(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】無線綴じ機
(51)【国際特許分類】
B42C 11/04 20060101AFI20220224BHJP
B42C 9/00 20060101ALI20220224BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B42C11/04
B42C9/00
B65H37/04 A
(21)【出願番号】P 2018095982
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-02-05
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ゾンメラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・フリーゼ
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-104759(JP,A)
【文献】米国特許第05114292(US,A)
【文献】実開平01-178976(JP,U)
【文献】国際公開第2012/160633(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42B2/00-9/06、
B42C1/00-99/00、
B65H37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの機械フレーム(7)と、機械フレーム(7)に固定された複数の加工ステーション(5)と、ブックブロック(100)を搬送するための少なくとも2つの搬送クランプ(11,12,13)と、搬送クランプ(11,12,13)用の少なくとも1つの閉じた案内路(3)と、
搬送クランプ(11,12,13)又はその下エッジ(11a,12a,13a)から下方へ突出するブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための少なくとも1つの装置
(14)とを有する無線綴じ機において、
ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための少なくとも1つの装置(14)は、搬送クランプ(11,12,13)の少なくとも1つにおける下エッジ(11a,12a,13a)と協働して、この下エッジ(11a,12a,13a)が少なくとも1つの閉じた案内路(3)に対して平行に延在する無線綴じ機(1)の複数の第1の平面(38)内に位置決め可能であるように、配置されていること、を特徴とする無線綴じ機。
【請求項2】
無線綴じ機(1)の少なくとも1つの閉じた案内路(3)が、互いに平行に延在する複数の第2の平面(40)内に位置決め可能であること、を特徴とする請求項1に記載の無線綴じ機。
【請求項3】
ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための少なくとも1つの装置(14)が、搬送クランプ(11,12,13)用の少なくとも1つの閉じた案内路(3)と無線綴じ機(1)の機械フレーム(7)との間に配置されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の無線綴じ機。
【請求項4】
搬送クランプ(11,12,13)用の少なくとも1つの閉じた案内路(3)が、ベースプレート(24)と結合され、ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための少なくとも1つの装置(14)が、ベースプレート(24)と無線綴じ機(1)の機械フレーム(7)との間に配置されていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項5】
無線綴じ機(1)の機械フレーム(7)に、ブックブロック(100)のオーバーハング(10)用の静止/振動テーブル(30)が固定されていること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項6】
静止/振動テーブル(30)の使用によって、装置(14)が、搬送クランプ(11,12,13)の下エッジ(11a,12a,13a)と案内路(3)の垂直方向の中央調整を行なうこと、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項7】
