(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】注文練習装置、注文練習プログラム、注文練習方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20220224BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220224BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20220224BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20220224BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G07G1/12 321F
G07G1/12 361C
G09B5/02
G09B7/02
G09B19/00 H
(21)【出願番号】P 2018026519
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】神戸 等
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-173964(JP,A)
【文献】特開2004-287499(JP,A)
【文献】特開2001-222211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-19/26
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-10/10
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するための
スマートフォンであって、
商品情報を入力するための複数の注文練習画面のうちのいずれかであって、前記複数の注文練習画面のうち少なくとも一つは商品を特定するためのキーのみが配置された画面を含む、注文練習画面を表示する表示部と、
前記商品情報を提示する提示部と、
前記提示部により提示された商品情報を
前記注文練習画面に対して入力する入力部と、
前記提示部により前記商品情報が提示された時から、前記入力部への前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測する計測部と、
前記提示部により提示された前記商品情報と、前記入力部へ入力された商品情報との一致性を判断する判断部と、
前記計測部により計測された時間と、前記判断部により判断された一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価する評価部と、
前記評価部が評価した習熟度を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする
スマートフォン。
【請求項2】
前記提示部により提示される商品情報を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記評価部により評価された
誤答率と入力操作時間とに基づいて前記提示部により提示される商品情報を制御することを特徴とする請求項1に記載の
スマートフォン。
【請求項3】
前記表示部は、タッチパネルであり、
前記表示部に対するフリック操作を受け付けて前記表示部は、前記注文練習画面の表示を切り替える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスマートフォン。
【請求項4】
前記スマートフォンは、前記スマートフォンの使用者により、携帯可能な機器である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のスマートフォン。
【請求項5】
顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するための
スマートフォンにより実行される注文練習プログラムであって、
商品情報を入力するための複数の注文練習画面のうちのいずれかであって、前記複数の注文練習画面のうち少なくとも一つは商品を特定するためのキーのみが配置された画面を含む、注文練習画面を表示する表示機能と、
前記商品情報を提示する提示機能と、
前記提示機能により提示された商品情報を
前記注文練習画面に対して入力する入力機能と、
前記提示機能により前記商品情報が提示された時から、前記入力機能への前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測する計測機能と、
前記提示機能により提示された前記商品情報と、前記入力機能へ入力された商品情報との一致性を判断する判断機能と、
前記計測機能により計測された時間と、前記判断機能により判断された一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価する評価機能と、
前記評価機能が評価した習熟度を出力する出力機能と、
を備えることを特徴とする注文練習プログラム。
【請求項6】
顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するために
スマートフォンのコンピュータが実行する注文練習方法であって、
商品情報を入力するための複数の注文練習画面のうちのいずれかであって、前記複数の注文練習画面のうち少なくとも一つは商品を特定するためのキーのみが配置された画面を含む、注文練習画面を表示し、
前記商品情報を提示し、
提示された前記商品情報を
前記注文練習画面に対して入力し、
前記商品情報が提示された時から、前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測し、
提示された前記商品情報と、入力された前記商品情報との一致性を判断し、
