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  • 特許-異物検出装置および異物検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】異物検出装置および異物検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/10 20060101AFI20220224BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G01V8/10 S
G01V8/10 U
G01N21/88 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018080485
(22)【出願日】2018-04-19
(65)【公開番号】P2019190865
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】田中 彬裕
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 格
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0197335(US,A1)
【文献】特開平2-40542(JP,A)
【文献】特開2000-28544(JP,A)
【文献】特開2008-209211(JP,A)
【文献】特開2004-301690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0248526(US,A1)
【文献】特開2002-139458(JP,A)
【文献】特開2013-164338(JP,A)
【文献】国際公開第2005/111583(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/00-21/01
21/17-21/61
21/84-21/958
G01V 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外光を出射する光源部(3)と、
前記近赤外光が照射された葉菜類(W)を撮像する撮像部(4)と、
前記撮像部が撮像した近赤外画像における前記葉菜類と異物としての虫(M)の光のスペクトルの吸収の違いを利用して前記近赤外画像中の前記葉菜類に付着した虫の有無を判別する異物判別手段(6c)とを備えたことを特徴とする異物検出装置。
【請求項2】
前記光源部(3)は、近赤外領域において前記虫(M)が前記葉菜類(W)に対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む波長範囲から選択される波長を中心波長とする近赤外光、または前記波長範囲で分光される複数波長の近赤外光を出射することを特徴とする請求項1記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記撮像部(4)は、近赤外領域において前記虫(M)が前記葉菜類(W)に対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む波長範囲で複数波長に分光した近赤外画像を出力することを特徴とする請求項1記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記異物判別手段(6c)は、複数波長に分光された前記近赤外画像に基づいて、当該近赤外画像中の前記虫が強調されるような画像処理を施す画像処理手段(6d)を備えたことを特徴とする請求項3に記載の異物検出装置。
【請求項5】
近赤外光を出射するステップと、
前記近赤外光が照射された葉菜類(W)を撮像するステップと、
前記葉菜類を撮像した近赤外画像における前記葉菜類と異物としての虫(M)の光のスペクトルの吸収の違いを利用して前記近赤外画像中の前記葉菜類に付着した虫の有無を判別するステップとを含むことを特徴とする異物検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造ライン上を順次搬送されてくる被検査物としての葉菜類に付着した虫を異物として検出する異物検出装置および異物検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造ライン上を順次搬送されてくる被検査物中の異物を検出する装置として、例えば下記特許文献1に開示されるX線異物検出装置が知られている。このX線異物検出装置では、製造ライン上を順次搬送されてくる被検査物にX線を照射し、このX線を照射したときのX線透過量から被検査物に異物が混入しているか否かを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-139458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置では、例えばレタスなどの葉菜類を被検査物とし、1枚1枚搬送されてくる葉菜類に付着した虫を異物として検出する場合、X線透過量に基づくX線透過画像が物質の密度に由来する濃淡画像であるため、ほぼ同程度の密度と考えられる葉菜類と虫ではコントラストに差が出ず、異物である虫の検出が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、葉菜類に付着した虫を異物として検出することができる異物検出装置および異物検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された異物検出装置は、近赤外光を出射する光源部3と、
