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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】粒子分離装置及び粒子分離方法
(51)【国際特許分類】
   B03B 5/00 20060101AFI20220224BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20220224BHJP
   C12M 1/26 20060101ALI20220224BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20220224BHJP
   G01N 15/10 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B03B5/00 Z
C12M1/00 A
C12M1/26
G01N37/00 101
G01N15/10 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018540023
(86)(22)【出願日】2017-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 KR2017000918
(87)【国際公開番号】W WO2017131452
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2019-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2016-0009559
(32)【優先日】2016-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518266624
【氏名又は名称】エクソズム インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジョン ウク
(72)【発明者】
【氏名】シン、ス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、デ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン チョル
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-263693(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1360135(KR,B1)
【文献】特開2009-273461(JP,A)
【文献】特表2014-528089(JP,A)
【文献】特開2006-116520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00
B03B 5/00-5/74
B81B 1/00-7/00
C12M 1/00-1/42
G01N 15/10、37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイズが互いに異なる複数の粒子を含む第1流体が投入されるように構成され、前記複数の粒子はナノ粒子である第1入力流路;
粒子を含まない第2流体が投入されるように構成される第2入力流路;
一端が前記第1入力流路及び前記第2入力流路に連結されて、前記第1流体及び前記第2流体が混合された第3流体が移動する連結流路であって、基板;前記基板上に形成され、前記第1入力流路と連結された第1側面;及び前記基板上に前記第1側面と対向して、前記第2入力流路と連結された第2側面を含み、前記第1側面は、前記基板に対して、前記第2側面側に傾いており、前記第1の側面と前記基板との間に形成された角度が35度~55度である、前記連結流路;
前記連結流路の他端を通じて出てきた前記複数の粒子が、粒子のサイズによって分離排出される複数の排出流路であって、前記連結流路の前記他端側に、前記第3流体の流動方向と交叉する方向に互いに離れて配置される、前記複数の排出流路
を含む粒子分離装置であって、
前記連結流路の前記他端を通じて出てきた前記第3流体中の少なくとも一部が外部に排出される分岐流路を含み、前記分岐流路は、前記連結流路の他端側に、前記第3流体の流れ方向と交叉する方向に配置され、前記連結流路の他端側から出てくる複数の粒子それぞれが移動する経路間の距離を増加させるように、前記分岐流路を通じて外部に排出される第3流体の流量を調整するように構成され、前記分岐流路は、前記第3流体を、前記連結流路を通じて出てくる前記第3流体の70%~95%の流量で排出するように構成され、
前記分岐流路を通って排出される前記第3流体の流量の割合が増加した場合に、前記連結流路を通じて出てくる前記第3流体が排出される前記排出流路の数が増加するように構成される、前記粒子分離装置。
【請求項2】
前記複数の粒子は、前記第1側面をスライドして移動する、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項3】
前記第1側面は平板状である、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項4】
前記第1側面は階段状である、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項5】
前記第2側面は、前記基板に対して前記第1側面側に傾いている、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項6】
前記第2側面と前記基板がなす角度は90度未満である、請求項5記載の粒子分離装置。
【請求項7】
前記複数の排出流路の中で隣接した一対の排出流路間の間隔は互いに同一である、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項8】
前記第1入力流路と前記第2入力流路は、それぞれ前記第1流体及び前記第2流体が、前記第2流体に対する前記第1流体の流量比が0.1:99.9乃至50:50の範囲で投入されるように構成される、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項9】
