(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20220224BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A61B1/00 511
A61B1/045 610
A61B1/045 622
(21)【出願番号】P 2017234231
(22)【出願日】2017-12-06
【審査請求日】2020-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 俊明
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-067486(JP,A)
【文献】特開2002-119463(JP,A)
【文献】特開2003-033324(JP,A)
【文献】特表2015-535723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に投与された蛍光薬剤を励起させるための励起光と、前記被検体の内部を照明するための照明光と、を発することができるように構成された光源部と、
前記蛍光薬剤が投与された前記被検体の内部に存在する被写体に対する前記励起光の照射に応じて発生する蛍光と、前記被写体に対する前記照明光の照射に応じて発生する反射光と、をそれぞれ撮像するように構成された撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記反射光に応じた画像である反射光画像を生成するように構成された反射光画像生成部と、
前記撮像部により撮像された前記蛍光に応じた画像である蛍光画像を生成するように構成された蛍光画像生成部と、
前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出した場合に、録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力させるための動作を行い、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出しなかった場合に、前記録画装置に対して前記蛍光画像を出力させるための動作を行わない蛍光画像出力制御部と、
前記蛍光画像出力制御部から前記録画装置への前記蛍光画像の出力が停止したことを検知した際に、前記蛍光の発生期間中に前記録画装置に記録された複数の前記蛍光画像を時系列順に動画像として再生して繰り返し表示させるための制御を行うように構成された制御部と、
を有することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記反射光画像または前記反射光画像と前記蛍光画像とを重畳した重畳画像と、観察用蛍光画像とを表示装置に表示させるための観察画像を生成する観察画像生成部、
を更に有し、
前記蛍光画像出力制御部は、
前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出した場合に、前記観察画像生成部に対して前記観察用蛍光画像として前記蛍光画像生成部が生成した前記蛍光画像を順次出力させ、
前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出しなかった場合に、前記観察画像生成部に対して前記観察用蛍光画像として前記蛍光画像の出力を行わず、
前記制御部は、
前記蛍光画像出力制御部から前記録画装置への前記蛍光画像の出力が停止したことを検知した際に、前記観察画像生成部に対して前記観察用蛍光画像として、前記蛍光の発生期間中に前記録画装置に記録された複数の前記蛍光画像を時系列順に前記録画装置から出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記反射光画像生成部は、生成した前記反射光画像を前記観察画像生成部および前記録画装置に順次出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記反射光画像と前記蛍光画像とを重畳して前記重畳画像を生成する重畳画像生成部、
を更に有し、
前記反射光画像生成部は、前記重畳画像生成部に対して、生成した前記反射光画像を順次出力し、
前記蛍光画像生成部は、前記重畳画像生成部に対して、生成した前記蛍光画像を順次出力し、
前記重畳画像生成部は、前記観察画像生成部に対して、生成した前記重畳画像を順次出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記反射光画像または前記反射光画像と前記蛍光画像とを重畳した重畳画像と、観察用蛍光画像とを表示装置に表示させるための観察画像を生成する観察画像生成部と、
前記反射光画像と前記蛍光画像とを重畳して前記重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を更に有し、
前記観察画像生成部は、
前記光源部が前記励起光を発する蛍光観察モードにおいては、前記反射光画像または前記重畳画像と、観察用蛍光画像とを表示装置に表示させるための観察画像を生成し、
前記光源部が前記励起光を発しない通常観察モードにおいては、前記反射光画像を前記観察画像として前記表示装置に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記観察画像生成部は、前記反射光画像または前記重畳画像をメイン画像とし、前記表示装置の第1の表示領域 に前記メイン画像を表示させ、前記表示装置の第2の表示領域に前記観察用蛍光画像を表示させる前記観察画像を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
被検体を撮像した画像を表示装置に表示させる
内視鏡システムの作動方法であって、
光源部が、被検体に投与された蛍光薬剤を励起させるための励起光と、前記被検体の内部を照明するための照明光と、を
出射し、
撮像部が、前記蛍光薬剤が投与された前記被検体の内部に存在する被写体に対する前記励起光の照射に応じて発生する蛍光と、前記被写体に対する前記照明光の照射に応じて発生する反射光と、をそれぞれ撮像し、
反射光画像生成部が、撮像された前記反射光に応じた画像である反射光画像を生成し、
蛍光画像生成部が、撮像された前記蛍光に応じた画像である蛍光画像を生成し、
蛍光画像出力制御部が、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出した場合に録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力し、
前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出しなかった場合に前記録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力せず、
制御部が、蛍光画像出力制御部から前記録画装置への前記蛍光画像の出力が停止したことを検知した際に、前記蛍光の発生期間中に前記録画装置に記録された複数の前記蛍光画像を時系列順に動画像として再生して繰り返し表示させる
