(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】検眼装置
(51)【国際特許分類】
A61B 3/14 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
A61B3/14
(21)【出願番号】P 2017176926
(22)【出願日】2017-09-14
【審査請求日】2020-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 尚樹
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-063851(JP,A)
【文献】特開2013-000318(JP,A)
【文献】特開2010-269068(JP,A)
【文献】実開平05-039511(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0177339(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00- 3/18
A61B 8/00- 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部、及び前記ベース部の前方に位置する被検者に対面した状態でこのベース部に水平方向及びこれに垂直な方向にそれぞれ可動可能に支持され、かつ光学系を介して被検眼像を観察しつつ検査を行う測定ヘッドを有する本体部と、
前記被検眼像と操作ボタンとを少なくとも提示可能なタッチパネル式の表示面を有するモニタ部
、及び前記モニタ部が一端に取り付けられて前記モニタ部を垂直軸回り及び水平軸回りに回動自在に支持する支持部
を有するモニタユニットと、を備え、
前記支持部が前記本体部に着脱自在に取り付けられていることで、前記モニタユニットは、前記本体部に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする検眼装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記本体部に対して着脱自在に取り付けられる取付部と、垂直軸回りに可動する垂直軸部及び水平軸回りに回動する水平軸部を介して前記取付部に支持される支持アーム部材とを有し、前記支持アーム部材の先端部に、前記モニタ部が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
【請求項3】
前記支持アーム部材は、伸縮自在に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の検眼装置。
【請求項4】
前記本体部には、前記取付部を取り付ける被取付部が複数設けられていることを特徴とする請求項
2又は3に記載の検眼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検眼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検眼を検査するための光学素子を備えた測定ヘッドとしての検眼ユニットと、該検眼ユニットを操作する操作部及び各種画像情報が表示されるモニタ部を有するコントローラとを備え、該コントローラの本体部に対して、モニタ部を水平軸回りに回動可能の構成とした検眼装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の発明では、モニタ部の表示面はタッチパネル画面とされ、タッチパネル画面には、操作ボタンと各種の画像情報とが表示される。タッチパネル画面は、モニタ部の水平軸回りの回動により、検者に対面する側と被検者に対面する側とに向けられ、検者に対面する側に向けられたときと被検者に対面する側とに向けられたときとで、そのタッチパネル画面に表示されている画像情報が上下左右に反転され、かつ、回転前のボタンの位置と回転後のボタンの位置とが見た目上同じとなるような位置に制御回路により制御される。
【0004】
このような構成とすると、検者に対面する側と被検者に対面する側とに表示面を向けることができる。そのため、検者は、被検者と対面する側からだけでなく、被検者のいる側からも表示面を視認しつつタッチパネルを操作することができる。
【0005】
また、使用者が自身の姿勢に合うようにモニタ部を容易に移動させることができる超音波診断装置のモニタ支持装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。更に、測定ヘッドの後部側にモニタ部を略垂直状態から水平状態まで傾斜可能に保持する保持手段を設ける検眼装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-68583号公報
【文献】特開2007-37981号公報