計測された前記時間と判断された前記一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価し、
評価した前記習熟度を出力することを特徴とする注文練習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店員が注文を受け付けて注文内容を注文入力機器に入力する操作の練習を行うための注文練習装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店においては、顧客からの注文を受け付けて厨房に注文内容を伝えるための専用の注文入力機器を用いている。当該注文入力機器においては、様々なメニューに応じたボタンが配され、顧客からの注文に応じて対応するボタンを押下することで簡便に注文内容を厨房に伝えることができるとともに、注文内容の管理を行うことができる。そのような注文入力機器は、各飲食店に特化した内容になるため、各店員は注文入力機器の入力操作の習熟に時間を要していた。
【0003】
そこで、特許文献1には、顧客からの注文に対する店員の入力操作の習熟を図るための、トレーニング装置が開示されている。当該トレーニング装置においては、複数のトレーニングコースごとに、注文に関する練習の問題を提示し、それに対して成された入力が正しいと、当該コースの練習を済みとし、済みとなったコースの数によって習熟の進捗を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のトレーニング装置では、トレーニング装置が注文に関する練習の問題を提示し、それに対して成された入力が正しいと、当該コースの練習を済みとし、済みとなったコースの数によって習熟度合いを評価していた。しかしながら、飲食店においては、顧客からの注文に応じて、各店員が注文入力機器に当該注文をいかに迅速に入力できるかを示す迅速性も重要となる。これは、注文入力機器への注文の入力操作に手間取った場合には、顧客がフラストレーションを溜める可能性があるためである。サービス業においては、顧客に不快感を与えることは、マイナスイメージにつながり、集客率の低下を招く虞がある。しかしながら、上記特許文献1に記載のトレーニング装置では、入力の正確性のみを習熟の指標としており、習熟度の評価精度としては十分ではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、店員の注文入力操作に係る習熟度をより高い精度で評価できる注文練習装置、注文練習プログラム、注文練習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る注文練習装置は、顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するための注文練習装置であって、前記商品情報を提示する提示部と、前記提示部により提示された商品情報を入力する入力部と、前記提示部により前記商品情報が提示された時から、前記入力部への前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測する計測部と、前記提示部により提示された前記商品情報と、前記入力部へ入力された商品情報との一致性を判断する判断部と、前記計測部により計測された時間と、前記判断部により判断された一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価する評価部と、前記評価部が評価した習熟度を出力する出力部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る注文練習プログラムは、顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するための注文練習プログラムであって、前記商品情報を提示する提示機能と、前記提示機能により提示された商品情報を入力する入力機能と、前記提示機能により前記商品情報が提示された時から、前記入力機能への前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測する計測機能と、前記提示機能により提示された前記商品情報と、前記入力機能へ入力された商品情報との一致性を判断する判断機能と、前記計測機能により計測された時間と、前記判断機能により判断された一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価する評価機能と、前記評価機能が評価した習熟度を出力する出力機能と、を実現させる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る注文練習方法は、顧客から注文された商品情報の入力操作を練習するためにコンピュータが実行する注文練習方法であって、前記商品情報を提示し、提示された前記商品情報を入力し、前記商品情報が提示された時から、前記商品情報の入力が完了するまでの時間を計測し、提示された前記商品情報と、入力された前記商品情報との一致性を判断し、計測された前記時間と判断された前記一致性とに基づいて入力操作の習熟度を評価し、評価した前記習熟度を出力する。
【0010】
また、上記注文練習装置において、前記提示部により提示される商品情報を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記評価部により評価された習熟度に基づいて前記提示部により提示される商品情報を制御することとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、商品情報の入力完了までの時間(迅速性)および提示された商品情報と実際に入力された商品情報との一致性(正確性)に基づき店員の注文入力操作に係る習熟度を評価するので、ユーザが入力操作を苦手とする商品情報や入力間違いをしやすい商品情報などを把握することが可能となり、より高い精度で習熟度を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】注文練習装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】正誤情報の構成例を示すデータ概念図である。
