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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】機械式駐車場
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/18 601G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017213448
(22)【出願日】2017-11-06
(65)【公開番号】P2019085742
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】大場 浩一
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-093255(JP,A)
【文献】特開2016-003493(JP,A)
【文献】特開2003-206646(JP,A)
【文献】特開2003-064896(JP,A)
【文献】特開2006-169722(JP,A)
【文献】特開2015-161080(JP,A)
【文献】特開昭62-264104(JP,A)
【文献】特開2014-084575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降室に進入した車両を格納スペースへ移動させる機械式駐車場であって、
前記乗降室内の物体の存在を検知する複数の検知部と、
前記複数の検知部による検知結果が矛盾する場合に報知する報知部と、
を備え、
前記報知は、前記検知部に故障が存在しうることを報知する第2報知を含み、
前記第2報知では、検知部に故障が存在しうることを、係員が参照する表示部であって、入出庫操作するための操作パネルの表示部とは別の表示部に表示する機械式駐車場。
【請求項2】
乗降室に進入した車両を格納スペースへ移動させる機械式駐車場であって、
前記乗降室内の物体の存在を検知する複数の検知部と、
前記複数の検知部による検知結果が矛盾する場合に報知する報知部と、
を備え、
前記報知は、前記検知部に故障が存在しうることを報知する第2報知を含み、
前記報知部は、前記第2報知として所定の表示部に前記複数の検知部の状態を表示する検知状況表示画面を表示した場合において、前記複数の検知部による検知結果の矛盾が解消され、かつ、駐車場の係員が所定の復旧操作を実行すると、当該検知状況表示画面を当該表示部から消す機械式駐車場。
【請求項3】
乗降室に進入した車両を格納スペースへ移動させる機械式駐車場であって、
前記乗降室内の物体の存在を検知する複数の検知部と、
前記複数の検知部による検知結果が矛盾する場合に報知する報知部と、
を備え、
前記報知は、車両とは異なる物体が存在しうることを報知する第1報知、および、検知部に故障が存在しうることを報知する第2報知を含み、
前記報知部は、前記複数の検知部が矛盾する検知結果を得た後、第1時間が経過するまでは、前記第1報知を実行し、前記複数の検知部が矛盾する検知結果を得てから前記第1時間が経過してからは、前記第2報知を実行する機械式駐車場。
【請求項4】
前記複数の検知部は、
前記乗降室に進入した車両の存在を検知可能に構成された第1検知部と、
前記乗降室内における所定の検知面からの車両のはみ出しを検知可能に構成された第2検知部と、
を含み、
前記報知部は、前記第1検知部が前記乗降室内に車両が存在しないと判定しているにもかかわらず、前記第2検知部が前記検知面から車両がはみ出していると判定している場合に報知することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の機械式駐車場。
【請求項5】
乗降室に進入した車両を格納スペースへ移動させる機械式駐車場であって、
前記乗降室内の物体の存在を検知する複数の検知部と、
前記複数の検知部による検知結果が矛盾する場合に報知する報知部と、
を備え、
前記報知部は、入出庫操作するための操作パネルの表示部に、各検知部の状態を表示する検知状況表示画面を表示可能であり、
前記検知状況表示画面には、複数の検知部アイコンが、前記乗降室内における前記複数の検知部の配置を模して配置され、検知不良状態である検知部に対応する検知部アイコンは、検知不良状態ではない検知部に対応する検知部アイコンとは異なる態様で表示される機械式駐車場。
【請求項6】
前記検知状況表示画面には、検知不良状態である検知部に生じている故障を一意に識別するエラーコードが表示される請求項に記載の機械式駐車場。
【請求項7】
前記報知部は、検知結果が矛盾する場合は矛盾する旨を前記表示部に表示し、矛盾が解消された場合は矛盾する旨を当該表示部に表示しない請求項5または6に記載の機械式駐車場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車場に関する。