前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量が調節される、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項10】
前記第2入力流路は、前記第1入力流路に対して予め定められた角度で傾いている、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項11】
前記複数の粒子は、細胞小器官(organelle)である、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項12】
前記複数の粒子は、量子ドット(Quantum dot)である、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項13】
前記第1流体及び前記第2流体は、ポリエーテルアミン(polyetheramine)、ヘキサン及びトルエンのうち、いずれか一つを含む有機溶剤、蒸留水、tween20を含む水溶液、食塩水、培養培地及びPBSのうち、いずれか一つを含む、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項14】
前記粒子分離装置は、血液分析チップ、DNAアレイ及びマイクロセンサーのうち、いずれか一つに適用される、請求項1記載の粒子分離装置。
【請求項15】
粒子サイズが互いに異なる複数の粒子を含む第1流体を、第1入力流路に投入させる段階であって、前記複数の粒子はナノ粒子である、前記投入段階;
粒子を含まない第2流体を、第2入力流路に投入させる段階;
前記第1流体及び前記第2流体を、前記第1入力流路及び前記第2入力流路の出口側に連結された連結流路の一端で通過させる段階であって、前記連結流路は、基板;前記基板上に形成され、前記第1入力流路と連結された第1側面;及び前記基板上に前記第1側面と対向して、前記第2入力流路と連結された第2側面を含み、前記第1流体及び前記第2流体を連結流路で通過させる前記段階は、前記複数の粒子を、前記連結流路の側面から、前記連結流路の側面に形成された角度によって粒径サイズ順に離す段階を含む、前記通過段階;
前記連結流路を通過した前記複数の粒子を、粒子のサイズ別に複数の排出流路にそれぞれ分離する段階であって、前記複数の排出流路は、前記連結流路の前記他端側に、前記第3流体の流動方向と交叉する方向に互いに離れて配置される、前記分離段階;及び
前記連結流路を通過した前記第1流体及び前記第2流体が混合された第3流体のうち、少なくとも一部を前記連結流路の出口側に位置した分岐流路に外部に排出する段階であって、前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量を、前記連結流路から出てくる前記第3流体の70%から95%の範囲内に調整する段階を含み、前記分岐流路は、前記連結流路の他端側に、前記第3流体の流れ方向と交叉する方向に配置され
前記分岐流路を通って排出される前記第3流体の流量の割合が増加した場合に、前記連結流路を通じて出てくる前記第3流体が排出される前記排出流路の数が増加するように構成される、前記排出段階を含む、粒子分離方法。
【請求項16】
前記第1側面は、前記基板に対して前記第2側面側に傾いている、請求項15記載の粒子分離方法。
【請求項17】
前記第1側面と前記基板がなす角度は90度未満である、請求項16記載の粒子分離方法。
【請求項18】
前記第1入力流路と前記第2入力流路は、それぞれ前記第1流体及び前記第2流体が、前記第2流体に対する前記第1流体の流量比が0.1:99.9乃至50:50の範囲で投入されるように構成される、請求項15記載の粒子分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒子分離装置及び粒子分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微量の物質を利用した診断及び合成に対する要求が増加しており、ラボオンチップ(lab-on-a-chip)等のマイクロスケールシステムに対する需要が高まっている。微量の物質を分離して制御する技術は、特に、医療、化学、及び生物学分野で極めて重要である。
【0003】
ラボオンチップは、チップ内の実験室又はチップ上の実験室を意味し、主に、ガラス、高分子樹脂、シリコン等で製造された基板に、ナノリットル以下の微細チャンネルを作り、微細チャンネルを通じて数ナノリットル程度の液体試料を移動させることにより、従来の実験や研究過程を速やかに行えるように開発されたものである。
【0004】
このようなラボオンチップに基いた粒子分離システムが研究されている。しかし、従来の粒子分離システムは、複雑な構造と複雑な分離メカニズムを有していて、分離精度が低いという限界がある。
【0005】
また、粒子分離システムを通じて分離された粒子の構造が乱れて、分離後に機能を失う場合もある。
【発明の概要】
【0006】
[発明の詳細な説明]
[技術的課題]
前記のような技術的背景を基に、本発明は複数の粒子が分離過程で損傷されない粒子分離装置を提供する。
【0007】
[課題の解決手段]
本発明の一実施例による粒子分離装置は、
サイズが互いに異なる複数の粒子を含む第1流体が投入される第1入力流路、
粒子を含まない第2流体が投入される第2入力流路、
一端が前記第1入力流路及び前記第2入力流路に連結されて前記第1流体及び第2流体が混合された第3流体が移動する連結流路、
前記連結流路の他端を通じて出てきた前記複数の粒子が、粒子のサイズにより分離排出される複数の排出流路、及び
前記連結流路の前記他端を通じて出てきた前記第3流体の内、少なくとも一部が排出される分岐流路を含むことができる。
【0008】
前記連結流路は、
基板、
前記基板上に形成され、前記第1入力流路と連結された第1側面、及び
前記基板上に前記第1側面と対向して前記第2入力流路と連結された第2側面を含むことができる。
【0009】
前記複数の粒子は、前記第1側面をスライドして移動することができる。
【0010】
前記第1側面は、前記基板に対して、前記第2側面側に傾くことができる。
【0011】
前記第1側面と前記基板がなす角度は90度未満であってもよい。
【0012】
前記第1側面は平板状であってもよい。
【0013】
前記第1側面は階段形状であってもよい。
【0014】
前記第2側面は、前記基板に対して、前記第1側面側に傾いてもよい。
【0015】