【文献】特許第4587741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、測定ヘッドに対するモニタ部の姿勢が制限され、被検者の左右側方からはモニタ部の表示面を視認しにくかった。そのため、開瞼状態の悪い被検者に対して、検者が被検者に寄り添って開瞼の手伝いを行いつつ測定するときに、被検者の開瞼状態を検者が自身の眼で確認しながら、同時にモニタ部の表示面を視認することは困難で、検者の姿勢の自由度や測定効率に影響するおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、測定ヘッドに対するモニタ部の姿勢の自由度を向上させ、測定効率を向上させることができる検眼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の検眼装置は、ベース部、及び前記ベース部の前方に位置する被検者に対面した状態でこのベース部に水平方向及びこれに垂直な方向にそれぞれ可動可能に支持され、かつ光学系を介して被検眼像を観察しつつ検査を行う測定ヘッドを有する本体部と、前記被検眼像と操作ボタンとを少なくとも提示可能なタッチパネル式の表示面を有するモニタ部、及び前記モニタ部が一端に取り付けられて前記モニタ部を垂直軸回り及び水平軸回りに回動自在に支持する支持部を有するモニタユニットと、を備え、前記支持部が前記本体部に着脱自在に取り付けられていることで、前記モニタユニットは、前記本体部に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記支持部は、前記本体部に対して着脱自在に取り付けられる取付部と、垂直軸回りに可動する垂直軸部及び水平軸回りに回動する水平軸部を介して前記取付部に支持される支持アーム部材とを有し、前記支持アーム部材の先端部に、前記モニタ部が取り付けられている構成とすることができる。また、前記支持アーム部材は、伸縮自在に構成されている構成とすることができる。さらには、前記本体部には、前記取付部を取り付ける被取付部が複数設けられている構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
このように構成された本発明の検眼装置では、モニタ部とモニタ部を垂直軸回り及び水平軸回りに回動自在に支持する支持部とが、本体部に対して着脱自在に構成されていることから、モニタ部を、本体部の所望の位置に取付けることができる。そして、この取付位置で、モニタ部を垂直軸回り及び水平軸回りに回動することで、モニタ部を前後、左右、上下の所望の位置に配置したり、所望の方向に向けたりすることができる。したがって、測定ヘッドに対するモニタ部の姿勢の自由度を向上させ、測定効率を向上させることができることができる。
【0012】
また、本発明の検眼装置では、支持部は、本体部に対して着脱自在に取り付けられる取付部と、垂直軸回りに可動する垂直軸部及び水平軸回りに回動する水平軸部を介して取付部に支持される支持アーム部材とを有し、支持アーム部材の先端部に、モニタ部が取り付けられている構成とすれば、可動範囲が拡大し、支持アーム部材を介してより円滑に、所望の方向や姿勢になるようにモニタ部を回動することができる。また、支持アーム部材は、伸縮自在に構成すれば、モニタ部と検者との距離を、より自在に調整することができるだけでなく、モニタ部の高さも上下に自在に調整することができる。これにより、モニタ部の視認性や操作性を向上させ、検者の姿勢の自由度をより高めることができる。さらには、本体部には、取付部を取り付ける被取付部が複数設けられている構成とすれば、本体部の所望の位置にモニタ部及び支持部を取り付けることができ、検者の視力や見易さ、さらには検者の身長や姿勢に応じて、適切な位置にモニタ部を配置することができ、検者の姿勢の自由度や測定効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態に係る検眼装置の外観を示す図であり、(a)は検眼装置の右側面図を示し、(b)は検眼装置の背面図を示す。
【
図2】検者が被検者側から検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための図であり、(a)は検眼装置の右側面図を示し、(b)は検眼装置の正面図を示す。
【
図3】検者が検眼装置の右側に位置する状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための図であり、検眼装置の右側面図を示す。
【
図4】検者が検眼装置の左側に位置する状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための図であり、検眼装置の左側面図を示す。
【
図5】
図1~
図4に示される取付部の内部の概略構造を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示される取付部の取付けブラケット板部に回路基板を取り付けた状態の概略構成を示す斜視図である。
【
図7】
図5に示される垂直筒部の取付け構造の概略構成を示す部分断面図である。
【
図8】
図6に示される中空筒部の取付け構造の概略構成を示す断面図である。
【
図9】
図6に示される取付部を側面から見た構成を示す図である。
【
図10】
図6に示される回路基板に表側カバー部材を装着し、取付部に下側カバー部材を装着した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示される取付部に裏側カバー部材を装着する直前の状態を示す斜視図である。
【
図12】表示面に表示される被検眼像と操作ボタンとの一例を示す説明図であって、アライメント完了後測定実行時の状態を示す図である。
【
図13】表示面に表示される被検眼像と操作ボタンとの一例を示す説明図であって、アライメント完了前の被検眼像の状態を示す図である。
【
図14】他の異なる実施形態の検眼装置において、測定ヘッドの頂部以外にモニタユニットを取り付けた例を説明するための図であり、(a)は検眼装置の右側面図を示し、(b)は検眼装置の正面図を示す。
【
図15】
図14に示されるモニタユニットの支持部と被取付部との取付け構造の概略構成を示す断面図である。
【
