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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】滅菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/08 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
A61L2/08 108
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018116966
(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公開番号】P2019217027
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502040041
【氏名又は名称】日揮株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】特許業務法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 威
【審査官】越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-220747(JP,A)
【文献】特開2000-140780(JP,A)
【文献】特開2016-129677(JP,A)
【文献】特開2000-137100(JP,A)
【文献】特開2006-061558(JP,A)
【文献】特開平10-092709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00-2/28
G21K 5/08-5/10
B01L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌対象物を収容室内で滅菌する滅菌装置であって、
前記滅菌対象物を載置手段上に載置して収容する収容室と、
前記収容室内に収容された滅菌対象物に対して電子線を照射する電子線照射手段と、
を備え、
前記載置手段が、
前記滅菌対象物の底部を部分的に支持して載置状態を維持する第1支持体と、
前記第1支持体で支持した箇所とは異なる前記滅菌対象物の底部を部分的に支持して載置状態を維持する第2支持体と、
から成り、
前記第1支持体と第2支持体は、複数の棒状体がそれぞれ並設されて、櫛状に構成されたものであり、前記第1支持体の棒状体と前記第2支持体の棒状体が交互となるように設けられるとともに、上面視において、前記第1支持体の棒状体と前記第2支持体の棒状体が重なり合うことが無いように設けられており、
さらに前記第1支持体と第2支持体の少なくともいずれか一方は、
前記収容室内を上下方向に移動する上下移動手段を有し、
前記上下移動手段によって、前記第1支持体上に載置された滅菌対象物を第2支持体上へ、あるいは前記第2支持体上に載置された滅菌対象物を第1支持体上へ受け渡し可能とするよう構成され、
前記第1支持体が前記上下移動手段を有する場合において、前記滅菌対象物に電子線を照射する際には、
前記上下移動手段で前記第1支持体を上方に移動させて前記第1支持体上に滅菌対象物を載置し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射し、
さらに前記上下移動手段で前記第1支持体を下方に移動させて、前記第1支持体上に載置された滅菌対象物を前記第2支持体上に受け渡し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射することで、前記滅菌対象物の全面に対して電子線が照射されるよう構成され、
前記第2支持体が前記上下移動手段を有する場合において、前記滅菌対象物に電子線を照射する際には、
前記上下移動手段で前記第2支持体を上方に移動させて前記第2支持体上に滅菌対象物を載置し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射し、
さらに前記上下移動手段で前記第2支持体を下方に移動させて、前記第2支持体上に載置された滅菌対象物を前記第1支持体上に受け渡し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射することで、前記滅菌対象物の全面に対して電子線が照射されるよう構成されていることを特徴とする滅菌装置。
【請求項2】
前記滅菌対象物を支持する際には、
前記第1支持体と第2支持体のいずれか一方のみで、支持するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。
【請求項3】
前記電子線照射手段が、
前記滅菌対象物に対して電子線を下方から照射する下方照射手段もしくは上方から照射する上方照射手段から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の滅菌装置。
【請求項4】
前記電子線照射手段が、
前記滅菌対象物に対して電子線を下方から照射する下方照射手段と、
前記滅菌対象物に対して電子線を上方から照射する上方照射手段と、
から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の滅菌装置。