搬送クランプ(11,12,13)の少なくとも1つにおける下エッジ(11a,12a,13a)が、加工ステーション(5)に対して相対的に平行及び垂直に変位可能に配置されていること、を特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項8】
全ての搬送クランプ(11,12,13)のために、ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための共通の装置(14)が配置されていること、を特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項9】
ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための装置(14)が、無段階に変位可能に又は終端位置に対して変位可能に形成されていること、を特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項10】
ブックブロック(100)のオーバーハング(10)
の量を変更するための装置(14)が、油圧、電気モータ、気圧及び/又は機械により駆動可能に形成されていること、を特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項11】
無線綴じ機(1)が、小型無線綴じ機であること、を特徴とする請求項1~
10のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項12】
加工ステーション(5)の少なくとも1つが、ライニングステーションとして形成されていること、を特徴とする請求項1~
11のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項13】
各搬送クランプ(11,12,13)に、オーバーハング(10)の量を変更するための装置(14)が配置され、この装置が、機械制御部(6)を備え、この機械制御部によって、個々の又は複数の装置が、一緒に制御可能であること、を特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の無線綴じ機。
【請求項14】
ソフトカバー本の製造又はハードカバー本用のブックブロックの製造をするための請求項1~
13のいずれか1項に記載の無線綴じ機の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの機械フレームと、機械フレームに固定された複数の加工ステーションと、ブックブロックを搬送するための少なくとも2つの搬送クランプと、搬送クランプ用の少なくとも1つの閉じた案内路と、ブックブロックのオーバーハングを変更するための少なくとも1つの装置とを有する無線綴じ機に関する。
【背景技術】
【0002】
無線綴じ機は、無線綴じされた本(ソフトカバー)又は堅表紙を有する本(ハードカバー)用のブックブロックを製造するために使用され、ブックブロックに丁合される折丁及び/又は単ページは、事前に加工されたブックブロックに通常の接着剤もしくは糊を塗布することによって互いに結合され、次いで紙表紙(ソフトカバー)又はライニングストリップ(ハードカバー)を備えられる。オーバーハングは、無線綴じ機の搬送クランプからそれぞれの加工ステーションの方向に突出するブックブロックの背面の領域であり、この背面の領域に沿って、無線綴じ機内の種々の加工ステップが行なわれる。例えばブックブロックへの紙表紙又はライニングストリップの取付けのようなこのような加工ステップに依存して、オーバーハングの変更が必要となり得る。
【0003】
可能な綴じ方法及び製品バリエーションは、通常は、無線綴じ機の機械装備に依存している。後者は、実質的に、機能ユニット:ブロック搬送システム、ブロック導入ステーション、背面加工部(背面フライス加工)、背面糊付け部、中間乾燥部、側面糊付け部、背面補強部、紙表紙及び/又はライニングストリップを付着させる、即ち紙表紙及び/又はライニングストリップを押し付ける配送ステーション及び乾燥部から成る。
【0004】
従来技術によれば、無線綴じ機において、移送手段として、好ましくは個々に可動に互いに噛合う要素を有するローラチェーンが使用される。チェーンは、搬送クランプを推進するために使用される。搬送クランプは、無線綴じ機の機械フレームと結合された案内路によって案内される。このため、各搬送クランプは、案内路の走行面上を転動する複数の走行ローラを備える。
【0005】
