(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】レール固定装置
(51)【国際特許分類】
E01B 9/32 20060101AFI20220224BHJP
E01B 3/16 20060101ALN20220224BHJP
E01B 7/22 20060101ALN20220224BHJP
【FI】
E01B9/32
E01B3/16
E01B7/22
(21)【出願番号】P 2019015462
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591270969
【氏名又は名称】三洲産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 大典
(72)【発明者】
【氏名】重光 秀彦
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-017839(JP,U)
【文献】特開2017-095870(JP,A)
【文献】実開昭62-154002(JP,U)
【文献】特開2011-102473(JP,A)
【文献】特開2015-090015(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0056109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール設置予定領域の左右位置に該レール設置予定領域とは隙間を有してそれぞれ固定される左受台及び右受台と、前記左受台に第1の締結部材によって取り付けられてレールの底部の左側端部を上から押える左押え部材と、前記右受台に第2の締結部材によって取り付けられて前記レールの底部の右側端部を上から押える右押え部材とを有して、前記レールを固定するレール固定装置において、
前記左受台及び前記レールの間に配置される左くさびと、前記右受台及び前記レールの間に配置される右くさびとを備え、
前記左くさびには、前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Jが形成され、該左くさびは、前記レールの長手方向に位置調整されて、前記凹凸面Jが、前記左受台に形成され前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Kに接合し、
前記右くさびには、前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Pが形成され、該右くさびは、前記レールの長手方向に位置調整されて、前記凹凸面Pが、前記右受台に形成され前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Qに接合
し、
前記左押え部材は、下側に突出して設けられ、前記レールの底部の左側端部に上から接触した状態で、前記左くさびに係止される突起Sを有し、前記右押え部材は、下側に突出して設けられ、前記レールの底部の右側端部に上から接触した状態で、前記右くさびに係止される突起Tを有することを特徴とするレール固定装置。
【請求項2】
請求項
1記載のレール固定装置において、前記凹凸面J、K、P、Qにはそれぞれ、等ピッチで凸部が設けられていることを特徴とするレール固定装置。
【請求項3】
請求項1
又は2記載のレール固定装置において、前記左受台及び前記右受台は大きさ及び形状が同じであり、前記左押え部材及び前記右押え部材は大きさ及び形状が同じであることを特徴とするレール固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールを固定するレール固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電車、台車及びクレーン等に利用されるレールは摩耗や破損等が生じた際に取り替える必要がある。そのためレール固定装置には、固定しているレールが容易に取り外しできるような設計が採用される。例えば、特許文献1には、玉受床板に載置されたレールに接してレールの幅方向の移動と上側への移動とを制限するレール押え金が、ナット及びボルトからなる締結部材によって玉受床板に固定されたレール固定装置が記載されている。ナットを緩めてレール押え金を取り外すことにより、レールの交換が可能となる。
【0003】
また、現場によっては、
図5に示すように、レール101の設置面102に間隔を空けて溶接された対となる受台103、103aと、受台103にナット104及びボルト105によって取り付けられてレール101の底部の左側端部を上から押える押え部材106と、受台103aにナット104a及びボルト105aによって取り付けられてレール101の底部の右側端部を上から押える押え部材106aとを有するレール固定装置100が用いられる。受台103、103a間の距離はレール101の底部の幅より長いことから、受台103、103aの間でのレール101の位置調整が可能である。