【請求項5】
前記収容室に、
給気手段と排気手段が設けられていることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【請求項6】
前記収容室が、パスボックスであることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滅菌対象物を収容室内に収容し、滅菌対象物に電子線を照射して滅菌対象物の滅菌を行う滅菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬剤を収容する薬剤容器などの滅菌対象物に対し、電子線を照射することで滅菌対象物の主に外表面の滅菌が行われている。
このような滅菌は、例えば特許文献1に開示されているように、コンベア上に滅菌対象物を載せ、コンベアの上下に設けられた電子線照射手段から、コンベア上を搬送される滅菌対象物に対して電子線を照射することで、滅菌対象物の滅菌が行われている。
【0003】
ところで滅菌対象物をコンベアの同じ箇所に載置させたままとすると、コンベアと滅菌対象物とが接する箇所に電子線が当たらず、滅菌が十分になされないおそれが生ずる。
このためコンベアの途中には、滅菌対象物をコンベア上でスライド移動させ、コンベアと滅菌対象物とが接する箇所が常に一定とはならないようにする工夫がなされている。
【0004】
このようなスライド移動がなされるコンベアを有する滅菌装置を用いれば、滅菌対象物の全面に対して電子線を照射することができ、高い滅菌性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第03/068272号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された滅菌装置は、コンベア上を滅菌対象物が搬送される構造であるため、どうしても水平方向に装置が大きくなってしまい、大掛かりで多大なコストを要するものであった。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであって、装置が大掛かりにはならずコンパクトに収めることができ、また製造コストを抑えることのできる、汎用性の高い滅菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述した従来技術における問題点を解決するために発明されたものであって、本発明の滅菌装置は、
滅菌対象物を収容室内で滅菌する滅菌装置であって、
前記滅菌対象物を載置手段上に載置して収容する収容室と、
前記収容室内に収容された滅菌対象物に対して電子線を照射する電子線照射手段と、
を備え、
前記載置手段が、
前記滅菌対象物の底部を部分的に支持して載置状態を維持する第1支持体と、
前記第1支持体で支持した箇所とは異なる前記滅菌対象物の底部を部分的に支持して載置状態を維持する第2支持体と、
から成り、
前記第1支持体と第2支持体は、複数の棒状体がそれぞれ並設されて、櫛状に構成されたものであり、前記第1支持体の棒状体と前記第2支持体の棒状体が交互となるように設けられるとともに、上面視において、前記第1支持体の棒状体と前記第2支持体の棒状体が重なり合うことが無いように設けられており、
さらに前記第1支持体と第2支持体の少なくともいずれか一方は、
前記収容室内を上下方向に移動する上下移動手段を有し、
前記上下移動手段によって、前記第1支持体上に載置された滅菌対象物を第2支持体上へ、あるいは前記第2支持体上に載置された滅菌対象物を第1支持体上へ受け渡し可能とするよう構成され、
前記第1支持体が前記上下移動手段を有する場合において、前記滅菌対象物に電子線を照射する際には、
前記上下移動手段で前記第1支持体を上方に移動させて前記第1支持体上に滅菌対象物を載置し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射し、
さらに前記上下移動手段で前記第1支持体を下方に移動させて、前記第1支持体上に載置された滅菌対象物を前記第2支持体上に受け渡し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射することで、前記滅菌対象物の全面に対して電子線が照射されるよう構成され、
前記第2支持体が前記上下移動手段を有する場合において、前記滅菌対象物に電子線を照射する際には、
前記上下移動手段で前記第2支持体を上方に移動させて前記第2支持体上に滅菌対象物を載置し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射し、
さらに前記上下移動手段で前記第2支持体を下方に移動させて、前記第2支持体上に載置された滅菌対象物を前記第1支持体上に受け渡し、この状態で滅菌対象物に電子線を照射することで、前記滅菌対象物の全面に対して電子線が照射されるよう構成されていることを特徴とする。
【0009】
このように構成すれば、上下移動手段で第1支持体と第2支持体の少なくともいずれか一方を上下動させるだけで滅菌対象物の全面を滅菌することができるため、滅菌装置の小型化に寄与することができる。しかも構造が簡素化されているため、製造コストを抑えることができる。さらには、滅菌装置が小型化できるため、例えば部屋と部屋の間の壁など既存の構造物への設置も容易に行うことができる。