ことを特徴とする
内視鏡システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システムに関し、特に、蛍光観察を行うことが可能な内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野の内視鏡観察においては、例えば、被検体に投与された蛍光薬剤を励起するための励起光を当該被検体の内部に存在する所望の被写体に照射した際の蛍光の発生状態を観察する蛍光観察が従来行われている。そして、例えば、特許文献1には、前述の蛍光観察において利用可能な構成が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、内視鏡装置において、660~670nmの波長帯域の光である励起光を観察部位に照射することにより、当該観察部位に含まれる病変部に集積した蛍光薬剤から発せられる690~710nmの波長帯域の蛍光を撮像して蛍光画像を得るような構成が開示されている。
【0004】
また、前述の蛍光観察においては、例えば、ICG(インドシアニングリーン)等の所定の蛍光薬剤を被検体に投与して励起光を照射した際の蛍光の発生状態に基づき、当該被検体の内部における所望の領域の血流を評価するような観察手法が従来用いられている。そして、このような観察手法によれば、例えば、被検体に投与された蛍光薬剤から発せられる蛍光の強度が大きな領域を血流の強い領域として評価することができるとともに、当該蛍光薬剤から発せられる蛍光の強度が小さな領域を血流の弱い領域または血流のない領域として評価することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、前述にて例示した観察手法においては、被検体に投与された蛍光薬剤の代謝の早さに起因し、当該蛍光薬剤からの蛍光の発生状態を短時間しか確認することができない、という問題点が生じている。
【0006】
しかし、特許文献1には、前述の問題点を解消可能な手法について特に開示等されていない。そのため、特許文献1に開示された構成によれば、蛍光観察により血流を評価した結果に基づいて病変部の処置等の作業を行うユーザに対して過度な負担を強いてしまう場合がある、という前述の問題点に応じた課題が生じている。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、蛍光観察により血流を評価した結果に基づいて作業を行うユーザの負担を軽減可能な内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の内視鏡システムは、被検体に投与された蛍光薬剤を励起させるための励起光と、前記被検体の内部を照明するための照明光と、を発することができるように構成された光源部と、前記蛍光薬剤が投与された前記被検体の内部に存在する被写体に対する前記励起光の照射に応じて発生する蛍光と、前記被写体に対する前記照明光の照射に応じて発生する反射光と、をそれぞれ撮像するように構成された撮像部と、前記撮像部により撮像された前記反射光に応じた画像である反射光画像を生成するように構成された反射光画像生成部と、前記撮像部により撮像された前記蛍光に応じた画像である蛍光画像を生成するように構成された蛍光画像生成部と、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出した場合に、録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力させるための動作を行い、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出しなかった場合に、前記録画装置に対して前記蛍光画像を出力させるための動作を行わない蛍光画像出力制御部と、前記蛍光画像出力制御部から前記録画装置への前記蛍光画像の出力が停止したことを検知した際に、前記蛍光の発生期間中に前記録画装置に記録された複数の前記蛍光画像を時系列順に動画像として再生して繰り返し表示させるための制御を行うように構成された制御部と、を有する。
本発明の一態様の、被検体を撮像した画像を表示装置に表示させる内視鏡システムの作動方法は、光源部が、被検体に投与された蛍光薬剤を励起させるための励起光と、前記被検体の内部を照明するための照明光と、を出射し、撮像部が、前記蛍光薬剤が投与された前記被検体の内部に存在する被写体に対する前記励起光の照射に応じて発生する蛍光と、前記被写体に対する前記照明光の照射に応じて発生する反射光と、をそれぞれ撮像し、反射光画像生成部が、撮像された前記反射光に応じた画像である反射光画像を生成し、蛍光画像生成部が、撮像された前記蛍光に応じた画像である蛍光画像を生成し、蛍光画像出力制御部が、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出した場合に録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力し、前記被写体に対する前記励起光の照射に伴う前記蛍光の発生を検出しなかった場合に前記録画装置に対して前記蛍光画像を順次出力せず、制御部が、蛍光画像出力制御部から前記録画装置への前記蛍光画像の出力が停止したことを検知した際に、前記蛍光の発生期間中に前記録画装置に記録された複数の前記蛍光画像を時系列順に動画像として再生して繰り返し表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明における内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法によれば、蛍光観察により血流を評価した結果に基づいて作業を行うユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図。
【
図2】第1の実施形態に係る内視鏡システムにおける蛍光画像出力制御部の具体的な構成の一例を説明するためのブロック図。
【
図3】蛍光観察モードにおいて表示される観察画像の表示態様の一例を示す図。
【
図4】第2の実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図。
【
図5】第2の実施形態に係る内視鏡システムにおける蛍光画像出力制御部の具体的な構成の一例を説明するためのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(第1の実施形態)
【0012】
図1から
図3は、本発明の第1の実施形態に係るものである。
【0013】
内視鏡システム1は、例えば、
図1に示すように、被検体の内部に挿入されるとともに、当該被検体の内部に存在する生体組織等の被写体を撮像して撮像信号を出力するように構成された内視鏡2と、当該被写体に照射される光を内視鏡2に供給するように構成された光源装置3と、内視鏡2から出力される撮像信号に対して種々の処理を施すことにより観察画像を生成して出力するように構成されたプロセッサ4と、プロセッサ4から出力される観察画像を画面上に表示するように構成された表示装置5と、を有している。