位置調整されたレール101と受台103の隙間及び同レール101と受台103aの隙間は、調整板107、108、109を差し込むことによって埋められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、調整板を用いて受台とレールの隙間を埋めようとすると、厚みが異なる多くの調整板を予め用意しない限り、レールの位置調整幅が限定的となるという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、レールと受台の間を埋めるために多くの部材を必要としないレール固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係るレール固定装置は、レール設置予定領域の左右位置に該レール設置予定領域とは隙間を有してそれぞれ固定される左受台及び右受台と、前記左受台に第1の締結部材によって取り付けられてレールの底部の左側端部を上から押える左押え部材と、前記右受台に第2の締結部材によって取り付けられて前記レールの底部の右側端部を上から押える右押え部材とを有して、前記レールを固定するレール固定装置において、前記左受台及び前記レールの間に配置される左くさびと、前記右受台及び前記レールの間に配置される右くさびとを備え、前記左くさびには、前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Jが形成され、該左くさびは、前記レールの長手方向に位置調整されて、前記凹凸面Jが、前記左受台に形成され前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Kに接合し、前記右くさびには、前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Pが形成され、該右くさびは、前記レールの長手方向に位置調整されて、前記凹凸面Pが、前記右受台に形成され前記レールに対し傾斜して配される凹凸面Qに接合し、前記左押え部材は、下側に突出して設けられ、前記レールの底部の左側端部に上から接触した状態で、前記左くさびに係止される突起Sを有し、前記右押え部材は、下側に突出して設けられ、前記レールの底部の右側端部に上から接触した状態で、前記右くさびに係止される突起Tを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るレール固定装置は、左受台及びレールの間に配置される左くさびと、右受台及びレールの間に配置される右くさびとを備え、左くさびには、レールに対し傾斜して配される凹凸面Jが形成され、左くさびが、レールの長手方向に位置調整されて、凹凸面Jが、左受台に形成されレールに対し傾斜して配される凹凸面Kに接合し、右くさびには、レールに対し傾斜して配される凹凸面Pが形成され、右くさびが、レールの長手方向に位置調整されて、凹凸面Pが、右受台に形成されレールに対し傾斜して配される凹凸面Qに接合するので、左くさび及び右くさびのみを用いて、位置調整されたレールと左受台の間及び当該レールと右受台の間をそれぞれ埋めることができる。よって、レールと左受台の間及びレールと右受台の間を埋めるために多くの部材を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るレール固定装置の平面図である。
【
図3】(A)、(B)はそれぞれ、右受台の平面図及び側面図である。
【
図4】(A)、(B)はそれぞれ、右押え部材の平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るレール固定装置10は、レール設置予定領域Rの左右位置にレール設置予定領域Rとは隙間を有してそれぞれ固定される左受台11及び右受台12と、左受台11に取り付けられてレールWの底部W’の左側端部を上から押える左押え部材13と、右受台12に取り付けられレールWの底部W’の右側端部を上から押える右押え部材14とを有して、レールWを固定する。以下、詳細に説明する。
【0010】
レールWは、
図1、
図2に示すように、断面I字状であり、底部W’が基礎体Gに面接触した状態でレールWに沿って間隔を空けて配された複数のレール固定装置10によって固定される。本実施の形態では、基礎体GがH形鋼であるが、これに限定されない。
基礎体G上のレールWの設置予定領域をレール設置予定領域Rとして、レール設置予定領域Rは、前後方向に長く、幅(左右方向の長さ)がレールWの幅よりも広い。レールWはレール設置予定領域R内で幅方向位置が調整可能であり、設置位置が決定された後、レール固定装置10によって固定される。
【0011】
レール固定装置10は、左受台11及び右受台12が左右方向に間隔を空けて基礎体Gに固定(本実施の形態では、溶接)され、左押え部材13が第1の締結部材15によって左受台11に取り付けられてレールWの底部W’の左側端部に接触し、右押え部材14が第2の締結部材16によって右受台12に取り付けられてレールWの底部W’の右側端部に接触することによって、レールWを固定する。
【0012】
左受台11及び右受台12は大きさ及び形状が同じであり、左受台11は右受台12に対しレールWの断面の対称軸である仮想の鉛直軸を中心に180度回転した配置で基礎体Gに固定される。左押え部材13及び右押え部材14は同じ大きさ及び形状であり、左押え部材13は右受台12に取り付けられた右押え部材14に対し上述した仮想の鉛直軸を中心に180度回転した配置で左受台11に取り付けられる。
以下、特に記載しない限り、左受台11及び右受台12は基礎体Gに固定されているものとし、左押え部材13及び右押え部材14はそれぞれ左受台11及び右受台12に取り付けられているものとする。
【0013】
右受台12には、