【背景技術】
【0002】
少ないスペースで多数の車両を効率的に駐車できる駐車場として、機械式駐車場が知られている。機械式駐車場は一般に、ドライバが車両に乗車または車両から降車するための乗降室と、地上または地下に設けられた格納棚と、乗降室と格納棚との間で車両を移動させる昇降装置と、を備える。従来では、乗降室内における車両の位置や存在を検知する検知部を備える機械式駐車場が提案されている(例えば特許文献1参照)。同文献には、乗降室の内部をカメラにより撮影し、その撮影結果を表示部に表示し、ユーザがその表示部を見て操作盤を操作することで、安全確認を行うと記載されている。更に、その安全確認の際に、検知部による物体の検知結果も併せて表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-3493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ユーザの操作によって安全確認を行うため、ユーザによっては表示部に表示された撮影結果をよく見ず、十分に確認を行わないまま操作を行ってしまう虞がある。
【0005】
また、特許文献1には検知部による検知結果を安全確認において用いることは記載されているが、同文献には検知部それぞれの検知対象がエラーとなっているか(例えば車両前部がはみ出しているか)否かを判定することしか記載されていない。
【0006】
ここで、特許文献1に記載の方法では以下のような問題がある。
【0007】
まず、乗降室内に荷等の物体が置かれている場合がある。この場合、入庫に先立って物体の回収を行わなければ、入庫中に車両が物体に衝突してしまう可能性がある。撮影結果に基づくユーザの操作によって物体の存在を特定することもできるが、上述のように、ユーザが確認を怠ってしまう虞がある。また、検知部を用い、検知部によって物体が検知されたときに物体が存在することを特定し、その存在をユーザに報知することも可能である。しかしながら、そうすると入庫動作が終了し、既に乗降室内に車両があるときに、車両を荷等の物体として誤って検知し、報知を行ってしまう虞がある。
【0008】
また、検知部が故障している場合においても問題が発生する。検知部が故障していることを特定しなければ、駐車場の管理者による検知部の修復を行うことができない。しかしながら、特許文献1に記載の方法ではその特定方法について記載されておらず、故障の特定までに時間が掛かってしまう虞がある。故障が存在している間は車両の入出庫が不可能となるため、故障の特定に時間が掛かると、ユーザが入出庫に要する時間が長くなる場合がある。
【0009】
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、上述の課題の少なくともひとつを解決可能な、より具体的には、検知部を用いる場合において、乗降室内の物体の存在をより好適に検知できる、および/または、検知部の故障をより早期に検知できる機械式駐車場を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の機械式駐車場は、乗降室に進入した車両を格納棚へ移動させる機械式駐車場であって、乗降室内の物体の存在を検知する複数の検知部と、本機械式駐車場の動作を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、複数の検知部による検知結果が矛盾する場合、所定の報知処理を実行する。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検知部を用いる場合において、乗降室内の物体の存在をより好適に検知できる、および/または、検知部の故障をより早期に検知できる機械式駐車場を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る機械式駐車場の断面図である。
図2図1の操作盤の正面図である。
図3図1の乗降室の平面図である。
図4図1の制御装置の機能および構成を示すブロック図である。
図5】検知状況表示画面を示す図である。
図6】管理者用検知状況表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0015】
実施の形態に係る機械式駐車場の概要は以下の通りである。