図16】本実施形態に係る検眼装置を壁際に配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず
図1~
図4に基づいて、本実施の形態に係る検眼装置1の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る検眼装置1の右側面図及び背面図である。
図2~
図4は、検眼装置1に対する検者の位置に対応したモニタ部の姿勢を説明するための図である。なお、本明細書を通じて各図に記すようにX軸、Y軸及びZ軸を取り、
図1における左右方向(X軸正方向が右方向、負方向が左方向)、前後方向(Y軸正方向が後方向、負方向が前方向)及び上下方向(Z軸正方向が上方向、Z軸負方向が下方向)を基準として明細書中の説明を行う。また、被検者側(Y軸負方向)を検眼装置1の正面、被検者と対峙する側(Y軸正方向)を検眼装置1の背面、被検者の右側(X軸正方向)を検眼装置1の右側、被検者の左側(X軸負方向)を検眼装置1の左側と定義する。
【0015】
図1~
図4に示すように、本実施の形態に係る検眼装置1は、本体部Hと、本体部Hに対して着脱自在に取り付けられるモニタユニット30とを備えている。本体部Hは、ベース部2と測定ヘッド3とを備えており、カバー部材1aによって被覆されている。また、本体部Hには、ベース部2の前方(正面)に顎受け部4が設けられ、この顎受け部4の上部には、この顎受け部4と一体に形成された額当て5が設けられている。本実施の形態に係る検眼装置1の被検者は、検眼装置1の前方(正面)に設けられた椅子等に座った状態で検眼装置1と対峙し、顎受け部4に顎を置き、額当て5に額を当てた状態で検査を受ける。
【0016】
測定ヘッド3の内部には、
図1~
図5に破線で示すように、公知の観察・撮影用の光学系6が設けられている。この光学系6により、被検者の前眼部、被検眼の角膜、眼底等が観察・撮影可能である。
【0017】
測定ヘッド3の正面には、
図1に示すように、前眼部照明用の光源7が輪環状に配置されている。この光源7は、角膜形状を測定する測定光源としても用いられる。
【0018】
ベース部2には、
図1~
図4に破線で示すように、測定ヘッド3を駆動する公知の駆動機構・駆動回路8が設けられている。駆動機構・駆動回路8の駆動部には、例えば、ステッピングモータが用いられる。
【0019】
測定ヘッド3は、後述するモニタ部10を操作することにより、駆動機構・駆動回路8によりベース部2に対して水平方向つまり前後左右方向(Y軸方向及びX軸方向)、及びこれに垂直な垂直方向つまり上下方向(Z軸方向)に駆動される。これにより、測定ヘッド3はベース部2に対して水平方向及び垂直方向にそれぞれ可動可能に支持されている。
【0020】
モニタユニット30は、測定ヘッド3を操作するためのモニタ部10と、このモニタ部10を支持する支持部11とを備えている。
図1~
図4では、モニタユニット30が測定ヘッド3の頂部9にけられた状態を示している。
【0021】
以下、
図5~
図11を用いて、モニタユニット30の構成部品について詳細に説明する。これらの図に示すように、支持部11は、板金製の垂直軸受け部材12と板金製の水平軸受け部材13とから主に構成されている。垂直軸受け部材12は台座部12aと一対の取付部12b、12bとから概略構成されている。
【0022】
一対の取付部12b、12bは台座部12aの両側にフランジ状に突出して設けられている。頂部9の後側には、カバー部1aの表面に
図5、
図7に示すように側面視コ字形で、X方向に延びる一対のレール状の被取付部40、40が設けられている。この一対の被取付部40、40内に、被取付部40、40の端部から取付部12b、12bを挿入して係合することで、頂部9にモニタユニット30を取り付けることができる。
【0023】
なお、被取付部40、40は、測定ヘッド3の頂部9の後側以外にも、検眼装置1の複数個所に設けられている。本実施の形態では、測定ヘッド3の頂部9の中間や前方にも被取付部40、40を設けている。
【0024】
この他にも、測定ヘッド3の左右側面や背面側に被取付部40、40を設け、測定ヘッド3の外周面にモニタユニット30を取り付けることもできる。また、ベース部2の左右側面や背面、ベース部2の基部2a上にそれぞれ被取付部40、40を設け、ベース部2の外周面にモニタユニット30を取り付けることもできる。また、額当て5の上部などに被取付部40、40を設け、額当て5にモニタユニット30を取り付けることもできる。
【0025】
台座部12aには、例えば溶着手段により垂直軸部としての垂直筒部14が溶着固定されている。水平軸受け部材13は、
図5、
図6に示すように、水平板部13aと一対の支承板部13b、13bとから構成されている。
【0026】
一対の支承板部13b、13bは、水平板部13aから起立されている。その水平板部13aには、
図6に示すように、中央に円形開口13cが形成されている。垂直筒部14はこの円形開口13cに挿通される。
【0027】
垂直筒部14には、その外周に
図7に部分的に拡大して示すように段差部14aが設けられ、内部には貫通穴14bが設けられている。水平板部13aはその円形開口13cが垂直筒部14内の貫通穴14bに挿通される。また、垂直筒部14には、水平板部13aを挟むようにして摩擦リング板15が挿通されると共に、この摩擦リング板15と水平板部13aとを挟むようにして、抜け止めリング部材15’が装着される。
【0028】
水平板部13aは、抜け止めリング部材15’により垂直筒部14に支承されている。水平板部13aは、抜け止めリング部材15’と摩擦リング板15により垂直軸方向に適宜の圧力を受けつつ垂直筒部14の軸回り方向に適宜の力を受けて回動自在とされ、その垂直軸回り方向適宜の位置で停止状態を維持可能とされている。