【
図5】注文練習装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】(a)、(b)は、注文練習の過程において表示される画面例を示す図である。
【
図7】(a)、(b)は、注文練習の過程において表示される画面例を示す図である。
【
図9】注文練習装置において誤答の多いキー配置を改善するシステムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る注文練習装置について図面を参照しながら、説明する。
【0014】
<実施の形態>
<構成>
図1は、注文練習装置100の構成を示す図である。
図1に示すように、注文練習装置100は、提示部110と、入力部120と、計測部130と、判断部140と、評価部150と、出力部160と、制御部170と、情報処理部180と、記憶部181と、表示部182を備える。各機能部は、例えば、接続線190を介して互いに接続されている。なお、当該接続は、有線接続であってもよいいし、無線接続であってもよい。注文練習装置100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報処理端末により実現することができ、専用機器として実現されてもよい。本実施の形態においては、スマートフォン等のタッチパネルを有する情報処理装置として実現する例で説明する。
【0015】
提示部110は、注文練習装置100を利用して顧客から注文された商品情報を注文入力機器に入力するための入力操作を練習するユーザ(店員)に対して、商品情報(入力操作の練習用の問題)を提示する機能を有する。提示部110は、商品情報の一覧(図示せず)の中から、所定の基準にしたがって、少なくとも一つの商品情報を選択し、その個数の情報とともに、注文された商品情報(入力操作の練習用の問題)として提示する。また、提示部110は、所定数の問題を順次提示するものとしてもよい。
【0016】
入力部120は、ユーザ(店員)から、商品情報の入力を受け付ける機能を有するインターフェースである。入力部110は、各商品情報に対応する各商品名(あるいは商品名の略称)が個々のキーとして表示されたものである。各キーはソフトウウェアによって実現されたGUIとしてモニタ上に表示されたキーとタッチパネル等によって構成されている。なお、スマートフォン等のタッチパネルを有する情報処理装置を用いない場合には、ハードウェアによって実現された物理的な構造を有するボタンであってもよい。
【0017】
計測部130は、注文練習装置100を利用して顧客から注文された商品情報を注文入力機器に入力する入力操作を練習するユーザ(店員)に対して提示部110が商品情報を提示したときから、対応する商品情報をユーザが入力部120へ入力を完了するまでの時間を計測する。計測部130は、いわゆる、タイマであり、専用ハードウェアにより実現されてもよいし、注文練習装置100の内部時計を利用することとしてもよい。
【0018】
判断部140は、提示部110に提示された商品情報と、入力部120へ入力された商品情報の一致性、すなわち、提示部110に提示された商品情報に対し、ユーザが入力部に入力した商品情報が合致しているか否かを判断する。本明細書においては、合致した場合には正答と呼称し、合致しなかった場合には誤答を呼称することもある。
【0019】
評価部150は、計測部130によって計測された時間と、判断部140によって判断された一致性とに基づいて入力操作におけるユーザの習熟度を評価する。評価部150による評価手法については、様々な手法を用いることができる。評価部150による評価手法の詳細については、後述する。
【0020】
出力部160は、評価部150により評価されたユーザの入力操作の習熟度を出力する。
【0021】
制御部170は、提示部110にユーザの過去の練習において所定の条件に基づいて、誤答した問題を再提示させることしてもよい。ここでいう所定の条件とは、過去に出題された商品情報であってユーザが誤答した商品情報の問題を再度提示するための条件であり、例えば、ユーザが過去の練習において、同じ商品情報について、その誤答回数あるいは誤答率が所定以上(例えば、30%以上など予め定めた割合以上)である場合に、誤答した商品情報を一定確率で再提示する。ここで、一定確率とは、予め定められておいてよく、例えば、ランダム値を所定範囲内(例えば、0~100の間)で自動生成し、生成したランダム値が、予め定めた範囲(例えば、0~30の間)になるか否かで判定することができる。また、再提示する商品情報は、ユーザが例え正答していても、商品情報の入力操作に所定以上時間を要した問題も再提示するように構成してもよい。これにより、ユーザが間違えやすい問題や入力操作が苦手で入力が完了するまでに時間を要した問題を、ユーザに繰り返し練習させることができ、ユーザが実際の店で顧客から注文を受け注文入力機器に商品情報を入力する際に誤入力を低減することができる。
【0022】
情報処理部180は、注文練習装置100の各部での処理を制御する機能や、各部から出力された情報を受取り、表示部182に表示するよう指示する処理等の制御をするプロセッサの機能を含んでもよい。情報処理部180は、記憶部181に記憶されている各種プログラムやデータを用いて、実現すべき各種機能を実現することができる。情報処理部180は、記憶部181に記憶されている注文練習プログラムを実行することにより、注文練習装置としての機能を果たす。
【0023】
