件を満たしていると判定した場合(ステップS303:Yes)、通信部112は、情報処理端末2が有する部品のうち、交換条件を満たした部品(交換部品)を示す発注情報を、情報処理端末2の管理者の端末に送信する(ステップS304)。
【0068】
情報処理端末2の管理者の端末は、発注情報を受信すると、当該発注情報が示す交換部品を、発注候補の部品として、当該管理者の端末が有する表示部に表示する。そして、管理者の端末は、管理者による操作に応じて、交換部品の発注指示を、交換部品手配システムに送信する。交換部品手配システムは、発注指示に応じて、交換部品の発注を実行する。
【0069】
図4は、本実施形態にかかる情報処理システムが有するサーバによる寿命情報の更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図4を用いて、サーバ1による寿命情報の更新処理の流れの一例について説明する。
【0070】
設定部113は、まず、通信部112により受信する稼働情報のうち、部品の交換を行った情報処理端末2から受信した稼働情報(本実施形態では、修理情報を含む稼働情報)を収集(抽出)する(ステップS401)。
【0071】
次いで、設定部113は、収集した稼働情報(例えば、積算稼働時間)が、予め設定される寿命情報の更新条件を満たしているか否かを判断する(ステップS402)。
【0072】
収集した稼働情報が更新条件を満たしていないと判断した場合(ステップS402:No)、例えば、収集した稼働情報の数(すなわち、部品の交換数)が予め設定される閾値を超えていない場合、設定部113は、記憶部111に記憶される寿命情報の更新を実行しない。
【0073】
一方、収集した稼働情報が更新条件を満たしていると判断した場合(ステップS402:Yes)、例えば、収集した稼働情報の数が予め設定される閾値を超えている場合、設定部113は、収集した稼働情報が示す部品の稼働量(例えば、積算稼働時間)に基づいて、当該部品の新たな稼働閾値を算出する(ステップS403)。
【0074】
そして、設定部113は、算出した新たな稼働閾値によって、寿命情報が示す稼働閾値を更新する(ステップS404)。
【0075】
このように、本実施形態にかかる情報処理システムによれば、情報処理端末2において不具合が発生する前に、情報処理端末2の不具合の調査や部品の交換等が可能となるので、情報処理端末2が利用できない時期を短縮することができる。また、情報処理端末2の部品の寿命に対して十分に余裕があるに関わらず、部品が交換されてしまったり、部品の交換を行わなかった場合に、交換用の部品が無駄になったりする可能性を低減することができる。
【0076】
なお、本実施形態のサーバ1および情報処理端末2で実行されるソフトウェアプログラムは、メモリ102,202等の記憶装置に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0077】
さらに、本実施形態のサーバ1および情報処理端末2で実行されるソフトウェアプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のサーバ1および情報処理端末2で実行されるソフトウェアプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
本実施形態の情報処理端末2で実行されるソフトウェアプログラムは、上述した各部(通信部211)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU201等のプロセッサが上記ストレージ203からソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部211が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0079】
また、本実施形態のサーバ1で実行されるソフトウェアプログラムは、上述した各部(通信部112、設定部113、および判定部114)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU101等のプロセッサが上記メモリ102からソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部112、設定部113、および判定部114が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0080】
1 サーバ
2 情報処理端末
101,201 CPU
102,202 メモリ
103,203 ストレージ
204 LCD
205 キーボード
112,211 通信部
111 記憶部
113 設定部
114 判定部