【0029】
また、支承板部13b、13bには、
図5、
図6に示すように、支持アーム部材13dが回動可能に支承される。支持アーム部材13dは一対のアーム板部13e、13fと取り付けブラケット板部13gとから主に構成されている。
【0030】
アーム板部13eには水平軸部13hが設けられている。アーム板部13fには円形開口13jが形成されている。水平軸部13hは支承板部13bの一方に水平軸回り方向に回動自在に支承されている。その水平軸部13hには公知のトルクヒンジ部材が用いられる。このトルクヒンジ部材により水平軸回りの回動力の調整を行うことができる。
【0031】
支承板部13bの他方には、円形開口13jに対向する円形開口13kが形成されている。その円形開口13j、13kには、
図5~
図7に示すように中空筒部19が挿通されている。この中空筒部19は支承板部13bの他方に固定され、支持アーム部材13dはこの中空筒部19と水平軸部13hとにより水平軸回りに回動可能とされている。
【0032】
中空筒部19には、例えば、
図8に示すようにその軸方向に間隔を開けて環状溝20、20が形成されている。この環状溝20、20には軸方向の抜け止めリング部材としてのC形止め輪21、21が装着される。これにより、中空筒部19は支承板部13bに対する軸方向の抜け止めが図られている。
【0033】
中空筒部19には、樹脂製の軸受けフランジ部材22が貫挿される。支持アーム部材13dは、この軸受けフランジ部材22に適宜の力を受けて回動可能に摺接されている。なお、
図8において、符号13f’はアーム板部13fに屈曲形成された屈曲板部である。円形開口13jはこの屈曲板部13f’に形成され、アーム板部13fはこの屈曲板部13f’を介して中空筒部19に回動可能に支承される。
【0034】
中空筒部19を回動可能に支承する支承板部13bには、
図5、
図9に拡大して示すように、水平軸回り方向に間隔を開けて一対の突起部13m、13mが形成されている。
図9に示すように、この突起部13mと突起部13mとの間にC形止め輪21の開放端部21a、21aが配置されている。
【0035】
中空筒部19は、C形止め輪21の開放端部21a、21aが配置されることにより、中空筒部19の水平軸回り方向の回転が防止され、中空筒部19の耐久性の向上が図られている。
【0036】
中空筒部19の貫通穴19a、垂直筒部14の貫通穴14bには、モニタ部10から引き出されたケーブル16が挿通されている。これにより、ケーブル16が測定の妨げになることはなく、さらにはモニタ部10の回動操作に伴うケーブル16のねじれを防止することもできる。
【0037】
ケーブル16の先端にはコネクタ16aが設けられている。このコネクタ16aを、例えば、
図7に示すように、測定ヘッド3の頂部9の被取付部40、40の間に設けられた差込口9aに差し込むことで、モニタ部10と測定ヘッド3とを電気的に接続することができる、モニタ部10に本体部Hから電力が供給される。また、これによりモニタ部10の制御回路ユニット24と測定ヘッド3の制御部との間でデータや指令の通信などが可能となる。
【0038】
ケーブル16としては、HDMI(登録商標)ケーブル、DVIケーブル、DisplayPortケーブル、USBケーブルなどが挙げられる。
【0039】
コネクタ16aを差し込む差込口9aは、測定ヘッド3の頂部9に設けた被取付部40、40の間だけでなく、測定ヘッド3、ベース部2、額当て5などに設けた各被取付部40、40の間に設けてもよい。また、被取付部40、40ごとに差込口9aを設ける必要もなく、ケーブル16が届く範囲であれば、本体部Hの前後左右一箇所ずつに設けるなどしてもよい。
【0040】
なお、モニタ部10と測定ヘッド3との通信が、有線に限定されることはなく、Wi-Fi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)などの無線通信によるものであってもよい。無線通信の場合は、本体部Hに差込口9aを設ける必要がなく、ケーブル16の接続の手間なども省くことができる。
【0041】
また、無線通信の場合は、垂直筒部14と中空筒部19に、ケーブル16を挿通する貫通穴14b、19aを設ける必要がない。また、ケーブル16を用いた場合でも、貫通穴14b、19aを必ずしも設ける必要はなく、ケーブル16を支持部11の外へ配置してもよい。これらの場合、アーム板部13fや支承板部13bの他方に円形開口13j、13kを設けたり、中空筒部19を用いたりする必要がなく、アーム板部13f及びその支持構造を、アーム板部13e及びその支持構造と同じ構造とすることなどができる。よって、垂直軸受け部材12や水平軸受け部材13を、より簡素化した構造とすることができる。
【0042】
取付けブラケット板部13gは、
図5、
図6、
図8に示すように、一対のアーム板部13e、13fに跨って配置されている。その取付けブラケット板部13gには、
図10に示すように、回路基板23が設けられている。回路基板23の裏側には、制御回路ユニット24が設けられ、その表側には、液晶ディスプレイからなるモニタ部10が設けられている。これにより、支持アーム部材13の先端部にモニタ部10が取り付けられた構成となっている。また、モニタ部10は、
図1(b)、
図2(b)、
図3、
図4に示すような表示面25を有している。
【0043】
取付けブラケット板部13gと一対のアーム板部13e、13fの為す角度は鈍角である。すなわち、モニタ部10と支持アーム部材13eとの為す角度が鈍角であるため、モニタ部10を検者に対面する背面側から被検者に対面する正面側への姿勢変更作業を支障なく行うことができる。
