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特許7029221目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/06 20060101AFI20220224BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20220224BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20220224BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20220224BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20220224BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
C04B38/06 D
B01D39/20 D
B01D46/00 302
B01J35/04 301E
B01J37/04 102
F01N3/022 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2016028352
(22)【出願日】2016-02-17
(65)【公開番号】P2017145171
(43)【公開日】2017-08-24
【審査請求日】2018-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(72)【発明者】
【氏名】柴山 卓芳
(72)【発明者】
【氏名】保浦 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】阪本 敬亨
(72)【発明者】
【氏名】末信 宏之
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】宮澤 尚之
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-72760(JP,A)
【文献】特開2004-188278(JP,A)
【文献】特開2013-223856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B35/00-35/84
C04B38/00-38/10
B01D46/00
F01N3/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、所定の前記セルの一方の端部が目封止部材により目封止されるとともに、残余の前記セルの他方の端部が前記目封止部材により目封止されている目封止ハニカム構造体であって、
前記隔壁は、
コージェライト成分を主成分として形成され、
前記隔壁及び前記目封止部材によって形成される目封止部からなる目封止構造部の前記目封止ハニカム構造体の長軸方向に直交する方向のヤング率を、前記隔壁によって形成されるセル構造部の前記長軸方向に直交する方向のヤング率で除した値が、1.05~2.00の範囲であり、
前記目封止構造部の前記長軸方向に直交する方向の熱膨張係数から前記セル構造部の前記長軸方向に直交する方向の熱膨張係数を減じた値が、±0.3×10-6/Kの範囲であり、
前記目封止構造部の水銀圧入法、またはアルキメデス法によって測定された気孔率は、
80%以下であり、
前記セル構造部の水銀圧入法、またはアルキメデス法によって測定された気孔率は、
42%~70%の範囲であり、
前記目封止構造部の気孔率を、前記セル構造部の気孔率で除した値が、1.10~1.30の範囲である目封止ハニカム構造体。
【請求項2】
前記目封止構造部の平均気孔径は、
10μm~30μmの範囲にある請求項1に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項3】
隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、所定の前記セルの一方の端部が目封止部材により目封止されるとともに、残余の前記セルの他方の端部が前記目封止部材により目封止されている、請求項1または2に記載の目封止ハニカム構造体を製造するための目封止ハニカム構造体の製造方法であって、
前記目封止部材は、
セラミック原料、造孔材、界面活性剤、及び増粘剤を含んで構成され、
前記造孔材が前記目封止部材の全量に対して、1重量%~30重量%の比率で混合され、