前記第2側面と前記基板がなす角度は90度未満であってもよい。
【0016】
前記複数の排出流路は、前記連結流路の前記他端側に、前記第3流体の流動方向と交叉する方向に互いに離して配置することができる。
【0017】
前記複数の排出流路の内、隣接した一対の排出流路間の間隔は互いに同一である。
【0018】
前記第1入力流路と前記第2入力流路にそれぞれ流入される前記第1流体及び前記第2流体の流量比は、0.1:99.9乃至50:50であってもよい。
【0019】
前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量を調節することができる。
【0020】
前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量は、前記連結流路を通じて出てくる前記第3流体の70%~95%であってもよい。
【0021】
前記第2入力流路は、前記第1入力流路に対して、予め定められた角度で傾くことができる。
【0022】
前記複数の粒子はナノ粒子であってもよい。
【0023】
前記複数の粒子は細胞小器官(organelle)であってもよい。
【0024】
前記第1流体及び前記第2流体は、ポリエーテルアミン(polyetheramine)、ヘキサン及びトルエンの内、いずれか一つを含む有機溶剤、蒸留水、tween20を含む水溶液、食塩水、培養培地及びPBS(Phosphate Buffer Saline)の内、いずれか一つを含むことができる。
【0025】
前記粒子分離装置は、血液分析チップ、DNAアレイ及びマイクロセンサーの内、いずれか一つに適用することができる。
【0026】
本発明の一実施例による粒子分離方法は、
粒子サイズが互いに異なる複数の粒子を含む第1流体を第1入力流路に投入させる段階、
粒子を含まない第2流体を第2入力流路に投入させる段階、
前記第1流体及び前記第2流体を、前記第1入力流路及び前記第2入力流路の出口側に連結された連結流路に通過させる段階、
前記連結流路を通過した前記複数の粒子を、粒子のサイズ別に複数の排出流路それぞれに通過させる段階、及び
前記連結流路を通過した前記第1流体及び前記第2流体が混合された第3流体の内、少なくとも一部を、前記連結流路の出口側にある分岐流路に通過させる段階を含むことができる。
【0027】
前記連結流路は、
基板、
前記基板上に形成され、前記第1入力流路と連結された第1側面、及び
前記基板上に、前記第1側面と対向して、前記第2入力流路と連結された第2側面を含むことができる。
【0028】
前記第1側面は、前記基板に対して、前記第2側面側に傾くことができる。
【0029】
前記第1側面と前記基板がなす角度は90度未満であってもよい。
【0030】
前記第1入力流路と前記第2入力流路にそれぞれ流入される前記第1流体及び前記第2流体の流量比は、0.1:99.9乃至50:50であってもよい。
【0031】
前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量を調節することができる。
【0032】
前記分岐流路を通じて排出される前記第3流体の流量は、前記連結流路を通じて出てくる前記第3流体の70%~95%であってもよい。
【発明の効果】
【0033】
前記のような粒子分離装置及び粒子分離方法によると、サイズが互いに異なる粒子を粒子サイズ別に分離することができる。本実施例による粒子分離装置及び粒子分離方法によると、マイクロ粒子とナノ粒子を互いに分離することができ、また、サイズが異なるナノ粒子を互いに分離することができる。
【0034】
また、物理的、化学的に、電気エネルギーの使用を最小化して、分離過程で粒子が損傷することを防止することができる。
【0035】
また、本実施例の粒子分離装置及び粒子分離方法は、半導体ナノ粒子の分離、バイオナノ粒子の分離、血液、臍帯血、エクソソーム、微細ほこり等のナノ粒子を分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の一実施例による粒子分離装置の平面図である。
図2図2は、連結流路を通過した粒子が分離される過程を説明した図である。
図3図3は、図1のIII-IIIに沿って切った連結流路の断面図である。
図4図4は、図3の連結流路の第1変形例である。
図5図5は、図3の連結流路の第2変形例である。
図6図6は、図3の連結流路の第3変形例である。
図7図7は、分岐流路の流量変化による粒子分離の程度を示した図である。
図8図8は、第1入力流路及び第2入力流路の流量変化による粒子分離の程度を示した図である。
図9図9は、排出流路を通じて粒子が分離される結果を示した図である。
図10図10は、本実施例による粒子分離装置を利用したエクソソーム(Exosome)とアポトーシス小体(Apoptotic body)を分離した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有するものが容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、複数の相違した形態で実現することができて、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて、同一又は類似した構成要素に対しては同一の参照符号を付した。
【0038】
また、図面で示された各構成のサイズ及び厚さは、説明の利便性のために任意に示したので、本発明は必ずしも図示されたことに限定されない。
【0039】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。さらに、図面で説明の利便性のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板等の部分が他の部分の“上”又は“上に”あるとしたとき、これは他の部分の“すぐ上に”ある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含まれる。
【0040】
また、明細書全体において、或る部分が或る構成要素を“含む”としたとき、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書全体で、“~の上に”とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するもので、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0041】