【0044】
アーム板部13eと支承板部13bとには、
図5に示すように、モニタ部10の水平軸回りの回動を検出する検出センサー25a、25bが設けられている。この検出センサー25a、25bは、例えば、モニタ部10が水平状態のときにオンし、水平状態から所定角度を超えたときに、オフする構成とされている。
【0045】
制御回路ユニット24は、検出センサー25a、25bと協働して、モニタ部10が水平軸回りに回動されて、その表示面25が逆さまになる前と逆さまになったときとで、被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御する。
【0046】
制御回路ユニット24は、例えば、検出センサー25a、25bによる出力信号の立ち上がりと立ち下がりを検出すると、その表示面25による画像情報が上下左右反転するように制御する。この表示面25は、被検眼像と操作ボタンが少なくとも提示されるタッチパネル式とされている。この表示面25に表示される被検眼像、操作ボタンの詳細については後述する。
【0047】
また、検出センサーとしてジャイロセンサーや加速度センサーなどを使用して、測定ヘッド3やベース部2に対するモニタユニット30の取付位置と姿勢を検出するようにしてもよい。制御回路ユニット24は、これらの検出センサーで検出したモニタユニット30の取付位置と姿勢に応じて、被検眼像と操作ボタンの見た目上の位置や画像情報の方向を調整して、表示面25に表示する。
【0048】
回路基板23の表側には、
図10、
図11に示すように、表側カバー枠部材26がネジ等の固定部材により取り付けられる。これにより、回路基板23の周辺部が化粧される。なお、
図10は表側カバー枠部材26の取り付け前の状態を示している。また、支持アーム部材13dの取付けブラケット板部13gには、
図10に示すように、その裏側かつ下側を被覆する下側カバー部材27が設けられる。
【0049】
下側カバー部材27は、下部カバー部27aと取付けアーム部27bと背面被覆部27cとを有する。下側カバー部材27は、取付けブラケット板部13gに取付けアーム部27bにネジ等の固定手段により取り付けられる。なお、
図10は下側カバー部材27の取り付け後の状態を示している。
【0050】
その回路基板23の裏側には、
図11に示すように、回路基板23の裏側を被覆する裏側カバー部材28がネジ等の固定部材により取り付けられる。裏側カバー部材28は支持部11を被覆する被覆部28aを有する。これにより、回路基板23の裏側と支持部11の側面部とが化粧される。なお、
図11は裏側カバー部材28を回路基板23に取り付ける前の状態を示している。
【0051】
ここでは、表示面25は、
図12に拡大して示すように、矩形状とされている。この表示面25には、被検眼像等表示領域25cと操作ボタン表示領域とが設けられている。被検眼像等表示領域25cには、その画面中央に矩形状の目標エリアマーク25gと最小瞳孔径判定マーク25hとが表示されている。操作ボタン表示領域は、表示面25に向かってその被検眼像等表示領域25cを挟んでその左右両辺部と被検眼像等表示領域25cの下辺部とに設けられている。
【0052】
操作ボタン表示領域には、表示面25に向かって左側の表示領域25dにキーボードボタンB1、RボタンB2、顎受け上下動ボタンB3、測定モードボタンB4が配置されている。表示面25に向かって右側の表示領域25eにセットアップボタンB5、LボタンB6、測定ヘッド3を前後動させる測定ヘッド前後ボタン(Z方向ボタン)B7、スタートボタンB8、マニュアル・オート切り替えボタンB9が配置されている。
【0053】
表示面25に向かって下辺部の表示領域25fに白内障ボタンB10、ターゲット像ボタンB11、角膜直径ボタンB12、プリントボタンB13、グラフィックプリントボタンB14、観察像表示ボタンB15、全測定値クリアボタンB16が配置されている。
【0054】
キーボードボタンB1は患者のIDを入力するのに用いられ、測定モードボタンB4は、レフ(眼屈折力)、ケラト(角膜形状)、レフ/ケラトのいずれかの測定モードに切り替えるのに用いられる。RボタンB2は右眼を選択するのに用いられ、LボタンB6は左眼を選択するのに用いられ、スタートボタンB8はマニュアルモード時に測定を開始させるのに用いられ、セットアップボタンB5はセットアップ画面を表示するのに用いられる。
【0055】
白内障ボタンB10は白内障等があって測定エラーが生じやすいときに用いられ、ターゲット像ボタンB11は記憶している測定ターゲットを表示面25に表示させる際に用いられる。角膜直径ボタンB12は角膜の直径を測定するモードに切り替える際に用いられる。
【0056】
プリントボタンB13は測定結果をプリントアウトするのと紙送りをするのとに用いられ、グラフィックプリントボタンB14は屈折状態示す図形をプリントアウトするのに用いられる。観察像表示ボタンB15は観察像を表示するのに用いられ、全測定値クリアボタンB16は全測定値をクリアするのに用いられる。
【0057】
顎受け上下動ボタンB3は、顎受け部4の高さを上下動させて、被検者の被検眼の高さを調整するのに用いられる。測定ヘッド前後ボタン(Z方向ボタン)B7は被検眼に対して測定ヘッド3を前後方向に駆動させる際に用いられる。なお、最小瞳孔径判定マーク25hは、この最小瞳孔径判定マーク25h以下の瞳孔径の場合、測定を中止するのに用いられる。
【0058】