前記増粘剤が前記目封止部材の全量に対して、0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されている目封止ハニカム構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法に関する。特に、ディーゼル微粒子除去フィルタ(DPF)等に使用され、粒子状物質からなる微粒子の捕集及び除去を行うことが可能な目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックス製ハニカム構造体は、自動車排ガス浄化用触媒担体、ディーゼル微粒子除去フィルタ、或いは燃焼装置用蓄熱体等の種々の用途に使用されている。例えば、ディーゼル微粒子除去フィルタは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集するためのものであり、所定のセルの一方の端部が目封止部材によって目封止され、残余のセルの他方の端部が目封止部材によって目封止されたハニカム構造体(目封止ハニカム構造体)が一般に用いられる。
【0003】
上記目封止ハニカム構造体は、コージェライト成分や炭化珪素成分等のセラミックス材料が用いられている。目封止ハニカム構造体の圧力損失の低下を図るために、目封止ハニカム構造体を構成する隔壁の高気孔率化が進められている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
隔壁の高気孔率化等を行うと、目封止ハニカム構造体の機械的な強度が必然的に低下する。その結果、特にセル端部の隔壁部分にクラックが生じ易くなることがあった。このような問題を解消するために、端部にクラックが生じ難く、かつ耐久性に優れる目封止ハニカム構造体の開発が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-269132号公報
【文献】特開2011-189252号公報
【文献】特開2004-154692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、目封止ハニカム構造体の隔壁の高気孔率化等に伴って、セルの端部の隔壁にクラックが生じることが知られている。更に具体的に説明すると、目封止ハニカム構造体は、上述のようにDPFとして主に使用される。このとき、目封止ハニカム構造体は、クッション材を介して金属ケース内に収容される(キャニング)。キャニング工程では、目封止ハニカム構造体の外周面に強い圧力(応力)が加わることがある。
【0007】
その結果、目封止部材で形成された目封止部と隔壁との境界面に剪断応力が発生する。ここで、目封止ハニカム構造体の中心から外周付近に向かって徐々に剪断応力が強くなることが知られている。その結果、当該応力が隔壁の剪断強度を超えると隔壁の境界面に外周から内側に向かってクラックが発生し、目封止ハニカム構造体の角部(辺縁部)で目封止剥がれ等の不良が発生する。
【0008】
特に、目封止部材のヤング率と、隔壁のヤング率とが大きく異なることで、上記の剪断応力が大きくなり、隔壁の歪みに合わせて目封止部が歪むことができず、上述した局所的な応力集中が発生しやすくなる。その結果、目封止部のヤング率が隔壁のヤング率よりも著しく大きい場合、目封止部と接した隔壁に破壊(クラック)が生じやすかった。特許文献3に開示された目封止ハニカム構造体は、目封止部材及び隔壁のそれぞれのヤング率に着目し、当該目封止部材のヤング率を、隔壁のヤング率より小さくすることで、上記の不具合をある程度解消することが可能な有用なものであった。しかしながら、セル端部の隔壁部分にクラックが生じることを十分に防止することはできなかった。
【0009】
そこで、本願出願人は、鋭意研究を重ねた結果、隔壁及び目封止部材(目封止部)によって構成される「目封止構造部」と、隔壁によって構成される目封止ハニカム構造体の中央部分で、目封止構造部の間に位置する「セル構造部」の境界に生じる剪断応力を緩和することによって、セルの端部のクラックの発生をより確実に抑制できることを見出した。
【0010】
目封止構造部のヤング率は、セル構造部のヤング率より大きいために、前記キャニング工程で目封止ハニカム構造体の外周面に強い圧力(応力)が加わった場合、目封止構造部とセル構造部の境界に剪断応力が発生する。目封止構造部のヤング率がセル構造部のヤング率より著しく大きい場合は前記境界部の剪断応力がセル構造部の剪断強度を越え、セルの端部のクラックは目封止構造部とセル構造部の境界に生じる。
【0011】
一方、目封止ハニカム構造体の使用時には、当該目封止ハニカム構造体に加熱及び冷却を繰り返す温度変化が生じている。そのため、上記温度変化によって、目封止構造部とセル構造部の熱膨張係数の差およびヤング率の差によって、目封止構造部とセル構造部の境界に剪断応力が繰り返し発生する。その結果、目封止構造部とセル構造部の境界に微なクラックが形成される疲労現象が発生し、境界付近の強度が低下することが知られている。その結果、高温の流体が高速で目封止ハニカム構造体の内部に流れ込んだ場合、疲労現象が発生した目封止構造部とセル構造部の境界で目封止構造部の一部が高速の流体によって吹き飛ばされる不具合を生じることがある。
【0012】
