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特許7029199薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/40 20060101AFI20220224BHJP
   B23B 31/02 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B23B31/40
B23B31/02 610Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020515905
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2018111935
(87)【国際公開番号】W WO2019134425
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】201810007613.6
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512000569
【氏名又は名称】華南理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】夏 琴香
(72)【発明者】
【氏名】龍 錦川
(72)【発明者】
【氏名】程 秀全
(72)【発明者】
【氏名】熊 英超
(72)【発明者】
【氏名】肖 剛鋒
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-038990(JP,U)
【文献】特開平03-184733(JP,A)
【文献】特開平07-156005(JP,A)
【文献】特開平10-058256(JP,A)
【文献】特開2001-071206(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105179691(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107983981(CN,A)
【文献】中国実用新案第207823987(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/00-33/00
B23D 21/00-21/14
B23Q 3/00-3/154
B23Q 3/16-3/18
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タイロッドと、第2タイロッドと、内側シリンダと、外側スリーブと、くさび状スリーブと、フックと、締付シリンダと、ねじ付きプッシュロッドと、支持爪リングと、ばねと、ワッシャーと、ナットと、支持ブロックと、回転軸と、ジャケットと、フランジブッシュと、支持板とを含み、第1タイロッドの他端と第2タイロッドの一端には、それぞれフランジが設けられ、第2タイロッドは、一端の側で内側シリンダに接続され、第1タイロッドは、第2タイロッドの一端にそれぞれのフランジを介して接続され、第2タイロッドの他端は、ねじ付きプッシュロッドに接続され、内側シリンダの外周に外側スリーブが設けられ、内側シリンダの外円面には、円周方向に複数の案内キー溝が間隔を置いて設けられ、案内キー溝の内部には案内キーが設けられ、外側スリーブの内周面で内側シリンダの案内キー溝に対応する領域には案内溝が設けられ、外側スリーブは、一端が加工機械のマスタ軸に接続され、他端がジャケットに接続され、
くさび状スリーブは、一端が内側シリンダに接続され、他端が締付シリンダに接続され、締付シリンダの他端は、ジャケットに形成された開口の内面のくさび状面に設けられ、くさび状スリーブの外円周面には、くさび状スリーブの外円周面に沿って複数のフックが間隔を置いて設けられ、フックの締付シリンダの側の端部に段部が設けられ、締付シリンダの外壁の両には、くさび状スリーブの端の内側とジャケットの内側とそれぞれ同じ傾斜角度をなす、くさび状面が設けられ、締付シリンダの外周には環状溝が設けられ、環状溝は、フック上の段部に接続され、締付シリンダは、両端から中間へ円周面に沿って間隔を置いて複数の溝が設けられ、
複数の支持ブロックは、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、各支持ブロックの中間部には貫通穴が設けられ、2つの支持ブロックの間に1つの支持爪が置かれ、支持爪の側面には貫通穴が設けられ、回転軸は、支持爪と支持ブロックの貫通穴を貫通し、複数の回転軸は、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、
内側シリンダと第2タイロッドとの間にフランジブッシュが設けられ、フランジブッシュの端にフランジが設けられ、フランジの端面には、数及び形状が支持ブロックとは同じである溝が設けられ、支持ブロックは、フランジブッシュのフランジの溝に固定され、フランジブッシュの端は、フランジを介して支持板に接続され、支持板は、外側スリーブに接続され、