記憶部181は、注文練習装置100が動作上必要とする各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部181は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。記憶部181は、注文練習装置100が実行した注文の練習に関する情報として、提示部110により提示された商品情報(注文内容)と、それに対してユーザが入力部120に入力した商品情報(入力内容)と、そのとき計測部130により計測された、提示部110が商品情報を提示したときから、対応する商品情報をユーザが入力部120へ入力を完了するまでの時間(解答時間)と、そのとき判断部140により判断された、提示部110に提示された商品情報に対し、ユーザが入力部120に入力した商品情報が合致しているか否か(正誤情報)と、を対応付けた練習情報を記憶している。練習情報の詳細については、後述する。
【0024】
表示部182は、情報処理部180からの指示に従って、ユーザに対して、注文練習装置100の各種商品を注文するためのGUI画面を表示する機能を有するモニタであり、入力部120がタッチパネルとして実現される場合に、入力部120と共有されてよい。なお、ここでは、表示部182は、文字や画像を表示するモニタとして実現する例を示したが、これは、音声による出力、即ち、スピーカにより実現することとしてもよい。
【0025】
以上が、注文練習装置100の構成の説明である。
【0026】
<外観>
図2は、注文練習装置100の外観例を示す図であり、商品情報の入力を受け付ける入力画面を表示している様子を示している。また、
図2は、
図1における表示部182がタッチパネルとして構成されている場合に表示される画面例を示している。商品情報の入力画面は、一つの画面で実現されてもよいが、
図2に示すように、複数の画面に渡ってもよく、その場合には、例えば、フリック操作やスワイプ操作、GUIに切替キーを設けて当該キーをタッチ(押下)することで切り替えるように構成してよい。なお、ここでいうキーとは、ハードウェアにより構成されるものであってもよいし、ソフトウェアキーであってもよいものとする。フリック操作により画面の切替を行う場合であって、例えば、左右方向で第一画面と第二画面とを切替えるときには、第一画面と第二画面とがそれぞれの中央部で接続されているイメージで操作画面(タッチパネル)の端部(例えば、第一画面が左側、第二画面が右側に存在する場合に、第一画面の右側、第二画面の左側)に切り替え可能な位置を配置するとよい。また、スワイプ操作により画面の切替を行う場合には、操作画面(タッチパネル)のいずれの場所であっても左右方向に指やスタイラスなどをスライドさせることで切り替えができる。スワイプ操作の場合には、より自然な操作が可能となる。
【0027】
注文練習装置100が提供する商品情報入力画面は、ユーザ(店員)に対して商品情報(入力操作の練習用の問題)を提示するための商品情報提示欄201と、ユーザ(店員)から商品情報の入力を受け付けるための商品情報入力欄202と、ジャンル選択欄204とを含み、その他にテンキー欄203なども含んでよい。なお、ジャンル選択欄204は、商品情報入力欄202として機能してもよい。
【0028】
商品情報提示欄201には、提示部110によって提示される商品情報が表示される。商品情報入力欄202は、各商品情報を示すキーを表示する領域である。ジャンル選択欄204は、各商品のジャンルを表示するためのジャンルであり、ユーザがジャンルを選択すると、選択したジャンルに含まれる商品情報を示すキーが商品情報入力欄202に表示される。テンキー欄203は、一般的に知られるテンキーを配した領域であり、例えば、商品の個数を入力したりするための領域である。ここでは、テンキー欄203には、その他にも、商品情報の入力操作の練習を開始するための「開始」キー、練習を終了する「終了」キー、商品の個数を追加する「追加」キー、商品情報の入力を確定する「確認」キーなどを含んだ例を示している。
【0029】
表示された商品情報に応じて、ユーザは、ジャンル選択欄204を表示させ、その中からその商品情報が含まれるジャンルを選択する。ジャンルを選択すると、詳細な個々の商品情報を示すキーを有する商品情報入力欄202が表示される。そして、ユーザは商品情報入力欄202内において、商品情報提示欄201に提示されている商品情報に応じた商品のキーをタッチ(押下)して、商品情報の入力を行う。このとき、最終的に入力した商品情報を確定するために、確認キーの押下を行う構成としてもよい。
図2においては、ジャンル選択欄204における「サラダ」をユーザが選択した場合に、当該「サラダ」の項目に含まれる商品情報が商品情報入力欄202に表示されている場合の例を示している。
【0030】
注文練習装置100は、この商品情報提示欄201に提示された商品情報に対し、ユーザが商品情報入力欄202に入力した商品情報とが合致しているか否かと、その入力操作が完了するまでに要した時間とに基づいて、注文入力機器に係るユーザの入力操作の習熟度を評価する。即ち、注文練習装置100は、入力操作の正誤とその入力操作に要した時間を評価することで、注文を受けてから注文に応じた入力を完了するまでの正確性と迅速性に基づいて、ユーザの入力操作の習熟度を評価することができる。なお、
図2に示した画面例はあくまで一例であり、少なくとも、注文内容の問題を表示するための商品情報提示欄201と、その問題に対する回答を入力するための商品情報入力欄202があればよい。また、
図2に示す各欄の配置もユーザが入力をしやすい配置に適宜変更してもよい。また、
図2における欄が、他の欄に含まれるキーを含む形で構成することとしてもよい。
【0031】
<データ>
図3は、練習情報300の構成例を示すデータ概念図である。練習情報300は、ユーザによる商品情報の入力操作の練習の履歴を示す情報である。
図3に示す様に、練習情報300は、注文内容(提示部110により提示された商品情報)301と、入力内容(入力部120へ入力された商品情報)302と、解答時間(提示部110が商品情報(問題)を提示したときから、ユーザが対応する商品情報を入力部120へ入力を完了するまでの時間)303と、正誤情報304とを対応付けた情報である。