そのため、上記のような目封止部材のヤング率を隔壁のヤング率より小さくしただけでは、目封止構造部とセル構造部の境界に発生する剪断応力を十分に解消することができない場合があった。更に繰り返される熱衝撃によって目封止部に疲労現象が発生し、セルから脱落する不具合を解消することができなかった。
【0013】
目封止構造部とセル構造部のそれぞれのヤング率の比率を所定範囲に規定することで、セルの端部のクラックの発生をより確実に抑制した目封止ハニカム構造体を製造することができる。更に、目封止ハニカム構造体の目封止構造部及びセル構造部のそれぞれの気孔率、平均気孔径、及び熱膨張係数を規定し、端部にクラックの発生を生じることがなく、目封止部のセルからの脱落のない目封止ハニカム構造体を製造することができる。
【0014】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、端部にクラックが生じ難く、かつ十分な強度を有する耐久性に優れ、目封止部の脱落のない目封止ハニカム構造体、及び当該目封止ハニカム構造体の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、上記課題を解決した目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法が提供される。
【0016】
[1] 隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、所定の前記セルの一方の端部が目封止部材により目封止されるとともに、残余の前記セルの他方の端部が前記目封止部材により目封止されている目封止ハニカム構造体であって、前記隔壁は、コージェライト成分を主成分として形成され、前記隔壁及び前記目封止部材によって形成される目封止部からなる目封止構造部の前記目封止ハニカム構造体の長軸方向に直交する方向のヤング率を、前記隔壁によって形成されるセル構造部の前記長軸方向に直交する方向のヤング率で除した値が、1.05~2.00の範囲であり、前記目封止構造部の前記長軸方向に直交する方向の熱膨張係数から前記セル構造部の前記長軸方向に直交する方向の熱膨張係数を減じた値が、±0.3×10-6/Kの範囲であり、前記目封止構造部の水銀圧入法、またはアルキメデス法によって測定された気孔率は、80%以下であり、前記セル構造部の水銀圧入法、またはアルキメデス法によって測定された気孔率は、42%~70%の範囲であり、前記目封止構造部の気孔率を、前記セル構造部の気孔率で除した値が、1.10~1.30の範囲である目封止ハニカム構造体。
【0018】
] 隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、所定の前記セルの一方の端部が目封止部材により目封止されるとともに、残余の前記セルの他方の端部が前記目封止部材により目封止されている、前記[1]または2]に記載の目封止ハニカム構造体を製造するための目封止ハニカム構造体の製造方法であって、前記目封止部材は、セラミック原料、造孔材、界面活性剤、及び増粘剤を含んで構成され、前記造孔材が前記目封止部材の全量に対して、1重量%~30重量%の比率で混合され、前記増粘剤が前記目封止部材の全量に対して、0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されている目封止ハニカム構造体の製造方法。
【0020】
] 隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、所定の前記セルの一方の端部が目封止部材により目封止されるとともに、残余の前記セルの他方の端部が前記目封止部材により目封止されている、前記[1]~[]のいずれかに記載の目封止ハニカム構造体を製造するための目封止ハニカム構造体の製造方法であって、前記目封止部材は、セラミック原料、造孔材、界面活性剤、及び増粘剤を含んで構成され、前記造孔材が前記目封止部材の全量に対して、1重量%~30重量%の比率で混合され、前記増粘剤が前記目封止部材の全量に対して、0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されている目封止ハニカム構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の目封止ハニカム構造体によれば、隔壁及び目封止部材によって形成される目封止構造部のヤング率を、隔壁によって形成されるセル構造部のヤング率で除した値を、予め規定した範囲(1.05~2.00)に設定することで、応力が加わった場合の両者の歪みの差を小さくし、部分的な応力集中を緩和し、クラックの発生を抑えることができる。特に、コージェライト成分をセラミックス材料として使用し、高気孔率化の進んだ目封止ハニカム構造体の強度の低下を抑えることができる。更に、目封止構造部及びセル構造部のそれぞれの気孔率を設定し、気孔率比を規定し、目封止構造部の平均気孔径を規定し、目封止構造部及びセル構造部の熱膨張係数の差を規定することで、より精度良くクラックの発生を抑えることができる。