実施の形態に係る機械式駐車場は、乗降室内の車両の存在を検知するための在車検知装置と、パレットからの車両のはみ出しを検知するためのはみ出しセンサと、を備える。在車検知装置が車両の存在を検知していない、すなわち乗降室内に車両が存在しないにもかかわらず、はみ出しセンサが車両のはみ出しを検知した旨の検知結果を示す場合、乗降室内に車両と異なる物体が存在しているか、はみ出しセンサが故障していることが考えられる。このような場合、車両の誘導を的確に行うことができない。そこで、本実施の形態では、在車検知装置が車両の存在を検知していないにもかわらず、はみ出しセンサが車両のはみ出しを検知した旨の検知結果を示す場合、つまり在車検知装置による検知結果とはみ出しセンサによる検知結果とが矛盾する場合、その旨を報知する報知処理を実行する。これにより、乗降室内に車両と異なる物体があることや、はみ出しセンサが故障していることを、比較的早期に検知できる。以下、機械式駐車場について具体的に説明する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る機械式駐車場10の正面図である。機械式駐車場10は、地上に設けられた建物104の地下に格納棚が設けられた地下式の機械式駐車場である。なお、機械式駐車場10は、格納棚が建物104のなかに設けられた地上式の機械式駐車場であってもよい。
【0017】
機械式駐車場10は、乗降室12と、地下1階の駐車室であるB1F駐車室14と、地下2階の駐車室であるB2F駐車室16と、地下3階の駐車室であるB3F駐車室18と、複数のパレット32と、第1移載装置56と、複数の第2移載装置58と、リフトフレーム88と、断面が略矩形の昇降路96の四隅に支柱として設けられた4本のマスト90と、昇降装置94と、管理装置60を、を備える。
【0018】
機械式駐車場10は、パレットを用いたパレット式の駐車場である。このパレット式の機械式駐車場10は、自動車20、バイク74、自転車等の車両が搭載された状態のパレット32を、昇降装置94により昇降させたり、第1移載装置56や第2移載装置58により面方向に移動させたりすることにより、駐車室に車両を駐車させる構成とされている。
【0019】
乗降室12は、建物104内に設けられている。機械式駐車場10のユーザ(ドライバ、同乗者等)は、乗降室12において車両に乗車または車両から降車する。乗降室12は昇降路96の上端に設けられる。乗降室12には乗降室12と昇降路96とを連通するパレット開口100が設けられている。
【0020】
昇降路96は、鉛直方向(z方向)に沿って設けられている。昇降路96は、B1F駐車室14、B2F駐車室16、B3F駐車室18のそれぞれと連通する。昇降路96の下端には、リフトフレーム88を昇降させる昇降装置94が設置される。昇降路96の四隅には、4本のマスト90が設けられる。
【0021】
リフトフレーム88は、4本のマスト90に昇降自在に支持され、昇降装置94により昇降路96に沿って昇降する。リフトフレーム88の上部には第1移載装置56が設けられる。なお、リフトフレーム88、4本のマスト90、および昇降装置94には、本出願人が先に出願した特開2009-197417号公報に記載のリフトフレーム、4本のマスト、昇降装置、をそれぞれ適用することができる。
【0022】
パレット32は、平板状の部材である。パレット32の車両が搭載される上面である車両積載面32aは略矩形である。パレット32は、画一的な大きさを有する。
【0023】
B1F駐車室14、B2F駐車室16、B3F駐車室18はそれぞれ複数の駐車スペースを含む。各駐車スペースは、パレット32を収容可能に構成される。駐車スペースは、パレット32と共に車両が駐車されうる駐車室内の1駐車領域(駐車の1単位)である。
【0024】
第1移載装置56は、リフトフレーム88の上部に設けられ、パレット32をx方向に移動させる。第1移載装置56により、パレット32は、昇降路96と各駐車室との間を移動する。第2移載装置58は各駐車スペースに設けられており、パレット32をx方向またはy方向に移動させる。第2移載装置58により、パレット32は駐車スペースの間を移動する。第1移載装置56および第2移載装置58には、本出願人が先に出願した特公平7-29681号公報に記載の搬送装置を適用することができる。
【0025】
管理装置60は、乗降室12の外側に設けられた操作盤28と、操作盤28と接続された制御装置30と、を備える。操作盤28は、機械式駐車場10のユーザまたは機械式駐車場10の管理者(以下、係員とも称する)に対するユーザインタフェースとしての機能を有する。
【0026】
図2は、操作盤28の正面図である。操作盤28は、タッチパネル44と、モード切替部46と、を含む。タッチパネル44は、ユーザ等の操作が入力される操作入力部の機能と制御装置30からの指示に応じて各種画像を表示する表示部の機能とを含む。
【0027】
モード切替部46は、機械式駐車場10の動作モードを切り替えるときに、係員が所持している鍵を用いて操作される。「運転」モードは機械式駐車場10を通常稼働させるモードであり、「停止」モードは機械式駐車場10の稼働を停止させるモードであり、「管理」モードは、所定の管理メニューを実行するためのモードである。
【0028】
