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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 651B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017163538
(22)【出願日】2017-08-28
(65)【公開番号】P2019041052
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】戎居 博志
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-005195(JP,A)
【文献】特開2016-225427(JP,A)
【文献】特開2014-049606(JP,A)
【文献】特開2017-034235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に保持された基板を鉛直方向に延びる回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
平面視で前記基板を取り囲む内周面を有する延設部を含み、上方から前記基板に対向する対向部材を、前記延設部の内周面が前記回転軸線を中心とした径方向の外方から前記基板に対向する位置に配置する対向部材配置工程と、
前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転工程と、
回転状態の前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、
前記延設部の内周面に対する前記処理液の親和性に応じて、前記径方向の外方に向けて前記基板の上面から飛散する前記処理液が受けられる高さ位置に、平面視で前記延設部よりも前記径方向の外方で前記基板を取り囲むガードを配置するガード配置工程とを含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記処理液供給工程が、前記基板の上面に低親和性処理液を供給する低親和性処理液供給工程と、前記延設部の内周面に対する親和性が前記低親和性処理液よりも高い高親和性処理液を前記基板の上面に供給する高親和性処理液供給工程とを含み、
前記ガード配置工程が、前記ガードが前記低親和性処理液を受ける際、第1液受け位置に前記ガードを配置する第1配置工程と、前記ガードが前記高親和性処理液を受ける際、前記第1液受け位置よりも下方の第2液受け位置に前記ガードを配置する第2配置工程とを含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第1配置工程が、前記ガードの上端が前記基板の上面よりも上方に位置するように、前記ガードを前記第1液受け位置に配置する工程を含み、
前記第2配置工程が、前記ガードの上端が前記基板の上面よりも下方でかつ前記延設部の下端部よりも上方に位置するように、前記ガードを前記第2液受け位置に配置する工程を含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記処理液供給工程が、前記低親和性処理液供給工程の後に前記高親和性処理液供給工程を実行することによって、前記基板の上面の前記低親和性処理液を前記高親和性処理液に置換する第1置換工程を含み、
前記ガード配置工程が、前記第1置換工程の開始時には前記ガードが前記第1液受け位置に位置し、前記第1置換工程の終了後には前記ガードが前記第2液受け位置に位置するように前記ガードの高さ位置を変更する工程を含む、請求項2または3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記処理液供給工程が、前記高親和性処理液供給工程の後に前記低親和性処理液供給工程を実行することによって、前記基板の上面の前記高親和性処理液を前記低親和性処理液に置換する第2置換工程を含み、
前記ガード配置工程が、前記第2置換工程の開始時には前記ガードが前記第2液受け位置に位置し、前記第2置換工程の終了後には前記ガードが前記第1液受け位置に位置するように前記ガードの高さ位置を変更する工程を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記ガードが、前記低親和性処理液を受ける低親和性処理液用ガードと、前記高親和性処理液を受ける高親和性処理液用ガードとを含み、
前記ガード配置工程が、前記第1液受け位置に前記低親和性処理液用ガードを配置する低親和性処理液用ガード配置工程と、前記第2液受け位置に前記高親和性処理液用ガードを配置する高親和性処理液用ガード配置工程とを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記ガード配置工程が、前記基板の回転速度が高いほど前記ガードが上方に配置されるように前記ガードの位置を調整する工程を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項8】
水平に基板を保持する基板保持ユニットと、
鉛直方向に延びる回転軸線まわりに前記基板を回転させる基板回転ユニットと、
前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給ユニットと、
平面視で前記基板を取り囲む内周面を有する延設部を含み、上方から前記基板に対向する対向部材と、
平面視で前記延設部よりも前記回転軸線を中心とした径方向の外方で前記基板を取り囲むガードと、
前記ガードを昇降させるガード昇降ユニットと、
前記対向部材を昇降させる対向部材昇降ユニットと、
前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転ユニットと、
前記基板回転ユニット、前記処理液供給ユニット、前記ガード昇降ユニット、前記対向部材昇降ユニットおよび前記対向部材回転ユニットを制御する制御ユニットとを含み、
前記制御ユニットが、前記基板回転ユニットによって、水平に保持された前記基板を前記回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、前記延設部の内周面が前記径方向の外方から前記基板に対向する位置に、前記対向部材昇降ユニットによって前記対向部材を配置する対向部材配置工程と、前記対向部材回転ユニットによって、前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転工程と、回転状態の前記基板の上面に、前記処理液供給ユニットから前記処理液を供給する処理液供給工程と、前記ガード昇降ユニットによって、前記延設部の内周面に対する前記処理液の親和性に応じて、前記基板の上面から前記径方向の外方に向けて飛散する前記処理液が受けられる高さ位置に、前記ガードを配置するガード配置工程と、を実行するようにプログラムされている、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等の基板が含まれる。
【背景技術】
【0002】
基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置による基板処理では、例えば、スピンチャックによってほぼ水平に保持された状態で回転する基板に処理液が供給される。基板に供給された処理液は、遠心力によって基板外へ飛散する。基板外へ飛散する処理液は、スピンチャックを取り囲むカップ(ガード)によって受けられる。
下記特許文献1に記載の基板処理装置による基板処理では、処理液として、希フッ酸、脱イオン水(Deionized Water: DIW)およびイソプロピルアルコール(Isopropyl Alcohol: IPA)等が用いられる。具体的には、基板に希フッ酸を供給することによって、基板の表面が処理される。その後、基板の上面にDIWが供給されることによって、基板上の希フッ酸がDIWによって置換される。そして、基板の上面にIPAが供給されることによって、基板上のDIWがIPAによって置換される。そして、IPAが基板から振り切られることによって基板の上面が乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-153947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の基板処理装置による基板処理では、基板に対向する下面を有する円板部と、円板部から下方に延びる延設部とを含む遮断部材が設けられている。遮断部材は、スピンチャックとともに回転している。そのため、遮断部材が基板の上面に近接しているときに、基板から飛散した処理液は、遮断部材の延設部の内周面にぶつかる。その後、延設部の内周面に付着した処理液は、遠心力によって遮断部材から飛散してガードによって受けられる。
【0005】
ここで、遮断部材に対する処理液のなじみやすさによって、遮断部材に付着した後に遮断部材に残留しやすさが異なる。そのため、遮断部材に対する処理液のなじみやすさによって、遮断部材から飛散する処理液の飛散方向が異なる。したがって、特許文献1に記載の基板処理では、遮断部材から飛散する処理液の方向によっては、処理液ガードによって受けられず、ガードの外方まで達するおそれがある。これでは、処理液を回収できないおそれがあり、かつ、基板処理装置内が処理液で汚染されるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の1つの目的は、処理液の種類にかかわらず、ガードによって処理液を良好に受けることができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、水平に基板を保持された基板を鉛直方向に延びる回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、平面視で前記基板を取り囲む内周面を有する延設部を含み、上方から前記基板に対向する対向部材を、前記延設部の内周面が前記回転軸線を中心とした径方向の外方から前記基板に対向する位置に配置する対向部材配置工程と、前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転工程と、回転状態の前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記延設部の内周面に対する前記処理液の親和性に応じて、外方に向けて前記基板の上面から飛散する前記処理液が受けられる高さ位置に、平面視で前記延設部よりも前記径方向の外方で前記基板を取り囲むガードを配置するガード配置工程とを含む、基板処理方法を提供する。