ねじ付きプッシュロッドには、円形段部が設けられ、ばねとワッシャーとナットは、ねじ付きプッシュロッドに嵌合し、複数の支持爪は、間隔を置いて、環状構造を有する支持爪リングを構成し、単一の支持爪は、先端と末端と底部を接続して構成され、先端の外面は、薄肉管状部品の内壁とは同じ曲率を有する円弧面であり、薄肉管状部品の内壁に当接し、ばねは、一端が支持爪リングの底部に接続され、他端がワッシャーに接続され、ワッシャーの外部にはナットが設けられ、支持爪リングは、締付シリンダの内部に置かれ、薄肉管状部品は、支持爪リングの外面と締付シリンダの内面との間に置かれることを特徴とする、
薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項2】
前記くさび状スリーブの一端にフランジが設けられ、フランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、第6ねじは、貫通穴を貫通して内側シリンダに接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項3】
前記フックは、3本であり、その設置方式として、くさび状スリーブの外円周面に円周方向に沿って120°を置いて3つの長尺溝が設けられ、各長尺溝には少なくとも2つのねじ穴が設けられ、各フックには少なくとも2つの貫通穴が設けられ、第3ねじ10は、各フックの貫通穴を貫通してくさび状スリーブの長尺溝に接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項4】
前記フックの締付シリンダの側の段部の断面は、台形であり、前記締付シリンダの内壁にはメッシュ状の方形溝が設けられ、締付シリンダの各端部は、円周面に沿って45°を置いて8本のストレート溝が設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項5】
前記各支持ブロックのフランジブッシュと対向する端面には2つのねじ穴が設けられ、フランジブッシュの端面に設けられた各溝の底部には2つの貫通穴が設けられ、第5ねじは、フランジブッシュの貫通穴を貫通して支持ブロックのフランジブッシュと対向する端面に接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項6】
前記フランジブッシュの一端のフランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、支持板の面は、円周方向に沿って90°を置いて4つのねじ穴が設けられ、フランジは第7ねじを介して支持板に接続され、支持板は、円周方向に沿って120°を置いて半径方向に3つのねじ穴が設けられ、第8ねじを介して外側スリーブに接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項7】
前記ジャケットは、第4ねじを介して外側スリーブに接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項8】
前記内側シリンダの外円面には円周方向に沿って120°を置いて3つの案内キー溝が設けられ、第2ねじは、案内キーを内側シリンダに固定することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項9】
前記ねじ付きプッシュロッドの端部は、第2タイロッドの他端のねじ穴に接続することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【請求項10】
回転加工前に、薄肉管状部品の挟持可能な領域を締付シリンダに置くステップ1と、
第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を内側シリンダによってくさび状スリーブに伝達し、くさび状スリーブの締付シリンダの側の端部の内側のくさび状面は、締付シリンダの一端の外壁のくさび状面に作用し、ジャケットの内側のくさび状面は、締付シリンダの他端の外壁のくさび状面に作用し、2つのくさび状面の共同作用で締付シリンダを収縮させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を実現するステップ2と、
ステップ2と同時に、第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を支持爪リングのフリップ運動にねじ付きプッシュロッドによって変換して支持爪リングを外部に向かって開放させ、支持爪リングのフリップ角度をねじ付きプッシュロッドによって微調整し、管状部品の内壁を十分に当接して前記管状部品の回転加工時の内側挟持を実現するステップ3と、
回転加工完成後に、第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動をくさび状スリーブによってフックに伝達し、フックの引っ張り作用で締付シリンダを自然状態に復帰させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を終了するステップ4と、
前記ステップ4と同時に、ばねとワッシャーとナットの組み合わせによって第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動を支持爪リングに伝達し、ばねの押圧力の作用で支持爪リングを収束させて前記管状部品の内側挟持を終了し、加工済みの前記薄肉管状部品を内外挟持装置から取り出すステップ5とを含むことを特徴とする、