図3(A)、(B)に示すように、左側に凹凸面Qが設けられ、前後方向の中央を右端から左側に向かって切欠いた切欠き17が凹凸面Qの右側に形成され、切欠き17の前後にそれぞれ、前後方向に長く上側に突出した突出部18、19が設けられている。切欠き17は、
図3(A)に示すように、左半分が右半分に比べて前後方向の幅が狭く、右受台12は、切欠き17の左半分の前後にそれぞれ、基礎体Gとの間に切欠き17と連続した空間を確保するカバー部20、21を具備している。
【0014】
凹凸面Qは、全体としてレール設置予定領域R内に設置されるレールWに対し傾斜して配置される。凹凸面Qには凹凸面Qの長手方向に沿って等ピッチで多数の凸部22が設けられている。凸部22は、
図3(B)に示すように、それぞれ凹凸面Qの上端から下端に渡っており、各凸部22は平行に配置されている。
【0015】
右押え部材14は、
図1、
図2、
図4(A)、(B)に示すように、左右方向に長い中央本体片23と、中央本体片23の右側前方に張り出た平板部24と、中央本体片23の右側後方に張り出た平板部25を有している。中央本体片23の前後方向中央には左右方向に長い貫通孔26が形成され、中央本体片23の左側には、前後方向に長く下側に突出した突起Tが設けられ、中央本体片23の右側には、垂下部27が設けられている。
【0016】
右押え部材14は、
図1、
図2に示すように、平板部24、25が突出部18、19にそれぞれ載置され、垂下部27が平面視して切欠き17内に収められ(本実施の形態では、突出部18、19間に配され)、突起TがレールWの底部W’の右側端部に上から接触した状態で、基礎体Gに溶接された右受台12を上から覆う。
鉛直に配されたT型ボルト28が、右押え部材14の貫通孔26を挿通しており、T型ボルト28の貫通孔26の上側に位置する雄螺子部の領域には下から順に平座金30、ばね座金31及びナット32が装着されている。T型ボルト28は、下側に配された頭部がカバー部20、21の各下側の空間に挿入され右受台12に掛け止められる。
【0017】
右押え部材14は、主としてT型ボルト28、平座金30、ばね座金31及びナット32からなる第2の締結部材16によって右受台12に固定されている。
レールWの底部W’と右受台12の間には、平面視して台形状の右くさび33が挿入されている。右くさび33は、凹凸面Qに接合する凹凸面Pが右側(レールWまで遠い側)に配され、直線部34が左側(レールWまで近い側)に配される。
【0018】
凹凸面Pは、レール設置予定領域Rに設置されたレールWに対し、全体として傾斜して配置され、直線部34はレールWに平行に配される。
凹凸面Pは凹凸面Pの長手方向に沿って等ピッチ(凸部22の配置ピッチと同じピッチ)で多数の凸部35が設けられている。凸部35はそれぞれ凹凸面Pの上端から下端に渡っており、各凸部35は平行に配置されている。
【0019】
平面視して凹凸面Pは凹凸面Qより長く、右くさび33は、レールWの長手方向に位置調整されて、凹凸面Pの一部が凹凸面Qの全体に凸部22、35を噛み合わせた状態で接合する。凹凸面Pが凹凸面Qに接合した右くさび33は、右押え部材14の突起Tに掛け止められた(係止された)状態で固定される。
本実施の形態では、右くさび33が後側に位置するほど、凹凸面Pが凹凸面Qに接合した状態で、凹凸面Qから直線部34までの距離が長くなる。よって、右くさび33のレールWの長手方向位置を調整することによって、直線部34をレールWに最接近させた状態にすることができる。
【0020】
また、左受台11には、
図1、
図2に示すように、右側に凹凸面Kが設けられ、前後方向の中央を左端から右側に向かって切欠いた切欠き37が形成され、切欠き37の前後にそれぞれ、前後方向に長く上側に突出した突出部38、39が設けられている。左受台11は、切欠き37の前側に基礎体Gとの間に切欠き37に連続した空間を確保するカバー部40を具備し、切欠き37の後側にも同様のカバー部を備えている。
凹凸面Kは、レール設置予定領域R内に設置されるレールWに対し傾斜して配置される。凹凸面Kには凹凸面Kの長手方向に沿って等ピッチで多数の凸部42が設けられている。
【0021】
左押え部材13は、中央本体片43と、中央本体片43の左側前方に張り出た平板部44と、中央本体片43の左側後方に張り出た平板部45を有している。中央本体片43の前後方向中央には左右方向に長い貫通孔46が形成され、中央本体片43の右側には、前後方向に長く下側に突出した突起Sが設けられ、中央本体片43左側には、垂下部47が設けられている。
【0022】
左押え部材13は、平板部44、45が突出部38、39にそれぞれ載置され、垂下部47が平面視して切欠き37内に収められ、突起SがレールWの底部W’の左側端部に上から接触した状態で、基礎体Gに溶接された左受台11を上から覆う。
鉛直に配されたT型ボルト48が、左押え部材13の貫通孔46を挿通しており、T型ボルト48の貫通孔46の上側に位置する雄螺子部の領域には下から順に平座金50、ばね座金51及びナット52が装着されている。T型ボルト48は、下側に配された頭部がカバー部40の下側の空間及びカバー部40の後側に設けられたカバー部の下側の空間に挿入され左受台11に掛け止められる。
【0023】
左押え部材13は、主としてT型ボルト48、平座金50、ばね座金51及びナット52からなる第1の締結部材15によって左受台11に固定されている。
レールWの底部W’と左受台11の間には、平面視して台形状の左くさび53が挿入されている。左くさび53は、凹凸面Kに接合する凹凸面Jが左側(レールWまで遠い側)に配され、直線部54が右側(レールWまで近い側)に配される。