図2では、タッチパネル44には、車両を入出庫する際に表示される入出庫操作画面が表示されている。入出庫操作画面は、入力された車両管理番号を表示する番号表示領域62と、テンキー61と、入庫ボタン63と、格納ボタン64と、出庫ボタン65と、を有する。
【0029】
入庫の際、ユーザまたは係員は、入庫対象の車両を乗降室12の外に停車させて操作盤28を操作する。ユーザまたは係員は、テンキー61を押下することで自己の車両の車両管理番号を番号表示領域62に表示させ、入庫ボタン63を押下する。操作盤28は、入庫ボタン63が押下されると、入力された車両管理番号を含む入庫要求信号を生成し、制御装置30に送信する。制御装置30は、車両の積載されていない空のパレット32を乗降室12に呼び出すための処理を実行する。制御装置30による処理の詳細は後述する。
【0030】
乗降室12に空のパレット32が用意されると、ユーザまたは係員は、入庫対象の車両を乗降室12に進入させてパレット32に積載させる。乗降室12の内部に人がいないことを確認し、格納ボタン64を押下する。操作盤28は、格納ボタン64が押下されると、格納要求信号を生成し、制御装置30に送信する。
【0031】
出庫の際、ユーザまたは係員は、テンキー61を押下して自己の車両の車両管理番号を番号表示領域62に表示させ、出庫ボタン65を押下する。操作盤28は、出庫ボタン65が押下されると、入力された車両管理番号を含む出庫要求信号を生成し、制御装置30に送信する。制御装置30は、出庫要求信号に含まれる車両管理番号で特定される車両が載置されているパレット32を、乗降室12に呼び出すための処理を実行する。
【0032】
図3は、乗降室12の平面図である。乗降室12は、本実施の形態では、平面視で略矩形状である。以下、x方向を乗降室12の左右方向、y方向を乗降室12の前後方向とする。前後方向は車両が外部から乗降室12に進入する方向である。特に、入出庫口12aから乗降室12内を前後方向に見て、奥側を前、手前側(すなわち入出庫口12aが設けられている側)を後ろ、左側を左、右側を右とする。
【0033】
機械式駐車場10はさらに、在車検知装置35と、左はみ出しセンサ36と、右はみ出しセンサ37と、前はみ出しセンサ38と、後はみ出しセンサ39と、を備える。
【0034】
在車検知装置35は、乗降室12内の車両の存在を検知するための、具体的には例えば、パレット32上の停車位置に停車した車両の存在を検知するための検知装置である。在車検知装置35は、本実施の形態では光学検知装置であり、右側の壁に取り付けられている。在車検知装置35は、所定の波長のレーザ光を発する投光部(不図示)と、その波長と同等の波長の光を検知するよう構成された受光部(不図示)と、を備える。投光部は、パレット32の上方にレーザ光を発する。
【0035】
パレット32上の停車位置に車両が停車している場合、在車検知装置35の投光部から出射されたレーザ光の一部は車両によって反射される。反射されたレーザ光の一部は在車検知装置35に戻る。在車検知装置35の受光部はそのようにして戻ってきた反射光を検知する。在車検知装置35は、在車検知装置35がレーザ光を出射してから所定の時間内に対応する反射光を検知した場合、パレット32の停車位置に車両が停車しているすなわち乗降室12内に車両が存在していると判定する。所定の時間は、レーザ光の出射角度に基づき決定される。在車検知装置35は、制御装置30に検知結果を送信する。
【0036】
左はみ出しセンサ36は、乗降室12の前側の壁に取り付けられている。左はみ出しセンサ36は、左検知面50からの車両のはみ出しを検知するための光学検知装置であり、所定の波長のレーザ光を発する投光部(不図示)と、その波長と同等の波長の光を検知するよう構成された受光部(不図示)と、を備える。投光部は、yz平面に略平行な左検知面50内にレーザ光を発する。投光部はこのレーザ光の経路をx軸の周りで回転させることによって、左検知面50の全体をレーザ光により走査する。本実施の形態では、左検知面50は、平面視において、パレット32の左側の長辺に沿って設けられる。左検知面50に直交する直交方向は左右方向である。
【0037】
車両の一部が左検知面50からはみ出す場合を考える。左はみ出しセンサ36の投光部は左検知面50をレーザ光により走査する。そのようなレーザ光の一部は車両のはみ出し個所によって反射される。反射されたレーザ光の一部は左はみ出しセンサ36に戻る。左はみ出しセンサ36の受光部はそのようにして戻ってきた反射光を検知する。左はみ出しセンサ36は、左はみ出しセンサ36がレーザ光を出射してから所定の時間内に対応する反射光を検知した場合、左検知面50からのはみ出しがあると判定する。所定の時間は、レーザ光の出射角度および左検知面50の大きさに基づき決定される。左はみ出しセンサ36は、制御装置30に検知結果を送信する。
【0038】