請求項1~9の何れか1項に記載の内外挟持装置を使用した薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄肉管状部品の挟持に係り、特に薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法及び装置に係り、機械加工の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
機械加工分野において、回転加工時の挟持方式として一般的に外側挟持である薄肉管状部品があり、管状部品の挟持可能な領域が短い場合、締付効果が悪く、加工中に滑りやすく、往々に管状部品の内部に中実棒を充填して管状部品の内外挟持が実現される。しかし、管状部品の開口部の径が中間部分の径より小さい場合、中実棒の充填に頼る挟持方式は、適用できない。よって、挟持可能な領域が短くかつ開口部の径が中間部分の径より小さい薄肉管状部品の回転加工に対し、当該種類の薄肉管状部品の挟持を実現する効果的な内外挟持方法及び装置の提案が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術で挟持可能な領域が短くかつ開口部の径が中間部分の径より小さい薄肉管状部品回転加工時の内外挟持の面の欠陥に対し、有効な薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法及び装置を提案して薄肉管状部品挟持の信頼性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術手段を提案する。
【0005】
薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置において、
第1タイロッドと、第2タイロッドと、内側シリンダと、外側スリーブと、くさび状スリーブと、フックと、締付シリンダと、ねじ付きプッシュロッドと、支持爪リングと、ばねと、ワッシャーと、ナットと、支持ブロックと、回転軸と、ジャケットと、フランジブッシュと、支持板とを含み、第1タイロッド、第2タイロッドには、それぞれフランジが設けられ、第1タイロッドは、第2タイロッドに接続され、第2タイロッドは、内側シリンダに接続され、第1タイロッドは、第2タイロッドの一端に設けられ、第2タイロッドの他端は、ねじ付きプッシュロッドに接続され、内側シリンダの外周に外側スリーブが設けられ、内側シリンダの外円面には、円周方向に複数の案内キー溝が間隔を置いて設けられ、案内キー溝の内部には案内キーが設けられ、外側スリーブ内の円柱面で内側シリンダの案内キー溝に対応する外周には案内溝が設けられ、外側スリーブは、一端が加工機械のマスタ軸に接続され、他端がジャケットに接続され、
くさび状スリーブは、一端が内側シリンダに接続され、他端が締付シリンダに接続され、締付シリンダの他端は、ジャケットのくさび状面に設けられ、くさび状スリーブの外円周面には、複数のフックが間隔を置いて設けられ、フックの右端部に段部が設けられ、締付シリンダの外壁の両側には、くさび状スリーブの一端の内側とジャケットの内側とは同じ傾斜角度をなす、くさび状面が設けられ、締付シリンダの外周には環状溝が設けられ、環状溝は、フック上の階段に接続され、締付シリンダは、両端から中間へ円周面に沿って間隔を置いて複数の溝が設けられ、
複数の支持ブロックは、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、各支持ブロックの中間部には貫通穴が設けられ、2つの支持ブロックの間に1つの支持爪が置かれ、支持爪の側面には貫通穴が設けられ、回転軸は、支持爪と支持ブロックの貫通穴を貫通し、複数の回転軸は、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、
内側シリンダと第2タイロッドとの間にフランジブッシュが設けられ、フランジブッシュの一端にフランジが設けられ、フランジの端面には、数及び形状が支持ブロックとは同じである溝が設けられ、支持ブロックは、フランジブッシュのフランジの溝に固定され、フランジブッシュの他端は、フランジを介して支持板に接続され、支持板は、外側スリーブに接続され、
ねじ付きプッシュロッドには、円形段部が設けられ、ばねとワッシャーとナットは、ねじ付きプッシュロッドに嵌合し、複数の支持爪は、間隔を置いて、環状構造を有する支持爪リングを構成し、単一の支持爪は、先端と末端と底部を接続して構成され、先端の外面は、薄肉管状部品の内壁とは同じ曲率を有する円弧面であり、薄肉管状部品の内壁に当接し、ばねは、一端が支持爪リングの底部に接続され、他端がワッシャーに接続され、ワッシャーの外部にはナットが設けられ、支持爪リングは、締付シリンダの内部に置かれ、薄肉管状部品は、支持爪リングの外面と締付シリンダの内面との間に置かれる。
【0006】
本発明の目的をさらに実現するために、好ましくは、前記くさび状スリーブの一端にフランジが設けられ、フランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、第6ねじは、貫通穴を貫通して内側シリンダに接続する。
【0007】
好ましくは、前記フックは、3本であり、その設置方式として、くさび状スリーブの外円周面に円周方向に沿って120°を置いて3つの長尺溝が設けられ、各長尺溝には少なくとも2つのねじ穴が設けられ、各フックには少なくとも2つの貫通穴が設けられ、第3ねじ10は、各フックの貫通穴を貫通してくさび状スリーブの長尺溝に接続する。