【0008】
この方法によれば、回転軸線を中心とした径方向の外方に基板の上面から飛散する処理液は、対向部材の延設部の内周面によって一度受けられた後、延設部から径方向の外方に飛散することによってガードに受けられる。延設部の内周面に対する処理液の親和性に応じて、ガードが適切な高さ位置に配置される。そのため、基板に供給される処理液の種類(対向部材の延設部の内周面に対する親和性)にかかわらず、ガードによって処理液を良好に受けることができる。
【0009】
ここで、延設部の内周面に対する親和性とは、延設部の内周面に対するなじみやすさである。延設部の内周面に対する親和性が高い処理液とは、延設部の内周面に対してなじみやすい処理液である。延設部の内周面に対する親和性が低い処理液とは、延設部の内周面に対してなじみにいくい処理液である。延設部の内周面に対する処理液の親和性が高いほど、処理液は、延設部の内周面に付着しやすい。延設部の内周面に対する親和性が低いほど、処理液は、延設部の内周面に付着しにくい。
【0010】
この発明の一実施形態では、前記処理液供給工程が、前記基板の上面に低親和性処理液を供給する低親和性処理液供給工程と、前記延設部の内周面に対する親和性が前記低親和性処理液よりも高い前記基板の上面に供給する高親和性処理液供給工程とを含む。そして、前記ガード配置工程が、前記ガードが前記低親和性処理液を受ける際、第1液受け位置に前記ガードを配置する第1配置工程と、前記ガードが前記高親和性処理液を受ける際、前記第1液受け位置よりも下方の第2液受け位置に前記ガードを配置する第2配置工程とを含む。
【0011】
高和性処理液は、低親和性処理液よりも対向部材の延設部の内周面から離れにくい。そのため、内周面に付着した高親和性処理液は、低親和性処理液よりも大きな液滴を形成しやすい。液滴は、自重を受けるので、そのサイズが大きいほど、延設部の内周面から下方に落下しやすい。そのため、高親和性処理液の飛散方向は、低親和性処理液の飛散方向と比較して、下方に傾く。
【0012】
そこで、第1液受け位置(低親和性処理液を受けるときのガードの位置)よりも第2液受け位置(高親和性処理液を受けるときのガードの位置)を下方に設定しておくことで、ガードが適切な位置に配置される。したがって、処理液の種類にかかわらず、ガードによって処理液が良好に受けられる。
第1配置工程において、ガードの上端が基板の上面よりも上方に位置するようにガードが配置され、第2配置工程において、ガードの上端が基板の上面よりも下方でかつ延設部の下端部よりも上方に位置するようにガードが配置されることが好ましい。ガード配置工程において、ガードがこのように配置されることによって、ガードによって処理液が一層良好に受けられる。
【0013】
この発明の一実施形態によれば、前記処理液供給工程が、前記低親和性処理液供給工程の後に前記高親和性処理液供給工程を実行することによって、前記基板の上面の前記低親和性処理液を前記高親和性処理液に置換する第1置換工程を含む。そして、前記ガード配置工程が、前記第1置換工程の開始時には前記ガードが前記第1液受け位置に位置し、前記第1置換工程の終了後には前記ガードが前記第2液受け位置に位置するように前記ガードの高さ位置を変更する工程を含む。
【0014】
第1置換工程において、基板から飛散する液体は、低親和性処理液と高親和性処理液の混合液である。第1置換工程では、基板の上面の低親和性処理液が高親和性処理液に置換されるので、第1置換工程の開始直後に基板から飛散する液体には、高親和性処理液よりも低親和性処理液が多く含まれる。その後、基板から飛散する液体中の高親和性処理液の割合が徐々に大きくなり、第1置換工程の終了後に基板から飛散する液体は、高親和性処理液のみになる。したがって、第1置換工程の開始時にはガードを第1液受け位置に位置させ、第1置換工程の終了後に、ガードを第2液受け位置に位置させることによって、処理液がガードによって一層良好に受けられる。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記処理液供給工程が、前記高親和性処理液供給工程の後に前記低親和性処理液供給工程を実行することによって、前記基板の上面の前記高親和性処理液を前記低親和性処理液に置換する第2置換工程を含む。そして、前記ガード配置工程が、前記第2置換工程の開始時には前記ガードが前記第2液受け位置に位置し、前記第2置換工程の終了後には前記ガードが前記第1液受け位置に位置するように前記ガードの高さ位置を変更する工程を含む。
【0016】
第2置換工程において、基板から飛散する液体は、低親和性処理液と高親和性処理液の混合液である。第2置換工程では、基板の上面の高親和性処理液が低親和性処理液に置換されるので、第2置換工程の開始直後に基板から飛散する液体には、低親和性処理液よりも高親和性処理液が多く含まれる。その後、基板から飛散する液体中の低親和性処理液の割合が徐々に大きくなり、第2置換工程の終了後に基板から飛散する液体は、親和性処理液のみになる。したがって、第2置換工程の開始時にはガードを第2液受け位置に位置させ、第2置換工程の終了後に、ガードを第1液受け位置に位置させることによって、処理液がガードによって一層良好に受けられる。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記ガードが、前記低親和性処理液を受ける低親和性処理液用ガードと、前記高親和性処理液を受ける高親和性処理液用ガードとを含む。そして、前記ガード配置工程が、前記第1液受け位置に前記低親和性処理液用ガードを配置する低親和性処理液用ガード配置工程と、前記第2液受け位置に前記高親和性処理液用ガードを配置する高親和性処理液用ガード配置工程とを含む。
【0018】
この方法によれば、低親和性処理液および高親和性処理液のそれぞれが、異なるガード(個別のガード)によって受けられる。処理液の種類に応じて、低親和性処理液用ガードおよび高親和性処理液用ガードのそれぞれを適切な位置に配置することができる。したがって、基板から飛散する処理液が、ガードによって一層良好に受けられる。
基板の回転速度が高いほど、基板から飛散する処理液に作用する遠心力が大きくなる。そのため、基板の回転速度が高いほど、基板からの処理液の飛散方向が上方に傾く。
【0019】
この発明の一実施形態では、前記ガード配置工程が、前記基板の回転速度が高いほど前記ガードが上方に配置されるように前記ガードの位置を調整する工程を含む。そのため、ガード配置工程では、処理液を受けるのに一層適切な位置にガードを配置することができる。
この発明の一実施形態では、水平に基板を保持する基板保持ユニットと、鉛直方向に延びる回転軸線まわりに前記基板を回転させる基板回転ユニットと、前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給ユニットと、平面視で前記基板を取り囲む内周面を有する延設部を含み、上方から前記基板に対向する対向部材と、平面視で前記延設部よりも前記回転軸線を中心とした径方向の外方で前記基板を取り囲むガードと、前記ガードを昇降させるガード昇降ユニットと、前記対向部材を昇降させる対向部材昇降ユニットと、前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転ユニットと、前記基板回転ユニット、前記処理液供給ユニット、前記ガード昇降ユニット、前記対向部材昇降ユニットおよび前記対向部材回転ユニットを制御する制御ユニットとを含み、前記制御ユニットが、前記基板回転ユニットによって、水平に保持された前記基板を前記回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、前記延設部の内周面が前記径方向の外方から前記基板に対向する位置に、前記対向部材昇降ユニットによって前記対向部材を配置する対向部材配置工程と、前記対向部材回転ユニットによって、前記回転軸線まわりに前記対向部材を回転させる対向部材回転工程と、回転状態の前記基板の上面に、前記処理液供給ユニットから前記処理液を供給する処理液供給工程と、前記ガード昇降ユニットによって、前記延設部の内周面に対する前記処理液の親和性に応じて、前記基板の上面から前記径方向の外方に向けて飛散する前記処理液が受けられる高さ位置に、前記ガードを配置するガード配置工程とを実行するようにプログラムされている、基板処理装置を提供する。
【0020】
この構成によれば、対向部材の延設部の内周面に対する処理液の親和性に応じて、ガードが適切な高さ位置に配置される。そのため、基板に供給される処理液の種類(延設部の内周面に対する親和性)にかかわらず、ガードによって処理液が良好に受けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の内部のレイアウトを説明するための模式的な平面図である。
図2図2は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの模式図である。
図3A図3Aは、前記処理ユニットに備えられた第1ガードの高さ位置を説明するための模式図である。
図3B図3Bは、前記処理ユニットに備えられた第2ガードの高さ位置を説明するための模式図である。
図3C図3Cは、前記処理ユニットに備えられた第3ガードの高さ位置を説明するための模式図である。
図4図4は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図5図5は、前記基板処理装置による基板処理の第1例を説明するための流れ図である。
図6A図6Aは、前記基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
図6B図6Bは、前記基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
図6C図6Cは、前記基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