丁合機械を、従って自動的な装填装置を有する無線綴じ機以外に、スタート-ストップ-モードを有する小型無線綴じ機も知られており、この小型無線綴じ機は、しばしばマニュアルフィーダを備える。この場合、ブックブロックは、機械オペレータによってブロック導入ステーションで個々に及びマニュアルで停止している搬送クランプ内へ導入される。次いで、搬送クランプは、ブックブロックを種々の加工ステーションに沿って無線綴じ機を経て移動させる。
【0006】
自動的な装填装置を有する無線綴じ機は、例えば欧州特許出願公開第2738011号明細書で説明される。この無線綴じ機は、複数の加工ステーション、例えばブロック導入ステーション、背面加工ステーション(背面フライス盤)、糊塗布ステーション、糊塗布コントロール部、紙表紙フィーダ及び/又はライニングステーション、紙表紙及び/又はプレスステーション、配送ステーション及び乾燥ステーションを備える。更に、この無線綴じ機は、ブックブロックを搬送するための少なくとも2つの搬送クランプと、少なくとも1つの閉じた案内路を有し、この案内路上で、搬送クランプが、循環し、加工ステーションを通過する。
【0007】
本を一個口として又は少数個口で生産する可能性は、ますます、ソフトカバーの領域だけでなく、折り畳まれたブックブロックを製造するためにハードカバーの領域でも需要が高まっている。このようなブックブロックをハードカバー本用に製造するためには、ライニングステーションを装備された無線綴じ機が必要である。ライニングストリップの取付け時は、最終製品に依存して、ブックブロックを超えるライニング材料の横への突出量を所定の範囲内に限定されるように調整できることが必要である。このため、一方で、ライニング材料は、相応の寸法でライニングステーションから提供されなければならず、他方で、綴じるべきブックブロックのオーバーハングは、ライニング材料の所望の突出量よりも大きくなければならない。
【0008】
Liebau/Heinzeの教科書“Industrielle Buchbinderei”2001年(ISBN 3-88013-596-7)の307ページによれば、オーバーハングは、所定の限度内で選択可能である。従って、換言すれば、無線綴じ機における技術的な条件にオーバーハングを適合させるための装置は、基本的に知られている。これまでの無線綴じ機の搬送クランプがフレーム固定で配置されている、即ち無線綴じ中には機械フレームもしくは支持構造と不動に結合されているので、オーバーハングを変更する時にはまず静止/振動テーブルとして形成された加工ステーションの位置が、搬送クランプに対して相対的に変位させられなければならない。例えば背面フライス盤、糊付けユニット、紙表紙付着ステーション及び/又はライニングステーション、押圧ステーション及び配送ステーションのような別の全ての加工ステーションも、この変更に適合させられなければならない。これは、マニュアルで行なうことができるが、現代の設備ではモータで行なうこともできる。
【0009】
しかしながら、加工ステーションでは、ブックブロックのオーバーハングを変更するためのこのような装置の課題を実現し、約0.1mmの必要な位置決め精度を遵守するために、サーボモータを有する調整軸のようなアクチュエータ並びにセンサにおけるリニアガイドのようなかなりの量の機械装置が必要である。このため、ソフトウエアには比較的複雑なプロセスも生じる。
【0010】
これまでに知られた解決法に従えば、これは、特に、結果として、堅牢な高価値のリニアガイドを有する高さ調整可能な背面フライス盤の開発を必要とし得る。更に、ホットメルトロール糊付けユニット、PURノズル糊付けユニット及びサイド糊付けユニットのような全ての形式の糊付けユニットを、高さ調整可能に形成しなければならず、これは、特に、“可動の交換可能な糊付けユニット”とのオプションにおいて、構造的に複雑な解決策を生じさせ得る。
【0011】
特に小型無線綴じ機の領域内の別の問題は、ライニングステーションの存在に、従ってハードカバー本用にブックブロックを製造する可能性に依存せずに生じるこれと結びついたコストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【文献】“Industrielle Buchbinderei”Liebau/Heinze、2001年(ISBN 3-88013-596-7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、オーバーハングの技術的に制約された変更を技術的に簡単に、従って安価で確実に実現し得る無線綴じ機を提供することである。加えて、この技術的な解決策は、小型無線綴じ機でも経済的に是認可能に使用され得るために適しているべきである。最後に、解決策は、ソフトカバー本を製造するためにも、ハードカバー本用のブックブロックを製造するためにも適しているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は、請求項1の特徴付け部分の特徴を有する無線綴じ機によって解決される。この無線綴じ機の有利な実施形態は、従属請求項2~11の対象である。