図1は、第1の実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図である。
【0014】
内視鏡2は、例えば、
図1に示すように、被検体の内部に挿入可能な細長形状に形成された挿入部21と、挿入部21の基端側に設けられた操作部22と、を有して構成されている。また、内視鏡2は、ライトガイドケーブル27を介し、光源装置3に対して着脱可能な構成を具備している。また、内視鏡2は、操作部22から延設された信号ケーブル28を介し、プロセッサ4に対して着脱可能な構成を具備している。
【0015】
挿入部21及びライトガイドケーブル27の内部には、光源装置3から供給される光を伝送するためのライトガイド11が挿通されている。
【0016】
ライトガイド11の出射端部は、
図1に示すように、挿入部21の先端部における照明レンズ12の近傍に配置されている。また、ライトガイド11の入射端部は、
図1に示すように、ライトガイドケーブル27を介して内視鏡2に接続されている光源装置3における集光レンズ32の近傍に配置されている。
【0017】
挿入部21の先端部には、ライトガイド11により伝送された光を被写体へ出射するための照明レンズ12と、当該被写体からの戻り光を撮像するための撮像部13と、が設けられている。
【0018】
撮像部13は、蛍光薬剤が投与された被検体の内部に存在する被写体に対する励起光EXA(後述)の照射に応じて発生する蛍光FLA(後述)と、当該被写体に対する白色光WLA(後述)の照射に応じて発生する反射光と、をそれぞれ撮像するように構成されている。また、撮像部13は、被写体からの戻り光を受光するように構成された対物レンズ13aと、当該戻り光を撮像するように構成された撮像素子13bと、対物レンズ13aから撮像素子13bに至るまでの光路上に配置された励起光カットフィルタ13cと、を有している。
【0019】
撮像素子13bは、例えば、カラーCMOSイメージセンサを具備し、プロセッサ4から出力される撮像素子駆動信号に応じた撮像動作を行うように構成されている。また、撮像素子13bは、励起光カットフィルタ13cを透過した光を撮像して撮像信号を生成するとともに、当該生成した撮像信号をプロセッサ4へ出力するように構成されている。
【0020】
励起光カットフィルタ13cは、例えば、対物レンズ13aを経て出射される光に含まれる各波長帯域のうち、励起光EXAと同じ波長帯域を遮断するとともに、励起光EXAと異なる波長帯域を透過させるような光学特性を具備して形成されている。すなわち、励起光カットフィルタ13cは、励起光EXAの照射に応じて蛍光薬剤から発せられる蛍光FLAを透過させるような光学特性を具備して形成されている。
【0021】
操作部22は、挿入部21の基端側に設けられているとともに、術者等のユーザが把持可能な形状を具備して形成されている。また、操作部22には、例えば、ユーザの操作に応じた種々の指示をプロセッサ4に対して行うことが可能な1つ以上のスイッチであるスコープスイッチ(不図示)が設けられている。
【0022】
光源装置3は、例えば、
図1に示すように、発光部31と、集光レンズ32と、光源駆動部33と、を有して構成されている。
【0023】
発光部31は、白色光源51と、励起光源52と、ダイクロイックミラー53と、を有して構成されている。
【0024】
白色光源51は、例えば、キセノンランプ、白色LED、または、RGBの3色のLEDのいずれかを具備して構成されている。また、白色光源51は、光源駆動部33から出力される光源駆動信号に応じ、例えば、赤色域、緑色域及び青色域の各波長帯域を含む光である白色光WLAを発生するように構成されている。なお、本実施形態においては、白色光源51の代わりに、例えば、少なくとも青色域から近赤外域までの波長帯域を具備する光である広帯域光を発するランプを具備して構成された広帯域光源と、当該広帯域光に含まれる各波長帯域のうちの白色光WLAの波長帯域と同じ波長帯域を透過させつつ他の波長帯域を遮断するような光学特性を具備する光学フィルタと、が光源装置3に設けられていてもよい。
【0025】
励起光源52は、例えば、LD(レーザダイオード)を具備して構成されている。また、励起光源52は、光源駆動部33から出力される光源駆動信号に応じ、例えば、被検体に投与される所定の蛍光薬剤の励起波長を含む狭帯域な光である励起光EXAを発生するように構成されている。なお、以降においては、特に言及の無い限り、被検体に投与される蛍光薬剤がICG(インドシアニングリーン)であり、励起光EXAがICGの励起波長(例えば808nmまたはその付近の波長)を含む狭帯域な近赤外光であり、かつ、励起光EXAよりも長波長側の波長帯域に属する近赤外光である蛍光FLAがICGから発せられるものとして説明を行う。
【0026】
ダイクロイックミラー53は、例えば、白色光源51から発せられる白色光WLAを透過させて集光レンズ32側へ出射するとともに、励起光源52から発せられる励起光EXAを反射して集光レンズ32側へ出射するような光学特性を具備して構成されている。
【0027】
すなわち、発光部31は、光源駆動部33から出力される駆動信号に応じて白色光源51を発光させることにより、白色光WLAを発生することができるように構成されている。また、発光部31は、光源駆動部33から出力される駆動信号に応じて励起光源52を発光させることにより、励起光EXAを発生することができるように構成されている。また、発光部31は、白色光WLA及び励起光EXAを集光レンズ32へ出射することができるように構成されている。
【0028】
集光レンズ32は、発光部31から出射される光を集光してライトガイド11の入射端部へ出射するように構成されている。
【0029】
光源駆動部33は、プロセッサ4から出力される制御信号に基づき、白色光源51及び励起光源52を駆動させるための光源駆動信号を生成して発光部31へ出力するように構成されている。
【0030】
すなわち、光源装置3は、被検体に投与される蛍光薬剤を励起させるための励起光EXAと、当該被検体の内部を照明するための照明光である白色光WLAと、を発することができるように構成されている。
【0031】
プロセッサ4は、例えば、
図1に示すように、撮像素子駆動部41と、セレクタ42と、白色光画像生成部43と、蛍光画像生成部44と、重畳画像生成部45と、蛍光画像出力制御部46と、観察画像生成部47と、入力I/F(インターフェース)48と、制御部49と、を有して構成されている。なお、本実施形態においては、プロセッサ4における入力I/F48以外の各部が、個々の電子回路として構成されていてもよく、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路における回路ブロックとして構成されていてもよい。また、本実施形態においては、例えば、プロセッサ4が1つ以上のCPUを具備して構成されていてもよい。また、本実施形態に係る構成を適宜変形することにより、例えば、プロセッサ4における入力I/F48以外の各部の機能を実行させるためのプログラムがメモリ等の記憶媒体から読み込まれるとともに、当該読み込まれたプログラムに応じた動作がコンピュータにおいて行われるようにしてもよい。