図6D図6Dは、前記基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
図6E図6Eは、前記基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
図7A図7Aは、前記基板処理の第1例において低親和性処理液を受けるときのガードの高さ位置について説明するための図解的な断面図である。
図7B図7Bは、前記基板処理の第1例において高親和性処理液を受けるときのガードの高さ位置について説明するための図解的な断面図である。
図8A図8Aは、前記基板処理の第2例を説明するための図解的な断面図である。
図8B図8Bは、前記基板処理の第2例を説明するための図解的な断面図である。
図9A図9Aは、前記基板処理の第3例を説明するための図解的な断面図である。
図9B図9Bは、前記基板処理の第3例を説明するための図解的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、この発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。
基板処理装置1は、シリコンウエハ等の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円板状の基板である。基板処理装置1は、処理液で基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリヤCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御する制御ユニット3とを含む。搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、例えば、同様の構成を有している。
【0023】
図2は、処理ユニット2の構成例を説明するための模式図である。
処理ユニット2は、チャンバ4(図1参照)と、スピンチャック5と、対向部材6と、支持部材7と、薬液供給ユニット8と、リンス液供給ユニット9と、有機溶剤供給ユニット10と、撥水剤供給ユニット11と、支持部材昇降ユニット12と、処理カップ13とを含む。
【0024】
スピンチャック5は、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる。スピンチャック5は、チャンバ4内に収容されている(図1参照)。チャンバ4には、チャンバ4内に基板Wを搬入したり、チャンバ4内から基板Wを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
【0025】
スピンチャック5は、基板保持ユニット24と、回転軸22と、電動モータ23とを含む。基板保持ユニット24は、基板Wを水平に保持する。基板保持ユニット24は、スピンベース21と複数のチャックピン20とを含む。スピンベース21は、水平方向に沿う円板形状を有している。スピンベース21の上面には、複数のチャックピン20が周方向に間隔を空けて配置されている。回転軸22は、スピンベース21の下面中央に結合されている。回転軸22は、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。電動モータ23は、回転軸22に回転力を与える。電動モータ23によって回転軸22が回転されることにより、基板保持ユニット24のスピンベース21が回転される。これにより、基板Wが回転軸線A1のまわりに回転される。回転軸線A1まわりの回転方向を回転方向Sという。電動モータ23は、基板Wを回転軸線A1のまわりに回転させる基板回転ユニットに含まれる。
【0026】
対向部材6は、平面視で略円形状である。回転軸線A1は、対向部材6の中心部を通る鉛直軸線でもある。対向部材6は、樹脂によって形成されている。対向部材6を形成する樹脂としてはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等が挙げられる。そのため、対向部材6の表面は、疎水面である。疎水面とは、比較的疎水性が高い面のことである。対向部材6は、基板Wの上面に上方から対向する。対向部材6は、対向部材6と基板Wの上面との間の空間65内の雰囲気を周囲の雰囲気から遮断する。対向部材6は、遮断部材ともいわれる。
【0027】
対向部材6は、例えば、磁力によって基板保持ユニット24と係合可能である。詳しくは、対向部材6は、複数の第1係合部66を含む。第1係合部66は、対向部60の対向面60aから下方に延びている。複数の第1係合部66は、回転方向Sに互いに間隔を隔てて配置されている。基板保持ユニット24は、複数の第1係合部66と凹凸係合可能な複数の第2係合部76を含む。複数の第2係合部76は、回転方向Sに互いに間隔を隔てて配置されている。
【0028】
対向部材6の各第1係合部66と、基板保持ユニット24の対応する第2係合部76とが係合した状態で、対向部材6は、基板保持ユニット24と一体回転可能である。対向部材6と基板保持ユニット24とが係合しているときに電動モータ23がスピンベース21を回転させることによって、対向部材6が基板保持ユニット24とともに回転する。すなわち、電動モータ23は、回転軸線A1まわりに対向部材6を回転させる対向部材回転ユニットとしても機能する。
【0029】
対向部材6は、対向部60と、延設部61と、筒状部62と、複数のフランジ部63とを含む。
対向部60は、基板Wの上面に上方から対向する。対向部60は、円板状に形成されている。対向部60は、スピンチャック5の上方でほぼ水平に配置されている。対向部60は、基板Wの上面に対向する対向面60aを有する。対向面60aは、対向部60の下面でもある。
【0030】
延設部61は、対向部60の周縁部から下方に延びる。延設部61の内周面61aは、下方に向かうに従って、回転軸線A1を中心とした径方向の外方に向かうように鉛直方向に対して傾斜している。延設部61の内周面61aは、対向部材6の表面の一部であるため、疎水面である。延設部61の外周面は、鉛直方向に沿って延びている。
以下では、回転軸線A1を中心とした径方向の内方を単に「径方向内方」といい、回転軸線A1を中心とした径方向の外方を単に「径方向外方」という。対向部材6が基板保持ユニット24と係合しているとき、延設部61は、第1ガード17よりも径方向内方で基板Wを取り囲んでいる(図2の二点鎖線参照)。対向部材6が基板保持ユニット24と係合しているとき、延設部61は、径方向外方から基板Wに対向している(図2の二点鎖線参照)。
【0031】
筒状部62は、対向部60の上面に固定されている。複数のフランジ部63は、筒状部62の周方向(回転方向S)に互いに間隔を隔てて、筒状部62の上端に配置されている。各フランジ部63は、筒状部62の上端から水平に延びている。
基板処理装置1で用いられる処理液には、薬液、リンス液、有機溶剤、および撥水剤等が含まれる。薬液供給ユニット8、リンス液供給ユニット9、有機溶剤供給ユニット10および撥水剤供給ユニット11は、基板Wの上面に処理液を供給する処理液供給ユニットに含まれる。
【0032】
基板処理装置1で用いられる処理液は、対向部材6の延設部61の内周面61aに対する親和性が比較的低い低親和性処理液と、延設部61の内周面61aに対する親和性が比較的高い高親和性処理液とに分類される。
ここで、延設部61の内周面61aに対する親和性とは、延設部61の内周面61aに対するなじみやすさである。延設部61の内周面61aに対する親和性が高い処理液とは、延設部61の内周面61aに対してなじみやすい(濡れ性が高い)処理液である。延設部61の内周面61aに対する親和性が低い処理液とは、延設部61の内周面61aに対してなじみにいくい(濡れ性が低い)処理液である。延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性が高いほど、処理液は、延設部61の内周面61aに付着しやすい。延設部61の内周面61aに対する親和性が低いほど、処理液は、延設部61の内周面61aに付着しにくい。
【0033】
内周面61aは、疎水面であるため、低親和性処理液として親水性処理液が挙げられ、高親和性処理液として疎水性処理液が挙げられる。「親水性」は、水に対する親和性が高い性質のことである。「疎水性」は、水に対する親和性が低い性質のことである。一般に、疎水性処理液は、親油性を有する。「親油性」は、脂質や非極性有機溶媒との親和性が高い性質のことである。低親和性処理液は、水溶液、または水である。高親和性処理液は、有機物を溶媒とする溶液または、液状の有機物である。
【0034】
薬液供給ユニット8、リンス液供給ユニット9、有機溶剤供給ユニット10および撥水剤供給ユニット11のそれぞれは、低親和性処理液供給ユニットまたは高親和性処理液供給ユニットのいずれかに分類される。低親和性処理液供給ユニットは、基板Wの上面に低親和性処理液を供給するユニットのことである。高親和性処理液供給ユニットは、基板Wの上面に高親和性処理液を供給するユニットのことである。
【0035】
薬液供給ユニット8は、基板Wの上面の中央領域に薬液を供給するユニットである。基板Wの上面の中央領域は、基板Wの上面と回転軸線A1との交差位置を含む基板Wの上面の中央辺りの領域である。薬液供給ユニット8は、基板Wの上面の中央領域に向けて薬液を吐出する薬液ノズル30と、薬液ノズル30に結合された薬液供給管31と、薬液供給管31に介装された薬液バルブ32とを含む。薬液供給管31には、薬液供給源から、フッ酸(フッ化水素水:HF)等の薬液が供給されている。薬液バルブ32は、薬液供給管31内の流路を開閉する。
【0036】
薬液ノズル30から吐出される薬液は、フッ酸に限られない。薬液ノズル30から吐出される薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、バッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、アンモニア水、過酸化水素水、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)等が挙げられる。
【0037】