【0016】
この場合、ブックブロックのオーバーハングを変更するための少なくとも1つの装置は、搬送クランプの少なくとも1つにおける下エッジと協働して、この下エッジが搬送クランプの少なくとも1つの閉じた案内路に対して平行に延在する無線綴じ機の複数の第1の平面内に位置決め可能であるように、配置されていること、が重要である。無線綴じ機のこの形成に基づいて、オーバーハングの変更は、技術的に簡単に、従って安価で確実で加工ステーションを変位させることなく実現することができる。加えて、これにより従来技術に対して無線綴じ機の1つのパラメータしか変更する必要がないので、オペレータによるより簡単な機械管理が得られる。
【0017】
本発明による無線綴じ機の1つの実施形態では、無線綴じ機の少なくとも1つの閉じた案内路が、互いに平行に延在する複数の第2の平面内に位置決め可能である。これにより、案内路の位置の、従ってオーバーハングの特に簡単で確実な変更が可能である。一般に、第1の平面も、第2の平面も、水平に、即ち無線綴じ機の接地面もしくは機械フレームに対して平行に延在する。これに対して、当然、これら平面が任意に傾けられて延在することも可能である。
【0018】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態では、ブックブロックのオーバーハングを変更するための少なくとも1つの装置が、搬送クランプ用の少なくとも1つの閉じた案内路と無線綴じ機の機械フレームとの間に配置されている。このようにして、特に簡単で省スペースの解決策が実現され得る。
【0019】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態では、搬送クランプ用の少なくとも1つの閉じた案内路が、ベースプレートと結合されている。この場合、ブックブロックのオーバーハングを変更するための少なくとも1つの装置は、ベースプレートと無線綴じ機の機械フレームとの間に配置されている。このようなベースプレートにより、一方で、少なくとも1つの閉じた案内路の簡単で安価な支持が達成され得る。他方で、ブックブロックのオーバーハングを変更するための少なくとも1つの装置は、有利にはベースプレートに固定され得る及び/又はベースプレートに収容され得る。
【0020】
本発明による無線綴じ機の次の実施形態では、無線綴じ機の機械フレームに、ブックブロックのオーバーハング用の静止/振動テーブルが固定されている。このような静止/振動テーブルは、その変位中のブックブロックのオーバーハングの一時的な保管をするための簡単で安価な解決策を提供する。静止/振動テーブルにより、その上に置かれたいまだ未固定のブックブロックは、第1の段階で揺り動かされ、その個々の印刷用紙及び/又はシートまず互いに整列され得る。第2の段階で、振動が調整され、これにより、未だ綴じられてないブックブロックは、それぞれの搬送クランプに引き継ぐ前に静止し、その印刷用紙及び/又はシートは、台架によって静止/振動テーブル上で所定の位置を占める。この所定の位置から出発して、ブックブロックのオーバーハングは調整することができる。
【0021】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態では、搬送クランプの少なくとも1つにおける下エッジが、加工ステーションに対して相対的に平行及び垂直に変位可能に配置されている。一方で、このような変位は、比較的簡単に実現でき、他方で、これにより、加工すべきブックブロックは、加工工具の作動位置に対して有利には常に等しく整列させられたままである。少なくとも1つの閉じた案内路も、同様に配置されている。
【0022】
本発明による無線綴じ機の次の実施形態では、全ての搬送クランプのために、ブックブロックのオーバーハングを変更するための共通の装置が配置されている。これにより、無線綴じ機は、簡単かつ迅速に整備すべき製造命令に適合させることができる。当然、各搬送クランプに、無線綴じ機の機械制御部と接続された、ブックブロックのオーバーハングを変更するための装置を設けることもできる。このような解決策の場合、ブックブロックのオーバーハングを変更するための装置は、機械制御部によって、一緒に又は別個に制御することができる。