前記近赤外光が照射された葉菜類Wを撮像する撮像部4と、
前記撮像部が撮像した近赤外画像における前記葉菜類と異物としての虫Mの光のスペクトルの吸収の違いを利用して前記近赤外画像中の前記葉菜類に付着した虫の有無を判別する異物判別手段6cとを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載された異物検出装置は、請求項1の異物検出装置において、
前記光源部3は、近赤外領域において前記虫Mが前記葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む波長範囲から選択される波長を中心波長とする近赤外光、または前記波長範囲で分光される複数波長の近赤外光を出射することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載された異物検出装置は、請求項1の異物検出装置において、
前記撮像部4は、近赤外領域において前記虫Mが前記葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む波長範囲で複数波長に分光した近赤外画像を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載された異物検出装置は、請求項3の異物検出装置において、
前記異物判別手段6cは、複数波長に分光された前記近赤外画像に基づいて、当該近赤外画像中の前記虫が強調されるような画像処理を施す画像処理手段6dを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載された異物検出方法は、近赤外光を出射するステップと、
前記近赤外光が照射された葉菜類Wを撮像するステップと、
前記葉菜類を撮像した近赤外画像における前記葉菜類と異物としての虫Mの光のスペクトルの吸収の違いを利用して前記近赤外画像中の前記葉菜類に付着した虫の有無を判別するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、葉菜類に近赤外光を照射したときの葉菜類と虫の吸収特性の違いを利用して近赤外画像中の葉菜類に付着した虫を異物として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る異物検出装置の概略構成を示す図である。
図2】近赤外領域における葉菜類と虫の波長-強度特性の一例を示す図である。
図3】(a),(b)画像処理前の近赤外画像の一部を示す図、(c),(d)画像処理後の近赤外画像の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
[本発明の概要]
近赤外光は物質ごとに特徴的な吸収特性を示すことが知られている。本発明は、近赤外光の吸収特性を利用した物質の識別が可能であることに着目し、近赤外光を葉菜類に照射したときの葉菜類と虫の光のスペクトルの吸収の違いを利用して葉菜類に付着した虫を異物として検出するものである。
【0015】
[異物検出装置の構成]
本実施の形態の異物検出装置は、製造ラインの一部に組み込まれ、所定間隔おきに順次搬送されてくる葉菜類を被検査物とし、葉菜類に付着した虫を異物として検出するものである。
【0016】
なお、被検査物としての葉菜類には、例えばレタス、ホウレンソウ、コマツナなどがある。また、異物として検出される虫は、例えばカメムシ、テントウムシ、アオムシなどである。
【0017】
図1に示すように、異物検出装置1は、葉菜類(被検査物)Wに付着した虫(異物)Mを検出するため、搬送部2、光源部3、撮像部4、設定操作部5、制御部6、表示部7を含んで概略構成される。
【0018】
搬送部2は、検査対象である葉菜類Wを1枚1枚重ならずに搬送路上で所定間隔おきに順次搬送するもので、例えば装置本体に対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。
【0019】
搬送部としてのベルトコンベア2は、所定の隙間Sを空けて配置される搬入側コンベア2aと搬出側コンベア2bを備える。搬入側コンベア2aおよび搬出側コンベア2bは、葉菜類Wに付着した虫Mの検出を行うときに、設定操作部5で設定された搬送速度により制御部6にて駆動制御される。これにより、葉菜類Wは、搬入側コンベア2aおよび搬出側コンベア2b上を図1の搬送方向Xに1枚1枚重ならず所定間隔おきに搬送される。
【0020】
光源部3は、例えばハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)などで構成され、搬送部2にて順次搬送される1枚1枚の葉菜類Wに照射するための近赤外光を出射する複数の光源3a,3bを備える。
【0021】
図1の例では、ベルトコンベア2の隙間Sから斜め上方に対向配置される2つの光源3aと、ベルトコンベア2の隙間Sから斜め下方に対向配置される2つの光源3bとから光源部3が構成される。そして、4つの光源3a,3bによる斜め4方向からベルトコンベア2上の葉菜類Wの表面および裏面に対して近赤外光を満遍なく照射する。
【0022】
光源部3(光源3a,3b)は、近赤外領域において虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む近赤外光、すなわち、近赤外領域において虫Mと葉菜類Wで吸収特性の異なる波長帯域の近赤外光を出射する。さらに説明すると、例えば葉菜類Wがレタス、虫Mがカメムシの場合には、近赤外領域において図2に示すような波長-強度特性(葉菜類W:点線、虫M:実線)が得られる。そして、近赤外領域において図2の1200~1230nmの波長範囲では、虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を示していることが判る。