【0008】
好ましくは、前記フックの右端部の段部の断面は、台形であり、前記締付シリンダの内壁にはメッシュ状の方形溝が設けられ、締付シリンダの各端部は、円周面に沿って45°を置いて8本のストレート溝が設けられている。
【0009】
好ましくは、前記各支持ブロックの左端面には2つのねじ穴が設けられ、各溝の底部には2つの貫通穴が設けられ、第5ねじは、フランジブッシュの貫通穴を貫通して支持ブロックの左端面に接続する。
【0010】
好ましくは、前記フランジブッシュの左端部のフランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、第7ねじを介して支持板に接続され、支持板の左右両端面は、円周方向に沿って90°を置いて4つのねじ穴が設けられ、円周方向に沿って120°を置いて3つのねじ穴が設けられ、第8ねじを介して外側スリーブに接続する。
【0011】
好ましくは、前記ジャケットは、第4ねじを介して外側スリーブに接続する。
【0012】
前記内側シリンダの外円面には円周方向に沿って120°を置いて3つの案内キー溝が設けられ、第2ねじは、案内キーを内側シリンダに固定する。
【0013】
好ましくは、前記ねじ付きプッシュロッドの左端部は、第2タイロッドの右端部のねじ穴に接続する。
【0014】
薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法において、
回転加工前に、薄肉管状部品の挟持可能な領域を締付シリンダに置くステップ1と、
第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を内側シリンダによってくさび状スリーブに伝達し、くさび状スリーブの右端部の内側のくさび状面は、締付シリンダの一端の外壁のくさび状面に作用し、ジャケットの内側のくさび状面は、締付シリンダの他端の外壁のくさび状面に作用し、2つのくさび状面の共同作用で締付シリンダを収縮させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を実現するステップ2と、
ステップ2と同時に、第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を支持爪リングのフリップ運動にねじ付きプッシュロッドによって変換して支持爪リングを外部に向かって開放させ、支持爪リングのフリップ角度をねじ付きプッシュロッドによって微調整し、管状部品の内壁を十分に当接して前記管状部品の回転加工時の内側挟持を実現するステップ3と、
回転加工完成後に、第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動をくさび状スリーブによってフックに伝達し、フックの引っ張り作用で締付シリンダを自然状態に復帰させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を終了するステップ4と、
前記ステップ4と同時に、ばねとワッシャーとナットの組み合わせによって第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動を支持爪リングに伝達し、ばねの押圧力の作用で支持爪リングを収束させて前記管状部品の内側挟持を終了し、加工済みの前記薄肉管状部品を前記内外挟持装置から取り出すステップ5とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法および装置は、挟持可能な領域が短くかつ開口部の径が中間部分の径より小さい薄肉管状部品回転加工時の内外挟持を実現し、従来の薄肉管状部品挟持方式の締付効果が悪く、滑りやすいという問題を解決できるとともに、薄肉管状部品挟持の信頼性を向上させ生産コストを低減させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】回転加工後の薄肉管状部品の構造図である。
図2】本発明の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置の構造図である。
図3図2の外側挟持部分の正面図である。
図4図3の分解図である。
図5図2の内側挟持部分の正面図である。
図6図5の分解図である。
図7図2の支持爪の構造図である。
図8図2の支持ブロックの構造図である。
図9図2のフランジブッシュの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術手段および利点をより明確にするために、以下、具体的な実施例と図面を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、実施形態が本発明の保護範囲への限定にならない。
【0018】
図1は、回転加工後の薄肉管状部品の構造図である。図1に示すように、薄肉管状部品の挟持可能な領域が短く、かつ開口部の径が中間部分の径より小さい。
【0019】