さらに、このように複数並設された棒状体から成れば、滅菌対象物を第1支持体から第2支持体へ、あるいは第2支持体から第1支持体へ受け渡しすることを容易にすることができる。しかも第1支持体の棒状体と棒状体との間に、第2支持体の棒状体を入り込ませることができるため、水平方向に滅菌装置が広がって大型化してしまうことを極力抑えることができ、滅菌装置の小型化に寄与することができる。
【0010】
また、本発明の滅菌装置は、
前記滅菌対象物を支持する際には、
前記第1支持体と第2支持体のいずれか一方のみで、支持するよう構成されていることを特徴とする。
【0011】
このように第1支持体と第2支持体のいずれか一方のみで滅菌対象物を支持するようにすれば、電子線を滅菌対象物に対して照射している際に、第1支持体上に載置された滅菌対象物を第2支持体上へ、あるいは第2支持体上に載置された滅菌対象物を第1支持体上へ受け渡しすることで、滅菌対象物の全面に対して滅菌処理を施すことができる。
【0014】
また、本発明の滅菌装置は、
前記電子線照射手段が、
前記滅菌対象物に対して電子線を下方から照射する下方照射手段もしくは上方から照射する上方照射手段から成ることを特徴とする。
【0015】
このように下方照射手段もしくは上方照射手段からなれば、上下移動手段を用いて滅菌対象物を第1支持体から第2支持体へ、あるいは第2支持体から第1支持体へ受け渡しすることで、滅菌対象物の全面を確実に滅菌することができる。
【0016】
また、本発明の滅菌装置は、
前記電子線照射手段が、
前記滅菌対象物に対して電子線を下方から照射する下方照射手段と、
前記滅菌対象物に対して電子線を上方から照射する上方照射手段と、
から成ることを特徴とする。
【0017】
このように下方照射手段と上方照射手段からなれば、上下移動手段を用いて滅菌対象物を第1支持体から第2支持体へ、あるいは第2支持体から第1支持体へ受け渡しすることで、滅菌対象物の全面をさらに確実に滅菌することができる。
【0018】
また、本発明の滅菌装置は、
前記収容室に、
給気手段と排気手段が設けられていることを特徴とする。
【0019】
このように給気手段と排気手段が設けられていれば、収容室の上流側から下流側までの経路内を清潔な状態に保つことができる。特に排気手段によって、収容室の外部が浄化されていれば、滅菌後の滅菌対象物に、再び細菌が付着してしまうことを極力抑えることができる。
【0020】
また、本発明の滅菌装置は、
前記収容室が、パスボックスであることを特徴とする。
このようにパスボックスであれば小型であるため、例えば隣接する部屋と部屋との間に存在する壁内に本滅菌装置を設置することができ、滅菌装置の設置に要するコストを抑えることができる。さらにパスボックスは規格化されたサイズであるため、このようなパスボックスを収容室とした滅菌装置は、汎用性が高く設置に要するコストも抑えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上下移動手段で第1支持体と第2支持体の少なくともいずれか一方を上下動させて電子線を滅菌対象物に照射することで、滅菌対象物に電子線が照射されない滅菌残りの箇所を生ずることなく確実に滅菌することができ、しかも構造が簡素化されているため小型化に寄与することができ、製造コストを抑えた汎用性の高い滅菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の滅菌装置の実施形態における概略図である。
図2図2は、本発明の滅菌装置の収容室を拡大して示した概略図である。
図3図3は、本発明の滅菌装置の収容室を上方から拡大して示した概略図である。
図4図4は、本発明の滅菌装置の載置手段を動作させた状態を示した概略図である。
図5図5は、本発明の滅菌装置の載置手段を動作させた状態を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明の滅菌装置は、滅菌対象物を収容室内に収容し、滅菌対象物に電子線を照射して滅菌対象物の滅菌を行うためのものである。
【0024】
図1に示したように、本発明の実施形態における滅菌装置10は、滅菌対象物50を載置手段20上に載置して収容する収容室12を備え、さらに収容室12内に収容された滅菌対象物50に対して電子線を照射する電子線照射手段40を備えている。
【0025】
本実施形態における電子線照射手段40は、滅菌対象物50に対して電子線を下方から照射する下方照射手段42と、滅菌対象物50に対して電子線を上方から照射する上方照射手段44と、から成るものである。
【0026】
そして、収容室12内に設けられた載置手段20は、図2に示したように、滅菌対象物50の底部52を部分的に支持して載置状態を維持する第1支持体22と、この第1支持体22で支持した箇所とは異なる滅菌対象物50の底部52を部分的に支持して載置状態を維持する第2支持体24と、から成っている。
【0027】
第1支持体22には、第1支持体22を上下方向に移動させるための上下移動手段30が設けられており、これにより収容室12内を上下方向に移動することができるようになっている。なお、上下移動手段30は、公知の昇降機構を利用することができ、例えばエアシリンダー式、油圧シリンダー式、ネジ送り式など如何なる機構によるものであっても良い。
【0028】
一方、第2支持体24には上下移動手段30が設けられておらず、所定の位置に固定されている。