【0032】
撮像素子駆動部41は、制御部49から出力される制御信号に基づき、撮像素子13bを駆動させるための撮像素子駆動信号を生成して出力するように構成されている。
【0033】
セレクタ42は、制御部49から出力される制御信号に基づき、内視鏡2から出力される撮像信号の出力先を白色光画像生成部43または蛍光画像生成部44のいずれかに設定するための動作を行うように構成されている。
【0034】
白色光画像生成部43は、セレクタ42を経て出力される撮像信号に基づいて白色光画像WIAを生成するとともに、当該生成した白色光画像WIAを重畳画像生成部45及び観察画像生成部47の各々へ順次出力するように構成されている。すなわち、白色光画像生成部43は、反射光画像生成部としての機能を具備し、撮像部13により撮像された白色光WLAの反射光に応じた画像である白色光画像WIAを生成するように構成されている。
【0035】
蛍光画像生成部44は、セレクタ42を経て出力される撮像信号に基づいて蛍光画像FIAを生成するとともに、当該生成した蛍光画像FIAを重畳画像生成部45及び蛍光画像出力制御部46の各々へ順次出力するように構成されている。すなわち、蛍光画像生成部44は、撮像部13により撮像された蛍光FLAに応じた画像である蛍光画像FIAを生成するように構成されている。
【0036】
重畳画像生成部45は、白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAと、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAと、を重畳するための処理を行うことにより重畳画像SIAを生成し、当該生成した重畳画像SIAを観察画像生成部47へ順次出力するように構成されている。
【0037】
具体的には、重畳画像生成部45は、例えば、下記数式(1)を用い、白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAの一の画素位置における画素WPの画素値と、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAの当該一の画素位置における画素FPの画素値と、を重畳することにより、重畳画像SIAの当該一の画素位置における画素SPの画素値を得るような処理を画像全域で行う。
【0038】
なお、下記数式(1)において、Riは画素WPの赤色成分の輝度値を表し、Giは画素WPの緑色成分の輝度値を表し、Biは画素WPの青色成分の輝度値を表し、Fiは画素FPの(蛍光成分の)輝度値を表し、Roは画素SPの赤色成分の輝度値を表し、Goは画素SPの緑色成分の輝度値を表し、Boは画素SPの青色成分の輝度値を表すものとする。また、下記数式(1)のα、β及びγは、重畳画像SIAに含まれる蛍光FLAの発生箇所の色調を規定するための重み係数を表し、例えば、重畳画像生成部45において予め設定された固定値であってもよく、または、制御部49からの制御信号に応じて設定される可変値であってもよい。
【0039】
蛍光画像出力制御部46は、蛍光画像生成部44から出力される(現在の)蛍光画像FIAと、当該蛍光画像FIAよりも前に取得した(過去の)蛍光画像FIBと、の2つの蛍光画像の明るさを比較するとともに、当該2つの蛍光画像のうちの相対的に明るい一方の蛍光画像を観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するように構成されている。具体的には、蛍光画像出力制御部46は、例えば、
図2に示すように、特徴量算出部71と、メモリ72と、比較処理部73と、を有して構成されている。
図2は、第1の実施形態に係る内視鏡システムにおける蛍光画像出力制御部の具体的な構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0040】
特徴量算出部71は、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAの明るさに係る特徴量FAVを算出するとともに、当該算出した特徴量FAVを出力するように構成されている。
【0041】
具体的には、特徴量算出部71は、前述の特徴量FAVとして、例えば、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに含まれる各画素の輝度値の平均値、または、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに含まれる各画素の輝度分布における上位20%に相当する輝度値を算出するように構成されている。
【0042】
メモリ72には、比較処理部73の比較結果に応じた蛍光画像情報として、蛍光画像FIBと、当該蛍光画像FIBの明るさに係る特徴量FBVと、を含む情報が格納されるように構成されている。なお、本実施形態においては、メモリ72に格納された蛍光画像情報が、例えば、プロセッサ4の電源が投入された直後等のような、蛍光観察が行われていない期間中の適宜のタイミングにおいて消去されるものとする。
【0043】
比較処理部73は、蛍光画像情報がメモリ72に格納されていない場合に、特徴量算出部71から出力される特徴量FAVと、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAと、を含む新たな蛍光画像情報をメモリ72に格納させるように構成されている。
【0044】
比較処理部73は、蛍光画像情報がメモリ72に格納されている場合に、特徴量算出部71から出力される特徴量FAVと、当該蛍光画像情報に含まれる特徴量FBVと、を比較するための処理を行うように構成されている。そして、比較処理部73は、例えば、特徴量FAVが特徴量FBVよりも大きいとの比較結果を得た際に、メモリ72に格納された蛍光画像情報に含まれる蛍光画像FIBを蛍光画像FIAで更新し、当該蛍光画像情報に含まれる当該特徴量FBVを当該特徴量FAVで更新するとともに、当該蛍光画像FIAを観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するように構成されている。また、比較処理部73は、例えば、特徴量FAVが特徴量FBV以下であるとの比較結果を得た際に、メモリ72に格納された蛍光画像情報を維持しつつ、当該蛍光画像情報に含まれる蛍光画像FIBを観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するように構成されている。
【0045】
