(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ラベルシート
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20220224BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20220224BHJP
B42F 21/04 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G09F3/02 B
G09F3/10 H
G09F3/10 B
G09F3/02 M
G09F3/02 P
B42F21/04 D
(21)【出願番号】P 2018048124
(22)【出願日】2018-03-15
(62)【分割の表示】P 2017210756の分割
【原出願日】2017-10-31
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴 和典
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽芳
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-509386(JP,A)
【文献】特開2001-296807(JP,A)
【文献】米国特許第06410111(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
B42F 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明フィルムにて構成される基材シートと、
前記基材シートの一面に形成される粘着剤層と、
前記粘着剤層の前記基材シート側とは反対側に配置される用紙シートと、
を積層して形成され、
前記用紙シートは、前記用紙シートを切断する切断線にて囲まれて前記用紙シートから分離可能であり、前記粘着剤層側とは反対側の面に印刷が可能な領域であるラベル部を有し、
前記基材シートは、前記基材シートを切断する切断線にて囲まれるとともに前記ラベル部が前記粘着剤層を介して接着され、前記ラベル部とともに前記基材シートから分離可能な領域であるカバー部を有し、
前記基材シートから分離した前記カバー部により前記ラベル部を被覆し得るラベルシートであって、
前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面
のうち、前記カバー部を前記基材シートから分離したときに前記ラベルシートに留まる部分に、前記カバー部の分離作業を援助するための情報が表示されるとともに、前記情報が前記基材シート越しに視認可能である、
ことを特徴とするラベルシート。
【請求項2】
前記カバー部を除く前記基材シートと前記カバー部とが、同一面に配置されるとともに透明である、
ことを特徴とする請求項1に記載のラベルシート。
【請求項3】
前記カバー部の分離作業を援助するための情報は印刷により形成され、前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面には、前記情報を覆うように剥離処理層が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラベルシート。
【請求項4】
前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、前記カバー部の縁部に対応した輪郭線を表示する、
ことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のラベルシート。
【請求項5】
前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、前記カバー部を前記基材シートから分離させるときの分離開始位置を指し示す矢印形状の分離目印を表示する、
ことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載のラベルシート。
【請求項6】
前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、分離開始位置から剥がし始めた状態の前記カバー部を模した画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載のラベルシート。
【請求項7】
前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面には、前記ラベルシートの使用方法、前記ラベルシートを使用する際の注意事項、および前記ラベルシートの品番、製造者名等、種々の情報を表示し得る、
ことを特徴とする請求項1~請求項6の何れか一項に記載のラベルシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷可能なラベル部と、使用時に前記ラベル部の両面を被覆し得るカバー部とを有するラベルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されるように、透明フィルムにて構成される基材シートと、基材シートの一面に形成される粘着剤層と、粘着剤層の基材シート側とは反対側に配置される用紙シートとを積層して形成され、用紙シートは印刷が可能な領域であるラベル部を有し、基材シートはラベル部が粘着剤層を介して接着される領域であるカバー部を有し、カバー部を基材シートからラベル部とともに分離し、分離したカバー部を二つ折りにすることによって、カバー部によりラベル部の両面を被覆し得るように構成されたラベルシートが知られている。
【0003】