右はみ出しセンサ37は、乗降室12の前側の壁に取り付けられている。右はみ出しセンサ37は、右検知面51からの車両のはみ出しを検知するための光学検知装置であり、左はみ出しセンサ36と同様に構成される。本実施の形態では、右検知面51は、平面視において、パレット32の右側の長辺に沿って設けられる。
【0039】
前はみ出しセンサ38は、前検知面52からの車両のはみ出しを検知するための光学検知装置であり、光を照射する投光器38aと、その光を検知するよう構成された受光器38bと、を備える。投光器38a、受光器38bはそれぞれ、左側の壁、右側の壁に取り付けられている。なお、投光器38aおよび受光器38bは、乗降室12の床面に立設されてもよい。投光器38aは、x方向に略平行な方向に光を照射する。前検知面52は、投光器136aが照射する光の光軸を下辺とする略矩形の面である。逆に言うと、投光器38aは、照射する光の光軸が前検知面52の下辺と一致するよう乗降室12内に取り付けられる。本実施の形態では、前検知面52は、平面視において、パレット32の前側の短辺に沿って設けられる。前検知面52に直行する方向は前後方向である。
【0040】
車両の一部が前検知面52からはみ出す場合を考える。前はみ出しセンサ38の投光器38aはシート状の光を受光器38bに向けて出射する。そのような光の一部は車両のはみ出し個所によって遮光され、投光器38aが照射する光の一部を受光器38bが検知しなくなる。前はみ出しセンサ38は、受光器38bが光の一部を検知しない場合、前検知面52からのはみ出しがあると判定する。前はみ出しセンサ38は制御装置30に検知結果を送信する。
【0041】
後はみ出しセンサ39は、後検知面53のはみ出しを検知するための光学検知装置であり、投光器39aと受光器39bとを備える。投光器39a、受光器39bはそれぞれ、左側の壁、右側の壁に取り付けられている。なお、投光器39aおよび受光器39bは、乗降室12の床面に立設されてもよい。投光器39a、受光器39bはそれぞれ投光器38a、受光器38bと同様に構成される。本実施の形態では、後検知面53は、平面視において、パレット32の後ろ側の短辺に沿って設けられる。
【0042】
図4は、制御装置30の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0043】
制御装置30は、入庫処理部118と、出庫処理部120と、判定部122と、報知部124と、駐車状況保持部126と、を含む。
【0044】
駐車状況保持部126は、機械式駐車場10の駐車状況を保持する。特に駐車状況保持部126は、駐車スペースを特定するスペースIDと、その駐車スペースに車両が駐車されているか否かを示す情報と、その駐車スペースに車両が駐車されている場合はその車両を特定する車両管理番号と、を対応付けて保持する。
【0045】
入庫処理部118は、誘導処理部130と、スペース選択部132と、格納処理部134と、を含む。
【0046】
車両入庫の際、ユーザまたは係員は乗降室12の外に入庫対象の車両を停車させて降車し、操作盤28に入庫要求を入力する。誘導処理部130は、入庫要求信号を受けると、適切な空のパレット32が乗降室12に配置されるよう昇降装置94、第1移載装置56、第2移載装置58を制御する。
【0047】
誘導処理部130は、音声や車両誘導案内灯(不図示)によって入庫対象の車両を、乗降室12に配置されたパレット32上の停車位置に誘導する。誘導処理部130は、誘導中にはみ出しセンサによってはみ出しが検知されると、そのはみ出しを解消するための指示を車両誘導案内灯に表示させる。例えば誘導処理部130は、右はみ出しセンサ37からの検知結果が右検知面51からのはみ出しが生じていることを示す場合、車両誘導案内灯に左向きの矢印を表示させる。
【0048】
車両が乗降室12に進入しパレット32上で停車した後、ユーザまたは係員は降車し、操作盤28に格納要求を入力する。スペース選択部132は、格納要求信号を受けると、駐車状況保持部126を参照し、車両が駐車されていない駐車スペースのスペースIDを選択する。
【0049】
格納処理部134は、車両が搭載されたパレット32を、乗降室12から、スペース選択部132によって選択されたスペースIDによって特定される駐車スペースに移動させるよう昇降装置94、第1移載装置56、第2移載装置58を制御する。
【0050】
車両出庫の際、ユーザまたは係員は操作盤28に出庫要求を入力する。出庫処理部120は出庫要求信号を受けると、出庫要求信号に含まれる車両管理番号によって特定される車両が搭載されたパレット32を、格納棚から乗降室12に移動させるよう昇降装置94、第1移載装置56、第2移載装置58を制御する。乗降室12に現れた車両が乗降室12の外へ移動した場合、出庫が確定する。
【0051】