【0023】
そこで、本実施の形態の光源部3(光源3a,3b)は、1200~1230nmの波長範囲から選択される波長(例えば1215nm)を中心波長とする近赤外光、または1200~1230nmを含む波長範囲で分光された複数波長の近赤外光を出射する。
【0024】
なお、光源部3(光源3a,3b)が出射する近赤外光は、近赤外光を葉菜類Wと虫Mに照射したときの強度の差が大きい波長を含むのが好ましい。加えて、葉菜類Wに対して虫Mがより多くの近赤外光を吸収する波長を含むのが好ましい。例えば図2に示す波長-強度特性の場合には、1210nm前後の波長を含むのが好ましい。
【0025】
撮像部4は、光源部3から近赤外光が照射された状態でベルトコンベア2上を搬送される葉菜類Wを撮像するもので、近赤外分光カメラで構成される。近赤外分光カメラ4は、撮像対象の葉菜類Wの像(イメージ)の各点について光の強度情報とスペクトル情報(複数種類の波長の光の強度分布情報)を捉え、近赤外領域において虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する1200~1230nmを含む波長範囲(例えば900~1700nm)を等間隔の波長で分光した複数波長の近赤外画像を出力する。
【0026】
具体的には、図1に示すように、ベルトコンベア2の隙間Sの上下に対向配置される2台の近赤外分光カメラ4a,4bにより撮像部4を構成する。そして、ベルトコンベア2の隙間Sの上下方向から2台の近赤外分光カメラ4a,4bで葉菜類Wの表面および裏面を撮像し、近赤外領域の例えば900~1700nmの波長範囲を等間隔の波長で分光した複数波長の近赤外画像を出力する。
【0027】
設定操作部5は、装置本体に設けられる例えばキー、押しボタン、スイッチ、表示部8の表示画面上のソフトキーなどで構成される。設定操作部5は、例えば異物検出装置1の電源オン・オフ、検査対象の葉菜類Wの種類や検査数、搬入側コンベア2aおよび搬出側コンベア2bの搬送速度の設定、特定波長(虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長範囲(例えば1200~1230nm)の波長)において葉菜類Wと虫Mを区別するための強度閾値、近赤外画像の画像処理時に使用する各種パラメータ(波長間隔、重み係数、データ数、データ間隔など)の設定などを行う際に操作される。
【0028】
制御部6は、異物検出装置1の各部を統括制御するもので、搬送制御手段6a、光源制御手段6b、異物判別手段6cを備える。
【0029】
搬送制御手段6aは、葉菜類Wが図1の搬送方向Xに1枚1枚重ならず所定間隔おきに一定速度で搬送されるように、搬送部2の搬入側コンベア2aおよび搬出側コンベア2bを駆動制御する。
【0030】
光源制御手段6bは、葉菜類Wの表面および裏面に対して満遍なく近赤外光を照射するように、光源部3の各光源3a,3bを駆動制御する。
【0031】
異物判別手段6cは、撮像部4が出力する近赤外画像における葉菜類Wと虫Mの光のスペクトルの吸収の違いを利用して近赤外画像中の葉菜類Wに付着した虫Mの有無を判別する。さらに説明すると、異物判別手段6cは、撮像部4が出力する複数波長の近赤外画像のうち特定波長(虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長範囲の波長)の近赤外画像において、予め設定される強度閾値より小さい、または大きい強度の画素の塊が存在すると、異物としての虫Mが葉菜類Wに付着していると判別する。
【0032】
また、異物判別手段6cは、近赤外画像上の葉菜類Wに付着した虫Mを強調するため、撮像部4から得られる複数波長の近赤外画像を画像処理する画像処理手段6dを含む。
【0033】
画像処理手段6dは、例えば撮像部4にて分光された複数波長の近赤外画像に対し、例えば各画素ごとの強度の和、差、比、微分値、相関係数を計算し、その計算結果に基づいて虫Mのみを強調して画像処理した新たな近赤外画像を作成する。
【0034】
なお、画像処理手段6dは、撮像部4から取得した近赤外画像中の虫Mのみを強調する画像処理を行っており、その手法については特に限定されないものである。
【0035】
異物判別手段6cは、別の判別処理として、画像処理手段6dの画像処理によって得られる近赤外画像中に虫Mのみが強調された領域(例えば図3(c),(d)の丸で囲まれた領域)が存在すると、異物としての虫Mが葉菜類Wに付着していると判別する。
【0036】
表示部7は、例えば液晶表示器などの表示装置で構成され、例えば撮像部4にて撮像された複数波長の近赤外画像、画像処理手段6dの画像処理により虫Mのみが強調された近赤外画像、葉菜類Wの種類ごとの検査結果(検査総数、正常数、異常数)などを表示画面に表示する。
【0037】
[異物検出方法]
次に、上記のように構成される異物検出装置1を用いて葉菜類Wに付着した虫Mを異物として検出する方法について説明する。
【0038】
葉菜類Wに付着した虫Mを異物として検出するにあたっては、ベルトコンベア2にて葉菜類Wを所定間隔をおいて1枚1枚重ならずに搬送する。そして、ベルトコンベア2にて搬送される葉菜類Wに対し、光源3a,3bが出射する近赤外光を上下斜め方向から照射する。このとき、光源3a,3bは、近赤外領域における1200~1230nmの波長範囲から選択される波長を中心波長とする近赤外光、または近赤外領域の1200~1230nmを含む波長範囲で分光された複数波長の近赤外光を出射する。