ラベルシートから分離されたラベル部およびカバー部は、例えばファイルや書籍等における用紙の端縁領域に貼り付けることにより見出しとなるインデックスラベルとして利用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるラベルシートにおいては、基材シートが透明フィルムにて形成されるとともに、基材シートと基材シートから分離されるカバー部とが同一面に配置されているため切断線が見えにくくカバー部の位置を認識しづらい。これにより、カバー部の分離開始位置等を把握しにくくなり、カバー部の分離作業が煩雑になるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明においては、カバー部の分離作業を容易にすることができるラベルシートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するラベルシートは、以下の特徴を有する。
即ち、ラベルシートは、透明フィルムにて構成される基材シートと、前記基材シートの一面に形成される粘着剤層と、前記粘着剤層の前記基材シート側とは反対側に配置される用紙シートと、を積層して形成され、前記用紙シートは、前記用紙シートを切断する切断線にて囲まれて前記用紙シートから分離可能であり、前記粘着剤層側とは反対側の面に印刷が可能な領域であるラベル部を有し、前記基材シートは、前記基材シートを切断する切断線にて囲まれるとともに前記ラベル部が前記粘着剤層を介して接着され、前記ラベル部とともに前記基材シートから分離可能な領域であるカバー部を有し、前記基材シートから分離した前記カバー部により前記ラベル部を被覆し得るラベルシートであって、前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面に、前記カバー部の分離作業を援助するための情報が表示されるとともに、前記情報が前記基材シート越しに視認可能であるものである。
【0008】
また、前記カバー部を除く前記基材シートと前記カバー部とが、同一面に配置されるとともに透明であることが好ましい。
【0009】
また、前記カバー部の分離作業を援助するための情報は印刷により形成され、前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面には、前記情報を覆うように剥離処理層が形成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、前記カバー部の縁部に対応した輪郭線を表示することが好ましい。
【0011】
また、前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、前記カバー部を前記基材シートから分離させるときの分離開始位置を指し示す矢印形状の分離目印を表示することが好ましい。
【0012】
また、前記カバー部の分離作業を援助するための情報は、分離開始位置から剥がし始めた状態の前記カバー部を模した画像を表示することが好ましい。
【0013】
また、前記用紙シートにおける前記基材シートと対向する側の面には、前記ラベルシートの使用方法、前記ラベルシートを使用する際の注意事項、および前記ラベルシートの品番、製造者名等、種々の情報を表示し得る。ことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カバー部の分離作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】インデックスラベルシートの基材シート側の面を示す図である。
【
図2】インデックスラベルシートの用紙シート側の面を示す図である。
【
図6】カバー部を用紙シートから剥がすときの様子を示す断面図である。
【
図7】第2印刷層が形成された用紙シートの第1面を示す図である。
【
図8】インデックスラベルシートの使用方法を示す図であって、(a)はカバー部を用紙シートから剥がし始めた状態を示す図であり、(b)はラベル部とともに基材シートから分離したカバー部を用紙の裏面に貼り付ける様子を示す図である。
【
図9】インデックスラベルシートの使用方法を示す図であって、(a)はカバー部の第1カバー部を、折り曲げ線にて第2カバー部の第1面側へ折り曲げる様子を示す図であり、(b)は折り曲げた第1カバー部をプリント面および第1カバー部に貼り合わせる様子を示す図である。
【
図10】インデックスラベルシートの製造方法を説明するための図であって、(a)は第2面に第1印刷層が印刷された状態の用紙シートを示す図であり、(b)は第2面に第1印刷層の上から剥離処理層が形成された状態の用紙シートを示す図であり、(c)は剥離処理層の形成後に基材シートが貼り合わされた状態の用紙シートを示す図である。
【
図11】(a)はカバー部およびラベル部が千鳥状に配置された第1別実施形態に係るインデックスラベルシートを示す図であり、(b)は剥離処理層がライン状に形成され、カバー部およびラベル部が横方向および縦方向に沿って配置された従来のインデックスラベルシートを示す図である。
【
図12】(a)は大きなサイズのカバー部およびラベル部と小さなサイズのカバー部およびラベル部とが配置された第2別実施形態に係るインデックスラベルシートを示す図であり、(b)は剥離処理層がライン状に形成され、大きなサイズのカバー部およびラベル部とともに、小さなサイズのカバー部およびラベル部を配置することができない従来のインデックスラベルシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0017】
[インデックスラベルシート]
図1~
図4に示すインデックスラベルシート1は、本発明に係るラベルシートの一実施形態である。
インデックスラベルシート1は、透明フィルムにて構成される基材シート10と、基材シート10の一面に形成される粘着剤層20と、粘着剤層20の基材シート10側とは反対側に配置される用紙シート30とを積層して形成されており、基材シート10と用紙シート30とが粘着剤層20により貼り合わされている。インデックスラベルシート1は、例えばはがきサイズの大きさに形成されるとともに、例えば140μm程度の厚みに形成されている。