【0032】
注文内容301は、情報処理部180、即ち、注文練習装置100が、ユーザに対して提示した商品情報を示す情報である。即ち、注文可能な商品のいずれかの情報となり、その個数を含む場合がある。
【0033】
入力内容302は、対応する注文内容301の問題(ユーザに対して提示した商品情報)に応じて、ユーザが入力した商品情報を示す情報である。
【0034】
解答時間303は、対応する注文内容301の問題に対して、問題が提示されてから、ユーザが入力内容302で示す入力を完了するまでに要した時間を示す情報である。
【0035】
正誤情報304は、注文内容301と入力内容302とが合致しているか否かを示し、ユーザが正しい入力を行ったか否かを示す情報である。
図3では、ユーザが正答した場合には「正」を、誤答した場合には「誤」を表示しているが、これは、「○」、「×」や、「1」、「0」などで表現されてもよい。
【0036】
なお、
図3には示していないが、注文の練習を行った日時情報や、何回目の練習であるかを示す情報なども対応付けることとしてもよい。また、その他にも練習を行ったユーザを特定可能な、ユーザ識別子が対応付けられていてもよい。記憶部181が、練習情報300を記憶していることにより、注文練習装置100は、ユーザの過去の練習の履歴を確認することができる。また、当該練習情報300を確認することにより、ユーザは、自身の習熟の向上度合なども確認することができる。
【0037】
<評価方法>
ここで、評価部150による評価方法の例について説明する。注文練習装置100は、例えば、一回の練習として、10個の問題を提示することとし、その10個の問題に対するユーザの解答と、その解答に要した時間に基づいて評価値zを算出する。
(1)評価方法1
【0038】
評価部150は、ユーザの誤答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=x+yから算出する。ここで、平均解答時間とは、1回の練習において提示される問題それぞれに対してユーザが入力に要した時間の合計値を当該1回の練習において提示された問題数で除した値のことである。この場合、評価値zが小さいほど、注文に対するユーザの入力が正確かつ早い、即ち、入力操作の習熟度が高いということになる。したがって、例えば、0≦x≦10、0<y≦20であると想定すると、0<z<5の場合にAランク、5≦z<10の場合にBランク、10≦z<15の場合にCランク、15≦z<20の場合にDランク、20≦zの場合にEランクというように5段階で評価することができる。
【0039】
(2)評価方法2
評価部150は、ユーザの正答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=x+20/yから算出する。この場合、評価値zが大きいほど、注文に対するユーザの入力が正確かつ早い、即ち、入力操作の習熟度が高いということになる。したがって、例えば、0≦x≦10、0<y≦20であると想定すると、0<z<5の場合にEランク、5≦z<10の場合にDランク、10≦z<15の場合にCランク、15≦z<20の場合にBランク、20≦zの場合にAランクというように5段階で評価することができる。
【0040】
(3)評価方法3
評価部150は、ユーザの誤答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=x×yから算出する。この場合、評価値zが大きいほど、ユーザの入力操作の習熟度が低くなるように評価すればよい。
【0041】
(4)評価方法4
評価部150は、ユーザの正答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=(x+1)/yから算出する。この場合、評価値zが大きいほど、ユーザの入力操作の習熟度が高くなるように評価すればよい。
【0042】
(5)評価方法5
評価部150は、ユーザの誤答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=x×y2から算出する。この場合、評価値zが大きいほど、ユーザの入力操作の習熟度が低くなるように評価すればよい。
【0043】
(6)評価方法6
評価部150は、ユーザの誤答数をx、平均解答時間をyとしたとき、評価値zを、例えば、z=x×2yから算出する。この場合、評価値zが大きいほど、ユーザの入力操作の習熟度が低くなるように評価すればよい。
【0044】
(7)評価方法7
評価部150は、縦軸に正答率、横軸に平均解答時間をとったグラフ(
図4参照)において、ユーザの正答率と平均解答時間がグラフ上でどこにプロットされるかによって、入力操作の習熟度を評価することとしてもよい。ここでいう、正答率とは、1回の練習において提示される問題それぞれに対してユーザが正答した問題数を当該1回の練習において提示された問題数で除した値のことである。また、
図4において、原点に近いほど高評価になる。
【0045】
なお、ここに示した評価方法1~7は、一例であり、その他の評価方法を適用してもよい。例えば、解答の正誤と解答時間とを問題ごとに関連づけるとともに問題ごとに重み付けの指標を定義し、解答正誤、解答時間および重み付けの指標からユーザの習熟度に関する総合評価を行ったり、ユーザが苦手とする問題の傾向について評価を行うこととしてもよい。あるいは、店の要求基準に応じた評価を行ってもよい。例えば、注文に対して、店が求める要求基準として、標準解答時間が定められているとする。ここで、標準解答時間とは、顧客から注文された商品情報を注文入力機器に入力する際に、ユーザ(店員)が顧客の注文を受けてから対応する商品情報を入力完了するまでの基準とする時間のことである。標準解答時間は、店における全店員の注文入力時間の平均値であってもよいし、店側が一意に設定した時間、即ち、店舗で要求される時間として予め定められた時間であってもよい。標準解答時間を用いた評価値の算出方法としては、1回の練習における各問題についてのユーザの解答時間を標準解答時間で除した値を全問題分加算し、これに、正答率を加算した値を評価値としてもよい。なお、ここでは、解答時間を標準解答時間で除した値の合計値を用いるとしたが、これは、平均値であってもよい。