【0022】
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法によれば、使用する目封止部材には、造孔材及び増粘剤が目封止部材の全量に対してそれぞれ所定の比率で混合され、セルに対する目封止部材の流動性を付与し、目封止ハニカム構造体の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の目封止ハニカム構造体の概略構成を模式的に示す斜視図である。
図2】目封止ハニカム構造体の概略構成を模式的に示す断面図である。
図3】目封止ハニカム構造体のセルの一方の端部の概略構成を示す正面図である。
図4図3の一部拡大正面図である。
図5】ヤング率の測定装置の一例を模式的に示す説明図である。
図6】目封止構造部の気孔率と、ヤング率比との相関関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法の実施の形態について詳述する。なお、本実施形態の目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法は、以下の実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の設計の変更、修正、及び改良等を加え得るものである。
【0025】
1.目封止ハニカム構造体
本実施形態の目封止ハニカム構造体1は、図1図4に主として示すように、多孔質セラミックス製の格子状の隔壁2によって流体の流路となる複数の四角形状のセル3を有するハニカム部6と、ハニカム部6の外周部分を被覆する外周壁部7とを備えるものであり、所定のセル3の一方の端部4aが目封止部材によって目封止された複数の目封止部5aと、残余のセル3の他方の端部4bが目封止部材によって目封止された複数の目封止部5bとを有するものである。
【0026】
目封止ハニカム構造体1は、ディーゼル微粒子除去フィルタ(DPF)等のフィルタ部材として使用されるものであり、目封止ハニカム構造体1を構成する隔壁2は、多孔質セラミックスの一種であるコージェライト成分が使用される。これにより、低圧力損失性を発揮することができる。ここで、目封止ハニカム構造体1の形状は、特に限定されるものではなく、図1等に示すような円柱状以外に、例えば、多角柱状、或いは楕円柱状等の種々の形状のものであっても構わない。更に、流体の流路として形成されるセル3の断面形状も、上記のような四角形状に限定されるものではなく、四角形と八角形の組合せや、六角形であってもよい。
【0027】
コージェライト製の隔壁2によって区画されるセル3のセル密度及び隔壁厚さは、特に限定されるものではなく、一般的な範囲のものを本発明の目封止ハニカム構造体1に採用することができ、例えば、85~400cpsi(13~93セル/cm)のセル密度、及び4~25mil(0.10~0.64mm)の隔壁厚さのものを使用することができる。ここで、“cpsi(cell per square inch)”は、1平方インチ当たりの面積に含まれるセル3の個数を示すものである。
【0028】
本実施形態の目封止ハニカム構造体1は、図1図4に主として示すように、一方の端部4a及び他方の端部4bでそれぞれ開口した複数のセル3と、当該セル3の端部4a,4bから目封止部材を充填することで、当該セル3が目封止された目封止部5a,5bとを有している。ここで、目封止部5a,5bは、端部4a,4bのセル3をそれぞれ一つずつ交互に目封止する配設基準に従って形成され、図4に示すような市松模様(またはチェッカーボードパターン)を呈している。係る目封止部5a,5bの配設基準は、特に限定されるものではなく、種々の配設基準を採用することができる。
【0029】
なお、本実施形態の目封止ハニカム構造体1において、セル3それぞれの端部4a,4bの隔壁2と、目封止部材で形成された目封止部5a,5bとからなる構成を“目封止構造部10”として定義し、一方、一対の目封止構造部10の間の隔壁2からなる構成を“セル構造部20”として定義するものとする(図2参照)。
【0030】
本実施形態の目封止ハニカム構造体1は、上述した目封止構造部10(隔壁2+目封止部5a,5b)における目封止構造部のヤング率YAを、セル構造部20(隔壁2)におけるセル構造部のヤング率YBで除した値に相当するヤング率比(=YA/YB)が1.05~2.00の範囲となるように設定されている。ヤング率比は、好ましくは、1.20~2.00の範囲、更に好ましくは、1.50~2.00の範囲である。
【0031】