【0018】
基材シート10は、例えばポリプロピレン(PP)等のオレフィン系の樹脂フィルム、またはポリエチレンテレフタレート(PET)等のエステル系の樹脂フィルムにて構成されている。
基材シート10としてポリプロピレンからなる樹脂フィルムを用いた場合は、ポリプロピレンが比較的安価であることから、インデックスラベルシート1を安価に構成することができる。また、基材シート10としてポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムを用いた場合は、ポリエチレンテレフタレートが耐熱性に優れていることから、インデックスラベルシート1に対してプリンタ等により印刷を施す際に、印刷対象が加熱されるレーザプリンタを好適に用いることが可能となる。
【0019】
基材シート10は透明フィルムにより形成されているが、必ずしも完全な無色透明である必要はなく、半透明であったり着色されていたりしたとしても透視可能であればよい。基材シート10は、例えば50μm程度の厚みに形成されている。
なお、以下の説明においては、基材シート10における粘着剤層20が形成される側の面を第1面10aと記載し、基材シート10における粘着剤層20が形成される側とは反対側の面を第2面10bと記載する。
【0020】
粘着剤層20は、基材シート10における第1面10aの全域にわたって形成されている。粘着剤層20は、例えばアクリル系粘着剤により構成することができる。
用紙シート30としては、紙により形成されるシート材、または樹脂フィルムにより形成されるシート材等を用いることができる。用紙シート30を紙により形成する場合は、コート紙、上質紙、およびクラフト紙等の種々の紙を用いることができる。用紙シート30を樹脂フィルムにより形成する場合は、基材シート10の場合と同様に、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレート等からなる樹脂フィルムを用いることができる。用紙シート30は、例えば70μm程度の厚みに形成されている。
【0021】
用紙シート30には、用紙シート30を切断する切断線31が形成されており、切断線31にて囲まれた領域がラベル部35として構成されている。ラベル部35の粘着剤層20側とは反対側の面は、プリンタ等により文字または画像を印刷することが可能なプリント面35aとなっている。ラベル部35は用紙シート30から分離可能に構成されている。
なお、以下の説明においては、用紙シート30の粘着剤層20側とは反対側の面を第1面30aと記載し、用紙シート30の粘着剤層20側の面を第2面30bと記載する。プリント面35aは第1面30aの一部である。
【0022】
基材シート10には、基材シート10を切断する切断線11が形成されており、切断線11にて囲まれた領域がカバー部15として構成されている。カバー部15は基材シート10から分離可能に構成されている。
カバー部15の横方向における中央部には、縦方向に延びるミシン目状の折り曲げ線12が形成されている。カバー部15は、折り曲げ線12の横方向一側(
図1における左側)に配置される第1カバー部15aと、折り曲げ線12の横方向他側(
図1における右側)に配置される第2カバー部15bとを有している。第1カバー部15aと第2カバー部15bとは同じ大きさおよび同じ形状に形成されている。
なお、
図1における左右方向がインデックスラベルシート1の横方向であり、
図1における上下方向がインデックスラベルシート1の縦方向である。
【0023】
第2カバー部15bの第1面10a側には、ラベル部35が粘着剤層20を介して接着されている。第2カバー部15bはラベル部35よりも大きな面積を有しており、ラベル部35は、ラベル部35の外側全周にわたって第2カバー部15bが存在する箇所に配置されている。つまり、ラベル部35は、第2カバー部15bの横方向の両外縁および縦方向の両外縁よりも内側に配置されている。
【0024】
用紙シート30の第2面30bには剥離処理層40が形成されている。剥離処理層40は、例えばシリコン樹脂からなる剥離処理剤により構成されている。剥離処理層40の厚みは、基材シート10、粘着剤層20、および用紙シート30の厚みに比べて、著しく小さく形成されている。
【0025】
図5に示すように、剥離処理層40は、カバー部15におけるラベル部35が接着されている部分を除く領域に対応付けて形成されている。つまり、剥離処理層40は、用紙シート30の第2面30bにおけるラベル部35の外側周囲、かつカバー部15と対向する箇所にのみ対応付けて形成されている。これにより、剥離処理層40は、用紙シート30の第2面30bにおけるラベル部35の外側全周に形成されることになる。
【0026】
用紙シート30の第2面30bにおける剥離処理層40が形成された領域は、基材シート10に形成される粘着剤層20と用紙シート30との間に剥離処理層40が存在する剥離部となっており、
図6に示すように、カバー部15を用紙シート30から容易に剥がすことが可能となっている。カバー部15を用紙シート30から剥がすことにより、カバー部15を基材シート10から分離させることができる。
ただし、ラベル部35は、ラベル部35と粘着剤層20との間に剥離処理層40が形成されておらず粘着剤層20に直接接着された非剥離部を有しているため、カバー部15がラベル部35から剥がれることはなく、ラベル部35はカバー部15に確実に追従して用紙シート30から分離される。このように、カバー部15を基材シート10から分離する際には、ラベル部35もカバー部15に確実に追従して分離される。
【0027】