図2に示すように、薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置は、第1タイロッド1と、第2タイロッド2と、内側シリンダ6と、外側スリーブ7と、くさび状スリーブ8と、フック9と、締付シリンダ12と、ねじ付きプッシュロッド13と、支持爪リング14と、ばね15と、ワッシャー16と、ナット17と、支持ブロック18と、回転軸19と、ジャケット20と、フランジブッシュ22と、支持板25とを含む。第1タイロッド1、第2タイロッド2には、それぞれフランジが設けられている。第1ねじ3は、第1タイロッド1、第2タイロッド2のフランジを貫通して内側シリンダ6に接続し、第1タイロッド1の駆動力を第2タイロッド2、内側シリンダ6に伝達する。第1タイロッド1は、第2タイロッド2の一端に設けられ、第2タイロッド2の他端は、ねじ付きプッシュロッド13に接続される。ねじ付きプッシュロッド13の左端部が第2タイロッド2の右端部のねじ穴に接続することが好ましい。内側シリンダ6の外周に外側スリーブ7が設けられ、内側シリンダ6の外円面には、円周方向に複数の案内キー溝が間隔を置いて設けられている。内側シリンダ6の外円面には、円周方向に120°の間隔を置いて3つの案内キー溝が設けられていることが好ましい。案内キー溝の内部には案内キー4が設けられ、第2ねじ5は、案内キー4を内側シリンダ6に固定する。外側スリーブ7内の円柱面で内側シリンダ6の案内キー溝に対応する外周には案内溝が設けられている。案内キー4は、外側スリーブ7の案内溝を摺動可能であり、外側スリーブ7の回転運動を内側シリンダ6に伝達し、第1ねじ3によって、内側シリンダ6の回転運動を第1タイロッド1と第2タイロッド2に伝達する。外側スリーブ7は、加工機械のマスタ軸に接続され、ジャケット20は、第4ねじ11によって外側スリーブ7の一端に接続され、外側スリーブ7とともに回転する。ジャケット20の内側には、締付シリンダ12の外壁に押圧力を与えるための、一定の傾斜角度のくさび状面が設けられている。単一ピストン回転シリンダで第1タイロッドを駆動する。
【0020】
図4に示すように、くさび状スリーブ8は、一端(左端部)が内側シリンダ6に接続される。好ましくは、くさび状スリーブ8の一端(左端部)にフランジが設けられる。フランジは、円周方向に沿って90°の間隔を置いて4つの貫通穴が設けられ、第6ねじ23は、フランジの貫通穴を貫通して内側シリンダ6に接続する。くさび状スリーブ8の他端(右端部)の内側には、ジャケット20の内側と同じ傾斜角度のくさび状面が設けられている。くさび状スリーブ8外円周面には、間隔を置いて複数のフック9が設けられている。好ましくは、フック9は、3本であり、フック9の設置方式として、くさび状スリーブ8の外円周面に円周方向に沿って120°の角度を置いて3つの長尺溝が設けられ、各長尺溝には少なくとも2つのねじ穴が設けられ、各フック9には少なくとも2つの貫通穴が設けられ、第3ねじ10は、各フック9の貫通穴を貫通してくさび状スリーブ8の長尺溝に接続する。フック9の右端部に段部が設けられ、段部の断面が台形であることが好ましい。締付シリンダ12の外壁の両側には、くさび状スリーブ8の右端部の内側とジャケット20の内側とは同じ傾斜角度をなす、くさび状面が設けられ、締付シリンダ12の外周には環状溝が設けられ、環状溝は、フック9上の段部に接続される。よって、第1タイロッド1の復路運動で締付シリンダ12に引張力を与え、自然状態に復帰させる。締付シリンダ12の内壁にはメッシュ状の溝が設けられ、メッシュ状の方形溝であることが好ましく、締付シリンダ12の靭性を高め、摩擦を増大させる。締付シリンダ12は、両端から中間へ円周面に沿って間隔を置いて複数の溝が設けられている。各端部では円周面に沿って45°の間隔を置いて8本のストレート溝が設けられることが好ましく、締付シリンダ12が押圧力を受ける際に収縮空間を提供する。
【0021】
図6に示すように、回転軸19の形状は、ピンに類似するが、その機能の観点から回転軸と命名する。
【0022】
図6に示すように、複数の支持ブロック18は、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュ22を囲んで環状構造を構成する。各支持ブロック18の中間部には貫通穴が設けられ、2つの支持ブロック18の間に1つの支持爪が置かれる。支持爪の側面には貫通穴が設けられている。回転軸19は、支持爪と支持ブロック18の貫通穴を貫通し、1つの支持爪と2つの支持ブロック18を一体に接続する。
【0023】
図8に示すように、各支持ブロック18の左端面には、フランジブッシュ22と接続するための2つのねじ穴が設けられている。複数の回転軸19は、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュ22を囲んで環状構造を構成する。
【0024】
図9に示すように、フランジブッシュ22の右端部にフランジが設けられ、フランジの右端面には、数及び形状が支持ブロック18とは同じである溝が設けられている。各溝の底部には、2つの隣接する貫通穴が設けられている。第5ねじ21は、フランジブッシュ22の貫通穴を貫通して支持ブロック18の左端面に接続し、支持ブロック18をフランジブッシュ22の右端部のフランジの溝に固定する。
【0025】
図6に示すように、ねじ付きプッシュロッド13の左端部は、第2タイロッド2の右端部のねじ穴に接続される。ねじ付きプッシュロッド13には、円形段部が設けられ、ばね15とワッシャー16とナット17は、ねじ付きプッシュロッド13に嵌合する。
【0026】