【0023】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態によれば、ブックブロックのオーバーハングを変更するための装置が、無段階に変位可能に又は終端位置に対して変位可能に形成されている。これにより、この装置は、有利には、特に正確又は特に迅速のどちらかで操作することができる。
【0024】
本発明による無線綴じ機の次の実施形態では、ブックブロックのオーバーハングを変更するための装置が、油圧、電気モータ、気圧及び/又は機械により駆動可能に形成されている。これは、このような装置を駆動するための特に有利な解決策の選択である。
【0025】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態では、無線綴じ機が、小型無線綴じ機である。これにより、解決策が、産業的な無線綴じ機のためばかりでなく、綴じるべきブックブロックを大抵はマニュアルで供給する小型の無線綴じ機のためにも適していることが示される。
【0026】
本発明による無線綴じ機の別の実施形態によれば、その加工ステーションの少なくとも1つが、ライニングステーションとして形成されている。
【0027】
従って、無線綴じ機は、ソフトカバー本の製造以外に、ハードカバー本用のブックブロックを製造するためにも使用することができる。
【0028】
加えて、本発明の課題は、請求項12の特徴によって解決される。
【0029】
以下で、本発明を、実施例により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】加工装置を有する本発明による選択的な無線綴じ機の簡素化した概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、ソフトカバー本の製造をするため又はハードカバー本を製造するためのブックブロックの製造をするために適した本発明による無線綴じ機1が、平面図で図示されている。この無線綴じ機1は、閉じた案内路3を有するブックブロック搬送システム2を備え、この案内路上で、3つの搬送クランプ11,12,13が、それぞれ、ガイド装置35によって、無線綴じ機1の機械フレーム7(
図3,
図4)に固定され且つ案内路3に沿って配置された加工ステーション5を経て移動される。このような加工ステーションの例として、ここでは、ブロック導入ステーション、背面加工ステーション(背面フライス盤)、糊塗布ステーション、糊塗布コントロール機器、紙表紙フィーダ及び/又はライニングステーション、紙表紙押圧ステーション及び/又はライニング押圧ステーション、配送ステーション及び乾燥ステーションを挙げるべきである。
【0032】
加えて、この無線綴じ機1は、3つの駆動機構41,42,43を備え(
図2)、第1の駆動機構41は第1の搬送クランプ11に付設され、第2の駆動機構42は第2の搬送クランプ12に付設され、第3の駆動機構43は第3の搬送クランプ13に付設されている。駆動機構41,42,43は、それぞれ1つの駆動チェーン21,22,23を備え、この駆動チェーンに、付設された搬送クランプ11,12,13が固定され、この駆動チェーンは、駆動モータ31,32,33によってそれぞれ1つのチェーンホイール4(
図1)を介して駆動される。この場合、駆動モータ31,32,33は、無線綴じ機1に機械制御部6によって制御される。機械制御部6に、速度プロフィルが記憶されているので、搬送クランプ11,12,13は、それぞれ固有の速度プロフィルでもって案内路3に沿って移動させることができる。当然、2つ又は3つ以上の搬送クランプ11,12,13並びに相応の数の駆動装置しか装備されてないブックブロック搬送システム2を使用することもできる。
【0033】
無線綴じ機1は、所定数の保持位置51,52,53を有し、これら保持位置で、1つの搬送クランプ11,12,13は、それぞれこれに付設された駆動機構41,42,43によって静止させることができる。例えば、未固定のブックブロックを導入するための第1の保持位置51、図示してない紙表紙をブックブロック100に押し付けるための第2の保持位置52及び閉じられたブックブロック100を排出するための第3の保持位置53が図示されている。ライニングストリップを取り付けるためのライニングステーションとして形成された加工ステーション5が存在する場合、その領域には、別の保持位置が設けられている。機械制御部6内に、保持位置51,52,53のために、異なった長さの静止時間を記憶することができる。
【0034】
図2には、同じ無線綴じ機1が、