また、剥離処理層40は、ラベル部35の外側周囲、かつカバー部15と対向する箇所にのみ対応付けて形成されているため、カバー部15のみを確実に用紙シート30から剥離させることができ、基材シート10におけるカバー部15の周囲に位置する余分な箇所が剥離することを抑制できる。本実施形態における剥離処理層40は、カバー部15およびラベル部35の形状、大きさ、配置位置等に応じて任意に形成することが可能であり、ラベル部35の外側周囲、かつカバー部15と対向する箇所にのみ対応付けて形成することができる。
さらに、剥離処理層40を構成する剥離処理剤は比較的高価であるが、剥離処理層40は必要な箇所だけに部分的に設けられているため、剥離処理剤の使用量を減少させることができる。
【0028】
本実施形態においては、カバー部15に対応付けて形成されている剥離処理層40の縁部と、カバー部15の輪郭を形成する基材シート10の切断線11およびラベル部35の輪郭を形成する用紙シート30の切断線31との位置が一致するように、剥離処理層40が形成されている。従って、ラベル部35は全体的に非剥離部となっている。また、カバー部15の外縁よりも外側の部分は全体的に非剥離部となっている。
しかし、カバー部15に対応付けて形成されている剥離処理層40は、カバー部15の外縁よりも若干外側へはみ出すように形成してもよい。また、ラベル部35の外縁よりも若干内側(ラベル部35側)へ入り込むように形成してもよい。
このように、剥離処理層40を切断線11および切断線31の形成箇所よりも若干広めに形成することで、基材シート10に対する切断線11の形成位置、および用紙シート30に対する切断線31の形成位置が若干ずれた場合でも、カバー部15におけるラベル部35以外の部分が非剥離部となることを防止することができ、カバー部15の基材シート10からの分離のし易さを損なうことがない。
【0029】
ラベル部35とともに基材シート10から分離されたカバー部15は、折り曲げ線12にて折り曲げることが可能である。カバー部15を折り曲げ線12にて第1面10a側へ折り曲げて、第1カバー部15aと第2カバー部15bとを重ね合わせることで、第1カバー部15aと第2カバー部15bとを粘着剤層20により互いに貼り合わせることができる。
また、基材シート10から分離したカバー部15を折り曲げ線12にて二つ折りにすることによって、第1カバー部15aおよび第2カバー部15bによってラベル部35の両面を被覆することが可能となっている。
【0030】
この場合、ラベル部35の外側周囲には、全周にわたってカバー部15が存在しているため、ラベル部35の周囲を全体的にカバー部15によって封止することができ、ラベル部35が湿気等によって劣化することを抑制可能である。
また、カバー部15を二つ折りしたときに折り位置が折り曲げ線12から若干ずれた状態で第1カバー部15aと第2カバー部15bとが貼り合わされた場合でも、ラベル部35がカバー部15から露出することがないため、カバー部15の二つ折り作業に高い精度が求められることがなく、作業が容易となる。
【0031】
また、インデックスラベルシート1においては、カバー部15および当該カバー部15に対応するラベル部35は、横方向および縦方向に沿って複数配置されている。インデックスラベルシート1の横方向はシート面に沿った第1方向の一例であり、縦方向は前記第1方向と交差する第2方向の一例である。
横方向および縦方向に沿って配置される複数のカバー部15は、それぞれ隣接するカバー部15とカバー部15とが互いに隙間を隔てて配置されており、隣接するカバー部15とカバー部15との間には隙間部16が形成されている。
【0032】
インデックスラベルシート1の隙間部16が形成された領域には剥離処理層40が形成されておらず、隙間部16が形成された領域は用紙シート30と粘着剤層20とが直接接着された非剥離部を有している。従って、カバー部15を用紙シート30から剥がす際に、隙間部16の基材シート10がカバー部15に連れ立って剥がれることがなく、隙間部16の基材シート10は用紙シート30に接着された状態が保持される。
これにより、用紙シート30から剥がされるカバー部15に対して隙間部16を挟んで横方向および縦方向に隣接するカバー部15が、用紙シート30から剥がされるカバー部15に連れ立って剥がれることを抑制することができる。
【0033】
なお、インデックスラベルシート1においては、縦方向に沿って配置される複数のカバー部15を、隣接するカバー部15とカバー部15との間に隙間を有することなく連続的に配置するとともに、横方向に沿って配置される複数のカバー部15を、隣接するカバー部15とカバー部15との間に隙間部16が形成されるように配置することもできる。
また、横方向に沿って配置される複数のカバー部15を、隣接するカバー部15とカバー部15との間に隙間を有することなく連続的に配置するとともに、縦方向に沿って配置される複数のカバー部15を、隣接するカバー部15とカバー部15との間に隙間部16が形成されるように配置することもできる。
【0034】
つまり、インデックスラベルシート1は、第1方向である横方向に沿って隣接するカバー部15、および第2方向である縦方向に沿って隣接するカバー部15の少なくとも何れか一方が互いに隙間を隔てて配置されるように形成することができる。
但し、横方向に沿って隣接するカバー部15および縦方向に沿って隣接するカバー部15の両方を互いに隙間を隔てて配置した方が、インデックスラベルシート1における非剥離部である隙間部16の面積が大きくなり、インデックスラベルシート1における用紙シート30と基材シート10との全体的な接着力を高めることができるため好ましい。
【0035】
インデックスラベルシート1においては、横方向および縦方向に沿って複数配置されるカバー部15は、基材シート10の外縁よりも、横方向および縦方向の内側に配置されており、基材シート10の外縁と各カバー部15との間には縁部17が形成されている。縁部17は、基材シート10の外縁部分の全周にわたって形成されている。
【0036】