複数の支持爪は、間隔を置いて、環状構造を有する支持爪リング14を構成し、支持爪は8個であることが好ましい。図7に示すように、単一の支持爪は、先端と末端と底部を接続して構成され、先端の外面は、薄肉管状部品の内壁とは同じ曲率を有する円弧面であり、薄肉管状部品の内壁に当接し、底部の側面には、回転軸19を貫通させて左右両端部の支持ブロック18に接続するための貫通穴が設けられている。第1タイロッド1は、往路運動で第2タイロッド2および第2タイロッド2に接続されるねじ付きプッシュロッド13に往路運動をさせ、ねじ付きプッシュロッド13に設けられた円形段部に往路運動をさせる。支持爪リング14は、円形段部のプッシュを受けて回転軸19周りに外側へフリップする。この場合、支持爪リング14の底部は、一定の傾斜角度を呈する。
【0027】
ばね15は、左端部が支持爪リング14の底部に接触する。支持爪リング14は、加工中に外側へフリップして拡張し薄肉管状部品の内壁に当接するため、その底部が一定の傾斜角度を呈する。加工完成後に薄肉管状部品の内壁への当接を解除する必要があり、ばね15の押圧力は、傾斜状態にある支持爪リング14の底部に作用し、支持爪リング14を、その底部が傾斜角度のない初期状態に復帰するまで収束させる。ばね15の右端部にはワッシャー16とナット17が設けられ、ワッシャー16からナット17を介して押圧される。第1タイロッド1は、復路運動の際に、第2タイロッド2および第2タイロッド2に接続されるねじ付きプッシュロッド13に復路運動をさせ、ねじ付きプッシュロッド13に嵌合されるナット17に復路運動をさせ、ナット17がワッシャー16を圧迫してさらにばね15を圧縮する。ばね15の収縮によって、往路運動によって外側へフリップして傾斜状態にある支持爪リング14の底部に押圧力を与え、支持爪リング14が、その底部が傾斜角度のない初期状態に復帰するまで、回転軸19周りに内側へフリップするようにする。薄肉管状部品の挟持は、回転加工前に完成される。その際に、ナット17は、回転していない。一方、加工中にナット17が回転するものの、ねじ付きプッシュロッド13に対し相対的に静止であるため、ナット17のねじ付きプッシュロッド13での位置が一定である。ねじ付きプッシュロッド13の復路運動によってナット17に復路運動をさせ、ワッシャー16への圧迫を実現する。
【0028】
締付シリンダ12の外周の一端は、くさび状スリーブ8のくさび状面に設けられ、他端がジャケット20のくさび状面に設けられている。ジャケット20は、第4ねじ11によって外側スリーブ7に接続し、外側スリーブ7の端部に設けられている。支持爪リング14は、締付シリンダ12の内部に置かれ、薄肉管状部品は、支持爪リング14の外面と締付シリンダ12の内面との間に置かれる。支持爪リング14、締付シリンダ12は、それぞれ、薄肉管状部品の内側挟持、外側挟持に用いられる。締付シリンダ12は、左端部のくさび状スリーブ8と右端部のジャケット20による押圧力の作用である程度の収縮変形が生じ、薄肉管状部品の外側挟持を実現する。支持爪リング14は、ねじ付きプッシュロッド13の円形段部のプッシュを受けて回転軸19周りに外側へフリップして対応する位置の薄肉管状部品の内壁に当接し、薄肉管状部品の外側挟持を実現する。
【0029】
図2、6、9に示すように、フランジブッシュ22の左端部のフランジには、円周方向に沿って90°の間隔を置いて4つの貫通穴が設けられ、フランジは、第7ねじ24によって支持板25に接続される。支持板25の左右両端面には、円周方向に沿って90°の間隔を置いて4つのねじ穴が設けられ、円周方向に沿って120°の間隔を置いて3つのねじ穴が設けられ、支持板25は、第8ねじ26によって外側スリーブ7に接続される。
【0030】
第1タイロッド1と第2タイロッドの往路運動の際に、ねじ付きプッシュロッド13は、追従して往路運動をする。ねじ付きプッシュロッド13に円状段部が設けられているため、円形段部によって、支持爪リング14が回転軸19周りに外側へフリップするようにし、支持爪リング14の開放を実現する。
【0031】
薄肉管状部品の外側挟持を行う際に、締付シリンダ12の左右両端部は、くさび状スリーブ8、ジャケット20からそれぞれ押圧力の作用を受け、締付シリンダ12によって一定の収縮変形が生じて外側挟持を実現する。外側挟持が終了すると、第1タイロッド1と第2タイロッド2の復路運動がフック9に伝達され、フック9の引張力で締付シリンダ12とくさび状スリーブ8、ジャケット20との接触面積を小さくし、両者からの押圧力を小さくし、押圧力がゼロになると、締付シリンダ12が自然状態に復帰する。
【0032】
第1タイロッド1は、復路運動の際に、第2タイロッド2および第2タイロッド2に接続されるねじ付きプッシュロッド13に復路運動をさせ、ねじ付きプッシュロッド13に嵌合されるナット17に復路運動をさせ、ワッシャー16によってナット17の復路運動をばね15に伝達し、ばね15を収縮させる。ばね15が支持爪リング14の底部に接触するため、ばね15の収縮は、支持爪リング14の底部に押圧力を与え、支持爪リング14が回転軸19周りに内側へフリップするようにし、さらに支持爪リング14の収束を実現する。
【0033】
本発明の第1ねじ3、第2ねじ5、第3ねじ10、第4ねじ11、第5ねじ21、第6ねじ23、第7ねじ24、第8ねじ26は、すべて六角穴付きねじであることが好ましい。