被検眼像等表示領域25cには、観察中の前眼部像の他、測定結果やその他検査に関連する文字、記号、符号等の他、図形等の画像が適宜表示される。
図12には、被検者の前眼部像Gfと測定結果S,C、Aが表示される。
図12において、Gf’は虹彩像、Gf”は瞳孔像である。また、P1は角膜輝点像、P2はアライメント指標像である。
【0059】
制御回路ユニット24は、例えば、
図13に示すように、前眼部像Gfの観察モードのときに、検者が指等でその被検眼像等表示領域25cをタッチすると、タッチ箇所tpに対応する画像部位が画面中心G0に位置するように、測定ヘッド3を上下左右に駆動する。これにより、被検眼像の瞳孔像Gf”が画面中央に位置するように制御される。
【0060】
制御回路ユニット24は、例えば、画面中心G0からタッチ箇所tpまでの画面上での距離Lを演算し、この距離Lに基づいて左右方向ステッピングモータと上下方向ステッピングモータとを駆動制御する。この駆動制御により、被検眼に対して測定ヘッド3を上下左右(Z軸方向及びX軸方向)に移動させる。
【0061】
ここでは、制御回路ユニット24は、第1回目のタッチで測定ヘッド3を高速駆動し、第2回目のタッチで低速駆動するようにステッピングモータを駆動する。というのは、第1回目のタッチの際には、画面中心G0と瞳孔中心PDOとの距離が大きく、測定の迅速化を図るために高速駆動するのが望ましい。これに対して第2回目のタッチの際には、画面中心G0と瞳孔中心PDOとの距離は小さいと考えられ、瞳孔中心PDOが目標エリアマーク25g内に正確に入るように測定ヘッド3を制御するのには、低速駆動が望ましいからである。
【0062】
制御回路ユニット24は、目標エリアマーク25gの近傍に瞳孔中心PDOが位置して、角膜輝点像P1が検出されると、角膜輝点像P1の検出位置と画面中心G0との距離に基づいて自動的に測定ヘッド3が上下左右方向(Z軸方向及びX軸方向)に駆動すると共に、角膜輝点像P1のピントが合焦するように、測定ヘッド3を前後方向(Y軸方向)に駆動する。そして、角膜輝点像P1が目標エリアマーク25g内に入りかつ角膜輝点像P1の出力値が所定値を超えると測定が自動的に実行される。
【0063】
次に、測定ヘッド3の頂部9にモニタユニット30を取り付けて姿勢変化させたときの制御回路ユニット24による表示面25への画像の表示制御について、
図1~
図4を参照しながら説明する。モニタ部10が
図1に示す姿勢の状態から、
図2に示す姿勢になるように、モニタ部10を水平軸回りに前方向に回動させる。制御回路ユニット24は、このようにモニタ部10が逆さまになったときでも、逆さまになる前(
図1の状態)と被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御する。その結果、
図1に示すモニタ部10の姿勢のときの表示面25と
図2に示す姿勢のときの表示面25とは、
図12、
図13に示すように見た目上同じとなる。
【0064】
図2の各例では、被検者に対面する方向(前方)にモニタ部10の表示面25が向くため、検者は被検者の背後に立った状態で、被検者を補助しながら測定作業を行うことができるので便利であるとともに、測定効率も向上する。
【0065】
なお、モニタユニット30を取り外し、
図2に仮想線で示したように、頂部9の中間又は前方に取り付けてもよい。このようにY軸方向において、モニタユニット30を取り付ける位置を変えることができる。そのため、モニタ部10を、検者の視力、腕の長さ、姿勢などに応じて表示面25の視認やタッチパネルの操作がし易い位置や角度に配置することができ、測定時の検者の姿勢の自由度が向上し、利便性や測定効率を向上させることができる。
【0066】
また、
図2に示す姿勢のモニタ部10を、垂直軸回りで反時計回りに回動させると、
図3に示すように、モニタ部10は右側(X軸正方向)を向く姿勢となる。
【0067】
また、
図3に示す姿勢のモニタ部10を、水平軸回りに回動させると、
図4に示すように、モニタ部10は左側(X軸負方向)を向く姿勢となる。この状態では、モニタ部10は、上下方向(Z軸方向)において、
図3よりも低い位置に配置されるため、
図3よりも低い位置からモニタ部10を操作することができる。また、
図3から
図4に変化することで、モニタ部10が逆さまとなるが、制御回路ユニット24の制御により、
図3に示すモニタ部10の姿勢のときの表示面25と
図4に示す姿勢のときの表示面25とは見た目上同じとなる。
【0068】
なお、
図2に示す姿勢のモニタ部10を垂直軸回りで時計回りに回動させるか、又は
図3に示す姿勢のモニタ部10を垂直軸回りで180°回動させることで、モニタ部10を、左側(X軸負方向)を向く姿勢(つまり、
図3とY-Z平面を介して左右対称の姿勢)とすることができる。さらにこの状態から、モニタ部10を水平軸回りに回動させると、モニタ部10を、右側(X軸正方向)を向く姿勢(つまり、
図4とY-Z平面を介して左右対称の姿勢)とすることができる。
【0069】
図3、
図4の例に示すように、被検者から見て測定ヘッド3の右側にモニタ部10の表示面25を向けた場合、又は測定ヘッド3の左側にモニタ部10の表示面25を向けた場合には、検者が検眼装置1の右側又は左側に立った状態で測定作業、若しくは検眼装置1の右側又は左側に座った状態で測定作業を行うことができるので便利であるとともに、測定効率も向上する。より具体的には、例えば、検者は、被検者の横に位置して、被検者の眼を見ながら開瞼の手伝いを行い、モニタ部10に目を向けてタッチパネルを操作することができる。
【0070】
また、