以下、図1乃至3を参照して、本発明の一実施例による粒子分離装置について説明する。
【0042】
図1は本発明の一実施例による粒子分離装置の平面図であり、図2は連結流路を通過した粒子が分離される過程を説明した図であり、図3図1のIII-IIIに沿って切った連結流路の断面図である。
【0043】
図1乃至図3を参照すると、本発明の一実施例による粒子分離装置は、第1入力流路(In_P1)、第2入力流路(In_P2)、連結流路(CP)、複数の排出流路(EX1~EX9)及び分岐流路(DP)を含む。本実施例によると、第1入力流路及び第2入力流路(In_P1、In_P2)に連結された連結流路(CP)を通過した複数の粒子(A、B、C、D)は、粒子のサイズによって複数の排出流路(Ex)に分離排出される。このとき、連結流路(CP)を通じて出てくる流体の一部が分岐流路(DP)を通じて外部に流出され、分岐流路(DP)が、分岐流路(DP)を通じて外部に流出される流体の流量を調節することにより、複数の粒子が粒子のサイズ別に複数の排出流路(Ex)を通じて分離されるように調節することができる。
【0044】
図1を参照すると、第1入力流路(In_P1)を通じて第1流体(L1)が投入される。このとき、第1流体(L1)にはサイズが互いに異なる複数の粒子が含まれている。すなわち、第1入力流路(In_P1)を通じて複数の粒子が含まれた第1流体(L1)が投入される。前記第1入力流路(In_P1)を通じて流入された複数の粒子は、本実施例による粒子分離装置を通過して粒子サイズ別に分離される。
【0045】
このとき、複数の粒子は、ナノ粒子、量子ドット(Quantum dot)、細胞小器官(organelle)等であってもよい。ここで、ナノ粒子は、粒子のサイズが数ナノメートルの粒子を意味するもので、本実施例による粒子分離装置に適用される粒子は、数ナノメートルサイズの多様な粒子が使用できる。
【0046】
一方、量子ドットは、化学的合成工程を通じて製造されるナノメートルサイズの半導体結晶体を示す。このとき、量子ドットは、物質の種類の変化なく、粒子のサイズ別に異なる長さの光波長を発生させて多様な色を発光させることができる。さらに、第2入力流路(In_P2)には粒子を含まない第2流体(L2)が投入される。前述した第1流体(L1)とは別に、第2流体(L2)は液体のみからなる。
【0047】
つまり、本実施例による粒子分離装置の入口側には、第1入力流路(In_P1)及び第2入力流路(In_P2)が配置される。このとき、一つの入力流路、つまり第1入力流路(In_P1)には分離しようとする互いに異なるサイズの複数の粒子が第1流体(L1)を通じて投入され、他の一つの入力流路、すなわち第2入力流路(In_P2)には、粒子が含まれていない第2流体(L2)が投入される。
【0048】
このとき、第1流体(L1)及び第2流体(L2)は、ポリエーテルアミン(polyetheramine)、ヘキサン及びトルエンのうち、いずれか一つを含む有機溶剤、蒸留水、tween20を含む水溶液、食塩水、培養培地及びPBS(Phosphate Buffer Saline)のうち、いずれか一つを含むことができる。例えば、本実施例では、サイズが互いに異なる複数の粒子を培養培地に含めて第1入力流路(In_P1)に投入させることができる。第1入力流路(In_P1)及び第2入力流路(In_P2)は連結流路(CP)に連結される。図1に示した通り、第1入力流路(In_P1)及び第2入力流路(In_P2)が連結流路(CP)の一端に結合される。
【0049】
このとき、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)は互いに一定の角度を成し、連結流路(CP)の一端に結合される。第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)は互いに平行に配置されて連結流路(CP)の一端に結合されない。つまり、第2入力流路(In_P2)は、第1入力流路(In_P1)を基準に一定角度で傾いて、連結流路(CP)に結合される。
【0050】
例えば、図1に図示された通り、第1入力流路(In_P1)は連結流路(CP)と並んで配置され、第2入力流路(In_P2)は第1入力流路(In_P2)に対して一定角度で傾いて、配置することができる。
【0051】
図2を参照すると、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)が互いに一定角度をなすと、第1流体(L1)に含まれた複数の粒子が、連結流路(CP)の第1側面(W1)に沿って移動することができる。ここで、第1側面(W1)は、第1入力流路(In_P1)と連結された連結流路(CP)の一側面を示す。
【0052】
例えば、第1流体(L1)にサイズが互いに異なる複数の粒子(A、B、C、D)が含まれていると仮定する。第1連結流路(In_P1)を通過した第1流体(L1)は、第2流体(L2)によって連結流路(CP)の第1側面(W1)をスライドして、連結流路(CP)に沿って移動する。
【0053】
第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)が合流する地点では、第2入力流路(In_P2)の第2流体(L2)によって、第1流体(L1)の複数の粒子(A、B、C、D)は、連結流路(CP)の第1側面(W1)側に移動する。これは、連結流路(CP)に投入される第2流体(L2)が、第1流体(L1)に対して一定角度で傾いて投入されるからである。すなわち、第2流体(L2)により、連結流路(CP)に流入される複数の粒子(A、B、C、D)が連結流路(CP)の第1側面(W1)をスライドしながら移動される。
【0054】
本実施例によると、図3に図示した通り、連結流路(CP)の第1側面(W1)は、基板(Su)に対して第1角度(θ1)で傾いて配置される。このとき、第1側面(W1)は、第1側面(W1)と互いに対向する第2側面(W2)側に傾いている。ここで、第2側面(W2)は、第2入力流路(In_P2)と連結された連結流路(CP)の一側面を示す。
【0055】
さらに、第2側面(W2)も、基板(Su)に対して第2の角度(θ2)で傾いて配置することができる。しかし、これに限定されず、第2側面(W2)は、図4の第1変形例に図示された通り、基板(Su)に対して垂直に配置することができる。複数の粒子(A、B、C、D)は、第2流体(L2)により第1側面(W1)に沿って移動して、第2側面(W2)に沿って移動しないからである。