【0034】
薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法において、以下のステップを含む。
ステップ1において、回転加工前に、図1に示す薄肉管状部品の挟持可能な領域を締付シリンダ12に置く。
ステップ2において、第1タイロッド1と第2タイロッド2の往路運動を内側シリンダ6によってくさび状スリーブ8に伝達し、ジャケット20との共同作用で締付シリンダ12を収縮させる。くさび状スリーブ8の右端部の内側のくさび状面が締付シリンダ12の一端の外壁のくさび状面に作用するほか、ジャケット20の内側のくさび状面も、締付シリンダ12の他端の外壁のくさび状面に作用し、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を実現する。
ステップ3において、ステップ2と同時に、第1タイロッド1と第2タイロッド2の往路運動を支持爪リング14のフリップ運動にねじ付きプッシュロッド13によって変換して支持爪リング14を外部に向かって開放させ、支持爪リング14のフリップ角度をねじ付きプッシュロッド12によって微調整し、管状部品の内壁を十分に当接して前記管状部品の回転加工時の内側挟持を実現する。
ステップ4において、回転加工完成後に、第1タイロッド1と第2タイロッド2の復路運動をくさび状スリーブ8によってフック9に伝達し、フック9の引張作用で締付シリンダ11を自然状態に復帰させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を終了する。
ステップ5において、前記ステップ4と同時に、ばね15とワッシャー16とナット17の組み合わせによって第1タイロッド1と第2タイロッド2の復路運動を支持爪リング14に伝達し、ばね15の押圧力の作用で支持爪リング14を収束させて前記管状部品の内側挟持を終了し、加工済みの前記薄肉管状部品を前記内外挟持装置から取り出す。
【0035】
以上の実施形態は、本発明の限定にならない。本発明の明細書および特許請求の範囲を利用して為した同等効果の構造や同等効果のフローの置換や、ほかの関連する技術分野への直接または間接的な運用は、すべて同様の理由により本発明の特許保護範囲に含まれる。
【0036】
(付記)
(付記1)
第1タイロッドと、第2タイロッドと、内側シリンダと、外側スリーブと、くさび状スリーブと、フックと、締付シリンダと、ねじ付きプッシュロッドと、支持爪リングと、ばねと、ワッシャーと、ナットと、支持ブロックと、回転軸と、ジャケットと、フランジブッシュと、支持板とを含み、第1タイロッド、第2タイロッドには、それぞれフランジが設けられ、第1タイロッドは、第2タイロッドに接続され、第2タイロッドは、内側シリンダに接続され、第1タイロッドは、第2タイロッドの一端に設けられ、第2タイロッドの他端は、ねじ付きプッシュロッドに接続され、内側シリンダの外周に外側スリーブが設けられ、内側シリンダの外円面には、円周方向に複数の案内キー溝が間隔を置いて設けられ、案内キー溝の内部には案内キーが設けられ、外側スリーブ内の円柱面で内側シリンダの案内キー溝に対応する外周には案内溝が設けられ、外側スリーブは、一端が加工機械のマスタ軸に接続され、他端がジャケットに接続され、
くさび状スリーブは、一端が内側シリンダに接続され、他端が締付シリンダに接続され、締付シリンダの他端は、ジャケットのくさび状面に設けられ、くさび状スリーブの外円周面には、複数のフックが間隔を置いて設けられ、フックの右端部に段部が設けられ、締付シリンダの外壁の両側には、くさび状スリーブの一端の内側とジャケットの内側とは同じ傾斜角度をなす、くさび状面が設けられ、締付シリンダの外周には環状溝が設けられ、環状溝は、フック上の段部に接続され、締付シリンダは、両端から中間へ円周面に沿って間隔を置いて複数の溝が設けられ、
複数の支持ブロックは、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、各支持ブロックの中間部には貫通穴が設けられ、2つの支持ブロックの間に1つの支持爪が置かれ、支持爪の側面には貫通穴が設けられ、回転軸は、支持爪と支持ブロックの貫通穴を貫通し、複数の回転軸は、間隔を置いて設けられ、フランジブッシュを囲んで環状構造を構成し、
内側シリンダと第2タイロッドとの間にフランジブッシュが設けられ、フランジブッシュの一端にフランジが設けられ、フランジの端面には、数及び形状が支持ブロックとは同じである溝が設けられ、支持ブロックは、フランジブッシュのフランジの溝に固定され、フランジブッシュの他端は、フランジを介して支持板に接続され、支持板は、外側スリーブに接続され、
ねじ付きプッシュロッドには、円形段部が設けられ、ばねとワッシャーとナットは、ねじ付きプッシュロッドに嵌合し、複数の支持爪は、間隔を置いて、環状構造を有する支持爪リングを構成し、単一の支持爪は、先端と末端と底部を接続して構成され、先端の外面は、薄肉管状部品の内壁とは同じ曲率を有する円弧面であり、薄肉管状部品の内壁に当接し、ばねは、一端が支持爪リングの底部に接続され、他端がワッシャーに接続され、ワッシャーの外部にはナットが設けられ、支持爪リングは、締付シリンダの内部に置かれ、薄肉管状部品は、支持爪リングの外面と締付シリンダの内面との間に置かれることを特徴とする、
薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0037】
(付記2)
前記くさび状スリーブの一端にフランジが設けられ、フランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、第6ねじは、貫通穴を貫通して内側シリンダに接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0038】
(付記3)
前記フックは、3本であり、その設置方式として、くさび状スリーブの外円周面に円周方向に沿って120°を置いて3つの長尺溝が設けられ、各長尺溝には少なくとも2つのねじ穴が設けられ、各フックには少なくとも2つの貫通穴が設けられ、第3ねじ10は、各フックの貫通穴を貫通してくさび状スリーブの長尺溝に接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0039】
(付記4)
前記フックの右端部の段部の断面は、台形であり、前記締付シリンダの内壁にはメッシュ状の方形溝が設けられ、締付シリンダの各端部は、円周面に沿って45°を置いて8本のストレート溝が設けられていることを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0040】
(付記5)
前記各支持ブロックの左端面には2つのねじ穴が設けられ、各溝の底部には2つの貫通穴が設けられ、第5ねじは、フランジブッシュの貫通穴を貫通して支持ブロックの左端面に接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0041】
(付記6)
前記フランジブッシュの左端部のフランジは、円周方向に沿って90°を置いて4つの貫通穴が設けられ、第7ねじを介して支持板に接続され、支持板の左右両端面は、円周方向に沿って90°を置いて4つのねじ穴が設けられ、円周方向に沿って120°を置いて3つのねじ穴が設けられ、第8ねじを介して外側スリーブに接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0042】
(付記7)
前記ジャケットは、第4ねじを介して外側スリーブに接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0043】
(付記8)
前記内側シリンダの外円面には円周方向に沿って120°を置いて3つの案内キー溝が設けられ、第2ねじは、案内キーを内側シリンダに固定することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0044】
(付記9)
前記ねじ付きプッシュロッドの左端部は、第2タイロッドの右端部のねじ穴に接続することを特徴とする、
付記1に記載の薄肉管状部品回転加工時の内外挟持装置。
【0045】
(付記10)
回転加工前に、薄肉管状部品の挟持可能な領域を締付シリンダに置くステップ1と、
第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を内側シリンダによってくさび状スリーブに伝達し、くさび状スリーブの右端部の内側のくさび状面は、締付シリンダの一端の外壁のくさび状面に作用し、ジャケットの内側のくさび状面は、締付シリンダの他端の外壁のくさび状面に作用し、2つのくさび状面の共同作用で締付シリンダを収縮させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を実現するステップ2と、
ステップ2と同時に、第1タイロッドと第2タイロッドの往路運動を支持爪リングのフリップ運動にねじ付きプッシュロッドによって変換して支持爪リングを外部に向かって開放させ、支持爪リングのフリップ角度をねじ付きプッシュロッドによって微調整し、管状部品の内壁を十分に当接して前記管状部品の回転加工時の内側挟持を実現するステップ3と、
回転加工完成後に、第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動をくさび状スリーブによってフックに伝達し、フックの引っ張り作用で締付シリンダを自然状態に復帰させ、前記管状部品の回転加工時の外側挟持を終了するステップ4と、
前記ステップ4と同時に、ばねとワッシャーとナットの組み合わせによって第1タイロッドと第2タイロッドの復路運動を支持爪リングに伝達し、ばねの押圧力の作用で支持爪リングを収束させて前記管状部品の内側挟持を終了し、加工済みの前記薄肉管状部品を前記内外挟持装置から取り出すステップ5とを含むことを特徴とする、
付記1~9の何れか1つに記載の内外挟持装置を使用した薄肉管状部品回転加工時の内外挟持方法。
【符号の説明】
【0046】
1:第1タイロッド;2:第2タイロッド;3:第1ねじ;4:案内キー;5:第2ねじ;6:内側シリンダ;7:外側スリーブ;8:くさび状スリーブ;9:フック;10:第3ねじ;11:第4ねじ;12:締付シリンダ;13:ねじ付きプッシュロッド;14:支持爪リング;15:ばね;16:ワッシャー;17:ナット;18:支持ブロック;19:回転軸;20:ジャケット;21:第5ねじ;22:フランジブッシュ;23:第6ねじ;24:第7ねじ;25:支持板;26:第8ねじ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9