(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
G02B13/04 D
(21)【出願番号】P 2021205500
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2022-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521553690
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ナンネイ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】寺西 孝亮
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-189188(JP,A)
【文献】特開2006-337691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0354858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズであって、
物体側から像面側へ向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズからなり、
そのうち、前記撮像レンズ全体の焦点距離をf、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの物体側面の曲率半径をR5、前記第1レンズの像面側面から前記第2レンズの物体側面までの軸上距離をd2、前記第2レンズの像面側面から前記第3レンズの物体側面までの軸上距離をd4にしたときに、以下の条件式(1)~(3)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
-50.10≦f2/f≦-22.90 (1)
9.20≦d2/d4≦30.00 (2)
-11.10≦R5/f≦-9.55 (3)
【請求項2】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
-753.70≦f2/d4≦-109.00 (4)
【請求項3】
前記第2レンズの像面側面の曲率半径をR4にしたときに、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
4.60≦f2/R4≦14.60 (5)
【請求項4】
前記第6レンズの焦点距離をf6にしたときに、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
-25.00≦f2/f6≦-12.00 (6)
【請求項5】
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ及び前記第7レンズは、何れもガラス材質であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記第2レンズ及び前記第7レンズは、ガラス非球面レンズであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の撮像レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像レンズに関する発明である。特に、高画素用のCCD、CMOSを用いたサラウンドセンシングカメラに適した画角を備え良好な光学特性を有し、明るいF値(以下、Fnoとする)が、1.83以下の明るい7枚のレンズで構成される撮像レンズに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転に必要となるサラウンドセンシングカメラでは被写体(周囲の走行車や障害物、道路標識等)の画像認識精度が高いことが要求される。その為、画像認識精度を上げる為センサの大型化、高解像化への傾向がある。更に夜間での認識向上の為より明るいFnoを有する撮像レンズが求められている。
【0003】
特許文献1の実施例に開示された撮像レンズは、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズで構成され良好な光学特性を有する撮像レンズが提案されているが第2レンズの焦点距離と撮像レンズ全体の焦点距離の関係、第1レンズの像面側面から第2レンズの物体側面までの軸上距離と第2レンズの像面側面から第3レンズの物体側面までの軸上距離の関係、第3レンズの物体側面の曲率半径と撮像レンズ全体の焦点距離の関係が不十分な為に、Fnoは2.40と暗く不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、良好な光学特性を有し、明るいFnoを有する7枚のレンズで構成される撮像レンズの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズで構成された撮像レンズで、第2レンズの焦点距離と撮像レンズ全体の焦点距離の関係、第1レンズの像面側面から第2レンズの物体側面までの軸上距離と第2レンズの像面側面から第3レンズの物体側面までの軸上距離の関係、第3レンズの物体側面の曲率半径と撮像レンズ全体の焦点距離の関係を鋭意検討した結果、従来技術の課題が改善された撮像レンズを得ることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
本発明の実施例には、撮像レンズが提供され、前記撮像レンズは、物体側から像面側へ向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズからなり、且つ、以下の条件式(1)~(3)を満足する。
-50.10≦f2/f≦-22.90 (1)
9.20≦d2/d4≦30.00 (2)
-11.10≦R5/f≦-9.55 (3)
但し、
f:撮像レンズ全体の焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
R5:第3レンズの物体側面の曲率半径
d2:第1レンズの像面側面から第2レンズの物体側面までの軸上距離
d4:第2レンズの像面側面から第3レンズの物体側面までの軸上距離
である。
【0008】
好ましくは、以下の条件式(4)を満足する。
-753.70≦f2/d4≦-109.00 (4)
但し、
f2:第2レンズの焦点距離