観察画像生成部47は、白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAと、重畳画像生成部45から出力される重畳画像SIAと、蛍光画像出力制御部46から出力される観察用蛍光画像FICと、制御部49から出力される制御信号と、に基づいて観察画像を生成するとともに、当該生成した観察画像を表示装置5へ出力するように構成されている。
【0046】
入力I/F(インターフェース)48は、ユーザの操作に応じた指示を行うことが可能な1つ以上のスイッチ及び/またはボタンを具備して構成されている。具体的には、入力I/F48は、例えば、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードまたは蛍光観察モードのいずれかに設定する(切り替える)ための指示を行うことが可能な観察モード切替スイッチ(不図示)を具備して構成されている。また、入力I/F48は、例えば、蛍光観察モード時に表示装置5に表示させる画像を白色光画像WIAまたは重畳画像SIAのいずれかに設定する(切り替える)ための指示を行うことが可能な表示画像切替スイッチ(不図示)を具備して構成されている。
【0047】
制御部49は、入力I/F48からの指示に応じた動作を行わせるための制御信号を生成して光源駆動部33及び観察画像生成部47へそれぞれ出力することができるように構成されている。また、制御部49は、内視鏡システム1の各部の制御を行う際に用いられる制御情報が格納されたメモリ等の記憶媒体(不図示)を具備して構成されている。
【0048】
制御部49は、入力I/F48の観察モード切替スイッチにおいて設定された観察モードに応じ、撮像素子13bに行わせる撮像動作に係る制御信号を生成して撮像素子駆動部41へ出力するように構成されている。また、制御部49は、入力I/F48の観察モード切替スイッチにおいて設定された観察モードに応じ、プロセッサ4に入力される撮像信号の出力先を設定するための制御信号を生成してセレクタ42へ出力するように構成されている。
【0049】
表示装置5は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)等を具備し、プロセッサ4から出力される観察画像等を表示することができるように構成されている。
【0050】
続いて、本実施形態の内視鏡システム1の動作等について説明する。なお、以降においては、被検体の内部に存在する所望の被写体の蛍光観察が行われる前に、当該被検体または当該所望の被写体に蛍光薬剤であるICGが予め投与されているものとして説明を進める。
【0051】
術者等のユーザは、例えば、内視鏡システム1の各部を接続して電源を投入した後、入力I/F48の観察モード切替スイッチを操作することにより、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードに設定するための指示を行う。
【0052】
制御部49は、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、白色光WLAを発生させるための制御信号を光源駆動部33へ出力する。
【0053】
制御部49は、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、白色光画像WIAを観察画像として表示させるための制御信号を観察画像生成部47へ出力する。
【0054】
制御部49は、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、所定の撮像動作を行わせるための制御信号を生成して撮像素子駆動部41へ出力するとともに、プロセッサ4に入力される撮像信号の出力先を白色光画像生成部43に設定するための制御信号を生成してセレクタ42へ出力する。
【0055】
光源駆動部33は、制御部49から出力される制御信号に応じ、白色光観察モードにおいて、白色光源51を点灯させるとともに励起光源52を消灯させるための光源駆動信号を生成して発光部31へ出力する。
【0056】
そして、以上に述べたような動作によれば、白色光観察モードにおいて、白色光源51から発せられた白色光WLAが内視鏡2に供給され、当該白色光WLAにより照明された被写体からの戻り光である当該白色光WLAの反射光が撮像部13により撮像され、撮像部13から出力された撮像信号に応じた白色光画像WIAが白色光画像生成部43により生成されるとともに観察画像として表示装置5に表示される。
【0057】
ユーザは、内視鏡システム1の観察モードを白色光観察モードに設定した状態において、表示装置5に表示される観察画像を確認しつつ、挿入部21を被験者の内部に挿入するとともに、当該被験者の内部における血流の評価対象となる領域を含む所望の被写体(生体組織)が対物レンズ13aの観察視野内に入るような位置に挿入部21の先端部を配置する。その後、ユーザは、入力I/F48の観察モード切替スイッチを操作することにより、内視鏡システム1の観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示を行う。また、ユーザは、入力I/F48の表示画像切替スイッチを操作することにより、白色光画像WIAまたは重畳画像SIAのいずれか一方の画像をメイン画像MIAとして表示装置5に表示させるための指示を行う。
【0058】
制御部49は、内視鏡システム1の観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、入力I/F48の表示画像切替スイッチからの指示に応じ、メイン画像MIA及び観察用蛍光画像FICを含む観察画像を生成させるための制御信号を生成して観察画像生成部47へ出力する。
【0059】
制御部49は、内視鏡システム1の観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、発光部31における白色光WLA及び励起光EXAの発生タイミングと、撮像素子13bにおける撮像動作と、プロセッサ4に入力される撮像信号の出力先と、を同期させるための制御信号を生成して光源駆動部33、撮像素子駆動部41及びセレクタ42へそれぞれ出力する。
【0060】
具体的には、制御部49は、例えば、ローリングシャッタ方式の撮像動作を撮像素子13bに行わせるための制御信号を生成して撮像素子駆動部41へ出力する。また、制御部49は、例えば、ローリングシャッタ方式の撮像動作において撮像素子13bの全ラインで読み出しが行われない期間であるブランキング期間毎に、所定の光量の白色光WLA及び当該所定の光量の励起光EXAを交互に(時分割に)発生させるための制御信号を生成して光源駆動部33へ出力する。また、制御部49は、例えば、白色光WLAの発生時にプロセッサ4に入力される撮像信号の出力先を白色光画像生成部43に設定するとともに、励起光EXAの発生時にプロセッサ4に入力される撮像信号の出力先を蛍光画像生成部44に設定するための制御信号を生成してセレクタ42へ出力する。
【0061】