インデックスラベルシート1の縁部17が形成された領域には剥離処理層40が形成されておらず、縁部17が形成された領域は用紙シート30と粘着剤層20とが直接接着された非剥離部を有している。従って、横方向および縦方向に沿って複数配置されるカバー部15の周囲には、広範囲にわたって非剥離部が存在することとなる。
これにより、基材シート10と用紙シート30との接着力が全体的に高くなり、プリンタ等でラベル部35への印刷を行う際に、インデックスラベルシート1を搬送するローラ等から加わる外力によって用紙シート30と基材シート10との間に位置ずれが生じたり、用紙シート30と基材シート10とが剥がれたりすることを抑制できる。
【0037】
但し、縁部17は、少なくともプリンタ等によってインデックスラベルシート1に印刷を施す際の、インデックスラベルシート1の送り方向前部と送り方向の両側部の3辺に形成すれば、インデックスラベルシート1を搬送する際の用紙シート30と基材シート10との間の位置ずれおよび剥がれを抑制することが可能である。
【0038】
また、横方向および縦方向に沿って複数配置されるカバー部15を、基材シート10の外縁よりも、横方向および縦方向の何れか一方の内側に配置して縁部17を形成した場合であっても、インデックスラベルシート1における非剥離部の面積を大きくして、基材シート10と用紙シート30との接着力を高めることが可能である。
但し、カバー部15を、基材シート10の外縁よりも横方向および縦方向の両方の内側に配置して縁部17を形成した場合、ならびに基材シート10の外縁よりも前記送り方向前部および前記送り方向の両側部の内側に形成した場合の方が、用紙シート30と基材シート10との接着力を高める度合を大きくすることができるため好ましい。
【0039】
また、インデックスラベルシート1においては、カバー部15を横方向および縦方向に沿って複数配置すると、例えばカバー部15を1枚だけ配置した場合に比べて、各カバー部15およびラベル部35が小さな寸法の小片となり、カバー部15とラベル部35との接着面積が小さくなる傾向にある。
しかし、カバー部15におけるラベル部35が接着されている領域は非剥離部を有しているため、カバー部15とラベル部35との接着面積が小さくても、カバー部15を基材シート10から分離するときにラベル部35をカバー部15に確実に追従させることが可能になっている。
【0040】
また、
図1、
図5に示すように、インデックスラベルシート1においては、用紙シート30の第2面30bに文字または画像が印刷された第1印刷層36を有している。
用紙シート30の第2面30bにおいては、第1印刷層36によって、例えば、カバー部15を剥がして基材シート10から分離させるときの分離開始位置を指し示す分離目印36a、分離開始位置から剥がし始めた状態のカバー部15を模した画像36b、分離目印36aが付された位置を目安にしてカバー部15を剥がし始めることを使用者に促すための説明文36c、基材シート10における切断線11が存在する箇所を示すカバー部15の輪郭線36d、および基材シート10における折り曲げ線12が存在する箇所を示す折り曲げ線表示部36eが表示されている。輪郭線36dは、基材シート10に形成される切断線11と重なる位置に形成されている。折り曲げ線表示部36eは、基材シート10に形成される折り曲げ線12と重なる位置に形成されている。
用紙シート30の第2面30bには基材シート10が貼り合わされているが、基材シート10は透明フィルムにて形成されているため、第2面30bに形成された第1印刷層36を基材シート10越しに見ることが可能である。
【0041】
インデックスラベルシート1においては、基材シート10が透明フィルムにて形成されるとともに、基材シート10と基材シート10から分離されるカバー部15とが同一面に配置されているため切断線11が見えにくくカバー部15の位置を認識しづらい。これにより、カバー部15の分離開始位置等を把握しにくくなり、カバー部15の分離作業が煩雑になるおそれがある。
しかし、インデックスラベルシート1においては、第1印刷層36により分離目印36a、画像36b、説明文36c、輪郭線36d、および折り曲げ線表示部36e等のカバー部15の分離作業を援助するための情報を表示しているため、使用者はカバー部15の位置や剥離開始位置等を基材シート10越しに確認することができ、カバー部15の分離作業を容易にすることが可能になっている。
特に、第1印刷層36により分離目印36aを表示することで、使用者がカバー部15の剥離開始位置を容易に認識することが可能となるため、カバー部15の分離作業が容易になる。
このように、用紙シート30の第2面30bに第1印刷層36を形成して、カバー部15を基材シート10から分離する際の作業を援助するための情報を表示することで、カバー部15の分離作業を容易にすることができる。
【0042】
また、第1印刷層36によって表示される情報のうち、分離目印36aおよび説明文36cは、隙間部16および縁部17のように、カバー部15を基材シート10から分離した際に、インデックスラベルシート1に基材シート10が残る部分に配置されている。
このように、カバー部15を分離した際に基材シート10が残る部分に第1印刷層36を形成した場合、第1印刷層36はインデックスラベルシート1から分離したラベル部35に付いてくることがなく、インデックスラベルシート1に留まることとなる。これにより、カバー部15およびラベル部35の使用時にラベル部35に余分な情報が表示されることがなく、ラベル部35の見栄えを損なうことがない。
一方、例えばカバー部15とともに分離されるラベル部35の部分に第1印刷層36を形成した場合は、カバー部15およびラベル部35をインデックスラベルシート1から分離して使用する際に、第1印刷層36は分離されたラベル部35に付されたままになる。従って、カバー部15およびラベル部35の使用時にラベル部35に余分な情報が表示されることとなり、ラベル部35の見栄えを損なうおそれがある。