すなわち、セル構造部のヤング率YBに対し、目封止構造部のヤング率YAが大きい関係(YA>YB)を示し、かつ目封止構造部のヤング率が僅かに大きい1.05倍以上から2.00倍以下となるように設定される。これにより、応力が加わった場合でも目封止構造部10及びセル構造部20の間の歪み差が大きなものとならず、目封止部5a,5b及び隔壁2の境界でのクラックの発生を抑制することができる。ここで、目封止構造部及びセル構造部のそれぞれのヤング率YA,YBは、目封止ハニカム構造体1の長軸方向Aに直交する直径方向B(本発明における長軸方向に直交する方向に相当)図2参照)の値を測定したものである。
【0032】
ヤング率比を上記の範囲に制限することで、応力が加わった場合でも目封止構造部10及びセル構造部20の間の歪み差が大きなものとならず、目封止部5a,5b及び隔壁2の境界でのクラックの発生を抑制することができる。更に具体的に説明すると、応力が加わると、目封止構造部10及びセル構造部20がそれぞれのヤング率YA,YBに基づいて弾性変形しようとする。特に、ヤング率比を2.00倍以下とすることで、応力が加わった際の歪み差をできる限り小さくすることができ、クラック等の発生が抑えられる。
【0033】
更に、目封止ハニカム構造体1は、その他の特性として、目封止構造部の気孔率PAが80%以下となるように設定され、セル構造部の気孔率PBが42%~70%の範囲に設定される。そして、目封止構造部の気孔率PAをセル構造部の気孔率PBで除した値である気孔率比(=PA/PB)が1.10~1.30の範囲となるように設定されている。
【0034】
目封止ハニカム構造体1の目封止構造部10及びセル構造部20のそれぞれの気孔率PA,PBを上記範囲に規定することで、コージェライト製の目封止ハニカム構造体1の高気孔率化することができ、高気孔率化により圧力損失を低下させることができる。特に、目封止構造部の気孔率PAを80%以下とすることで、排気ガス中に混在する表面酸化層や表面付着物の剥離物によって、目封止ハニカム構造体1の隔壁2等が削り取られ、機械的に摩耗する現象(エロ―ジョン)の発生を効果的に抑えることができる。
【0035】
更に、目封止構造部10の平均気孔径は、10μm~30μmの範囲に設定されている。これにより、上記低圧力損失性を確保しつつ、フィルタ部材としての目封止ハニカム構造体1の本来の微粒子除去性能を発揮することができる。また、目封止ハニカム構造体1の長軸方向A(図2参照)に直交する直径方向B(図2参照)の目封止構造部の熱膨張係数CAから、直径方向Bのセル構造部の熱膨張係数CBを減じた値である熱膨張係数差(=CA-CB)が±0.3×10-6/Kの範囲となるように設定されている。
【0036】
目封止構造部10及びセル構造部20のそれぞれの熱膨張係数CA,CBの差が上記範囲内に抑えられることにより、高温の流体が目封止ハニカム構造体1の内部に流れ込んだ際の目封止構造部10及びセル構造部20の膨張率を同程度に抑えることができる。目封止ハニカム構造体1の使用時に繰り返し生じる加熱及び冷却を経て、目封止部5a,5b自体が疲労現象を発生することがなく、高速の流体等によって当該目封止部5a,5bがセル3から脱落するような不具合を生じることがない。
【0037】
2.目封止ハニカム構造体の製造方法
以下に、上記目封止ハニカム構造体1を製造するための詳細について説明する。始めに、各種のセラミック原料、造孔材、界面活性剤、及び水等を混合し、所定の粘度に混練することで、可塑性の坏土を作成する。その後、当該坏土を押出成形機を用いて押出成形することで、複数のセル3を有するハニカム構造の押出成形体を形成し、乾燥等の処理を経てハニカム成形体が得られる。なお、本実施形態において、使用するセラミック原料は前述の通り、コージェライト成分を主成分とするものが使用されている。
【0038】
造孔材の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、発泡樹脂、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の周知のものを使用することができる。このような造孔材の種類及び添加量を任意に調整し、変化させることで、セラミック成形体を構成する隔壁(焼成後の目封止ハニカム構造体1の隔壁2に相当)の気孔率、ヤング率を上記規定の範囲に制御することができる。
【0039】
更に、使用する界面活性剤は、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を使用することができる。
【0040】
一方、目封止部5a,5bを形成するための目封止部材の原料は、セラミック原料、造孔材、界面活性剤、及び水等を混合し、スラリー状にした後、ミキサー等を使用して混練することで得ることができる。なお、目封止部材の原料となるセラミック原料は、上述のハニカム成形体を形成する際に使用するセラミック原料と同一のものであってもよい。更に、造孔材及び界面活性剤についても同様に、ハニカム成形体を形成する際に使用するものと同一のものを使用することができる。
【0041】