判定部122は、複数の検知装置による検知結果が矛盾しているか否か、具体的には在車検知装置35による検知結果とはみ出しセンサによる検知結果とが矛盾しているか否か、を判定する矛盾判定処理を実行する。検知結果が矛盾しているとは、在車検知装置35が車両の存在を検知していないにもかわらず、はみ出しセンサが車両のはみ出しを検知していることをいう。この矛盾状態は、はみ出しセンサが検知不良状態にあることにより、具体的には、乗降室12内に車両と異なる物体が存在し、はみ出しセンサがその物体を検知していることにより、若しくははみ出しセンサが故障していることにより生じる。はみ出しセンサの故障としては、その内部故障や、投光器と受光器との光軸のずれ、などがある。
【0052】
判定部122は、はみ出しセンサごとに、所定の周期(例えば0.1秒周期)で矛盾判定処理を実行する。判定部122は、例えば機械式駐車場10の通常稼働中は常に矛盾判定処理を実行してもよいし、また例えばパレット32が乗降室12に準備されているときだけ矛盾判定処理を実行してもよいし、また例えばはみ出しセンサが車両のはみ出しを検知したときだけ矛盾判定処理を実行してもよい。
【0053】
報知部124は、検知結果が在車検知装置35と矛盾しているはみ出しセンサについて、その旨を報知する報知処理を、言い換えるとそのはみ出しセンサが検知不良状態にあることを報知する報知処理を実行する。報知処理には、乗降室12内に車両と異なる物体が存在しうることを報知する第1報知処理と、複数のはみ出しセンサのいずれかに故障が存在しうることを報知する第2報知処理の2種類がある。
【0054】
第1報知処理は、矛盾状態が30秒(第2時間)以上継続している場合に実行される。第1報知処理では、操作盤28のタッチパネル44の表示が入出庫操作画面から各センサの検知状況を示す検知状況表示画面に切り替えられる。つまり、検知状況表示画面を表示することにより、乗降室12内に車両と異なる物体が存在しうること、およびその物体が存在しうるおおよその位置をユーザ等に報知する。
【0055】
図5は、検知状況表示画面を示す。検知状況表示画面には、在車検知装置アイコン135、左はみ出しセンサアイコン136、右はみ出しセンサアイコン137、前はみ出しセンサアイコン138、後はみ出しセンサアイコン139が、現実の在車検知装置35、左はみ出しセンサ36、右はみ出しセンサ37、前はみ出しセンサ38、後はみ出しセンサ39の配置を模した形で配置されている。
【0056】
検知状況表示画面では、検知不良状態にあるはみ出しセンサのアイコンを強調表示する。例えば、検知不良状態にあるはみ出しセンサのアイコンを背景色とのコントラストが比較的大きい色で表示し、そうではないはみ出しセンサのアイコンを背景色とのコントラストが比較的小さい色で表示する。図5では、前はみ出しセンサアイコン138を強調表示している例を示している。これは、前はみ出しセンサ38に対応する位置に荷物等の物体が存在しうることを示唆している。この場合、ユーザは、前はみ出しセンサに対応する位置に荷物の放置等をしていないか確認すればよいことが分かる。
【0057】
図4に戻り、第1報知処理が実行されると、操作盤28は入出庫処理を受け付けなくなる。第2報知処理が実行される前に、ユーザ等により荷物が回収されることにより、矛盾状態が解消されると、報知部124は、操作盤28のタッチパネル44の表示を検知状況表示画面から入出庫操作画面に切り替える(戻す)。
【0058】
第2報知処理は、矛盾状態が3分(第2時間よりも長い時間である第1時間)以上継続している場合に実行される。第2報知処理では、検知不良状態にあるはみ出しセンサを故障扱いとし、故障が生じていることをユーザや係員等に通報する。例えば報知部124は、操作盤28のタッチパネル44に不図示の故障画面を表示させるとともに、係員等が参照する表示部(例えば係員等の待機場所に設置されているモニター)に故障が生じている旨を表示させる。係員等は、この通報を受けて機械式駐車場10に駆けつける。
【0059】
駆けつけた係員等は、操作盤28において所定の管理者入力を実行する。この管理者入力は例えば、係員等が所持している鍵を図2の操作盤28のモード切替部46の鍵穴にさして「管理」モードに回すことである。報知部124は、管理者入力が実行されると、操作盤28のタッチパネル44に管理者用検知状況表示画面を表示させる。
【0060】
図6は、管理者用検知状況表示画面を示す。管理者用検知状況表示画面には、図5の検知状況表示画面と同様に、在車検知装置アイコン135、左はみ出しセンサアイコン136、右はみ出しセンサアイコン137、前はみ出しセンサアイコン138、後はみ出しセンサアイコン139が、現実の在車検知装置35、左はみ出しセンサ36、右はみ出しセンサ37、前はみ出しセンサ38、後はみ出しセンサ39の配置を模した形で配置されている。係員等は、はみ出しセンサのアイコンを参照することにより、故障が生じているはみ出しセンサを特定できる。図6では、前はみ出しセンサアイコン138が強調表示されている。これは、前はみ出しセンサ38に故障が生じていることを示唆している。