薬液ノズル30から吐出される薬液は、有機アルカリである場合を除いて、水溶液(親水性処理液)である。そのため、薬液ノズル30から吐出される薬液は、有機アルカリである場合を除いて、延設部61の内周面61a(疎水面)に対する親和性が低い低親和性処理液である。薬液ノズル30から吐出される薬液が有機アルカリである場合を除いて、薬液供給ユニット8は、低親和性処理液供給ユニットに分類される。
【0038】
有機アルカリは疎水性処理液である。そのため、薬液ノズル30から吐出される薬液は、有機アルカリである場合、延設部61の内周面61aに対する親和性が高い高親和性処理液である。薬液ノズル30から吐出される薬液が有機アルカリである場合、薬液供給ユニット8は、高親和性処理液供給ユニットに分類される。
リンス液供給ユニット9は、基板Wの上面の中央領域にリンス液を供給するユニットである。リンス液供給ユニット9は、基板Wの上面の中央領域に向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル40と、リンス液ノズル40に結合されたリンス液供給管41と、リンス液供給管41に介装されたリンス液バルブ42とを含む。リンス液供給管41には、リンス液供給源から、DIW等のリンス液が供給されている。リンス液バルブ42は、リンス液供給管41内の流路を開閉する。
【0039】
リンス液ノズル40から吐出されるリンス液は、DIWに限られない。リンス液ノズル40から吐出されるリンス液は、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(たとえば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、還元水(水素水)であってもよい。リンス液は、水を含有している。
このように、リンス液ノズル40から吐出されるリンス液は、水溶液または水である。そのため、リンス液ノズル40から吐出されるリンス液は、親水性処理液である。したがって、リンス液ノズル40から吐出されるリンス液は、延設部61の内周面61a(疎水面)に対する親和性が低い低親和性処理液である。リンス液供給ユニット9は、低親和性処理液供給ユニットに分類される。
【0040】
有機溶剤供給ユニット10は、基板Wの上面の中央領域に有機溶剤を供給するユニットである。有機溶剤供給ユニット10は、基板Wの上面の中央領域に向けて有機溶剤を吐出する有機溶剤ノズル50と、有機溶剤ノズル50に結合された有機溶剤供給管51と、有機溶剤供給管51に介装された有機溶剤バルブ52とを含む。有機溶剤供給管51には、有機溶剤供給源から、IPA等の有機溶剤が供給されている。有機溶剤バルブ52は、有機溶剤供給管51内の流路を開閉する。
【0041】
有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、IPAに限られない。有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、基板Wの上面、および、基板Wに形成されたパターン(図示せず)と化学反応しない(反応性が乏しい)、IPA以外の有機溶剤であってもよい。より具体的には、有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を有機溶剤であってもよい。有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、液状の有機物であるため、疎水性処理液である。そのため、有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、延設部61の内周面61a(疎水面)に対する親和性が高い高親和性処理液である。そのため、有機溶剤供給ユニット10は、高親和性処理液供給ユニットである。
【0042】
撥水剤供給ユニット11は、基板Wの上面の中央領域に撥水剤を供給するユニットである。撥水剤供給ユニット11は、基板Wの上面の中央領域に向けて撥水剤を吐出する撥水剤ノズル80と、撥水剤ノズル80に結合された撥水剤供給管81と、撥水剤供給管81に介装された撥水剤バルブ82とを含む。撥水剤供給管81には、撥水剤供給源から、撥水剤が供給されている。撥水剤バルブ82は、撥水剤供給管81内の流路を開閉する。
【0043】
撥水剤ノズル80から吐出される撥水剤は、例えば、シリコン自体およびシリコンを含む化合物を疎水化させるシリコン系の撥水剤、または金属自体および金属を含む化合物を疎水化させるメタル系の撥水剤を用いることができる。メタル系の撥水剤は、たとえば、疎水基を有するアミン、および有機シリコン化合物の少なくとも一つを含む。シリコン系の撥水剤は、たとえば、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、たとえば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、TMS(テトラメチルシラン)、フッ素化アルキルクロロシラン、アルキルジシラザン、および非クロロ系の撥水剤の少なくとも一つを含む。非クロロ系の撥水剤は、たとえば、ジメチルシリルジメチルアミン、ジメチルシリルジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、N,N-ジメチルアミノトリメチルシラン、N-(トリメチルシリル)ジメチルアミンおよびオルガノシラン化合物の少なくとも一つを含む。
【0044】
このように、撥水剤ノズル80から吐出される撥水剤は、シリコン系の撥水剤やメタル系の撥水剤等の有機物であるため、疎水性処理である。そのため、撥水剤ノズル80から吐出される撥水剤は、延設部61の内周面61a(疎水面)に対する親和性が高い高親和性処理液である。そのため、撥水剤供給ユニット11は、高親和性処理液供給ユニットである。
【0045】
薬液ノズル30、リンス液ノズル40、有機溶剤ノズル50および撥水剤ノズル80は、この実施形態では、ノズル収容部材35に共通に収容されている。ノズル収容部材35の下端部は、基板Wの上面の中央領域に対向している。
支持部材7は、対向部材6を支持する対向部材支持部70と、対向部材支持部70よりも上方に設けられノズル収容部材35を支持するノズル支持部72と、対向部材支持部70とノズル支持部72とを連結し鉛直方向に延びる壁部71とを含む。対向部材支持部70と壁部71とノズル支持部72とによって空間75が区画されている。空間75は、筒状部62の上端部とフランジ部63とを収容する。対向部材支持部70は、支持部材7の下壁を構成している。ノズル支持部72は、支持部材7の上壁を構成している。ノズル収容部材35は、ノズル支持部72の略中央に取り付けられている。ノズル収容部材35の先端は、ノズル支持部72よりも下方に位置している。
【0046】
対向部材支持部70は、対向部材6(のフランジ部63)を下方から支持する。対向部材支持部70の中央部には、筒状部62が挿通される筒状部挿通孔70aが形成されている。各フランジ部63には、フランジ部63を上下方向に貫通する位置決め孔63aが形成されている。対向部材支持部70には、対応するフランジ部63の位置決め孔63aに係合可能な係合突起70bが形成されている。各位置決め孔63aに対応する係合突起70bが係合されることによって、回転方向Sにおいて支持部材に対して対向部材が位置決めされる。
【0047】
支持部材昇降ユニット12は、支持部材7とともに対向部材6を昇降させる。支持部材昇降ユニット12は、対向部材6を昇降させる対向部材昇降ユニットとして機能する。支持部材昇降ユニット12は、例えば、ボールねじ機構(図示せず)と、当該ボールねじ機構に駆動力を付与する電動モータ(図示せず)とを含む。
支持部材昇降ユニット12は、上位置から下位置までの間の所定の高さ位置に支持部材7を位置させることができる。下位置は、後述する図6Aに示す位置である。詳しくは、下位置は、支持部材7の可動範囲において、支持部材7が基板保持ユニット24の上面に最も近接する位置である。上位置は、図2に実線で示す位置である。詳しくは、上位置は、支持部材7の可動範囲において、支持部材7が基板保持ユニット24の上面から最も離間する位置である。
【0048】
支持部材7は、上位置に位置する状態で、対向部材6を吊り下げ支持している。この状態で、対向部材6は、基板保持ユニット24から上方に離間している。支持部材7は、支持部材昇降ユニット12によって昇降されることによって、上位置と下位置との間の係合位置を通過する。係合位置は、図2に二点鎖線で示す位置である。係合位置は、対向部材6が下方から支持部材7に支持され、かつ、対向部材6と基板保持ユニット24とが係合するときの支持部材7の高さ位置である。支持部材7は、下位置に位置するとき、基板保持ユニット24と係合した状態の対向部材6から下方に離間している。
【0049】
支持部材7が上位置と係合位置との間で昇降される際、対向部材6は、支持部材7と一体的に昇降する。支持部材7は、係合位置と下位置との間の位置に位置するとき、対向部材6から下方に離間している。対向部材6は、支持部材7が係合位置と下位置との間の位置に位置するとき、基板保持ユニット24に係合された状態で維持される。
処理カップ13は、スピンチャック5に保持されている基板Wよりも径方向外方に配置されている。処理カップ13は、排気桶26と、複数のカップ14~16(第1カップ14、第2カップ15および第3カップ16)と、複数のガード17~19(第1ガード17、第2ガード18および第3ガード19)と、複数のガード昇降ユニット27~29(第1ガード昇降ユニット27、第2ガード昇降ユニット28および第3ガード昇降ユニット29)とを含む。
【0050】
排気桶26は、スピンチャック5を取り囲んでいる。排気桶26には、チャンバ4(図1参照)に流れ込む空気をチャンバ4外へ排出するための排気管(図示せず)が接続されている。複数のカップ14~16および複数のガード17~19は、スピンチャック5と排気桶26との間に配置されている。複数のカップ14~16のそれぞれは、基板Wを取り囲んでいる。複数のガード17~19のそれぞれは、基板Wを取り囲んでいる。
【0051】
各ガード17~19は、スピンチャック5に保持された基板Wから径方向外方に飛散する処理液を受ける。第2ガード18は、第1ガード17よりも径方向外方に配置されている。第3ガード19は、第2ガード18よりも径方向外方に配置されている。