上記以外の目封止部材の原料として、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、及びポリビニルアルコール等を使用することができる。
【0042】
特に、本実施形態の目封止ハニカム構造体1に使用される目封止部材には、増粘剤としてポリエチレンオキサイドが使用されている。ここで、ポリエチレンオキサイドを増粘剤として目封止部材に添加することで、セル3の端部4a,4bに目封止部材を充填し、目封止部5a,5bを形成する際の流動性を良好なものとすることができる。そのため、セル3の端部4a,4bに所定の配設基準で目封止部材を充填し、目封止部5a,5bを形成する際に、上記によって形成されたハニカム成形体の内部にまで速やかに目封止部材を送り込むことができる。これにより、目封止ハニカム構造体1の生産効率を向上させることができる。
【0043】
ここで、本実施形態の目封止ハニカム構造体1の製造方法において、目封止部材に対して添加される造孔材は、目封止部材の全量に対して、1重量%~30重量%の比率で混合され、更に、増粘剤(ポリエチレンオキシド)は、目封止部材の全量に対して、0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されている。造孔材及び増粘剤の添加割合を上記範囲とすることで、目封止部5a,5bの気孔率(目封止構造部10の気孔率PA)を良好なものとすることができるとともに、目封止部5a,5bの形成時の作業効率の向上を図ることができる。
【0044】
なお、目封止部5a,5bの形成は、下記の周知の工程によって実施される。すなわち、押出成形及び乾燥によって得られたハニカム成形体の一方の端部(焼成後の端部4aに相当)の一部のセルにマスク処理を施した後、当該一方の端部を下方に向けてスラリー状に調整された目封止部材を配した容器に押し当てる。その結果、マスク処理がなされていないセルの内部には、目封止部材が圧入され、一方、マスク処理がされたセルには当該目封止部材は圧入されない。所定深さまで目封止部材を圧入した後、目封止部材を配した容器からハニカム成形体を引き上げることにより、所定の配設基準に従って一方の端部のセルが目封止される。同様に、ハニカム成形体の他方の端部(焼成後の他方の端部4bに相当)に対しても上記と同様の処理を行う。セルの内部に圧入された目封止部材を乾燥させることで、目封止部5a,5bが形成される。
【0045】
なお、ハニカム成形体の一方または他方の端部に対するマスク処理の手法は、特に限定されるものではないが、例えば、ハニカム成形体の一方(または他方)の端部に粘着性フィルムを貼着し、当該粘着性フィルムに対して部分的な穿孔を実施する等の方法を用いることができる。このとき、粘着性フィルムに対する穿孔は、目封止部5a,5bを形成するセルに相当する部分にのみ、レーザーを照射する周知の技術を使用することができる。また、粘着性フィルムの材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、或いは各種熱硬化性樹脂等の種々の樹脂から形成されたフィルムを任意に選択し、使用することができる。また、粘着性フィルムの一面にはハニカム成形体の一方(または他方)の端部との密着性を良好とするために、粘着成分が塗布されている。
【0046】
上記の通り、ハニカム成形体の一方及び他方の端部にそれぞれ目封止部材を圧入した後、80~150℃の乾燥温度で5分から2時間程度の乾燥を実施する。乾燥後にハニカム成形体を所定の焼成条件で焼成処理することで、本実施形態の目封止ハニカム構造体1が完成する。
【0047】
以下、本発明の目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法の実施例について説明するが、本発明の目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法は、これらの実施の形態に特に限定されるものではない。
【実施例
【0048】
3.ヤング率の測定方法
本実施形態の目封止ハニカム構造体を規定するための目封止構造部及びセル構造部のそれぞれのヤング率YA,YBの値を測定するヤング率の測定方法は、下記(1)~(8)の手順に基づいて、図5に模式化して示した測定装置100を使用して実施される。
【0049】
測定装置100は、共振法による測定原理を用いてヤング率YA,YBを測定するものである。測定装置100における共振周波数fの範囲は、300~10000Hzの範囲に設定され、測定試料Sの試料寸法は、試料長さLが40~120mm、試料幅bが10~25mm、及び試料厚さtが5.6~9.5mmの範囲となるように、目封止ハニカム構造体1の目封止構造部10及びセル構造部20からそれぞれ切り出しを行った。この場合、ヤング率の測定方向は、上述した通り、目封止ハニカム構造体1の直径方向B(図2参照)とする。
【0050】