このような第1支持体22と第2支持体24は、図3に示したように、複数の棒状体26,28がそれぞれ並設されて、櫛状に構成されたものであり、第1支持体22の棒状体26と第2支持体24の棒状体28が交互となるように設けられている。
【0029】
すなわち、第1支持体22と第2支持体24は互いに嵌り合うように設けられているものの、図3に示したような上面視において、重なり合うことが無いように設けられている。
【0030】
そして、滅菌対象物50に対して滅菌を行う際には、まず収容室12の扉(図示せず)を開け、図2に示したように収容室12内の第1支持体22上に滅菌対象物50を載置させる。
【0031】
そして、収容室12の扉(図示せず)を閉め、収容室12内を密閉空間とした後、収容室12の上下に設けられた下方照射手段42および上方照射手段44から滅菌対象物50に対して電子線を照射する。電子線の照射時間については特に限定されるものではないが、本実施形態では10~50秒程度の電子線照射が行われる。
【0032】
この電子線の照射が行われている際に、上下移動手段30を起動させて、第1支持体22を下方に下げて行くと、図4に示したように第1支持体22の棒状体26と第2支持体24の棒状体28とが、水平方向に並ぶこととなる。
【0033】
そして、さらに第1支持体22を下方に下げて行くと、図5に示したように、第1支持体22上に載置された滅菌対象物50は、第2支持体24に受け渡しされることとなる。
第1支持体22と第2支持体24は、図3に示したように上面視において棒状体26と棒状体28とが互いに重なり合うことが無いように設けられているため、滅菌対象物50に対して電子線を照射している際に、第1支持体22上から第2支持体上へと滅菌対象物50の受け渡しをすれば、滅菌対象物50の底部52と載置手段20との間において、滅菌がなされない箇所が全く生じないため、確実に滅菌対象物50の滅菌を行うことができる。
【0034】
なお、本滅菌装置10は、最低限の構成として載置手段20が上下移動手段30を有する収容室12と、電子線照射手段40と、を備えれば良いが、他にも収容室12の一方側の側方に給気手段60、他方側の側方に排気手段62を設けても良いものである。
【0035】
このように、給気手段60と排気手段62とが設けられていれば、滅菌対象物50の滅菌を行う前に、収容室12内の前洗浄処理を行うことができ、さらに滅菌終了後に収容室12内から滅菌対象物50を取り出す際に、すぐに滅菌対象物50に細菌が付着してしまうことを極力防止することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、第1支持体22にのみ上下移動手段30を設けているが、第2支持体24にのみ上下移動手段30を設けても良く、さらには第1支持体22と第2支持体24の両方に上下移動手段30を設けても良く、特に限定されないものである。
【0037】
さらに、第1支持体22の棒状体26および第2支持体24の棒状体28も、図3に示したような本数、間隔、太さに限定されるものではなく、滅菌対象物50を確実に支持することができれば、如何なる本数、間隔、太さであっても構わないものである。
【0038】
また、本実施形態においては、電子線照射手段40として下方照射手段42と上方照射手段44の両方を用いているが、最低限、下方照射手段42のみとしても良いものである。すなわち、下方照射手段42から照射された電子線は滅菌対象物50の底部52から側方に回り込むため、滅菌対象物50の形状や大きさによっては、下方照射手段42のみとしても良いものである。
【0039】
さらに、上方から照射する上方照射手段44のみとして良い場合もある。すなわち、滅菌装置10の収容室12の下方部分に下方照射手段42を設置するスペースがない場合には、上方照射手段44のみとしても良い。上方照射手段44から照射された電子線は滅菌対象物50の上部から側方に回り込むため、滅菌対象物50の全面に対して電子線を照射することができる。
【0040】
さらに、本実施形態における滅菌装置10の収容室12のサイズは特に限定されるものではないが、例えば収容室12が隣接する部屋と部屋との間に存在する壁内に設けられるパスボックスであれば、既存のパスボックスとして、本滅菌装置10を設置することができる。
【0041】
すなわち、本発明の滅菌装置10は、載置手段20を上下移動手段30で上下動させる簡易な構造であるため、水平方向に装置が大型化することがなく、コンパクトとすることができ、製造コストを抑えることができる。しかも既存のパスボックスの代わりとして本発明の滅菌装置10を配設することができるため、設置コストも抑えることができ、既存のパスボックスのサイズに合わせた汎用性の高い滅菌装置10とすることができる。
【0042】
以上、本発明の滅菌装置10の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0043】
10・・・滅菌装置
12・・・収容室
20・・・載置手段
22・・・第1支持体
24・・・第2支持体
26・・・棒状体
28・・・棒状体
30・・・上下移動手段
40・・・電子線照射手段
42・・・下方照射手段
44・・・上方照射手段
50・・・滅菌対象物
52・・・底部
60・・・給気手段
62・・・排気手段
図1
図2
図3
図4
図5