【0056】
このとき、第1角度(θ1)及び第2角度(θ2)は、90度未満の場合もある。好ましくは、第1角度(θ1)及び第2角度(θ2)は、35度~55度であってもよい。第1側面(W1)が第1角度(θ1)に傾くと、第1流体(W1)に含まれた粒子が、粒子サイズ順に第1側面(W1)から離れることができる。
【0057】
図3を参照すると、複数の粒子(A、B、C、D)は、第1の側面(W1)から粒子サイズ順に離される。例えば、粒子サイズが大きい順の、粒子(A)、粒子(B)、粒子(C)、粒子(D)の順に第1側面(W1)から離される。以下では、便宜上、粒子(A、B、C、D)は球状であり、粒子のサイズは粒子(A、B、C、D)の直径によって決定されるものと仮定する。最後に、直径のサイズが大きい順の、粒子(A)、粒子(B)、粒子(C)、粒子(D)の順に第1側面(W1)から離される。
【0058】
本実施例によると、第1側面(W1)が第2側面(W2)側に傾くことにより、第1側面(W1)が傾かずに基板(Su)に対して垂直に配置される場合に比べて、粒子(A、B、C、D)間の距離を増加させることができる。ここで、粒子(A、B、C、D)間の距離は前記粒子(A、B、C、D)の中心間の距離を意味する。これにより、連結流路(CP)を通過した粒子(A、B、C、D)が粒子のサイズよって互いに分離されて、複数の排出流路(Ex1~Ex9)に投入されることができる。これに対する詳細説明は後述することにする。
【0059】
このとき、第1側面(W1)は平板状であってもよい。図3に図示した通り、第1の側面(W1)が平板状に形成され、複数の粒子(A、B、C、D)は、基板(Su)及び平板の第1側面(W1)に接しながら、連結流路(CP)内に位置する。
【0060】
一方、第1側面(W1)は、図5の第2変形例に図示された通り、階段状に形成することもできる。第1側面(W1)が階段状に形成されると、平面状に形成されたものに比べて、複数の粒子(A、B、C、D)間の距離をさらに増加させることができる。この時、図5に図示された通り、第2側面(W2)も第1側面(W1)と同様に階段状に形成することができる。
【0061】
さらに、図1及び図2を参照すると、複数の粒子(A、B、C、D)は、第1流体(L1)及び第2流体(L2)が混合された第3流体(L3)に含まれて、連結流路(CP)を通過する。前述した通り、複数の粒子(A、B、C、D)は、第1側面(W1)をスライドしながら移動する。以後、連結通路(CP)を通過すると、図2に図示された通り、粒子のサイズ別に互いに分離されて移動する。
【0062】
図2において、複数の粒子(A、B、C、D)は、第2流体(L2)によって、第1側面(W1)に沿ってスライドし、慣性力によって、連結通路(CP)を通過した時、第1側面(W1)側に傾いて移動される。
【0063】
このとき、粒子(A、B、C、D)は、粒子のサイズにより、互いに異なる経路に沿って移動される。より詳細には、複数の粒子(A、B、C、D)それぞれは、経路(P1、P2、P3、P4)に沿って移動される。つまり、粒子(A)は、経路(P1)に沿って、粒子(B)は経路(P2)に沿って、粒子(C)は経路(P3)に沿って、さらに、粒子(D)は経路(P4)に沿って移動される。
【0064】
図2に図示した通り、粒子サイズが小さいほど第1側面(W1)側に大きく曲がる。従って、粒子サイズが小さい順の、粒子(D)、粒子(C)、粒子(B)及び粒子(A)の順に第1側面(W1)側から大きく曲がる。
【0065】
一方、本実施例によると、前述した通り、第1側面(W1)が第2側面(W2)側に傾くと、粒子(A、B、C、D)間の距離が増加し、これによって連結流路(CP)を通過した粒子(A、B、C、D)が移動する経路(P1、P2、P3、P4)間の距離が増加する。経路(P1、P2、P3、P4)のうち隣接した一対の経路間の距離が増加すると、前記経路に沿って移動する粒子を容易に分離することができる。
【0066】
例えば、経路(P1)に沿って移動する粒子(A)と経路(P2)に沿って移動する粒子(B)を調べると、第1側面(W1)が傾かない場合に比べて、第1側面(W1)が傾く場合は、経路(P1)と経路(P2)間の距離がさらに増加する。これは、第1側面(W1)が傾いて、連結流路(CP)内で粒子(A)と粒子(B)間の距離が増加するからである。
【0067】
さらに、図1を参照すると、連結流路(CP)の他端に複数の排出流路(Ex)が配置される。複数の排出流路(Ex)は、連結流路(CP)を通じて出てきた複数の粒子を、粒子のサイズにより分離排出させることができる。
【0068】
例えば、連結流路(CP)の他端には、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)を形成することができる。図1には、9つの排出流路が配置されるものと説明されるが、排出流路の数はこれ限定されず、9個より少ないか、又はより多くてもよい。本実施例によると、粒子サイズによって、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)にそれぞれ分離排出される。
【0069】
このとき、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)は、連結流路(CP)から出てくる第3流体(L3)の流動方向と交叉する方向に配列できる。つまり、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)は、前記流動方向と交叉する方向に互いに離して配置することができる。
【0070】
本実施例によると、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)は、互いに同じ間隔で、前記交叉方向に配置される。より詳細には、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)の中で隣接した一対の排出流路間の間隔は、互いに同一である。例えば、排出流路(Ex1)と排出流路(Ex2)間の間隔と、排出流路(Ex2)と排出流路(Ex3)間の間隔は、互いに同一である。同様に、排出流路(Ex2)と排出流路(Ex3)間の間隔と、排出流路(Ex3)と排出流路(Ex4)間の間隔は、互いに同一である。