そして、前述のような制御部49の制御によれば、例えば、撮像素子13bの第1のブランキング期間において白色光WLAが被写体に照射され、当該被写体からの戻り光である当該白色光WLAの反射光が撮像部13により撮像され、撮像部13により生成された撮像信号がセレクタ42を経て白色光画像生成部43へ出力され、当該撮像信号に基づいて生成された白色光画像WIAが重畳画像生成部45及び観察画像生成部47の各々へ出力される。
【0062】
また、前述のような制御部49の制御によれば、例えば、前述の第1のブランキング期間とは異なる撮像素子13bの第2のブランキング期間において励起光EXAが被写体に照射され、当該被写体から発生する戻り光に含まれる蛍光FLAが撮像部13により撮像され、撮像部13により生成された撮像信号がセレクタ42を経て蛍光画像生成部44へ出力され、当該撮像信号に基づいて生成された蛍光画像FIAが重畳画像生成部45及び蛍光画像出力制御部46の各々へ出力される。
【0063】
重畳画像生成部45は、例えば、上記数式(1)の係数α、β及びγをα=γ=0かつβ=1に設定した状態において、白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAと、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAと、を重畳するための処理を行うことにより重畳画像SIAを生成し、当該生成した重畳画像SIAを観察画像生成部47へ出力する。すなわち、このような重畳画像生成部45の動作によれば、内視鏡2により撮像された被写体における蛍光FLAの発生箇所が緑色で示されるような重畳画像SIAが観察画像生成部47へ出力される。
【0064】
蛍光画像出力制御部46は、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAと、当該蛍光画像FIAよりも前に取得した蛍光画像FIBと、の2つの蛍光画像の明るさを比較するとともに、当該2つの蛍光画像のうちの相対的に明るい一方の蛍光画像を観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力する。
【0065】
すなわち、蛍光画像出力制御部46は、内視鏡システム1の観察モードが蛍光観察モードに設定され、かつ、白色光画像WIAが(メイン画像MIAとして)表示装置5へ出力されている場合において、特徴量FAV及びFBVに基づいて検出される蛍光FLAの発生状態に応じ、当該白色光画像WIAの出力先となっている外部装置である表示装置5に対する観察用蛍光画像FICの出力状態を制御する。また、蛍光画像出力制御部46は、被検体の内部に存在する被写体に対する励起光EXAの照射に伴って蛍光FLAが発生した直後から当該蛍光FLAの明るさがピークに達するまでの期間において、白色光画像WIAが出力されている表示装置5に対し、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAを順次出力させるための動作を行う。また、蛍光画像出力制御部46は、被検体の内部に存在する被写体に対する励起光EXAの照射に伴って発せられる蛍光FLAの明るさがピークに達したタイミング以降の期間において、白色光画像WIAが出力されている表示装置5に対し、当該タイミングの蛍光画像FIBを(メモリ72から読み込んで)出力させ続けるための動作を行う。
【0066】
観察画像生成部47は、制御部49から出力される制御信号に応じ、蛍光観察モードにおいて、例えば、メイン画像MIAを表示領域DMに表示させつつ、観察用蛍光画像FICを当該表示領域DM内の一部に設けた表示領域DSに表示させるようなPinP(ピクチャインピクチャ)画像を観察画像DGとして生成し、当該生成した観察画像DGを表示装置5へ出力する。そして、このような観察画像生成部47の動作によれば、例えば、
図3に示すような表示態様を有する観察画像DGが表示装置5に表示される。
図3は、蛍光観察モードにおいて表示される観察画像の表示態様の一例を示す図である。
【0067】
以上に述べたような各部の動作によれば、蛍光FLAの発生直後から当該蛍光FLAの明るさがピークに達するまでの期間において、表示領域DSの観察用蛍光画像FICが順次更新される。また、以上に述べたような各部の動作によれば、蛍光FLAの明るさがピークに達したタイミング以降において、表示領域DSの観察用蛍光画像FICの更新が停止される。すなわち、以上に述べたような各部の動作によれば、蛍光薬剤から発せられた蛍光FLAの明るさがピークに達したタイミング以降の期間において、当該タイミングで静止した状態の観察用蛍光画像FICを表示装置5に表示させ続けることができる。従って、本実施形態によれば、蛍光観察により血流を評価した結果に基づいて作業を行うユーザの負担を軽減することができる。
(第2の実施形態)
【0068】
図4及び
図5は、本発明の第2の実施形態に係るものである。
【0069】
なお、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施形態と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0070】
内視鏡システム1Aは、
図4に示すように、内視鏡2と、光源装置3と、プロセッサ4Aと、表示装置5と、録画装置6と、を有して構成されている。
図4は、第2の実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図である。
【0071】
プロセッサ4Aは、
図4に示すように、撮像素子駆動部41と、セレクタ42と、白色光画像生成部43と、蛍光画像生成部44と、重畳画像生成部45と、蛍光画像出力制御部46Aと、観察画像生成部47と、入力I/F(インターフェース)48と、制御部49と、を有して構成されている。なお、本実施形態においては、プロセッサ4Aにおける入力I/F48以外の各部が、個々の電子回路として構成されていてもよく、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路における回路ブロックとして構成されていてもよい。また、本実施形態においては、例えば、プロセッサ4Aが1つ以上のCPUを具備して構成されていてもよい。また、本実施形態に係る構成を適宜変形することにより、例えば、プロセッサ4Aにおける入力I/F48以外の各部の機能を実行させるためのプログラムがメモリ等の記憶媒体から読み込まれるとともに、当該読み込まれたプログラムに応じた動作がコンピュータにおいて行われるようにしてもよい。
【0072】
蛍光画像出力制御部46Aは、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに蛍光発生領域が含まれていることを検出した場合に、当該蛍光画像FIAを観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するとともに、当該蛍光画像FIAを記録用蛍光画像FIDとして録画装置6へ出力するように構成されている。具体的には、蛍光画像出力制御部46Aは、例えば、
図5に示すように、特徴量算出部71と、判定部74と、を有して構成されている。