【0046】
<動作>
図5は、ユーザが注文練習を行う際の、注文練習装置100の動作を示すフローチャートである。
【0047】
ユーザは、注文練習のためのアプリケーションを起動する(ステップS501)。アプリケーションを起動すると、情報処理部180は、暗証番号の入力を求めるGUIを表示部182に出力させる。これに応じて、ユーザは暗証番号を入力し、情報処理部180は、その認証を行う(ステップS502)。なお、認証の手法については、従来技術を使用するものとして、ここでは詳細は割愛する。一例としては、パスワード入力による認証を利用することが考えられる。ここでは、認証に成功したこととする。
【0048】
そうすると、情報処理部180は、注文練習プログラムの初期画面として、
図6(a)に示すような画面を表示部182に表示させる。情報処理部180は、表示部182に、商品情報の入力練習に係る問題のカテゴリーを選択するための、カテゴリー601を表示させ、ユーザからの問題のカテゴリーを選択する入力を受け付ける(ステップS503)。ここでいうカテゴリーとは、情報処理部180が出力する問題の傾向(基準)を決定するためのものであり、例えば、「単品」、「セット」、「定食」、…などがある。このカテゴリーは、注文練習装置100でユーザが設定できることとしてもよい。例えば、「単品」を選択すれば、問題として、単品の注文の問題のみが提示され、例えば、「定食」を選択すれば、問題として、定食の注文の問題のみが提示され、例えば、「MIX」を選択すれば、問題として、様々な種類の注文の問題が提示される。
図6(a)においては、カテゴリー601のうち、問題として選択されているカテゴリーを選択カテゴリー602として表示される。選択カテゴリー602は、カテゴリー601から選択されることとしてもよいし、選択カテゴリー602に示す位置においてユーザがスワイプ操作を行うことで、他のカテゴリーに変更される仕様としてもよい。
図6(a)においては、一例として、カテゴリーとして「セット」が選択されている状態を示している。また、表示部182は、問題の開始キー604を表示し、前回の注文練習の評価結果603を表示する(ステップS504)。ここで表示する評価結果603は、単純に一回前の注文練習の評価結果を示すものであっても良いし、選択カテゴリー602で選択されているカテゴリーについて前回練習した時の評価結果を表示することとしてもよい。情報処理部180は、評価結果603を、記憶部181に記憶されている練習情報300を参照することで表示することができる。また、
図6(a)に示す表示を行っている際に、ユーザからのフリック操作やスワイプ操作を受け付けた場合には、
図6(b)に示すようにカテゴリーごとの前回の評価を表示することとしてもよいし、当該画面において、各カテゴリーの問題開始キーを表示し、当該キーをタッチ(押下する)ことで、注文の練習を開始する構成としてもよい。また、
図6(a)と
図6(b)との画面の切替は、
図6(a)に示す一覧キー605の押下、
図6(b)に示す戻るキー606の押下による切替ができる構成としてもよい。
【0049】
情報処理部180は、提示する問題を決定し、商品情報提示欄201に表示する。また、同時に、情報処理部180は、解答時間の計測の開始を計測部130に指示する(ステップS505)。入力部120は、ユーザの解答の入力が完了したか否かを判断する(ステップS506)。解答の入力が完了するまでは待機し(ステップS506のNO)、解答の入力が完了した場合には(ステップS506のYES)、情報処理部180は、計測部130に対して、解答時間の計測の終了を指示する(ステップS507)。なお、解答の入力が完了した場合とは、例えば、ユーザが提示された問題に対応する商品情報のキーをタッチ(押下)し、それを確定するテンキー欄203の「確認」キーをタッチ(押下)したときをいう。解答時間の計測の終了指示を受けて、計測部130は、計測を終了し、計測した時間を情報処理部180に伝達する。また、入力部120は、ユーザから受け付けた入力内容を情報処理部180に伝達する。
【0050】
判断部140は、提示部110から提示された商品情報と、入力部120から入力された商品情報とが合致するか否かに基づいて、ユーザの解答が正答か否かを判断する(ステップS508)。判断部140は、ユーザの解答が正答であると判断した場合には(ステップS508のYES)、正答である旨を表示部182に出力させる。このとき、情報処理部180は、提示部110により提示された商品情報と、入力部120にユーザが入力した商品情報と、計測部130から伝達された解答時間と、判断部140により問題に正答した旨を示す情報を、記憶部181の、練習情報300に追加登録する。
【0051】
一方、判断部140は、ユーザの解答が正答ではない、すなわち、誤答であると判断した場合には(ステップS508のNO)、誤答である旨を表示部182に出力させる。このとき、情報処理部180は、提示部110により提示された商品情報と、入力部120にユーザが入力した商品情報と、計測部130から伝達された解答時間と、判断部140により問題に誤答した旨を示す情報を、記憶部181の、練習情報300に追加登録する。
【0052】
その後に、情報処理部180は、所定数の問題を提示したか否かを判定する(ステップS511)。所定数の問題を提示していない場合には(ステップS511のNO)、情報処理部180は、次の問題を提示すべく、ステップS505の処理に戻る。
【0053】