【0043】
用紙シート30の第2面30bには、第1印刷層36によって、インデックスラベルシート1の使用方法、インデックスラベルシート1を使用する際の注意事項、およびインデックスラベルシート1の品番、製造者名等、種々の情報を表示することが可能である。
【0044】
また、
図7に示すように、インデックスラベルシート1においては、用紙シート30の第1面30aに文字または画像が印刷された第2印刷層37を形成することができる。
用紙シート30の第1面30aにおいては、第2印刷層37によって、例えば、ラベル部35の周縁部を縁取った縁取り部37a、カバー部15の輪郭線を示す輪郭線表示部37b、ラベル部35のプリント面35aに印刷を行う場合の、インデックスラベルシート1のプリンタ等に対する差し込み方向を示す目印37c、ラベル部35のプリント面35aに印刷する文字等の向きに関する注意事項37d、および折り曲げ線12の位置を示す折り曲げ線表示部37eが表示されている。
【0045】
例えば用紙シート30を透明でない紙にて形成した場合、用紙シート30の第1面30a側からはカバー部15を見ることができないためラベル部35とカバー部15との位置関係を把握しにくく、使用者がプリント面35aに対して誤った方向に印刷を施す等、インデックスラベルシート1を誤使用するおそれがある。
しかし、プリント面35aが形成される用紙シート30の第1面30aに第2印刷層37を形成して、縁取り部37a、輪郭線表示部37b、目印37c、注意事項37d、および折り曲げ線表示部37e等を表示することで、ラベル部35とカバー部15との位置関係、ならびにプリント面35aに印刷を行う際の印刷位置、印刷方向、および注意点等を容易に把握することができる。これにより、プリント面35aに対する印刷方向を間違ってしまう等といった、インデックスラベルシート1の誤使用を抑制することが可能となる。
【0046】
用紙シート30の第1面30aには、第2印刷層37によって、インデックスラベルシート1の使用方法、インデックスラベルシート1を使用する際の注意事項、およびインデックスラベルシート1の品番、製造者名等、種々の情報を表示することが可能である。
第2印刷層37は、用紙シート30の第1面30aにおけるプリント面35a以外の部分であれば、適宜箇所に形成することができる。
なお、
図2においては、用紙シート30の第1面30aに、第2印刷層37として縁取り部37aのみを形成した例を示している。
【0047】
インデックスラベルシート1においては、透明フィルムにて形成された用紙シート30の第2面30bに第1印刷層36を形成するとともに第1面30aに第2印刷層37を形成した場合、例えば用紙シート30を第1面30a側から見ると、第1面30aの第2印刷層37による表示に混じって、第2面30bの第1印刷層36による表示が逆さまに映って見えるため、第1面30aの第2印刷層37による表示が確認しにくくなる。また、用紙シート30を第2面30b側から見た場合も、第2面30bの第1印刷層36による表示に混じって、第1面30aの第2印刷層37による表示が逆さまに映って見えるため、第2面30bの第1印刷層36による表示が確認しにくくなる。
さらに、用紙シート30を第2面30b側から見たときに、ラベル部35のプリント面35aに印刷された表示が逆さまに映って見えるため、プリント面35aの表示内容を誤って把握してしまうおそれがある。
【0048】
これに対し、用紙シート30を透明でない紙にて形成すると、用紙シート30を第1面30a側から見た場合には第1面30aの第2印刷層37による表示のみが見え、用紙シート30を第2面30b側から見た場合には第2面30bの第1印刷層36による表示のみが見えるため、第1面30aの第2印刷層37による表示、および第2面30bの第1印刷層36による表示がともに確認し易くなる。
また、ラベル部35のプリント面35aに印刷された表示は用紙シート30の第2面側からは見えないため、プリント面35aの表示内容を誤って把握してしまうことがない。
【0049】
なお、本実施形態においては、カバー部15および当該カバー部15に対応するラベル部35は、横方向および縦方向に沿って複数配置されているが、カバー部15およびラベル部35はインデックスラベルシート1に1枚だけ設けることも可能である。また、カバー部15およびラベル部35は横方向および縦方向の一方にのみ沿って複数設けることも可能である。
【0050】
[インデックスラベルシートの使用方法]
このように構成されるインデックスラベルシート1からラベル部35とともに分離したカバー部15は、ファイルや書籍等の用紙の端縁領域に貼り付けることにより見出しとなるインデックスラベルとして使用することができる。
以下に、インデックスラベルシート1の使用方法について説明する。
【0051】
図8(a)に示すように、インデックスラベルシート1を使用する際には、まずプリンタ等によってラベル部35のプリント面35aに所望の文字または画像を印刷する。または、使用者がプリント面35aに所望の文字または画像を記載する。
プリント面35aに印刷等を施した後、インデックスラベルシート1を、基材シート10の第2面10bが使用者の側を向くように配置する。
使用者は、カバー部15の分離目印36aが付された箇所の隅部を手で摘まんで用紙シート30から剥がし、カバー部15をラベル部35とともに基材シート10から分離させる。本実施形態の場合、分離目印36aは、
図8(a)におけるカバー部15の左下の隅部の近傍に配置されており、使用者はカバー部15の左下の隅部を右手の親指と人差し指で摘まんで剥がすことによりカバー部15を基材シート10から分離させている。
【0052】
図8(b)に示すように、使用者は、基材シート10から分離させたカバー部15における第2カバー部15bの第1面10aを用紙Pの裏面に貼り付ける。本実施形態においては、カバー部15を用紙Pの右側の端部領域に貼り付けている。
次に、