図5は、第2の実施形態に係る内視鏡システムにおける蛍光画像出力制御部の具体的な構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0073】
判定部74は、特徴量算出部71から出力される特徴量FAVが所定の閾値THV以上であるか否かを判定するための処理を行うように構成されている。また、判定部74は、例えば、特徴量算出部71から出力される特徴量FAVが所定の閾値THV以上であるとの判定結果を得た場合、すなわち、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに蛍光発生領域が含まれていることを検出した場合に、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAを観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するとともに、当該蛍光画像FIAを記録用蛍光画像FIDとして録画装置6へ出力するように構成されている。また、判定部74は、例えば、特徴量算出部71から出力される特徴量FAVが所定の閾値THV未満であるとの判定結果を得た場合、すなわち、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに蛍光発生領域が含まれていないことを検出した場合に、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAを観察画像生成部47及び録画装置6のいずれにも出力しないように構成されている。
【0074】
録画装置6は、例えば、CPU及び不揮発性記憶装置を具備して構成されている。また、録画装置6は、制御部49から出力される制御信号に応じ、プロセッサ4Aから出力される画像を記録するための録画動作を開始及び停止することができるように構成されている。また、録画装置6は、プロセッサ4Aの白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAを時系列に記録することができるように構成されている。また、録画装置6は、プロセッサ4Aの蛍光画像出力制御部46Aを経て出力される記録用蛍光画像FIDを時系列に記録することができるように構成されている。また、録画装置6は、制御部49から出力される制御信号に応じ、記録用蛍光画像FIDを時系列に記録して得られた動画像を含む映像信号VSをプロセッサ4Aの観察画像生成部47へ出力することができるように構成されている。
【0075】
続いて、本実施形態の内視鏡システム1Aの動作等について説明する。
【0076】
術者等のユーザは、例えば、内視鏡システム1Aの各部を接続して電源を投入した後、入力I/F48の観察モード切替スイッチを操作することにより、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定するための指示を行う。
【0077】
制御部49は、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、白色光WLAを発生させるための制御信号を光源駆動部33へ出力する。
【0078】
制御部49は、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、白色光画像WIAを観察画像として表示させるための制御信号を観察画像生成部47へ出力する。
【0079】
制御部49は、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、所定の撮像動作を行わせるための制御信号を生成して撮像素子駆動部41へ出力するとともに、プロセッサ4Aに入力される撮像信号の出力先を白色光画像生成部43に設定するための制御信号を生成してセレクタ42へ出力する。
【0080】
光源駆動部33は、制御部49から出力される制御信号に応じ、白色光観察モードにおいて、白色光源51を点灯させるとともに励起光源52を消灯させるための光源駆動信号を生成して発光部31へ出力する。
【0081】
そして、以上に述べたような動作によれば、白色光観察モードにおいて、白色光源51から発せられた白色光WLAが内視鏡2に供給され、当該白色光WLAにより照明された被写体からの戻り光である当該白色光WLAの反射光が撮像部13により撮像され、撮像部13から出力された撮像信号がセレクタ42を経て白色光画像生成部43へ出力される。
【0082】
白色光画像生成部43は、セレクタ42を経て出力される撮像信号に基づいて白色光画像WIAを生成するとともに、当該生成した白色光画像WIAを重畳画像生成部45、観察画像生成部47及び録画装置6の各々へ順次出力する。
【0083】
ユーザは、例えば、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定した状態において、入力I/F48を操作することにより、プロセッサ4Aにより生成された画像の記録を開始させるための指示を行う。
【0084】
制御部49は、画像の記録を開始させるための指示が行われたことを検知した際に、当該指示を示す制御信号を生成して録画装置6へ出力する。そして、このような制御部49の動作に応じ、録画装置6による白色光画像WIAの記録が開始される。
【0085】
なお、本実施形態においては、例えば、制御部49が、プロセッサ4Aにより生成された画像の記録を開始させるための指示を検知してから、プロセッサ4Aにより生成された画像の記録を停止させるための指示を検知するまでの期間において、録画装置6による白色光画像WIAの記録が継続されるものとする。
【0086】
ユーザは、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定した状態において、表示装置5に表示される観察画像を確認しつつ、挿入部21を被験者の内部に挿入するとともに、当該被験者の内部における血流の評価対象となる領域を含む所望の被写体(生体組織)が対物レンズ13aの観察視野内に入るような位置に挿入部21の先端部を配置する。その後、ユーザは、入力I/F48の観察モード切替スイッチを操作することにより、内視鏡システム1Aの観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示を行う。また、ユーザは、入力I/F48の表示画像切替スイッチを操作することにより、白色光画像WIAまたは重畳画像SIAのいずれか一方の画像をメイン画像MIAとして表示装置5に表示させるための指示を行う。
【0087】
制御部49は、内視鏡システム1Aの観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、入力I/F48の表示画像切替スイッチからの指示に応じ、メイン画像MIA及び観察用蛍光画像FICを含む観察画像を生成させるための制御信号を生成して観察画像生成部47へ出力する。
【0088】