一方、所定数の問題を提示している場合には(ステップS511のYES)、提示した所定数の問題と、その正誤と、解答時間に基づいてユーザの入力操作の習熟度を評価する。評価部150は、例えば、上述した評価方法のいずれかを用いて、ユーザの習熟度を評価する。そして、情報処理部180は、決定した評価を表示部182に出力させて(ステップS512)、処理を終了する。
【0054】
このように、注文練習装置100は、ユーザによる解答の正誤と、その解答時間に基づいて入力操作の習熟度を評価することで、ユーザの注文入力操作に係る習熟度をより高い精度で評価することができる。
【0055】
<変形例>
上記実施の形態に本発明に係る発明の一実施態様を説明したが、本発明に係る思想がこれに限られないことは言うまでもない。以下、本発明に係る思想として含まれる各種変形例について説明する。
【0056】
(1)上記実施の形態においては、特に示さなかったが、注文練習装置100は、提示された商品情報に応じた正答の入力を、明示することとしてもよい。例えば、
図7(a)に示すように提示された商品情報に応じた正答のキー701を、他のキーから区別しやすくするために、色を変えて表示したり、光らせたり、点滅させたりする表示態様をとったりしてもよい。また、あるいは、
図7(b)に示すように、正答のキー702を拡大表示したりしてもよい。注文練習装置100のキーに表示される商品名は、往々にして、小さなフォントで表示されるため、ユーザによっては、読み取れない可能性がある。そこで、注文練習装置100は、正答のキーの拡大表示により、ユーザにより明確に正答のキーを提示することができるとともに、ユーザに各キーの配置を記憶させることができる。
【0057】
(2)上記実施の形態においては、スマートフォン等の情報処理装置が、注文練習プログラムを実行することで、注文練習装置100として実現する例を示したが、これは、
図8に示す様に、実際の店舗において、注文を取るための実機により実現されることとしてもよい。この場合に、当該実機は、商品情報の入力操作練習モードと、実際に商品情報の入力を行える商品情報入力モードの二つの切替が実現できるように構成されてもよい。
【0058】
(3)上記実施の形態において、注文練習装置100は、新たな商品情報の入力を受け付けられるように、新たな商品情報のキー配置を行うための設定モードを備えてもよい。また、注文練習装置100を、スマートフォンが注文練習プログラムを実行することにより実現する場合には、注文練習プログラムを提供するサーバから、新たなバージョンの注文練習プログラムを提供し、注文練習装置100の注文練習プログラムを更新する態様であってもよい。
【0059】
(4)上記実施の形態において、注文練習装置100は、誤答の多いキー配置の情報を出力する構成を有してもよい。注文練習装置100が出力した誤答の多いキー配置の情報は、注文練習プログラムを配布するサーバに送信されてよい。そして、サーバは、受け付けた情報に基づいて、誤答が発生しにくいと想定されるキー配置を自動生成することとしてもよい。以下、当該態様について説明する。
【0060】
図9は、注文練習装置100を含み、注文練習装置100に対して、注文練習プログラムを配布したサーバ900を含むシステム例を示している。
図9に示すように、注文練習装置100と、サーバ900とは、ネットワーク950を介して互いに通信可能に接続されている。なお、
図9には、注文練習装置100を1台のみ示しているが、システムには、当然複数の注文練習装置100が含まれてよい。注文練習装置100は、練習情報300に基づいて、誤答の多い問題を特定する。そして、その中で、同じ位置に表示されるキーについて、所定回数以上(所定割合以上)、誤答が発生している注文内容があるか否か判定し、あった場合には、誤答が発生しやすいキー配置として、その正誤情報とともに、当該キー配置の情報をサーバ900に送信する。
【0061】
サーバ900は、通信機能と、制御機能と、記憶機能とを有するコンピュータシステムであり、誤答の多いキー配置の情報を受け付ける受付部901と、受付部901が受け付けた誤答の多いキー配置の情報に基づいて、誤答が発生しにくいと推定されるキー配置情報を生成する生成部902と、生成部902が生成したキー配置情報を、各注文練習装置100に送信する送信部903とを備える。受付部901、送信部903は、共に通信インターフェースにより実現でき、ネットワーク950を介して、他の装置との間で、情報の伝達ができれば、有線、無線のいずれで通信を実行することとしてよく、また、その通信プロトコルは問わないものとする。また、生成部902は、学習機能を有するプロセッサにより実現することができる。なお、図示はしていないが、サーバ900は、各注文練習装置100から受け付けた誤答の多いキー配置の情報を記憶するための記憶部を有してよく、当該キー配置の情報に基づいて、誤答の発生しにくいキー配置を推定して生成する生成プログラムを記憶していてよい。
【0062】
生成部902は、各商品の注文頻度や、各商品の組み合わせの注文頻度、その誤答率(正答率)に基づいて、誤答の発生しにくいキー配置を生成する。生成部902は、各注文練習装置100から収集した情報に基づいて、例えば、切り分けサポートベクターマシーンや、ディープラーニングにより、誤答の発生しやすいキー配置を学習し、その結果から逆に誤答の発生しにくいキー配置を推定する。また、単純に、誤答の多いキー配置を、過去において正答が多いキー配置の位置に変更することとしてもよい。即ち、生成部902は、過去のキー配置及びそのキー配置における各キーの正答率や誤答率を参考に、誤答の発生しにくいキー配置を生成することができる。生成部902は、そのための深層学習装置として実現されてよい。また、誤答の発生しにくいキー配置は、一つのキー配置に限らず、複数のキー配置の組み合わせに対して実現されてもよい。例えば、注文頻度の高い組み合わせの注文がある場合に、その組み合わせを構成する二つ以上のキーを互いに隣接するようにキー配置を生成してもよいし、組み合わせを構成する2以上の注文のうち、誤答の頻度が高い方の注文を、誤答しているキーの位置に配置するようにキー配置を生成してもよい。一具体例をあげれば、仮に、注文内容が、「ミートソーススパゲティ」+「シーザーサラダ」となっているときに、「シーザーサラダ」を誤って隣接する「グリーンサラダ」を押下している(あるいはその傾向が高い)ようであれば、「グリーンサラダ」のキー配置位置に、「シーザーサラダ」を配置するようにして、誤答の発生しにくいキー配置を生成することとしてよい。