(1)目封止ハニカム構造体から切り出されたそれぞれの測定試料Sの試料幅b及び試料厚さtを、マイクロメータまたはノギスを用いて0.01mm単位まで測定する。ここで、測定箇所は、測定試料Sの中心位置、及び測定試料Sの両端付近の計3箇所について測定する。
【0051】
(2)次に、測定試料Sの試料長さLを、ノギスを用いて測定する。試料長さLについても、上記(1)と同様に0.01mm単位まで測定する。
【0052】
(3)必要に応じて角部仕上げの確認等を実施した後、測定試料Sの両端から試料長さLの22.4%の位置(±0.5mmの許容差)に、それぞれ試料支持ワイヤ101a,101bの位置合わせ用のマーキング(図示しない)をする。
【0053】
(4)測定試料Sの一面102a(下面)にカーボンスプレーを吹き付け、導電性を付与する。
【0054】
(5)カーボンスプレーに含まれるバインダ成分を除去するため、500℃に設定された電気炉内に測定試料Sを載置し、2時間加熱する。
【0055】
(6)電気炉から取り出し、冷却後の測定試料Sの重量Mを電子天秤にて測定する。このとき、有効数字を4桁までとする。
【0056】
(7)測定装置100(図5参照)に測定試料Sをセットする。このとき、上記(3)のマーキング部分に、一対の試料支持ワイヤ101a,101bが位置するように位置合わせを行い、測定試料Sを一対の試料支持ワイヤ101a,101bで懸架した状態とする。ここで、カーボンスプレーを塗布した測定試料Sの一面102a側を下方に向けることで、一対の試料支持ワイヤ101a,101bの間に、測定試料Sを介した導電性が確立される。
【0057】
更に、測定試料Sの一面102aから0.2mm離間した下方位置に、電極103の電極面(図示しない)が相対するように配置する。また、測定試料Sの他面102b(上面)から2mm程度離間した上方位置に、センサ104を設置する。これにより、板状の測定試料Sを上方及び下方からセンサ104及び電極103によって挟み込んだ状態で測定装置100に当該測定試料Sがセットされる。このとき、電極103と測定試料Sの一面102aと、センサ104と測定試料Sの他面102bとの間には、それぞれ規定の空隙が形成される。すなわち、電極103とセンサ104は、それぞれ測定試料Sと直に接した状態にない。
【0058】
(8)測定装置100に対する測定試料Sのセットが完了した後、測定装置100を稼働状態とすることで、共振周波数fの計測を行う。計測によって得られた共振周波数fの値に基づいて、それぞれの測定試料Sに対するヤング率YA,YBの値を算出する。このとき、ヤング率YA,YBの算出には、下記数式(1)が使用される。ここで、下記数式(1)において、Eはヤング率(Pa)を示し、以下、それぞれ共振周波数f(Hz)、測定試料Sの重量M(g)、試料厚さt(m)、試料幅b(m)、及び試料長さL(m)を示している(括弧内は単位を表す。)。
【0059】
【数1】
【0060】
上記(1)~(8)の手順に基づき、目封止構造部及びセル構造部のヤング率の測定をそれぞれ行った。更に、目封止構造部のヤング率YAの値を、セル構造部のヤング率YBの値で除したヤング率比(=YA/YB)を算出した(表1参照)。
【0061】
4.気孔率の測定
目封止構造部及びセル構造部の気孔率PA、PBは、従来から周知の測定手法である、水銀圧入法、またはアルキメデス法を適宜用いることによって測定した。なお、気孔率PA,PBの測定手法の詳細は省略する。その後、測定された目封止構造部の気孔率PAを、セル構造部の気孔率PBで除した気孔率比(=PA/PB)を算出した(表1参照)。
【0062】
5.熱膨張係数の測定
示差検出型の熱膨張計を用い、目封止構造部及びセル構造部のそれぞれに対し、40℃から800℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定することにより求めた。更に具体的に説明すると、始めに目封止構造部及びセル構造部から、縦5mm×横5mm×長さ50mmの測定試料を作製する。なお、熱膨張係数の測定方向は、上述のヤング率の測定方向と同様、目封止ハニカム構造体1の直径方向B(図2参照)とした。それぞれ得られた値に基づき、熱膨張係数差(=目封止構造部-セル構造部)を算出した(表1参照)。
【0063】
実施例1~7、及び、比較例1~4の目封止ハニカム構造体において、目封止ハニカム構造体の隔壁の隔壁厚さ、セル密度、それぞれ測定及び算出されたヤング率YA,YB及びヤング率比等の値をまとめたものを下記表1に示す。更に、目封止構造部の気孔率PAと、ヤング率比との相関関係を図6に示す。更に、それぞれの実施例1~7、及び、比較例1~4の目封止ハニカム構造体の構造体端部のクラックの発生の有無、及び、目封止構造部からの目封止部の脱落の有無について、目視により確認を行った。また、目封止ハニカム構造体に圧入された目封止部の目封止深さについても計測し、表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に示すように、実施例1~7の目封止ハニカム構造体は、ヤング率比、目封止構造部の気孔率、セル構造部の気孔率、気孔率比、目封止構造部の平均気孔径、熱膨張係数差がそれぞれ本発明で規定した範囲内であることが確認され、これにより、端部のクラック及び目封止部の脱離がいずれも確認されなかった。すなわち、本発明の目封止ハニカム構造体は、端部にクラックが生じ難く、十分な強度を有する耐久性に優れたものであることが証明された。