【0024】
凹凸面Jは、レール設置予定領域Rに設置されたレールWに対し、全体として傾斜して配置され、直線部54はレールWに平行に配される。凹凸面Jは凹凸面Jの長手方向に沿って等ピッチ(凸部42の配置ピッチと同じピッチ)で多数の凸部55が設けられている。
平面視して凹凸面Jは凹凸面Kより長く、左くさび53は、レールWの長手方向に位置調整されて、凹凸面Jの一部が凹凸面Kの全体に凸部42、55を噛み合わせた状態で接合する。
【0025】
凹凸面Jが凹凸面Kに接合した左くさび53は、左押え部材13の突起Sに掛け止められた(係止された)状態で固定される。
本実施の形態では、左くさび53が後側に位置するほど、凹凸面Jが凹凸面Kに接合した状態で、凹凸面Kから直線部54までの距離が短くなる。よって、左くさび53のレールWの長手方向位置を調整することによって、直線部54をレールWに最接近させた状態にすることができる。
【0026】
以下、レール固定装置10によってレールWを固定する手順について説明する。
(1)レール設置予定領域R内でレールWの左右方向位置を調整し、右受台12及び左受台11が固定された基礎体GにレールWを載置する。
(2)レールWと右受台12の間に右くさび33を挿入し、右くさび33をレールWの長手方向に移動させ、直線部34をレールWの底部W’の右側に最接近又は接触させた状態にして、凹凸面Pを凹凸面Qに接合させると共に、レールWと左受台11の間に左くさび53を挿入し、左くさび53をレールWの長手方向に移動させて直線部54をレールWの底部W’の左側に最接近又は接触させた状態にして、凹凸面Jを凹凸面Kに接合させる。
【0027】
(3)右受台12にT型ボルト28の下部を係止させた後、T型ボルト28が右押え部材14の貫通孔26を挿通した状態にして右押え部材14を右受台12に置く。そして、左受台11にT型ボルト48の下部を係止させた後、T型ボルト48が左押え部材13の貫通孔46を挿通した状態にして左押え部材13を左受台11に置く。
【0028】
(4)右押え部材14の左右方向位置を調整して、突起TがレールWの底部W’の右側端部に上から接しかつ右くさび33に係止された状態にし、T型ボルト28に平座金30、ばね座金31及びナット32を装着して、右押え部材14を右受台12に固定する。そして、左押え部材13の左右方向位置を調整して、突起SがレールWの底部W’の左側端部に上から接しかつ左くさび53に係止された状態にし、T型ボルト48に平座金50、ばね座金51及びナット52を装着して、左押え部材13を左受台11に固定する。これによって、レール固定装置10によるレールWの固定が完了する。
【0029】
また、レール設置予定領域Rに対する右受台12の凹凸面Qの傾斜角度とレール設置予定領域Rに対する左受台11の凹凸面Kの傾斜角度とが等しく、右くさび33の凹凸面Pの傾斜角度(直線部34に対する傾斜角度)と左くさび53の凹凸面Jの傾斜角度(直線部54に対する傾斜角度)が等しいため、右くさび33と左くさび53を入れ替え、右くさび33を左受台11及びレールWの間に配置し、左くさび53を右受台12及びレールWの間に配置して、レールWを固定することもできる。
本実施の形態では、右くさび33の幅(直線部34と凹凸面Pの距離)と左くさび53の幅(直線部54と凹凸面Jの距離)が異なり、具体的には、右くさび33の幅が左くさび53の幅より広い。従って、左くさび53と右くさび33を入れ替えることによって、レールWをより右側の位置で固定することができる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、レールの下部右側に上から接触する突起とは別の部位が右くさびに係止されるように右押え部材を設計してもよく、この点、左押え部材についても同じである。
また、凹凸面Pに凸部が等ピッチで設けられていない右くさびを採用してもよいし、凹凸面Qに凸部が等ピッチで設けられていない右受台を採用してもよいし、凹凸面Jに凸部が等ピッチで設けられていない左くさびを採用してもよいし、凹凸面Kに凸部が等ピッチで設けられていない左受台を採用してもよい。
【0031】
また、左くさびの幅と右くさびの幅は等しくてもよい。
第1、第2の締結部材はそれぞれT型ボルトを有する必要はなく、例えば、T型ボルトの代わりに六角ボルトを用いてもよい。
そして、左受台及び右受台は形状やサイズが異なっていてよく、左押え部材及び右押え部材は形状やサイズが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10:レール固定装置、11:左受台、12:右受台、13:左押え部材、14:右押え部材、15:第1の締結部材、16:第2の締結部材、17:切欠き、18、19:突出部、20、21:カバー部、22:凸部、23:中央本体片、24、25:平板部、26:貫通孔、27:垂下部、28:T型ボルト、30:平座金、31:ばね座金、32:ナット、33:右くさび、34:直線部、35:凸部、37:切欠き、38、39:突出部、40:カバー部、42:凸部、43:中央本体片、44、45:平板部、46:貫通孔、47:垂下部、48:T型ボルト、50:平座金、51:ばね座金、52:ナット、53:左くさび、54:直線部、55:凸部、G:基礎体、J、K、P、Q:凹凸面、R:レール設置予定領域、S、T:突起、W:レール、W’底部