【0063】
また、誤答に限らず、例え、正答であったとしても入力操作に一定以上の時間を要するキー配置に対しても、入力操作が早くなるキー配置を提示する構成としてもよい。即ち、生成部902は、正誤情報300における解答時間303の平均値が所定以上となっている注文、あるいは、解答時間303が所定の時間を超えている同内容の注文が所定数以上ある場合に、そのキー配置について、他のキー配置例を提示するように構成してもよい。
【0064】
更には、生成部902は各商品についての注文頻度に基づいてキー配置を提案することとしてもよい。例えば、生成部902は、誤答が多くても、注文頻度が一定の閾値よりも低い場合には、キー配置を変更しないと判定してもよい。逆に、生成部902は注文頻度が一定の閾値よりも高く誤答率の高いキー(商品)については、全体で注文頻度が低く、誤答率の低い位置のキーと配置を交換することで、誤答の発生しにくいキー配置を生成することとしてもよい。
【0065】
なお、本変形例では、注文練習装置100が、誤答の多いキー配置かどうかを判定して、肯定的な判定をおこなった場合に、キー配置の情報を送信することとしたが、注文練習装置100は、単純に定期的に、キー配置情報と正誤情報とを送信し、サーバ900のプロセッサが、各キー配置について誤答が発生しやすいキー配置かどうかを判定することとしてもよい。
【0066】
また、注文練習装置100は、複数の互いに異なるパターンのキー配置を示すキー配置情報を記憶しておき、それぞれのキー配置情報に応じた注文入力の練習結果の情報を保持してもよい。そして、複数のキー配置情報のうち、誤答数が所定の閾値として所定回数以上発生している、あるいは、誤答率(出題した注文全数に対する誤答の回数の割合)が所定の閾値として一定以上となっているキー配置情報を出力する構成としてもよい。ここで所定回数は、予め定めた数であってもよいし、全問題数に対する所定割合となる数などであってもよい。また、誤答率に対する所定の閾値としての割合も、予め定めたものであってもよいし、あるいは、各問題についての誤答率の平均値や当該平均値に対して所定のオフセットを負荷した値であってもよい。これにより、複数のパターンのキー配置情報を保持し、それぞれの練習結果から、誤答が発生しやすいキー配置を特定しやすくすることができる。
【0067】
また、本変形例では、サーバ900が、誤答の発生しにくいキー配置を生成することとしているが、これは、注文練習装置100が、他の注文練習装置から誤答の発生しやすいキー配置の情報を受け付けて、誤答の発生しにくいキー配置を生成してもよい。このとき、注文練習装置100内の情報のみに基づいて、誤答の発生しにくいキー配置の情報を生成してもよく、この場合、注文練習装置100を使用するユーザに特化したキー配置の情報を提示することもできる。
【0068】
また、ここでは、誤答の発生しやすいキー配置の情報をサーバ900に送信することで出力しているが、これは、注文練習装置100において、誤答の多いキーを他のキーとは異なる態様で、ユーザに対して明示する態様で出力することとしてもよい。例えば、各キーの正答率(誤答率)に応じてキーをカラーコンター画像によるグラデーションで表現して、ユーザに誤答を行いやすい箇所を明示することとしてもよい。また、単純に、誤答率の多い問題をランキング表示することとしてもよい。
【0069】
なお、注文練習装置100の練習情報300を収集することで、注文練習装置100を利用するユーザ(店員)の性格や手際の解析に利用したり、当該ユーザ(店員)の評価の一基準に利用したりすることもできる。
【0070】
(5)上記実施の形態において、注文練習装置100の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
【0071】
注文練習装置100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、注文練習装置100は、各機能を実現するソフトウェアである注文練習プログラムの命令を実行するCPU、上記注文練習プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記注文練習プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記注文練習プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記注文練習プログラムは、当該注文練習プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記注文練習プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0072】
なお、上記注文練習プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0073】
(6)上記実施の形態に示した各種の構成、態様は、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
100 注文練習装置
110 提示部
120 入力部
130 計測部
140 判断部
150 評価部
160 出力部
170 制御部
180 情報処理部
181 記憶部
182 表示部
900 サーバ
901 受付部
902 生成部
903 送信部