第1ガード17は、排気桶26よりも径方向内方でスピンチャック5を取り囲む第1筒状部17Aと、径方向内方に向かうにしたがって上方に向かうように第1筒状部17Aから延びる第1傾斜部17Bとを含む。
【0052】
第2ガード18は、排気桶26よりも径方向内方で、かつ第1筒状部17Aよりも径方向外方でスピンチャック5を取り囲む第2筒状部18Aと、径方向内方に向かうにしたがって上方に向かうように第2筒状部18Aから延びる第2傾斜部18Bとを含む。
第3ガード19は、排気桶26よりも径方向内方で、かつ第2筒状部18Aよりも径方向外方でスピンチャック5を取り囲む第3筒状部19Aと、径方向内方に向かうにしたがって上方に向かうように第3筒状部19Aから延びる第3傾斜部19Bとを含む。
【0053】
第1傾斜部17Bは、第2傾斜部18Bに下方から対向している。第2傾斜部18Bは、第3傾斜部19Bに下方から対向している。
各カップ14~16は、上向きに開いた環状の溝を有している。第2カップ15は、第1カップ14よりも径方向外方に配置されている。第3カップ16は、第2カップ15よりも径方向外方に配置されている。第3カップ16は、第2ガード18と一体に設けられている。各カップ14~16の溝には、回収配管(図示せず)または排出配管(図示せず)が接続されている。各カップ14~16の底部には、対応するガード17~19が受けた処理液が導かれる。各カップ14~16の底部に導かれた処理液は、回収配管または排出配管を通じて、回収または廃棄される。
【0054】
複数のガード昇降ユニット27~29は、複数のガード17~19の昇降をそれぞれ駆動する。各ガード昇降ユニット27~29は、例えば、ボールねじ機構(図示せず)と、それに駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。
次に、各ガード17~19の高さ位置について詳しく説明する。
図3Aは、第1ガード17の高さ位置を説明するための模式図である。第1ガード17は、第1ガード昇降ユニット27(図2参照)によって、上位置と下位置との間で昇降される。上位置は、第1ガード17の可動範囲における上方の限界位置である。下位置は、第1ガード17の可動範囲における下方の限界位置である。
【0055】
第1ガード17は、上位置と下位置との間の第1液受け位置(図3Aに実線で示す位置)および第2液受け位置(図3Aに二点鎖線で示す位置)に位置することができる。第2液受け位置に位置する第1ガード17では、第1傾斜部17Bのみが図示されており、第1ガード17におけるその他の部分の図示は省略されている。
第2液受け位置は、第1液受け位置よりも下方の位置である。第1ガード17が第1液受け位置に位置するとき、第1ガード17の第1傾斜部17Bの上端(径方向内方端17a)が基板Wの上面よりも上方に位置する。第1ガード17が第2液受け位置に位置するとき、径方向内方端17aが基板Wの上面よりも下方で、かつ、保持ユニット24と係合した状態の対向部材6の延設部61の下端部よりも上方に位置する。
【0056】
詳しくは後述するが、処理液が低親和性処理液であるか高親和性処理液であるかによって、延設部61からの処理液の飛散方向が異なる。低親和性処理液の飛散方向D1(後述する図7A参照)は、高親和性処理液の飛散方向D2(後述する図7B参照)よりも上方に傾く。そのため、基板Wから低親和性処理液が飛散するとき、第1ガード17は、第1液受け位置に配置される。基板Wから高親和性処理液が飛散するとき、第1ガード17は、第2液受け位置に配置される。
【0057】
図3Bは、第2ガード18の高さ位置を説明するための模式図である。第2ガード18は、第2ガード昇降ユニット28(図2参照)によって、上位置と下位置との間で昇降される。上位置は、第2ガード18の可動範囲における上方の限界位置である。下位置は、第2ガード18の可動範囲における下方の限界位置である。
第2ガード18は、上位置と下位置との間の第1液受け位置(図3Bに実線で示す位置)および第2液受け位置(図3Bに二点鎖線で示す位置)に位置することができる。第2液受け位置に位置する第2ガード18では、第2傾斜部18Bのみが図示されており、第2ガード18におけるその他の部分および第2カップ15の図示は省略されている。
【0058】
第2液受け位置は、第1液受け位置よりも下方の位置である。第2ガード18が第1液受け位置に位置するとき、第2ガード18の第2傾斜部18Bの上端(径方向内方端18a)が基板Wの上面よりも上方に位置する。第2ガード18が第2液受け位置に位置するとき、径方向内方端18aが基板Wの上面よりも下方で、かつ、保持ユニット24と係合した状態の対向部材6の延設部61の下端部よりも上方に位置する。
【0059】
第2ガード18も、第1ガード17と同様に、基板Wから低親和性処理液が飛散するときは第1液受け位置に配置され、基板Wから高親和性処理液が飛散するときは第2液受け位置に配置される。
図3Cは、第3ガード19の高さ位置を説明するための模式図である。第3ガード19は、第3ガード昇降ユニット29(図2参照)によって、上位置と下位置との間で昇降される。上位置は、第3ガード19の可動範囲における上方の限界位置である。下位置は、第3ガード19の可動範囲における下方の限界位置である。
【0060】
第3ガード19は、上位置と下位置との間の第1液受け位置(図3Cに実線で示す位置)および第2液受け位置(図3Cに二点鎖線で示す位置)に位置することができる。第2液受け位置に位置する第3ガード19では、第3傾斜部19Bのみが図示されており、第3ガード19におけるその他の部分の図示は省略されている。
第2液受け位置は、第1液受け位置よりも下方の位置である。第3ガード19が第1液受け位置に位置するとき、第3ガード19の第3傾斜部19Bの上端(径方向内方端19a)が基板Wの上面よりも上方に位置する。第3ガード19が第2液受け位置に位置するとき、径方向内方端19aが基板Wの上面よりも下方で、かつ、保持ユニット24と係合した状態の対向部材6の延設部61の下端部よりも上方に位置する。
【0061】
第3ガード19も、第1ガード17および第2ガード18と同様に、基板Wから低親和性処理液が飛散するときは第1液受け位置に配置され、基板Wから高親和性処理液が飛散するときは第2液受け位置に配置される。
図4は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。制御ユニット3は、マイクロコンピュータを備えており、所定のプログラムに従って、基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。より具体的には、制御ユニット3は、プロセッサ(CPU)3Aと、プログラムが格納されたメモリ3Bとを含み、プロセッサ3Aがプログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。特に、制御ユニット3は、搬送ロボットIR,CR、電動モータ23、支持部材昇降ユニット12、ガード昇降ユニット27~29およびバルブ類32,42,52,82等の動作を制御する。
【0062】
図5は、基板処理装置1による基板処理の第1例を説明するための流れ図であり、主として、制御ユニット3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図6A図6Eは、基板処理の第1例を説明するための図解的な断面図である。
基板処理装置1による基板処理では、例えば、図5に示すように、基板搬入(S1)、薬液処理(S2)、リンス処理(S3)、第1有機溶剤処理(S4)、撥水剤処理(S5)、第2有機溶剤処理(S6)、乾燥処理(S7)および基板搬出(S8)がこの順番で実行される。
【0063】
まず、処理ユニット2に基板Wが搬入される前に、対向部材6と基板保持ユニット24とが係合可能となるように、回転方向Sにおける対向部材6と基板保持ユニット24との相対位置が調整される。詳しくは、平面視で、対向部材6の第1係合部66と基板保持ユニット24の第2係合部76とが重なるように、回転方向Sにおける基板保持ユニット24の位置を電動モータ23が調整する。
【0064】
そして、図1も参照して、基板処理装置1による基板処理では、基板Wが、搬送ロボットIR,CRによってキャリヤCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(ステップS1:基板搬入)。この後、基板Wは、搬送ロボットCRによって搬出されるまでの間、チャックピン20によって、スピンベース21の上面から上方に間隔を空けて水平に保持される(基板保持工程)。
【0065】
そして、支持部材昇降ユニット12が、上位置に位置する支持部材7を下位置へ向けて下降させる。支持部材7は、下位置に移動する前に係合位置を通過する。支持部材7が係合位置に達すると、対向部材6と基板保持ユニット24とが磁力によって係合する。これにより、高さ位置が固定された基板保持ユニット24によって対向部材6が下方から支持される。対向部材6が基板保持ユニット24に係合しているとき、対向部材6の延設部61は、径方向外方から基板Wに対向している。また、対向部材6が基板保持ユニット24に係合しているとき、延設部61がスピンベース21に上方から対向する。延設部61の下端部とスピンベース21の上面との間には僅かな隙間が設けられている。このように、支持部材昇降ユニット12によって、延設部61の内周面が径方向外方から基板Wに対向する位置に対向部材6が配置される(対向部材配置工程)。
【0066】
支持部材7が係合位置からさらに下方へ下降すると、対向部材6は、支持部材7による支持から解放される。詳しくは、支持部材7の対向部材支持部70が対向部材6のフランジ部63から下方に退避する。
そして、図6Aに示すように、支持部材7は、下位置に達する。そして、電動モータ23が、基板保持ユニット24のスピンベース21の回転を開始させる。これにより、水平に保持された基板Wが回転する(基板回転工程)。スピンベース21に設けられた第2係合部76に対向部材6に設けられた第1係合部66が係合している。そのため、対向部材6は、基板Wと同期回転する(対向部材回転工程)。同期回転とは、同じ方向に同じ回転速度で回転することをいう。
【0067】