【0066】
これに対し、ヤング率比が2.00以上であり、更に、気孔率比が1.10未満の目封止ハニカム構造体(比較例1~3)は、いずれも端部にクラックの発生が確認された。すなわち、応力が加わった際の歪み差が大きくなり、クラック等が発生したものと考えられる。更に、熱膨張係数差が±0.3×10-6/K以上の目封止ハニカム構造体(比較例4)は、目封止部の脱離が認められた。
【0067】
6.造孔材及び増粘剤による目封止部材の流動性の効果
目封止部材の全量に対する造孔材の使用比率、及び増粘剤の使用比率による、目封止部材の流動性の改善効果を下記の表2に示す。ここで、実施例8~実施例12の目封止ハニカム構造体は、造孔材が目封止部材の全量に対して、1重量%~30重量%の比率で混合され、かつ、増粘剤が目封止部材の全量に対して、0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されている条件を満たしている。一方、比較例5の目封止ハニカム構造体は、造孔材に関する要件は満たすものの(=1重量%)、増粘剤は当該要件を満たしていない(=0重量%)。また、比較例6の目封止ハニカム構造体は、増粘剤に関する要件は満たすものの(=0.2重量%)、造孔材は当該要件を満たしていない(=0重量%)。
【0068】
【表2】
【0069】
これにより、実施例8~12は、目封止構造部の気孔率及び目封止部材の気孔率が、いずれも比較例5,6よりも高くなることが示された。すなわち、造孔材の添加は、目封止ハニカム構造体の高気孔率化に大きな影響を及ぼすことが確認された。
【0070】
端部からの目封止部材の圧入深さである“目封止深さ”は、一般に2mm以上~11mm以下の範囲に設定されている。すなわち、目封止深さが2mmより小さいと、目封止部自体の強度が不足し、使用時に目封止構造部から当該目封止部が脱離する可能性がある。一方、目封止深さが11mmを超えると、圧力損失が大きくなる不具合が発生する。
【0071】
表2に示されるように、造孔材の目封止部材の全量に対する比率が増えるに従って、増粘剤の比率が同一の場合、目封止深さの値が小さくなることが確認された(実施例8~10参照)。すなわち、造孔材の添加によって目封止部材の流動性が低下することとなる。これに対し、造孔材の比率を同一とし、増粘剤の目封止部材の全量に対する比率を変更した場合(実施例10,11)、増粘剤の比率の高い実施例11の目封止ハニカム構造体が目封止深さが深くなることが確認された(5.2mm→9.0mm)。これにより、造孔材を添加する場合であっても、増粘剤を添加することにより、目封止部材の流動性を改善することが確認された。更に、造孔材の比率を20重量%に高めた場合(実施例12)であっても、増粘剤の比率を1.5重量%とすることにより、従来の造孔材を添加しない目封止ハニカム構造体と同程度の目封止深さを示し、かつ目封止構造部の気孔率を高くすることができる。
【0072】
すなわち、本発明のハニカム構造体の製造方法において、規定した通り、造孔材が目封止部材の全量に対して1重量%~30重量%の比率で混合され、増粘剤が目封止部材の全量に対して0.1重量%~3.0重量%の比率で混合されることにより、目封止ハニカム構造体及び目封止構造部の高気孔率化を可能とし、かつ目封止部材の流動性を安定させ、目封止構造部からの脱離のない十分な目封止部の強度を有し、かつ圧力損失を生じさせるおそれがないことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の目封止ハニカム構造体、及び目封止ハニカム構造体の製造方法は、高気孔率化及び高開口率化した隔壁を有する目封止ハニカム構造体、及び当該目封止ハニカム構造体の製造方法に特に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1:目封止ハニカム構造体、2:隔壁、3:セル、4a:一方の端部、4b:他方の端部、5a,5b:目封止部、6:ハニカム部、7:外周壁部、10:目封止構造部、20:セル構造部、100:測定装置、101a,101b:試料支持ワイヤ、102a:一面、102b:他面、A:長軸方向、B:直径方向(長軸方向に直交する方向)、b:試料幅、CA:目封止構造部の熱膨張係数、CB:セル構造部の熱膨張係数、L:試料長さ、PA:目封止構造部の気孔率、PB:セル構造部の気孔率、S:測定試料、t:試料厚さ、YA:目封止構造部のヤング率、YB:セル構造部のヤング率。
図1
図2
図3
図4
図5
図6