図2に仮想線で示すように、モニタユニット30を頂部9の中間又は前方に取り付けた場合も上記と同様に、モニタ部10を垂直軸回りで反時計回り又は時計回りに回動させると、右側又は左側を向く姿勢とすることができる。これらの状態からさらにモニタ部10を水平軸回りに回動させると、左側又は右側を向く姿勢とすることができる。これにより、検者の視力に応じてモニタ部10の位置を調整したり、検者の姿勢に応じて、所望の位置にモニタ部10を配置したりすることができ、測定時の検者の姿勢の自由度が向上する。
【0071】
また、
図1~
図4では、モニタユニット30を測定ヘッド3の頂部9のいずれかの位置に取り付けた例を示しているが、モニタユニット30を頂部9以外に取り付けることもできる。
【0072】
モニタユニット30Aを頂部9以外に取付けた例を、
図14、
図15に示す他の異なる実施形態の検眼装置1Aを用いて説明する。この検眼装置1Aは、
図1等に示す検眼装置1と同様の基本構成を備えているが、モニタユニット30Aを本体部Hに取り付ける支持部11Aを、より簡素化している。
【0073】
本実施の形態の支持部11Aは、
図14、
図15に示すように、垂直軸受け部材120と水平軸受け部材130とから主に構成されている。また、この支持部11Aを取り付ける被取付部40Aが、本体部Hの複数箇所に設けられている。
【0074】
図15に示すように、垂直軸受け部材120は、本体部Hの被取付部40Aにねじ込んで装着する取付部としての円筒状のねじ込み回転スリーブ121と、ねじ込み回転スリーブ121に対して垂直軸回りに回動可能に設けられた垂直軸部としての垂直筒部122と、ねじ込み回転スリーブ121及び垂直筒部122に挿入され、これらに対して相対的に垂直軸回りに回動する筒状の連結体123と構成されている。ねじ込み回転スリーブ121に対して垂直筒部122が垂直軸回りに回動することで、モニタ部10を垂直軸回りに回動させることができる。また、ねじ込み回転スリーブ121を、本体部Hの被取付部40Aにねじ込むことで、本体部Hにモニタユニット30Aを容易に取り付けることができる。
【0075】
ねじ込み回転スリーブ121には、円筒の一端に被取付部40Aの外周に螺着する螺溝を有するねじ穴部121aが設けられ、他端にケーブル116を挿通する挿通穴121bが設けられている。垂直筒部122は、円筒の一端に水平方向に平行な軸受穴122aが設けられ、他端にはケーブル16を挿通する挿通穴122bが設けられている。なお、垂直筒部122の側面には、モニタ部10から引き出されたケーブル116を内部に引きこむ挿通穴も設けられている。
【0076】
モニタ部10から引き出されたケーブル116は、垂直筒部122の側面に設けられた挿通穴から垂直筒部122内に引き込まれ、挿通穴122b及び挿通穴121bに挿通されてねじ込み回転スリーブ121内に収容されている。このケーブル116の先端に、コネクタ116a’が設けられている。
【0077】
被取付部40Aは、外周に螺溝を設けた円筒状の螺着部41を有している。螺着部41の円筒の両端には、測定ヘッド3から引き出されたケーブル116’のコネクタ116a’を挿通する挿通穴41aと、モニタ部10側から引き出されたケーブル116のコネクタ116a’を挿通する挿通穴41bとが設けられている。
【0078】
また、被取付部40Aは、カバー部材1a内に埋め込まれ、カバー部材1aに開口した取付穴1bを介して、被取付部40Aにねじ込み回転スリーブ121を螺着したり、コネクタ116a’とモニタ部10側のコネクタ116aとを接続したりすることができる。被取付部40Aは、例えば、頂部9の後方、中間、前方、測定ヘッド3の左右側面や背面側、ベース部2の左右側面や背面、ベース部2の基部2a上、さらには額当て5の上部などに設けられている。なお、額当て5は、カバー部材1aで被覆されていないため、額当て5の外面に、被取付部40Aを設けている。
【0079】
モニタ部10側からのケーブル116のコネクタ116aと、測本体部H側からのケーブル116’のコネクタ116a’とを接続することで、モニタ部10と測定ヘッド3とを電気的に接続することができる。本実施形態では、Type-Cのケーブル116,116’及びのコネクタ161a,116a’を用いているため、支持部11や本体部Hとの接続構造をよりコンパクトにすることができる。なお、モニタ部10と測定ヘッド3とを、無線により通信するものとしてもよく、この場合はケーブル16の接続や配線のための挿通穴121b,122bなどを設ける必要がなく、支持部11Aなどの構造をより簡素化することができる。
【0080】
水平軸受け部材130は、水平軸部131と、この水平軸部131の両端部から垂直方向に突出する支持アーム部材132とから構成されている。水平軸部131は、垂直筒部122の軸受穴122a内に、水平方向に回動自在に挿入されている。水平軸部131には公知のトルクヒンジ部材が用いられる。このトルクヒンジ部材により水平軸回りの回動力の調整を行うことができる。そして支持アーム部材132の突出側の先端に、モニタ部10が固定されている。
【0081】
これにより、水平軸部131を回転軸として、支持アーム部材132を介してモニタ部10を水平軸周りに回動することができる。また、垂直筒部122が垂直軸回りに回動することで、支持アーム部材132とともにモニタ部10を垂直軸回りに回動することができる。
【0082】
上述のような構成の検眼装置1Aでは、本体部Hの複数箇所に設けられた中の所望の被取付部40Aのコネクタ116a’に、モニタ部10側のコネクタ116aを接続する。次いで、被取付部40Aの外周にねじ込み回転スリーブ121を螺着することで、被取付部40Aにモニタユニット30Aを取付けることができる。そして、モニタ部10を、上記実施の形態と同様の動作で垂直軸回り及び水平軸回りに回動することで、モニタ部10を所望の姿勢に配置することができる。