【0071】
一方、本実施例によると、連結流路(CP)を通じて出てきた第3流体(L3)のうち少なくとも一部が排出される分岐流路(DP)が配置される。分岐流路(DP)は、連結流路(CP)の出口側に位置して、前記複数の排出流路(Ex)に隣接して配置される。
【0072】
このとき、分岐流路(DP)は、第3流体(L3)のうちの一部を外部に排出させ、複数の粒子が粒子サイズ別にそれぞれ対応する複数の排出流路(Ex)で分離排出されるようにする。分岐流路(DP)が第3の流体(L3)中の一部を外部に排出させると、前述した粒子それぞれが移動する経路間の距離を増加させることができる。これにより、互いにサイズが異なる粒子を粒子サイズ別に容易に分離することができる。
【0073】
本実施例によると、分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節することができる。前記分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節すると、連結流路(CP)を通じて排出される複数の粒子を、粒子サイズ別に、より容易に分離排出することができる。
【0074】
図7は、分岐流路の流量変化により粒子が分離される程度を示した図であって、分岐流路(DP)を通じて流出される第3流体の流量が、連結流路(CP)を通じて出てくる第3流体に対して一定比以上であれば、粒子が容易に分離されたことが分かる。
【0075】
図7を参照すれば、分岐流路(DP)を通じて流出される第3流体の流量の比率が増加すると、連結流路(CP)を通じて出てくる第3流体が流出された排出流路(Ex)が増加される。ここで、図7に示された割合(%)は、連結流路(CP)を通じて出てくる第3流体に対する、分岐流路を通じて排出される第3流体の比率を示す。さらに、図7に赤色で示された経路は、連結流路を通じて排出された第3流体が移動する経路を示す。
【0076】
例えば、分岐流路(DP)に排出される流量が連結流路(CP)の0%である場合、すなわち、分岐流路(DP)に流出される流量が全くない場合には、第3流体が一つの排出流路(Ex)に沿って排出される。一方、分岐流路(DP)に排出される流量の割合が増加すると、第3流体が排出される経路の排出流路(Ex)の数が増加することが分かる。特に、分岐流路(DP)に排出される流量が連結流路(CP)の70%~95%である場合、第3流体が排出される経路の排出流路(Ex)の数が最大になることが分かった。
【0077】
一方、本実施例によると、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)にそれぞれ流入される第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比は互いに異なる。特に、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比が0.1:99.9乃至50:50の場合に、連結流路(CP)を通じて流出される複数の粒子が、粒子のサイズにより、容易に分離排出される。より好ましくは、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比が5:95の場合、複数の粒子が複数の排出流路を通じて粒子のサイズ別に分離される。
【0078】
図8は、第1及び第2入力流路の流量変化による粒子分離の程度を示した図である。図8は、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)を通過する流量の相対的変化によって、本実施例による粒子分離装置の複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)に分離排出される程度を示した実験結果である。図8の実験結果は、エクソソームを利用して実施し、エクソソームのマーカーとしてシンテニン(Syntenin)を使用した。
【0079】
一方、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)に位置するエクソソームを検出するために、ウエスタンブロット(Western Blotting)法を使用した。また、本実験で第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)に流体を投入するために、シリンジポンプ(Syringe Pump)を使用した。
【0080】
図8(1)を参照すると、粒子が含まれていない第2流体(L2)の流量が、粒子が含まれている第1流体(L1)の流量に比べて大きい場合、例えば、第1流体(L1)の流量と第2流体(L2)の流量比が1:99である場合には、エクソソームが複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)から等しく検出されない。
【0081】
一方、第1流体(L1)の流量と第2流体(L2)の流量比が5:95又は10:90である場合には、エクソソームが複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)それぞれに等しく検出された。
【0082】
特に、前述した通り、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比が5:95の場合、エクソソームが複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)それぞれに等しく分離されることが分かった。
【0083】
図8は、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比を調節することにより、第3流体が複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)それぞれに流出されることを確認した実験結果である。
【0084】
図9は、排出流路を通じて粒子が分離される結果を示した図である。
【0085】
図9は、1μmと10μmのポリスチレン(polystyrene)粒子を18:1の重量比で混合した後、本実施例による粒子分離装置を利用して分離した結果を示した結果である。本実験は、前記粒子を蒸留水又はtween20が混合された蒸留水に混合して実施し、第1流体(L1)と第2流体(L2)の流量比は5:95、分岐流路(DP)に排出される流量は連結流路(CP)の70%の条件で実施した。排出流路からポリスチレン(polystyrene)粒子を確認するために、光学顕微鏡を使用した。