図9(a)に示すように、使用者はカバー部15の第1カバー部15aを、折り曲げ線12にて第2カバー部15bの第1面10a側へ折り曲げる。さらに、
図9(b)に示すように、折り曲げた第1カバー部15aの第1面10aを、ラベル部35のプリント面35aおよび第1カバー部15aの第1面10aに貼り合わせる。これにより、ラベル部35の両面およびラベル部35の外側周囲が全体的にカバー部15により被覆されるとともに、カバー部15およびラベル部35が用紙Pに取り付けられる。
【0053】
本実施形態の場合、分離目印36aを、
図8(a)におけるカバー部15の左下の隅部の近傍に配置して、この部分からカバー部15を剥がし始めることを使用者に促しているが、使用者は、第1カバー部15aの左下の隅部を右手で摘まんで剥がすことにより、カバー部15を剥がすときに摘まんだ状態から持ち替えることなく、用紙Pの右側の端部領域に貼り付けることが可能となる。
これにより、使用者の手がカバー部15の粘着剤層20に触れる面積を最小限に抑えることができ、用紙Pに貼り付けた際のカバー部15の見栄え、およびカバー部15の用紙Pに対する接着力を損なうことがない。また、カバー部15の用紙Pに対する貼り付け作業を簡便にすることができる。
【0054】
[インデックスラベルシートの製造方法]
次に、インデックスラベルシート1の製造方法について説明する。
インデックスラベルシート1を製造する際には、まず
図10(a)に示すように、用紙シート30の第2面30bに第1印刷層36を印刷する。この場合、第2面30bに対する第1印刷層36の印刷と同時に、または第1印刷層36の印刷の前後に、用紙シート30の第1面30aに第2印刷層37を印刷することができる。
図10(b)に示すように、第1印刷層36を印刷した後、用紙シート30の第2面30bに対して第1印刷層36の上から剥離処理層40を形成する。この場合、剥離処理層40は、カバー部15およびラベル部35の形状および配置位置等に応じて、任意の形状および位置等に形成することができる。
【0055】
図10(c)に示すように、剥離処理層40を形成した後、予め第1面10aに粘着剤層20が形成された基材シート10を用紙シート30に貼り合わせる。この場合、用紙シート30と基材シート10とは、用紙シート30の第2面30bと基材シート10の第1面とが対向するように貼り合わせる。
また、用紙シート30に剥離処理層40を形成した後に、剥離処理層40の上に粘着剤層20を形成し、さらに形成された粘着剤層20の上に基材シート10を積層することにより、基材シート10と用紙シート30とを貼り合わせてもよい。つまり、用紙シート30、剥離処理層40、粘着剤層20、および基材シート10から成る積層体は、用紙シート30、剥離処理層40、粘着剤層20、および基材シート10の順に積層されていれば、その作製方法は問わない。
【0056】
次に、貼り合わせた用紙シート30および基材シート10に対して、用紙シート30側からハーフカットして用紙シート30に切断線31を形成するとともに、基材シート10側からハーフカットして基材シート10に切断線11および折り曲げ線12を形成する。これにより、用紙シート30にラベル部35が形成され、基材シート10にカバー部15が形成される。
【0057】
製造されたインデックスラベルシート1においては、用紙シート30の第2面30bに基材シート10が貼り合わされているので、用紙シート30の第2面30bに印刷した第1印刷層36による表示内容を、透明フィルムにて形成された基材シート10越しに確認することが可能となる。
また、用紙シート30の第2面30bには、第1印刷層36を形成した後に剥離処理層40を形成しているので、カバー部15が形成されている領域に第1印刷層36を印刷したとしても、第1印刷層36と基材シート10の粘着剤層20との間に剥離処理層40が介在することとなり、第1印刷層36と粘着剤層20とが接触することがない。これにより、基材シート10から分離したカバー部15の粘着剤層20に第1印刷層36が付着することがなく、カバー部15が第1印刷層36によって汚れることを防止できる。
【0058】
[インデックスラベルシートの別実施形態]
図11(a)に示すインデックスラベルシート101は、本発明に係るラベルシートの第1別実施形態である。
インデックスラベルシート101においては、カバー部115および当該カバー部115に対応するラベル部135が、横方向である第1方向d1と、横方向と交差する斜め方向である第2方向d2とに沿って、千鳥状に複数配置されている。第1方向d1に隣接するカバー部115とカバー部115との間、および第2方向d2に隣接するカバー部115とカバー部115との間には、それぞれ隙間が形成されている。また、縦方向に隣接するカバー部115とカバー部115との間にも隙間が形成されている。
【0059】
カバー部115の第1カバー部115aおよび第2カバー部115bは、それぞれ台形状に形成されており、第1カバー部115aの上底側端部と第2カバー部115b上底側端部とが連結されることによりカバー部115が形成されている。ラベル部135は、第2カバー部115bよりも小さな台形状に形成されており、第2カバー部115bに接着されている。剥離処理層140は、用紙シート130の第2面130bに、カバー部115およびラベル部135の形状、配置位置等に対応して形成されている。
【0060】
本実施形態の剥離処理層140は、カバー部115およびラベル部135の形状、配置位置等に応じて任意に形成することができるため、
図11(a)に示すようにカバー部115を千鳥状に配置することが可能となっている。
また、台形状の第1カバー部115aと第2カバー部115bとを連結した形状のカバー部115の場合、複数のカバー部115を千鳥状に配置することで、縦方向に隣接するカバー部115同士の間隔を小さくして配置することができる。これにより、インデックスラベルシート101にカバー部115を高密度で配置することが可能となり、1枚のインデックスラベルシート101に多くのカバー部115を配置することができる。