そして、薬液処理(S2)が開始される。薬液処理(S2)では、基板W上に薬液としてフッ酸(HF)を供給することによって、基板Wの上面にエッチング等の処理が施される。
具体的には、図6Aを参照して、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に配置し、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を上位置に配置する。そして、対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、第1ガード昇降ユニット27が、処理液を受けることができる高さ位置に第1ガード17を配置する(ガード配置工程)。
【0068】
そして、薬液バルブ32が開かれる。これにより、薬液供給ユニット8(低親和性処理液供給ユニット)の薬液ノズル30から回転状態の基板Wの上面の中央領域に薬液(低親和性処理液であるフッ酸)が供給される(低親和性処理液供給工程)。薬液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。
薬液は、遠心力によって基板Wから径方向外方に飛散する。基板Wから径方向外方に飛散した薬液は、基板Wに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに付着する。対向部材6は、基板Wとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液は、第1ガード17によって受けられる。第1ガード17によって受けられた薬液は、第1筒状部17Aを伝って、第1カップ14へ導かれる。
【0069】
ここで、延設部61からの処理液の飛散方向について説明する。前述したように、処理液が低親和性処理液であるか高親和性処理液であるかによって、延設部61からの処理液の飛散方向が異なる。詳しくは、低親和性処理液は、対向部材6の延設部61の内周面61aとなじみにくい。そのため、低親和性処理液は、内周面61aから比較的離れやすい。したがって、図7Aに示すように、基板Wから飛散した低親和性処理液が対向部材6の延設部61の内周面に付着すると、低親和性処理液は対向部材6の表面の上で集まって大きな液滴となる前に、遠心力によって、比較的小さな液滴の状態で径方向外方に飛散する。
【0070】
一方、高親和性処理液は、延設部61の内周面61aとなじみやすい。そのため、高親和性処理液は、対向部材6の延設部61の内周面61aに一度付着すると内周面61aから離れにくい。したがって、図7Bに示すように、高親和性処理液は、遠心力によって径方向外方に飛散する前に、対向部材6の表面に付着した状態で比較的大きな液滴を形成する。
【0071】
液滴は、自重を受けるので、そのサイズが大きいほど、延設部61の内周面61aから下方に落下しやすい。そのため、高親和性理液の飛散方向D2は、低親和性処理液の飛散方向D1と比較して、下方に傾く。なお、図7Aおよび図7Bでは、簡略化のため、1つのガードに符号17~19を付しているが、実際には、各ガード17~19は、互いに異なる位置に配置されている。
【0072】
薬液処理(S2)では処理液としてフッ酸が用いられているので、薬液処理(S2)において第1ガード17によって受けられる処理液は、低親和性処理液である。したがって、薬液処理(S2)のガード配置工程では、第1ガード17は、第1液受け位置に配置される(第1配置工程、低親和性処理液用ガード配置工程)。このように、薬液処理(S2)において、第1ガード17は、低親和性処理液を受ける低親和性処理液用ガードとして機能する。第1ガード昇降ユニット27は、低親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。
【0073】
薬液処理(S2)では、基板Wの回転速度を、300rpm~1200rpmの間で変更可能である。ここで、基板Wの回転速度が高いほど、基板Wから飛散する処理液に作用する遠心力が大きくなる。そのため、基板Wの回転速度が高いほど、基板Wからの処理液の飛散方向が上方に傾く。
そこで、薬液処理(S2)における第1配置工程では、基板Wの回転速度が高いほど第1ガード17が上方に配置されるように、第1ガード17の位置が調整される。つまり、薬液処理(S2)では、基板Wの回転速度が高いほど第1ガード17の第1液受け位置が上方に調整(設定)される。そのため、薬液を受けるのに一層適切な位置に第1ガード17を配置することができる。
【0074】
一定時間の薬液処理(S2)の後、リンス処理(S3)が実行される。リンス処理では、基板W上のフッ酸(薬液)をリンス液としてのDIWに置換することにより、基板Wの上面がリンスされる。
具体的には、薬液バルブ32が閉じられる。これにより、薬液ノズル30からのフッ酸の吐出が停止される。図6Bを参照して、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に維持し、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を上位置に維持する。そして、対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、第1ガード昇降ユニット27によって、処理液を受けることができる高さ位置に第1ガード17が配置される(ガード配置工程)。
【0075】
そして、リンス液バルブ42が開かれる。これにより、リンス液供給ユニット9(低親和性処理液供給ユニット)のリンス液ノズル40から回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けてリンス液が供給される(低親和性処理液供給工程)。リンス液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。これにより、基板W上の薬液がリンス液によって置換される。
【0076】
基板W上の薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によって基板Wから径方向外方に飛散する。基板Wから径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、基板Wに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに付着する。
対向部材6は、基板Wとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第1ガード17によって受けられる。第1ガード17によって受けられた薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第1筒状部17Aを伝って、第1カップ14へ導かれる。
【0077】
リンス処理(S3)において第1ガード17によって受けられる処理液は、主にDIWである。すなわち、リンス処理(S3)において第1ガード17によって受けられる処理液は、主に低親和性処理液である。したがって、リンス処理(S3)のガード配置工程では、第1ガード17は、第1液受け位置に配置される(第1配置工程、低親和性処理液用ガード配置工程)。
【0078】
このように、リンス処理(S3)では、第1ガード17は、低親和性処理液を受ける低親和性処理液用ガードとして機能する。また、第1ガード昇降ユニット27は、低親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。
リンス処理(S3)では、基板Wの回転速度を、50rpm~1000rpmの間で変更可能である。リンス処理(S3)における第1配置工程では、基板Wの回転速度が高いほど第1ガード17が上方に配置されるように、第1ガード17の位置が調整される。つまり、リンス処理(S3)では、基板Wの回転速度が高いほど第1ガード17の第1液受け位置が上方に調整(設定)される。そのため、リンス液を受けるのに一層適切な位置に第1ガード17を配置することができる。
【0079】
一定時間のリンス処理(S3)の後、第1有機溶剤処理(S4)が実行される。第1有機溶剤処理(S4)では、基板W上のリンス液がIPA等の有機溶剤で置換される。
具体的には、リンス液バルブ42が閉じられる。これにより、リンス液ノズル40からのリンス液の吐出が停止される。そして、図6Cを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に配置する。第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を下位置に配置する。対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、第3ガード昇降ユニット29によって、処理液を受けることができる高さ位置に第3ガード19が配置される(ガード配置工程)。
【0080】
そして、有機溶剤バルブ52が開かれる。これにより、有機溶剤供給ユニット10(高親和性処理液供給ユニット)の有機溶剤ノズル50から回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて有機溶剤が供給される(処理液供給工程、高親和性処理液供給工程)。有機溶剤は、遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。これにより、基板W上のリンス液が有機溶剤によって置換される。
【0081】
基板W上のリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって基板Wから径方向外方に飛散する。基板Wから径方向外方に飛散したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、基板Wに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに付着する。
対向部材6は、基板Wとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、第3ガード19によって受けられる。第3ガード19によって受けられたリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、第3筒状部19Aを伝って、第3カップ16へ導かれる。