d4:第2レンズの像面側面から第3レンズの物体側面までの軸上距離
である。
【0009】
好ましくは、以下の条件式(5)を満足する。
4.60≦f2/R4≦14.60 (5)
但し、
f2:第2レンズの焦点距離
R4:第2レンズの像面側面の曲率半径
である。
【0010】
好ましくは、以下の条件式(6)を満足する。
-25.00≦f2/f6≦-12.00 (6)
但し、
f2:第2レンズの焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
である。
【0011】
好ましくは、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ及び前記第7レンズは、何れもガラス材質である。
【0012】
好ましくは、前記第2レンズ及び前記第7レンズは、ガラス非球面レンズである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特に高画素用CCD、CMOSなどの撮像素子を使用した車載向けサラウンドセンシングカメラに適した画角を備え良好な光学特性を有し、明るいFnoを有する7枚のレンズで構成される撮像レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1の撮像レンズLAの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1の撮像レンズLAの球面収差を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1の撮像レンズLAの像面湾曲、歪曲収差を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1の撮像レンズLAの倍率色収差を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例2の撮像レンズLAの概略構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例2の撮像レンズLAの球面収差を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例2の撮像レンズLAの像面湾曲、歪曲収差を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例2の撮像レンズLAの倍率色収差を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例3の撮像レンズLAの概略構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例3の撮像レンズLAの球面収差を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例3の撮像レンズLAの像面湾曲、歪曲収差を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例3の撮像レンズLAの倍率色収差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について図面及び実施例を組み合わせてさらに説明する。本発明の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、本発明の各実施例において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術考案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0016】
本発明に係る撮像レンズの実施形態について説明する。この撮像レンズLAは、物体側から像面側へ向かって、順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7からなる7枚構成のレンズ系を備えている。第7レンズL7と像面との間に、ガラス平板GFが配置される。このガラス平板GFとしては、カバーガラス、及び、各種フィルターなどを想定したものである。本発明において、ガラス平板GFは、異なる位置に配置されてもよく、省略した構成も可能である。また、第1レンズL1~第7レンズL7は、何れもガラス材質であってもよい。
【0017】
第1レンズL1は、負の屈折力を有するレンズであり、第2レンズL2は、負の屈折力を有するレンズであり、第3レンズL3は、負の屈折力を有するレンズであり、第4レンズL4は、正の屈折力を有するレンズであり、第5レンズL5は、負の屈折力を有するレンズであり、第6レンズL6は、正の屈折力を有するレンズであり、第7レンズL7は、正の屈折力を有するレンズである。第2レンズL2と第7レンズL7面は、諸収差を良好に補正するため、非球面とすることが望ましい。
【0018】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(1)を満足する。
-50.10≦f2/f≦-22.90 (1)
【0019】
条件式(1)は、第2レンズL2の焦点距離f2と撮像レンズLA全体の焦点距離fの比を規定するものである。条件式(1)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0020】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(2)を満足する。
9.20≦d2/d4≦30.00 (2)
【0021】
条件式(2)は、第1レンズL1の像面側面S2から第2レンズL2の物体側面S3までの軸上距離d2と第2レンズL2の像面側面S4から第3レンズL3の物体側面S5までの軸上距離d4の比を規定するものである。条件式(2)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0022】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(3)を満足する。
-11.10≦R5/f≦-9.55 (3)
【0023】
条件式(3)は、第3レンズL3の物体側面S5の曲率半径R5と撮像レンズLA全体の焦点距離fの比を規定するものである。条件式(3)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0024】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(4)を満足する。