【0061】
また、管理者用検知状況表示画面には、エラーコード表示欄140が含まれる。エラーコード表示欄140には、故障を一意に識別するためのエラーコードが表示される。係員等は、はみ出しセンサアイコンの表示に加え、エラーコードによっても、故障状態にあるはみ出しセンサを特定できる。
【0062】
係員等は、はみ出しセンサの修理や交換により、または放置されている荷物等を除去することにより、故障状態を解消する。報知部124は、第2報知処理後は、故障が解消されただけでは入出庫操作画面に戻さず、係員等が所定の復旧操作を実行すると、本実施の形態では管理者用検知状況表示画面の再起動操作ボタン142を押下すると、入出庫操作画面に戻す。
【0063】
以上のように構成された機械式駐車場10の動作を説明する。
【0064】
判定部122は、はみ出しセンサごとに、所定の周期(例えば0.1秒周期)で矛盾判定処理を実行する。矛盾状態が30秒以上継続すると、報知部124は、第1報知処理として、操作盤28のタッチパネル44の表示を入出庫操作画面から検知状況表示画面に切り替える。ユーザは、この検知状況表示画面を参照して、荷物の放置に気づくことができる。矛盾状態が3分未満で解消されれば、報知部124は、操作盤28のタッチパネル44の表示を検知状況表示画面から入出庫操作画面に戻す。
【0065】
矛盾状態が3分以上継続すると、報知部124は、第2報知処理として故障が生じていることを係員等に通報する。係員等は、管理者入力を実行して管理者用検知状況表示画面を操作盤28のタッチパネル44に表示させる。係員等は、この管理用検知状況表示画面を参照して故障状態にあるはみ出しセンサを特定し、はみ出しセンサの修理や交換により、あるいは放置されている荷物を除去することにより故障を解消し、復旧操作を実行する。
【0066】
以上説明した実施の形態に係る機械式駐車場10によると、在車検知装置35による検知結果とはみ出しセンサによる検知結果とが矛盾する場合、報知処理が実行される。これにより、車両を入出庫するとき以外にも、はみ出しセンサが検知不良状態にあることを検知できる。
【0067】
また、実施の形態に係る機械式駐車場10によると、或るはみ出しセンサについて矛盾状態が30秒(第2時間)以上継続している場合に、すなわち乗降室12内に車両と異なる物体が存在することが推定される場合に、第1報知処理が実行される。これにより、乗降室内に荷等の物体が存在することをユーザが気づくことができる。また、第1報知処理では、操作盤28のタッチパネル44の表示が、入出庫操作画面から検知状況表示画面に切り替えられる。はみ出しセンサが検知不良状態にある原因がユーザによる荷物の放置である場合、そのユーザは第1報知処理が実行されたときには機械式駐車場10の近くにいる可能性が高く、検知状況表示画面を見る可能性が高い。したがって、機械式駐車場10によると、ユーザが荷物の放置に気づいて対処し、検知不良状態が早く解消されることが期待される。
【0068】
また、実施の形態に係る機械式駐車場10によると、或るはみ出しセンサについて矛盾状態が3分(第1時間)以上継続している場合に、すなわち或るはみ出しセンサが故障していることが推定される場合に、第2報知処理が実行される。これにより、はみ出しセンサの故障を早期に特定することが可能となる。
【0069】
また、実施形態に係る機械式駐車場10によると、矛盾状態が生じてから30秒(第2時間)後に、実行する報知処理を第1報知処理から第2報知処理へと切り替える。これにより、実際にははみ出しセンサに故障が生じているにもかかわらず、長時間にわたって第1報知処理を行う、すなわち乗降室内に物体が存在しているとユーザに誤って報知してしまうことを抑制することができる。更に、実際には乗降室内に物体が存在しているのみであり、ユーザが物体を回収するだけで検知不良状態が解消するような場合であっても、初めから第2報知処理を行って係員を呼び、不要な検知部の修復動作を行ってしまうことも抑制することが可能となる。
【0070】
以上、実施の形態に係る機械式駐車場の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を説明する。
【0071】
(変形例1)
実施の形態では、複数の検知部が、在車検知装置とはみ出しセンサである場合について説明したが、これに限られない。複数の検知部のうちの少なくとも1つが、車両が乗降室12内に存在するときに通常その存在を検知することが可能なセンサであり、他の1つが、車両が乗降室12内に存在するときであっても、通常であればその存在を検知できないものであれば良い。前者のセンサとしては、乗降室12内の車両が進入予定の領域の端部と異なる領域、好ましくは中央近傍に物体が存在するか否かが検知可能であれば良い。一方、後者のセンサとしては、乗降室12内の車両が進入予定の領域の端部近傍に物体が存在するときに検知可能なものであれば良い。例えば、後者のセンサとしては、車両の前輪の位置を検知するためのセンサを用いることもできる。