【0083】
図14に示す例では、モニタユニット30Aを、測定ヘッド3の頂部9以外の額当て5上に取り付けている。これにより、測定ヘッド3に取り付けたときよりも、目線がさらに高い位置にモニタ部10を配置することができる。そのため、例えば、被検者の後ろからでも、被検者の頭部に遮られることなく、表示面25の視認やタッチパネルの操作を行うことができ、検者の姿勢の自由度が向上し、利便性や測定効率を向上させることができる。
【0084】
また、
図14(a)、
図14(b)に仮想線で示すように、ベース部2の外周面や測定ヘッド3の外周面、ベース部2の基部2a上にモニタユニット30を取り付けたりすることもできる。これにより、測定ヘッド3の頂部9や額当て5に取り付けたときよりも、目線の低い位置にモニタ部10を配置することができる。そのため、例えば、背の低い検者や、屈んだり座ったりした状態の検者が、下側から被検者と表示面25を視認しながら、タッチパネルを操作することができる。
【0085】
また、ベース部2や測定ヘッド3の外周面、基部2a上にモニタユニット30を取り付けた場合も、モニタ部10を垂直軸回り、水平軸回りに回動することで、検者の姿勢や目線の高さなどに応じて、所望の角度や方向に、表示面25を配置することができる。
【0086】
また、ベース部2や基部2a、額当て5にモニタユニット30Aを取り付けた場合は、測定ヘッド3が水平方向や垂直方向に移動した場合でも、その影響を受けることがなく、タッチパネルの操作がより行い易くなり、操作性や測定効率を高めることができる。
【0087】
また、他の異なる実施形態として、支持部11の支持アーム部材13dの基部から先端までの長さや、支持部11Aの支持アーム部材132の長さをより一層長くしてもよい。これにより、検者が座って操作する場合でも、立って操作する場合でも、モニタ部10の表示面25を、より一層検者に近づけることができるので、タッチパネルの操作に便利であるとともに、測定効率も向上する。
【0088】
さらに異なる実施形態として、支持アーム部材13d,132を伸縮自在に構成し、支持アーム部材13d,132の基部から先端までの長さを自在に変えることができるようにすることもできる。これにより、モニタ部10の表示面25と検者との距離を、より自在に調整することができるだけでなく、モニタ部10の高さも上下に自在に調整することができる。その結果、表示面25の視認性やタッチパネルの操作性を向上させるとともに、検者の姿勢の自由度をより高めることができ、利便性や測定効率をより向上させることができる。
【0089】
また、上記各実施の形態によれば、
図16に示すように、室内の隅部の壁Wに沿って検眼用テーブルTを設け、検眼装置1を配設した場合でも、利便性や測定効率に優れた使用が可能となる。例えば、頂部9にモニタユニット30(モニタユニット30Aにも適用できる)を取り付け、
図16に示すようにモニタ部10を前方に向ける。また、額当て5上にモニタユニット30を取り付けて、モニタ部10を前方又は右側に向けてもよい。さらには、ベース部2や測定ヘッド3の右側面、基部2aの右側にモニタユニット30を取り付けることができる。これにより、被検者の背後又は測定ヘッド3の右側からモニタ部10の表示面25にタッチして測定ヘッド3を制御できるので、室内が狭い場合でも検眼測定を行うことができ、省スペース化を図ることができる。
【0090】
更に、これらの検眼装置1,1Aによれば、モニタ部10を水平状態に保ったときに、処方箋等の軽い書類を載せておくのにも用いることができるという点でも便利である。
【0091】
また、モニタ部10の表示面25が被検者に対面する側に向けられて、被検者が顎受け4に顔を固定する前等に、
図2(b)に示すように、「固視標を見てください。」等のガイドメッセージを表示面25に表示させる構成としてもよい。
【0092】
また、上記
図1等に示す実施の形態では、本体部Hの所望の位置に設けた複数の被取付部40、40と、垂直軸受け部材12の取付部12b、12bとの係合によって、本体部Hに対してモニタユニット30を着脱可能に取り付けている。また、
図14等に示す他の異なる実施の形態では被取付部40Aとねじ込み回転スリーブ121との螺着によって本体部Hに対してモニタユニット30Aを着脱可能に取り付けている。しかし、モニタユニット30,30Aの取付機構が、この実施の形態に限定されることはない。例えば、モニタユニット30,30A及び本体部Hの一方又は両方に、永久磁石や電磁磁石を取り付け、磁力によってモニタユニット30を本体部Hに対して着脱自在としてもよい。また、金具等の取付部材によって、モニタユニット30,30Aを本体部Hに対して着脱自在としてもよい。また、モニタユニット30,30Aと本体部Hの一方に凸部、他方に凹部を設け、凸部と凹部との嵌め合いとその解除によってモニタユニット30,30Aを本体部Hに対して着脱自在としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1,1A 検眼装置 2 ベース部 3 測定ヘッド 6 光学系
10 モニタ部 11,11A 支持部 12,120 垂直軸受け部材
12b 取付部 121 ねじ込み回転スリーブ(取付部)
13,130 水平軸受け部材 13d,132 支持アーム部材
13h,131 水平軸部 14,122 垂直筒部(垂直軸部)
25 表示面 40,40A 被取付部 H 本体部