-753.70≦f2/d4≦-109.00 (4)
【0025】
条件式(4)は、第2レンズL2の焦点距離f2と第2レンズL2の像面側面S4から第3レンズL3の物体側面S5までの軸上距離d4の比を規定するものである。条件式(4)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0026】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(5)を満足する。
4.60≦f2/R4≦14.60 (5)
【0027】
条件式(5)は、第2レンズL2の焦点距離f2と第2レンズL2の像面側面S4の曲率半径R4の比を規定するものである。条件式(5)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0028】
この撮像レンズLAは、以下の条件式(6)を満足する。
-25.00≦f2/f6≦-12.00 (6)
【0029】
条件式(6)は、第2レンズL2の焦点距離f2と第6レンズL6の焦点距離f6の比を規定するものである。条件式(6)の範囲内にすることにより、Fno1.83での諸収差の補正が容易となり好ましい。
【0030】
撮像レンズLAを構成する7枚レンズが、それぞれ前記の構成及び、条件式を満たすことにより、サラウンドセンシングカメラに適した画角を備え良好な光学特性を有し、Fno1.83以下の撮像レンズを得ることが可能となる。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の撮像レンズLAについて、実施例を用いて説明する。各実施例に記載されている記号は以下のことを示す。なお、距離、半径及び軸上厚みの単位はいずれもミリメートル(mm)である。
f :撮像レンズLA全体の焦点距離
f1 :第1レンズL1の焦点距離
f2 :第2レンズL2の焦点距離
f3 :第3レンズL3の焦点距離
f4 :第4レンズL4の焦点距離
f5 :第5レンズL5の焦点距離
f6 :第6レンズL6の焦点距離
f7 :第7レンズL7の焦点距離
Fno :絞り値(撮像レンズの有効焦点距離と入射瞳径の比)、F値
2ω :全画角
STOP:開口絞り
R :光学面の曲率半径、レンズの場合は中心曲率半径
R1 :第1レンズL1の物体側面S1の曲率半径
R2 :第1レンズL1の像面側面S2の曲率半径
R3 :第2レンズL2の物体側面S3の曲率半径
R4 :第2レンズL2の像面側面S4の曲率半径
R5 :第3レンズL3の物体側面S5の曲率半径
R6 :第3レンズL3の像面側面S6の曲率半径
R7 :第4レンズL4の物体側面S7の曲率半径
R8 :第4レンズL4の像面側面S8の曲率半径
R9 :第5レンズL5の物体側面S9の曲率半径
R10 :第5レンズL5の像面側面S10の曲率半径、及び、第6レンズL6の物体側面S10の曲率半径
R11 :第6レンズL6の像面側面S11の曲率半径
R12 :第7レンズL7の物体側面S12の曲率半径
R13 :第7レンズL7の像面側面S13の曲率半径
R14 :ガラス平板GF1の物体側面S14の曲率半径
R15 :ガラス平板GF1の像面側面S15の曲率半径
R16 :ガラス平板GF2の物体側面S16の曲率半径
R17 :ガラス平板GF2の像面側面S17の曲率半径
d :レンズの軸上厚み、又は、レンズ間の軸上距離
d1 :第1レンズL1の軸上厚み
d2 :第1レンズL1の像面側面S2から第2レンズL2の物体側面S3までの軸上距離
d3 :第2レンズL2の軸上厚み
d4 :第2レンズL2の像面側面S4から第3レンズL3の物体側面S5までの軸上距離
d5 :第3レンズL3の軸上厚み
d6 :第3レンズL3の像面側面S6から第4レンズL4の物体側面S7までの軸上距離
d7 :第4レンズL4の軸上厚み
d8 :第4レンズL4の像面側面S8から開口絞りSTOPまでの軸上距離
d9 :開口絞りSTOPから第5レンズL5の物体側面S9までの軸上距離
d10 :第5レンズL5の軸上厚み
d11 :第6レンズL6の軸上厚み
d12 :第6レンズL6の像面側面S11から第7レンズL7の物体側面S12までの軸上距離
d13 :第7レンズL7の軸上厚み
d14 :第7レンズL7の像面側面S13からガラス平板GF1の物体側面S14までの軸上距離
d15 :ガラス平板GF1の軸上厚み
d16 :ガラス平板GF1の像面側面S15からガガラス平板GF2の物体側面S16までの軸上距離
d17 :ガラス平板GF2の軸上厚み
d18 :ガラス平板GF2の像面側面S17から像面までの軸上距離
nd :d線の屈折率
nd1 :第1レンズL1のd線の屈折率
nd2 :第2レンズL2のd線の屈折率
nd3 :第3レンズL3のd線の屈折率
nd4 :第4レンズL4のd線の屈折率
nd5 :第5レンズL5のd線の屈折率
nd6 :第6レンズL6のd線の屈折率
nd7 :第7レンズL7のd線の屈折率
nd8 :ガラス平板GF1のd線の屈折率
nd9 :ガラス平板GF2のd線の屈折率
νd :アッベ数
ν1 :第1レンズL1のアッベ数
ν2 :第2レンズL2のアッベ数
ν3 :第3レンズL3のアッベ数
ν4 :第4レンズL4のアッベ数
ν5 :第5レンズL5のアッベ数
ν6 :第6レンズL6のアッベ数
ν7 :第7レンズL7のアッベ数
ν8 :ガラス平板GF1のアッベ数
ν9 :ガラス平板GF2のアッベ数
TTL :撮像レンズの光学全長(第1レンズL1の物体側面S1から像面までの軸上距離)
LB :第7レンズL7の像面側面S13から像面までの軸上距離(ガラス平板GFの厚み含む)
IH :像高
【0032】
(実施例1)
図1は、実施例1の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例1の撮像レンズLAを構成する第1レンズL1~第7レンズL7のそれぞれの物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ軸上厚み又はレンズ間の軸上距離d、屈折率nd、アッベ数νdを表1に、円錐係数k、非球面係数を表2に、2ω、Fno、f、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、TTL、LB、IHを表3に示す。
【0033】
【0034】