【0072】
(変形例2)
また、実施の形態では報知部124が、第1報知処理として各検知部の検知状況を表示する検知状況表示画面を操作盤28のタッチパネル44に表示させる場合について説明したが、これに限られない。報知部124は、第1報知処理として、各検知部の検知状況を示す検知状況表示画面の代わりに、荷物等が放置されている可能性があるおおよその位置を示す画面を表示させてもよい。第1報知処理は、主にユーザに報知することを目的としているが、ユーザが対応できることとしては放置している荷物を除去するくらいであるためである。
【0073】
(変形例3)
また、実施の形態では、乗降室内に荷等の車両と異なる物体が存在しうることを報知する第1報知処理と、検知部に故障が存在しうることを報知する第2報知処理と、の両方を実行する場合について説明したが、これに限られない。例えば、第2報知処理は行わず、第1報知処理のみを実行しても良い。このような場合であっても、第1報知処理を行うことにより、乗降室内に物体が存在する虞があることをユーザに気付かせることができる。また、第1報知処理は行わず、第2報知処理のみを実行しても良い。第2報知処理を行うことにより、検知部の故障を早期に特定することが可能となる。
【0074】
(変形例4)
また、実施の形態では、第2報知処理を開始するタイミングである第1時間を3分、第1報知処理を開始するタイミングである第2時間を30秒と設定したが、これらの時間は適宜異なる時間としても良い。但し、第2時間は第1時間よりも短いことが好ましい。
【0075】
(変形例5)
また、実施の形態では、操作盤28のタッチパネル44への画面表示により、はみ出しセンサが検知不良状態にあることやどのはみ出しセンサが検知不良状態にあるかを報知する場合について説明したが、これに限られない。
【0076】
報知部124は、操作盤28のタッチパネル44への画面表示に加えて、または画面表示に代えて、操作盤28の不図示のスピーカーから、はみ出しセンサが検知不良状態にあることを報知するためのブザー音やアナウンス音声を出力してもよい。これによりユーザや係員等は、はみ出しセンサに検知不良が発生したことを認識できる。
【0077】
また、報知部124は、乗降室12内において、復旧を促すために、ユーザや係員等に聴覚的に報知してもよい。具体的には例えば、報知部124は、乗降室12内の不図示のスピーカーから乗降室12内に向けて、はみ出しセンサの検知不良状態の復旧を促すアナウンス音声を出力してもよい。復旧を促すアナウンス音声は、例えば検知不良状態にあるはみ出しセンサの位置を示すものであってもよく、矛盾状態を引き起こしている荷物等の物体が乗降室12に置かれている可能性があること、もしくは置かれている可能性のあるおおよその位置を示すものであってもよい。
【0078】
また、報知部124は、乗降室12において、復旧を促すために、ユーザ等に視覚的に報知してもよい。具体的には例えば、はみ出しセンサに隣接するように光源(例えばLED)が設けられている場合、報知部124は、検知不良状態にあるはみ出しセンサをユーザ等に報知するべく、検知不良状態にあるはみ出しセンサに隣接する光源を点灯させてもよい。また例えば、乗降室12に映像表示装置が設けられている場合、報知部124は、検知不良状態にあるはみ出しセンサの位置を示す映像を乗降室12内の壁等に表示させてもよく、報知部124は例えば、矛盾状態を引き起こしている荷物等の物体が乗降室12に置かれている可能性があるおおよその位置に、所定の映像を表示させてもよい。
【0079】
また、報知部124は、はみ出しセンサの検知不良状態が解消されたら、乗降室12内に向けてその旨を聴覚的および/または視覚的に報知してもよい。これにより、検知不良状態が解消したと思って乗降室12の外に出たものの実際には検知不良状態が解消されて織らず、再度乗降室12内に入って対処する、という二度手間が生じるのを抑止できる。
【0080】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0081】
10 機械式駐車場、 12 乗降室、 28 操作盤、 30 制御装置、 35 在車検知装置、 36 左はみ出しセンサ、 37 右はみ出しセンサ、 38 前はみ出しセンサ、 39 後はみ出しセンサ、 60 管理装置、 122 判定部、 124 報知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6