【0082】
第1有機溶剤処理(S4)において第3ガード19によって受けられる処理液は、主にIPAである。すなわち、第1有機溶剤処理(S4)において第3ガード19によって受けられる処理液は、主に高親和性処理液である。したがって、第1有機溶剤処理(S4)のガード配置工程では、第3ガード19は、第2液受け位置に配置される(第2配置工程、高親和性処理液用ガード配置工程)。このように、第1有機溶剤処理(S4)において、第3ガード19は、高親和性処理液を受ける高親和性処理液用ガードとして機能する。また、第3ガード昇降ユニット29は、高親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。
【0083】
第1有機溶剤処理(S4)では、基板Wの回転速度を、50rpm~1000rpmの間で変更可能である。第1有機溶剤処理(S4)における第2配置工程では、基板Wの回転速度が高いほど第3ガード19が上方に配置されるように、第3ガード19の位置が調整される。つまり、第1有機溶剤処理(S4)では、基板Wの回転速度が高いほど第3ガード19の第2液受け位置が上方に調整(設定)される。そのため、有機溶剤を受けるのに一層適切な位置に第3ガード19を配置することができる。
【0084】
一定時間の第1有機溶剤処理(S4)の後、撥水剤処理(S5)が実行される。撥水剤処理(S5)では、基板W上の有機溶剤が撥水剤で置換される。
具体的には、有機溶剤バルブ52が閉じられる。これにより、有機溶剤ノズル50からの有機溶剤の吐出が停止される。そして、図6Dを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に維持する。第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に配置する。対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、第2ガード昇降ユニット28によって、処理液を受けることができる高さ位置に第2ガード18が配置される(ガード配置工程)。
【0085】
そして、撥水剤バルブ82が開かれる。これにより、撥水剤供給ユニット11(高親和性処理液供給ユニット)の撥水剤ノズル80から回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて撥水剤が供給される(処理液供給工程、高親和性処理液供給工程)。撥水剤は、遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。これにより、基板W上の有機溶剤が撥水剤によって置換される。
【0086】
基板W上の有機溶剤および撥水剤の混合液または撥水剤は、遠心力によって基板Wから径方向外方に飛散する。基板Wから径方向外方に飛散した有機溶剤および撥水剤の混合液または撥水剤は、基板Wに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに付着する。
対向部材6は、基板Wとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した有機溶剤および撥水剤の混合液または撥水剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した有機溶剤および撥水剤の混合液または撥水剤は、第2ガード18によって受けられる。第2ガード18によって受けられた有機溶剤および撥水剤の混合液または撥水剤は、第2筒状部18Aを伝って、第2カップ15へ導かれる。
【0087】
撥水剤処理(S5)において第2ガード18によって受けられる処理液は、主に撥水剤である。すなわち、撥水剤処理(S5)において第2ガード18によって受けられる処理液は、主に高親和性処理液である。したがって、撥水剤処理(S5)のガード配置工程では、第2ガード18は、第2液受け位置に配置される(第2配置工程、高親和性処理液用ガード配置工程)。
【0088】
このように、撥水剤処理(S5)において、第2ガード18は、高親和性処理液用ガードとして機能する。また、第2ガード昇降ユニット28は、高親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。
撥水剤処理(S5)では、基板Wの回転速度を、50rpm~1000rpmの間で変更可能である。撥水剤処理(S5)におけるガード配置工程では、基板Wの回転速度が高いほど第2ガード18が上方に配置されるように、第2ガード18の位置が調整される。つまり、撥水剤処理(S5)では、基板Wの回転速度が高いほど第2ガード18の第2液受け位置が上方に調整(設定)される。そのため、撥水剤を受けるのに一層適切な位置に第2ガード18を配置することができる。
【0089】
一定時間の撥水処理(S5)の後、第2有機溶剤処理(S6)が実行される。第2有機溶剤処理では、基板W上の撥水剤が有機溶剤で置換される。
具体的には、撥水剤バルブ82が閉じられる。そして、図6Eを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に維持する。そして、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を下位置に配置する。対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、第3ガード昇降ユニット29によって、処理液を受けることができる高さ位置に第3ガード19が配置される(ガード配置工程)。
【0090】
そして、有機溶剤バルブ52が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、有機溶剤ノズル50から有機溶剤が吐出される。有機溶剤は、遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。これにより、基板W上の撥水剤が有機溶剤によって置換される。
基板W上の有機溶剤および撥水剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって基板Wから径方向外方に飛散する。基板Wから径方向外方に飛散した有機溶剤および撥水剤の混合液または有機溶剤は、基板Wに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面に付着する。
【0091】
対向部材6は、基板Wとともに回転しているため、延設部61の内周面に付着した有機溶剤および撥水剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した有機溶剤および撥水剤の混合液または有機溶剤は、第3ガード19によって受けられる。第3ガード19によって受けられた有機溶剤および撥水剤の混合液または有機溶剤は、第3筒状部19Aを伝って、第3カップ16へ導かれる。
【0092】
第2有機溶剤処理(S6)において第3ガード19によって受けられる処理液は、主にIPAである。すなわち、第2有機溶剤処理(S6)において第3ガード19によって受けられる処理液は、主に高親和性処理液である。したがって、第2有機溶剤処理(S6)のガード配置工程では、第3ガード19は、第2液受け位置に配置される(第2配置工程、高親和性処理液用ガード配置工程)。
【0093】
このように、第2有機溶剤処理(S6)において、第3ガード19は、高親和性処理液用ガードとして機能する。また、第3ガード昇降ユニット29が高親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。
第2有機溶剤処理(S6)では、基板Wの回転速度を、50rpm~1000rpmの間で変更可能である。第2有機溶剤処理(S6)におけるガード配置工程では、基板Wの回転速度が高いほど第3ガード19が上方に配置されるように、第3ガード19の位置が調整される。つまり、第2有機溶剤処理(S6)では、基板Wの回転速度が高いほど第3ガード19の第2液受け位置が上方に調整(設定)される。そのため、有機溶剤を受けるのに一層適切な位置に第3ガード19を配置することができる。
【0094】
一定時間の第2有機溶剤処理(S6)の後、基板Wの上面の液成分を遠心力によって振り切る乾燥処理(S7)が実行される。具体的には、有機溶剤バルブ52が閉じられた後、基板Wが高速度で(例えば2000rpmで)回転される。そして、電動モータ23が基板Wの回転を停止させる。
その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みの基板Wをすくい取って、処理ユニット2外へと搬出する(ステップS8:基板搬出)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリヤCに収納される。
【0095】
本実施形態によれば、基板処理装置1が、基板保持ユニット24と、電動モータ23(基板回転ユニット、対向部材回転ユニット)と、薬液供給ユニット8、リンス液供給ユニット9、有機溶剤供給ユニット10および撥水剤供給ユニット11(処理液供給ユニット)と、ガード17~19と、ガード昇降ユニット27~29と、対向部材6と、支持部材昇降ユニット12(対向部材昇降ユニット)と、制御ユニット3とを含む。
【0096】
そして、水平に保持された基板Wが電動モータ23によって回転軸線A1まわりに回転される。対向部材6が回転軸線A1まわりに回転される。回転状態の基板Wの上面に、薬液供給ユニット8、リンス液供給ユニット9、有機溶剤供給ユニット10および撥水剤供給ユニット11から処理液(薬液、リンス液、有機溶剤および撥水剤)が供給される。ガード昇降ユニット27~29によって、対向部材6の延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、基板Wの上面から径方向外方に向けて飛散する処理液が受けられる高さ位置に、ガード17~19が配置される。
【0097】