図1の矢印IIの方向から見た側面図で図示されており、この側面図に、それぞれの駆動機構41,42,43の部分として形成された駆動チェーン21,22,23の配置がはっきりと認められる。搬送クランプ11,12,13に収容されかつ搬送クランプによって移送されるブックブロック100は、搬送クランプ11,12,13から加工ステーション5の方向に突出するそれぞれ1つの背面領域を備えるが、この背面領域は、オーバーハング10と呼ばれる。搬送クランプ11,12,13の少なくとも1つにおける下エッジ11a,12a,13aから突出するこのオーバーハング10において、無線綴じ機1内での種々の加工ステップが行なわれる。
図2には、無線綴じ機1に配置されたブックブロック100のオーバーハング10を変更し、これにより、固定された加工ステーション5に対して相対的なその間隔を変更するための装置14が、概略的にだけ示されている。この装置14は、
図3もしくは
図4に詳細に図示されている。
【0035】
図3は、
図1の矢印IIIの方向から見た本発明による無線綴じ機1の断面図を示し、これに対して、無線綴じ機1の機械フレーム7も示されている。機械フレーム7の相前後している2つの支持部材8の間に、オーバーハング10を調整するための装置14を収容するための、フレーム固定で無線綴じ機1に配置された複数の支持要素17の1つが図示されている。支持要素17は、垂直に配置されたそれぞれ2つの切欠き18を備えるが、これら切欠きのそれぞれに、滑り軸受けされたガイド要素19が配置されている。加えて、支持要素17は、垂直に配置されたそれぞれ1つの別の切欠き20を備えるが、この切欠きに、さもなければそれ以上には図示されてない油圧式のリフトユニットが配置されている。例えばねじ込みシリンダとして形成された油圧シリンダ15は、無段階に垂直に上方へ伸長可能であり、この場合、閉じた案内路3を支持するベースプレート24を垂直に持ち上げる。ベースプレート24は、そのそれぞれの上端で両ガイド要素19と結合、例えばネジ留めされている。ベースプレート24には、2つのシリンダ状の支持要素25が固定され、これら支持要素は、それぞれ下のベース面26によって、支持要素17のそれぞれ1つの水平な切欠き28内に配置されたシリンダ状の偏心器29の対応する第1の面27上に載置されている。従って、オーバーハング10を調整するための装置14は、滑り軸受けされたガイド要素19、油圧式のリフトユニットの油圧シリンダ15、シリンダ状の支持要素25及びシリンダ状の偏心器29を備える。当然、案内路3は、このようなベースプレート24又は同様の中間要素なしで形成されていてもよい。この場合、ブックブロック100のオーバーハング10を変更するための装置14は、案内路3に直接的に作用する。
【0036】
ブロック導入ステーションとして形成された加工ステーション5(
図1)の領域に、機械フレーム7の支持部材8の一方に固定された静止/振動テーブル30が配置
されている(
図3)。この静止/振動テーブル30は、ブックブロック100の背面の領域を一時的に収容し、従ってオーバーハング10を調整するための、水平に配置された平坦な面34を備える。
図3には、1つの搬送クランプ11しか図示されていない。この搬送クランプ11に、ブックブロック100が、通常のやり方で保持され、オーバーハング10は、ここに示されてない加工ステーション5の方向に下方へ搬送クランプ11から、即ちその下エッジ11aから突出するように突出し、静止/振動テーブル30の面34上に載置されている。
【0037】
オーバーハング10を変更するためには、まず、ベースプレート
24が、閉じた案内路3並びに支持要素25と共に、装置14の油圧式のリフトユニットによって、即ち油圧シリンダ15によって持ち上げられる。油圧シリンダ15は、例えば約16mmの最大ストロークを有し、機械制御部6(
図1)並びに図示してない制御可能な油圧ポンプによって普通に操作され、まず最大ストロークまで伸長させられる。これにより、同時に支持要素25の下のベース面26も、偏心器29のそれぞれ対応する第1の面27から、持ち上げられる。その後、偏心器29は、マニュアル又は自動的に所望の位置へ変位される。次いで、ベースプレート24は、従ってまた案内路3も、支持要素25の下のベース面26が、新たに、しかしながら今やオーバーハング10の必要な変更に応じて選択される、偏心器29の他方の対応する第2の面27’上に載置されるまで、油圧シリンダ15によって再び降下される。偏心器29の相応の回転により、少なくとも3つの高さレベルが、即ち、初期位置に対応する第1の高さレベルと、例えば11mmのブックブロック100のオーバーハング10を生じさせる第2の高さレベルと、例えば15mmのオーバーハング10を生じさせる第3の高さレベルが、選択及び調整され得る。オーバーハング10の最終位置に対する調整時に、ガイド要素19は、ベースプレート24の最適にガイドされた運動を保証するので、閉じた案内路3の所望の整向が確実に維持されている。