【0061】
一方、
図11(b)に示す従来のインデックスラベルシート201のように、剥離処理層240が用紙シート230の第2面230bに縦方向に沿ってライン状に形成されていると、カバー部215のラベル部235が形成されている箇所以外の部分に剥離処理層240を形成するためには、カバー部215は、横方向と、横方向と直交する縦方向に沿って配置する必要がある。
インデックスラベルシート201においては、横方向に沿って配置される複数のカバー部215は、隣接するカバー部215とカバー部215との間に隙間を有することなく連続的に配置されている。また、縦方向に沿って配置される複数のカバー部215は、隣接するカバー部215とカバー部215との間に隙間が形成されるように配置されている。
【0062】
台形状の第1カバー部215aと第2カバー部215bとを連結した形状のカバー部215を横方向および縦方向に沿って配置すると、縦方向に隣接するカバー部215とカバー部215との間に生じる隙間が大きくなってしまう。従って、インデックスラベルシート201に配置されるカバー部215の密度が低くなり、1枚のインデックスラベルシート201に配置できるカバー部215の数が少なくなる。
また、剥離処理層240が縦方向に沿ってライン状に形成されており、ラベル部235における縦方向の両端部外側にカバー部215が存在しないため、カバー部215を二つ折りしてラベル部235の両面を被覆したときに、ラベル部235の縦方向両端縁が露出することとなる。
【0063】
図12(a)に示すインデックスラベルシート301は、本発明に係るラベルシートの第2別実施形態である。
インデックスラベルシート301においては、大きなサイズのカバー部315Aおよびラベル部335Aと、カバー部315Aおよびラベル部335Aよりも小さなサイズのカバー部315Bおよびラベル部335Bとが、それぞれ横方向および縦方向に沿って複数配置されている。横方向に隣接するカバー部315Aとカバー部315Aとの間、および縦方向に隣接するカバー部315Aとカバー部315Aとの間には、それぞれ隙間が形成されている。また、横方向に隣接するカバー部315Bとカバー部315Bとの間、および縦方向に隣接するカバー部315Bとカバー部315Bとの間には、それぞれ隙間が形成されている。さらに、縦方向に隣接するカバー部315Aとカバー部315Bとの間には隙間が形成されている。
【0064】
用紙シート330の第2面330bに形成される本実施形態の剥離処理層340は、カバー部315およびラベル部335の形状、大きさ、配置位置等に対応して任意に形成することができるため、
図12(a)に示すように大きなサイズのカバー部315Aと、小さなサイズのカバー部315Bとを、それぞれ横方向および縦方向に沿って複数配置することが可能となっている。
このように、複数のサイズのカバー部315Aおよびカバー部315Bを、1枚のインデックスラベルシート301に配置することが可能であるため、インデックスラベルシート301の汎用性を向上することができる。
【0065】
一方、
図12(b)に示す従来のインデックスラベルシート401のように、剥離処理層440を用紙シート430の第2面430bに縦方向に沿ってライン状に形成した場合、大きなサイズのカバー部415Aおよびラベル部435Aに合わせて剥離処理層440を形成すると、カバー部415Aおよびラベル部435Aよりも小さなサイズのカバー部415Bおよびラベル部435Bが配置できなくなることがある。
【0066】
つまり、
図12(b)に示すように、インデックスラベルシート401においては、縦方向および横方向に沿って配置される大きなサイズのカバー部415Aおよびラベル部435Aに合わせて剥離処理層440がライン状に形成されている。
このように剥離処理層440がライン状に形成されるインデックスラベルシート401に小さなサイズのカバー部415Bおよびラベル部435Bを配置しようとすると、ラベル部435Bの横方向の長さ寸法に対して剥離処理層440が形成されていない箇所の横方向の長さ寸法が大きいため、カバー部415Bの一部の領域(
図13(b)においてラベル部435Bよりも右側の領域)に剥離処理層440を配置することができなない。このような場合は、小さなサイズのカバー部415Bおよびラベル部435Bをインデックスラベルシート401に配置することができない。
【0067】
また、インデックスラベルシート401においては、縦方向に沿って配置される複数のカバー部415は、隣接するカバー部415とカバー部415との間に隙間が形成されるように配置されているが、横方向に沿って配置される複数のカバー部215は、ライン状に形成される剥離処理層440に対応して、隣接するカバー部415とカバー部415との間に隙間を有することなく連続的に配置されている。
【0068】
なお、上記の実施形態においては、ラベルシートをインデックスラベルシートに適用した例について説明したが、これに限るものではなく、ラベルシートから分離したカバー部によりラベル部の両面を覆うものであれば、会員証、名札、およびIDカード等のように、他の用途に用いられるラベルシートにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 インデックスラベルシート
10 基材シート
10a 第1面
10b 第2面
11 切断線
12 折り曲げ線
15 カバー部
15a 第1カバー部
15b 第2カバー部
16 隙間部
17 縁部
20 粘着剤層
30 用紙シート
30a 第1面
30b 第2面
31 切断線
35 ラベル部
35a プリント面
36 第1印刷層
36a 分離目印
36b 画像
36c 説明文
36d 輪郭線
36e 折り曲げ線表示部
37 第2印刷層
40 剥離処理層