この構成によれば、基板Wの上面から径方向の外方に飛散する処理液は、対向部材6の延設部61の内周面61aによって一度受けられた後、延設部61から径方向の外方に飛散することによってガード17~19に受けられる。延設部61の内周面61aに対する処理液の親和性に応じて、複数のガード17~19のそれぞれが適切な高さ位置に配置される。そのため、基板Wに供給される処理液の種類(延設部61の内周面61aに対する親和性)にかかわらず、複数のガード17~19によって処理液を良好に受けることができる。
【0098】
本実施形態によれば、ガード配置工程において、第1ガード17が低親和性処理液を受ける際、ガード昇降ユニット27によって、第1液受け位置に第1ガード17を配置する第1配置工程が実行される。また、ガード配置工程において、第2ガード18が高親和性処理液を受ける際、第2ガード昇降ユニット28によって、第2液受け位置に第2ガード18を配置する第2配置工程が実行される。さらに、ガード配置工程において、第3ガード19が高親和性処理液を受ける際、第3ガード昇降ユニット29によって、第2液受け位置に第3ガード19を配置する第2配置工程が実行される。
【0099】
第1液受け位置(低親和性処理液を受けるときの第1ガード17の位置)よりも第2液受け位置(高親和性処理液を受けるときの第2ガード18および第3ガード19の位置)を下方に設定しておくことで、各ガード17~19が適切な位置に配置される。したがって、処理液の種類にかかわらず、複数のガード17~19によって処理液が良好に受けられる。
【0100】
第1ガード17が第1液受け位置に位置するとき、第1ガード17の上端が基板Wの上面よりも上方に位置するように第1ガード17を配置することが好ましい。また、第2ガード18が第2液受け位置に位置するとき、第2ガード18の上端が基板Wの上面よりも下方で延設部61の下端部よりも上方に位置するように第2ガード18を配置することが好ましい。また、第3ガード19が第2液受け位置に位置するとき、第3ガード19の上端が基板Wの上面よりも下方で延設部61の下端部よりも上方に位置するように第3ガード19を配置することが好ましい。そうであるならば、ガード17~19によって処理液が一層良好に受けられる。
【0101】
また本実施形態によれば、低親和性処理液および高親和性処理液のそれぞれが異なるガード17~19によって受けられる。詳しくは、低親和性処理液が第1ガード17(低親和性処理液用ガード)によって受けられ、高親和性処理液が第2ガード18および第3ガード19(高親和性処理液用ガード)によって受けられる。つまり、処理液の種類に応じて、複数のガード17~19のそれぞれを適切な位置(第1液受け位置または第2液受け位置)に配置することができる。基板Wから飛散する処理液が複数のガード17~19によって、良好に受けられる。
【0102】
上述の実施形態に係る基板処理装置1による基板処理は、上述した例に限られない。基板処理装置1による基板処理は、以下に示すような例であってもよい。
図8Aおよび図8Bは、基板処理装置1による基板処理の第2例を説明するための図解的な断面図である。第1有機溶剤処理(S4)では、基板処理の第1例と同様に基板Wの上面へのIPAの供給によって、基板W上のDIWがIPAによって置換される。すなわち、低親和性処理液供給工程(リンス液供給工程)の後に高親和性処理液供給工程(有機溶剤供給工程)が実行されることによって、基板Wの上面の低親和性処理液(DIW)が高親和性処理液(IPA)に置換されている(第1置換工程)。
【0103】
ここで、図8Aに示すように、第1置換工程において、基板Wから飛散する液体は、低親和性処理液と高親和性処理液の混合液である。第1置換工程では、基板Wの上面の低親和性処理液が高親和性処理液に置換されるので、第1置換工程の開始直後に基板Wから飛散する液体には、高親和性処理液よりも低親和性処理液が多く含まれる。その後、基板Wから飛散する液体中の高親和性処理液の割合が徐々に大きくなり、図8Bに示すように、第1置換工程の終了後に基板Wから飛散する液体は、高親和性処理液のみになる。
【0104】
そのため、第1置換工程では、上述の基板処理とは異なり、以下のように第3ガード19の高さ位置を変更してもよい。詳しくは、図8Aに示すように、第1置換工程の開始時には第3ガード19が第1液受け位置に配置され、図8Bに示すように、第1置換工程の終了後に、第3ガード19が第2液受け位置に配置されるように、第3ガード昇降ユニット29が第3ガード19の高さ位置を変更してもよい。これによって、処理液が第3ガード19によって一層良好に受けられる。
【0105】
第3ガード19の高さ位置は、第1置換工程の終了と同時に、第2液受け位置にされることが好ましい。第3ガード19の高さ位置は、第1置換工程の終了の直前に変更されてもよいし、第1置換工程中に徐々に変更されてもよい。なお、第1置換工程は、基板W上の低親和性処理液が高親和性処理液に完全に置き換えられたときに終了する。
図9Aおよび図9Bは、基板処理装置1による基板処理の第3例を説明するための図解的な断面図である。基板処理装置1による基板処理の第3例では、上述の基板処理とは異なり、薬液処理(S2)において、薬液として有機アルカリが用いられる。つまり、基板処理の第3例では薬液が高親和性処理液である。
【0106】
リンス処理(S3)において、基板W上の有機アルカリ(高親和性処理液)がDIW(低親和性処理液)によって置換される。すなわち、薬液供給工程(高親和性処理液供給工程)の後にリンス液供給工程(低親和性処理液供給工程)が実行されることによって、基板Wの上面の高親和性処理液(有機アルカリ)が低親和性処理液(DIW)に置換される(第2置換工程)。
【0107】
ここで、図9Aに示すように、第2置換工程において、基板Wから飛散する液体は、低親和性処理液と高親和性処理液の混合液である。第2置換工程では、基板Wの上面の高親和性処理液が低親和性処理液に置換されるので、第2置換工程の開始直後に基板Wから飛散する液体には、低親和性処理液よりも高親和性処理液が多く含まれる。その後、基板Wから飛散する液体中の低親和性処理液の割合が徐々に大きくなり、図9Bに示すように、第2置換工程の終了後に基板Wから飛散する液体は、低親和性処理液のみになる。
【0108】
さらに、第2置換工程において、図9Aに示すように、第2置換工程の開始時には第1ガード17が第2液受け位置に配置され、図9Bに示すように、第2置換工程の終了後に、第1ガード17が第1液受け位置に配置されるように、第1ガード昇降ユニット27が第1ガード17の位置を変更してもよい。
第1ガード17の高さ位置は、第2置換工程の終了と同時に、第1液受け位置にされることが好ましい。第1ガード17の高さ位置は、第2置換工程の終了の直前に変更されてもよいし、第2置換工程中に徐々に変更されてもよい。なお、第2置換工程は、基板W上の高親和性処理液が低親和性処理液に完全に置き換えられたときに終了する。
【0109】
また、上述の基板処理では、薬液およびリンス液を第1ガード17が受け、有機溶剤を第3ガード19が受けるとした。また、撥水剤を第2ガード18が受けるとした。しかしながら、薬液、リンス液、有機溶剤および撥水剤は、いずれのガード17~19によって受けられてもよい。
例えば、薬液およびリンス液を第2ガード18が受け、有機溶剤を第1ガード17が受け、撥水剤を第3ガード19が受けてもよい。また、薬液およびリンス液を第3ガード19が受け、有機溶剤を第2ガード18が受け、撥水剤を第1ガード17が受けてもよい。要するに、第1ガード17が高親和性処理液用ガードとして機能してもよいし、第2ガード18および第3ガード19が低親和性処理液用ガードとして機能してもよい。
【0110】
第1ガード17が高親和性処理液用ガードとして機能するとき、第1ガード17は、第2液受け位置に位置する(図3A参照)。第2ガード18が低親和性処理液用ガードとして機能するとき、第2ガード18は、第1液受け位置に位置する(図3B参照)。第3ガード19が低親和性処理液用ガードとして機能するとき、第3ガード19は、第1液受け位置に位置する(図3C参照)。
【0111】
また、全ての処理液が複数のガード17~19のうちの1つのガードによって受けられてもよい。例えば、第1ガード17が全ての処理液を受けてもよい。この場合、第1ガード17が低親和性処理液用ガードとして機能し、かつ、高親和性処理液用ガードとして機能する。また、第1ガード昇降ユニット27が、低親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能し、かつ、高親和性処理液用ガード昇降ユニットとして機能する。当然、第2ガード18が全ての処理液を受けてもよいし、第3ガード19が全ての処理液を受けてもよい。
【0112】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
例えば、ガードの数は3つに限られない。ガードは、4つ以上設けられていてもよいし、2つであってもよい。また、ガードが1つであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0113】
1 :基板処理装置
3 :制御ユニット
6 :対向部材
8 :薬液供給ユニット(処理液供給ユニット、低親和性処理液供給ユニット、高親和性処理液供給ユニット)
9 :リンス液供給ユニット(処理液供給ユニット、低親和性処理液供給ユニット)
10 :有機溶剤供給ユニット(処理液供給ユニット、高親和性処理液供給ユニット)
11 :撥水剤供給ユニット(処理液供給ユニット、高親和性処理液供給ユニット)
12 :支持部材昇降ユニット(対向部材昇降ユニット)
17 :第1ガード(低親和性処理液用ガード、高親和性処理液用ガード)
18 :第2ガード(高親和性処理液用ガード、低親和性処理液用ガード)
19 :第3ガード(高親和性処理液用ガード、低親和性処理液用ガード)
23 :電動モータ(基板回転ユニット、対向部材回転ユニット)
24 :基板保持ユニット
27 :第1ガード昇降ユニット(低親和性処理液用ガード昇降ユニット、高親和性処理液用ガード昇降ユニット)
28 :第2ガード昇降ユニット(高親和性処理液用ガード昇降ユニット、低親和性処理液用ガード昇降ユニット)
29 :第3ガード昇降ユニット(高親和性処理液用ガード昇降ユニット、低親和性処理液用ガード昇降ユニット)
61 :延設部
61a :内周面
A1 :回転軸線
W :基板
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B