【0086】
図9を参照すると、粒子のサイズが小さい1μmポリスチレン(polystyrene)粒子は、主に前方排出流路から検出され、粒子のサイズが大きい10μmポリスチレン粒子は、主に後方排出流路から検出された。ここで、前方排出流路とは、排出流路の番号が小さいことを意味し(例えば、Ex1、Ex2、Ex3、Ex4)、後方排出流路とは、排出流路の番号が大きいことを意味する(例えば、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)。図9の写真に記載されたDrain_1、Drain_2、...等は、それぞれ排出流路(Ex1、Ex2、...)に対応する。
【0087】
図10は、本実施例による粒子分離装置を利用して、エクソソームとアポトーシス小体を分離した結果である。
【0088】
図10は、粒子サイズが約100nm~200nmのエクソソームと、粒子サイズが約1μm~5μmのアポトーシス小体とが混合された流体を、本実施例による粒子分離装置を使用して分離した実験結果である。
【0089】
本実験は、エクソソームとアポトーシス小体を培養培地又はPBS(Phosphate Buffer Saline)に混合して入力流路に投入し、第1流体(L1)と第2流体(L2)の流量比は10:90、分岐流路(DP)に排出される流量は連結流路(CP)の75%の条件で実施した。複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)に位置する粒子を検出するために、ウエスタンブロット(Western Blotting)法を使用した。そして、エクソソームのマーカーとしてシンテニン(Syntenin)を使用し、アポトーシス小体のマーカーとしては、カレチクリン(calreticulin)を使用した。
【0090】
図9と類似して、図10でも、粒子のサイズが小さいエクソソームは主に前方排出流路から検出され、粒子のサイズが大きいアポトーシス小体は主に後方排出流路から検出された。ここで、前方排出流路とは、排出流路の番号が小さいことを意味し(例えば、Ex1、Ex2、Ex3、Ex4)、後方排出流路とは、排出流路の番号が大きいことを意味する(例えば、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)。
【0091】
下記では、本発明の一実施例による粒子分離方法について説明することにする。本実施例の粒子分離方法を説明する場合において、前述した粒子分離装置と同じ構成に対する詳細な説明は省略することにする。
【0092】
図1を参照すれば、まず、第1流体(L1)を第1入力流路(In_P1)に投入させる。このとき、第1流体(L1)には、粒子サイズ別に分離しようとするサイズが互いに異なる複数の粒子が含まれている。すなわち、第1入力流路(In_P1)を通じて、複数の粒子が含まれた第1流体(L1)を投入させる。
【0093】
一方、粒子を含まない第2流体(L2)を第2入力流路(In_P2)に投入させる。前述した第1流体(L1)とは異なり、第2流体(L2)は液体のみからなる。
【0094】
すなわち、本実施例によれば、粒子を含む第1流体(L1)と、粒子を含まない第2流体(L2)を、互いに異なる入力流路(In_P1、In_P2)に投入させる。このとき、第1流体(L1)と第2流体(L2)は、同時に投入することができる。
【0095】
このとき、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)は、互いに一定角度を成して、連結流路(CP)の入口に結合される。第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)は互いに平行に配置されて連結流路(CP)の一端に結合されない。すなわち、第2入力流路(In_P2)は、第1入力流路(In_P1)を基準に、一定角度で傾いて連結流路(CP)に結合される。
【0096】
例えば、図1に図示された通り、第1入力流路(In_P1)は連結流路(CP)と並んで配置され、第2入力流路(In_P2)は、第1入力流路(In_P1)に対して一定角度で傾いて配置することができる。
【0097】
一方、本実施例によると、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)にそれぞれ流入される第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比は、互いに異なる。特に、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比が0.1:99.9乃至50:50の場合に、連結流路(CP)を通じて流出される複数の粒子を、粒子のサイズによって容易に分離排出することができる。より好ましくは、第1流体(L1)及び第2流体(L2)の流量比が5:95である場合、複数の粒子を複数の排出流路を通じて、粒子のサイズ別に容易に分離することができる。
【0098】
次に、第1流体(L1)と第2流体(L2)が投入された後、第1流体(L1)と第2流体(L2)は、それぞれの第1入力流路及び第2入力流路を通過した後、連結流路に流入される。
【0099】
図2を参照すると、第1入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)が互いに一定角度をなすと、第1流体(L1)に含まれた複数の粒子が、連結流路(CP)の第1側面(W1)に沿って移動することができる。ここで、第1側面(W1)は、第1入力流路(In_P1)と連結された連結流路(CP)の一側面を示す。
【0100】
例えば、第1流体(L1)にサイズが異なる複数の粒子(A、B、C、D)が含まれていると仮定する。第1連結流路(In_P1)を通過した第1流体(L1)は、第2流体(L2)によって連結流路(CP)の第1側面(W1)をスライドして連結流路(CP)に沿って移動する。
【0101】
第1の入力流路(In_P1)と第2入力流路(In_P2)が合流する地点では、第2入力流路(In_P2)の第2流体(L2)によって、第1流体(L1)の複数の粒子(A、B、C、D)は、連結流路(CP)の第1側面(W1)側に移動する。これは、連結流路(CP)に投入される第2流体(L2)が、第1流体(L1)に対して一定角度で傾いて投入されるからである。すなわち、第2流体(L2)により、連結流路(CP)に流入される複数の粒子(A、B、C、D)が、連結流路(CP)の第1側面(W1)をスライドしながら移動するようになる。