【0039】
次に、搬入側コンベア2aと搬出側コンベア2bの隙間Sの上下方向から2台の近赤外分光カメラ4a,4bにて葉菜類Wの表面および裏面を撮像する。これにより、2台の近赤外分光カメラ4a,4bは、近赤外領域の1200~1230nmを含む波長範囲で複数波長に分光した近赤外画像を出力する。
【0040】
そして、異物判別手段6cは、2台の近赤外分光カメラ4a,4bが出力する複数波長の近赤外画像のうち特定波長の近赤外画像(例えば1215nmの近赤外画像、1200~1230nmの近赤外画像など)において、予め設定される強度閾値より小さい、または大きい強度の画素の塊が存在すると、異物としての虫Mが葉菜類Wに付着していると判別する。
【0041】
また、別の判別処理として、異物判別手段6cに含まれる画像処理手段6dは、2台の近赤外分光カメラ4a,4bにて複数波長に分光された近赤外画像中の虫Mのみが強調されるように所定の画像処理を施して新たな近赤外画像を作成する。
【0042】
ここで、図3(a),(b)は画像処理前の複数波長を総和した近赤外画像の各例を示す図、図3(c),(d)は画像処理後の近赤外画像の各例を示す図である。なお、各図の例では、丸で囲まれる部分に虫(異物)Mが存在している。
【0043】
図3(a),(b)に示すように、画像処理手段6dによる画像処理前の複数波長を総和した近赤外画像D1,D2上では、葉菜類Wと虫Mの区別がつきにくく、虫Mが存在する位置を特定しずらい。これに対し、図3(c),(d)に示すように、画像処理手段6cによる画像処理後の近赤外画像D3,D4上では、虫Mが全体的に強調され、葉菜類Wと虫Mの区別が明確となり、虫Mが存在する位置も特定できる。
【0044】
なお、図3(c),(d)の近赤外画像は、近赤外分光カメラ4a,4bが出力する複数波長の近赤外画像それぞれに対して予め計算して設定される重み係数を乗算し、重み係数を乗算した複数波長の近赤外画像の総和から得られる微分画像である。すなわち、画像処理としてサビツキー・ゴーレー法による2次微分を採用することにより、平滑化とともに吸収ピークが強調された図3(c),(d)の近赤外画像が得られる。
【0045】
なお、画像処理手段6dによる画像処理は2次微分に限らない。例えば、各画素ごとに相関係数を計算する方法もある。これは、図2のような測定対象の波長-強度特性があらかじめ得られている場合に、各画素ごとに複数波長の測定結果と波長-強度特性との相関を取る方法である。これによって各画素ごとに、その場所が例えば葉菜類Wであるのか、虫Mであるのか、あるいは対象物が無い部分なのかを判別することができる。また、画像処理手段6dは、複数の画像処理方法、例えば2次微分と相関係数の両方の画像処理によって得られる近赤外画像を重ねて表示するようにしてもよい。
【0046】
そして、異物判別手段6cは、図3(c)や図3(d)に示すように、画像処理手段6dの画像処理によって新たに作成された近赤外画像D3やD4中に虫Mのみが強調された領域が存在すると、葉菜類Wに虫Mが付着していると判断して異物有りと判別する。図3(c)や図3(d)の例では、丸で囲まれる部分に虫Mが付着していると判断して異物有りと判別する。
【0047】
ところで、上述した実施の形態では、葉菜類Wを一枚一枚重ならずにベルトコンベア2上を搬送し、ベルトコンベア2の搬入側コンベア2aと搬出側コンベア2bの隙間Sの上下方向から2台の近赤外分光カメラ4a,4bで葉菜類Wの表面および裏面を撮像する場合を例にとって説明したが、これらの構成に限定されるものではない。
【0048】
例えば葉菜類Wを1枚1枚個別に吊るして所定間隔おきに搬送し、葉菜類Wの表面および裏面の2方向から2台の近赤外分光カメラで葉菜類Wの表面および裏面を撮像してもよい。また、近赤外光が透過するパイプ内に葉菜類Wを1枚1枚重ならずに水流により搬送し、パイプ外側の対向する上下方向から2台の近赤外分光カメラで葉菜類Wの表面および裏面を撮像することもできる。なお、これらの構成では、葉菜類Wに近赤外光を照射するための光源を各近赤外分光カメラごとに用意する。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、虫Mが葉菜類Wに対して特徴的な吸収特性を有する波長を含む近赤外光を葉菜類Wに照射して近赤外画像を取得し、葉菜類Wに近赤外光を照射したときの葉菜類Wと虫Mの吸収特性の違いを利用することにより、従来のX線等では検出困難であった葉菜類Wに付着した虫Mを異物として検出することができる。
【0050】
また、近赤外分光カメラ4にて撮像した複数波長の近赤外画像に対して虫Mのみが強調されるように画像処理手段6bにて画像処理を施し、この画像処理によって新たに作成された近赤外画像から虫Mが付着している葉菜類Wの位置を判別して特定することができる。しかも、画像処理された近赤外画像を表示部7に表示すれば、虫Mが付着している葉菜類Wの位置を表示画面上で容易に確認することができる。
【0051】
以上、本発明に係る異物検出装置の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
1 異物検出装置
2 搬送部(ベルトコンベア)
2a 搬入側コンベア
2b 搬出側コンベア
3 光源部
3a,3b 光源
4(4a,4b) 撮像部(近赤外分光カメラ)
5 設定操作部
6 制御部
6a 搬送制御手段
6b 光源制御手段
6c 異物判別手段
6d 画像処理手段
7 表示部
W 葉菜類(被検査物)
M 虫(異物)
図1
図2
図3