制御部49は、内視鏡システム1Aの観察モードを蛍光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、発光部31における白色光WLA及び励起光EXAの発生タイミングと、撮像素子13bにおける撮像動作と、プロセッサ4に入力される撮像信号の出力先と、を同期させるための制御信号を生成して光源駆動部33、撮像素子駆動部41及びセレクタ42へそれぞれ出力する。
【0089】
そして、前述のような制御部49の制御によれば、例えば、撮像素子13bの第1のブランキング期間において白色光WLAが被写体に照射され、当該被写体からの戻り光である当該白色光WLAの反射光が撮像部13により撮像され、撮像部13により生成された撮像信号がセレクタ42を経て白色光画像生成部43へ出力され、当該撮像信号に基づいて生成された白色光画像WIAが重畳画像生成部45、観察画像生成部47及び録画装置6の各々へ出力される。
【0090】
また、前述のような制御部49の制御によれば、例えば、前述の第1のブランキング期間とは異なる撮像素子13bの第2のブランキング期間において励起光EXAが被写体に照射され、当該被写体から発生する戻り光に含まれる蛍光FLAが撮像部13により撮像され、撮像部13により生成された撮像信号がセレクタ42を経て蛍光画像生成部44へ出力され、当該撮像信号に基づいて生成された蛍光画像FIAが重畳画像生成部45及び蛍光画像出力制御部46Aの各々へ出力される。
【0091】
重畳画像生成部45は、例えば、上記数式(1)の係数α、β及びγをα=γ=0かつβ=1に設定した状態において、白色光画像生成部43から出力される白色光画像WIAと、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAと、を重畳するための処理を行うことにより重畳画像SIAを生成し、当該生成した重畳画像SIAを観察画像生成部47へ出力する。
【0092】
蛍光画像出力制御部46Aは、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに蛍光発生領域が含まれていることを検出した場合に、当該蛍光画像FIAを観察用蛍光画像FICとして観察画像生成部47へ出力するとともに、当該蛍光画像FIAを記録用蛍光画像FIDとして録画装置6へ出力する。また、蛍光画像出力制御部46Aは、蛍光画像生成部44から出力される蛍光画像FIAに蛍光発生領域が含まれていないことを検出した場合には、当該蛍光画像FIAの観察画像生成部47及び録画装置6への出力を停止する。
【0093】
すなわち、蛍光画像出力制御部46Aは、内視鏡システム1Aの観察モードが蛍光観察モードに設定されている場合において、特徴量FAVに基づいて検出される蛍光FLAの発生状態に応じ、当該白色光画像WIAの出力先となっている外部装置である表示装置5に対する観察用蛍光画像FICの出力状態を制御する。また、蛍光画像出力制御部46Aは、内視鏡システム1Aの観察モードが蛍光観察モードに設定されている場合において、特徴量FAVに基づいて検出される蛍光FLAの発生状態に応じ、当該白色光画像WIAの出力先となっている外部装置である録画装置6に対する記録用蛍光画像FIDの出力状態を制御する。また、蛍光画像出力制御部46Aは、被検体の内部に存在する被写体に対する励起光EXAの照射に伴う蛍光FLAの発生を検出した場合に、白色光画像WIAが出力されている録画装置6に対して記録用蛍光画像FIDを順次出力させるための動作を行う。また、蛍光画像出力制御部46Aは、被検体の内部に存在する被写体に対する励起光EXAの照射に伴う蛍光FLAの発生を検出しなかった場合に、白色光画像WIAが出力されている録画装置6に対して記録用蛍光画像FIDを順次出力させるための動作を行わない。
【0094】
観察画像生成部47は、制御部49から出力される制御信号に応じ、蛍光観察モードにおいて、例えば、メイン画像MIAを表示領域DMに表示させつつ、観察用蛍光画像FICを表示領域DSに表示させるようなPinP画像を観察画像DGとして生成し、当該生成した観察画像DGを表示装置5へ出力する。
【0095】
ユーザは、例えば、観察用蛍光画像FICによる蛍光FLAの視認が困難になった際に、入力I/F48の観察モード切替スイッチを操作することにより、内視鏡システム1Aの観察モードを白色光観察モードに設定するための指示を行う。
【0096】
制御部49は、例えば、内視鏡システム1Aの観察モードを蛍光観察モードから白色光観察モードへ切り替えるための指示が行われたことを検知した際に、蛍光画像出力制御部46Aから録画装置6への記録用蛍光画像FIDの出力(録画装置6による記録用蛍光画像FIDの記録)が完了したものと判断するとともに、直近の蛍光観察モードの期間中に記録された当該記録用蛍光画像FIDを表示装置5に繰り返し表示させるための制御信号を生成して観察画像生成部47及び録画装置6へ出力する。
【0097】
すなわち、制御部49は、蛍光画像出力制御部46Aから録画装置6への記録用蛍光画像FIDの出力が完了したことを検知した際に、録画装置6に記録された当該記録用蛍光画像FIDを動画像として再生して繰り返し表示させるための制御を行う。
【0098】
録画装置6は、制御部49から出力される制御信号に応じ、直近の蛍光観察モードの期間中に記録用蛍光画像FIDを時系列に記録して得られた動画像を含む映像信号VSをプロセッサ4Aの観察画像生成部47へ繰り返し出力する。
【0099】
観察画像生成部47は、制御部49から出力される制御信号に応じ、内視鏡システム1Aの観察モードが蛍光観察モードから白色光観察モードへ切り替えられた際に、例えば、白色光画像WIAを表示領域DMに表示させつつ、録画装置6から出力される映像信号VSに含まれる動画像を表示領域DSに表示させるようなPinP画像を観察画像DGとして生成し、当該生成した観察画像DGを表示装置5へ出力する。
【0100】
以上に述べたような各部の動作によれば、被検体内に投与された蛍光薬剤から蛍光FLAが発せられている期間において、観察用蛍光画像FICを表示装置5に表示させつつ、記録用蛍光画像FIDを録画装置6に記録させることができる。また、以上に述べたような各部の動作によれば、例えば、被検体内に投与された蛍光薬剤から発せられる蛍光FLAが退色した後に、当該蛍光FLAが退色していない期間中に録画装置6に記録された記録用蛍光画像FIDを動画像として再生して表示装置5に繰り返し表示させることができる。従って、本実施形態によれば、蛍光観察により血流を評価した結果に基づいて作業を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0101】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0102】
1,1A 内視鏡システム
2 内視鏡
3 光源装置
4,4A プロセッサ
5 表示装置
6 録画装置
13 撮像部
21 挿入部
43 白色光画像生成部
44 蛍光画像生成部
46,46A 蛍光画像出力制御部
47 観察画像生成部
49 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】