【0102】
前述した通り、図3の通り、連結流路(CP)の第1側面(W1)は、基板(Su)に対して第1角度(θ1)で傾いて配置される。このとき、第1側面(W1)は、第1側面(W1)と対向する第2側面(W2)側に傾く。ここで、第2側面(W2)は、第2入力流路(In_P2)と連結された連結流路(CP)の一側面を示す。
【0103】
さらに、第2側面(W2)も、基板(Su)に対して第2角度(θ2)で傾いて配置されることもある。しかし、これに限定されず、第2側面(W2)は、図4の第1変形例に図示された通り、基板(Su)に対して垂直に配置することができる。複数の粒子(A、B、C、D)は、第2流体(L2)によって第1側面(W1)に沿って移動し、第2側面(W2)に沿って移動しないからである。
【0104】
このとき、第1角度(θ1)及び第2角度(θ2)は、90度未満であってもよい。好ましくは、第1角度(θ1)及び第2角度(θ2)は、35度~55度であってもよい。第1側面(W1)が第1角度(θ1)に傾くと、第1流体(W1)に含まれた粒子が、粒子サイズ順に第1側面(W1)から離れることができる。
【0105】
より詳細には、複数の粒子(A、B、C、D)は、第1側面(W1)から粒子サイズ順に離される。例えば、粒子サイズが大きい順の、粒子(A)、粒子(B)、粒子(C)、粒子(D)の順に、第1側面(W1)から離される。便宜上、粒子(A、B、C、D)は、球状であり、粒子のサイズは粒子(A、B、C、D)の直径によって決定されるものと仮定する。結局、直径のサイズが大きい順の、粒子(A)、粒子(B)、粒子(C)、粒子(D)順に、第1側面(W1)から離される。
【0106】
本実施例によれば、第1側面(W1)が第2側面(W2)側に傾くことにより、第1側面(W1)が傾かずに基板(Su)に対して垂直に配置される場合に比べて、粒子(A、B、C、D)間の距離を増加させることができる。ここで、粒子(A、B、C、D)間の距離は、前記粒子(A、B、C、D)の中心間の距離を意味する。
【0107】
次に、連結流路(CP)を通過した粒子(A、B、C、D)が、粒子のサイズにより、互いに分離されて複数の排出流路(EX1~EX9)に投入できる。このとき、連結流路(CP)の他端に複数の排出流路(Ex)が配置される。複数の排出流路(Ex)は、連結流路(CP)を通じて出てきた複数の粒子を、粒子のサイズにより、分離排出させることができる。
【0108】
前述した通り、連結流路(CP)の他端には、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)を形成することができる。図1には、9つの排出流路が配置されるものと説明されるが、排出流路の数は、これに限定されずに、9個より少ないか、又は、より多くてもよい。本実施例によると、粒子サイズによって、複数の排出流路(Ex1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5、Ex6、Ex7、Ex8、Ex9)でそれぞれ分離排出することができる。
【0109】
一方、本実施例によると、連結流路(CP)を通じて出てきた第3流体(L3)のうち、少なくとも一部を分岐流路(DP)で通過させる。分岐流路(DP)は、連結流路(CP)の出口側に位置して、前記複数の排出流路(Ex)に隣接して配置される。
【0110】
分岐流路(DP)は、第3流体(L3)中の一部を外部に排出させ、複数の粒子が粒子のサイズ別にそれぞれ対応する複数の排出流路(Ex)で分離排出される。分岐流路(DP)が第3流体(L3)中の一部を外部に排出させると、前述した粒子それぞれが移動する経路間の距離を増加させることができる。これにより、互いにサイズが異なる粒子を粒子サイズ別に容易に分離することができる
【0111】
本実施例によれば、分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節することができる。前記分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節すると、連結流路(CP)を通じて排出される複数の粒子を、粒子サイズ別に、より容易に分離排出することができる。
【0112】
分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節することができる。前記分岐流路(DP)を通じて排出される第3流体(L3)の流量を調節すると、連結流路(CP)を通じて排出される複数の粒子を粒子サイズ別に、より容易に分離排出することができる。
【0113】
例えば、分岐流路(DP)で排出される流量が連結流路(CP)の0%の場合、つまり、分岐流路(DP)で流出される流量が全くない場合には、第3流体が一つの排出流路(Ex)によって排出される。一方、分岐流路(DP)で排出される流量の割合が増加すると、第3流体が排出される経路の排出流路(Ex)の数が増加したことが分かる。特に、分岐流路(DP)で排出される流量が連結流路(CP)の70%~95%である場合、第3流体が排出される経路の排出流路(Ex)の数が最大になることが分かる。本発明の一実施例による粒子分離装置及び粒子分離方法において、連結流路(CP)の出口側に、連結流路(CP)を通じて流出された流体の一部を排出させる分岐流路(DP)が配置され、連結流路(CP)を通じて排出される複数の粒子を粒子のサイズ別に容易に分離することができる。
【0114】
一方、本実施例の粒子分離装置及び粒子分離方法によると、マイクロ粒子とナノ粒子を互いに分離することができ、また、互いにサイズが異なるナノ粒子を互いに分離することができる。
【0115】
また、本実施例は、非破壊、高効率エクソソーム精密分離システム、血液分析チップ、DNAアレイ、マイクロセンサー又は精密分離システム等に適用することができる。
【0116】
以上の通り、本発明を限定された実施例と図面を通じて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と下記に記載された特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10