【0038】
それぞれのガイド装置35により、固定された静止/振動テーブル30に対する搬送クランプ11,12,13の高さ位置もしくはそのそれぞれの下エッジ11a,12a,13aの高さ位置が調整される。このようにして、搬送クランプ11,12,13の下エッジ11a,12a,13aは、閉じた案内路3に対して平行に延在する、無線綴じ機1の複数の第1の平面38内に位置決めされ得る。同様に、無線綴じ機1の閉じた案内路3は、互いに平行に延在する複数の第2の平面40内に位置決めされ得る。その後それぞれの搬送クランプ11,12,13に収容されるブックブロック100は、その背面の領域でもって静止/振動テーブル30の面34上に起立し、従って、それぞれの搬送クランプ11,12,13の閉鎖後に、必用に応じて調整されたオーバーハング10を備える。オーバーハング10の選択された調整は、支持要素17とガイド要素19の間でそれぞれ作用するクランプユニット36によって固定される。
【0039】
図4は、図1の矢印IVの方向から見た選択的な本発明による無線綴じ機1の概略側面図を示し、これに対して、無線綴じ機1の機械フレーム7も示され、背面フライス盤と共に、加工ステーション5の1つがはっきりと図示されている。加えて、
図4には、第1の搬送クランプ11と共に、同様に3つの搬送クランプ11,12,13の1つだけが示されている。搬送クランプ11内に収容されたこの搬送クランプによって移送されるブックブロック100は、搬送クランプ11から背面フライス盤として形成された加工ステーション5の方向に突出するオーバーハング10を備える。搬送クランプ11の下エッジ11aから突出するオーバーハング10は、背面フライス盤によって機械的に加工され、この場合、粗面化されるので、ここまで未だ未固定のブックブロックのこの背面領域は、糊塗布ステーションとして形成されかつ更に下流に配置された詳細には図示されてない加工ステーション5内で、折丁及び/又は端頁を綴じられたブックブロック100に結合し、次いで紙表紙又はライニングストリップを取り付けるための接着剤を十分に収容し得る(図示してない)。最後に、機械フレーム7は、脚9を有する複数の中空の支柱8を備える。
【0040】
この場合も、ブックブロック100のオーバーハング10を変更するための装置14は、機械フレーム7と、閉じた案内路3を支持するベースプレート24との間に配置され、実質的に無段階に調整可能な少なくとも1つの調整要素37、しかしながら好ましくは複数の調整要素37並びに所定数のリニアガイド16を備え、これらリニアガイドは、例えば機械フレーム7の中空の支柱8内に垂直に調整可能に配置され、案内路3を支持するベースプレート24にそれぞれ固定されている。オーバーハング10の調整後、搬送クランプ11,12,13の下エッジ11a,12a,13aは、それぞれ他の第1の平面38内に存在し、案内路3は、それぞれこれに対応する第2の平面40内で、即ち加工ステーション5の固定された平面に対して平行及び垂直に移動される。オーバーハング10を変更するため、この実施例の場合も、機械フレームに固定されたここに示してない静止/振動テーブル30が配置されている。オーバーハング10は、説明するこの実施形態では、11~15mmの範囲内で無段階に変化する。従って、この実施形態の場合、装置14によって垂直方向に搬送クランプ11,12,13の下エッジ11a,12a,13aと案内路3とを中央調整することしか必要ない。全ての加工ステーション5は、そのままその最適位置に位置している。
【0041】
この実施例でも、閉じた案内路3の調整が、ここに図示してない油圧式のリフトユニットによって行なわれる。リニアガイド16は、少なくとも0.1mmの必要精度で、搬送クランプ11,12,13の下エッジ11a,12a,13aと案内路3の精密で、位置的に正確な垂直調整を保証する。例えばベースプレートと機械フレームの間に配置された通常の距離測定センサ39は、機械制御部6(
図1)及び機械工に、実現されたオーバーハング10のそれぞれ現在の値に関するフィードバックを与える。
【0042】
これに対して選択的に、各搬送クランプ11,12,13に、無線綴じ機の機械制御部6と接続されたブックブロック100のオーバーハング10を変更するための装置14を配置することもできる。図示してないこのような解決策の場合、装置14は、機械制御部6によって、一緒に又は別個に制御することができる。
【0043】
当然、前記無線綴じ機1とは違う無線綴じ機も、ブックブロック100のオーバーハング10を変更するためのこのような装置14を装備することができる。