【0035】
ここで、kは円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16は非球面係数である。
【0036】
y=(x2/R)/[1+{1-(k+1)(x2/R2)}1/2]
+A4x4+A6x6+A8x8+A10x10+A12x12+A14x14
+A16x16 (7)
【0037】
ここで、xは非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、yは非球面深さ(非球面における光軸から離れた距離がxである点と、非球面光軸上の頂点に接する接平面との垂直距離)である。
【0038】
各レンズ面の非球面は、便宜上、式(7)で表される非球面を使用している。しかしながら、特に、この式(7)の非球面多項式に限定するものでない。
【0039】
【0040】
後に登場する表10は、各実施例1~3の諸値及び条件式(1)~(6)で規定したパラメータに対応する値を示す。
【0041】
実施例1は、表10に示すように、条件式(1)~(6)を満足する。
【0042】
実施例1の撮像レンズLAの球面収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差、を
図2~
図4に示す。
図2、
図4は、それぞれ波長486nm、588nmおよび656nmの光が実施例1に係る撮像レンズLAを通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図3は、波長588nmの光が実施例1に係る像レンズLAを通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。なお、図の像面湾曲のSはサジタル像面に対する像面湾曲、Tはタンジェンシャル像面に対する像面湾曲であり、実施例2~3においても同様である。実施例1の撮像レンズLAは、表3に示すように、Fno=1.83と明るく
図2~
図4に示すように、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0043】
(実施例2)
図5は、実施例2の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例2の撮像レンズLAを構成する第1レンズL1~第7レンズL7のそれぞれの物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ軸上厚み又はレンズ間の軸上距離d、屈折率nd、アッベ数νdを表4に、円錐係数k、非球面係数を表5に、2ω、Fno、f、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、TTL、LB、IHを表6に示す。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
実施例2は、表10に示すように、条件式(1)~(6)を満足する。
【0048】
実施例2の撮像レンズLAの球面収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差、を
図6~
図8に示す。
図6、
図8は、それぞれ波長486nm、588nmおよび656nmの光が実施例2に係る撮像レンズLAを通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図7は、波長588nmの光が実施例2に係る像レンズLAを通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。なお、実施例2の撮像レンズLAは、表6に示すように、Fno=1.83と明るく
図6~
図8に示すように、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0049】
(実施例3)
図9は、実施例3の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例3の撮像レンズLAを構成する第1レンズL1~第7レンズL7のそれぞれの物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ軸上厚み又はレンズ間の軸上距離d、屈折率nd、アッベ数νdを表7に、円錐係数k、非球面係数を表8に、2ω、Fno、f、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、TTL、LB、IHを表9に示す。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
実施例3は、表10に示すように、条件式(1)~(6)を満足する。
【0054】
実施例3の撮像レンズLAの球面収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差、を
図10~
図12に示す。
図10、
図12は、それぞれ波長486nm、588nmおよび656nmの光が実施例3に係る撮像レンズLAを通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図11は、波長588nmの光が実施例3に係る像レンズLAを通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。なお、実施例3の撮像レンズLAは、表9に示すように、Fno=1.83と明るく
図10~
図12に示すように、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0055】
【0056】
上記の各実施例は本発明を実現するための具体的な実施例であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び細部に対する種々の変更を行うことができることは、当業者であれば理解できるはずである。
【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、撮像レンズを提供する。
【解決の手段】撮像レンズは、物体側から像面側へ向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズからなり、-50.10≦f2/f≦-22.90、9.20≦d2/d4≦30.00、-11.10≦R5/f≦-9.55の条件式を満足する。
【選択図】
図1